JPH0653126B2

JPH0653126B2 - 補綴上部構造の保寺用歯科支柱

Info

Publication number: JPH0653126B2
Application number: JP60223875A
Authority: JP
Inventors: バーナード・ワイスマン
Original assignee: アイピーシーオーコーポレーション
Priority date: 1984-10-17
Filing date: 1985-10-09
Publication date: 1994-07-20
Anticipated expiration: 2009-07-20
Also published as: SE8504819L; CH669900A5; DE3532171A1; CA1265365A; FR2571608B1; GB2165459B; JPS6198253A; SE8504819D0; DE3532171C2; US4571187A; IT1182922B; GB8524845D0; FR2571608A1; GB2165459A; IT8548682A0; SE461500B

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野本発明は、歯根に固定状に挿入される歯科支柱に関する
ものである。歯科支柱は、歯根に立てられた修復歯の改
良された保持を行うために歯根から延びる角度指向頭部
を有している。

(ロ) 従来技術歯の状態を修復するさいに、欠損した歯列の交換をする
ために歯根に歯科補綴構造をつくることは歯科治療の分
野においては周知である。補綴構造が設置される適当な
支持をつくるために、歯根が最初に削り取られることに
よつて整えられる。歯科支柱が挿入される歯根内に穴が
開けられる。歯科支柱は、歯根に開けられた穴にその支
柱をよりよく保持するために成形された溝を有してい
る。適当な歯科セメントがこの保持のために用いられ
る。歯科補綴構造が歯根に成形されるときに、その構造
が歯科支柱の延長部分によつて歯根に定置されるよう
に、歯科支柱の一部が歯根の表面上方に延びている。

多数の代表的な歯科支柱が従来技術において提案されて
きた。これらのうちのいくつかのものは、穴内の歯科支
柱を追加的に保持するために、歯科セメントが浸透する
ことができるように円筒形ピンのまわりに成形されたね
じを有している。米国特許第４４７９７８３号（特願昭
５９−８４２３７号）においては、円筒形ピンの外面に
成形されたら旋溝を有する歯科支柱が開示されている。
そのら旋溝はピンの長さよりも大きいピツチを有してい
る。ら旋溝のいくつかは他の溝よりも幅および深さが大
きい。いくつかの歯科ピンにおいては、支柱を歯根のセ
メント準備穴に挿入するさいに、穴内の空気を追い出す
ために排気孔が設けられている。

前述した歯科支柱は、支柱を穴内に保持する点に関して
は改良されている。しかし、支柱の延長頭部が歯根上の
補綴構造の保持のためにも用いられる。したがつて、頭
部が歯根上の上部構造に十分な保持を与えるように、十
分な試みが頭部になされなければならない。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点したがつて、本発明の目的は、改良された歯科用支柱を
得ることにある。

本発明の別の目的は、歯根上に設置される補綴構造に増
強された保持能力を与える頭部を有する改良された歯科
支柱を得ることにある。

本発明のさらに別の目的は、補修歯が固定されうる歯根
から外方に延びかつ歯根上の補修歯の改良された保持を
与える頭部を有する歯科支柱を得ることにある。

本発明のさらに別の目的は、頭部が突出し、かつ、その
頭部が修復歯内の中央に配置されたまゝでいるように歯
根上につくられた修復歯に頭部が埋め込まれる歯科支柱
を得ることにある。

本発明のさらに別の目的は、円筒形ピンから延びる頭部
を有し、かつ、円筒形ピンに関して角度指向される平坦
舌片を有する歯科支柱を得ることにある。

(ニ) 問題点を解決するための手段要約すれば、本発明によれば、準備された歯根上に固定
される修復歯を保持するための歯科支柱が設けられる。
歯科支柱は細長い円筒形ピンを有し、歯根に開けたセメ
ント準備穴内に固定されるピンを保持するために、ピン
の周囲にら旋溝を設けてある。頭部はピンから延びてい
る。ピンを穴に挿入するさいに、頭部は歯根から外方に
突出している。修復歯が固定されうるのは頭部上であ
る。頭部は、歯根上の修復歯の改良された保持を与える
平坦舌片を有している。

本発明の実施例においては、舌片はピンの細長い軸に関
して傾斜されている。舌片はピンの直径よりも大きい幅
を有し、かつ、舌片の底部の幅はその頂部の幅よりも大
きくなるように、上方にテーパが付けられた側面が成形
される。突出リブが、保持機能を改善するために、平坦
舌片の外面に設けられる。適当な表示が寸法、形状等に
関する歯科支柱表示を舌片に成形される。その表示は舌
片の表面から突出し、それによつて頭部へのより大きい
保持機能を与える。

(ホ) 実施例本発明の歯科支柱１０が第１図に示されている。支柱１
０は、下方面取端１４を有する細長い円筒形ピン１２を
備えている。複数本のら旋溝１６がピン１２の周囲に成
形される。ら旋溝１６は前述した米国特許第４４７９７
８３号に詳細に記載されている。しかしながら、要約す
れば、ら旋溝１６は非常に大きいピツチを有している。
各ら旋溝のピツチはピン１２の長さよりも大きい。ら旋
溝１６の大きいピツチのために、多数の分離した個々の
ら旋が設けられることができ、溝１６が間隔をあけられ
る。このようにして、ピン１２の長手方向にそつて開始
・終了する複数本の別個の縦長の溝線ができる。好まし
くは、ピツチは１インチ当り約１回転であり、ピツチの
長さは約１９mm（０．７５０インチ）である。

多条の溝がピンの底まで延びているので、各溝のら旋通
路がピンのまわりで１回転以下になり、ピンが歯根に成
形された穴に挿入されるときに、穴からの空気の排出作
用をする複数本の通路ができる。空気が多条溝線にそつ
て逃げるとき、液体圧力が低下し、各溝線が別個の排気
通路を与える。したがつて、格別の排気通路がピンに設
けられる必要はない。好ましくは、各溝１６のピツチ
は、溝１６の排気機能を維持するためにピン１２の縦軸
に関して１０゜以下のピツチ角度を与える。

したがつて、溝線は２つの目的を与える。第１に、溝線
が穴内の改良された保持利点を与え、したがつてピン１
２が穴に挿入されるとき、セメントが歯根内に固定され
るピン１２を保持する。第２は、溝線が同時にピン１２
に対して排気通路として働くことである。

第５図に示すように、溝１６は異なる寸法から成形さ
れ、溝の深さは隣接溝間の間隔よりも小さい。部分的に
示すように、１組の３つの溝１８、２０、２２があり、
すべて大きい寸法であり、それらの間に小寸法の組の溝
がある。特に、１対の小寸法溝２４、２６が大寸法溝１
８、２０間に成形される。同様に、１対の小寸法溝２
８、３０が大寸法溝２０、２２の間に成形される。追加
の対の小寸法溝３２、３４が溝１８、２２間に成形され
る。したがつて、ピンの縦軸にそつてみた断面におい
て、ピンの副直径におけるよりもピンの主直径における
より大きい外周が存在するように、溝１６が少なくとも
１つの副直径を画定する各深さまでピン１２内に切り込
まれる。

一連の大小の溝が示されてはいるが、ピンには、大寸法
の溝もしくは小寸法の溝、もしくはその他の組合せ、ま
たはねじもしくは溝が設けられてもよい。

したがつて、特別のピンがら旋溝を有するように示され
てはいるが、本発明は標準の外部ら旋ねじを有する細長
い柱が設けられてもよい。さらに、ピンは支柱を歯根に
挿入するさいの排気孔として働く外部ねじを通つて設け
られる細長い垂直溝を有することもできる。

第１−４図において、ピン１２の一端から突出して頭部
３６が示されている。頭部３６は平坦舌片４０を支持す
る実質的に円錐形の首部分３８を有している。首部分３
８は１対の対向する前後部分４１、４２を有している。
前後部分４１、４２は首部分３８を分岐する働きをする
舌片４０によつて分離される。環状カラー４４は、ピン
１２と頭部３６との間の中間面において円周方向に突出
している。

平坦舌片４０は、側壁５０、５２を有する実質的に平ら
な前後面４６、４８を備えている。舌片の幅がその下端
よりも上端において小さくなるように、舌片は上方にテ
ーパが付けられている。さらに、上端は平坦頂壁５８ま
で延びるより大きいテーパ角度の付いたチツプ部分５
４、５６を有している。舌片４０の底は、首部分３８に
合流する弓形肩部６０、６２を有している。

複数の突出リブは舌片４０の周囲に成形される。特に、
３つの長手方向に間隔をあけたリブ６４、６６、６８が
示されている。各リブは中間部分７０を有し、中間部分
７０は横端におけるリブ厚みよりもわずかに薄い平坦前
後面４６、４８にそつて生じる。

歯科支柱の寸法の表示を与えるために、またはその特別
の品質もしくは用途を与えるために、第１図に示す表示
７２または第３図に示す表示７４が平坦舌片４０の前面
または後面の上端に成形されてもよい。この表示は、舌
片４０の面から突出していてもよい。

第２図および第４図に最もよく示すように、舌片４０は
支柱の縦軸に関して好ましくは７〜８゜の角度を付けら
れている。さらに、第２図に示すように、突出する舌片
の角度指向を収容するために舌片４０の７〜８゜の傾斜
と類似するように、前部４１が後部４２に関して角度を
付けられるように、円錐形首部分３８がづらされてい
る。舌片４０の幅はピン１２の直径よりも大きい。この
場合、舌片４０の厚みは第１−４図に最もよく示すよう
に、ピン１２の直径よりも小さい。

頭部３６の特別の構造は、歯根上の上部構造の改良され
た保持を与える。特に、舌片４０の幅は、それが上部構
造の保持を与えることができる程度に大きくなつてい
る。さらに、舌片の底が頂部よりも広くなるように舌片
にテーパを付けることによつて、上部構造の追加的保持
を与え、かつ、その形状にも一致する。同様に、円錐首
部分３８の存在および形状の作用と同様に、成形された
リブおよび突出表示がこのような保持に役立つ。この場
合、環状カラー４４は歯の穴にピン１２を挿入する適正
深さを表示し、かつ、下記に述べるストツパとしての機
能も果たす。

舌片４０がピンの縦軸に関して角度指向されているとい
うことは、重要である。これは、再び歯根上の上部構造
を保持するのに役立つ。さらに、特に前歯に関連して、
舌片４０の角度指向がこのような前歯内で舌片を中心に
定置させる働きをする。この場合、舌片は前歯に類似し
た角度指向を有する。周知のように、前歯は角度を付け
て成形される。したがつて、このような角度を付けた歯
を入れ換える歯の補綴は角度を付けて成形される。した
がつて、舌片４０の角度指向が補綴歯の角度指向に対応
するように歯科支柱を歯根に挿入することによつて、上
部構造の厚みが舌片のまわりで均等になるように歯の上
部構造内で中心に定置されるように舌片が配置される。
これはより大きい保持を与えるばかりではなく、上部構
造を強化する。さらに、支柱の陰効果（Shadow effec
t）が歯科技術において示されているように舌片４０の
形状によつて排除される。

(ヘ) 作用次いで第６〜８図を参照して、本発明の歯科支柱１０の
使用方法を簡潔に説明する。一例として、第６図には歯
の上端部（図示せず）が破損された歯肉７８内の歯根７
６が示されている。歯を準備するために、歯は、まず、
典型的に適当な上面８０を設けるよう切断される。歯根
７６上に上部構造を形成するために、歯科支柱のよう
な、支持部材を要求される。

最初に、穿孔しそして歯根にある根管部分８２に沿つて
歯髄を除去する周知の根管治療が施される。続いて、拡
大された穴８４が挿入される歯科支柱の環状カラー４４
の周縁に相応し、かつピン１２の直径よりも大きい寸法
で歯に穿孔される。セメント８６が次いで穴８４内にそ
して本発明の歯科支柱１０に乗せられる。支柱１０のピ
ン１２は穴８４内に挿入される。セメント８６はピンの
周囲に成形された溝、ら旋溝、またはねじを満たし、ピ
ン自体をも包囲する。カラー４４が穴の口に着座しそれ
以上の挿入の阻止をする。これにより、ピン１２の挿入
の適正な深さが第７図に示すように達成される。

支柱の頭部３６は歯根の表面８０の上方に延びている。
上部構造８８は、歯科技術では周知の標準的な技法にも
とづいて歯根上に適当に成形される。

最初に、複合またはプラスチツク材料構成体９０が歯科
支柱の延長頭部３６に成形される。複合またはプラスチ
ツク材料構成体９０は歯科医自身によつてつくられる。
次いで適当な型押がなされ、それが代表的には適当な金
属材料からつくられるクラウン鋳物９２の製造工場へ送
られる。最後に、その工場で上皮磁器またはプラスチツ
ク外皮クラウン９４が鋳物９２上に成形される。この場
合、歯科医は第８図に示すように上部構造を完成するた
めに慣用の方法で溝成体９０にクラウン９２、９２を嵌
合させる。

上部構造８８は、頭部３６によつて、特に円錐形首部分
ばかりではなく舌片４０によつて定位置に保持される。
第８図からわかるように、歯科上部構造８８は前歯とし
て代表的に示されている。このような歯においては、歯
の角度指向が口内で内方になり、第８図においては左向
きになる。したがつて、歯の角度指向と調和するように
舌片４０の角度指向が歯と同じ向きに向けられるよう
に、歯科支柱が挿入される。このようにして、上部構造
が完成された後に、舌片が補綴歯内で実質的に中心に配
置される。これにより、補綴歯の強度向上ばかりではな
く、保持の向上をも図ることができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にもとづく歯科支柱の平面図。第２図は
第１図に示す歯科支柱の上端の側面図であつて、頭部の
角度指向を示す。第３図は頭部の平面図。第４図は第１
図に示す歯科支柱の頂面図。第５図は第１図の５−５線
からみた横断面図であつて、ピン部分のまわりに設けら
れた代表的なら旋溝を示す。第６図は本発明の歯科支柱
を利用するために歯根の準備を示す歯根を通してみた縦
断面図。第７図は第６図に示すものと類似の縦断面図で
あつて、本発明の挿入された歯科支柱を示す。第８図は
第７図に示すものと類似のものであつて、歯根上に置か
れた修復歯を示す。１０……歯科支柱、１２……ピン１６……ら旋溝、３６……頭部４０……平坦舌片、３８……首部分７２、７４……表示、８８……上部構造

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】準備された歯根上の固定位置に修復歯を保
持する歯科支柱であって、所定の直径と縦に延びる軸を
有する細長い円筒形ピンと、該ピンの周囲に設けられて
いて歯根に開けたセメント準備穴内に固定される前記ピ
ンを保持する溝と、前記ピンが前記歯根穴内に挿入され
るときに修復歯が固定されうる歯根から外側に突出する
ように前記ピンから延長した頭部とからなり、前記頭部
が歯根に修復歯を保持する平坦舌片を有し、該舌片が前
記ピンの直径よりも大きい幅を有しており、更に、歯科支柱の表示をするために前記舌片の平坦面に
設けられた表示部を有し、前記舌片の保持機能を改良す
るために前記表示部は該舌片の平坦面から突出している
ことを特徴とした修復歯保持用歯科支柱。
【請求項２】前記舌片が前記ピン軸に関して角度指向さ
れていることを特徴とした特許請求の範囲第(1)項に記
載の歯科支柱。
【請求項３】前記頭部が上方にテーパの付いた実質的に
円錐形の首部分を有し、前記舌片が支持のために前記首
部分を分岐していることを特徴とした特許請求の範囲第
(1)項に記載の歯科支柱。
【請求項４】前記舌片の幅が前記円錐形首部分の根部幅
よりも大きいことを特徴とした特許請求の範囲第(3)項
に記載の歯科支柱。
【請求項５】前記円錐形首部分の根部幅が前記ピンの前
記直径とほぼ一致することを特徴とした特許請求の範囲
第(4)項に記載の歯科支柱。
【請求項６】前記ピンと前記円錐形首部分との間にある
中間面から突出した環状カラーを有することを特徴とし
た特許請求の範囲第(3)項に記載の歯科支柱。
【請求項７】前記舌片の両側が、該舌片の底部が該舌片
の頂部よりも広くなるように、上方にテーパを付けられ
ていることを特徴とした特許請求の範囲第(1)項に記載
の歯科支柱。
【請求項８】歯根上の修復歯の保持を行うために前記舌
片の周囲に設けられた複数の縦に間隔をあけた突出リブ
を有することを特徴とした特許請求の範囲第(1)項に記
載の歯科支柱。
【請求項９】前記突出リブは前記舌片の横端におけるよ
りも該舌片の両平坦面においてより薄い中間断面を有す
ることを特徴とした特許請求の範囲第(8)項に記載の歯
科支柱。
【請求項１０】前記舌片が前記ピン軸に関して角度指向
され、また、前記円錐形首部分の側面が前記舌片と同様
な向きに角度ずれを生じていることを特徴とした特許請
求の範囲第(3)項に記載の歯科支柱。
【請求項１１】前記ピンは前記溝を画定するための溝部
を有し、該溝部は前記ピンの周囲で別個のら旋通路をつ
くる複数条の外部に間隔をあけたら旋溝を有しているこ
とを特徴とした特許請求の範囲第(1)項に記載の歯科支
柱。
【請求項１２】前記ら旋通路が排気孔を画定するように
前記ピンのまわりで１回転以下になるように、前記溝は
該ピンの所定長さよりも大きいピッチを有することを特
徴とした特許請求の範囲第(11)項に記載の歯科支柱。
【請求項１３】前記舌片が前記ピン軸に関して角度指向
されていることを特徴とした特許請求の範囲第(11)項に
記載の歯科支柱。