JPH065283A - 多孔質ニッケル電極の製造方法 - Google Patents
多孔質ニッケル電極の製造方法Info
- Publication number
- JPH065283A JPH065283A JP4158153A JP15815392A JPH065283A JP H065283 A JPH065283 A JP H065283A JP 4158153 A JP4158153 A JP 4158153A JP 15815392 A JP15815392 A JP 15815392A JP H065283 A JPH065283 A JP H065283A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nickel
- sodium
- chloride
- electrode
- porous
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M4/00—Electrodes
- H01M4/02—Electrodes composed of, or comprising, active material
- H01M4/64—Carriers or collectors
- H01M4/70—Carriers or collectors characterised by shape or form
- H01M4/80—Porous plates, e.g. sintered carriers
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Electrochemistry (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】ニッケル利用率が30重量%を越えるようなナ
トリウム−塩化ニッケル電気化学電池中で使用するため
の多孔質ニッケル電極を得ること。 【構成】ギ酸ニッケル粉と塩化ナトリウム粉を10:1
〜1:1の割合で混合し、所定の形状に成形する。それ
を不活性雰囲気下、ほぼ250℃で加熱処理しギ酸ニッ
ケルを分解する。さらに不活性雰囲気下500〜750
℃で焼結する。この工程により、ナトリウム−塩化ニッ
ケル電池において正極材料として使用される多孔質ニッ
ケル電池が製造される。 【効果】塩化ナトリウムの溶融点(801℃)より若干
低い温度において、還元性雰囲気内で焼結された、ニッ
ケル−塩化ナトリウム焼結体の電極と比較した場合、本
発明に係る多孔質ニッケル電極は活物質の一層高度をも
たらし、その結果、電気化学的電池が一層高い全体的エ
ネルギー密度を持つに到る。
トリウム−塩化ニッケル電気化学電池中で使用するため
の多孔質ニッケル電極を得ること。 【構成】ギ酸ニッケル粉と塩化ナトリウム粉を10:1
〜1:1の割合で混合し、所定の形状に成形する。それ
を不活性雰囲気下、ほぼ250℃で加熱処理しギ酸ニッ
ケルを分解する。さらに不活性雰囲気下500〜750
℃で焼結する。この工程により、ナトリウム−塩化ニッ
ケル電池において正極材料として使用される多孔質ニッ
ケル電池が製造される。 【効果】塩化ナトリウムの溶融点(801℃)より若干
低い温度において、還元性雰囲気内で焼結された、ニッ
ケル−塩化ナトリウム焼結体の電極と比較した場合、本
発明に係る多孔質ニッケル電極は活物質の一層高度をも
たらし、その結果、電気化学的電池が一層高い全体的エ
ネルギー密度を持つに到る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主にナトリウム−塩化
ニッケル電池において正極材料として機能する多孔質ニ
ッケル電極を製造する方法に関する。
ニッケル電池において正極材料として機能する多孔質ニ
ッケル電極を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高温型の二次電池であるナトリウム−塩
化ニッケル電池は、エネルギー密度及び出力密度が高い
という特徴を有し、電気自動車あるいは電力平滑化用二
次電池として注目されている。ナトリウム−塩化ニッケ
ル電池(米国特許No.4546055)は、電池の作
動温度では溶融しているナトリウム負極と、同様に電池
の作動温度では溶融している塩化アルミニウムナトリウ
ムの溶融塩電解質と、溶融塩電解質を含浸した塩化ニッ
ケルが含有している正極、及び負極と溶融塩電解質の間
にあり溶融塩電解質から負極を隔離するナトリウムイオ
ン伝導性である固体電解質から構成される。塩化アルミ
ニウムナトリウムの溶融塩電解質では、電解質中のナト
リウムイオンとアルミニウムイオンの比率は、溶融塩電
解質が含浸している正極活物質の溶解度を最少値もしく
は最少値に近い値にすべく適当に設定される。代表的な
ナトリウムイオン伝導性である固体電解質には、アルミ
ニウム酸ナトリウムの一種のβ″−アルミナがある。正
極は、塩化ニッケルが分散されており、良好な電気伝導
性、電解質浸透性を有する多孔質マトリックスである。
ナトリウム塩化ニッケル電池の代表的な構造を図1に示
す。101は負極の集電体として機能する金属性の容
器。102は溶融ナトリウム。103はナトリウムイオ
ン伝導性固体電解質。104は溶融塩化アルミニウムナ
トリウム。105はニッケルと塩化ニッケルの多孔質複
合体。106は負極と正極の集電体を絶縁している電気
絶縁性のセラミックス材料。107は正極の集電体。
化ニッケル電池は、エネルギー密度及び出力密度が高い
という特徴を有し、電気自動車あるいは電力平滑化用二
次電池として注目されている。ナトリウム−塩化ニッケ
ル電池(米国特許No.4546055)は、電池の作
動温度では溶融しているナトリウム負極と、同様に電池
の作動温度では溶融している塩化アルミニウムナトリウ
ムの溶融塩電解質と、溶融塩電解質を含浸した塩化ニッ
ケルが含有している正極、及び負極と溶融塩電解質の間
にあり溶融塩電解質から負極を隔離するナトリウムイオ
ン伝導性である固体電解質から構成される。塩化アルミ
ニウムナトリウムの溶融塩電解質では、電解質中のナト
リウムイオンとアルミニウムイオンの比率は、溶融塩電
解質が含浸している正極活物質の溶解度を最少値もしく
は最少値に近い値にすべく適当に設定される。代表的な
ナトリウムイオン伝導性である固体電解質には、アルミ
ニウム酸ナトリウムの一種のβ″−アルミナがある。正
極は、塩化ニッケルが分散されており、良好な電気伝導
性、電解質浸透性を有する多孔質マトリックスである。
ナトリウム塩化ニッケル電池の代表的な構造を図1に示
す。101は負極の集電体として機能する金属性の容
器。102は溶融ナトリウム。103はナトリウムイオ
ン伝導性固体電解質。104は溶融塩化アルミニウムナ
トリウム。105はニッケルと塩化ニッケルの多孔質複
合体。106は負極と正極の集電体を絶縁している電気
絶縁性のセラミックス材料。107は正極の集電体。
【0003】正極のマトリックスは、電解質のナトリウ
ムイオンが正極活物質に近づくのを可能ならしめる適当
な電気伝導性物質である。マトリックスの中に分散され
ている塩化ニッケルは、細分された粒子形状であっても
良く、また微粒子もしくは薄層としてマトリックスに付
着していても良い。活物質として塩化ニッケルはマトリ
ックスから剥離されていないことが好ましい。
ムイオンが正極活物質に近づくのを可能ならしめる適当
な電気伝導性物質である。マトリックスの中に分散され
ている塩化ニッケルは、細分された粒子形状であっても
良く、また微粒子もしくは薄層としてマトリックスに付
着していても良い。活物質として塩化ニッケルはマトリ
ックスから剥離されていないことが好ましい。
【0004】正極を含有する塩化ニッケルの最も一般的
な形においてはマトリックスは塩化ニッケル活物質の放
電物であるニッケル金属で構成される。多孔質ニッケル
正極マトリックスを完全なナトリウム−塩化ニッケル電
池の1部として充電した時、ニッケルマトリックスの表
面層は電気化学的に変換され、塩化ニッケルの電気絶縁
層となる。塩化ニッケル層の厚さは、物理的に限界があ
る。というのは、溶融塩電解質が塩化ニッケル層を透過
し、未反応なニッケル表面部分へ拡散する速度が塩化ニ
ッケル層の厚さが増すにつれて極端にゆっくりとなるか
らである。充電された正極が放電された時、薄い塩化ニ
ッケル層は再びニッケルに変換される。電気化学的実験
によると、平たん仕上げのニッケル線上に形成された塩
化ニッケル層の最大厚さは、ほぼ200Åと見積られ
る。多孔質ニッケル正極マトリックスの単位重さ当たり
の表面積が小さいために、ニッケルの大部分は活物質と
して使用されず、ただ集電体としてのみ使用される。高
ニッケル利用率の正極を得るためには、多孔質ニッケル
正極マトリックスの単位重さ当たりの表面積を最大にす
る必要がある。理想的な多孔質ニッケル正極マトリック
スにおいては、正極を満充電した場合、必要最小限に薄
いニッケルの導電性骨格を残し、その他のニッケルは全
て塩化ニッケルに変換される。
な形においてはマトリックスは塩化ニッケル活物質の放
電物であるニッケル金属で構成される。多孔質ニッケル
正極マトリックスを完全なナトリウム−塩化ニッケル電
池の1部として充電した時、ニッケルマトリックスの表
面層は電気化学的に変換され、塩化ニッケルの電気絶縁
層となる。塩化ニッケル層の厚さは、物理的に限界があ
る。というのは、溶融塩電解質が塩化ニッケル層を透過
し、未反応なニッケル表面部分へ拡散する速度が塩化ニ
ッケル層の厚さが増すにつれて極端にゆっくりとなるか
らである。充電された正極が放電された時、薄い塩化ニ
ッケル層は再びニッケルに変換される。電気化学的実験
によると、平たん仕上げのニッケル線上に形成された塩
化ニッケル層の最大厚さは、ほぼ200Åと見積られ
る。多孔質ニッケル正極マトリックスの単位重さ当たり
の表面積が小さいために、ニッケルの大部分は活物質と
して使用されず、ただ集電体としてのみ使用される。高
ニッケル利用率の正極を得るためには、多孔質ニッケル
正極マトリックスの単位重さ当たりの表面積を最大にす
る必要がある。理想的な多孔質ニッケル正極マトリック
スにおいては、正極を満充電した場合、必要最小限に薄
いニッケルの導電性骨格を残し、その他のニッケルは全
て塩化ニッケルに変換される。
【0005】電気車両輸送及び電力平滑化用電池は、高
エネルギー密度を有しなくてはならない。ナトリウム−
塩化ニッケル電池に含有される多孔質ニッケル正極マト
リックスにおいて、ニッケル利用率と電池全体のエネル
ギー密度との関係は、米国エネルギー省(DOE)との
契約に基づいて行なわれたシミュレーション研究の1部
として計算されてきた。DOEレポートNo.CHH1
0406−T2によると、ニッケル利用率が30%から
40%に増加するとマルチチューブ電池セルにとってエ
ネルギー密度は25%増加する。同様の改良が実際の電
池設計にも期待できる。
エネルギー密度を有しなくてはならない。ナトリウム−
塩化ニッケル電池に含有される多孔質ニッケル正極マト
リックスにおいて、ニッケル利用率と電池全体のエネル
ギー密度との関係は、米国エネルギー省(DOE)との
契約に基づいて行なわれたシミュレーション研究の1部
として計算されてきた。DOEレポートNo.CHH1
0406−T2によると、ニッケル利用率が30%から
40%に増加するとマルチチューブ電池セルにとってエ
ネルギー密度は25%増加する。同様の改良が実際の電
池設計にも期待できる。
【0006】ナトリウム−塩化ニッケル電池において活
性塩化ニッケルを有する正極に電気化学的に変換され得
る多孔質ニッケル正極マトリックスを製造するいくつか
の方法が報告されている。米国特許No.452967
6によると、ニッケルあるいはNi3 Bのようなニッケ
ル化合物をたとえば水素の還元雰囲気下で焼結すること
によりマトリックスは形成される。また米国特許No.
4529676によると、マトリックスは、1)ニッケ
ルあるいはニッケル化合物と有機バインダーの混合物を
加圧成形し、2)混合物を400℃以上で加熱してバイ
ンダーを分解することにより形成される。さらに米国特
許No.4529676によると、マトリックスは細か
く粉砕された塩化ナトリウムとニッケルもしくはニッケ
ル化合物を混合し、混合物を還元雰囲気下で焼結するこ
とにより形成される。米国特許No.4772449に
よると、マトリックスは、1)ニッケルの粒子を酸化雰
囲気下で450〜550℃に加熱し、粒子を部分的に酸
化させ、互いに付着させ、単一の多孔質マトリックスの
形状とする、2)酸化マトリックスを還元雰囲気下で7
50〜790℃に加熱し、単一マトリックスの形成中に
生成された酸化物を還元し、3)還元されたマトリック
スを塩化アルミニウムナトリウムの溶融塩電解質中に分
散された塩化ナトリウムで含浸することにより形成され
る。また同特許によれば、前記1)の工程の前に塩化ナ
トリウムとニッケル粉を混合する工程を付加する方法で
も多孔質マトリックスは形成できる。これらの方法によ
り、多孔質ニッケル正極マトリックスは得られ、ほぼ1
00Wh/kgという高エネルギー密度を有する作動セ
ルに組み込まれる。
性塩化ニッケルを有する正極に電気化学的に変換され得
る多孔質ニッケル正極マトリックスを製造するいくつか
の方法が報告されている。米国特許No.452967
6によると、ニッケルあるいはNi3 Bのようなニッケ
ル化合物をたとえば水素の還元雰囲気下で焼結すること
によりマトリックスは形成される。また米国特許No.
4529676によると、マトリックスは、1)ニッケ
ルあるいはニッケル化合物と有機バインダーの混合物を
加圧成形し、2)混合物を400℃以上で加熱してバイ
ンダーを分解することにより形成される。さらに米国特
許No.4529676によると、マトリックスは細か
く粉砕された塩化ナトリウムとニッケルもしくはニッケ
ル化合物を混合し、混合物を還元雰囲気下で焼結するこ
とにより形成される。米国特許No.4772449に
よると、マトリックスは、1)ニッケルの粒子を酸化雰
囲気下で450〜550℃に加熱し、粒子を部分的に酸
化させ、互いに付着させ、単一の多孔質マトリックスの
形状とする、2)酸化マトリックスを還元雰囲気下で7
50〜790℃に加熱し、単一マトリックスの形成中に
生成された酸化物を還元し、3)還元されたマトリック
スを塩化アルミニウムナトリウムの溶融塩電解質中に分
散された塩化ナトリウムで含浸することにより形成され
る。また同特許によれば、前記1)の工程の前に塩化ナ
トリウムとニッケル粉を混合する工程を付加する方法で
も多孔質マトリックスは形成できる。これらの方法によ
り、多孔質ニッケル正極マトリックスは得られ、ほぼ1
00Wh/kgという高エネルギー密度を有する作動セ
ルに組み込まれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のタイプ
の焼結ニッケル電極における電気化学的に利用可能なニ
ッケル量は、全ニッケル量のわずか28%が最大だと報
告されている。このニッケル利用率28%という値は細
粉砕された塩化ナトリウム粉とニッケル粉が焼結以前に
均一に混合され、その後成形された電極のみに得られる
ものである。焼結前に塩化ナトリウムが加えられていな
い焼結ニッケル電極については、ニッケル利用率の割合
はかなり低い。このように、塩化ナトリウム粉の含有が
適切な大きさの孔を持つ多孔質ニッケル正極マトリック
スを製造するのに不可欠であると仮定できる。
の焼結ニッケル電極における電気化学的に利用可能なニ
ッケル量は、全ニッケル量のわずか28%が最大だと報
告されている。このニッケル利用率28%という値は細
粉砕された塩化ナトリウム粉とニッケル粉が焼結以前に
均一に混合され、その後成形された電極のみに得られる
ものである。焼結前に塩化ナトリウムが加えられていな
い焼結ニッケル電極については、ニッケル利用率の割合
はかなり低い。このように、塩化ナトリウム粉の含有が
適切な大きさの孔を持つ多孔質ニッケル正極マトリック
スを製造するのに不可欠であると仮定できる。
【0008】塩化ナトリウムは焼結ニッケル電極におけ
る孔を製造するのに有益な物質である。というのは、ナ
トリウム−塩化ニッケル電池の放電生成物であり、電池
の性能を劣化させるような影響を何らもたらさないから
である。しかし、塩化ナトリウムは比較的融点(801
℃)が低いため、ニッケルと塩化ナトリウムの混合物に
対し、焼結温度を800℃以下に限定する。塩化ナトリ
ウムとニッケルの混合物を塩化ナトリウムの融点以上の
温度で焼結すると、塩化ナトリウムは溶解し、部分的に
混合物から分解し、結果として孔構造を破壊することに
なる。一般的に塩化ナトリウムの融点以上で焼結した混
合物は、塩化ナトリウムの融点以下で焼結したものと比
べニッケル利用率が低い。
る孔を製造するのに有益な物質である。というのは、ナ
トリウム−塩化ニッケル電池の放電生成物であり、電池
の性能を劣化させるような影響を何らもたらさないから
である。しかし、塩化ナトリウムは比較的融点(801
℃)が低いため、ニッケルと塩化ナトリウムの混合物に
対し、焼結温度を800℃以下に限定する。塩化ナトリ
ウムとニッケルの混合物を塩化ナトリウムの融点以上の
温度で焼結すると、塩化ナトリウムは溶解し、部分的に
混合物から分解し、結果として孔構造を破壊することに
なる。一般的に塩化ナトリウムの融点以上で焼結した混
合物は、塩化ナトリウムの融点以下で焼結したものと比
べニッケル利用率が低い。
【0009】金属粉の焼結は一般的に焼結される金属粉
の融点の0.70〜0.95倍の温度範囲で行なわれ
る。それより低い温度では、焼結は非常に高い表面エネ
ルギーを有する粒子にのみ起こるものである。ニッケル
に関しては、最適焼結温度はほぼ935〜1365℃で
ある。塩化ナトリウムとニッケルの混合物の焼結温度が
この範囲より下がるにつれ(800℃以下)塩化ナトリ
ウムとニッケルの混合物における実際のニッケル粒子間
の焼結の度合いが非常に小さくなる。焼結塩化ナトリウ
ム、ニッケル体における乏しい粒子間接触は、焼結体が
ナトリウム−塩化ニッケル電池における多孔質ニッケル
正極マトリックスとして使用された時、低いニッケル利
用率の原因となると推定される。これは確かに事実であ
る。なぜなら、集電体として使用される電極の1部と電
気的に接触しないニッケル粒子は電気化学的に塩化ニッ
ケルに変換され得ないからである。
の融点の0.70〜0.95倍の温度範囲で行なわれ
る。それより低い温度では、焼結は非常に高い表面エネ
ルギーを有する粒子にのみ起こるものである。ニッケル
に関しては、最適焼結温度はほぼ935〜1365℃で
ある。塩化ナトリウムとニッケルの混合物の焼結温度が
この範囲より下がるにつれ(800℃以下)塩化ナトリ
ウムとニッケルの混合物における実際のニッケル粒子間
の焼結の度合いが非常に小さくなる。焼結塩化ナトリウ
ム、ニッケル体における乏しい粒子間接触は、焼結体が
ナトリウム−塩化ニッケル電池における多孔質ニッケル
正極マトリックスとして使用された時、低いニッケル利
用率の原因となると推定される。これは確かに事実であ
る。なぜなら、集電体として使用される電極の1部と電
気的に接触しないニッケル粒子は電気化学的に塩化ニッ
ケルに変換され得ないからである。
【0010】故に本発明の目的は、上述の問題点を解決
し、30%を越えるニッケル利用率を有する多孔質ニッ
ケル正極マトリックス電極を製造することである。上述
したように、ニッケル利用率の増加はナトリウム−塩化
ニッケル電池の全エネルギー密度の増加を直接もたらす
ものである。
し、30%を越えるニッケル利用率を有する多孔質ニッ
ケル正極マトリックス電極を製造することである。上述
したように、ニッケル利用率の増加はナトリウム−塩化
ニッケル電池の全エネルギー密度の増加を直接もたらす
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は多孔質ニッケル
電極の製造方法を記載するものであり、そこではギ酸ニ
ッケル粉と塩化ナトリウム粉を10:1〜1:1の割合
で混合し所定の形状に圧縮成形する。その成形体を不活
性雰囲気下、ほぼ250℃で加熱処理しギ酸ニッケルを
分解する。次に不活性雰囲気下、500〜750℃で焼
結しナトリウム−塩化ニッケル電池において正極材料と
して使用される多孔質ニッケル電極を形成する。この多
孔質ニッケル電極がナトリウム−塩化ニッケル電気化学
的セルに用いられた時、電気化学的に利用できるニッケ
ル量は30%を越える。
電極の製造方法を記載するものであり、そこではギ酸ニ
ッケル粉と塩化ナトリウム粉を10:1〜1:1の割合
で混合し所定の形状に圧縮成形する。その成形体を不活
性雰囲気下、ほぼ250℃で加熱処理しギ酸ニッケルを
分解する。次に不活性雰囲気下、500〜750℃で焼
結しナトリウム−塩化ニッケル電池において正極材料と
して使用される多孔質ニッケル電極を形成する。この多
孔質ニッケル電極がナトリウム−塩化ニッケル電気化学
的セルに用いられた時、電気化学的に利用できるニッケ
ル量は30%を越える。
【0012】
【作用】ニッケル粉とたとえば塩化ナトリウムのような
他の物質との焼結が適切な大きさの孔を有する多孔質ニ
ッケル正極マトリックスの形成には必要である。塩化ナ
トリウムとニッケルの混合物において、最大限有効な焼
結温度は、塩化ナトリウムの融点801℃の直下であ
る。しかしニッケルの最適焼結温度は935〜1365
℃であり、塩化ナトリウムの融点をかなり上回る。最適
温度以下で効果的に焼結する方法としては、非常に高い
表面エネルギーを持つ金属粒子から成る金属粉を使うも
のがある。一般的に、従来のニッケル粉は低温焼結にと
っては効果的に作用するとは言えない。本発明におい
て、塩化ナトリウムと組み合わせたギ酸ニッケルはほぼ
250℃でニッケル、水、一酸化炭素と二酸化炭素のみ
に分解される。分解生成したニッケル粒子は例外的に高
い表面エネルギーを有し、500〜750℃で効果的に
焼結される。この結果焼結体において優れたニッケル粒
子間接触が達成される。ニッケル粒子間接触を改良した
ことにより電気化学的に利用できるニッケルが30%を
越えるような多孔質ニッケル電極の製造を可能ならしめ
る。
他の物質との焼結が適切な大きさの孔を有する多孔質ニ
ッケル正極マトリックスの形成には必要である。塩化ナ
トリウムとニッケルの混合物において、最大限有効な焼
結温度は、塩化ナトリウムの融点801℃の直下であ
る。しかしニッケルの最適焼結温度は935〜1365
℃であり、塩化ナトリウムの融点をかなり上回る。最適
温度以下で効果的に焼結する方法としては、非常に高い
表面エネルギーを持つ金属粒子から成る金属粉を使うも
のがある。一般的に、従来のニッケル粉は低温焼結にと
っては効果的に作用するとは言えない。本発明におい
て、塩化ナトリウムと組み合わせたギ酸ニッケルはほぼ
250℃でニッケル、水、一酸化炭素と二酸化炭素のみ
に分解される。分解生成したニッケル粒子は例外的に高
い表面エネルギーを有し、500〜750℃で効果的に
焼結される。この結果焼結体において優れたニッケル粒
子間接触が達成される。ニッケル粒子間接触を改良した
ことにより電気化学的に利用できるニッケルが30%を
越えるような多孔質ニッケル電極の製造を可能ならしめ
る。
【0013】
【実施例】ギ酸ニッケル二水和物をブラウワーの方法で
作成し、真空下150℃で脱水した。(“Handbo
ok of Prepanative Inorgan
ic Chemistry”Vol.2、第2版、ジュ
ージ、ブラウワー著、アカデミック出版、ニューヨーク
1965 p1631)、作成後、無水ギ酸ニッケル
を、乾燥アルゴンを満たした不活性雰囲気グローブボッ
クス中で取扱い、再吸水を防いだ。このギ酸ニッケルを
粉末にし20μm以下の粒子サイズに分級する。乾燥塩
化ナトリウム(53〜125μm)と分級した。ギ酸ニ
ッケル粉もしくは商業上有用な還元したニッケル粉(2
〜3μm)を混合し1cm径のニッケルメッシュ(0.
014g)上に圧縮成形し、表1に示した条件に従って
焼結した。
作成し、真空下150℃で脱水した。(“Handbo
ok of Prepanative Inorgan
ic Chemistry”Vol.2、第2版、ジュ
ージ、ブラウワー著、アカデミック出版、ニューヨーク
1965 p1631)、作成後、無水ギ酸ニッケル
を、乾燥アルゴンを満たした不活性雰囲気グローブボッ
クス中で取扱い、再吸水を防いだ。このギ酸ニッケルを
粉末にし20μm以下の粒子サイズに分級する。乾燥塩
化ナトリウム(53〜125μm)と分級した。ギ酸ニ
ッケル粉もしくは商業上有用な還元したニッケル粉(2
〜3μm)を混合し1cm径のニッケルメッシュ(0.
014g)上に圧縮成形し、表1に示した条件に従って
焼結した。
【0014】
【表1】
【0015】各円板を、面積200cm2 のアルミニウ
ム製の対極、アルミニウム線の参照電極、重量430g
の塩化アルミニウムナトリウムの溶融の電解質、作用電
極(ニッケル正極)を支えるニッケル線から構成されて
いる電気化学電池中の作用極に取り付ける。この電気化
学電池の温度は約300℃である。ニッケル正極をアル
ミニウム参照極に対し電圧1.2Vにて過度に充電す
る。充電されたニッケル電極を5mAの定電流で放電す
る。電圧が600mVまで低下したところで放電を停止
する。放電により測定されたクーロン量に基づき正極の
利用率を出算する。表1に各種試料におけるニッケル利
用率を記す。
ム製の対極、アルミニウム線の参照電極、重量430g
の塩化アルミニウムナトリウムの溶融の電解質、作用電
極(ニッケル正極)を支えるニッケル線から構成されて
いる電気化学電池中の作用極に取り付ける。この電気化
学電池の温度は約300℃である。ニッケル正極をアル
ミニウム参照極に対し電圧1.2Vにて過度に充電す
る。充電されたニッケル電極を5mAの定電流で放電す
る。電圧が600mVまで低下したところで放電を停止
する。放電により測定されたクーロン量に基づき正極の
利用率を出算する。表1に各種試料におけるニッケル利
用率を記す。
【0016】表1からわかるように、ギ酸ニッケル粉と
塩化ナトリウム粉の混合物の成形体を焼結することによ
り多孔質ニッケル電極を製造し、これをナトリウム塩化
ニッケル電池において電極として使用すると、電気化学
的に利用できるニッケルの量は30%を越える。また表
1からわかるように、商業的に有用な還元したニッケル
粉と塩化ナトリウム粉から作成された多孔質ニッケル電
極は30%を越えるニッケル利用率を示さない。
塩化ナトリウム粉の混合物の成形体を焼結することによ
り多孔質ニッケル電極を製造し、これをナトリウム塩化
ニッケル電池において電極として使用すると、電気化学
的に利用できるニッケルの量は30%を越える。また表
1からわかるように、商業的に有用な還元したニッケル
粉と塩化ナトリウム粉から作成された多孔質ニッケル電
極は30%を越えるニッケル利用率を示さない。
【0017】
【発明の効果】多孔質ニッケル電極を製造する方法に関
する前述によれば、多孔質ニッケル電極がナトリウム−
塩化ニッケル電気化学電池中で使用されるときには、電
気化学的に利用可能なニッケルの量は30重量%を越え
る。
する前述によれば、多孔質ニッケル電極がナトリウム−
塩化ニッケル電気化学電池中で使用されるときには、電
気化学的に利用可能なニッケルの量は30重量%を越え
る。
【図1】ナトリウム−塩化ニッケル電池の代表的な構造
を示す図である。
を示す図である。
101 負極の集電体として機能する金属性の容器 102 溶融ナトリウム 103 ナトリウムイオン伝導性固体電解質 104 溶融塩化アルミニウムナトリウム 105 ニッケルと塩化ニッケルの多孔質複合体 106 負極と正極の集電体を絶縁している電気絶縁性
のセラミックス材料 107 正極の集電体
のセラミックス材料 107 正極の集電体
Claims (1)
- 【請求項1】ギ酸ニッケル粉と塩化ナトリウム粉を1
0:1〜1:1の割合で混合し所定の形状に圧縮成形
し、この所定の成形体を不活性雰囲気下、ほぼ250℃
で熱処理しギ酸ニッケルを分解し次に不活性雰囲気下、
500〜750℃で焼結することにより、その焼結体を
ナトリウム−塩化ニッケル電池において正極材料として
使用することを特徴とする多孔質ニッケル電極の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4158153A JPH065283A (ja) | 1992-06-17 | 1992-06-17 | 多孔質ニッケル電極の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4158153A JPH065283A (ja) | 1992-06-17 | 1992-06-17 | 多孔質ニッケル電極の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH065283A true JPH065283A (ja) | 1994-01-14 |
Family
ID=15665425
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4158153A Pending JPH065283A (ja) | 1992-06-17 | 1992-06-17 | 多孔質ニッケル電極の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH065283A (ja) |
-
1992
- 1992-06-17 JP JP4158153A patent/JPH065283A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA1123901A (en) | Electrochemical cell having electrode with zeolite molecular sieve | |
JPH08170126A (ja) | 金属多孔体、その製造方法及びそれを用いた電池用極板 | |
JPH09306506A (ja) | 溶融塩電池用集電体、そのための集電材料の製造方法及びその集電体を使用した溶融塩電池 | |
US3672998A (en) | Extended area zinc anode having low density for use in a high rate alkaline galvanic cell | |
JPS5868879A (ja) | 改良された電池乃至バッテリー及びその製造法 | |
US3098771A (en) | Primary battery cell for high current loads and method of its manufacture | |
JPH065283A (ja) | 多孔質ニッケル電極の製造方法 | |
JPH065280A (ja) | 多孔質ニッケル電極の製造方法 | |
JPH06150905A (ja) | 複合金属電極及びその製造方法 | |
JPS5942949B2 (ja) | ニツケル電極 | |
JPS6137733B2 (ja) | ||
JPH065281A (ja) | 多孔質ニッケル電極の製造方法 | |
JPH065282A (ja) | 多孔質ニッケル電極の製造方法 | |
KR20190028951A (ko) | 구리 도핑된 탄소-실리콘 산화물(C-SiOx) 복합체 및 이의 제조 방법 | |
JPH0261095B2 (ja) | ||
US4452873A (en) | Positive electrode for galvanic high-temperature cells and method of its manufacture | |
JPH05343063A (ja) | ニッケル電極の製造方法 | |
JPH06128787A (ja) | 多孔質ニッケル電極及びその製造法 | |
JPH1186860A (ja) | アルカリ蓄電池用水酸化ニッケル活物質およびそれを用いたペ−スト式水酸化ニッケル正極板 | |
JPS617566A (ja) | ペ−スト式カドミウム負極の製造法 | |
JPS58129764A (ja) | 非水電解液電池 | |
JPH05151964A (ja) | 電極の製造方法 | |
JPH05144436A (ja) | 多孔質ニツケル電極の製造方法 | |
JPH0574482A (ja) | ニツケル電極及びその製造方法 | |
JPH0474833B2 (ja) |