JPH0651242U - 紡機用金属トラベラ - Google Patents
紡機用金属トラベラInfo
- Publication number
- JPH0651242U JPH0651242U JP5302593U JP5302593U JPH0651242U JP H0651242 U JPH0651242 U JP H0651242U JP 5302593 U JP5302593 U JP 5302593U JP 5302593 U JP5302593 U JP 5302593U JP H0651242 U JPH0651242 U JP H0651242U
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- traveler
- metal
- spinning
- spinning machine
- speed
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
- Spinning Or Twisting Of Yarns (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 少なくともC:0.7〜1.3%、V:1.0〜1
0%、Co:4.0〜16%を含有する高速度工具鋼の粉
末を焼結圧密化した材料より線材に加工し、上記線材よ
り所定のトラベラ形状に成形し、熱処理によって均一微
細な炭化物を分布する金属組織に形成してなる紡機用金
属トラベラ。 【効果】 耐熱性、耐摩耗性がすぐれ、トラベラ焼け発
生の頻度を著しく減少し、長寿命を図ることができると
共に、高速精紡分野における安定操業ができる。
0%、Co:4.0〜16%を含有する高速度工具鋼の粉
末を焼結圧密化した材料より線材に加工し、上記線材よ
り所定のトラベラ形状に成形し、熱処理によって均一微
細な炭化物を分布する金属組織に形成してなる紡機用金
属トラベラ。 【効果】 耐熱性、耐摩耗性がすぐれ、トラベラ焼け発
生の頻度を著しく減少し、長寿命を図ることができると
共に、高速精紡分野における安定操業ができる。
Description
【0001】
本考案は精紡機、撚糸機等に使用する紡機用金属トラベラに関するものである 。
【0002】
従来、精紡機や撚糸機に用いられている紡機用金属トラベラには一般に硬鋼線 材が用いられ、横形、縦形、コニカル形等各種の形状に成形され、焼入れ、焼戻 しによる硬化処理やニッケルメッキやクロムメッキ等の表面処理が施され、それ ぞれの用途に応じて使用されている。
【0003】
しかるに、最近の高生産、高速紡出が行なわれる厳しい紡出条件と操業能率の 向上が要求される紡績業界においては安定操業と経済的な観点から耐摩耗性に優 れ、長寿命でトラベラ焼けが少なく、更には糸切れ、糸毛羽の少ないトラベラが 要求されている。 従って上記硬鋼線材のトラベラでは高速運転時の耐摩耗性、耐熱性が不十分で あり、寿命の点で上記要件を満足させるに至らないという問題があった。
【0004】 そのため、W,Mo,Cr,V,Co等を含有する鋼を用いて高硬度の金属ト ラベラを得る方法も考えられたが、炭化物が凝固する時に縞状あるいは網状に局 部的に炭化物が偏析して存在することが多く、金属トラベラをリングに嵌合する 場合に折損したり、リングに高速で摺接回転する際に折損しやすいという問題が あった。
【0005】
本考案の紡機用金属トラベラは上記従来の問題点を解消するものであり、少な くともC:0.7〜1.3%、V:1.0〜10%、Co:4.0〜16%を含有する高 速度工具鋼の粉末を焼結圧密化した材料より線材に加工し、上記線材より所定の トラベラ形状に成形し、熱処理によって均一微細な炭化物を分布する金属組織に 形成したことにより、高生産、高速紡出の条件下に於て糸切れ、糸毛羽が少なく 、靱性、耐摩耗性並びに耐熱性にすぐれた長寿命の紡機用金属トラベラを提供す るものである。
【0006】 以下、本考案の紡機用金属トラベラの1実施例を図面に基づいて説明する。
【0007】
C:1.25%、Cr:4.0、W:6.0%、Mo:5.0%、V:3.0%、Co: 8.0%を含有し、残部が鉄よりなる高速度工具鋼の微粉末をHIP処理により焼 結圧密化し、熱間圧延、温間引抜、冷間引抜及び冷間圧延等により所定断面形状 の線材を得、図1(イ)(ロ)(ハ)に示す様に成形機により所定の横形トラベ ラ1、コニカル形トラベラ2、縦形トラベラ3等に成形し、焼入れ後焼戻しを行 なってHv800以上の硬度を有する紡機用金属トラベラを形成した。
【0008】 上記トラベラの断面金属組織は図2に示す如く、トラベラのマルテンサイト基 地4中に球状の硬い炭化物5が均一微細に分布し、この炭化物がトラベラ走行時 、リング接触表面で有効に働いて減摩特性を発揮する。 なお、トラベラ形成素材として用いる高速度工具鋼中には少なくともC量が0. 7〜1.6%(伸線上0.7〜1.3%が最も良い)、V量が:1.0〜10%、Co量 が4.0〜16%の範囲含まれることが望ましく、少ないと耐摩耗性に劣り、また それ以上に多いと巨大炭化物の発生により靱性が低下し、加工性が著しく低下す る。
【0009】 また、上記成分以外にも、Cr:3.8〜4.5%、W:5.0〜20%、Mo:6. 5%以下を適宜含有することができる。また、トラベラ表面はニッケルメッキ、 分散メッキ、樹脂コーティング等の被覆をすると耐摩耗性、なじみ性がより向上 する。 また、粉末を焼結圧密化する方法としてHIP法以外に熱間押出法、熱間プレ ス法などがある。
【0010】 上記本考案の紡機用金属トラベラを以下に示す条件で紡出テストを行なった。 糸 :エステル/綿 45番手 リング :3.2mmフランジ41mmφ トラベラ:YS2 No.11/0 スピンドル回転数:25000r.p.m.
【0011】 紡出テストの結果は図3に示す如く本考案品Aは従来品Bに比べ20日経過時 に於いて摩耗量が約40%も減少し、潤滑特性も向上し、トラベラ焼け発生の頻 度が減少して寿命も格段に向上した。
【0012】 また、糸切れ数については図4に示す如く使用初期に於いて従来品Bに比べ若 干少ないが、日数経過に従って安定状態を持続し、寿命が約2倍延長された。
【0013】
本考案の紡機用金属トラベラは少なくともC:0.7〜1.3%、V:1.0〜10 %、Co:4.0〜16%を含有する高速度工具鋼の粉末を焼結圧密化した材料を 伸線、熱処理により均一微細な炭化物を分布する金属組織の金属トラベラを形成 することができるので、従来の如く縞状、あるいは網状に局部的に炭化物が偏析 することによる、トラベラのリングへの嵌合時、あるいはリングに高速で摺接回 転する際の折損等の発生がなく、靱性を著しく向上することができるものである 。
【0014】 また、均一微細な炭化物を分布する金属組織を有しているので、従来品に比べ 耐熱性、耐摩耗性がすぐれ、トラベラ焼け発生の頻度を著しく減少し、長寿命を 図ることが可能となった。 また、従来品に比べ初期糸切れは余り変わりないが、安定操業が持続でき、特 にスピンドル回転数25,000r.p.m.以上の高速精紡分野に於ける安定操業が図 ることができる等実用的効果を有する考案である。
【図1】(イ)(ロ)(ハ)は夫々本考案の1実施例を
示す紡機用金属トラベラの正面図である。
示す紡機用金属トラベラの正面図である。
【図2】本考案の断面金属組織図である。
【図3】使用日数とトラベラ摩耗減量との関係を示す曲
線図である。
線図である。
【図4】使用日数と糸切れ数との関係を示す曲線図であ
る。
る。
1 横形トラベラ 2 コニカル形トラベラ 3 縦形トラベラ 4 マルテンサイト基地 5 炭化物
Claims (1)
- 【請求項1】 少なくともC:0.7〜1.3%、V:1.0
〜10%、Co:4.0〜16%を含有する高速度工具鋼
の粉末を焼結圧密化した材料より線材に加工し、上記線
材より所定のトラベラ形状に成形し、熱処理によって均
一微細な炭化物を分布する金属組織に形成したことを特
徴とする紡機用金属トラベラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5302593U JPH0651242U (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 紡機用金属トラベラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5302593U JPH0651242U (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 紡機用金属トラベラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0651242U true JPH0651242U (ja) | 1994-07-12 |
Family
ID=12931357
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5302593U Pending JPH0651242U (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 紡機用金属トラベラ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0651242U (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5265114A (en) * | 1975-11-25 | 1977-05-30 | Mitsubishi Metal Corp | Sintered tool steel having good wear resistance and toughness |
JPS58144456A (ja) * | 1982-02-18 | 1983-08-27 | Nachi Fujikoshi Corp | 粉末高速度工具鋼 |
-
1993
- 1993-09-30 JP JP5302593U patent/JPH0651242U/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5265114A (en) * | 1975-11-25 | 1977-05-30 | Mitsubishi Metal Corp | Sintered tool steel having good wear resistance and toughness |
JPS58144456A (ja) * | 1982-02-18 | 1983-08-27 | Nachi Fujikoshi Corp | 粉末高速度工具鋼 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN106086705B (zh) | 一种含石墨的高速钢轧辊 | |
JPH0439416A (ja) | 転がり軸受 | |
JP6016927B2 (ja) | 熱間圧延用ロール | |
JPH08333591A (ja) | 繊維製造機部品 | |
JPH0651242U (ja) | 紡機用金属トラベラ | |
US1745835A (en) | Spinning ring and traveler | |
CN106048459B (zh) | 一种含石墨的高速钢组合镶套复合轧辊制造方法 | |
JPWO2018142778A1 (ja) | 粉末冶金用混合粉、焼結体、および焼結体の製造方法 | |
JPS62149847A (ja) | 紡機用金属トラペラ | |
JPS62161940A (ja) | 紡機用金属トラベラ | |
JPS62146245A (ja) | 紡機用金属トラペラ | |
JPS6169901A (ja) | 紡機用金属トラベラ | |
JPS61108733A (ja) | オ−プンエンド紡績用開繊ロ−ラ | |
CN115838895B (zh) | 一种高淬透性金属针布钢丝及其制造方法 | |
CN206736445U (zh) | 一种纺织机械锭子 | |
CN1003721B (zh) | 纺纱粉冶钢领材料及制造方法 | |
CN207343463U (zh) | 一种用于轧钢的高温耐磨辊 | |
JPS6335832A (ja) | 紡機用リング | |
JPH04241125A (ja) | 紡機用リング | |
JPS62222046A (ja) | 紡機用トラベラ | |
JPS62167857A (ja) | 紡機用金属トラベラ | |
JPS6359422A (ja) | 紡機用メタリツクワイヤ | |
JPH0547645B2 (ja) | ||
JPH0390635A (ja) | 紡機用リング | |
JPS6112934A (ja) | 紡機用リング |