JP3976594B2 - 胴綱掛け装置 - Google Patents

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JP3976594B2 JP2002065008A JP2002065008A JP3976594B2 JP 3976594 B2 JP3976594 B2 JP 3976594B2 JP 2002065008 A JP2002065008 A JP 2002065008A JP 2002065008 A JP2002065008 A JP 2002065008A JP 3976594 B2 JP3976594 B2 JP 3976594B2
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弘之 福留
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福留電気株式会社
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は胴綱掛け装置に関し、特にたとえば、床に形成された開口部付近で作業を行う際に、胴綱から引き出されているフックを掛けるための、胴綱掛け装置に関する。
【0002】
【従来技術】
たとえば所定以上の高さの床であって、その床に形成された開口部を利用して荷物を搬出入する際には、作業者は、胴綱(安全帯)を装着することが義務付けられている。この作業を行うときは、胴綱からロープを介して引き出されているフックを、たとえば壁に設けられている丸環フックに係合させる。
【0003】
しかし、開口部の周囲のうちでも壁から離れた場所で作業するときは、ロープが長くなり、作業がし難いという問題がある。
【0004】
そこで、開口部の周囲に安全柵を設置して、この安全柵に胴綱からのフックを掛けられるようにする場合がある。この安全柵を設置する手順は、まず、開口部の周囲の床面に複数の孔を形成して、各孔に支柱を差し込む。そして、これら複数の支柱に鉄パイプを水平な状態にして取り付ける。この鉄パイプは、開口部の周囲を囲むように配置され、この鉄パイプに胴綱からのフックを掛けることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の安全柵では、この開口部を利用して作業を行うたびに設置および撤去する必要があるので、安全柵の設置および撤去のための手間および時間が掛かる。そして、この安全柵を作業現場に持って行ったり持ち帰ったりする必要があり、そのような手間も掛かる。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、作業現場に設置できて、非使用状態で邪魔にならないように収納位置に変位させることができる、胴綱掛け装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、基台、基台に対して使用位置と収納位置とに変位可能に取り付けられる支柱、支柱に設けられる胴綱掛け部、および支柱を使用位置で固定するロック機構部を備え、ロック機構部は、支柱に取り付けられる係合部材、および基台と連結し凹部を有する揺動部材を含み、揺動部材が固定位置となって係合部材が凹部に保持され、揺動部材を固定位置に固定することによって支柱を使用位置で固定する、胴綱掛け装置である。
【0008】
第2の発明は、第1の発明の胴綱掛け装置を2台備え、この2台の胴綱掛け装置のそれぞれの支柱が胴綱掛け部を介して互いに連結される、胴綱掛け装置である。
【0009】
【作用】
第1および第2の発明の胴綱掛け装置は、たとえば床に形成された開口部の近傍に設置して使用することができる。支柱は、基台に取り付けられているので基台から外れることがないし、ロック機構部によって支柱を使用位置(たとえば起立位置)に固定することができる。したがって、作業者は、支柱に設けられている胴綱掛け部に、胴綱から引き出されているたとえばフックを掛けることによって安全に作業を行うことができる。そして、ロック機構部を解除状態にすることによって、使用位置にある支柱を収納位置に変位させることができる。収納位置となっている支柱は、たとえば基台内に収納される。
【0010】
第2の発明の胴綱掛け装置は、第1の発明の胴綱掛け装置を2台設置して、胴綱掛け部としてのたとえば鎖を2本の支柱の間に張り渡すことができるようにしたものである。これによって、この鎖が胴綱掛け部としての機能のほかに、柵としての機能を果たし、開口部への作業者の進入を防止できる。
【0011】
【発明の効果】
第1および第2の発明によれば、胴綱掛け装置を使用しないときは、支柱を収納位置にして、たとえば床に伏した状態にすることができる。このように、胴綱掛け装置を使用していないときは、作業現場で邪魔にならないようにすることができるので、この胴綱掛け装置を作業現場に設置することができる。したがって、現場での作業を行うたびに、胴綱掛け装置を作業現場に持って行ったり持ち帰ったりする必要がないし、作業現場に設置したり撤去したりする必要もない。よって、そのような手間および時間を省略することができる。
【0012】
第2の発明によれば、胴綱掛け部が柵としての機能を果たすことができるので、この胴綱掛け装置を設置することによって、これとは別に安全柵を設置する必要がなく経済的である。
【0013】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0014】
【実施例】
この発明の一実施例に係る胴綱掛け装置を図1等を参照して説明する。この胴綱掛け装置10は、たとえば図1に示すように、建物の床(たとえば2階の床)12に形成された矩形の開口部14の周囲に沿って、複数台設置されて使用されるものである。この実施例では、2台1組として4組設置して使用されている。各組を構成する2台の胴綱掛け装置10は、それぞれの支柱16の先端部に胴綱掛け部18としての鎖の各端部が連結されている。この胴綱掛け部18は、2本の支柱16が起立した状態(使用位置の状態)でほぼ水平に延びた状態となり、この胴綱掛け部18に胴綱(安全帯)20からロープ20aを介して引き出されているフック22を掛けることができる。これによって、作業者は開口部14付近で安全に作業することができる。なお、フック22には外れ止めが設けられている。
【0015】
図1に示す8台の胴綱掛け装置10は、それぞれ同等のものであるので、作業者24の右手前方に設置されている胴綱掛け装置10を説明し、これ以外の胴綱掛け装置10の説明を省略する。この胴綱掛け装置10は、図3に示すように、基台26,支柱16,胴綱掛け部18,留め部材28およびロック機構部30を備えており、それぞれの材質はたとえば鉄である。図3(A)は、支柱16が起立した状態の胴綱掛け装置10を示す正面図、図3(B)は、支柱16が基台26内に収納された状態の胴綱掛け装置10を示す平面図である。
【0016】
基台26は、図3に示すように、床12に固定して設置される部材であって、断面形状がコ字状の樋状部材である。基台26の左側端部には、側壁26aが形成されているが、右側端部には側壁が形成されていない。このように、右側端部に側壁が形成されていないのは、一対の支柱16に連結されている胴綱掛け部18を2つの基台26にわたって収納できるようにするためである。そして、基台26の左側部,中央部および右側部には、基台26を床12に固定するための固定板32が合計6枚設けられている。各固定板32は、底壁26bの縁部と結合し、この底壁26bと平行する水平方向に配置されている。なお、各固定板32には、取付け孔が形成されている。また、基台26には、第1および第2の2枚の蓋体34,36が開閉自在に設けられている。
【0017】
この第1および第2の蓋体34,36は、図2に示すように閉位置に回動させると、基台26の側壁26aの上縁に係止されて、基台26の上側開口部の全体を閉じた状態となる。この閉状態では、第1および第2の蓋体34,36のそれぞれの上面が床面と同一の高さとなり、作業者は、胴綱掛け装置10につまずくことなく安全に歩行することができる。なお、床12に形成されている開口部14は、蓋体38によって閉じられている。
【0018】
また、第1および第2の蓋体34,36を、図1の左上の2台の胴綱掛け装置10のように開位置に回動させると、支柱16を起立位置(使用位置)に回動させたり、基台26内に収納される折り畳み位置(収納位置)に回動させて変位させることができる。そして、右上の2台の胴綱掛け装置10のように、支柱16が起立位置となった状態で、第1の蓋体34を開いた状態にしておき、第2の蓋体36を閉じることができる。このように、第2の蓋体36を閉じると、作業者が基台26の上側開口部に足を踏み入れないようにすることができ、安全に作業を行うことができる。
【0019】
支柱16は、図3に示すように、断面形状がコ字状の樋状部材である。この支柱16の基端部は、基台26の左側端部と第1軸40を介して回動自在に連結している。この第1軸40は、両端部が基台26の側壁26aに支持されており、この基台26の側壁26aの内側に配置された支柱16の側壁16aがこの第1軸40と回動自在に連結している。
【0020】
また、支柱16を折り畳んだ状態でこの支柱16を基台26内に収納できるように、支柱16の長さを基台26の長さよりも短くしてあり、支柱16の底壁16bおよび側壁16aのそれぞれの幅を、基台26の対応するそれぞれの幅よりも狭く形成してある。そして、支柱16は、基台26内に収納された状態で、支柱16内に留め部材28を収納できるように、支柱16の開口部が基台26に向かうように配置されている。また、支柱16の先端部には、ピン42が設けられている。このピン42は、両方の各端部が支柱16の側壁16aに結合しており、胴綱掛け部(チェーン)18の一方の端部が連結されている。
【0021】
胴綱掛け部18は、チェーン等の線状体であり、胴綱20から引き出されているフック22を掛けるためのものである。胴綱掛け部18の各端部は、対応する各支柱16に設けられているピン42と連結している。胴綱掛け部18の長さは、図1に示すように、この部材18が連結する両方の支柱16が起立している状態で、ほほ水平に延びるように設定されている。
【0022】
留め部材28は、図3に示すように、断面形状がコ字状の樋状部材である。この留め部材28の一方の端部は、支柱16の中央よりも第1軸40側の部分と第2軸44を介して回動自在に連結している。この第2軸44は、両端部が支柱16の側壁16aに支持されており、この支柱16の側壁16aの内側に配置された留め部材28の側壁28aがこの第2軸44と回動自在に連結している。
【0023】
また、支柱16が折り畳たまれて基台26内に収納された状態で、留め部材28も支柱16内に収納されるように、この留め部材28の長さおよび幅が形成されている。そして、留め部材28は、基台26内に収納された状態で、留め部材28内にロック機構部30を収納できるように、留め部材28の開口部が基台26に向かうように配置されている。また、留め部材28の先端部には、係合ピン(係合部材)46が設けられている。この係合ピン46は、両方の各端部が留め部材28の側壁28aに結合しており、ロック機構部30の揺動部材48に形成されている凹部50に係合させるためのものである。
【0024】
ロック機構部30は、図4および図5に示すように、係合ピン46,固定部材52および揺動部材48を備えている。図4は、揺動部材48が固定部材52に対して開いた状態を示す斜視図であり、図5は揺動部材48が折り畳まれた状態を示す斜視図である。揺動部材48が図5に示す折り畳み位置にある状態では、留め部材28に設けられている係合ピン46がこのロック機構部30によって基台26に固定されており、これによって、支柱16を図1に示すように起立位置(使用位置)に固定することができる。
【0025】
固定部材52は、図4に示すように板状体であり、側面が基台26の側壁26aと平行する状態で、下縁部が基台26の底壁26bの上面に溶接されている。そして、固定部材52の右側端部が揺動部材48の基端部と第3軸54を介して回動自在に連結している。そして、固定部材52の上縁には、ロック溝56が形成されている。ロック溝56は、下方に向うに従って狭まる形状の入口部56a、およびこの入口部56aと連通する奥側部56bを備えている。奥側部56bは、第1軸40側に向かって斜め下方に延びる形状である。また、この固定部材52の第1軸40側の縁部52aは、基台26の底面に対して垂直に形成されている。この縁部52aは、図8(B)に示すように、留め部材28の先端部28bに形成されている係合ピン46が当接することによって、起立位置にある支柱16が折り畳み位置側へ回動することを係止するためのものである。
【0026】
揺動部材48は、図4に示すように、間隔を隔てて互いに平行する2枚の板状部58が連結部60を介して互いに連結する形状のものである。この2枚の板状部58は、基端部が固定部材52の端部と第3軸54を介して回動自在に連結している。この第3軸54は、両端部が板状部58に支持されており、この2枚の板状部58の内側に配置された固定部材52の端部がこの第3軸54と回動自在に連結している。各板状部58の先端部には、凹部50が形成されている。各凹部50は、係合ピン46を保持するためのものであり、図4に示すように、揺動部材48が開いた状態で各板状部58の上側となる縁部に形成されている。各凹部50には、第3軸54に向う方向に広がる奥側部50aが形成されている。
【0027】
また、図4に示すように、各板状部58には、斜め方向に長孔62が形成されており、この長孔62にロックピン(ロック部材)64が挿通している。ロックピン64は、この長孔62に沿って移動自在であり、長孔62から外れないように両端部に大径の外れ止め部が設けられている。長孔62は、図5および図8(B)に示すように、揺動部材48が、固定部材52に対して折り畳まれた状態で、ロック溝56の奥側部56bと重なり合う大きさおよび向きで各板状部58に形成されている。また、図8(A)に示すように、ロックピン64が長孔62の第3軸54側の端部(解除位置)に位置している状態で揺動部材48を折り畳み方向66に回動するときに、このロックピン64がロック溝56の入口部56aに挿入されるようにこの長孔62が形成されている。
【0028】
さらに、揺動部材48の先端部には、図4に示すように、傾斜面48を形成してある。この傾斜面48は、開いた状態にある揺動部材48の側に移動してくる係合ピン46を凹部50に係合し易くするための案内面である。そして、連結部60は、図8(B)に示すように、揺動部材48が折り畳み位置に回動した状態で、この連結部60の第3軸54側の端部が固定部材52の縁部52aの上端に形成されている切欠68に係合するように形成されている。このように、連結部60の端部が切欠68に係合することによって、揺動部材48が折り畳み位置に保持される。
【0029】
次に、胴綱掛け装置10を、図2に示すように、開口部14の周囲に設置する手順を説明する。今、支柱16は、図3(B)に示すように、折り畳まれて基台26内に収納されている状態とする。まず、胴綱掛け装置10を設置するための4つの溝70を開口部14の周囲に形成する。そして、各溝70に胴綱掛け装置10を2台ずつ突合せた状態で配置して、それぞれをアンカーボルトで床12に固定する。そして、基台26と溝70との隙間にたとえばモルタルを充填する。このとき、胴綱掛け装置10の閉位置にある蓋体34,36の上面と床面とが同一の高さとなるようにする。また、各溝70に設置される胴綱掛け装置10の向きは、図1に示すように、支柱16を起立させたときに、支柱16が溝70の端に位置するように配置する。
【0030】
次に、床12に設置されている胴綱掛け装置10の支柱16を、図6(A)に示すように基台26内に収納されている状態から、図6(C)に示すように起立位置に固定するまでの手順を図6〜図8を参照して説明する。まず、図6(A)に示す2台の胴綱掛け装置10に設けられている4つの蓋体34,36を開ける。そして、図6(B)に示すように、たとえば左側の胴綱掛け装置10の支柱16を手で持って、第1軸40を中心にして折り畳み位置(収納位置)から反時計方向に90°回動して起立位置(使用位置)で固定する。
【0031】
つまり、図7(A)に示すように、支柱16が基台26内に収納されて折り畳み位置にある状態では、留め部材28も基台26内に収納されており、揺動部材48が開いた状態にある。そして、支柱16をこの折り畳み位置から第1軸40を中心にして起立位置側の反時計方向に回動していくと、図7(B)に示すように、留め部材28の先端部28bが揺動部材48側に向かって移動して、係合ピン46が揺動部材48の凹部50に係合する。このとき、留め部材28は、先端部28bが基台26の底壁26bと当接した状態で揺動部材48側に移動するとともに、支柱16と第2軸44を介して連結する基端部が持ち上げられていく。
【0032】
そして、支柱16をさらに起立位置側に向かって回動させていくと、図8(A)に示すように、係合ピン46が凹部50に係合しているので、この係合ピン46に伴って揺動部材48が第3軸54を中心にして反時計方向66に回動する。
【0033】
そして、支柱16をさらに起立位置側に向かって回動させて、起立位置(図6(B)参照)に移動させると、図8(B)に示すように、係合ピン46が凹部50に係合している状態で揺動部材48が第3軸54を中心にして反時計方向にさらに回動して、揺動部材48が固定部材52に重なり合う折り畳み位置(固定位置)で停止する。揺動部材48が折り畳み位置で回動が停止するのは、連結部60が切欠68に当接するからである。この状態で、支柱16は起立位置にあり、この起立位置でロック機構部30によって支柱16が固定される。
【0034】
ロック機構部30が支柱16を起立位置で固定している固定状態では、図8(B)に示すように、係合ピン46が凹部50の入口部の内面と固定部材52の縁部52aとの間に挟み込まれている。つまり、留め部材28の先端部28bが基台26に沿って第1軸40から離れる方向(図8(B)の右方向)に移動することを固定部材52の縁部52aによって規制しており、留め部材28の先端部28bが基台26に沿って第1軸40に接近する方向(図8(B)の左方向)に移動することを揺動部材48の凹部50の内面によって規制している。また、留め部材28の先端部(係合ピン46)28bの上方向への移動を、揺動部材48の凹部50の内面によって規制しており、留め部材28の先端部28bの下方向への移動を、基台26の底壁26bによって規制している。このように、留め部材28の先端部28bを図8(B)に示す固定位置に固定することができるので、支柱16を図6(B)の実線で示す起立位置に確実に固定することができる。
【0035】
次に、揺動部材48が折り畳み位置の手前の位置にある図8(A)に示す状態から、揺動部材48を図8(B)に示す折り畳み位置に回動するときに、ロックピン64がロック溝56に挿入されるメカニズムについて説明する。まず、揺動部材48が図8(A)に示す状態で、ロックピン64が長孔62の第3軸54側の端部の位置(解除位置)にあり、揺動部材48が折り畳み位置となる方向に回動するときに、固定部材52に形成されているロック溝56の入口部56aにロックピン64が挿入される。そして、図8(B)に示すように、揺動部材48が固定部材52に重なり合う折り畳み位置(固定位置)に移動すると、長孔62の第3軸54側の端部に位置するロックピン64が、自重によって長孔62およびロック溝56の奥側部56bに沿って移動して、長孔62およびロック溝56の奥側の端部(ロック位置)で停止する。このように、ロックピン64が長孔62およびロック溝56の奥側端部に位置している状態では、折り畳み位置にある揺動部材48を、第3軸54を中心にして時計方向(上方向)に回動させようとしても、ロックピン64がロック溝56の奥側部56bの上縁に当接することとなり、揺動部材48の上方向への回動を規制することができる。これによって、図8(B)に示すように固定位置にある留め部材28の先端部28bに対して、上方に移動させる方向の力が掛かった場合でも、留め部材28の先端部28bの上方向への移動を揺動部材48によって規制することができる。したがって、留め部材28の先端部28bを固定位置に確実に固定することができるので、支柱16に対して折り畳み方向の外力が掛かった場合でも、起立位置に確実に保持することができる。
【0036】
このようにして、一方の胴綱掛け装置10の支柱16を起立位置に回動して固定することができる。同様にして、図6(C)に示すように、右側の胴綱掛け装置10の支柱16を起立位置に回動して固定することができる。このように2台の胴綱掛け装置10のそれぞれの支柱16を起立位置に固定した状態で、各支柱16の先端部のピン42に連結されている胴綱掛け部(チェーン)18がほぼ水平に張られた状態となる。同様にして、開口部14の周囲に設置されている他の胴掛け装置の支柱16を起立位置に固定して、図1に示す状態にする。これで、8台の胴綱掛け装置10の各支柱16を起立位置(使用位置)に固定するための作業が終了する。なお、図1に示すように、各胴綱掛け装置10に設けられている2つの蓋体34,36のうち一方の第2の蓋体36を閉じておく。これによって、作業者24の足が基台26内に踏み込まないようにすることができる。
【0037】
次に、図1に示すように起立位置に固定されている8本の支柱16を、図2に示すように各支柱16を折り畳んで基台26内に収納された状態にする手順を説明する。今、支柱16は起立位置に固定されているので、留め部材28の先端部28bは、図8(B)に示す状態で固定されている。まず、作業者は、図9(A)に示すように、長孔62およびロック溝56の奥側端部(ロック位置)に位置するロックピン64を指で挟んで矢印72の方向に移動させて、長孔62の他方の端部の位置(解除位置)で保持する。このように、ロックピン64を長孔62の解除位置に移動させると、ロックピン64をロック溝56の奥側部56bから外して入口部56aに移動させることができる。よって、図9(B)に示すように、ロックピン64を指で挟んだ状態で揺動部材48を第3軸54を中心にして時計方向に180°回動させることができ、揺動部材48を開いた状態にすることができる。これでロック機構部30が解除状態となる。このように、揺動部材48を開いた状態にすると、留め部材28の先端部28bを上方に移動させることができるので、留め部材28を手で持って先端部28bを固定部材52よりも上方に持ち上げる。そして、留め部材28を持ち上げた状態で、起立位置にある支柱16を他方の手で持って折り畳み方向に回動させる。そして、図7(A)に示すように、支柱16を折り畳み位置に移動させて基台26内に収納された状態にする。支柱16が基台26内に収納された状態では、留め部材28が支柱16の内側に収納された状態となる。
【0038】
同様にして、他方の胴綱掛け装置10の支柱16を折り畳み位置に移動させて基台26内に収納された状態にする。このとき、胴綱掛け部18も2つの基台26内に収納された状態となる。次に、2台のそれぞれの胴綱掛け装置10の蓋体34,36を閉じることによって、支柱16を基台26内に収納する作業を終了する。同様にして、開口部14の周囲に設置されている他の胴綱掛け装置10の支柱16および胴綱掛け部18を基台26内に収納して蓋体34,36を閉じる。これで、8台の胴綱掛け装置10の支柱16を基台26内に収納するための作業が終了する。そして、図2に示すように、床12に形成されている開口部14に蓋体38をして図2に示す状態にする。
【0039】
この胴綱掛け装置10によると、胴綱掛け装置10を使用しないときは、図2に示すように、支柱16を折り畳んで基台26内に収納することができ、そして、基台26の上側開口部を第1および第2の蓋体34,36で閉じることができる。また、閉位置にある蓋体34,36の上面と床面との高さが同一であるので、この胴綱掛け装置10を使用していないときに、作業現場で邪魔にならないようにすることができる。これによって、この胴綱掛け装置10を作業現場に設置することができる。したがって、現場での作業を行うたびに、胴綱掛け装置10を作業現場に持って行ったり持ち帰ったりする必要がないし、作業現場に設置したり撤去したりする必要もない。よって、そのような手間および時間を省略することができる。
【0040】
そして、支柱16は、基台26と第1軸40を介して連結しているので基台26から外れることがないし、支柱16を起立位置にしてロック機構部30を固定状態にすると、支柱16を起立位置に確実に固定することができる。したがって、作業者は、図1に示すように、支柱16に連結されている胴綱掛け部18に、胴綱20から引き出されているフック22を掛けることによって安全に作業を行うことができる。なお、開口部14付近で行われる作業として、この開口部14を利用してたとえば荷物を搬出入する場合がある。荷物の昇降は、たとえばクレーンやホイストで行われる。
【0041】
また、この胴綱掛け装置10は、2台ずつ設置して、胴綱掛け部18としての鎖を2本の支柱16に張り渡しているので、この鎖が柵としての機能を果たしている。したがって、この胴綱掛け部18によって、開口部14への作業者の進入を防止できる。
【0042】
ただし、上記実施例では、胴綱掛け装置10を床12に形成されている開口部14の周囲に設置する例を挙げたが、これ以外の場所にも設置することができる。たとえば建物の外壁の高所に形成されている開口部の床に、この胴綱掛け装置10を設置することができる。この開口部は、荷物を搬出入するためのものであって、扉は設置されているが、これに通じる階段や手すりは設けられていないものである。
【0043】
そして、上記実施例では、胴綱掛け部18として鎖を使用したが、これ以外の線状体としてよく、たとえばロープとしてもよい。
【0044】
また、上記実施例では、図1に示すように、2台の胴綱掛け装置10の支柱16に胴綱掛け部18を張り渡して使用したが、この胴綱掛け部18を使用せずに、各支柱16に設けられているピン42に胴綱20から引き出されているフック22を連結して作業を行うことができる。この場合は、ピン42が胴綱掛け部となる。
【0045】
さらに、上記実施例では、胴綱掛け装置10を2台設置して、それぞれの支柱16を胴綱掛け部18によって互いに連結した構成としたが、これに代えて、この2台の胴綱掛け装置10の2つの基台26を一体に形成して1台の胴綱掛け装置とし、2本の支柱16を胴綱掛け部18によって互いに連結した構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る胴綱掛け装置の支柱を起立位置に固定した状態を示す斜視図である。
【図2】図1の胴綱掛け装置の支柱を折り畳んで基台内に収納した状態を示す斜視図である。
【図3】(A)は図1に示す胴綱掛け装置の正面図、(B)は図3(A)の胴綱掛け装置の支柱を基台内に収納した状態を示す平面図である。
【図4】図1の胴綱掛け装置のロック機構部の解除状態を示す拡大斜視図である。
【図5】図4のロック機構部の固定状態を示す拡大斜視図である。
【図6】(A)は図1の2台の胴綱掛け装置の各支柱を基台内に収納した状態を示す正面図、(B)は図6(A)の左側の胴綱掛け装置の支柱を起立させる状態を示す正面図、(C)は図6(B)の右側の胴綱掛け装置の支柱を起立させる状態を示す正面図である。
【図7】(A)は図1の胴綱掛け装置の支柱を基台内に収納した状態を示す拡大断面図、(B)は図7(A)の留め部材の係合ピンが揺動部材の凹部に係合する状態を示す拡大断面図である。
【図8】(A)は図7(B)の係合ピンに伴って揺動部材が回動する状態を示す拡大断面図、(B)は図8(A)のロック機構部の固定状態を示す拡大断面図である。
【図9】(A)は図8(B)の固定状態にあるロック機構部のロックピンを第3軸側に移動させた状態を示す拡大断面図、(B)は図9(A)の揺動部材を回動させてロック機構部を解除した状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
10 …胴綱掛け装置
12 …床
14 …開口部
16 …支柱
18 …胴綱掛け部
20 …胴綱
22 …フック
26 …基台
28 …留め部材
30 …ロック機構部
34,36,38 …蓋体
40 …第1軸
42 …ピン
44 …第2軸
46 …係合ピン(係合部材)
48 …揺動部材
50 …凹部
52 …固定部材
54 …第3軸
56 …ロック溝
62 …長孔
64 …ロックピン(ロック部材)

Claims (5)

  1. 基台、
    前記基台に対して使用位置と収納位置とに変位可能に取り付けられる支柱、
    前記支柱に設けられる胴綱掛け部、および
    前記支柱を前記使用位置で固定するロック機構部を備え
    前記ロック機構部は、前記支柱に取り付けられる係合部材、および前記基台と連結し凹部を有する揺動部材を含み、
    前記揺動部材が固定位置となって前記係合部材が前記凹部に保持され、前記揺動部材を前記固定位置に固定することによって前記支柱を前記使用位置で固定する、胴綱掛け装置。
  2. 前記ロック機構部は、さらに前記基台に設けられロック溝を有する固定部材、および前記揺動部材に設けられるロック部材を含み、
    前記ロック部材が前記ロック溝に係合することによって、前記揺動部材を前記固定位置に固定する、請求項記載の胴綱掛け装置。
  3. 請求項1または2記載の胴綱掛け装置を2台備え、
    この2台の前記胴綱掛け装置のそれぞれの前記支柱が前記胴綱掛け部を介して互いに連結される、胴綱掛け装置。
  4. 2台の前記胴綱掛け装置の両方の前記基台が一体に形成された、請求項記載の胴綱掛け装置。
  5. 前記胴綱掛け部が線状体である、請求項1ないしのいずれかに記載の胴綱掛け装置。
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