JPH0651594B2 - 非酸化物セラミックスと金属との接合体の製法 - Google Patents

非酸化物セラミックスと金属との接合体の製法

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JPH0651594B2
JPH0651594B2 JP61139832A JP13983286A JPH0651594B2 JP H0651594 B2 JPH0651594 B2 JP H0651594B2 JP 61139832 A JP61139832 A JP 61139832A JP 13983286 A JP13983286 A JP 13983286A JP H0651594 B2 JPH0651594 B2 JP H0651594B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は非酸化物セラミックスと金属との接合体に関す
る。更に詳しくいえば、本発明は非酸化物セラミックス
の本来有している耐熱性、耐摩耗性並びに耐食性の他、
機械的特性、特に靱性の点でも満足し得る、非酸化物セ
ラミックスと金属との接合体に関するものである。
従来の技術 セラミックスは、一般に耐熱性、耐摩耗性並びに耐食、
耐薬品性に優れることから各種応用が考えられ、広く利
用されてきた。しかしながら、機械的強度、特に靱性の
点で金属に劣り、そのために高い機械的強度が要求され
る構造材料として応用するためには更に改良を図る必要
があった。
近年、従来の酸化物を主体とする酸化物セラミックスの
各種特性を更に改善し、新たな応用分野の開拓を可能と
するニューセラミックスと呼ばれる、主として非酸化物
系の各種セラミックスが注目されている。この非酸化物
セラミックスとしては、例えば炭化珪素(SiC)、窒化珪
素(Si3N4)、窒化アルミニウムなどが知られており、,
これらは高い高温強度、耐摩耗性、耐食性等を有し、特
にエンジン部品用材料、耐摩耗性、耐食性が要求される
機械部品等への応用が試みられ、一部実用化されてい
る。
しかしながら、この非酸化物セラミックスにあっても、
上記の如くセラミックスに固有の機械的強度の点で問題
があり、また加工精度の面から限界があり、セラミック
スのみで目的の装置全体を構成することは依然として困
難であり、高温等厳しい温度条件下におかれる部品、高
度の耐摩耗性および/または耐食性が必要とされる部品
用材料として部品的に応用されていたにすぎない。
このように非酸化物セラミックスを部分的に応用する場
合には他の各種構造材料、特に金属などと組合せて使用
する必要があり、これらの間の接合性が重要な問題とな
る。そこで、従来から(i)金属またはガラス等の酸化
物をろうとしてセラミックスと金属との間に挿入して使
用するろう付け法(介在層は主にペースト状);(ii)
セラミックスと金属とを固体状態で直接加圧して、もし
くは無加圧で接合する固体接合法(介在層は主に箔状も
しくは板状);(iii)レーザービームによるセラミッ
クスと金属とを溶融状態で接合する融接法などが検討さ
れている。
また、特開昭59-18184号公報発明におけるように、セラ
ミックスを真空下でイオンエッチングした後直ちに所定
のセラミックスまたは金属をイオンプレーティングし、
必要に応じて金属被覆層を形成する、セラミックス表面
に金属を単層状態でイオンプレーティングする方法も知
られている。
発明が解決しようとする問題点 以上述べたように、非酸化物セラミックスは、ある装置
全体をこのセラミックス自体で構成することは、その機
械特性の面から困難であるが、その固有の諸特性は極め
て魅力のあるものであり、各種部品として利用されてい
る。この場合、他の金属などと接合する必要があり、従
来から上記のような各種方法が提案され、実用化されて
きた。しかしながら、従来の方法では、一般に非酸化物
セラミックスと金属との間の介在層としてペースト状、
箔状、板状のものを使用していたために極めて厚く、ま
たその膜厚を所定の値に制御することが難しかった。従
って、適用に態様によっては接合強度および耐熱性等の
点で問題があった。また、従来の介在層はペースト状等
のバルク状で用いられるために構造設計が難しいと考え
られている。更に、ペースト状では各々の目的を持つ物
質が分散されているが、例えばセラミックスに対して活
性をもつために添加されている物質のうち一部のみしか
その効果に寄与しておらず、その結果必要以上の量で添
加しなければならず、このために他の効果が犠牲にされ
る場合が多い。一方箔状、板状のものについても接合す
るセラミックスとの接触面積が過少となり、そのため加
圧または溶融工程が必要となり、加圧力、温度としても
かなり高い値が要求される。
そこで、このような問題を解決する目的で、イオンプレ
ーティング法の利用が提案された。この方法を利用する
ことにより極めて薄い金属膜を形成することが可能とな
り、またその膜厚も自由に制御することが可能となるの
で、接合強度並びに耐熱性の向上を図ることが可能とな
り、介在層の構造設計が容易となる。
しかしながら、単独層のみの利用では様々な機能を一度
に付与することができず、実用化に十分耐え得る接合体
を得るためには更に工夫する必要がある。
そこで、本発明の目的は耐熱性、耐摩耗性かつ耐食性材
料として開発されたSi3N4、SiC、ZrB2、BN等の非酸化物
セラミックスの機械的特性、特に靱性等を改善する上で
有用な金属との接合体を提供することにあり、その接合
強度、耐食性等を改善することを目的とするものであ
る。
問題点を解決するための手段 本発明者等は非酸化物セラミックスと金属との接合にお
ける上記の如き現状に鑑みて、従来法の有する上記の如
き諸欠点を解決し、目的とする非酸化物セラミックスと
金属との優れた接合体を開発すべく種々検討・研究した
結果、接合用の介在層を気相堆積法により行い、しかも
多層からなる積層構造とすることが有利であることを見
出し、本発明を完成した。
即ち、本発明に従うと、非酸化物セラミックスと、該非
酸化物セラミックス上に形成された介在層と、該介在層
に対して接合された接合金属とを備える接合体であっ
て、更に、該介在層が、該非酸化物セラミックスに対し
て活性が高い金属により該非酸化物セラミックスの直上
に形成された内層と、直上および直下の層と共晶物質を
生成する金属により形成された中間層と、該内層および
該中間層の腐蝕に対して障壁となる金属により形成され
た外層とを含む接合体の製造方法であって、該介在層の
形成において、該セラミックスの直上に内層を被着させ
る第1工程と、該内層上に中間層を被着させる第2工程
と、該中間層上に外層を被着させる第3工程と、該内
層、中間層および外層の各界面において相互拡散を生じ
させる加熱処理を行う第4工程とを含む一連の工程を含
むことを特徴とする非酸化物セラミックスと金属との接
合体の製法が提供される 本発明の接合体において非酸化物セラミックスとは各種
金属等の窒化物、炭化物、ケイ化物、ホウ化物、硫化
物、炭窒化物などを含み、具体的にはSi3N4、AlN、BN,Ti
N、Li3N4、SiC、WC、TiC、B4C,MoSi2、LaB6、TiB2、ZrB2、CdS、Zn
S,PbS、サイアロンセラミックスなどを例示することがで
きる。
また、この非酸化物セラミックスと接合する金属として
は、一般に構造用金属として使用される鋼、ステンレス
スチールなど、各種金属、例えばAl、W、Mo、Feなどの他コ
バール合金、ジュメット合金などの合金を使用すること
ができる。
本発明の接合体において特徴的な介在層は一般に非酸化
物セラミックスと隣接する内層と、金属側の外層と、こ
れらの間の中間層の3層構造で実現される。まず内層は
非酸化物セラミックスに対して高活性で、強固な結合を
形成する金属から選ばれ、例えばSi、Ti、Fe、Ni、Cu、Zr、N
b、Mo、Mn、Ta、W、Y、Crからなる群から選ばれる少なくとも
1種の金属層である。一方、中間層は少なくとも1層で
構成され、内層並びに外層と反応してこれらの融点を下
げる効果をもつ金属であればいかなるものであってもよ
く、特に制限はなく例えば、Al、Si、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、
Cu、Zn、Nb、Moからなる群から選ばれる少なくとも1種の
金属が有利に使用できる。更に、外層は内層並びに中間
層を酸化等の腐食から防止する効果を有する金属が有利
であり、例えばCu、Nb、Mo、Pb、Ag、W、Pt、Auからなる群から
選ばれる少なくとも1種の金属から構成することが好ま
しい。
これらは、気相蒸気法、特にイオンプレーティング法に
従って堆積される。例えば、活性化反応性蒸着法(AR
E法)、エンハンストARE法、直流励起イオンプレー
ティング法、高周波励起イオンプレーティング法、多陰
極イオンプレーティング法、中空陰極放電法(HCD
法)、低電圧アーク放電法などの公知の方法がいずれも
使用できる。
本発明における介在層では、各金属層(内層、中間層、
外層)の形成(堆積)後、あるいは介在層全体の形成後
熱処理、即ち、例えば500〜1,600℃の温度にて数秒〜数
時間加熱処理することができる。
この介在層あるいはその各構成層である内層、中間層お
よび外層の厚さは目的、用途等に応じて任意に変えるこ
とができるが、一般的には0.01〜100μmの範囲内で十
分である。
本発明の接合体は、上記の如く介在層を適用したセラミ
ックスに銀ろう、Niろうなどの公知のろう材を用いてわ
ずかな加圧下であるいは加圧することなく、低温度下
で、例えば500〜1,000℃の範囲内の温度下で加熱して接
合される。この温度は材質、性質、組合せ等により変化
し、一般には上記範囲で十分である。
作用 非酸化セラミックスは耐熱性、耐食性等において優れて
いることから、従来金属、合金等で構成されていた各種
装置の、金属の特性の限界による行きづまりを打開する
目的で、例えば熱機関の高温化、軽量化、低価格化を図
るために、その利用が考えられてきた。しかしながら、
非酸化物セラミックスに限らず、セラミックスは一般に
靱性に劣る。従って、機械材料として使用した場合に
は、熱的・機械的応力が複雑に関与する複合応力環境に
置かれることになるので、セラミックスのみである装置
全体を構成することは今のところ不可能であり、金属と
の接合体として一般に使用される。
ところで、非酸化物セラミックスと金属との接合を行う
場合には既に述べたような各種の問題があり、高い信頼
性で高品位の接合体を得、これを実用化するためには更
に工夫し、改良を施さねばならない。
そこで本発明では、介在層をイオンプレーティング法で
形成し、またこれを多層構造とすることにより上記従来
の接合法の欠点をほぼ解決した。まず、介在層をイオン
プレーティング法で実施したことにより、介在層の構造
設計が極めて容易となり、膜厚の制御が簡略化されるの
で、従来製品と比較して接合強度、耐熱性等を大巾に改
善することが可能となった。これは、介在層を多層から
なる積層構造としたことにも起因するものであり、従来
の如く、様々な機能を持つ物質を単一層内に分散させる
ことに伴う問題を解決することを可能とする。即ち、既
に述べたように、例えばセラミックスに対して高活性の
添加物質の一部分のみが所定の機能を果たし、多量での
使用が必要とされ、そのために他の目的で添加される物
質の効果が犠牲とされるという問題が完全に解決でき
る。本発明に従って、個々の役割を付与した別々の金属
層を多層構造で蒸着積層することにより、総合的に満足
できる良好な接合体が得られることがわかった。
更に、介在層の形成をイオンプレーティングで実施する
ことにより、非酸化物セラミックスの被メタライズ表面
に多数の凹凸部が存在したとしても、イオンプレーティ
ング法の良好な回り込み性のために、これら凹凸部がな
らされ、接合金属との接触面積が著しく増大する。ま
た、介在層の中間層には共晶物質を生成して融点を下げ
る効果のある金属が蒸着されており、しかも介在層の膜
厚が薄いので、低温度で溶融し、従ってセラミックスと
の反応性を大巾に向上させることができる。即ち、処理
温度を著しく下げることができ、従来のように高い溶融
温度を必要とせず、しかも従来の如く接触面積が小さい
ことに起因する高い加圧下での接合の必要はない。即
ち、加圧は低圧力ですみ、もしくは不用となる。
かくして、本発明によれば、実用化に十分耐え得る高い
接合強度を有し、耐食性、耐熱性の点で満足できる高品
位の非酸化物と金属との接合体を有利に提供することが
できる。従って、高温度での強度、耐熱性が要求される
ガスタービンエンジン部材を代表とする各種分野で有利
に使用できる。
実施例 以下、実施例により本発明の非酸化物セラミックスと金
属との接合体を更に具体的に説明する。ただし、以下の
例により本発明の範囲は何等制限されない。
添付第1図に、本発明による接合体の構成を模式的な断
面図で示した。図から明らかな如く、この接合体は非酸
化物セラミックス1と、介在層2と接合金属3とから主
として構成されており、介在層2は更にセラミックス側
から内層4、中間層5および外層6の三層構造で構成さ
れている。介在層2の各層間には夫々内層4と中間層5
との相互拡散および中間層5と外層6との相互拡散によ
り拡散層A(4−5)および拡散層B(5−6)が形成
されている。この拡散層はイオンプレーティングを用い
た蒸着時、熱処理あるいは接合時の加熱により形成され
るものであり、このものの形成により接合強度等の各種
物性は一段と改善されることになる。このような拡散
は、セラミックスと内層5との間、あるいは金属と外層
との間にも形成され、接合強度の向上に寄与する。
この例において、介在層における各層の厚さは以下の作
製例において具体的に示されるが、接合すべきセラミッ
クスおよび金属の種類、性質あるいは設計上の寸法等に
より変化し、一般には夫々0.01〜100μm(内層)、0.0
1〜100μm(中間層)および0.01〜100μm(外層)の
範囲内とすることにより有利な結果を得ることができ
る。
以下、作製例により、本発明の接合体の製法並びにその
物性側定結果を記載する。
作製例1 窒化珪素焼結体(寸法8mmφ×20mm)に対して、イオン
プレーティング装置により、第1層(内層)としてTi
を、第2層(中間層)としてNiを、また第3層(外層)
としてMoを夫々0.3μm厚となるように蒸着し、次いで6
00〜700℃の温度下で−10分間熱処理した。かくして得
た被メタライズ面に対して銀ろうを用いてスチール(寸
法:8mmφ×20mm)を接合した。
一方、比較のためにTi箔(100μm)を用いて同様にス
チールと接合したサンプルをも作製した。ただし、この
例では熱処理温度を1,400〜1,600℃とした。
得られた接合体から物性測定用サンプルを切出し、曲げ
強度について比較評価を行った。結果を以下の第1表に
示す。尚、試験方法は室温中での4点曲げ試験によった
(以下同様)。
第1表の結果から明らかな如く、従来のようにTi箔を用
い場合には実用化し得る程度の曲げ強度を達成するのに
1,600℃と著しく高い温度が必要であり、これでもイオ
ンプレーティング法で積層した例のうち最も低いものよ
りも劣っていた。そこで、介在層について分析を行った
ところ従来のものでは多量の酸素の存在が認められ、こ
のことは作製(接合)工程中にTiが腐食(酸化)を受け
るものと推定される。これに対して、本発明に従って外
層にMoを蒸着したものについては、酸素の存在は殆ど認
められなかった。
作製例2 炭化珪素焼結体の角柱(寸法:10×10×20mm)に対し
て、イオンプレーティング装置を用いて第1層(内層)
としてFeを、第2層および第3層(中間層)として夫々
SiおよびNiを、また第4層(外層)としてWを夫々0.2
μmの厚さで蒸着し、次いで1,300℃にて熱処理し、銀
ろうを用いてコバール合金との接合を行った。かくして
得られた接合体は強固な界面を有しており、平均曲げ強
度15Kg/mm2を示した。
作製例3 ホウ化ジルコニウムのホットプレス焼結体から切出した
寸法18×18×20mmの角柱に対し、イオンプレーティング
により第1層(内層)としてZrを、第2層および第3層
(中間層)としてAgおよびNiを、また第4層(外層)と
してAgを夫々0.5μm厚で蒸着し、1250℃にて10分間熱
処理を行い、得られたメタライズ面に銀ろうを用いてコ
バール合金と接合した。この時点で、得られた接合体の
介在層を電子顕微鏡によって観察したところ、孔等の異
常はなく、均質な組織が形成されていることを確認でき
た。また、ホウ化ジルコニウムと介在層との界面におい
ては相互拡散が進行し、強固な結合が予想されるが、実
際にも13Kg/mm2と高い曲げ強度を示した。
作製例4 窒化珪素のホットプレス焼結体(寸法:10×10×20mm)
の角柱につき、イオンプレーティング法で第1層(内
層)としてTiを、第2層(中間層)としてFeを、また第
3層(外層)としてAuを夫々0.1μm厚で蒸着し、1,100
℃にて熱処理を行った後、Niろう材を用いてジュメット
合金と接合を行った。得られた接合体を3×4×40mmの
寸法で切出し、曲げ強度測定に供したところ8Kg/mm2
あった。
作製例5 窒化アルミニウム焼結体を10mmφのシャフト状に加工
し、表面研磨処理を施した後イオンプレーティング装置
で第1層(内層)にYを、第2層(中間層)にSiをまた
第3層(外層)としてNbを夫々1μm厚で蒸着し、1,40
0℃にて短時間(20秒)熱処理を行い、得られた被メタ
ライズ面に対して銀ろうにより、同様のシャフト状のス
テンレスを接合した。得られた窒化アルミニウム/ステ
ンレスシャフトを400℃の高温度下で約100時間使用した
が、使用中に何等問題は生じなかった。
作製例7 窒化アルミニウム焼結体を寸法5×5×10mmの角柱に加
工し、イオンプレーティング装置により第1層(内層)
にTaを、第2層(中間層)にAlをまた第3層(外層)に
Cuを夫々1.5μm厚で蒸着し、1,300℃にて熱処理後Niろ
う材によりスチールと接合した。得られた接合体を縦割
に切断し、分析電子顕微鏡にてライン分析を行ったとこ
ろ、各機能を付与した各金属層が、有効に作用し、窒化
アルミニウムとTaとの界面、各金属層間共に拡散が進行
していることが確認され、窒化アルミニウムとスチール
間に強固な結合が形成されていることが認められた。
作製例8 寸法10×10×20mmの角柱形窒化珪素焼結体に、イオンプ
レーティング法に従って第1層(内層)としてNiを、第
2層(中間層)としてSiを、また第3層(外層)として
Moを夫々0.2〜1.0μm厚で蒸着し、装置から取り出し、
高真空加熱炉にて1030℃に加熱拡散処理を行った。得ら
れたメタライズ面に銀ろうを用いてスチールと接合し
た。
一方比較のためにNi箔(100〜1,000μm)を窒化珪素焼
結体上に載せ、加圧(10Kg/mm2)の場合および無加圧の
下で1,100℃での加熱拡散処理した後、上記と同様の方
法によりスチールと接合を行った。
かくして得た各サンプルにつき強度(曲げ強度)試験を
行った。結果は以下の第1表に示す通りである。
作製例9 10×10×20mmの角柱状窒化珪素焼結体に、イオンプレー
ティング装置により各々0.5μmの膜厚で第1層(内
層)にTiを、中間層としての第2層および第3層に夫々
NiおよびAlを、また第4層(外層)にAuを蒸着し、装置
外に取出した後、900〜1,100℃にて加熱拡散処理を行っ
た。得られた金属化面に対して銀ろうを用いてコバール
と接合を行った。かくして得た接合体から3×4×40mm
のテスト片を切り出し、これについて曲げ強度テストを
行い、また介在層近傍の酸化物の分析を行った。結果を
以下の第3表に示す。
第2表の結果から、介在層において外層に腐食等から内
層、中間層を保護するバリアー層が設けられていない場
合には、作製工程中に酸化等の腐食を受け、TiOおよびT
iO2が形成され、結果として接合強度(曲げ強度)も大
巾に低下することが理解できる。
作製例10 以下に示す種々の組成並びに製法により得た各種窒化珪
素焼結体を加工して、寸法5×5×20mmのサンプルを
得、これに、イオンプレーティング装置により第1層
(内層)としてZrを、第2層(中間層)としてFeを、ま
た第3層(外層)としてPbを各々0.5μm厚で蒸着し、
次いで銀ろうによりスチールと接合した。得られた接合
体のテスト片につき曲げ強度テストを行った。結果を第
4表に示す。
第4表に示した結果から、助剤や焼結法の違いによって
も10Kg/mm2程度の接合強度が得られることがわかる。従
って、本発明の構成は広範囲の窒化珪素焼結体に応用で
きるものと考えられる。
作製例11 サイアロンセラミックス焼結体(寸法5×5×20mm)の
角柱形部材に、イオンプレーティング装置で膜厚が各々
0.1〜1μmとなるように第1層(内層)としてZrを、
第2層および第3層(中間層)としてSiとFeを、また第
4層(外層)としてPtを蒸着した後、銀ろうにてスチー
ルと接合した。得られた試料から3×4×20mmのテスト
ピースを切出し、曲げ強度を測定した。結果は第5表に
示す通りである。
接合強度はすべて10Kg/mm2となっており、一般部品と
しては十分な性状が得られた。
作製例12 サイアロンセラミックス焼結体(寸法:5×5×20mm)
に対してイオンプレーティング装置により、膜厚が各々
0.1〜2μmとなる様に内層としてTaを、中間層としてC
oを、また外層としてAgを蒸着した後不活性雰囲気中、
1,300℃にて短時間(10秒)熱処理を行った。これを銀
ろうにてMoと接合し、3×4×20mmのテストピースを切
出し、曲げ強度を測定した。結果は以下の通りである。
作製例13 サイアロンセラミックス焼結体(寸法:10×10×20mm)
に、イオンプレーティング装置により第1層にNiを、第
2層にSiを、また第3層にMoを0.2.〜1.0μm厚となる
ように蒸着し、次いで高真空加熱炉にて1,045℃にて加
熱拡散処理を行った。得られた被メタライズ面を銀ろう
を介してスチールと接合した。
一方、比較のためにNi箔(100〜500μm)をサイアロン
セラミックスと接触させ、加圧(10Kg/mm2)あるいは
無加圧の条件下で1,100℃にて加熱拡散処理した後、同
様にしてスチールとの接合を行った。
かくして得られた試験片につき曲げ強度を測定し、結果
を以下の第7表に示した。
作製例14 サイアロンセラミックス焼結体(10×10×20mm)に、イ
オンプレーティング装置により各々0.5μmの膜で内層
としてTiを、中間層としてFeとSiを蒸着し、また外層と
してAuを夫々設けたもの、設けないものを作製し、次い
で1,000〜1,200℃にて加熱拡散処理を行った。得られた
被メタライズ面に銀ろうを介してコバールを接合した。
これら接合体から3×4×20mmのテストピースを切出
し、曲げ強度および介在層近傍の酸化物の分析を行っ
た。結果を第8表に示す。
上記第8表の結果から介在層において外層に腐食等より
保護するバリアー層が設けられていないものについて
は、作製(接合)工程中に酸化等の腐食を受け、TiO及
びTiO2が生成しており、接合強度も大巾に低下すること
が認められた。
発明の効果 以上詳しく説明したように、本発明の非酸化物セラミッ
クスと金属との接合体においては、介在層をイオンプレ
ーティング法により形成し、また多層構造としたことに
より、接合体の接合強度及び耐熱性の向上を図ることが
可能となった。また、イオンプレーティング法での介在
層の形成は膜厚の制御が任意に実施でき、その結果、必
要な金属を必要な部位に自由に供給できるので介在層の
構造設計が容易となる。
このように、本発明の接合体は、耐熱性、機械的強度、
特に靱性の要求される各種用途において実用化し得るも
のである。
【図面の簡単な説明】
添付第1図は本発明の非酸化物セラミックスと金属との
接合体の構成を示す模式的な断面図である。 (主な参照番号) 1……非酸化物セラミックス、 2……介在層、3……金属層、 4……内層、5……中間層、 6……外層、4−5……拡散層A、 5−6……拡散層B

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非酸化物セラミックスと、該非酸化物セラ
    ミックス上に形成された介在層と、該介在層に対して接
    合された接合金属とを備える接合体であって、 更に、該介在層が、該非酸化物セラミックスに対して活
    性が高い金属により該非酸化物セラミックスの直上に形
    成された内層と、直上および直下の層と共晶物質を生成
    する金属により形成された中間層と、該内層および該中
    間層の腐蝕に対して障壁となる金属により形成された外
    層とを含む接合体の製造方法であって、 該介在層の形成において、該セラミックスの直上に内層
    を被着させる第1工程と、該内層上に中間層を被着させ
    る第2工程と、該中間層上に外層を被着させる第3工程
    と、該内層、中間層および外層の各界面において相互拡
    散を生じさせる加熱処理を行う第4工程とを含む一連の
    工程を含むことを特徴とする非酸化物セラミックスと金
    属との接合体の製法。
  2. 【請求項2】上記非酸化物セラミックスが窒化珪素であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の接合体
    の製法。
  3. 【請求項3】上記非酸化物セラミックスが炭化珪素であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の接合体
    の製法。
  4. 【請求項4】上記非酸化物セラミックスがサイアロンセ
    ラミックス、Si6-zAlzOzN8-z(z=1〜4.2)であること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の接合体の製
    法。
  5. 【請求項5】上記介在層がイオンプレーティング法によ
    り形成されたものであることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項から第4項までのいずれか1項に記載の接合体
    の製法。
  6. 【請求項6】上記内層金属がSi、Ti、Fe、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、
    Mn、Ta、W、YおよびCrからなる群から選ばれる少なくとも
    1種であることを特徴とする特許請求の範囲第1項から
    第5項までのいずれか1項に記載の接合体の製法。
  7. 【請求項7】上記外層金属がCu、Nb、Mo、Pb、Ag、W、Ptおよ
    びAuからなる群から選ばれる少なくとも1種であること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項から第6項までのい
    ずれか1項に記載の接合体の製法。
  8. 【請求項8】上記中間層が少なくとも1層の金属層で形
    成されていることを特徴とする特許請求の範囲第1項か
    ら第7項までのいずれか1項に記載の接合体の製法。
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