JPH0651337A - 電気回路の接続構造 - Google Patents

電気回路の接続構造

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JPH0651337A
JPH0651337A JP22451292A JP22451292A JPH0651337A JP H0651337 A JPH0651337 A JP H0651337A JP 22451292 A JP22451292 A JP 22451292A JP 22451292 A JP22451292 A JP 22451292A JP H0651337 A JPH0651337 A JP H0651337A
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particles
conductive
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Teruo Nakanishi
照夫 中西
Satoshi Odajima
智 小田嶋
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 PCBとLCDとを接続するヒートシールコ
ネクタにおいて、接続用電極に絶縁被膜が存在しても、
安定した電気的接続が行える接続構造を提供する。 【構成】 ヒートシールコネクタに使用される異方導電
性接着剤に含まれる導電性粒子は、カーボン粒子で形成
すると共に、そのカーボン粒子の外周面に多数の突起部
を形成し、その突起により電極間を圧着接続した場合
に、接続用電極に生じている絶縁性薄膜を突き破って電
気的接続を図る構造にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気回路の接続構造、
特にヒートシールコネクターを用いた液晶表示パネル
(以下、LCDと云う)と駆動用回路基板(以下、PC
Bと云う)との接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の接続構造において、
その接続部に異方導電性接着剤を有するヒートシールコ
ネクターは周知である。そして、ヒートシールコネクタ
とのPCB及びLCDとの夫々の接続は、圧着機を利用
してPCBの接続部及びLCDの接続部に加熱圧着し
て、機械的及び電気的に接続する。
【0003】又、近年における電子・電気機器類の軽薄
短小化と高性能化の要求にも拘らず、その反面コストの
低減が要求されるに至り、LCDの接続部の透明電極を
インジウムー錫酸化物薄膜(以下、ITOと云う)か
ら、安価な錫酸化物薄膜(以下、TOと云う)とするも
のが増えてきている。
【0004】更に、前記従来例におけるヒートシールコ
ネクターの異方導電性接着剤は、図5に示したように、
カーボン粒子等からなる導電性粒子10を含むものであ
り、該導電性粒子10は略真円の球状を呈している。
【0005】従って、接続部の電極として、例えば錫電
極7を採用した場合に、その表面に酸化錫(SnO2)
による表面の汚染被膜7aが生成されるようになるが、
前記真円の導電性粒子10では、その汚染被膜7aを突
き破ることがほとんどできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来例の接続用電
極において、TOは、ITOに比べて表面が汚染され易
く、又パターンの形成に用いるレジストや液晶の封止に
用いる樹脂が表面に付着し易く、これらを完全に除去す
ることは殆ど不可能なため、接続用電極上にしばしば汚
染被膜が絶縁被膜として残ってしまう。そして、異方導
電性接着剤に含まれている導電性粒子が真円の球状をし
たカーボン粒子を用いたヒートシールコネクターの場合
には、接続状態が非常に不安定になるという問題点が生
じてきた。
【0007】又、ニッケル等の金属粉末を導電性粒子と
して含む異方導電性接着剤は、酸化や腐食が起こり易い
ので、接続用電極に金などの貴金属メッキを施す必要が
あり、非常に高価なものとなる。更に、異方導電性接着
剤を構成する絶縁性接着剤と導電性粒子との密度差が大
きいため製造時に分離し易くなり、製作工程が複雑にな
るという問題点も生じていた。
【0008】従って、接続用電極の表面が汚染されたり
絶縁被膜が残っているような場合であっても、安定した
電気的な接続状態が得られること、並びに製作工程が簡
単で、しかも安価な異方導電性接着剤を備えたヒートシ
ールコネクターを得ることに解決しなければならない課
題を有している。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、接続部に異方導電性接着剤を備えたヒート
シールコネクターを用いて液晶表示パネルと駆動用回路
基板とを接続する構造であって、前記異方導電性接着剤
に、外周面に複数の突起をもつ導電性粒子を含ませた電
気回路の接続構造であり、又、液晶表示パネルの接続用
電極を錫酸化物薄膜からなる透明電極で形成し、更に外
周面に複数の突起をもつ導電性粒子がカーボン粒子であ
る電気回路の接続構造である。
【0010】
【作用】ヒートシール接続における導通の安定性を確保
するため、外周面に複数の突起を有する導電性粒子を異
方導電性接着剤に含ませることによって、接続用電極が
TOや錫メッキ、半田メッキで表面に絶縁被膜が存在し
ている場合であっても、圧着する際に導電性粒子の突起
の突出部に荷重が集中して接続用電極の表面に付着した
絶縁被膜を突き破って接続用電極に接続することができ
るので、信頼性のよい安定した導通が得られると共に、
環境の変化や振動、落下等の外力による導電性粒子の微
視的な動きをなくすことができる。
【0011】
【実施例】本発明に係る電気回路の接続構造、並びにそ
の接続に使用されるヒートシールコネクターについて図
を参照にして説明する。図1は、電気回路の接続構造を
示したものであり、1はヒートシールコネクター、2は
PCB、3はLCDである。
【0012】ヒートシールコネクター1は、配線パター
ン4を有すると共に、両接続端部5に異方導電性接着剤
を備えたものであり、その接続端部5と前記PCB2の
接続部である電極6、及び前記LCD3の接続部である
電極7とに接続して使用する。
【0013】このヒートシールコネクター1の構造は、
図2及び図3に示すように、通常可撓性を有する基材8
上に導電性ペースト9をスクリーン印刷し、乾燥して配
線パターン4を形成する。尚、本実施例においてはスク
リーン印刷であるがグラビア印刷でもよい。
【0014】そして、この配線パターン4上において、
少なくとも前記両接続端部5の部位に、導電性粒子10
と絶縁性接着剤11とからなる異方導電性接着剤12を
塗布又はスクリーン印刷し、その接続端部5以外の残余
部分がある場合にはレジスト層を塗布又はスクリーン印
刷して乾燥させる。
【0015】このようにして形成されたヒートシールコ
ネクタ1は、圧着機を利用してPCB2の接続部である
電極6及びLCD3の接続部である電極7に加熱圧着さ
せ、両電極6、7と導電性ペースト9との間に導電性粒
子10が介在する状態で機械的及び電気的に接続する。
尚、PCB2の電極6は、例えば金メッキ電極とし、L
CD3の電極7は、例えば錫メッキ電極としても良く、
又両方を錫メッキ電極としても良い。
【0016】前記基材8は、絶縁性で可撓性を持つ高分
子物質から構成され、例えばポリイミド、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、
液晶ポリマー等で作成されるが、本発明に係るヒートシ
ールコネクタ1はPCB2及びLCD3との接続が電気
的接続に用いられるものであるので、その材質は体積抵
抗率が108 Ω・cm以上、好ましくは1010Ω・cm
以上の電気的絶縁性のものとすることが必要である。
【0017】従って、耐熱性、温度変化等の外力に対す
る寸法安定性に優れているポリエステルが好ましく、そ
の基材8の厚さは可撓性を必要とすることから5〜50
μm、好ましくは10〜30μmのものとされる。
【0018】前記導電性ペースト9は、有機バインダ
ー、溶剤、導電性微粉末、及びその他の添加剤とから構
成されている。
【0019】有機バインダーは、例えば塩化ビニル樹
脂、酢酸ビニル樹脂、これらの共重合体、アクリル樹
脂、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリウレタン、ポ
リプタジエン、ポリイミド樹脂、エボキシ樹脂、アルキ
ッド樹脂、フェノール樹脂等で構成されており、必要に
応じてイソシアネート類、アミン類、酸無水物等の硬化
剤を添加してもよい。
【0020】溶剤は、エステル系、ケトン系、エーテル
エステル系、塩素系、エーテル系、アルコール系、炭化
水素系の何れであってもよく、例えば酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチ
ル、酢酸アミル、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルアミルケト
ン、エチルアミルケトン、イソブチルケトン、メトキシ
メチルペンタノン、シクロヘキサノン、ジアセトンアル
コール、酢酸メチルセロソルブ、酢酸エチルセロソル
ブ、酢酸ブチルセロソルブ、酢酸メトキシブチル、酢酸
メチルカルビトール、酢酸エチルカルビトール、酢酸ジ
プチルカルビトール、トリクロロエタン、トリクロロエ
チレン、n−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、
n−ブチルフェニルエーテル、プロピレンオキサイド、
フルフラール、イソプロピルアルコール、イソブチルア
ルコール、アミルアルコール、シクロヘキサノール、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、イソプロピルベンゼン、
石油スピリット、石油ナフタ等で構成されている。
【0021】一般的には、エステル系、ケトン系、エー
テルエステル系のものとすることがよく、これらは特に
制限はないが、導電性ペースト9は、粘度50〜1,0
00ボイズ、揺変度が2〜15に調整されるような範囲
で使用すればよい。
【0022】導電性微粉末は、その粒径が0.01〜1
0μmである粒状、鱗片状、板状、樹枝状、サイコロ状
等の銀、銀メッキ銅、銅、金、ニッケル、パラジウム等
から生成されている。しかし、例えば銀、銀メッキ銅、
銅、金、ニッケル、パラジウム等の合金類、これらの金
属の一種または二種以上をメッキした樹脂粉、ファーネ
スブラック、チャンネルブラックなどのカーボンブラッ
ク、グラファイト粉末の一種または二種以上等でもよ
い。そして、これらは上記した有機バインダーに対し、
10〜90重量%混合分散させればよい。
【0023】このように導電性ペースト9は、有機バイ
ンダー、導電性微粉末、及び溶剤とを所定量混合するこ
とによって得ることができるが、これには必要に応じて
硬化促進剤、レベリング剤、分散安定剤、消泡剤、揺変
剤、金属不活性剤などの添加物を添加してもよい。
【0024】尚、このようにして作られた導電性ペース
ト9を用いて配線パターン4を形成するには、スクリー
ン印刷法、グラビア印刷法などで基材8上に印刷すれば
よいが、良好な電気的接続を得るためには導電性ペース
ト9の厚さを5μm以上にすることが望ましいので、こ
の厚さを得るためにはスクリーン印刷とすることが好ま
しい。
【0025】前記異方導電性接着剤12に含まれる導電
性粒子10は、長期にわたる接続信頼性が要求されるこ
とから、材質的にカーボン、金メッキを施した金属ある
いは樹脂等の採用が考えられる。
【0026】しかし、金メッキはコストが高いため実用
上不適当であり、コストも安く化学的に安定しているカ
ーボン粒子、特に導電性に優れたカーボン粒子が実用上
好ましいものである。
【0027】このようなカーボン粒子には、例えば黒鉛
粒子、グラファイト粒子等があるが後述する絶縁被膜を
突き破るのに必要とされる形態が必要とされるので硬度
の高いグラファイト粒子が好ましい。
【0028】カーボン粒子からなる導電性粒子10は、
図4に示したように、その表面の形状が球状の表面に多
数の突起部10aを備えたものであって、電極との圧接
時に各突起部10aに荷重が集中し、汚染薄膜等の絶縁
被膜を突き破る程度の強度が必要である。そのため10
%圧縮時の強度が10kgf/mm2 以上、好ましくは
15kgf/mm2 以上とするのがよい。
【0029】このように多数の突起10aを表面に有す
る導電性粒子10は、例えばLCD3の電極7に汚染薄
膜として酸化錫等の絶縁被膜7aが付着していても、ヒ
ートシールコネクター1の圧着作用により、突起10a
が絶縁被膜7aを簡単に突き破って電極7と接続するこ
とが出来るのである。
【0030】更に、環境の変化や外力による微視的な動
きを抑制するため、被接続電極に対し複数の接点、好ま
しくは3点以上の接点、を持たせることが必要であるの
で、カーボン粒子の形状は多数の突起を有するものとす
る。
【0031】従って、この突起は小さすぎたり、少なす
ぎると、様々な力に対する微視的な動きの制御効果が小
さくなるため、導電性粒子10の内接球より0.5μm
以上、好ましくは2μm以上、突出した突起を粒子1個
について4個以上有するものがよい。尚、ここでいう内
接球とは粒子の内部に含まれ得る最大の球の形状をい
う。
【0032】又、導電性粒子10の粒径は、できるだけ
均一なものとするが、大きすぎるか、又は配合量が多す
ぎると隣接電極間で短絡を生じ易いので、粒径5〜10
0μmの範囲から選択する。但し、突起を持つ粒子の粒
径は突起を含めた外径、即ち外接球の直径、換言すれば
粒子を内部に含み得る最小の球の直径とする。配合量
は、異方導電性接着剤を含ませた配線パターン4の接続
部を接続用電極上に載置した際、1mm2あたり50〜
500個となるようにするのがよい。
【0033】このような導電性粒子10であるカーボン
粒子の製造方法としては、例えば有機物を焼結、焼成
した後に粉砕及び分級する方法や、核となる球状カー
ボン粒子、例えばピッチを精製する過程で副生する球状
メソカーボンマイクロビーズや塊状重合、及び懸濁重合
等の方法で得られる球状樹脂を焼成しカーボン化したも
の等に有機物を付着させた後に約800〜2500℃で
焼成する方法等があり、より均一な粒子径をもつ粒子を
得るためには後者の方法が望ましい。この時、核とな
るカーボン粒子に付着させる有機物としては、黒鉛化が
容易であることからタール、ピッチ等を用いるのがよ
い。
【0034】電気的絶縁性接着剤11は、主として導電
性粒子10の分散に用いられるものであり、例えばエチ
レン酢酸ビニル共重合樹脂、カルボキシル変性エチレン
酢酸ビニル樹脂、エチレンーアクリレート共重合樹脂、
エチレンーエチルアクリレート共重合体、エチレンーイ
ソプチルアクリレート共重合体、ポリアミド樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリメチルーメタクリレート樹脂、ポリ
ビニルエーテル樹脂、ポリビニルブラチラール樹脂、ポ
リウレタン樹脂、スチレンブタジエンスチレンブロック
共重合体(SBS)、カルボキシル変性SBS、スチレ
ンイソプレンスチレン共重合樹脂(SIS)、スチレン
ーエチレンープチレンスチレン共重合樹脂(SEB
S)、マイレン酸変性SEBS、ポリプタジエンゴム、
クロロブレンゴム(CR)、カルボキシル変性CR、ス
チレンープタジエンゴム、イソプチレンーイソプレン共
重合体、カルボキシル変性ニトリルゴム、エボキシ樹
脂、シリコーンゴム等から選ばれる一種または二種以上
の組み合わせを主剤として調製される。
【0035】上記主剤には、粘着付与剤として、例えば
ロジン、ロジン誘導体、テルベン樹脂、テルベンフェノ
ール共重合体、石油樹脂、クマロンーインデン樹脂、ス
チレン系樹脂、イソブレン系樹脂、アルキルフェノール
樹脂、フェノール樹脂等が、一種または二種以上の組み
合わせとして必要に応じ添加される。
【0036】又、反応性助剤、架橋剤としてのフェノー
ル樹脂、ボリオール類、イソシアネート類、メラミン樹
脂、尿素樹脂、ウロトロピン類、アミン類、酸無水類、
過酸化物、金属酸化物、トリフルオロ酢酸クロム塩など
の有機酸金属塩、Ti、Zr、AIのアルコキシド等の
金属アルコキシド、ジプチル錫オキシド等の有機金属化
合物、2.2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル等
の光開始剤、アミン類、りん化合物、塩素化合物等の増
感剤、等も必要に応じて適宜選択使用される。
【0037】更に、ヒートシールコネクター1により接
続されるPCB2、LCD3の接続部の表面には、−O
H、−COOH、−C=O、−COOCH2等の極性基
を備えているため、絶縁性接着剤11には、これに相応
した極性を持つことが要求され、その溶解性パラメータ
ーとして8.5以上、特には9以上のものが望まれる。
【0038】この溶解性パラメーターの調整に際し、ア
クリル樹脂、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、酢酸ビ
ニル樹脂などを主剤とする絶縁性接着剤11では、高い
溶解性パラメーターを持っているペースポリマーだけで
もよい。
【0039】しかし、例えばポリイソブチレン、ポリブ
タジエン、ポリスチレン等の低い溶解性パラメーターを
持つ樹脂を主剤とした絶縁性接着剤11では、前述した
フェノール系樹脂などの粘着付与剤を加えることにより
極性を相応させることが可能となる。
【0040】異方導電性接着剤12は、導電性粒子10
と、該導電性粒子10を分散させる絶縁性接着剤11と
から構成され、接着剤の成分が常温、無溶解で固形状
態、或は高粘度液状の場合には適当な溶剤で溶解し、印
刷、コーティング、スプレー等の公知の方法により配線
パターン4上の少なくとも接続部に積層状態で形成す
る。
【0041】この時、導電性粒子10を分散させる絶縁
性接着剤11の成分と、導電性粒子10との固有の密度
の差が大きすぎると、例えば塗布作業時に粒子の沈降に
よる分離が早くなり分散不良が生じ、作業が煩雑にな
り、製作工程が複雑になる。そのため、導電性粒子10
の固有の密度は絶縁性接着剤11の成分の固有の密度の
3倍以下とする必要があり、浮上による分離を防ぐため
には2倍以下1/3倍以上とするのが好ましい。
【0042】ヒートシールコネクター1により接続され
るPCB2、LCD3は従来公知のものがそのまま使用
できるが、異方導電性接着剤12に複数の突起部を有す
る導電性粒子10を分散させたことにより、LCD3の
透明電極としてはITOに比べ安価で、しかもパターン
形成が容易なTOで形成しても、安定した接続状態を維
持することができる。
【0043】次に、本発明に係る導電性粒子10の具体
的な生成並びに使用例と、従来例のものを比較例として
使用した評価について項目毎に説明する。
【0044】[使用例1]導電性粒子10の生成は、平
均粒径30μmの球状フェノール樹脂を焼成して平均粒
径24μmのカーボン粒子を作り、このカーボン粒子1
00重量部に対しタール15重量部を加え、不活性ガス
雰囲気中で攪拌しながら2000℃で焼成することによ
り、多数の突起を有する平均粒径30μmで密度1.5
g/cm2の導電性粒子10を得ることができた。
【0045】次に、絶縁性接着剤11の生成は、スチレ
ンーエチレンープチレンースチレン共重合ゴム100重
量部に対し、テルペンーフェノール系粘着付与剤50重
量部を加え、トルエンに溶解する。尚、25重量%の溶
液とした時の接着剤溶液の密度は1.1g/cm2 であ
った。
【0046】そして、接着剤溶液100重量部に対し、
上記説明した導電性粒子1.5重量部を加えた異方導電
性接着剤12を、カーボンペーストにて1.5mmピッ
チのパターンを形成した配線シートからなる25μmの
基材(PETフィルム)8上にスクリーン印刷により塗
布する。このようにして生成された異方導電性接着剤1
2の層が乾燥した時の厚さは25μmとなった。
【0047】尚、導電性粒子10の10%圧縮時の強度
S10(kgf/mm2 )は、荷重P(kgf)、粒子
半径r(mm)とした場合に、 S10=(2.8×P)/(πr2 ) の式により求めたS10の平均値は18kgf/mm2
を得ることができた。(粉体用微小圧縮試験機PCT−
200、島津製作所製を使用)。
【0048】[比較例1]導電性粒子10として、平均
粒径30μmの突起のない球状カーボンを用いた他は実
施例1と同じ機能を有するヒートシールコネクターを使
用した。
【0049】[評価]接続用電極としてTO(面積抵抗
率300Ω/□)を使用したLCD3及びITO(同3
0Ω/□)を使用したLCD3を夫々前記した使用例1
及び比較例1で得たヒートシールコネクターを、所定の
ヒートシール条件に基づいてPCB2と接続した。この
ヒートシール条件は,接着剤到達温度120℃、接続圧
力20kg/cm2、圧着時間7秒である。
【0050】このようにして各ヒートシールコネクター
を夫々PCBとLCD間に接続して100台づつ組み立
てる。そして初期の表示状態を確認すると共に、良品に
ついては更に熱衝撃試験(温度−30℃で30分間、及
び温度85℃で30分間の繰り返しを200サイクル)
を行い、その熱衝撃試験後に表示状態を検査する。この
検査結果(良品数)を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】上記試験結果から明らかなように、本発明
の接続構造の方が比較例よりもはるかに接続の安定性が
優れていることが理解できる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る電気回
路の接続構造は、異方導電性接着剤に複数の突起を持っ
た導電性粒子を含ませることにより、絶縁被膜が生成さ
れ易い錫酸化物薄膜(TO)を接続用電極として用いて
も、その絶縁被膜を突き破って導電性粒子が介在するの
で接続電極間の導通が安定し、接続の性能を損なうこと
なく製品のコストを低減できるという優れた効果を奏す
る。
【0054】又、導電性粒子をカーボン粒子で形成する
ことにより、絶縁性接着剤成分との固有の密度の差が小
さくなるため、塗布作業時の分離がほとんど生じなくな
り、塗布又は貼着の作業性がよく、且つ分散不良も生じ
にくくなり、歩留りが向上するという優れた効果を奏す
る。
【0055】更に、導電性粒子に複数の突起を設けたこ
とにより、環境の変化による絶縁性接着剤、被接続回路
基板等の熱膨張の違いで起こる導電性粒子を動かそうと
する力や、振動、落下等の外力にも耐えることができる
ため、信頼性の高い接続状態が得られ、屋外での使用、
車載用等の様々な環境下での使用ができるという優れた
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】PCBとLCDとを接続するヒートシールコネ
クタの接続状態を略示的説明図である。
【図2】図1のA−A線に沿う略示的拡大断面図であ
る。
【図3】図1のB−B線に沿う略示的拡大断面図であ
る。
【図4】本発明の接続構造に用いられる導電性粒子と接
続用電極との接触状態を拡大して示した説明図である。
【図5】従来技術による導電性粒子と接続用電極との接
触状態を拡大して示した説明図である。
【符号の説明】
1 ヒートシールコネクター 2 PCB 3 LCD 4 配線パターン 5 接続部 6 金メッキ電極 7 錫電極 8 基材 9 導電性ペースト 10 導電性粒子 11 絶縁性接着剤 12 異方導電性接着剤

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接続部に異方導電性接着剤を備えたヒー
    トシールコネクターを用いて液晶表示パネルと駆動用回
    路基板とを接続する構造であって、 前記異方導電性接着剤に、外周面に複数の突起をもつ導
    電性粒子を含ませたことを特徴とする電気回路の接続構
    造。
  2. 【請求項2】 液晶表示パネルの接続用電極を錫酸化物
    薄膜からなる透明電極で形成した請求項1に記載の電気
    回路の接続構造。
  3. 【請求項3】 外周面に複数の突起をもつ導電性粒子が
    カーボン粒子である請求項1に記載の電気回路の接続構
    造。
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