JPH0440482Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、履口踵部の高い靴、特にスポーツシ
ユーズを履用する足のアキレス腱を保護すると共
に、その部分の足当りを快適にする靴踵部構造を
改良したスポーツシユーズに関する。

〔従来の技術〕

従来のジヨギングシユーズ、テニスシユーズ等
のスポーツシユーズにあつては、胛被の踵部に上
方へ連続的に延長した立上り部が設けられたスポ
ーツシユーズが用いられている。この立上り部は
その形状が犬の耳に似ているところからドツグイ
ヤー部と称されるが、このドツグイヤー部は足の
踵部の上方に位置するアキレス腱をもつ足首部の
後方表面に沿つてこれを覆い、該アキレス腱の保
護を目的として設けられたものである。ところ
が、このドツグイヤー部を有する靴を実際に履い
てみると、その履用中爪先立ちをする等胛とすね
を直線に近くなるように伸展動作をした際、足首
部後方が屈曲するので該ドツグイヤー部が足のア
キレス腱に突き当ることとなる。すなわち、この
ドツグイヤー部は足首部に接する側はクツシヨン
材等により柔軟構造にしたてられてはいるもの
の、その外面はアキレス腱を保護する目的で腰の
ある硬い材質のシート材からなる踵当てで足首部
の曲面にならつて湾曲状に覆つているため、前記
のような胛とすねの伸展動作時に極端に足首部が
屈曲してもこれに応じて該踵当ては屈曲すること
がないので、この硬い踵当てによつて補強された
ドツグイヤー部はその屈曲した足首部の特にアキ
レス腱に対し突出しこれを強く圧迫することとな
る。このような動作は陸上競技や球技等スポーツ
をしている際中に繰り返し行なわれるため、ドツ
グイヤー部のもつアキレス腱保護の目的とは全く
裏腹に、むしろそのドツグイヤー部によつてアキ
レス腱の損傷が起こる危険が存在するものであつ
た。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は以上の様な従来の欠点を解決し、アキ
レス腱部が靴踵部に当る時の不快感を除き、足の
保護機能が万全なスポーツシユーズを提供するも
のである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案のスポーツシユーズは胛被と靴底から成
り、該胛被の踵部上方に立上り状に延設されたド
ツグイヤー部を有するスポーツシユーズに於て、
該ドツグイヤー部の外側を蛇腹状構造にしたこと
を特徴とするものである。

〔実施例〕

以下に本考案の実施例を示す図面に基づき説明
する。本考案に於て、ドツグイヤー部４は胛被２
の踵部３を構成する同一素材をもつて一連に、或
いは他素材をもつて該踵部３の上縁となつた履口
部５から縫着等の手段で連続させて、立上り状に
延設する。該ドツグイヤー部４の足に当接する側
に綿布、等の裏地８が位置し、その外側にポリウ
レタンシート等のクツシヨン性を有する芯材１０
が位置し、最外側には蛇腹状構造６のシート１１
が位置し、これらを貼着、縫着等により一体化し
たものを使用する。この場合、踵部３のみに足の
当接する側にいわゆる月形芯として、又はこれと
反対側の最外表面にいわゆるアウトカウンターと
して布、ビニールレザー、皮革等から成る踵補強
材９を貼着、縫着等により設けることができる。

ドツグイヤー部４の外側に設ける蛇腹状構造６
は第４図イに示す如く一連のシート１１をＶ字と
逆Ｖ字を連続して交互に付設した形状構造や第４
図ロ，ハに示す他の実施態様を採用することがで
きる。シート１１の素材としては布、皮革、塩化
ビニール、合成ゴム、ポリウレタンあるいはこれ
らの積層体等の素材が採用できる。

この蛇腹構造６は靴底１と平行方向になる様に
すなわち横方向に、２条以上の凸状部１２を有す
るものであれば良い。なお図中１５は中敷、１６
は中底、１７は踵芯材を示す。

〔作用〕

ドツグイヤー部の外側にある蛇腹状構造６がド
ツグイヤー部４に当接するアキレス腱部の形状に
沿つて後屈曲すると、Ｖ字或いは逆Ｖ字形状の先
端すなわち稜線１４間の間隔がアキレス腱部側で
は広く、靴の外側では狭くなる事になり、屈曲が
可能となる。しかも、稜線１４間に挟まれた蛇腹
傾斜面１３がアキレス腱部に垂直方向に位置する
様になりより補強の効果が得られる事になる。

又、蛇腹構造６を足首アキレス腱部の曲面形状
を覆う様に湾曲形状に成形するが、この様に構成
する事によつて、このアキレス腱部を左右からも
被覆して保護出来るので、従来のドツグイヤー部
よりも更に硬度をもつた素材で硬く構成し、保護
効果を高める事が出来る。

〔考案の効果〕

本考案によれば、靴の通常履用時には、靴踵部
に立上り状に延設されたドツグイヤー部にアキレ
ス腱部が当接しても柔軟構造にしたてられている
ので、圧迫感がなく足当りを快適なものとし、爪
先立ち等の胛とすねを一直線状に伸展するような
動作によつてアキレス腱部がドツグイヤー部に当
接した場合でも、このドツグイヤー部がこのアキ
レス腱の曲面形状に沿つて後屈曲するので、圧迫
感抵抗感がなく足当りが快適であり、しかもアキ
レス腱部の曲面形状に沿つた剛体の集合体が瞬時
にドツグイヤー部外面に形成される事になり、す
なわち凸条の集合体がこのドツグイヤー部に新た
な補強効果を生み、更にアキレス腱部を左右から
しつかり支え、ぴつたり被覆するのでこのアキレ
ス腱を万全に保護することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のスポーツシユーズの一例を示
す斜視図、第２図は後面図、第３図は第２図のＡ
−A′線の断面図、第４図は本考案の蛇腹構造の
実施態様を示す断面斜視図である。 １……靴底、２……胛被、３……踵部、４……
ドツグイヤー部、５……履口部、６……蛇腹構
造、８……裏地、９……踵補強材、１０……芯
材、１１……シート、１２……凸条部、１３……
蛇腹傾斜面、１４……稜線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 胛被と靴底からなり、該胛被の踵部上方に立上
   り状に延設されたドツグイヤー部を有するスポー
   ツシユーズに於て、該ドツグイヤー部の外側を蛇
   腹状構造にしたことを特徴とするスポーツシユー
   ズ。