JPH0651519B2 - アセプティック充填弁 - Google Patents

アセプティック充填弁

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JPH0651519B2
JPH0651519B2 JP33494989A JP33494989A JPH0651519B2 JP H0651519 B2 JPH0651519 B2 JP H0651519B2 JP 33494989 A JP33494989 A JP 33494989A JP 33494989 A JP33494989 A JP 33494989A JP H0651519 B2 JPH0651519 B2 JP H0651519B2
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aseptic filling
magnetic coupling
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尹通 山口
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    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65BMACHINES, APPARATUS OR DEVICES FOR, OR METHODS OF, PACKAGING ARTICLES OR MATERIALS; UNPACKING
    • B65B39/00Nozzles, funnels or guides for introducing articles or materials into containers or wrappers
    • B65B39/001Nozzles, funnels or guides for introducing articles or materials into containers or wrappers with flow cut-off means, e.g. valves
    • B65B39/004Nozzles, funnels or guides for introducing articles or materials into containers or wrappers with flow cut-off means, e.g. valves moving linearly
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16KVALVES; TAPS; COCKS; ACTUATING-FLOATS; DEVICES FOR VENTING OR AERATING
    • F16K31/00Actuating devices; Operating means; Releasing devices
    • F16K31/02Actuating devices; Operating means; Releasing devices electric; magnetic
    • F16K31/06Actuating devices; Operating means; Releasing devices electric; magnetic using a magnet, e.g. diaphragm valves, cutting off by means of a liquid
    • F16K31/08Actuating devices; Operating means; Releasing devices electric; magnetic using a magnet, e.g. diaphragm valves, cutting off by means of a liquid using a permanent magnet
    • F16K31/086Actuating devices; Operating means; Releasing devices electric; magnetic using a magnet, e.g. diaphragm valves, cutting off by means of a liquid using a permanent magnet the magnet being movable and actuating a second magnet connected to the closing element

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、流体時に飲食品、医薬等の液状物を容器に充
填する充填装置において、液状物の供給排出をコントロ
ールするに際して使用されるアセプティック充填弁に関
し、より詳細には、磁気カップリングを利用して弁の開
閉動作を行う、構造が簡単で耐久性に優れ、且つアセプ
ティック性が高いアセプティック充填弁に関するもので
ある。
[従来の技術] 食品工業や薬品工業の包装分野では、充填された内容物
の微生物汚染による変質や品質低下を防止し、長期保存
性の向上をはかることを目的として、無菌充填システム
が利用されている。無菌充填システムは、殺菌された内
容物を殺菌された容器に無菌環境下で充填することによ
って成立するが、これに用いられる充填装置の構成機素
は、無菌環境を維持する為にアセプティック性の面から
特別の配慮がなされていなければならない。また、充填
に先立って充填装置のうち内容物の通る配管系を中心と
した部分は、蒸気、熱水あるいは殺菌剤などによって殺
菌されるが、このような部分に使用される機素はこれら
に耐えるものである必要がある。これらを考慮して、充
填装置に取り付けられて液状内容物の供給排出をコント
ロールする充填弁には、無菌弁すなわちアセプティック
充填弁が用いられている。
しかしながら従来使用されている無菌弁は、実用上無菌
保持、流体の変質防止等の点で色々問題がある。
例えば無菌弁(実公昭56-43188号公報)が提案されてい
るが、弁の摺動部に蒸気もしくは殺菌剤を流してアセプ
ティックバリヤを形成している。このようなものでは、
外部より混入した微生物を蒸気殺菌もしくは殺菌剤で殺
菌できても、蒸気の高温によって流体が変質する恐れ
や、殺菌剤によって流体が汚染されてしまう恐れがあ
る。
また密閉構造のバルブ(実開昭60-126775 号公報)が提
案されているが、ダイヤフラムによってアセプティック
性を持たせているバルブの例である。このようなものや
ベローズを使用した弁はアセプティックバルブとして食
品工業や薬品工業の配管に広く用いられているが、ダイ
ヤフラムやベローズが万一磨損したり破損した時無菌性
保持が損なわれ問題を生じる恐れがある。このようにベ
ローズやダイヤフラムの耐久性に不安があるため、頻度
の高い開閉動作を行なう部位には使用することができな
かった。
また本発明の先行技術として磁束を利用して弁を開閉
し、流体の流れをコントロールする装置がフランス國特
許出願公告第2,206,726 号公報に開示されている。
この装置は、本体の内側に弁座を有し、磁束によって本
体の外側から駆動される閉鎖装置がこの弁座上に支承さ
れうるもので、その特許請求範囲第2項によれば、この
閉鎖装置が、重力および液体の流れによる動的な力によ
って、本体下部に設けられた弁座上に横たわる球である
ことを特徴としている。この場合の弁の閉止動作は、磁
石の磁力を利用しておらず、本体外部にある永久磁石を
本体から遠ざけることにより弁体である球を吸着してい
る磁束を消滅し、自重と液体の流れによって弁座上に落
下した球が流れを塞ぐことで行われる。弁を開く時に
は、流体もしくは機械体ジャッキによって永久磁石を本
体に接近させ、この磁束で球を吸引して弁座より浮上さ
せるものである。この方法は前記無菌弁等に比べて品質
保存性や耐久性の点で優れているが、永久磁石、ロッ
ド、ジャッキ等の可動部が外に露出しており、特にロッ
ドには摺動部が存在するので、ジャッキ作動流体の漏洩
や潤滑油によって無菌雰囲気が汚染される恐れがあり、
アセプティック性が完全であるとは言えない。また球状
弁体の自重によって弁を閉止する方法には確実性がな
く、開き具合のコントロールや流量の微調節等が困難で
あった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、上記した従来の無菌弁の問題点を解消するも
のであり、本発明の目的は、磁気カップリングを利用す
る充填弁において、構造が簡単で耐久性に優れ、摺動部
が密閉されていて作動流体の漏洩や潤油滑による雰囲気
の汚染が無く、アセプティック性に優れ、且つ弁の開閉
動作が確実であり弁の開き度合、流量等のコントロール
も容易にできるアセプティック充填弁を提供することに
ある。
また本発明の他の目的は、アセプティック充填機配管系
の蒸気殺菌もしくは熱水殺菌時における高温高圧下にお
いても、耐久性に優れ、かつ開閉が容易で確実に出来る
アセプティック充填弁を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] すなわち本発明は、管体内に設けられた弁座、管体内に
配置されて弁体を有する内部移動子、管体外部に配置さ
れて該内部移動子と磁気的に結合された外部移動子、該
外部移動子を内包した密閉壁体、該壁体、管体及び外部
移動子で区画された圧力室から成り、該圧力室内に流体
圧を印加することにより、外部移動子を移動させ、これ
に追随して、内部移動子を移動させて弁の開閉動作を行
うことを特徴とするアセプティック充填弁を提供するも
のである。
内部移動子と外部移動子との磁気的結合は、内部移動子
には磁気カップリング材として永久磁石または強磁性体
あるいはこれらの組合せ体を配設し、外部移動子に管体
側に磁気カップリング材として永久磁石または強磁性体
あるいはこれらの組合せ体を配設することによって効果
的に行なうことが出来る。用いられる永久磁石は希土類
コバルト磁石、希土類鉄磁石等のように、最大エネルギ
ー積が80KJ/m以上であるものが強い保持力を得る上で
望ましい。
また、弁を閉鎖する時に弁座と弁体が接触して内部移動
子が移動を停止した後、更に外部移動子を移動して内部
移動子と通常の吸着位置関係をずらし、発生する吸引力
によって弁体を弁座に押圧することは、閉鎖時の弁シー
ル性を確実にする上で効果的である。
さらにまた、内部移動子の外側面乃至端部にスクリュ
ー、羽根、溝などのガイドを設け、管体内部の流体の運
動によって、内部移動子が回転するように工夫すること
は、弁体と弁座との偏磨耗を防止する点で好適である。
[作用] 本発明のアセプティック充填弁は、流体通路部である管
体の内部の弁座と、弁体を有する内部移動子とを設け、
この内部移動子を移動させることによって弁の開閉動作
を行なうものであるが、管体外部に内部移動子と磁気的
に結合された外部移動子を配置し、この外部移動子を密
閉壁体で内包して壁体、管体、外部移動子の3者で区画
された圧力室を形成したこと、及びこの圧力室内に作動
流体を導き、その流体圧によって外部移動子を移動さ
せ、これに追随して内部移動子を移動させて弁の開閉動
作を行なうことが特徴である。
外部移動子の管体側及び内部移動子には、永久磁石また
は強磁性体あるいはこれらの組合せ体からなる磁気カッ
プリング材が設けられており、外部移動子と内部移動子
とが管体壁をはさんで磁気的に強固に結合されるように
なっている。弁開閉の為の機械的運動はこの磁気カップ
リング材を介して伝達されるので、流体通路部である管
体内部と駆動部である管体外部との間にはシール性を要
するような機械的な摺動部や可撓部が存在せず管体壁に
よって管体の内外が完全に遮断されているので、管体内
部の無菌性は完全に維持される。また洗浄性に優れてい
る。シール性を要する摺動部や可撓部が無いことは、ア
セプティック充填弁の耐久性を向上させる上でもまた効
果的である。
外部移動子は密閉壁体に内包されており、壁体、管体、
外部移動子の3者で区画された圧力室内に流体圧を印加
することよって、管体に沿って直線運動的に駆動され
る。即ち、これらの駆動機構は全て密閉壁体と管体とに
よって外部から遮断された空間内部に設置されるので、
シール性を要するような機械的な摺動部や可撓性が、外
部には露出しない構造となる。アセプティック充填弁を
載置したアセプティック充填機は、無菌性を維持する為
に清浄な環境のクリーンルーム内に設置されるのが一般
的であるが、このような環境下で使用される機器は、無
菌性を維持する為に特別の考慮がはらわれていなければ
ならない。本発明のアセプティック充填弁には外部に露
出した可動部が存在しないので、作動流体の漏洩や潤滑
油による雰囲気の汚染が無く、アセプティック性に優れ
ている。
弁の開閉動作は次のように行われる。圧力室に作動流体
が送り込まれると、圧力室内に流体圧が加わり、この圧
力によって外部移動子が密閉壁体内部で管体に沿って移
動する。外部移動子が移動すると、管体壁を挟んで磁気
的に結合されている内部移動子が、これに追随して駆動
され、管体内部で管体に沿って移動する。内部移動子に
は弁体が保有されているので、結局圧力室内の流体圧に
よって弁体が移動することになる。管体内に固定されて
いる弁座から、弁体を離脱させれば弁が開放されて、管
体内を流れる流体が流れ出し、逆に弁体を弁座に密接さ
せれば弁は閉鎖され、管体内を流れる流体は止められ
る。弁座と弁体との距離を変えて弁の開度を変化させる
と、一般的には開度が最大である全開の時に最大流量が
得られ、開度が小さくなると流量が少なくなる。このよ
うに本発明のアセプティック充填弁では、圧力室内の流
体圧を加減することによって、弁の開放動作のみでな
く、弁の閉鎖動作をも強制的に行なうので、弁体の自重
による閉鎖機構よりも、弁の開閉操作を確実に行なうこ
とが出来る。
一般に、圧力室は、外部移動子を挟んで上下(或いは前
後)に設けられ、一方の圧力室内に作動流体の流体圧が
加えられている時には、他方の圧力は開放されているの
が普通であるが、両方の圧力室に適当な流体圧を印加す
ることによって、弁の開閉動作を途中で停止させること
もまた可能である。このように圧力室内への作動流体の
流入速度や流体圧力を制御することで、弁の開閉動作を
任意に制御することが容易であり、この結果充填される
流体の流量や流速を任意に変化させられるので、充填時
に生じる泡立ちや空気の巻き込み等を抑制するようなコ
ントロールを確実に行える効果がある。なお、圧力室は
必ずしも外部移動子を挟んで上下(或いは前後)一対に
設けられる必要はなく、単動シリンダに見られるよう
に、一方をバネ等の機械的手段によって代用させる事も
出来る。
外部移動子と内部移動子は磁気カップリングによって強
固に結合されており、構成される磁気回路のエネルギー
的安定点に互いに保持されるような位置関係を保ってい
る。即ち、外部移動子の移動に追随して、内部移動子は
導管に沿って直線運動的に駆動される。弁を閉鎖する時
には、閉鎖方向に外部移動子を移動し、これに内部移動
子を追随させて弁座に弁体を支承させるが弁座と弁体が
接触して内部移動子が移動を停止した後にも、更に外部
移動子を同方向に若干量移動して、外部移動子と内部移
動子との通常の吸着位置関係をずらし、発生する磁気的
吸引力によって弁体を弁座に押圧することが可能であ
る。この方法は、閉鎖時の弁のシール性を確実にする上
で効果的である。
内部移動子は弁を開閉する為に管体に沿って直線運動を
行なうが、内部移動子の外側面乃至端部にスクリュー、
羽根、溝などのガイドを設け、管体内部を通過する流体
の運動にによって回転力を生ずるように工夫すれば、内
部移動子に通常の直線運動の他に若干の回転運動を付与
することが出来る。これによって内部移動子に保有され
た弁体も回転をすることになり、弁体と弁座との接触部
位は一定でなく、絶えず変化をさせられるので、弁体と
弁座との片当たりによる偏磨耗は有効に防止される。
本発明のアセプティック充填弁は、構造が簡単であり、
管体内部にシール性を要求される摺動部が存在しないの
で、洗浄性に優れ、充填作業に先立って行われる配管系
の殺菌作業も容易である。磁気カップリングに用いられ
る永久磁石は、希土類コバルト磁石、希土類鉄磁石等の
ように、最大エネルギー積が80KJ/m以上であるものが
望ましく、このようなものは蒸気あるいは熱水による高
温高圧の殺菌条件下においても、有効な保持力を維持す
る。また、経時による磁力の低下も僅かなので、殆ど半
永久的に使用することが出来る。
[好ましい実施態様] 本発明のアセプティック充填弁の好ましい実施態様につ
いて図面に基づいて説明する。
本発明のアセップティック充填弁の1実施例を第1図及
び第2図に示す。第1図は縦断面図であり、第2図は第
1図のA−A横断面図である。
図において、1は管体、2は弁座、そして4が内部移動
子である。内部移動子4は、弁座2に対向する位置に保
持される弁体3、管体壁をはさんで外部移動子の磁気カ
ップリング材9に対向する位置にある磁気カップリング
材5、及びそれらの保持部6より成り、その形状は図で
は外側面に6本の凸部を有する星型柱状のものの上部を
流線形にし下部に弁体3を設けた形状となっており、そ
の軸心が管体1の軸心と一致して管体1内の弁座2の上
方に位置している。また磁気カップリング材5は永久磁
石または強磁性体あるいはこれらの組合せ体で構成され
ており、図では円板状の永久磁石5aと円板状の強磁性
体5bとを交互に積み重ねて円柱状に形成されていて、
その軸心は内部移動子4の軸心と一致している。また磁
気カップリング材5は、中空の円柱状のものや他の形状
をとることもできる。
保持部6は磁気カップリング材5を保持して弁体3と接
続する為の部分であり、磁気カップリングの効果を高め
る為に非磁性体で造られている。尚ここで言う非磁性体
とは、工業的実用上吸着乃至吸引に必要な磁性を示さな
い物質のことで、物理的な意味では弱磁性体、常磁性
体、反磁性体などの磁性体も含む。また、内部移動子の
形状によっては、例えば弁体自体が磁気カップリング材
であるような場合には、保持部は必ずしも必要ではな
い。7は管体1内を通る充填液等の通路である。管体1
の上流側は充填液等の供給管路に連結され、下流側には
充填ノズルなどが連結される。管体1の少なくとも磁気
カップリング材に挾まれる部分は、非磁性体で造られて
いる必要がある。8は外部移動子で管体1の外周を環状
に囲む内厚の円筒状のもので、その軸心は管体1の軸心
と一致している。外部移動子8は、管体1側に配設され
た磁気カップリング材9とその保持部10より成ってい
る。磁気カップリング材9は永久磁石または強磁性体あ
るいはこれらの組合せ体で構成されており、図では円板
状の永久磁石9aと円環状の強磁性体9bとを、内部移
動子の磁気カップリング材5との吸着に極性が適合する
ように、交互に積み重ねて形成されている。永久磁石9
aを所定の位置に配置する為に保持具10aが使用され
ており、保持部10及び保持具10aは非磁性体で造ら
れている。尚、外部移動子の形状によっては、例えば外
部移動子全体が磁気カップリング材で形成されているよ
うな場合には、保持部は必ずしも必要ではない。11は
摺動自在のシーリング機構である。
12は密閉壁体の側壁で、密閉壁体の上壁13及び密閉
壁体の下壁14と共に、管体1との間に肉厚の円環状の
密閉室15を形成している。外部移動子8は密閉室15
内にあり、外部移動子8の上部と下部に夫々上部圧力室
16及び下部圧力室17を区画している。摺動自在のシ
ーリング機構11は内側のものは管体1と、外側のもの
は密閉壁体の側壁12と夫々密接し気密を保持しつつ、
外部移動子8の上下移動を可能にしている。
密閉壁体の上壁13及び下壁14には、夫々上部圧力室
16及び下部圧力室17に通じる作動流体通路18及び
19が設けられ、その出口20及び21は作動流体管路
に連結される。22は、シーリング機構であり、23及
び24は夫々ストッパーであり、衝撃吸収をかねてい
る。
上記外部移動子8および内部移動子4の磁気カップリン
グ材に使用される永久磁石には、公知の永久磁石、例え
ばアルニコ磁石、鉄クロムコバルト磁石、フェライト磁
石、希土類コバルト磁石、希土類鉄磁石などを使用する
ことが出来るが、特にサマリウムコバルト磁石(SmCo磁
石)に代表される希土類コバルト磁石や、ネオジウム鉄
磁石(NdFe磁石)に代表される希土類鉄磁石のように、
最大エネルギー積が80KJ/m以上である永久磁石が磁気
特性に優れており好適である。
サマリウムコバルト磁石及びネオジウム鉄磁石の代表的
性状の1例を第1表に示す。
ネオジウム鉄磁石は最大エネルギー積 (BH)maxが最高31
0KJ/m3にも達し、サマリウムコバルト磁石よりも、常温
において更に高い磁気性能を有する。また密度もやや低
いので軽量化がはかられ、機械的強度も優れている。サ
マリウムコバルト磁石に比べて錆びやすい欠点がある
が、メッキや樹脂コートなどにより防錆することが可能
である。磁気的な温度特性につては、サマリウムコバル
ト磁石の方が若干優れているが、他のフェライト磁石な
どに比べればどちらも数段優れているものである。この
ようにこれらの永久磁石は磁気の最大エネルギー積が大
きく、温度係数が小さいので高温での磁気的特性が優れ
ており、アセプティック充填弁のように蒸気や熱水によ
る殺菌が要求される部位においても有効に使用されうる
ことが明らかである。
外部移動子8及び内部移動子4の磁気カップリング材に
使用される強磁性体には、工業的に使用される公知の強
磁性体、例えば鉄、ニッケル、コバルトなどの金属や、
これらを主成分とする合金や化合物、例えば炭素鋼、ク
ロム鋼、クロムモリブデン鋼、ケイ素鋼、ニッケルクロ
ム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、コバルト鋼などの
鉄鋼材料や、鉄ニッケル合金、鉄コバルト合金、鉄アル
ミ合金、ニッケルコバルト合金などの磁性材料、フェラ
イト系ステンレス鋼やマルテンサイト系ステンレス鋼、
またフェライトなどが使用される。
内部移動子4の磁気カップリング材5、及び外部移動子
8の磁気カップリング材9の形状や構造は、図に示され
たものに限定されるものではなく、例えば磁気カップリ
ング材を永久磁石単体で作製することも出来るし、ある
いはどちらか一方の磁気カップリング材を強磁性体単体
で構成することも出来る。磁石の極性をどのように配置
するかも自由であるし、また管内の円周方向に沿って永
久磁石を分散して配置することも可能である。しかし何
れの場合においても、磁気カップリング材5と磁気カッ
プリング材9との間に、弁の開閉を容易に確実に行うの
に充分な、磁気的な結合が確保されていることが必要で
ある。第1図及び第2図に一例として揚げた磁気カップ
リング材の構成に於ける磁気的な結合の様子を磁極N極
とS極及び磁力線(矢印を入れた線)により第1図に示
す。
外部移動子8および内部移動子4の保持部や、管体1の
磁気カップリングに挟まれた部分に使用される非磁性材
料には、工業的に使用される公知の非磁性材料、例えば
オーステナイト系ステンレス鋼、アルミニウム、アルミ
ニウム合金、チタン、チタン合金、銅、真鍮などの金属
材料や、プラスチック、セラミック、ゴム、樹脂などで
磁性を示さない材料が使用される。
内部移動子4の形状は、弁体を有し、外部移動子との磁
気的結合を果たすものであると同時に、管体1内部の流
体の通路7を形成して、流体の流れを阻害しないような
形状であることが必要である。第2図に示したように、
この実施例においては内部移動子は外周側面に6本の凸
部を有しており、この突出した部分が管体1の内側面に
接する事によって、弁体3と弁座2の軸心が一致するよ
うにガイドされているが、管体内部を流れる充填液など
の流体は、凸部と凸部との間に位置する凹部に担当す
る、内部移動子4と管体1との間の充分な間隙を通っ
て、阻害されることなく弁部へと導かれ、弁座2を通っ
て下流へと流れる。第1図はこのような凹部位置での縦
断面図である。なお、管体1の内側面と内部移動子4の
凸部外周縁との嵌合は、ごく緩いもので充分であり、嵌
合面間の洗浄が可能である程度に設定されている。内部
移動子の形状は、この実施例に限定されるものではな
く、例えば流路が軸心に形成された後に弁体の直上で外
周へ抜けるような中空円筒状の構造にも出来るし、角柱
状や球体状など色々な変化が可能である。
また第1図の実施例においては内部移動子4の上部先端
部を流線形の形にしているが、その形状にこだわらな
い。しかしながら液流がスムースに流れる形状が好まし
い。また上記の凸部を螺旋状にしたり、内部移動子4の
外側面乃至端部にスクリュー、羽根、溝などの流体ガイ
ドを設けて、管体1内部を通過する流体の運動によって
回転力を生ずるように工夫すれば、弁が開放されている
時に、内部移動子4に軸心を軸として若干の回転運動を
付与することが出来る。この回転により弁閉止の際弁座
2と弁体3が接触する位置を同じ位置でなく少しづつず
らすことができるため長時間共用しても両者の接触面が
偏って摩耗することがなくなる利点がある。
第3図及び第4図は、スクリューガイドを設けた内部移
動子の1実施例を示すもので第3図は側面図であり、第
4図は平面図である。図において25はスクリューガイ
ドである。
第5図及び第6図は羽根ガイドを設けた内部移動子の1
実施例を示すもので、第5図は、側面図であり第6図は
平面図である。図において26は羽根ガイドである。
本発明のアセプティック充填弁の1実施例を示す第1図
及び第2図において、弁の開閉は次のように行われる。
弁の開閉は外部移動子8を上下移動させ、これに追随し
て内部移動子4を上下移動させて行われる。
外部移動子8の上下移動は、上部圧力室16または下部
圧力室17への流体圧の印加によって行われる。作動流
体としては空気(無菌エアを含む)、水(無菌水を含
む)、蒸気、油等を使用することができる。
液体圧を上部圧力室16に印加し上部圧力室16の圧力
を下部圧力室17の圧力より大にすることにより外部移
動子8は密閉室15内を下方に移動する。内部移動子4
は、外部移動子の磁気カップリング材9と内部移動子の
磁気カップリング材5との磁気的結合力によって駆動さ
れ、外部移動子8とともに下方に移動して、弁体3が弁
座4に密接したところで移動を停止する。第1図はまさ
にこの瞬間の位置関係における、断面図である。これに
よって弁が閉鎖され、管体1内の液流が止まる。内部移
動子4が移動を停止した時に、外部移動子8はまだスト
ッパー24に当たっていないので、更に僅かの距離を移
動し、下部ストッパー24まで下りきると移動を停止す
る。外部移動子の磁気カップリング材9は、内部移動子
の磁気カップリング材5を吸引し続けるので、内部移動
子4は下方に向かう力を受けることになり、弁体3は弁
座2にしっかりと押着される。弁を開き液流を流すとき
は、下部圧力室17に流体圧を印加し下部圧力室17の
圧力を上部圧力室16の圧力より高くすることにより圧
力差で外部移動子8を上方へ移動させると共に内部移動
子4を一緒に移動させて弁体3を弁座2より離して弁が
開かれ液流が流れる。そして外部移動子8の上端が上部
ストッパー23に接するとそれ以上は移動できず、内部
移動子4も移動を停止し、弁は全開となり液流は最大に
流れる状態になる。上部圧力室16内或いは下部圧力室
17内への作動流体の流入速度を大にすると、弁の開閉
は速くなり、流入速度を遅くすると開閉は遅くなる。こ
のように圧力室内への作動流体の流入速度をコントロー
ルすることにより弁の開閉の速さを容易にコントロール
できる。弁の全開、全閉の途中で圧力室内への作動流体
の流入を停止し、上部圧力室16内と下部圧力室17内
との圧力差をバランスさせれば、直ちに外部移動子8を
内部移動子4と共に停止できるので弁の閉開状態を容易
に確実にコントロールでき、したがって液流の流量調節
が容易に且つ確実に行うことができる。また外部移動子
8の上下移動を上部ストッパー23と下部ストッパー2
4間で比例的に移動停止することも容易である。また図
示されていないが、密閉壁体12の外側面にリードスイ
ッチなどの磁気センサーを取り付けることによって、弁
の開閉を検知することも可能である。
また本発明のアセプティック充填弁内部を流れる流体は
必ずしも図の上から下へ流れるとは限らず、下から上へ
向かって流れるような使い方も可能である。この場合に
は充填弁の充填機への取り付け向きは図とは逆になる。
或いは横向きに取り付けて後方配管で直角に曲げること
も可能である。
[発明の効果] 本発明のアセプティック充填弁は、叙上の様に構成され
ており、次のような優れた効果を発揮することができ
る。
弁部は、密閉された管体内にあり、簡単な摩損、疲労等
のおきにくい堅牢な構造となっており、耐久性に優れて
いる。またアセプティック性保持に優れ洗浄、殺菌等も
容易である。
また外部移動子と内部移動子とを磁気的に結合させるこ
とにより、外部移動子の移動に追随して内部移動子を移
動させ、内部移動子に保有される弁体を移動させて弁を
開閉するので、弁の開閉操作が容易且確実にでき、開閉
の遅速、開閉の度合、開閉度の保持、液流の流量のコン
トロールが容易且つ確実にできる。
本発明のアセプティック充填弁は、他の蒸気バリヤなど
を用いた弁やダイヤフラムなどを用いた弁に比較して、
充填液の品質保持性や耐久性に優れ、かつアセプティッ
ク性の高いものであるが、特に本発明の構造では摺動部
が外に露出していないので作動流体の漏洩や潤滑油によ
る雰囲気の汚染が全く無くアセプティック性が優れたも
のになっている。
また従来の磁石と弁自重による開閉機構よりも開閉操作
が確実であり、弁の開閉度のコントロールによる液流の
流量調節が容易に且つ確実にできる。
本発明のアセプティック充填弁は、上記のように優れた
効果を有するので食品工業分野、医薬品工業分野をはじ
め多くの分野においてアセプティック性を要求される液
体充填の充填弁として有効に利用できる。また、電子工
業分野、生化学分野などのクリーンルーム内部での流体
制御弁としても有用であり、その他の厳密な密封性や防
爆性を要求されるような環境下で使用される弁として広
く活用することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明のアセプティック充填弁の1実施例の
縦断面図であり、 第2図は第1図のA−A横断面図である。 第3図及び第4図はスクリューガイドを設けた内部移動
子の1実施例を示す側面図及び平面図であり、 第5図及び第6図は、羽根ガイドを設けた内部移動子の
1実施例を示す側面図及び平面図である。 1……管体、2……弁座、3……弁体、4……内部移動
子、5……磁気カップリング材、6……保持部、7……
充填液等の通路、8……外部移動子、9……磁気カップ
リング材、10……保持部、11……摺動自在のシーリ
ング機構、12……密閉壁体の側壁、13……密閉壁体
の上壁、14……密閉壁体の下壁、15……密閉室、1
6……上部圧力室、17……下部圧力室、18,19…
…作動流体通路、20,21……作動流体通路出口、2
2……シーリング機構、23,24……ストッパー、2
5……スクリューガイド、26……羽根ガイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高森 滋 東京都世田谷区等々力5―17―15 (56)参考文献 特開 昭60−183388(JP,A) 実開 昭60−126775(JP,U) 実開 昭60−99298(JP,U) 実公 昭56−43188(JP,Y2)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】管体内に設けられた弁座、管体内に配置さ
    れて弁体を有する内部移動子、管体外部に配置されて該
    内部移動子と磁気的に結合された外部移動子、該外部移
    動子を内包した密閉壁体、該壁体、管体及び外部移動子
    で区画された圧力室から成り、該圧力室内に流体圧を印
    加することにより、外部移動子を移動させ、これに追随
    して、内部移動子を移動させて弁の開閉動作を行うこと
    を特徴とするアセプティック充填弁。
  2. 【請求項2】内部移動子に永久磁石および/又は強磁性
    体からなる磁気カップリング材を有する請求項第1項記
    載のアセプティック充填弁。
  3. 【請求項3】外部移動子の管体側に永久磁石および/又
    は強磁性体からなる磁気カップリング材を有する請求項
    第1項記載のアセプティック充填弁。
  4. 【請求項4】弁閉鎖時に、内部移動子と外部移動子との
    磁気的な結合によって生ずる吸引力によって、弁体を弁
    座に押圧する請求項第1項記載のアセプティック充填
    弁。
  5. 【請求項5】外部移動子および内部移動子が管体に沿っ
    て直線運動を行なう請求項第1項記載のアセプティック
    充填弁。
  6. 【請求項6】内部移動子の外側面乃至端部にスクリュ
    ー、羽根、溝などのガイドを設け、管体内部の流体の運
    動によって、内部移動子が回転する請求項第1項記載の
    アセプティック充填弁。
  7. 【請求項7】使用する永久磁石の最大エネルギー積が80
    KJ/m以上である請求項第2項または第3項記載のアセ
    プティック充填弁。
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