JPH0653026U - 円鋸の刃部の構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） ［目的］ 超硬チップを支持する歯台の反回転側の外周
部の一部に超硬の粒状物が固着された二次刃を形成する
ことにより、超硬の粒状物の消費量を低減しながら切断
性能を長期に亘って良好に維持する。 ［構成］ 円板状の台金７の外周に半径方向に突出する
歯台９を周方向に所定ピッチで形成し、各歯台９の回転
側端面に超硬チップ１０を固着し、少なくとも一部の歯
台であってかつ該歯台の外周部の一部に超硬の粒状物を
固着して二次刃１１を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、円板状の台金の外周に放射方向に突出する多数の刃部を有する円鋸 に関し、特にその刃部の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の技術として図３に示すものがあった。図３において、１は円鋸であり、 円板状の台金２の外周部にスリット３により周方向に分割された多数の歯台４を 形成し、各歯台４の回転側端面（左端面）に板状の超硬チップ５をロウ付け固着 するとともに、該超硬チップ５の先端切刃５ａを上記歯台４の外周面４ａから半 径方向外方に約１mm突出させる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記記従来のものは、専ら超硬チップ５が被切断物に接触して該被切断物を切 断するため、先端切刃５ａが摩耗したり折損したりすると、直に切断性能が低下 し、寿命を延ばすことができない欠点があった。本考案は、上記欠点を解消した 新規な円鋸の刃部の構造を得ることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記目的を達成するために以下の如く構成したものである。即ち、 円板状の台金の外周に半径方向に突出する歯台を周方向に所定ピッチで形成し、 各歯台の回転側端面に超硬チップを固着し、少なくとも一部の歯台であってかつ 該歯台の外周部の一部に超硬の粒状物を固着して二次刃を形成する構成にしたも のである。また、前記二次刃を前記超硬チップから反回転側に離間させ、二次刃 と超硬チップとの間に位置する歯台の外周部を軸心方向に凹ませる構成にしたも のである。

【０００５】

【作用】 本考案は上記構成にしたものであるから、被切削物を超硬チップと二次刃との 双方で切断することになる。この場合、超硬チップにより切断された切断面は多 数の粒子を有する二次刃によって平滑に面仕上げされることになる。また二次刃 を超硬チップから反回転側に離間させ、二次刃と超硬チップとの間に位置する歯 台の外周部を軸心方向に凹ませる構成にしたものにあっては、超硬チップを研磨 する際に砥石が二次刃に接触し難くなる。

【０００６】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基いて説明する。図面において、図１は本考案の 実施例を示す部分側面図、図２はその平面図である。図１において、６は円鋸構 造であり、円板状の台金７の外周部にスリット８により周方向に分割された多数 の歯台９を形成する。各歯台９はその回転側端面つまり左端面に超硬チップ１０ を支持する段部９ａを形成し、その外周部の左半部（周方向に約６mm）に回転側 （左端）から反回転側（右端）に向かって約１０度で軸心方向に傾斜する楔形の 凹部９ｂを形成する。

【０００７】 上記歯台９の段部９ａに超硬チップ１０をロウ付け固着し、また上記各歯台９ の右半部の外周面に周方向に約６mm、半径方向に約２mmの幅で立方晶窒化硼素、 ダイヤモンド粒等からなる超硬の粒状物を固着して二次刃１１を形成する。この 二次刃１１は周方向に複数置きの歯台９に形成するようにしてもよい。上記超硬 チップ１０は、回転側外端に先端切刃１０ａを形成し、この先端切刃１０ａを形 成する外周面の逃げ角αを約１０度に形成する。

【０００８】 上記二次刃１１の外径Ｄ２は超硬チップ１０の先端切刃１０ａの外径Ｄ１より も０.０１mm〜０.０５mm程度小さく形成し、また図２に示すように、上記超硬チ ップ１０の幅Ｗは二次刃１１の厚さＴよりも若干広幅に形成してその両側端を二 次刃１１の両側面から若干側方に突出させ、この突出部に側面切刃１０ｂを形成 する。なお上記外径Ｄ１，Ｄ２および幅Ｗおよび厚さＴはそれぞれ等寸にしても よい。

【０００９】 次ぎに上記実施例の作用・効果について説明する。円鋸６を回転させて被切断 物に向けて進行させると、超硬チップ１０の先端切刃１０ａ，側面切刃１０ｂと 二次刃１１との双方が上記被切断物に接触し、該被切断物を切断することになる 。この場合、超硬チップ１０により切断された切断面は多数の粒子を有する二次 刃１１によって平滑に面仕上げされることになる。また上記先端切刃１０ａおよ び側面切刃１０ｂが折損した際には主として二次刃１１が被切断物を切断するこ とになり、刃部の切断性能が長期に亘って良好に維持されることになる。また二 次刃１１が超硬チップ１０から反回転側に離間するとともに、二次刃１１と超硬 チップ１０との間に位置する歯台９に凹部９ｂを形成しているので、超硬チップ １０の外周面つまり逃げ面１０ｃを研磨する際に砥石が二次刃１１に接触しなり 、二次刃１１の損傷を防止することができる。

【００１０】

【考案の効果】

以上の説明から明らかな如く、本考案は、超硬チップを支持する歯台の反回転 側の外周部の一部に超硬の粒状物が固着された二次刃を形成するようにしたので 、超硬の粒状物の消費量を低減しながら切断性能を長期に亘って良好に維持する ことができる効果を奏する。また超硬チップを研磨する際に上記二次刃が砥石に よって損傷されなくなる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す部分側面図である。

【図２】図１の平面図である。

【図３】従来例を示す部分側面図である。

【符号の説明】

６ 円鋸 ７ 台金 ８ スリット ９ 歯台 ９ａ 段部 ９ｂ 凹部 １０ 超硬チップ １０ａ 先端切刃 １０ｂ 側面切刃 １１ 二次刃１１

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円板状の台金の外周に半径方向に突出す
   る歯台を周方向に所定ピッチで形成し、各歯台の回転側
   端面に超硬チップを固着し、少なくとも一部の歯台であ
   ってかつ該歯台の外周部の一部に超硬の粒状物を固着し
   て二次刃を形成したことを特徴とする円鋸の刃部の構
   造。
2. 【請求項２】 前記二次刃を前記超硬チップから反回転
   側に離間させ、二次刃と超硬チップとの間に位置する歯
   台の外周部を軸心方向に凹ませたことを特徴とする請求
   項１記載の円鋸の刃部の構造。