JPH065129B2 - 温風暖房機の制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は室温に応じて燃焼量と送風機の送風量を可変す
る燃焼器の制御装置に関するものである。

従来の技術 一般に自動温調式と呼ばれる温風暖房機は内蔵の室温検
出器で検知した室温と設定温度とに応じて自動的に燃焼
量を切換えるようになっている。そしてこの種の暖房機
は加熱された空気を送風機で室内に吹き出しており、室
温が低いときは燃焼量を上げると同時に送風量を強風量
にすることで遠くまで温風を送り、室温が高くなると燃
焼量を下げ風量も落とすことで室温をコントロールして
いる。この送風量の変更は具体的には送風機の回転数を
変化させることで行なっており、従来はこの送風量変更
を上記燃焼量変化と連動して同時に変化させるようにな
っていた。したがって使用者は設定温度を設定するだけ
でよく、後は機器が自動的に燃焼量と送風量を決定して
室温を設定温度まで上昇させその温度に室温を維持する
ようになる。

第７図は従来の燃焼構成を示す略図である。１０１は燃
料タンクで、燃料油は電磁ポンプ１０２によって吸い上
げられ気化器１０３に圧送される。気化器１０３は燃焼
による熱および電熱体１０４によって加熱されており燃
料油はここで気化してノズル１０５より混合管１０６に
噴出され、一次空気を吸入して炎口１０７より噴出しこ
こで燃焼する。燃焼熱は送風機１０８で吹き出し口Ａに
送られ、ここより室内に送出される。また、室温検出器
１０９は送風機１０８の吸入口近傍に取り付けられてい
る。

第８図は従来の制御回路を示すもので、１１０は電源、
１１１は制御部で、電熱体１０４の温度制御や室温検出
器１０９による室温検出および各種タイミング制御を行
なうことで燃焼制御を行なっている。制御部１１１はま
ず運転開始時にリレー１１２をオンすることで予熱を行
ない、予熱が完了するとリレー１１２をオフ、リレー１
１３をオンすることにより送風機１０８、電磁ポンプ１
０２および点火器１１４に通電され点火、燃焼する。リ
レー１１５は２回路２接点リレーで、室温検出器１０９
で検出した室温が設定温度より低いとａ、ａ′側に閉じ
燃焼は強燃焼になると同時に送風機１０８は強回転にな
る。逆に室温が設定温度より高いとリレー１１５はｂ、
ｂ′側に閉じ燃焼は弱燃焼になると同時に送風機１０８
は弱回転になる。この送風機１０８の強回転と弱回転の
回転数は製品内部の温度上昇や吹き出し口の温風温度を
考慮して燃焼量に応じた回転数になるよう設定されてい
る。

以上のように従来の温風暖房機は燃焼量と送風量を室温
に応じて自動的に変化させ室温を一定に保とうとするも
のの送風量は燃焼量に応じた所定の回転数にしかなら
ず、送風量と燃焼量とはあらかじめ決められた一種類の
相関関係でのみ動作するものであった。これは送風機の
吹き出し風量は燃焼量と非常に密接な相関関係にあり高
燃焼量時に送風量が低下すると、機器の内部温度が上昇
し過ぎて信頼性が低下するといった問題や、さらに温風
温度が高くなり過ぎるとやけどをするといった危険があ
るため燃焼量に応じた送風量を固定しているのである。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上記従来の構成では個人感覚が重量視さ
れる傾向の近年にあっては一義的な温風しか得られず自
分好みの温風が得られない為人によっては快適な暖房感
が得られないという問題があった。すなわち人間の感覚
は個人差が大きく同じ温風温度であっても熱く感じる人
や肌寒く感じる人がおり、また送風機の風が強過ぎると
感じる人もいる。にもかかわらず温風温度はメーカの設
計時に設定された温度にしかならず、また風量を変えよ
うとすれば燃焼量も変えなければならない。このように
従来の温風暖房機では使用者が自分の好みに応じて温風
の温度や風量を変更することができず、人によっては快
適な暖房感が得られないという問題点があった。

本発明はかかる従来の問題を解消するもので、普段は燃
焼量と送風量が同期して自動的に変化するが、必要に応
じて送風量だけをその時の風量から特定量だけ手動で増
減できるようにして好みの温風が得られるようにすると
ともに、風量の増減モードは室温調節の設定温度を変化
させた場合に通常風量モードになるようにすることを目
的としたものである。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するため本発明の温風暖房機の制御装置
は、室温検出器で室温を検出し、検出した室温に応じて
変更する燃焼量あるいは送風量のいずれか一方は、補正
量を指示する手動スイッチの操作信号に基づき補正手段
で補正して変更手段で変更するとともに温度設定手段の
操作によって前記補正がキャンセルされるように構成し
てある。

作用 本発明は上記した構成により、検出した室温に応じて燃
焼量と送風量を設定するが、設定された送風量あるいは
燃焼量は送風機風量あるいは燃焼量変更手段から出力さ
れる前に補正手段で補正されるので、自動制御されてい
る時の温風とは異なる温風が得られるようになる。

そしてこの補正は温度設定手段の操作によってリセット
されるため、設定温度を変更した場合には自動制御され
ているときの温風が得られる。

実施例 以下、本発明の実施例を添付図に基づいて説明する。第
１図は本実施例の構成図で、１は温風暖房機の外枠、２
は燃料タンク、３は印加されるパルス周波数に応じてそ
の吐出量が変化する電磁ポンプ、４は電熱体で、５は気
化器、６は燃焼器である。また、室温検出器７は送風機
８の吸入口近傍に取り付けられており、室温を変換して
得られる電気信号をパネル９の内部にある制御装置１０
に入力している。パネル９には各種スイッチ群も配設さ
れている（図示せず）。

制御装置１０は室温検出器７の出力を入力とする室温検
出手段１１と、この検出した室温と温度設定手段１９で
設定された設定温度との温度差に応じて電磁ポンプ３に
出力するパルス周波数を変化させることで燃焼量を変更
する燃焼量変更手段１２ならびに送風機８の回転数情報
を出力し半波波形あたりの通電時間を変更することで送
風機８を設定回転数に調整する送風機風量変更手段１３
と、パネル９に配設されているスイッチの操作状況を読
み取るスイッチ処理手段１４と、前記スイッチ処理手段
１４の情報に応じて前記送風機風量変更手段１３から出
力される送風機８の設定回転数に特定量の補正を加えた
値を送風機駆動手段１３Ａに出力する送風機風量補正手
段１５とから構成されている。スイッチ１６，１７，１
８は送風機８の回転補正量を指示する非ロック式のスイ
ッチで、スイッチ１６が押されると送風機８の動作回転
数は例えば−９０rpm、スイッチ１８が押されると同＋
９０rpm増減補正され、スイッチ１７が押されると補正
量はゼロになるように設定してある。２０は前記温度設
定手段１９が入力操作された時にスイッチ１６，１７，
１８による入力補正をキャンセルする補正リセット部
で、送風機風量変更手段１３からの出力をそのまま送風
機駆動手段１３Ａに出力させる。

第２図は要部の具体的な回路の一例を示す。制御装置１
０はマイクロコンピュータ２１および周辺回路から構成
されている。ここに示すマイクロコンピュータ２１は、
CPU、ROM、RAMおよび入出力部を有する、いわゆるワンチ
ップマイコンである。

室温検出器７は、Ａ／Ｄ変換器を介してマイクロコンピ
ュータ２１の入力部に接続されている。これにより室温
検出器７からの温度信号が２進符号に変換されてマイク
ロコンピュータ２１に読み込まれる。２３は燃焼開始を
指示する運転スイッチで、スイッチ１６，１７，１８と
同様マイクロコンピュータ２１に入力されている。２４
は電源周波数に同期した交流信号源２５のゼロクロスポ
イントを検出し１ms程度の幅を有するパルス信号を発生
するゼロクロス検出回路で、このパルス信号によりマイ
クロコンピュータ２１にゼロクロスポイントを指示す
る。２８は半導体スイッチで、発光部のＬＥＤと受光部
のトライアックから構成されている。２９は電熱体４の
オンオフ用のリレー、３０は点火器である。２７はドラ
イバーで、出力に半導体スイッチ２８、リレー２９、電
磁ポンプ３、点火器３０が接続されており、マイクロコ
ンピュータ２１からの出力信号を増幅して各負荷を駆動
する。

一方交流電源２６に、リレー２９の接点２７−ａを介し
た電熱体４と半導体スイッチ２８を介した送風機８が並
列に接続されており、前記送風機８は位相制御されてい
る。すなわち、第３図に示すようにマイクロコンピュー
タ２１はゼロクロス検出回路２４からのパルス信号によ
り半波毎にゼロクロスポイントを検出し一定時間(t)後
に、出力部からオン信号を出力すると、ドライバー２７
を介して半導体スイッチ２８の発光部に電流が流れ受光
部のトライアックが導通し、送風機８に電流が供給され
る。この半波毎に送風機８をオフする時間ｔ（以降「位
相オフタイム」と称す）が長いと送風機８の回転数は下
がり短いと高くなる傾向にあり、その相関関係は第４図
に示すようになる。

次に上記のように構成した本実施例の動作を説明する。
運転スイッチ２３を投入するとまずリレー２９をオンす
ることで電熱体４に通電し予熱を行なう。予熱が完了す
るとリレー２９をオフした後、点火器３０をオンし、同
時に燃焼量変更手段１２は出力部から電磁ポンプ３に一
定のパルス信号を出力して点火、燃焼を行なう。以降、
燃焼時の動作について第５図のフローチャートを用いて
説明する。

まずステップ３１で室温検出器７で検出した室温と温度
設定手段１１で設定した設定温度との差に応じた燃焼量
を算出する。ステップ３３はステップ３１でもとめた燃
焼量に対応するパルス周波数に変換し、ステップ３４で
出力部から電磁ポンプ３に出力する。ステップ３５はス
イッチ１６，１７，１８の入力状態を検出し、ステップ
３６でその入力処理を行ない、ステップ３５の入力状況
に応じてステップ３６で分岐する。すなわち、スイッチ
１６が押され減風量モードになっていればステップ３８
を処理し、スイッチ１８が押され増風量モードになって
いればステップ３９を処理し、スイッチ１７が押され通
常風量モードの場合は即ステップ４０に移行する。ステ
ップ３８はステップ３２で求めた送風機回転数から９０
rpm減算し、ステップ３９はステップ３２で求めた送風
機回転数に９０rpm加算する。ステップ４０はあらかじ
め設定されている位相オフタイムｔと送風機回転数との
相関表から送風機回転数に応じた位相オフタイムｔを求
めるもので、ステップ４１で出力部から出力する。そし
てステップ４２で温度設定手段１９による入力操作が行
なわれたか否かが判断され、入力操作されていなければ
そのまま補正されたデータが送風機８に出力される。

ここで使用者が温度設定手段を操作して設定温度を変え
ると、ステップ４３に移行して前記補正をキャンセルし
通常風量モードに復帰するとともに設定温度を変更して
再度ステップ３５に戻り、スイッチ１６，１７，１８の
入力状態を見て前記と同様の動作を繰り返すようにな
る。

上記実施例の構成によれば、第６図の燃焼量と送風機回
転数との関係に示すように燃焼量を変化させずに送風量
だけを増減できる。室温が低く燃焼は強燃焼を行なって
いるにもかかわらず床や壁や天井等が冷え切っていると
温風温度を低く感じる場合があるが、このような時スイ
ッチ１６を押すと送風機８の回転数は９０rpm下がるの
で温風温度は上がり冷風感を解消できる。また温風が強
く、直接肌にあたるため不快に感じる場合もスイッチ１
６を押すと風量が下がり直接肌にあたらないように設定
できる。逆に温風温度が熱すぎると感じたり、もっと遠
くまで温風が届いて欲しい場合はスイッチ１８を押すこ
とで解消できる。

なお、上記実施例では送風機風量を増減するもので説明
したがこれは燃焼量を増減するものも同様であり、その
増減もスイッチの数を増やすことでもっと多く設定する
ことが可能になる。またスイッチの代わりに可変抵抗器
を使用すると設定値をアナログ的に変化できるので無段
階の設定が可能になる。

発明の効果 以上のように本発明の温風暖房機の制御装置によれば燃
焼量に応じて送風量が自動的に変化すると同時に風量あ
るいは燃焼量だけ手動でさらに変更できるので、室温の
安定性を損なわずに使用感覚に応じた好みの温風が得ら
れるという効果がある。さらに、上記変更補正量はあら
かじめ制限できるので機器内部の温度上昇や温風温度で
設計上許される限界に設定すれば信頼性や火傷に対する
心配もなく、安心して使用できる。さらに室温の設定温
度を変更した場合は、それにともなって燃焼量と送風量
が変わるため、それまでの好みに合せた風量モードがか
ならずしも変更された設定温度に適当とは限らない場合
が多いと考えられるが、本発明ではこのとき自動的に通
常風量にもどっているのでわざわざ風量モードの解除動
作をする必要がなく大変便利である。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の一実施例における制御装置の構成図、
第２図は同要部の具体的な回路図、第３図は同じく送風
機８の位相制御波形図、第４図は同じく位相オフタイム
と送風機８の回転数との相関関係図、第５図は同じく燃
焼時の動作について説明するフローチャート、第６図は
同じく燃焼量と送風機の回転数との関係を示すグラフ、
第７図は従来例の燃焼構成を示す概略構成図、第８図は
同従来の制御回路図である。 ６……燃焼器、８……送風機、１１……室温検出手段、
１２……燃焼量制御手段、１３……送風機風量変更手
段、１５……送風機風量補正手段、１６，１７，１８…
…スイッチ、１９……温度設定手段、２０……補正リセ
ット部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】燃焼器と、燃焼器で加熱された空気を室内
   に送出する送風機と、暖房された室内の温度を検出する
   室温検出手段ならびに室内の暖房温度を設定する温度設
   定手段と、前記室温検出手段により検出した室温と温度
   設定手段で設定された設定温度との差を入力信号として
   燃焼量を自動的に変更する燃焼量変更手段ならびに同送
   風量を自動的に変更する送風機風量変更手段と、燃焼量
   あるいは送風量の補正量を指示する手動スイッチと、燃
   焼量あるいは送風機風量変更手段で変更される燃焼量あ
   るいは送風機風量を前記スイッチの操作信号を入力信号
   として増減補正する補正手段と、前記温度設定手段の操
   作によって補正手段による補正量をキャンセルする補正
   リセット部とを備えた温風暖房機の制御装置。