JPH0660064B2 - 非酸化物セラミックスと金属との接合体の製法 - Google Patents

非酸化物セラミックスと金属との接合体の製法

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JPH0660064B2
JPH0660064B2 JP61139834A JP13983486A JPH0660064B2 JP H0660064 B2 JPH0660064 B2 JP H0660064B2 JP 61139834 A JP61139834 A JP 61139834A JP 13983486 A JP13983486 A JP 13983486A JP H0660064 B2 JPH0660064 B2 JP H0660064B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は非酸化物セラミックスと金属との接合体に関す
る。更に詳しくいえば、本発明は非酸化物セラミックス
の本来有している耐熱性、耐摩耗性並びに耐食性の他、
機械的特性、特に靭性の点でも満足し得る、非酸化物セ
ラミックスと金属との接合体に関するものである。
従来の技術 セラミックスは、一般に耐熱性、耐摩耗性並びに耐食、
耐薬品性に優れることから各種応用が考えられ、広く利
用されてきた。しかしながら、機械的強度、特に靭性の
点で金属に劣り、そのために高い機械的強度が要求され
る構造材料として応用するためには更に改良を図る必要
があった。
近年、従来の酸化物を主体とする酸化物セラミックスの
各種特性を更に改善し、新たな応用分野の開拓を可能と
するニューセラミックスと呼ばれる主として非酸化物系
の各種セラミッスクが注目されている。この非酸化物セ
ラミックスとしては、例えば炭化珪素(SiC)、窒化珪
素(Si3)、窒化アルミニウムなどが知られてお
り、これらは高い高温強度、耐摩耗性、耐食性等を有
し、特にエンジン部品用材料、耐摩耗性、耐食性が要求
される機械部品等への応用が試みられ、一部実用化され
ている。
しかしながら、この非酸化物セラミックスにあっても、
上記の如くセラミックスに固有の機械的強度の点で問題
があり、また加工精度の面から限界があり、セラミック
スのみで目的の装置全体を構成することは依然として困
難であり、高温等厳しい温度条件下におかれる部品、高
度の耐摩耗性および/または耐食性が必要とされる部品
用材料として部分的に応用されていたにすぎない。
このように非酸化物セラミックスを部分的に応用する場
合には他の各種構造材料、特に金属などと組合せて使用
する必要がある。従って、これらとの接合性が重要な問
題となる。そこで、従来から(i)金属またはガラス等
の酸化物をろうとしてセラミックスと金属との間に挿入
して使用するろう付け法(介在層は主にペースト状);
(ii)セラミックスと金属とを固体状態で直接加圧し
て、もしくは無加圧で接合する固体接合法(介在層は主
に箔状もしくは板状);(iii)レーザービームにより
セラミックスと金属とを溶融状態で接合する融接法など
が検討されている。
また、特開昭59-18184号公報発明におけるように、セラ
ミックスを真空下でイオンエッチングした後直ちに所定
のセラミックスまたは金属をイオンプレーティングし、
必要に応じて金属被覆層を形成する、セラミックス表面
に金属を単層状態でイオンプレーティングする方法も知
られている。
発明が解決しようとする問題点 以上述べたように、非酸化物セラミックスは、いある装
置全体をこのセラミックス自体で構成することは、その
機械特性の面から困難であるが、その固有の諸特性は極
めて魅力のあるものであり、各種部品として利用されて
いる。この場合、他の金属などと接合する必要があり、
従来から上記のような各種方法が提案され、実用化され
てきた。しかしながら、従来の方法では、一般に非酸化
物セラミックスと金属との間の介在層としてペースト
状、箔状、板状のものを使用していたために極めて厚
く、またその膜厚を所定の値に制御することが難しかっ
た。従って、適用の態様によっては接合強度および耐熱
性等の点で問題があった。また、従来の介在層はペース
ト状等のバルク状で用いられるために構造設計が難しい
と考えられている。更に、ペースト状では各々の目的を
持つ物質が分散されているが、例えばセラミックスに対
して活性をもつために添加されている物質のうち一部の
みしかその効果に寄与しておらず、その結果必要以上の
量で添加しなければならず、このために他の効果が犠牲
にされる場合が多い。一方箔状、板状のものについても
接合するセラミックスとの接触面積が過少となり、その
ため加圧または溶融工程が必要となり、加圧力、温度と
してもかなり高い値が要求される。
そこで、このような問題を解決する目的で、イオンプレ
ーティング法の利用が提案された。この方法を利用する
ことにより極めて薄い金属膜を形成することが可能とな
り、またその膜厚も自由に制御することが可能となるの
で、接合強度並びに耐熱性の向上を図ることが可能とな
り、介在層の構造設計が容易となる。
しかしながら、単独層のみの利用では様々な機能を一度
に付与することができず、実用化に十分耐え得る接合体
を得るためには更に工夫する必要がある。
そこで、本発明者等は介在層を少なくとも3層の多層構
造とし、各層をイオンプレーティング法で形成すること
が有利であることを見出し、別途特許出願している。し
かし、この場合にも接合すべき非酸化物セラミックスと
接合金属との熱膨張率差に基く応力歪により接合体の介
在層部分あるいはこれとセラミックスとの界面などで破
壊することが認められた。このような問題を解決し、耐
熱性、機械的強度等の点で改良されたセラミックスと金
属との接合体を開発することは、非酸化物セラミックス
の実用化を図り、更には利用分野を拡大する上で極めて
重要である。
即ち、本発明の目的は、本来耐熱性、耐摩耗性かつ耐食
性材料として注目される非酸化物セラミックスの機械的
特性、特に靭性を改良すると共に、残留応力歪による耐
破壊特性をも改善した非酸化物セラミックスと金属との
接合体を提供することを目的とするものである。
問題点を解決するための手段 本発明者等は非酸化物セラミックスと金属との接合にお
ける上記の如き現状に鑑みて、従来法の有する上記の如
き諸欠点を解決し、目的とする非酸化物セラミックスと
金属との優れた接合体を開発すべく種々検討・研究した
結果、接合用の介在層を気相堆積法により行って多層か
らなる積層構造とし、しかも応力緩和材を用いることが
有利であることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明に従うと、非酸化物セラミックスと、該非
酸化物セラミックス上に形成された介在層と、該介在層
上に形成された応力緩和層と、該応力緩和層に対して接
合された接合金属とを備える接合体であって、更に、該
介在層が、該非酸化物セラミックスに対して活性が高い
金属により該非酸化物セラミックスの直上に形成された
内層と、直上および直下の層と共晶物質を生成する金属
により形成された中間層と、該内層および該中間層の腐
蝕に対して障壁となる金属により形成された外層とを含
む接合体の製造方法であって、該介在層の形成におい
て、該セラミックスの直上に内層を被着させる第1工程
と、該内層上に中間層を被着させる第2工程と、該中間
層上に外層を被着させる第3工程と、該内層、中間層お
よび外層の各界面において相互拡散を生じさせる加熱処
理を行う第4工程とを含む一連の工程を含むことを特徴
とする非酸化物セラミックスと金属との接合体の製法が
提供される。
本発明の接合体において非酸化物セラミックスとは各種
金属等の窒化物、炭化物、ケイ化物、ホウ化物、硫化
物、炭窒化物などを含み、具体的にはSi3、AlN、
BN、TiN、Li3、SiC、WC、TiC、BC、MoS
i2、LaB、TiB、ZrB、CdS、ZnS、PbS、サイ
アロンセラミックス、Si6-zAlzOzN8-z(z=1〜4.2)な
どを例示することができる。
また、この非酸化物セラミックスと接合する金属として
は、一般的に構造用材料並びに機械部品材料として多用
されている鋼、ステンレススチールなど、各種金属、例
えばAl、W、Mo、Feなどの他、コバール合金、ジュメッ
ト合金などの合金を使用することができる。
本発明の接合体において特徴的な介在層は一般に非酸化
物セラミックスと隣接する内層と、金属側の外層と、こ
れらの間の中間層の3層構造で実現される。まず内層は
非酸化物セラミックスに対して高活性で、強固な結合を
形成する金属から選ばれ、例えばSi、Ti、Fe、Ni、Cu、
Zr、Nb、Mo、Mn、Ta、W、Y、Crからなる群から選ばれ
る少なくとも1種の金属層である。一方、中間層は少な
くとも1層で構成され、内層並びに外層と反応してこれ
らの融点を下げる効果をもつ金属であれば特に制限はな
く、例えばAl、Si、Ti、Cu、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、
Nb、Moからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属が
有利に使用できる。更に、外層は内層並びに中間層を酸
化等の腐食から防止する効果を有する金属が有利であ
り、例えばCu、Nb、Mo、Pd、Ag、W、Pt、Auからなる群
から選ばれる少なくとも1種の金属から構成することが
好ましい。
これらは、気相蒸気法、特にイオンプレーティング法に
従って堆積される。例えば、活性化反応性蒸着法(AR
E法)、エンハンストARE法、直流励起イオンプレー
ティング法、高周波励起イオンプレーティング法、多陰
極イオンプレーティング法、中空陰極放電法(HCD
法)、低電圧アーク放電法などの公知の方法がいずれも
使用できる。
本発明における介在層では、各金属層(内層、中間層、
外層)の形成(堆積)後、あるいは介在層全体の形成後
熱処理、即ち、例えば 500〜1,600℃の温度にて数秒〜
数時間加熱処理することができる。
この介在層あるいはその構成層である内層、昼間層およ
び外層の厚さは目的、用途等に応じて任意に変えること
ができるが、一般的には0.01〜100μmの範囲内で十分
である。
本発明の接合体は、上記の如く介在層を適用したセラミ
ックスに、応力緩和材層を挿入した状態で銀ろう、Niろ
うなどの公知のろう材を用いて、わずかな加圧下で、あ
るいは加圧することなく低温度下で、例えば 500〜1,00
0 ℃の範囲内の温度で加熱することにより容易に得るこ
とができる。この温度は材質、性質、組合せ等により変
化するが、一般には上記範囲で十分である。
本発明の接合体において特徴的な応力緩和材としてはS
i、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、M
o、Ta、Wおよびこれら元素を主成分とする合金、コバ
ール合金並びにジュメット合金などが利用でき、これら
は 0.1〜30mmの厚さの板状または箔状のものとして1層
以上で使用される。この厚さも特に臨界的ではなく、使
用するセラミックス、金属あるいは介在層金属の種類、
性質等に応じて広い範囲で変化する。一般には上記範囲
で十分な効果を達成できる。
作用 非酸化セラミックスは耐熱性、耐食性等において優れて
いることから、従来金属、合金等で構成されていた各種
装置の、金属の特性の限界による行きづまりを打開する
目的で、例えば熱機関の高温化、軽量化、低価格化を図
るために、その利用が考えられてきた。しかしながら、
非酸化物セラミックスに限らず、セラミックスは一般に
靭性に劣る。従って、機械材料として使用した場合に
は、熱的・機械的応力が複雑に関与する複合応力環境に
置かれることになるので、セラミックスのみである装置
全体を構成することは今のところ不可能であり、金属と
の接合体として一般に使用される。
ところで、非酸化物セラミックスと金属との接合を行う
場合には既に述べたような各種の問題があり、高い信頼
性で高品位の接合体を得、これを実用化するためには更
に工夫し、改良を施さねばならない。
そこで本発明では、介在層をイオンプレーティング法で
形成し、またこれを多層構造とすることにより上記従来
の接合法の欠点をほぼ解決した。まず、介在層をイオン
プレーティング法で実施したことにより、介在層の構造
設計が極めて容易となり、膜厚の制御が簡略化されるの
で、従来製品と比較して接合強度、耐熱性等を大巾に改
善することが可能となった。これは、介在層を多層から
なる積層構造としたことにも起因するものであり、従来
の如く、様々な機能を持つ物質を単一層内に分散させる
ことに伴う問題を解決することを可能とする。即ち、既
に述べたように、例えばセラミックスに対して高活性の
添加物質の一部分のみが所定の機能を果たし、多量での
使用が必要とされ、そのために他の目的で添加される物
質の効果が犠牲とされるという問題が完全に解決でき
る。本発明に従って、個々の役割を付与した別々の金属
層を多層構造で蒸着積層することにより、総合的に満足
できる良好な接合体が得られることがわかった。
更に、介在層の形成をイオンプレーティングで実施する
ことにより、非酸化物セラミックスの被メタライズ表面
に多数の凹凸部が存在したとしても、イオンプレーティ
ング法の良好な回り込み性のために、これら凹凸部がな
らされ、接合金属との接触面積が著しく増大する。ま
た、介在層の中間層には共晶物質を生成して融点を下げ
る効果のある金属が蒸着されており、しかも介在層の膜
厚が薄いので、低温度で溶融し、従ってセラミックスと
の反応性を大巾に向上させることができる。即ち、処理
温度を著しく下げることができ、従来のように高い溶融
温度を必要とせず、しかも接触面積が小さいことに基
き、高い加圧下で接合する必要はない。即ち、加圧は低
圧力ですみ、もしくは不用となる。
また、このように非酸化物セラミックスと接合金属との
接合体ではこれら2者の間の熱膨張率の差から、接合体
形成操作中、あるいは使用中の熱サイクルにより残留応
力が存在することになり、使用中などに亀裂が生じた
り、破損したりする恐れがある。そこで、この点を介在
層と接合金属との間に応力緩和層を設けることで解決し
た。即ち、このような層を上記2者の間に挿入すること
により、これが応力の作用下で塑性変形し、その結果応
力が緩和されることになり、またセラミックスに近い熱
膨張率のものを段階的に配置して応力緩和層とすること
も可能であり、上記の如き応力発生の恐れのある熱サイ
クルに付された場合にもこれがほぼ完全に解消され、破
損等の欠陥が回避できることになる。また、大面積での
接合にも十分に対応できる。
かくして、本発明によれば、実用化に十分耐え得る高い
接合強度を有し、耐食性、耐熱性の点で満足でき、しか
も熱サイクル等の応力に対しても十分な緩和効果を有す
る高品位の非酸化物と金属との接合体を有利に提供する
ことができる。
実施例 以下、実施例に基き本発明の接合体を更に具体的に説明
する。しかしながら、以下の例により本発明の範囲は何
等限定されない。
添付第1図に本発明の接合体の好ましい実施例を模式的
な断面図で示した。
図から明らかな如く、窒化珪素焼結体1と、介在層2と
接合金属3とで構成され、介在層2は更に内層4、昼間
層5および外層6からなっている。これら各層は夫々上
記の如き材料で構成され、夫々所定の機能が付与されて
いる。この例では熱処理により介在層4、5、6の隣接
する層間で相互拡散が生じ夫々層4と5の間で拡散層A
(4−5)が、また層5と6の間で拡散層B(5−6)
が形成されている。この拡散層にはイオンプレーティン
グを用いた蒸着時、熱処理時、あるいは接合時の加熱に
より形成されるものであり、このものの形成により接合
強度などの各種物性は一段と改善されることになる。
更に、窒化珪素焼結体1と接合金属3との間の熱膨張率
差に基く応力を緩和するための金属または合金の緩和層
7が外層6と接合金属3との間に配設されている。
各要素の具体的な材料、寸法等は以下の作製例に示す通
りである。
作製例1 10×10×20mmの角柱形窒化珪素焼結体に、イオンプレー
ティング装置により各々 1.0μm厚で第1層(内層)と
してNbを、中間層の第2層、第3層として夫々Feおよび
Niを、また第4層(外層)としてWを蒸着した。次い
で、これを高真空加熱炉にて 1,400度に短時間(20秒)
加熱し、冷却後Niろうによりジュメット合金と接合し
た。この際、介在層とジュメット合金との間に熱応力緩
和層としてAlおよびWを各々 0.1〜20mmの範囲で導入し
たものと、全く導入しなかったものについて曲げ強度を
比較した。結果は第1表に示す通りである。尚、曲げ強
度の測定は室温での4点曲げ試験法に従って行った。
作製例2 作製例1と同様な寸法の角柱型炭化水素焼結体を用い、
作製例1に従ってジュメット合金との接合体を形成し
た。同様に曲げ強度を測定した結果を下表に示す。
作製例3 作製例1で得た介在層を有する被接合セラミックスとジ
ュメット合金とを、夫々厚さ 1.5mmのAl、Cuおよび/ま
たはNb板を介して、Niろうにより接合して、窒化珪素と
ジュメット合金との接合体を得た。得られたサンプルの
曲げ強度は以下の第3表の通りである。
作製例4 15mmφ×50mmのシャフト状に加工した窒化珪素焼結体
に、イオンプレーティング装置にて各々0.7mmの厚さと
なるように第1層(内層)としてFeを、第2層(中間
層)としてSiを、また第3層(外層)としてCuを蒸着
し、その後 1,250℃にて10分間熱処理を行い、16mmφの
シャフト状ステンレス(SUS310S)に、熱応力緩和
層として各々厚さ2mmのNbおよびMo板を導入し、銀ろう
で接合した。
得られたシャフトを、機械部品として還元雰囲気中 400
℃にて 10,000ppmの条件で 500時間シャフトとして使用
したが、使用中何のトラブルも発生せず、使用後超音波
試験機にて解析したがクラック等の異常は認められなか
った。
作製例5 作製例4と同様に、但し窒化珪素の代わりに炭化珪素を
用いてセラミックスと金属との接合体からなるシャフト
を作製し、同様な稼働試験に供したが、トラブルの発
生、クラック形成等の異常は認められなかった。
作製例6 サイアロンセラミックス焼結体(寸法:20×20×20mm)
に対してイオンプレーティング装置にて各々 1.0μm厚
に、第1層(内層)としてNbを、中間層の第2層および
第3層として夫々FeおよびNiを、更に第4層(外層)と
してWを蒸着し、次いで高真空加熱炉で 1,400℃にて短
時間(30秒)加熱し、冷却した後Niろうにてジュメット
合金との接合を行った。また、この接合の際介在層とジ
ュメット合金との間に熱応力緩和層としてAlおよびWを
各々0.03〜20mmの範囲の厚さで挿入したものと、挿入し
なかったものにつき、曲げ強度を測定し比較を行った。
結果は以下の第2表に示す通りである。
作製例7 作製例6と同様な介在層を形成したサイアロンセラミッ
クス焼結体を得、これに以下に示す各種応力緩和層を用
いてNiろうによりジュメット合金と接合し、応力緩和層
を有するサイアロンセラミックスとジュメット合金との
接合体を得た。各応力緩和層の厚さは 1.5μmとした。
曲げ強度は以下の通りであった。
作製例8 サイアロンセラミックス焼結体(寸法:15mmφ×50mm)
をシャフト状に加工し、これにイオンプレーティング装
置にて各々 0.7μmとなるように第1層(内層)として
Feを、第2層(中間層)としてSiを、更に第3層(外
層)としてCuを蒸着し、その後 1,250℃にて10分間熱処
理を行い、次いで16mmφのシャフト状ステンレス(SU
S 310S)に、熱応力緩和層として厚さ各々2mmのNbと
Moの板を介して銀ろうにて接合を行った。機械部品とし
て還元雰囲気中で、 400℃にて5,000r.p.m. 、10,000r.
p.m.の条件で 500時間シャフトとして使用したが、使用
中何のトラブルも発生せず、使用後超音波試験機にて解
析したが、クラック等の異状は認められなかった。
発明の効果 以上詳しく説明したように、本発明によれば、介在層を
多層構造とし、またイオンプレーティング法により形成
したことにより目的とする優れた諸特性を実現でき、実
用化に耐え得る非酸化物セラミックスと金属との接合体
が得られる。これは従来とは異り、各層毎に特定の機能
を付与することができるためであり、更に介在層の膜
厚、構成を自由に選択できると共に、極めて薄くでき、
厚すぎたことにより生ずると思われる上記の如き各種欠
点が解決できる。例えば、Tiはサイアロンセラミック
ス、窒化珪素等に対して高活性を示す反面、酸化され易
いので、これを防止するために外層を腐食防止層として
配設することができ、これによってTiO、TiOなどの
形成が有効に防止できる。
更に、応力緩和層を設けたことにより、熱サイクル等に
付された場合にもクラック発生、破損等の問題を解決で
き、より一層優れた接合体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
添付第1図は本発明の非酸化物セラミックスと金属との
接合体の構成を示す模式的な断面図である。 (主な参照番号) 1……非酸化物セラミックス、 2……介在層、3……金属層、 4……内層、5……中間層、 6……外層、4−5……拡散層A、 5−6……拡散層B、7……緩和層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非酸化物セラミックスと、該非酸化物セラ
    ミックス上に形成された介在層と、該介在層上に形成さ
    れた応力緩和層と、該応力緩和層に対して接合された接
    合金属とを備える接合体であって、 更に、該介在層が、該非酸化物セラミックスに対して活
    性が高い金属により該非酸化物セラミックスの直上に形
    成された内層と、直上および直下の層と共晶物質を生成
    する金属により形成された中間層と、該内層および該中
    間層の腐蝕に対して障壁となる金属により形成された外
    層とを含む接合体の製造方法であって、 該介在層の形成において、該セラミックスの直上に内層
    を被着させる第1工程と、該内層上に中間層を被着させ
    る第2工程と、該中間層上に外層を被着させる第3工程
    と、該内層、中間層および外層の各界面において相互拡
    散を生じさせる加熱処理を行う第4工程とを含む一連の
    工程を含むことを特徴とする非酸化物セラミックスと金
    属との接合体の製法。
  2. 【請求項2】上記非酸化物セラミックスが窒化珪素であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の接合体
    の製法。
  3. 【請求項3】上記非酸化物セラミックスが炭化珪素であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の接合体
    の製法。
  4. 【請求項4】上記非酸化物セラミックスがサイアロンセ
    ラミックス、Si6-zAlzOz8-z(z=1〜4.2)であること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の接合体の製
    法。
  5. 【請求項5】上記介在層がイオンプレーティング法によ
    り形成されたものであることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項から第4項までのいずれかに記載の接合体の製
    法。
  6. 【請求項6】上記内層金属がSi、Ti、Fe、Ni、Cu、Zr、
    Nb、Mo、Mn、Ta、W、YおよびCrからなる群から選ばれ
    る少なくとも1種であることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項から第5項までのいずれか1項に記載の接合体
    の製法。
  7. 【請求項7】上記外層金属がCu、Nb、Mo、Pb、Ag、W、
    PtおよびAuからなる群から選ばれる少なくとも1種であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の接合
    体の製法。
  8. 【請求項8】上記応力緩和層がSi、Ti、V、Cr、Mn、F
    e、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Ta、Wおよびこれら
    元素を主成分とする合金、コバール合金並びにジュメッ
    ト合金からなる群から選ばれる少なくとも1種であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項から第7項までの
    いずれか1項に記載の接合体の製法。
JP61139834A 1986-06-16 1986-06-16 非酸化物セラミックスと金属との接合体の製法 Expired - Lifetime JPH0660064B2 (ja)

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