JPH0651332U - 薄板パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐腐食性に優れ、軽量で作業性に優れると共
に、強度にも適し、さらに見栄えの優れた薄板パネル。 【構成】 表面に仕上材４を固着した長方形の薄板構造
体２と、この薄板構造体を取り囲む枠体３とを備え、
前記薄板構造体２は耐腐食性に優れた金属部材で形成さ
れると共に、前記薄板構造体２は、相対する一端から他
端に全通し、かつこの薄板構造体２の裏面に突出する複
数の折曲部５を有しており、前記折曲部５は、その折り
曲げた部分の内側が接着剤６を介して相互に接合されて
いる薄板パネル１。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、建物の屋上等に使用される薄板パネルに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般にビルなどの建築物は、屋上に給水タンクや空調装置の室外機等が設置さ れている。これら屋上設置物は、その周りを取り囲む外壁部分や、屋根部分を備 えていないのが通常である。したがって、風雨、日照等の影響により各屋上設置 物は、錆び付きやすく、また劣化しやすい。そして、これら屋上設置物は外壁等 によって覆われていないため建物全体の見栄えを損なう結果になっていた。

【０００３】 そこで従来は、屋上側に雨風等を防ぐように、他の用途に使用されているパネ ル等を代用品として用いている場合がみうけられた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来使用されていた屋上側を取り囲む代用品のパネルは、以下のよう な問題点を有していた。 従来のパネルは、屋上専用に構成されていないため、構造的に重厚で作業 性が悪く、また経済性に問題を有していた。 材質的に錆に耐えられる部材で形成されていなかった。 従来のパネルは、作業性を図るため薄体構造のものを使用すると、強度に 問題があり、屋上部分に使用することはできなかった。

【０００５】 この考案は上記の問題点に鑑み創案されたものであり、耐腐食性に優れ、軽量 で作業性に優れると共に、強度にも適しており、さらに、見栄えの優れた薄板パ ネルを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 この考案は上記目的を達成するため、表面に仕上材を固着した長方形の薄板構 造体と、この薄板構造体を取り囲む枠体とを備え、前記薄板構造体は、耐腐食性 に優れた金属部材で形成されると共に、前記薄板構造体は、相対する一端から他 端に全通し、かつ、この薄板構造体の裏面に突出する複数の折曲部を有しており 、前記折曲部は、その折り曲げた部分の内側が接着剤を介して相互に接合されて いる薄板パネルとして構成した。

【０００７】

【作用】

この考案は上記手段により次の作用を有する。 薄板パネルは、折曲部を薄板構造体に形成し、その折曲部の内側が、接着 剤を介して接合され、さらに薄板構造体を枠体で取り囲んでいるため、強度に優 れていると共に、軽量化を可能としている。 薄板パネルは、薄板構造体の表面に仕上材を固着しているため見栄えがよ い。 薄板パネルは、耐腐食性の高い金属で形成されているため、雨水等による 劣化原因に対して耐久性が優れている。

【０００８】

【実施例】

以下、この考案の第一の実施例を図面に基づいて説明する。 図１は、薄板パネルの全体を示す一部破断した平面図、図２は図１のII−II線 における断面図、図３は薄板パネルの折曲部を示す拡大した端面図である。

【０００９】 図１および図２で示すように薄板パネル１は、折曲部５を有する薄板構造体２ と、この薄板構造体２を取り囲む枠体３と、前記薄板構造体２の表面に固着した 仕上材４とを備えている。

【００１０】 図２および図３で示すように、薄板構造体２は、0.２mm〜0.５mmの厚みを有す るステンレス等の耐腐性に優れた金属部材で構成されると共に、長方形に形成さ れている。そして、この薄板構造体２は、その裏面側に突出するように、複数（ 図では３ヶ所）の折曲部５を形成している。

【００１１】 図１および図３に示すように、前記折曲部５は、薄板構造体２の相対する一端 から他端に全通して形成されている。そして、この折曲部５は、その折り曲げた 部分の内側が接着剤６を介して相互に接合されている。なお、接着剤６は、接着 力の有る充填材（硬質ウレタンフォーム等、硬質ウレタンフォームは、１平方セ ンチメートルに対して１キログラム以上の貼力を有する）や、周知のものが使用 されている。

【００１２】 図２に示すように、薄板構造体２を取り囲む枠体３は、薄板構造体２と同じ厚 みの耐腐性に優れた金属部材で、その断面が多角形（図面では四角形）に形成さ れている。そして、この枠体３の内周面位置に、前記薄板構造体２の周辺部分を 折り曲げて当接させ、接合手段により接合している。

【００１３】 前記薄板構造体２の表面に貼着される仕上材４は、硬質ウレタンフォームを、 噴射機（図示せず）等を用いて、発泡・膨張させて使用している。この硬質ウレ タンフォームは、図２で示すように、薄板構造体２の表面から枠体３の上面位置 まで、ほぼ平面になるように設けられている。 したがって、薄板１は、軽量で、構造が簡易であると共に、折曲部５および枠 体３を有しているので強度的にも優れている。

【００１４】 つぎにこの考案の第２の実施例を図４に基づいて説明する。なお、この実施例 では折曲部の構成以外は、第１の実施例と同じ構造であるため説明を省略する。

【００１５】 図４で示すように薄板パネルは、その薄板構造体１２の相対する一端から他端 に全通する折曲部１６を、裏面側に突出するように複数形成している。この折曲 部１５は、折り曲げた内側をある程度離間させて溝部分を形成し、その溝部分に 接着剤１５が充填され接合されている。 したがって薄板構造体１２の強度は、上記第１の実施例で示す薄板構造体２の 強度よりも強力になる。

【００１６】 つぎに、図５に基づいてこの考案の第３の実施例を説明する。なお、この実施 例は、折曲部の構成以外は、第１の実施例と同じ構造であるため説明を省略する 。

【００１７】 図５で示すように薄板パネルは、その薄板構造体２２の相対する一端から他端 に全通する折曲部２５を、裏面側に突出するように複数形成している。この折曲 部２５は、その折り曲げた内面を介在部材２７を挿入すると共に接着剤２６によ り接合している。

【００１８】 前記介在部材２７は、細長い一本の棒状の木材を用いている。また、この介在 部材２７は、他の部材例えば金属等を使用しても構わず、一本でなくとも複数本 を連続するように配設してもよい。 したがって、第２の実施例で示す薄板構造体１２よりも強度が増すことになる 。

【００１９】 なお、この考案は上記の実施例に限定されるものではなく、例えば、ウレタン フォームの表面に図６で示すように、化粧板９である銅板やチタン板等を貼着す る構成にすることで、薄板パネルの強度を強化し、見栄えをさらに良くする構成 にすること（第２および第３実施例の薄板パネルにも適用される）や、枠体は円 筒形でもよく、仕上材は、防水性を備える他の部材を薄板構造体の表面に固着す るようにしても良いこと等、その他この考案の要旨を逸脱しない範囲において種 々の変更ができることは勿論である。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案は次の優れた効果を有する。 薄板パネルは、折曲部を薄板構造体に形成し、その折曲部の内側が、接着 剤を介して接合されており、さらに、その薄板構造体は、枠体によって取り囲ま れた簡単な構成であるため、軽量化を可能とすると共に、剛性に優れている。ま た構成が簡単なため廉価に製造できる。 薄板パネルは、薄板構造体の表面に仕上材を固着しているため、見栄えが よい。 薄板パネルは、耐腐食性の高い金属で形成されているため、雨等による劣 化原因に対して耐久性に優れている。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の第１の実施例を示す薄板パネルの全
体を表す一部破断した平面図である。

【図２】図１のII−II線における断面図である。

【図３】薄板パネルの折曲部を示す拡大した端面図であ
る。

【図４】この考案の第２の実施例を示す薄板パネルの折
曲部を示す拡大した端面図である。

【図５】この考案の第３の実施例を示す薄板パネルの折
曲部を示す拡大した端面図である。

【図６】この考案の応用例を示す薄板パネルの折曲部を
示す拡大した端面図である。

【符号の説明】

１ 薄板パネル ２，１２，２２ 薄板構造体 ３，１３，２３ 枠 体 ４，１４，２４ 仕上材 ５，１５，２５ 折曲部 ６，１６，２６ 接着剤 ２７ 介在部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表面に仕上材を固着した長方形の薄板構
   造体と、この薄板構造体を取り囲む枠体とを備え、 前記薄板構造体は、耐腐食性に優れた金属部材で形成さ
   れると共に、 前記薄板構造体は、相対する一端から他端に全通し、か
   つ、この薄板構造体の裏面に突出する複数の折曲部を有
   しており、 前記折曲部は、その折り曲げた部分の内側が接着剤を介
   して相互に接合されていることを特徴とする薄板パネ
   ル。