JPH0144087Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、爪先部が地下たびと同様の先割れと
なつている靴に関し、特に釣靴等として好適なも
のである。

（従来の技術とその問題点） 従来、釣靴等平坦地以外での歩行を安定させる
ために運動性能を充分に発揮できるようにした靴
として、爪先部を親指と他の四指とに分離した先
割れ形の靴が使用されている。

しかし、このような靴の場合、先割れ部に草や
木の枝等が引つ掛かつて、足を取られ、転倒する
事故が生じることがあつた。この対策として、従
来、先割れ部の前側にゴム製当て片を接着した
り、或いは先割れ部全体を補強カバーで被覆接着
したりする考案が開示されている。然るに、前者
の場合は当て片をかなり厚地にしないと千切れて
しまうため厚地のものを用いる外ないが、こうす
ると親指と他の指の自由性が阻害されてしまうこ
とになり、運動性能がかなり低下してしまう。後
者の場合も親指と他の四指の少なくとも上側全体
にカバーを被覆接着してしまうのであるから、両
指は互いに規制され合つて各指の自由な運動性が
阻害されてしまうことになる。

本考案はこの点に着眼し、運動性能を低下させ
ないように先割れ形としながら、この先割れ部に
物が引つ掛からないようにした靴を提供せんとす
るものである。

（問題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案は、爪先が
先割れ形のアツパーの底面にフエルト底を接着し
た靴において、該フエルト底は爪先部の下方にお
いて先割れしていない連続面となつてアツパーの
先割れ形の下側に接合し、かつ該アツパーの先割
れ形の下方においてフエルト底内に該先割れ形と
上下位置略合致して先端が先割れしないスリツト
を形成してなるものとしたことを特徴とする。

（作用） この靴は、アツパーの爪先部が先割れ形となつ
ているために運動性能が充分に発揮され、フエル
ト底は柔軟性、撓み性が大きくかつスリツトによ
つてその両側が各別の動きをすることができるの
で、スリツト両側の個別運動が可能となつて、先
割れした２部分の爪先の運動性能を確保でき、靴
としての運動性能が障害されない。しかも該爪先
部は、その下側先端がフエルト底によつて塞がれ
ているので、先割れ部に草等が挾さみ込まれ、或
いは引つ掛かることがない。

（実施例） 次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

本考案の靴１は、爪先が先割れ部３によつて親
指と他の四指との先割れ形に形成されたアツパー
２の底面にフエルト製の底３が接着されてなつて
いる。該フエルト底３は先割れ部２が先割れして
いない靴に相当する靴底形としてなつており、塞
がつた先端部５から若干内方に入つた位置におい
て先割れ部３と上下位置略一致して上下貫通した
スリツト６が形成されている。該スリツト６の溝
巾は任意であり、スリツトの長さはアツパーの先
割れの付根よりも若干踵方向に長くなつているの
が好ましい。また、底３の接着は該底が減つた時
に貼り換えができるようにホツトメルト接着材
（シート状）によつて行うのが好ましい。

（考案の効果） このようにして本考案靴によれば、柔軟性のあ
る底を有し、かつアツパーは爪先が先割れしてい
て足指の運動性を保証し、この先割れ部の下側に
底が接合してはいるものの、該先割れ部下方位置
にスリツトが形成されているので、柔軟性のある
底は該スリツトによつて足指の運動に充分に添つ
て撓み変形し、運動性能を損なわせない。しかも
底の先端部は先割れしていないので、アツパーは
先割れしているに係わらずこの部分に草等が引つ
掛かるおそれがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係わる靴の斜視略図、第２図
は第１図の平面図、第３図は底の平面図、第４図
は第２図の−線に相当する靴の断面図であ
る。 １……靴、２……アツパー、３……先割れ部、
４……底、５……先端部、６……スリツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 爪先が先割れ形のアツパーの底面にフエルト底
   を接着した靴において、該フエルト底は爪先部の
   下方において先割れしていない連続面となつてア
   ツパーの先割れ形の下側に接合し、かつ該アツパ
   ーの先割れ形の下方にでフエルト底内に該先割れ
   形と上下位置略合致して先端が先割れしないスリ
   ツトを形成してなる靴。