JPH0653108U - コンクリート型枠の安全装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 クレーンのフックが側板や妻板を確実に吊り
上げないと、側板と妻板のロック機構が解除されず、安
全性を高めたコンクリート型枠の安全装置を提供するも
のである。 【構成】 側板３を基台１に蝶着して上下方向に開閉す
るコンクリート型枠において、側板３の外側に、上下方
向のシャフトガイド溝８を形成したガイド板７を取付
け、このシャフトガイド溝８を貫通して連結シャフト９
を横方向に取付けると共に、この連結シャフト９にフッ
ク取付け金具13を設け、且つ連結シャフト９の両端部が
上方から係合してストッパーとなる係合溝14を形成した
連結板15を、妻板５に突設したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は側板又は妻板を基台に蝶着したコンクリート型枠において、側板又は 妻板を開く時の型枠の安全装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に大型のＬ形擁壁やＵ字溝などを成形するコンクリート型枠では、側板又 は妻板を基台に蝶着して上下方向に開閉する構造のものがある。例えば側板の下 端が基台に蝶着して上下方向に開閉し、この両側の妻板が左右に開閉する構造の 型枠の場合、脱型するときに側板と妻板を開いて成型されたコンクリート製品を 型枠から取り出す。この脱型時に大型の型枠では、側板の上部に取付けたフック 取付け金具にクレーンのフックを掛けて側板が倒れないように保持してから、側 板と妻板の締付装置を解除し、次いで、クレーンを移動させて側板を吊りながら 開いて地面に倒している。

【０００３】 しかしながらこの方法では、クレーンのフックが側板の上部に固定された取付 け金具に確実に掛けられていない場合や、クレーンのワイヤーが緩んで吊り上げ ていない状態のまま、側板と妻板の締付装置を解除してしまうと、側板がクレー ンのフックから外れて急に倒れてくる危険性があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記欠点を除去し、クレーンのフックが側板や妻板を確実に吊り上げ ないとロック機構が解除されず、安全性を高めたコンクリート型枠の安全装置を 提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、側板又は妻板を基台に蝶着して上下方向に開閉するコンクリート型 枠において、側板又は妻板の外側に、上下方向のシャフトガイド溝を形成したガ イド板を取付け、このシャフトガイド溝を貫通して連結シャフトを横方向に取付 けると共に、この連結シャフトにフック取付け金具を設け、且つ連結シャフトの 両端部が上方から係合してストッパーとなる係合溝を形成した連結板を、妻板又 は側板に突設したことを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】

本考案のコンクリート型枠を脱型する時には、先ず側板と妻板を連結している 締付け装置を解除する。次に、クレーンのフックをフック取付金具に掛けた後、 クレーンを引上げると、フック取付金具は連結シャフトに接続されているので、 このフック取付金具は上方に引上げられ、この両端が連結板の係合溝から抜けて ロックが解除される。連結シャフトがガイド板のシャフトガイド溝の上部まで引 上げられると、ガイド板と側板は一体に接合されているので、側板も上方に向か って吊り上げられようとする。このように側板を吊り上げながらクレーンを前方 に移動させて、側板を吊りながらゆっくり倒して行く。従ってクレーンのフック により側板に連結されたフック取付金具を吊り上げないと、側板と妻板の連結が 解除されないので、側板がフックから外れて急に倒れるのを防止することができ る。

【０００７】

【実施例】

以下本考案の一実施例を図１乃至図５を参照して詳細に説明する。このコンク リート型枠はＬ形擁壁を成型するもので、基台１の上部には逆Ｌ字形の内枠２が 取付けられていると共に、この前面を囲むように側板３が設けられ、この側板３ の下部は、基台１に取付けた蝶番４で上下方向に開閉するように連結されている 。また内枠２の両側を囲むように妻板５、５が設けられ、これは蝶番４で左右に 開閉するように連結さている。また側板３の両端と、妻板５、５の端部とは締付 装置６で着脱自在に連結されている。

【０００８】 側板３の前面には、所定の間隔で複数のガイド板７…が突設されている。これ らのガイド板７…には上下方向の長孔状をなすシャフトガイド溝８が形成されて いる。９は連結シャフトで、これは前記各ガイド板７…のシャフトガイド溝８… を貫通して取付けられて、この両端に抜け止めワッシャー10、10が接合されてい る。また連結シャフト９の中間には、板材11に丸孔12を開孔したフック取付け金 具13が接合されている。また連結シャフト９の両端に位置する妻板５、５の端面 にはＵ字形の係合溝14を形成した連結板15が前方に向かって突設され、連結シャ フト９の両端部がＵ字形の係合溝14に上方から係合するようになっている。なお 16は連結シャフト９に両端側に前記抜け止めワッシャー10と間隔をおいて連結板 15を挟むように取付けられた横ずれ防止ワッシャーである。

【０００９】 上記コンクリート型枠を脱型する時には、先ず側板３と妻板５を連結している 締付装置６を解除する。次に図５の（Ａ）の状態から同図（Ｂ）に示すようにク レーンのフック17をフック取付金具13の丸孔12に掛ける。次にクレーンを引上げ るとフック取付金具13は連結シャフト９に接続されているので、このフック取付 金具13は上方に引上げられる。この結果、フック取付金具13の両端は連結板15の Ｕ字形の係合溝14から抜けてロックが解除される。

【００１０】 連結シャフト９がガイド板７の長孔状のシャフトガイド溝８の上部まで引上げ られると、ガイド板７と側板３は一体に接合されているので、側板３も上方に向 かって吊り上げられようとする。このように側板３を吊り上げながらクレーンを 前方に移動させて、図５の（Ｃ）に示すように、側板３を吊りながらゆっくり倒 して行く。この後、妻板５、５を左右に開いてから、成型した製品を取出す。

【００１１】 従ってクレーンのフック17により側板３に連結されたフック取付金具13を吊り 上げないと、側板３と妻板５の連結が解除されないので、側板３はクレーンのフ ック17で確実に支持されてから連結が解除されて側板３がフック17から外れて急 に倒れるのを防止することができる。

【００１２】 図６乃至図８は本考案の他の実施例を示すもので、側板３の前面には、所定の 間隔で複数のガイド板７…が突設されている。これらのガイド板７…には図７に 示すように上下方向の長孔状をなすシャフトガイド溝８が形成されている。また 前記各ガイド板７…のシャフトガイド溝８…を貫通して連結シャフト９が取付け られて、この両端に抜け止めワッシャー10、10が接合されている。また連結シャ フト９の中間の２ヶ所にはリング18で形成されたフック取付金具13が接合されて いる。なお20はこのフック取付金具13の横の連結シャフト９に接合された取付金 具横ずれ防止ワッシャーである。また連結シャフト９の両端に位置する妻板５、 ５の端面に取付けた連結板15は前記実施例と同様にＵ字形の係合溝14が形成され ている。

【００１３】 上記コンクリート型枠を脱型する時には、先ず側板３と妻板５を連結している 締付装置６を解除する。次に図８の（Ａ）の状態から同図（Ｂ）に示すように、 クレーンのフック17をリング18で形成されたフック取付金具13に掛ける。次にク レーンを引上げるとフック取付金具13は連結シャフト９に接続されているので、 このフック取付金具13は上方に引上げられ、この両端は連結板15のＵ字形の係合 溝14から抜けてロックが解除される。連結シャフト９がガイド板７の長孔状のシ ャフトガイド溝８の上部まで引上げられると、ガイド板７と側板３は一体に接合 されているので、側板３も上方に向かって吊り上げられようとする。このように 側板３を吊り上げながらクレーンを前方に移動させて、図８の（Ｃ）に示すよう に、側板３を吊りながらゆっくり倒して行く。この後、妻板５、５を左右に開い てから成型した製品を取出す。

【００１４】 なお上記実施例では側板３の前面に連結シャフト９を取付け、この両端に位置 する妻板５に、Ｕ字形の係合溝14を形成した連結板15を設けた構造について示し たが、この逆に妻板５に連結シャフト９を取付け、この両端に位置する側板３に 係合溝14を形成した連結板15を設けた構造でも良い。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明した如く本考案に係るコンクリート型枠の安全装置によれば、クレー ンのフックにより側板又は妻板に連結されているフック取付金具を吊り上げない と、側板と妻板の連結が解除されないので、側板がフックから外れて急に倒れる のを防止して安全性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例によるコンクリート型枠の安
全装置を示す斜視図である。

【図２】図１に示す安全装置を取付けたコンクリート型
枠の正面図である。

【図３】図２に示すコンクリート型枠の平面図である。

【図４】図２に示すコンクリート型枠の側面図である。

【図５】図４で円で囲った安全装置の作動状態を順次示
す説明図である。

【図６】本考案の他の実施例による安全装置を取付けた
コンクリート型枠の正面図である。

【図７】図６に示すコンクリート型枠の側面図である。

【図８】図７で円で囲った安全装置の作動状態を順次示
す説明図である。

【符合の説明】

１ 基台 ３ 側板 ４ 蝶番 ５ 妻板 ６ 締付装置 ７ ガイド板 ８ シャフトガイド溝 ９ 連結シャフト 13 フック取付金具 14 Ｕ字形の係合溝 15 連結板 17 クレーンのフック 18 リング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 側板又は妻板を基台に蝶着して上下方向
   に開閉するコンクリート型枠において、側板又は妻板の
   外側に、上下方向のシャフトガイド溝を形成したガイド
   板を取付け、このシャフトガイド溝を貫通して連結シャ
   フトを横方向に取付けると共に、この連結シャフトにフ
   ック取付け金具を設け、且つ連結シャフトの両端部が上
   方から係合してストッパーとなる係合溝を形成した連結
   板を、妻板又は側板に突設したことを特徴とするコンク
   リート型枠の安全装置。