JPH0651814B2 - 熱可塑性エラストマ−組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマ−組成物

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JPH0651814B2
JPH0651814B2 JP61121148A JP12114886A JPH0651814B2 JP H0651814 B2 JPH0651814 B2 JP H0651814B2 JP 61121148 A JP61121148 A JP 61121148A JP 12114886 A JP12114886 A JP 12114886A JP H0651814 B2 JPH0651814 B2 JP H0651814B2
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穂積 佐藤
隆 川田
英雄 中西
文人 島田
逸樹 梅田
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日本合成ゴム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は耐油性、耐候性、耐クリープ性に優れた熱可塑
性エラストマー配合物に関する。さらに詳しくはポリオ
レフィン系樹脂と官能基を有する単量体により変性した
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(以下、変性
EP(D)M類と略す)およびニトリル系ゴムを架橋剤にて部
分的に架橋されたゴム成分からなる耐油性、特に長時
間、油に接触した際の膨潤による変形の少ない熱可塑性
エラストマー組成物に関する。
(従来の技術) モノオレフィン共重合ゴムとポリオレフィン系樹脂を主
原料とするポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、
その優れた耐熱性、耐候性、耐寒性、成形上の経済性を
生かして自動車の内外装部品及び電線被覆材料の分野で
使用されている。
しかし、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、モ
ノオレフィン共重合ゴムとポリオレフィン系樹脂を主原
料としており、耐油性に劣る欠点を有している。すなわ
ちポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは油が接触す
る場合著しく膨潤、変形し、用途が大幅に制限されてい
る。
例えば、自動車の外装部品でガソリン給油口の付近の部
品は給油時ガソリンが付着する恐れがありポリオレフィ
ン系熱可塑性エラストマーは使用されていない。またエ
ンジンルーム内の部品についても機械油が付着する恐れ
のある箇所には使用されていない。
従来、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーの耐油性
を改良する手段としてニトリル系ゴム(NBR)をブレン
ドする方法がある(特開昭56−2332)。このポリオレフ
ィン系樹脂とモノオレフィン共重合ゴム、NBRを主原
料とする熱可塑性エラストマーは、短時間の油との接触
には優れた耐膨潤性を有している。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、ポリオレフィン系樹脂の量が50重量%
以下のポリオレフィン系樹脂、モノオレフィン共重合ゴ
ム、NBRを主原料とする熱可塑性エラストマーは長時
間の油との接触においてはかなりの膨潤を起こす。
これに対して対油性の良好なNBRの混合量を増してい
くと、機械的強度の低下あるいは耐候性が悪化する問題
を伴なったりしていた。
長時間の油との接触、浸漬においても膨潤による変形の
少ない機械的強度にすぐれた熱可塑性エラストマーが望
まれていた。
本発明は上記の問題を解決した熱可塑性エラストマー組
成物を得ることも目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明はポリオレフィン系樹脂(I)、変性EP(D)M類(I
I)とニトリル系ゴム(III)とからなりゴム成分の和(II+
III)が85〜30重量%で、重量比率(II/III)が70/30な
いし20/80で、さらに架橋剤により部分的に架橋したも
のである熱可塑性エラストマー組成物である。
本発明に使用するポリオレフィン系樹脂(I)はエチレ
ン、プロピレン、1−ブテンなどのα−オレフィンモノ
マーを単独または共重合させることにより得られる結晶
性ポリオレフィン重合体である。好ましくは結晶性ポリ
プロピレンである。本発明を実施するにあたり、これら
ポリオレフィン系樹脂は単独または2種以上併用しても
よい。
またポリオレフィン系樹脂の1部または全部が後述する
変性EP(D)M類(II)で用いられる官能基を有する単量
体、あるいは付加反応性を有する有機化合物により変性
EP(D)M類(II)と同様の方法で、又同じ比率で変性され
たものであってもよい。
更には、変性EP(D)M類に官能基含有化合物を反応せし
めて、他の官能基へ変更し利用することも可能である。
例えば、無水マレイン酸変性EP(D)M類にヘキサメチレ
ンジアミン等のジアミン類を反応させアミノ基を含有し
た変性EP(D)Mとして用いることができる。
ポリオレフィン樹脂変性理由として次のように考えられ
る。ポリオレフィン樹脂として変性したものを用いるこ
とにより、変性EP(D)M、変性NBRとの化学反応によ
り、より良好な機械的強度を有することができる。
熱可塑性エラストマー配合物中のポリオレフィン系樹脂
の量は15ないし70重量%であり、好ましくは15な
いし65重量%である。
ポリオレフィン系樹脂の量が15重量%未満では長時間
の油浸漬時の耐膨潤性が劣り、また70重量%を越える
と硬度が高くなりエラストマーとしての使用が困難であ
る。
本発明に使用する変性されたエチレン−α−オレフィン
系共重合体ゴム(II)は、エチレン−α−オレフィン系共
重合体ゴムにエポキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基、
カルボキシル基および酸無水物基から選ばれた少なくと
も1種の単量体を付加させることにより得られたゴムで
ある。
本発明に用いる変性EP(D)M類(II)に用いるエチレン−
α−オレフィン系共重合体ゴムはエチレンとプロピレ
ン、1−ブテンなどのα−オレフィンと必要に応じ非共
役ジエン類との共重合により得られる非晶性の共重合体
である。かかる非共役ジエンとしては以下の化合物があ
げられる。
ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、5−
エチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン
−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボ
ルネン、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、1,7
−オクタジエンで、これらの非共役ジエン類は2種以上
併用してもよい。
好ましい非共役ジエンとしては、5−エチリデン−2−
ノルボルネンおよび/またはジシクロペンタジエンがあ
げられる。
変性に用いる各種官能基を有する化合物としては以下の
ものが挙げられる。すなわちエポキシ基含有単量体とし
ては、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシ
ジルエーテル、ビニルグリシジルエーテルなどがあげら
れる。ヒドロキシル基含有単量体としては、1−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートなどがあげられる。
カルボキシル基または酸無水物基を含有する単量体とし
て具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン
酸などのα,β−不飽和カルボン酸またはその酸無水物
があげられる。
アミノ基含有単量体としては、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ートなどの3級アミノ基含有単量体があげられる。
また、上記重合性を有する単量体の他、付加反応性を有
する有機化合物類をも用いることが可能である。例えば
チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、2−
メルカプトエタノール、2−アミノエタンチオールなど
のチオール類、p−ニトロソアニリン、p−ニトロソフ
ェノールなどのニトロソ化合物、および各種官能基を有
するハイドロシラン類等が挙げられる。
変性EP(D)M類(II)の製造方法は、エチレン−α−オレ
フィン系共重合体ゴムと官能基を有する化合物を150℃
〜300℃の温度でバンバリーミキサー、ニーダーブレン
ダー等の混練り機あるいは連続混練り機または押出機を
用いて熱処理することにより得られる。この場合、多少
の有機パーオキサイドを併用してもよい。この場合エチ
レン−α−オレフィン系共重合体ゴム100重量部に対
し、上記の各種官能基を有する化合物は0.1〜20重
量部が好ましい。0.1部未満では本願の目的である耐
油性が達成できない。20部を越えると、エラストマー
としての可とう性が乏しくなり、また機械的強度も低下
する。
なお、本発明を実施するにあたり、変性EP(D)M類と
して変性したエチレン−α−オルフィン系共重合体ゴム
と未変性のエチレン−α−オルフィン系共重合体ゴムを
併用してもよい。
変性したエチレン−α−オルフィン系共重合体ゴム(II)
のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は30〜150
のものが使用できる。
本発明に使用するニトリル系ゴム(III)としてはアクリ
ロニトリル、メタアクリロニトリルのような、α,β−
不飽和ニトリルとブタジエンのような共役ジエン、さら
には必要に応じて変性EP(D)M(II)の変性で用いた各
種官能基を有する単量体を第3成分として共重合した共
重合体ゴムであり、その結合α,β−不飽和ニトリル量
は10〜50重量%、好ましくは15〜40重量%であ
る。ニトリル系ゴム中のα,β−不飽和ニトリル含量が
10重量%未満では耐油性の改良効果が十分ではなく、
また50重量%を超えると配合物の耐寒性が劣る。
ニトリル系ゴム(III)を得るための重合は、通常の乳化
重合で行なわれ、単量体、乳化剤、開始剤、分子量調節
剤およびその他の重合薬剤は反応開始前に全量添加して
も、反応開始後任意に分割添加してもよく、また反応途
中に温度や撹拌などの操作条件を任意に変更することも
できる。
重合方式は、連続式、回分式のいずれであってもよい。
得られた重合体の分子量は特に制限はないが、ムーニー
粘度(ML1+4、100℃)は20〜120が好ましい。20
未満ではゴム弾性に乏しく、また120を超えると加工性
が劣る。
上記ニトリル系ゴム(III)の官能基含有単量体の含量は
1.0〜20重量%が好ましく、更に好ましくは3〜1
5重量%である。1.0重量%以上となると機械的強度
の改良効果がより改良される。また20重量%を越える
とエラストマーとしての特性に乏しくなる。
ニトリル系ゴムは重合段階で2官能モノマーを共重合す
ることにより部分架橋させたもの、また可塑剤が添加さ
れたものも使用することができる。
本発明を実施するにあたり、2種以上のニトリル系ゴム
を併用することができる。
変性EP(D)M類(II)とニトリル系ゴム(III)の重量比率
(II/III)は70/30なし20/80であり、好ましくは60
/40〜30/70である。変性EP(D)M類(II)とニトリル
系ゴム(III)の重量比率(II/III)が70/30よりも大き
い場合耐油性が十分ではなく、また20/80よりも小さい
場合、ポリオレフィン系樹脂とのブレンドがうまくいか
ず機械的強度が低下する。
変性EP(D)M類(II)として無水マレイン酸変性し、ニ
トリル系ゴム(III)としてヒドロキシル基を含有するも
のを用いた場合、より好ましい効果がえられる。
本発明に使用される架橋剤としては通常有機パーオキサ
イドのようなラジカル発生剤が用いられる。架橋剤とし
て使用される有機パーオキサイドとしては2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
サン、2,2′−ビス(t−ブチルパーオキシ)p−ジイ
ソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジt−
ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン、2,4−ジクロルベンゾイルパ
ーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロル
ベンゾイルパーオキサイドなどがあるが、より好適には
分解温度の高いものが選択使用される。さらに有機パー
オキサイドの添加方法に関しては、安全性及び品質の安
定性を確保するため、有機パーオキサイドの変性EP
(D)M類のマスターバッチで添加することが好ましい。
有機パーオキサイドの添加量は変性EP(D)M類、ニト
リル系ゴムの合計量100重量部に対して0.3〜1.5
重量部、好ましくは0.5〜1.0重量部である。
有機パーオキサイドの量が0.3重量部未満ではゴム成
分の架橋密度が低く、機械的強度が不十分である。ま
た、有機パーオキサイドの量が1.5重量部を超えると
ゴム成分の架橋密度が高くなり、配合物の伸びが低下す
る。
ゴム成分の架橋に際して2官能のビニルモノマーなどを
共架剤として使用することができる。かかる共架橋剤と
しては以下の化合物があげられる。エチレン・ジメタク
リレート、1,3−ブチレン・ジメタクリレート、1,4−ブ
チレンジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメ
タクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジアクリレート、2,2′−ビス(4−メタク
リロイルジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリ
レート、ジビニルベンゼン、N,N′−メチレンビスアク
リルアミド、p−キノンジオキシム、p,p′−ジベンゾ
イルキノンジオキシム、トリアリルシアヌレート、トリ
アリルイソシアヌレートなどである。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物はゴム及び樹脂に
慣用の補助添加剤を使用することができる。かかる補助
添加剤としては、一般に市販されている以下のものがあ
げられる。
ゴム用の軟化剤及び可塑剤、カーボンブラック、ホワイ
トカーボン、クレー、タルク、炭酸カルシウムなどのフ
ィラー、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、着色
剤、加工助剤、滑剤などである。
本発明の組成物の製造は、予め加熱されたロールミルや
バンバリーミキサー、加圧型ニーダーなどの密閉型混練
機、押出機を用い、所定量のポリオレフィン樹脂と変性
EP(D)M類及びNBRを溶融混合すると同時に架橋剤を
反応させることにより得られる。好ましくは混練機中で
ポリオレフィン樹脂、変性EP(D)M類及びニトリル系ゴ
ムを溶融混合した時点で架橋剤を添加し、分散させなが
ら反応させる方法により得られる。
またポリオレフィン系樹脂の一部の存在下、変性EP(D)
M類とニトリル系ゴムを部分的に架橋させた後、残りの
ポリオレフィン系樹脂を添加混練りしてもよい。
更にはポリオレフィン系樹脂の一部または全量存在下、
未変性のEP(D)M類を官能基を有する単量体および有機
過酸化物の存在下で混練りし変性した後、変性NBRを
添加混練りしてもよい。
(作 用) 従来公知の組成物と比較し、本発明の配合物は長時間油
と接触したときの耐膨潤性が明らかに向上した。本発明
の組成物ではポリオレフィン系樹脂が連続相となり、耐
油性の劣るモノオレフィン共重合ゴムへの油の拡散を防
ぐことが可能となり、耐油性と物性の両立に成功したも
のである。さらにはニトリル系ゴムとして変性したもの
を用いた場合、変性NBRと変性EP(D)M類との化学反
応によりより著しい効果がえられる。
(実施例) 以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する
が、本発明はその主旨を越えない限り以下の実施例に制
約されるものではない。
実施例、比較例に使用した各成分は下記の通りである。
結晶性ポリプロピレン;PP(I)三菱油化(株)製三菱ノ
ーブレンMH−8 ;PP(II)三菱油化(株)製 三菱ノーブレンBC8 ;PP(III)三菱油化(株)製 三菱ノーブレンFW−3 変性ポリプロピレン(I);PP(III)100重量部に対して
無水マレイン酸1.5重量部、有機パーオキサイド(化
薬ヌーリー製カヤヘキサAD)0.3重量部を密閉型混
練機中で180℃、6分間混練りし反応させた。
変性ポリプロピレン(II);PP(III)100重量部に対して
p−ビニルアニリン2.5重量部、有機パーオキサイド
(化薬ヌーリー製カヤヘキサAD)0.5重量部を密閉
型混練機中で180℃、6分間混練りし反応させた。
EPM;日本合成ゴム(株)製JSR EP 02P EPDM;日本合成ゴム(株)製JSR EP 57P 変性EP(D)M類;変性EPDM(無水マレイン酸変性E
PDM、日本合成ゴム(株)製JSREP57Pに無水マレイ
ン酸を0.2重量%付加したもの)JSR EP 57P100重量
部に対し、無水マレイン酸1重量部、有機パーオキサイ
ド(化薬ヌーリー製カヤヘキサAD)0.3重量部およ
び老化防止剤(精工化学(株)製フェノチアジン)2重量
部をあらかじめよく撹拌し、55φmm押出機を用い200
℃、30rpmで反応させた。
変性EPM(I);(無水マレイン酸変性EPM、日本合成
ゴム(株)製JSR EP 02Pに無水マレイン酸0.5重量%
を付加したもの。)JSR EP 02P100重量部に対し、無水
マレイン酸1重量部、有機パーオキサイド(化薬ヌーリ
ー(株)製カヤヘキサAD)0.2重量部、老化防止剤
(川口化学(株)製アンテージBHT)2重量部をあらか
じめよく撹拌し、55mmφ押出機を用いて200℃、30r
pmで反応させた。
変性EPM(II);(ヒドロキシ変性EPM、日本合成ゴ
ム(株)製JSR EP 02Pにヒドロキシエチルアクリレート
を1.0重量%を付加したもの。)変性EPM(I)の合
成と全く同様に、無水マレイン酸1重量部の代わりにヒ
ドロキシエチルアクリレート2重量部を用いた。
ニトリル系ゴム;NBR(I)日本合成ゴム(株)製JSR
N230S ;NBR(II)日本合成ゴム(株)製JSR N250S ;NBR(III)日本合成ゴム(株)製JSRN211SL (ジオクチルフタレート50重量部含有) 変性NBR(I);次に示す重合処方に従がい、内容積2
0オートクレーブ重合で30℃にて重合を行なった。
部 ブタジエン 55 アクリロニトリル 35ヒドロキシエチルメタクリレ -ト 10 水 250ドデシルベンゼンヌルフォン 酸ナトリウム 5 第3級ドデシルメルカプタン 0.5 過硫酸カリウム 0.27シアノエチル 化ジエタノ-ルアミン 0.15 水酸化カリウム 0.10 重合率80%に達した後、単量体100部当り0.2部の
ヒドロキシルアミン硫酸塩を添加し、重合を停止させ
た。つづいて加温し水蒸気蒸留により、残留単量体を除
去した後、ゴム固形分100部当り、老化防止剤としてア
ルキル化フェノール1部を添加し塩化カルシウム水溶液
で凝固し、得られたクラムを水洗した後、50℃で真空
乾燥し評価用サンプルを作製した。(表−1試料) 以下同様の処方で作製した共重合体を表−1にまとめ
た。
なお、カルボキシル基を有する単量体を用いる場合は、
共重合体の析出に際し、塩化カルシウム水溶液に一部硫
酸を加えた。
実施例、比較例に使用した有機パーオキサイドマスター
バッチはEPM(ML1+4、100℃=40、プロピレン含量
49重量%)100重量部に対して2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3を10重量
部、6インチロールで配合することにより作製した。
機械的強度はJIS K 6301の引張試験による引張応力、引
張強度、伸びを指標とした。
長時間耐油製はJIS K 6301浸せき試験に準じたNo.1試
験油を用いた100℃+72時間テストによる体積変化率
(ΔV)を指標とした。
耐クリープ性はJIS K 6701に準じた圧縮永久歪あるいは
次に示す永久伸びを指標とした。なお、永久伸びは次の
方法に従がって測定した。
JIS K 6301に準じて、成形した1mm厚シートから1号形
ダンベル試験片を打ち抜き、50%伸長下で10分間保
持し、取り外した後10分後の標線間長さを測定し永久
伸び(%)を次式で求めた。
また実施例での数は特に指定しないかぎり重量部、重量
%を示した。
実施例−1 表−1に示す配合処方により予め170℃に予熱した加圧
ニーダー(森山製作所、容量1)にポリオレフィン系
樹脂、変性EP(D)M類、ニトリル系ゴムを投入しポリ
オレフィン樹脂が溶融するまで混練りを続けた。ポリオ
レフィン系樹脂、変性EP(D)M類およびニトリル系ゴ
ムが均一に溶融混合後、有機パーオキサイドマスターバ
ッチを所定量添加し、さらに10分間混練りを続け、添
加した有機パーオキサイドを100 %作用させ熱可塑性エ
ラストマー組成物を得た。
得られた組成物を6インチロールでシートとし、シート
ペレタイザーで角ペレット状とした後射出成型機にて板
状のテストピースを作成し、物性評価を実施した。結果
を表−2に示した。
比較例1〜6 配合処方として表−2を用いる以外は実施例−1と同じ
方法で物性評価を実施した。結果を表−2に示した。
実施例−2 配合処方として表−2を用いる以外は実施例−1と同じ
方法で物性評価を実施した。結果を表−2に示した。
実施例−3〜4 配合処方として表−2を用いる以外は実施例−1と同じ
方法で物性評価を実施した。結果を表−2に示した。
実施例−5〜6 配合処方として表−2を用いる以外は実施例−1と同じ
方法で物性評価を実施した。結果を表−2に示した。
比較例−6 配合処方として表−2を用いる以外は実施例−1と同じ
方法で物性評価を実施した。結果を表−2に示した。
比較例−1〜2と実施例−1とは変性EPDMを一定にしポ
リオレフィン系樹脂量とニトリル系ゴムの比を変量した
ものであり、比較例−1は実施例−1よりも耐油性が劣
っている。しかし、比較例−2はポリオレフィン系樹脂
が多く、圧縮永久ひずみが劣っている。
比較例−3〜4と実施例−1とはポリオレフィン系樹脂
を一定としたものであり、比較例−3はニトリル系ゴム
を使用しないため、耐油性が悪く、比較例−4は変性E
P(D)M類を使用しないので引張強さが低く好ましくな
い。
比較例−5はニトリル系ゴムに代えてBRを使用したた
め耐油性が極端に劣っている。
実施例−2〜4は変性EP(D)M類を一定としポリオレ
フィン系樹脂およびニトリル系ゴムの種類を変えたもの
であり、いずれも良好な機械的強度、耐油性、耐クリー
プ性を示している。
実施例−5と比較例−6とはポリオレフィン系樹脂、ニ
トリル系ゴムを固定し比較例−6は変性していないEP
DMを用いたものである。
比較例−6は実施例−5に較べ、耐油性が劣っている。
実施例−6は変性EPDMの代わりに変性EPMを使用
した例である。変性EPMでも良好な物性を得ることが
できる。
実施例−7 表−3に示す配合処方により予め170℃に予熱した加圧
ニーダー(森山製作所、容量1)にポリオレフィン系
樹脂、変性ニトリル系ゴム(変性NBR)および変性E
P(D)M類を投入し、均一に溶融混合後有機パーオキサ
イドマスターバッチを所定量添加し、さらに10分間混
練りを続け、添加した有機パーオキサイドを100%作用
させ熱可塑性エラストマー組成物を得た。得られた組成
物について180℃にて5分間プレスすることによって物
性測定用サンプルを成形した。
物性評価結果を表−3に示した。
実施例−8〜15,比較例−7〜12 実施例-7と同様の方法で組成物を作製した。但し、有機
過酸化物として1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソ
プロピル)ベンゼンの純度40%品を用い、架橋助剤と
してトリアリルシアヌレートをそれぞれ0.5部および
1.0部添加した。
結果を表−3に示した。
同様に行なった比較例−7〜12の結果を表−4に示し
た。
比較例−7は実施例−7に対し、変性EPDMを一定に
しポリオレフィン系樹脂量を下げたものであるが、比較
例−7は機械的強度が著しく劣っている。
これに対し、ポリオレフィン系樹脂量の多い比較例−8
では機械的強度、耐油性に良好であるが永久歪みに劣
り、これは耐クリープ性に乏しいことを意味し、エラス
トマーとして用いることはできない。
実施例−8〜11はポリオレフィン樹脂種、変性NBR
種、および変性EP(D)Mの種類を変えたものであり、い
ずれも良好な機械的強度、耐油性、耐クリープ性を有し
ている。
比較例−9はニトリル系ゴムを用いない、また比較例−
10は変性EP(D)M類を用いない例であるが、比較例−9
は耐油性が劣り、比較例−10は機械的特性、特に伸びが
低いという問題がある。
比較例−11は実施例−8に対し、変性EPDMを用いず
にEPDMを用いたもの、比較例−12は一般のNBRと
EPMを用いた例である。比較例−11〜13とも実施例−
8に比し、機械的強度、耐油性の面で劣る。
実施例−12〜14はポリオレフィン樹脂(I)と変性EP(D)
M(II)、変性NBR(III)の組成を変量したものである
が、いずれも機械的強度、耐油性、耐クリープ性のバラ
ンスから耐油性を要求される熱可塑性エラストマーとし
て有用である。
また実施例−15はポリオレフィン樹脂としてアミノ変性
PPを用いた例であるが、実施例−7,8,10よりも更に良
好な機械的強度を有していることがわかる。
(発明の効果) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物はポリオレフィン
系樹脂、変性EP(D)M類、及びNBRの比率を特定した
ものを使用し部分的架橋をすることにより優れた耐油性
と機械的強度を有している。NBRとして変性NBRを
用いた場合よりよい効果がえられる。
従って、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は例えば
自動車の外装部品、エンジンルーム内の部品など油が触
れる恐れのある部品およびパッキン、ホース、シール材
等の工業用品に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島田 文人 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 梅田 逸樹 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン系樹脂(I)と下記の変性エ
    チレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(II)とニトリル
    系ゴム(III)からなり、その混合割合が(I)/{(II)+(II
    I)}が15/85〜70/30(重量比)で、かつ(II)/(III)が
    70/30〜20/80(重量比)であり、部分的に架橋された
    ことを特徴とする耐油性に優れた熱可塑性エラストマー
    組成物 (II)エポキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキ
    シル基および酸無水物基から選ばれた少なくとも1種の
    官能基を有するエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴ
  2. 【請求項2】ポリオレフィン系樹脂(I)が、その一部も
    しくは全部、エポキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基、
    カルボキシル基および酸無水物基から選ばれた少なくと
    も1種の官能基を有する樹脂である特許請求の範囲第
    (1)項記載の熱可塑性エラストマー組成物
  3. 【請求項3】ニトリル系ゴム(III)がエポキシ基、ヒド
    ロキシル基、アミノ基、カルボキシル基および酸無水物
    基から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する変性ニ
    トリル系ゴムである特許請求の範囲第(1)項記載の熱可
    塑性エラストマー組成物
  4. 【請求項4】変性エチレン−α−オレフィン系共重合体
    ゴム(II)が無水マレイン酸で変性されたものであり、ニ
    トリル系ゴム(III)がヒドロキシル基を有するものであ
    る特許請求の範囲第(1)〜第(3)項記載の熱可塑性エラス
    トマー組成物
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JPS59102941A (ja) * 1982-12-03 1984-06-14 Kuraray Co Ltd ゴム組成物

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