JPH0651870B2 - プラスチゾル組成物 - Google Patents

プラスチゾル組成物

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JPH0651870B2
JPH0651870B2 JP60290250A JP29025085A JPH0651870B2 JP H0651870 B2 JPH0651870 B2 JP H0651870B2 JP 60290250 A JP60290250 A JP 60290250A JP 29025085 A JP29025085 A JP 29025085A JP H0651870 B2 JPH0651870 B2 JP H0651870B2
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【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、接着または被覆の用途に最適なプラスチゾル
組成物に係る。
「従来の技術」 プラスチゾルの接着性を向上する手段として、有機ポリ
イソシアネート化合物をプラスチゾル中に添加混合する
ことが知られている。例えば、イギリス特許第1455
701号には、トリレンジイソシアネート(TDI)を三
量体化したイソシアヌレート重合物を、特開昭57−1
05441号には、TDIとジフェニルメタンジイソシ
アネート(MDI)の二元混合物を部分的に三量体化した
イソシアネート−イソシアヌレートのイソシアネート重
合物をプラスチゾルに加える発明が開示されている。こ
れらイソシアネート重合物は、末端がフリーのイソシア
ネート基(NCO)であるため反応性が著しく高く、ゾル
の貯蔵安定性、基布への被覆時の浸透むら、気泡の発生
等作業性、品質安定性の点で著しく劣っていた。
すなわち、末端NCOを有するイソシアネート重合物を
不活性溶媒、例えば可塑剤中に混合してプラスチゾルを
調製するとき、微量の水分や可塑剤中に残存する金属触
媒の影響によって、 接着強度の極端な低下 経時的な増粘もしくは固化 気泡の発生 等の問題があった。
このため、金属成分については、必要最低量に抑えるこ
とが必要となり、極端に少なくすると成形シートの著し
い着色を招くという問題が生起し、ごく限られた配合系
でのみしか適用できずまた加工法並びに作業工程が制約
される等の種々の欠点があった。
また、特公昭59−52901号、特開昭59−120
651号には、ブロック化ウレタンポリマーに、特開昭
59−131669号には、ラクタムブロックポリイソ
シアネートに、いずれも活性アミノ基含有モノまたはポ
リアミド等のブロック体解離促進剤を加える方法が記載
されているが、これらの促進剤は、ポリ塩化ビニルの脱
塩酸を促進する作用を有し、熱変色性(熱着色性)や耐光
変色性の点で満足するものではない。
「発明が解決しようとする問題点」 本発明者らは、従来の欠点を少しでも改良し、各種条件
下、例えば各種配合剤の使用ができ、高温、多湿の混合
雰囲気においてもその性能を低下させることがなく、か
つ気泡または着色の発生がなく、安定に加工でき、しか
も接着強度の大きいプラスチゾル組成物を開発すべく検
討した結果、平均分子量が1,000〜10,000の
範囲にある長鎖アルキルフェノールブロック化ジイソシ
アネート重合体を混合したプラスチゾル組成物が、ゾル
粘度の安定性、並びに接着力に於いて優れ、上述の目的
を達成しうることを見い出し特願昭60−181194
号として、特許出願した。
本発明者らは、さらに耐熱性の乏しい基体例えば、薄い
フィルム、熱容量の大きい基体、熱効率の悪い基布を使
用する場合の所謂、より低温成形条件に於いても接着力
がより大きい、且つ粘度安定性等の優れたプラスチゾル
組成物を開発すべく鋭意検討した結果、ジイソシアネー
ト重合体のオキシベンゾイックアシドエステルのブロッ
ク体を接着性付与剤としてプラスチゾルに添加すること
により本目的を達成しうることを見い出し本発明を完成
するに到った。
即ち、本発明の目的は、高温多湿等各種条件下で加工し
ても、接着強度、気泡、着色の問題がなく、特に低温度
の加熱成形に於いても高い接着強度を得ることができる
プラスチゾル組成物を提供するにある。
「問題点を解決するための手段」 しかして、本発明の要旨とするところは、塩化ビニル系
重合体並びに塩化ビニル系重合体100重量部に対し3
0〜400重量部の可塑剤及び1〜17重量部の接着性
付与剤からなるプラスチゾル組成物であって、前記接着
性付与剤としてジイソシアネート重合物のオキシベンゾ
イックアシドエステルによるブロック体で、かつその平
均分子量が1,000〜10,000の範囲にあるもの
を使用することを特徴とするプラスチゾル組成物に存す
る。
本発明を詳細に説明するに、本発明のプラスチゾル組成
物の主成分である塩化ビニル系重合体は、塩化ビニルま
たは塩化ビニルとそれに共重合可能なコモノマーとの混
合物とを乳化剤及び水溶性重合開始剤の存在下に乳化重
合して製造される粒径5μ以下、好ましくは0.05〜3μ
程度のペーストレジン、または分散剤及び油溶性重合開
始剤の存在下、塩化ビニルまたは塩化ビニルとそれに共
重合可能なコモノマーとの混合物の全量または一部を機
械的に微分散した後重合する微細懸濁重合法によって製
造されるペーストレジンまたはペーストレジン混合用の
レジンである。また、通常の懸濁重合によって製造され
た粒径の大きな塩化ビニル樹脂をペーストゾルの粘度、
流動性、加工性等に悪影響を及ぼさない範囲で併用して
も差支えない。塩化ビニルに共重合可能なコモノマーと
しては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウ
リン酸ビニル等のビニルエステル類、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアク
リル酸エステル類、メチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート等のメタクリル酸エステル類、ジブチルマレ
エート、ジエチルマレエート等のマレイン酸エステル
類、ジブチルフマレート、ジエチルフマレート等のフマ
ール酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルブチ
ルエーテル、ビニルオクチルエーテル等のビニルエーテ
ル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシア
ン化ビニル類、エチレン、プロピレン、スチレン等のα
−オレフィン類、塩化ビニリデン、臭化ビニル等の塩化
ビニル以外のハロゲン化ビニリデンまたはハロゲン化ビ
ニル類が挙げられ、これらの1種以上が30重量%以
下、好ましくは20重量%以下の範囲で用いられる。
塩化ビニル系重合体は、その重合時、アルカリ金属塩を
含有する乳化剤を使用する場合が多いが、本発明の組成
物のゾル粘度安定性並びに接着性の関係から、塩化ビニ
ル重合体中のアルカリ金属含有量が600ppm 以下にな
るように乳化剤を選択使用するのが望ましい。このよう
な低アルカリ金属含量の塩化ビニル系重合体をもたらす
乳化剤としては、アルキル基の炭素原子数8〜18の脂
肪酸のアンモニウム塩またはアルカリ金属塩が一例とし
て挙げることができる。勿論、乳化剤は、上述のものに
限定されるものではない。
本発明のゾル組成物の一成分である可塑剤は、塩化ビニ
ル系重合体に用いられるものなら特に制限されるもので
はないが、例えば、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸
ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(D
OP)、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸オクチルデ
シル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジ
ル、イソフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等のフタル酸
系可塑剤、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(DO
A)、アジピン酸ジ−n−デシル、アジピン酸ジイソデシ
ル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸
ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル等の脂肪
酸エステル系可塑剤、リン酸トリブチル、リン酸トリ−
2−エチルヘキシル、リン酸−2−エチルヘキシルジフ
ェニル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル系可塑
剤、エポキシ化大豆油、エポキシ化トール油脂肪酸−2
−エチルヘキシル等のエポキシ系可塑剤等があげられ、
これらの1種または2種以上を混合して使用する。可塑
剤の使用量は、ペーストゾルの所望する固形分濃度、流
動性、発泡剤の使用量、気泡体の用途等によって適宜選
択され、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して30〜
400重量部、好ましくは50〜200重量部の範囲で
ある。
また、可塑剤は、その一部をテキサノールイソブチレー
ト、ドデシルベンゼン等の稀釈剤、あるいはトルエン、
キシレン等の塩化ビニル系樹脂を膨潤させる有機溶剤等
に換えることができ、オルガノゾルにしてもよい。稀釈
剤、有機溶剤の添加量は、用途により適宜決定される。
本発明のプラスチゾル組成物は、プラスチゾル組成物に
接着性を与えるために、または接着剤として使用できる
ように、ジイソシアネート重合物のオキシベンゾイック
アシドエステルブロック体をその一成分として含有して
いる。そしてジイソシアネート重合物のオキシベンゾイ
ックアシドエステルブロック体の平均分子量は、1,0
00〜10,000の範囲にあるものを使用する必要が
ある。該ブロック体の平均分子量が1,000よりも小
さいと接着剤としてのアンカー効果を充分に発揮でき
ず、接着強度が不充分であり、逆に10,000よりも
大きいと著しくゾル組成物の粘度上昇をまねき好ましく
ない。
しかして、ジイソイアネート重合物を構成するジイソシ
アネート(単量体)は、例えばヘキサメチレンジイソシア
ネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシア
ネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネー
ト等の脂環式ジイソシアネート、トリレンジイソシアネ
ート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフチレン
ジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等の芳香
族ジイソシアネート等が挙げられる。この内でも芳香族
ジイソシアネート、特にトリレンジイソシアネート、ジ
フェニルメタンジイソシアネートであるのが好ましい。
そしてジイソシアネート重合物は、例えば酢酸エチル、
酢酸メチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、ジオキ
サン等の不活性溶媒中もしくはフタル酸エステル、リン
酸エステル、アジピン酸エステルまたはトリメリット酸
エステル等可塑剤中で、周知の触媒、例えば3級アミ
ン、マンニッヒ塩基、脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカ
リ金属アルコラート等を使用して既知方法で重合して得
られ、さらにその後オキシベンゾイックアシドエステル
でブロック化反応を行い、ジイソシアネート重合体のオ
キシベンゾイックアシドエステルブロック体を製造す
る。高揮発性の溶剤下で重合反応もしくはブロック化反
応を実施したものは、最終的に適当な高沸点の溶媒、例
えば可塑剤で溶剤置換処理するのが望ましい。
本発明で使用するジイソシアネート重合物としてジイソ
シアネート単量体の重合によって得られるイソシアヌレ
ート環を含有するものを用いるのが特に好ましい。イソ
シアヌレート環を含有するものは上述の方法に従って製
造される。勿論、ジイソシアネート重合物は、ジイソシ
アネートと活性水素化合物の反応により得られる、所謂
イソシアネート基末端のポリウレタン、ポリウレア等も
使用可能である。
ブロック化剤として使用するオキシベンゾイックアシド
エステルとしてはo−オキシベンゾイックアシドエステ
ル、m−オキシベンゾイックアシドエステル、p−オキシ
ベンゾイックアシドエステルが挙げられ、この内でも特
にp−置換体であるのが好ましい。
オキシベンゾイックアシドエステルを構成する一方の基
は例えばm−及びp−置換体の場合はn−ヘプチル基、n−
オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、ドデシ
ル基等の長鎖アルキル基、長鎖のポリオキシエチレン基
またはポリオキシプロピレン基を結合したアルコキシア
ルキル基、またはオキシエチレン基、オキシプロピレン
基を長鎖のアルキル基に結合したアルコキシアルキル基
等が好ましい。またo−置換体の場合メチル基、エチル
基、イソプロピル基、イソアミル基、n−ブチル基、イ
ソブチル基、sec−ブチル基、n−ヘプチル基、n−オク
チル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、ドデシル基
等のアルキル基、(ポリ)オキシエチレンまたは(ポリ)オ
キシプロピレン基と結合するアルコキシアルキル基、フ
ェニル基、ベンジル基等のアリール基が挙げられる。
ブロック化ジイソシアネート重合物の添加量は、塩化ビ
ニル系重合体100重量部当り、1〜17重量部の範囲
とする。プラスチゾル組成物中の有効NCOが0.03〜1
重量%、好ましくは0.03〜0.6重量%、特に0.05〜0.5重
量%の範囲で存在させるのが望ましい。例えば、ジブチ
ルフタレートの中で重合及びブロック化した後のオキシ
ベンゾイックアシドエステルブロック化ジイソシアネー
ト重合物の33重量%−ジブチルフタレート希釈液を用
いるとき、塩化ビニル系重合体100重量部当り、2〜
50重量部用い、可塑剤量が不足ならばその不足分を補
うことによって、プラスチゾル組成物を調製する。ま
た、例えば33重量%ジブチルフタレート希釈液中の有
効NCOの含有率も異なるのでプラスチゾル組成物の所
望NCO含有率になるように希釈液を適宜調節して加え
る。有効NCOが0.03重量%よりも少ないと接着効果が
小さく、逆に1重量%よりも大きくなるとゾル粘度の増
大、着色等に関し好ましくない現象が起り易く、また吸
湿及び急激な接着反応を伴って接着界面での気泡発生の
現象が認められ、接着強度が低下する原因となり易い。
本発明のプラスチゾル組成物は、接着性付与剤、すなわ
ちオキシベンゾイックアシドエステルブロック化ジイソ
シアネート重合物のブロック体を解離するための促進剤
が含有されているのが好ましい。該解離促進剤は、例え
ばアルカリ金属の無機または有機化合物、鉛、錫、カド
ミウム、亜鉛等金属の無機または有機化合物が挙げら
れ、これらの少なくとも1種を用いるのが望ましい。
アルカリ金属化合物としては、具体的には脂肪酸、特に
アルキル基の炭素原子数8〜18の脂肪酸、アルキル硫
酸、アルキルスルホン酸またはこれらのポリオキシエチ
レン付加物のカリウム塩、ナトリウム塩、さらにはカリ
ウム−亜鉛系、ナトリウム−亜鉛系複合安定剤をあげる
ことができる。またアルカリ金属以外の金属化合物とし
ては、鉛白、塩基性ケイ酸鉛、三塩基性硫酸鉛、三塩基
性亜リン酸鉛、シリカゲル共沈ケイ酸鉛、亜鉛華等の無
機金属化合物、ラウリン酸、ステアリン酸、リシノール
酸、ナフテン酸、サリチル酸、2−エチルヘキソイン酸
等の脂肪酸または樹脂酸等のカドミウム、バリウム、カ
ルシウム、亜鉛、鉛、錫またはマグネシウム等の金属塩
などの有機化合物が挙げられ、さらにオクチル酸亜鉛、
ジブチルスズラウレート、ジオクチルスズマレート、ジ
ブチルスズメルカプチド等が挙げられる。また、通常塩
化ビニル樹脂の安定剤として市販されているカルシウム
−亜鉛系、バリウム−亜鉛系、マグネシウム−亜鉛系、
カドミウム−バリウム−亜鉛系等の有機酸液状複合安定
剤も用いることができる。
解離促進剤の使用量は、アルカリ金属化合物の場合には
アルカリ金属として塩化ビニル系重合体に対し、600
ppm 以下の量でプラスチゾル組成物に含有されているの
が好ましい。アルカリ金属の含有量は、塩化ビニル系重
合体の製造時に使用する乳化剤にすでにアルカリ金属が
含まれている場合には、その分をもアルカリ金属量とし
て合算し、適当量のアルカリ金属化合物の解離促進剤を
添加するのが好ましい。アルカリ金属の含有量が600
ppm を超えるとゾル調製時または得られたゾルの吸湿性
を増大し、却ってゾル粘度安定性、並びに接着反応を阻
害し著しく加工性を悪化させるほか、接着強度の低下を
誘引し易くなる。
アルカリ金属以外の金属化合物を解離促進剤として用い
る場合は、それが安定剤として作用することもあり、そ
の添加量は特に限定されないが、通常塩化ビニル系重合
体100重量部に対し、0.5〜10重量部、好ましくは
1〜5重量部でその目的を達成することができる。ま
た、アルカリ金属化合物と鉛、錫、カドミウム、亜鉛等
の金属化合物を併用するとき相乗的に接着強度が向上す
る。
本発明のプラスチゾル組成物を製造するには、塩化ビニ
ル系重合体、可塑剤及び接着性付与剤並びに必要に応じ
て解離促進剤、その他の添加剤等を均一に混合する。
本発明では 塩化ビニル系重合体生産直後完全に密閉保管された
塩化ビニル系重合体を使用し、 接着性付与剤を添加する前のプラスチゾル製造時に
真空脱泡工程を施こし、 接着性付与剤を添加した後、気相を真空脱泡するか
窒素等の不活性ガスで置換して攪拌混合を実施する のが好ましい。
組成物製造時、組成物中への水分の混入は、可能な限り
避けるべきであり、具体的には相対湿度80%以下の雰
囲気で調製するのが望ましい。一般に、相対湿度80%
以上の雰囲気で混合したものは、ゾル中に少なくとも、
0.2重量%以上の微量水分を吸収することになる。
本発明のプラスチゾル組成物は、ナイロン系繊維、又は
織布、ポリエステル系繊維、または織布、天然皮革、ナ
イロン、ポリエステルをはじめとする合成樹脂シートま
たはフィルム等のシート状基材及びカチオン電着塗装板
の接着剤、防錆剤または積層材として用いることがで
き、シート状基材への塗布は、例えばリバースロール、
ナイフコーター、スプレー、カーテンフロー、ディップ
コーティング、ロータリースクリーン、フラツトスクリ
ーン、フレキソ、グラビァプリンティング等各種方法が
採用される。
プラスチゾル組成物を塗布されたシート状基材は、これ
をそのまま150〜210℃の温度に加熱してブロック
体を解離し、シート状基材に強固に塩化ビニル樹脂被膜
を形成する。また、プラスチゾル組成物を塗布したシー
ト状基材をブロック体解離温度以下の温度に加熱してプ
ラスチゾル組成物を溶融、冷却、固化した後、別途織
布、シートまたはフィルムを積層し、ブロック体解離温
度以上の温度に加熱下圧着して積層シートを製造する。
「発明の効果」 本発明のプラスチゾル組成物は、高温、多湿の雰囲気に
おいても、その接着性を損うことなく製造でき、また従
来の接着性ゾル組成物に比べてゾル粘度、接着強度の安
定性が格段に改良されるばかりでなく、160℃付近の
低温度の成形に於いても、高い接着力を有する積層体が
得られる。そして、該組成物中に含有される接着性付与
剤がオキシベンゾイックアシドエステルブロック化ジイ
ソシアネート重合物であり、かつアミン系のブロック解
離促進剤を含まないので、その加工時に気泡の発生、着
色、塩化ビニル系重合体の分解がなく接着強度が著しく
高いものとなる。また、該組成物は、約100℃以下の
低温加熱下ならば、ブロック化剤の解離が進行しないこ
とから、良好なゾル粘度安定性及び放置安定性を有し、
かつ120〜160℃の低温加熱成形においてブロック
化剤が解離して良好な接着性が得られる。
「実施例」 次に、本発明のプラスチゾル組成物を実施例を用いて詳
細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下
の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例におけるプラスチゾル組成物の評価方法は
次の通りである。
(1) アルカリ金属の定量 原子吸光度法により求めた。
すなわち、塩化ビニル系重合体、解離促進剤等試料10
gを、300mlの蒸留水中で8時間攪拌後、紙(東洋
科学産業(株)製5A)で過し、更に液を0.22μmの
ミリポアフィルターで過し、その液を原子吸光法
(ジャーレルアッシュ(YANACO製)AA8200測
定機使用)により測定し、予め求めた外部検量線法の値
から金属含有量を定量した。
(2) ゾル粘度測定 東京計器製B8H型粘度計を使用し、ゾル温度23℃に
おける5r.p.m のゾル粘度を測定した。経日ゾル粘度測
定用のゾルは、測定2時間前に1分間かるく攪拌棒を用
いて攪拌したものを用いた。
(3) 剥離強度 プラスチゾル組成物を、335g/m2のポリエステル系
織布及び厚さ90μのポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上にナイフコーターでそれぞれ0.8mm厚及び0.1mm厚
にコーティングした後、熱風循環式乾燥機内で160
℃、175℃及び190℃の各温度で5分間加熱し、ポ
リエステル系織布及びポリエチレンテレフタレートフィ
ルムにそれぞれ塩化ビニル系樹脂を積層した成形品を得
た。該成形品を恒温室に3日間放置した後幅2.54cm、長
さ8cmの試験片を作成し、試験片の一端を剥離し、長さ
方向に、引張り速度50mm/minで180゜T型剥離試
験を行いポリエステル系織布又はフィルムへの接着強度
を調べた。試験片5個の平均剥離強度(単位Kg/inch)で
示した。
(4) 気泡発生、着色の評価 剥離強度試験のために作成した成形品の塩化ビニル系重
合体層の中の気泡の発生及び着色状態を目視判定し、次
の評価をした。
○−なし、 △−若干あり、 ×−多い(激しい) 実施例1、比較例1〜2 塩化ビニル系重合体(ペーストレジン、アルカリ 金属量220ppm 含有) 100重量部 可塑剤(ジ−2−エチルヘキシルフタレート DOP) 60 〃 エポキシ系安定剤(商品名FEP−13、 アデカアーガス社製) 3 〃 Ba−Zn系安定剤兼解離促進剤 (商品名AC−303、 アデカアーガス社製) 2 〃 接着性付与剤のジブチルフタレート (DBP)溶液 変量 上記各配合剤を23℃、50%相対湿度(RH)雰囲気の
恒温恒湿室に数日間放置した後秤量し、恒温室で次の手
順に従い混合した。
ペーストレジン、DOP(45PHR相当量)、安定剤及
び解離促進剤をホバートミキサーに投入し、均一に混合
固練りした後、接着性付与剤のDBP溶液を添加し、更
にDOPが60重量部になるように調節して均一に混合
し、次いで真空脱泡してプラスチゾル組成物を調製し
た。
該組成物の詳細組成、ゾル粘度、ポリエステル系織布と
の剥離強度、気泡発生状態及び着色状態を第1表に記し
た。
なお、比較のため接着性付与剤として、非ブロック化の
もの及びノニルフェノールブロック化のもの各々につい
ても実施例と同様に試験した。
比較例1のTDI重合体は、ゾル粘度安定性が極めて劣
り、2日後にはすでにゲル化固化し粘度の測定はできな
かった。
比較例2のTDI重合体のノニルフェノールブロック体
の接着性付与剤では、160℃、175℃の低温加熱時
の剥離強度が低い。
本発明のゾル組成物は、ゾル粘度安定性が良好で、且
つ、比較例2のものに比較して、低温加熱時の剥離強度
において著しい向上が認められた。
実施例2、3、比較例3 TDI重合体のp−オキシベンゾイックアシド−2−エ
チルヘキシルエステルブロック体の33wt%−DBP溶
液の添加量を5重量部及び10重量部に変えたほかは実
施例1同様にして試験し、NCOの差による剥離強度を
調べ第2表に示した。また同時に平均分子量674のT
DIのp−オキシベンゾイックアシド−2−エチルヘキ
シルエステルブロック体の33wt%−DBP溶液(有効
NCO量4.2wt%)10重量部を用いたほかは実施例1と
同様に試験し、接着性付与剤の平均分子量差による剥離
強度等を調べ、第2表に併記した。
上記結果から、接着性付与剤の平均分子量が1000以
上の比較的高分子量のものでかつゾル中の有効NCOの
含有率が0.05wt%以上であることが充分な剥離強度を保
つために必要であることが判る。
実施例4〜6 アルカリ金属含有量の異なるペーストレジンを用いて実
施例3と同様の試験を行ないその結果を実施例3ととも
に第3表に記した。
実施例6の如く、アルカリ金属含有量の多いレジンを用
いるとゾル粘度安定性、剥離強度の低下が見られ、45
〜600ppm の範囲でアルカリ金属を含有するレジンを
使用することが好ましいことが判る。また、アルカリ金
属含有量が多いものは、5日間程度はゾル状で存在し、
その後固化するので、早期に使用してしまうことが必要
となろう。
実施例7〜10、比較例4 ポリエチレンテレフタレートフィルムとの接着力を評価
した。
実施例1のは配合系中、安定剤兼解離促進剤の種類を換
えたほかは、実施例1と同様に試験を行なった。その結
果を、第4表に記した。接着性付与剤未添加のゾルのテ
スト結果を比較例4に併記した。
本発明の組成物は、ポリエステル系フィルムに対して
も、良好な接着性を示す。
安定剤兼解離促進剤としては、実施例7、8に示す如
く、鉛系、スズ系の安定剤が、より低温成形時の接着力
を向上する点で好ましい。
実施例11、比較例5 本発明のプラスチゾル組成物を用いて、自動車用アンダ
ーコーティング並びにシーラント用途への適性を評価し
た。
評価配合は、下記の如くで、実施例1で用いた接着性付
与剤添加ゾルと未添加ゾルの結果を表5に示す。
塩化ビニルペーストレジン (三菱化成ビニル社製Homo−Poly. 平均重合度=1500) 40重量部 塩化ビニルペーストレジン (三菱化成ビニル社製、Co−Poly 平均重合度=1350) 40 〃 塩化ビニルブレンジングレジン (三菱化成ビニル社製、 平均重合度=1,000) 20 〃 DOP(可塑剤) 120 〃 炭酸カルシウム (重質系、D=5μ) 200 〃 三塩基性硫酸鉛 1 〃 Ba−Zn系安定剤 (商品名AC303) 2 〃 接着性付与剤のDBP溶液 15 〃 プラスチゾルは、実施例1に準じて固練混合後、接着性
付与剤を添加混合し、所定の可塑剤量になる様に追加混
合して調製した。
該プラスチゾルをカチオン電着によりアンダーコートさ
れた板上に0.5mm 厚にコーティングしたもの及びアンダ
ーコートされた電着板二枚を0.5mm 厚のプラスチゾル組
成物コート層を介してサンドイッチ構造にしたものを、
それぞれ130℃で30分間オーブン加熱して成形品を
得た。前者のものについては90゜剥離強度(引張速度
50mm/min)を、後者のものについてはせん断剥離強度
(引張速度5mm/min)をそれぞれ求めた。
また、粘度安定性は、プラスチゾルを40℃の状態で7
2hrs 放置した後、5rpm の粘度を測定した。
本発明のプラスチゾル組成物は、カチオン電着塗装板に
対して優れた接着力を有することが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 175:00) (56)参考文献 特開 昭55−118948(JP,A) 特開 昭56−24435(JP,A) 特開 昭59−131669(JP,A) 特開 昭60−181194(JP,A)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル系重合体並びに塩化ビニル系重
    合体100重量部に対し30〜400重量部の可塑剤及
    び1〜17重量部の接着性付与剤からなるプラスチゾル
    組成物であって、前記接着性付与剤としてジイソシアネ
    ート重合物のオキシベンゾイックアシドエステルによる
    ブロック体で、かつその平均分子量が1,000〜1
    0,000の範囲にあるものを使用することを特徴とす
    るプラスチゾル組成物。
  2. 【請求項2】ジイソシアネート重合物が芳香族ジイソシ
    アネートの重合物である特許請求の範囲第1項記載のプ
    ラスチゾル組成物。
  3. 【請求項3】ジイソシアネート重合物がイソシアヌレー
    ト環を含有するものである特許請求の範囲第1項または
    第2項記載のプラスチゾル組成物。
  4. 【請求項4】芳香族ジイソシアネートがトリレンジイソ
    シアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートで
    ある特許請求の範囲第2項記載のプラスチゾル組成物。
  5. 【請求項5】プラスチゾル組成物中の有効イソシアネー
    ト含有率が0.03〜1重量%である特許請求の範囲第
    1項記載のプラスチゾル組成物。
  6. 【請求項6】接着性付与剤のブロック体解離促進剤(以
    下単に解離促進剤という)を含有する特許請求の範囲第
    1項記載のプラスチゾル組成物。
  7. 【請求項7】解離促進剤がアルカリ金属、亜鉛、錫また
    は鉛の金属の無機化合物または有機化合物から選択され
    る少なくとも一種である特許請求の範囲第6項記載のプ
    ラスチゾル組成物。
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