JPH0652817U - 水虫等の予防治療用のパッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 通気性が良好でかつ圧迫感がなく、足の前半
分のとくに足の股部分の発汗に対しては汗の吸収及び蒸
発機能を良好となし得る、水虫等の予防治療用のパッド
を提供すること。 【構成】 足の複数の指に挿着して使用する吸水性の軟
質層体よりなるパッドである。所定薄肉の方形状の帯状
部とその下辺の肉厚の肉厚吸水部が一体に形成され、か
つ帯状部には足の指を挿入する複数の指挿入部が貫設さ
れてなることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は水虫の予防治療用のパッドに関し、詳しくは足の指部に装着して水 虫の予防あるいは治療等に使用するに適したパッド部材に係わるものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、水虫（主として白鮮菌による皮膚病）は通気性の悪い、湿度の高い状態 で生じ易い。とくに、ゴム靴を長時間はく場合や、厨房等で靴を長時間はいて仕 事をする場合等においてかかり易い。このため、従来は水虫の予防，治療用に、 重金属繊維を織込んだ靴下、あるいは図10に示すように水虫の発生し易い足の指 部の股を覆う五本の指袋60を設けた足の前半部にはく保護用靴下61が使用される 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、長靴あるいは靴をはいて作業をするときは、足の前半分が、と くに発汗するにかかわらず、前記重金属繊維を織込んだ靴下あるいは前記保護用 靴下61は、通気性が悪く、かつ圧迫感を与えることより発汗作用を促してしまう 不都合があり、水虫の予防，治療にはあまり有効でない問題があった。

【０００４】 そこで、本考案の課題は前述した従来の問題点を解決せんとしたものであって 、通気性が良好でかつ圧迫感がなく、足の前半分のとくに足の股部分の発汗に対 しては汗の吸収及び蒸発機能を良好となし得る、水虫の予防治療用のパッドを提 供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記した課題を解決するために、請求項１の考案は足の複数の指に挿着して使 用する吸水性の軟質層体よりなるパッドであって、所定薄肉の方形状の帯状部と その下辺の肉厚の肉厚吸水部が一体に形成され、かつ前記帯状部には足の指を挿 入する複数の指挿入部が貫設されてなることを特徴とする。

【０００６】 また、上記課題を解決するための請求項２の考案は請求項１において、指挿入 部を足の人指し指，中指及び薬指を挿入する３個よりなるものとしたことを特徴 とする。

【０００７】

【作用】

請求項１において、パッドは肉厚吸水部が下側となるたて向きに保持して帯状 部の一指挿入部に対し足の指一本を各挿入して使用される。 使用の際、帯状部の上辺部は各指の上側に位置し、帯状部の中間部分は指間に 介在し、肉厚吸水部は指の各裏側の凹み部に位置するようにされる。パッドは水 分の吸収性良好である。 請求項２は足の人指し指と中指と薬指に挿着するパッドであり、挿着性良好で かつ足の指の全体に対しての吸水作用に役立つ。

【０００８】 すなわち、請求項１及び請求項２の使用状態のパッドにおいて、足の裏（指の 裏）及び指の股部で生じた汗は主として肉厚吸水部で吸収される。肉厚吸水部に 吸収した汗は毛細管現象により帯状部の側部を経て上辺部に至り、汗水分が蒸発 する。

【０００９】

【実施例】

次に、本考案の実施例を図１〜図９に基づいて説明する。 図１は本例パッド１の全体構造を示す。このパッド１は足の３本の指に挿着し て使用するためのものである。図２に示すように、パッド１はよこ向きの繊維の シート3Aと、たて向きの繊維のシート3Bを重ねて所定薄肉のたて長の長方形の層 体（図示せず）とし、該層体の下部の適当量を下辺より上方へ巻くか折畳んで肉 厚の肉厚吸水部６を設けることにより形成されている。 すなわち、パッド１は図１に示すように、柔軟繊維質のシート3A,3B よりなる 所定薄肉の方形状の帯状部２と、この下辺に設けた肉厚吸水部６が一体に形成さ れてなる。そして、帯状部２の上辺部５及び肉厚吸水部６の上端部７には、パッ ド１の形状保持を良好にするために止め糸にて縫着した縫着部８が設けられてい る。なお、パッド１の形状保持は接着など他の手段としてもよい。また、帯状部 ２には足の３本の指を挿入するための指挿入部９がたて向きのスリット状に切込 まれている。本例は指挿入部９を開き易くするため、指挿入部９の上端及び下端 に各々斜状（あるいは横向きの）切込み9Aを設けてある。なお、帯状部２の指挿 入部９によって分けられた各左右部分は指間に挿入される側部４とされる。

【００１０】 しかして、本例のパッド１は肉厚吸水部６を下側，帯状部２を上側としたたて 向きにし（図１の状態参照）、帯状部２の指挿入部９を各々開き、図３に示すよ うに、足11の人指し指12B,中指12C 及び薬指12D を各指の股部の位置まで各々深 く挿入して使用する。使用時において、帯状部２の上辺部５は人指し指12B,中指 12C 及び薬指12D の各上側に位置し、帯状部２の各側部４は親指12A と人指し指 12B の間、人指し指12B と中指12C の間，中指12C と薬指12D の間、及び薬指12 D と小指12E の間に各縮まって介在し、肉厚吸水部６は人指し指12B,中指12C 及 び薬指12D を主体とした各指の裏側の凹み部13に位置する。パッド１は軟質層体 よりなることより、足11に挿着した際、かさばらず、かつ肉厚吸水部６は凹み部 13に位置することで納まりが良く、靴下あるいは靴をそのままはくことができる 。

【００１１】 しかして、パッド１を挿着した足11が発汗した場合は、汗等水分は主として肉 厚吸水部６に吸収されるので、従来のように足11の股部及び足11の裏に留まるこ とがなく、水虫等の皮膚病の予防治療に都合がよい。肉厚吸水部６に吸収された 汗等水分は軟質層体の毛細管現象によりパッド１の側部４を経てパッド１の上辺 部５に移り、上辺部５において水分が蒸発するので長時間の使用においても都合 がよい。 なお、本例のパッド１は構造が簡単であることより製作し易い利点がある。

【００１２】 本実施例のパッド１は軟質層体を主体としたものとなしたが、パッド１には水 虫等の皮膚病の治療薬あるいは予防薬を含ませることができる。

【００１３】 また、パッド１における指挿入部９の形状は前記した実施例のものに限るもの ではなく、たとえば、図６のパッド21のようにたて向き線状の切込みよりなる指 挿入部29，あるいは図７のパッド31のようにスリットの上下端に各丸孔を設けて 広げ易くした指挿入部39，あるいは図８のパッド41のように貫孔の指挿入部49、 あるいは図９のパッド51のようにたて向きの開いた形状の貫孔よりなる指挿入部 59とすることができる。

【００１４】 パッドは指挿入孔を５つ設けて、各足の指を各々指挿入孔に挿着させて使用す るものとしてもよいが、この場合は足の親指と小指の外側に軟質層体が露出する ことより靴がはきにくくなる場合がある。

【００１５】

【考案の効果】

しかして、請求項１及び請求項２の考案によれば、通気性が良好でかつ圧迫感 がなく、足の前半分のとくに足の股部分の発汗に対しては汗の吸収及び蒸発機能 を良好となし得る。 すなわち、本考案に係わるパッドは、吸水性材質を用いることより汗の吸収が 良く、かつ指を挿入する帯状部が薄肉の層にされかつ汗の吸収量の大きい肉厚吸 水部が指の裏の凹部に位置させて使用されるため、圧迫感なく使用できる。本考 案パッドの使用時において足の前半部分、とくに足の股部分の汗は肉厚吸水部に 吸収される。そしてこの肉厚吸水部に吸収された汗は毛細管現象にて帯状部の上 辺部から蒸発させ得るため汗水分の蒸発機能良好である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例のパッドの斜視図。

【図２】パッド用シート材の斜視図。

【図３】パッドの使用状態正面図。

【図４】パッドの使用状態側面図。

【図５】パッドの使用状態底面図。

【図６】パッドの別例図。

【図７】パッドの別例図。

【図８】パッドの別例図。

【図９】パッドの別例図。

【図１０】保護用靴下の従来図。

【符号の説明】

１，２１，３１，４１，５１ パッド ２ 帯状部 ６ 肉厚吸水部 ９，２９，３９，４９，５９ 指挿入部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 足の複数の指に挿着して使用する吸水性
   の軟質層体よりなるパッドであって、所定薄肉の方形状
   の帯状部とその下辺の肉厚の肉厚吸水部が一体に形成さ
   れ、かつ前記帯状部には足の指を挿入する複数の指挿入
   部が貫設されてなることを特徴とした水虫等の予防治療
   用のパッド。
2. 【請求項２】 指挿入部が足の人指し指，中指及び薬指
   を挿入する３個よりなることを特徴とした請求項１記載
   の水虫等の予防治療用のパッド。