JPH0650987B2 - ストレプトコッカス・ボヴィスの産生するデキストランスクラ−ゼによるロイクロ−スの製造法 - Google Patents

ストレプトコッカス・ボヴィスの産生するデキストランスクラ−ゼによるロイクロ−スの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はストレプトコッカス・ボヴィス(Streptococcu
s bovis、以下エス・ボヴィスという)の産生するデキ
ストランスクラーゼ(dextransucrase)によるロイクロー
ス(leucrose)の製造方法に関する。
ロイクロースなどのオリゴ糖は、肥満予防の甘味料、ビ
フィズス菌の増殖因子あるいは虫歯予防の甘味料など医
薬、食品工業の分野での幅広い用途が期待されている。
〔従来の技術〕 ロイクロースはエイチ・エイチ・ストドーラ(H.H.Stodo
la)らにより、ロイコノストック・メセンテロイデス(L
euconostoc mesenteroides、以下エル・メセンテロイデ
スという)を用いてデキストラン(dextran)を合成する
際に、微量のロイクロースが生じることが報告されてい
る(ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイ
アティー(J.Am.Chem.Soc.)78巻、2514頁(1956)参照)。
また、ロイクロースはデキストランスクラーゼの転移作
用により生じることも知られている(イー・ジェイ・ブ
ールン(E.J.Bourne)ら、バイオケミカル・ジャーナル(B
iochem.J.)79巻,549頁(1961)参照)。
従来より行なわれてきたロイクロースの製造法はデキス
トラン合成時の副産物として生じるロイクロースを分取
するものであり、基本的には発酵法と酵素法に分けられ
るが、そのいずれもエル・メセンテロイデスを用いて行
なわれている。
発酵法は、スクロースを含む培地でエル・メセンテロイ
デスを培養し、培地中に副産物として少量生じるロイク
ロースを種々の工程を経て分離・精製するものである。
また、酵素法はやはりスクロースを含む培地でエル・メ
センテロイデスを培養し、培地中に産生されるデキスト
ランスクラーゼを発酵源として、スクロース−フルクト
ースの混合系で酵素反応を行ないロイクロースを製造す
るものである。
〔発明の解決しようとする問題点〕
しかしながら、このような製造法に用いるエル・メセン
テロイデスは、栄養要求性が大きいため、その培養に多
種のビタミン、アミノ酸など比較的高価な栄養成分を必
要とし、しかも増殖速度が小さいため、ロイクロースま
たは酵素の産生に数日を要する。
また、酵素法では、完全な基質誘導酵素であるデキスト
ランスクラーゼが、エル・メセンテロイデスによりスク
ロース培地でのみ産生されるため、発酵液中に多量のデ
キストランが蓄積し、産生された酵素の回収が困難であ
ると同時に、デキストランとの複合体形成により不活性
化されやすく、酵素作用最適温度が30℃と比較的低いた
め、反応速度は小さい。
さらに発酵法での収率は極めて低く、酵素法についても
2%スクロースの酵素反応条件下において、対消費糖あ
たり2〜6%と生産効率は低い。
したがって、ロイクロースを高収量でしかも迅速に製造
できる新しいプロセスの開発が望まれている。
本発明者らは、かかる実情に鑑み鋭意研究を重ねた結
果、牛の第1胃(以下、牛ルーメントという)から分離
したエス・ボヴィスの産生するデキストランスクラーゼ
によるロイクロースの製造法は、培養においてエス・ボ
ヴィスが栄養要求性が小さくビタミンとしてはビチオン
のみを必要とし窒素栄養としては無機窒素のみで生育す
ること、増殖速度も対数増殖期(log phase)2〜6時
間、世代交代時間10分程度ときわめて速く、しかもグル
コース培地において効率よくデキストランスクラーゼを
産生し、その際にデキストランが生じないことにより除
菌作用も容易に行なえること、さらにこの産生された酵
素が、デキストランとの複合体を形成することがないた
めに反応中の酵素活性低下現象がほとんど見られず、産
生された酵素の酵素作用最適温度が40℃と比較的高いた
め、2%スクロースの酵素反応条件下におけるロイクロ
ースの収率は対消費糖あたり30%にもおよぶことなどの
有利な点を有し、従来のエル・メセンテロイデスの産生
するデキストランスクラーゼによる製造法よりもはるか
に優れた方法であることを見い出し、本発明を完成する
に至った。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち本発明は、エス・ボヴィスをデキストランスク
ラーゼを誘導する炭素源を含む培地で嫌気的に培養し、
産生されたデキストランスクラーゼをスクロースと、あ
るいは受容体の存在下でスクロースと反応させることを
特徴とするエス・ボヴィスの産生するデキストランスク
ラーゼによるロイクロースの製造法に関する。
〔作用および実施例〕
本発明の方法に用いるデキストランスクラーゼ生産菌の
代表的なものとして、牛ルーメンから単離した148菌株
があげられる。
この菌株は運動性はなく、グラム染色は陽性であり、菌
学的形状は連鎖状の球菌である。本菌株はまた、カタラ
ーゼテストには陰性を示し、グルコースがEMP経路を経
て右旋性の乳酸にまで代謝されるいわゆるホモ型乳酸発
酵を示す。また、10℃では生育がみられず、45℃で生育
を示し、また6.5%のNaCl濃度やpH9.6以上での生育はみ
られない。さらに、澱粉を強力に分解し、40%胆汁培地
(bile blood agar medium)で成育する性質がある。叙上
の菌学的性質から、148菌株は、バージーズ・マニアル
・オブ・デタミネィティブ・バクテリオロジー第8版記
載のエス・ボヴィスに属する菌株であることは明らかで
ある。よって、本菌株をエス・ボヴィスに属する148菌
株とした。なお本菌株は工業技術院微生物工業技術研究
所に受託番号微工研菌寄第9390号(以下、FERM P-9390
という)として寄託されている。
なお、菌学的性質は、きわめて変異しやすく、自然的な
あるいは人工的な変異(たとえば紫外線照射、ニトロソ
グアニジンなどの変異剤の使用など)により変異するこ
とは周知の事実であるため、人工変異株はもちろん、自
然変異株も含めて、エス・ボヴィスに属する菌株はデキ
ストランスクラーゼ産生菌としてすべて本発明に使用す
ることができるものとする。
ロイクロースの製造にあたっては、まずエス・ボヴィス
に属するデキストランスクラーゼ産生菌をデキストラン
スクラーゼを誘導する炭素源を含む栄養培地に接種し
て、嫌気的に培養し、デキストランスクラーゼをうる。
デキストランスクラーゼ産生菌の培養に用いる栄養培地
としてはスクロース、グルコースなどデキストランスク
ラーゼを誘導できる糖類などの炭素源、硫酸アンモニウ
ム、硝酸アンモニウムなどの無機窒素源またはイースト
エキス、肉エキスなどの有機窒素源、塩化ナトリウム、
リン酸塩、塩化カルシウムなどの無機塩、その他必要に
応じて、微量のビオチンなどのビタミン類などを添加し
た培地が通常用いられ、培養方法としては液体培養が好
ましい。
とくに、炭素源としてはデキストランスクラーゼの精製
の妨害因子となり、また酵素活性の低下現象を引き起こ
すデキストランが生じないようにグルコースを用いるの
が好ましいが、培養液をそのまま酵素反応に供するばあ
いは酵素産生効率の高いスクロースを用いてもよい。
デキストランスクラーゼは、たとえばエス・ボヴィスに
属する148菌株を栄養培地に接種して、たとえば培地中
炭酸ガスを通じながら、温度は25〜50℃好ましくは40℃
付近で、pHはたとえばNa2CO3を添加しながら5〜7に好
ましくは6〜6.5に保持しながら培養し、対数増殖期の
終期で培養を終了させることにより、培養液中にえられ
る。
えられた培養液はそのままでも酵素反応に供することが
できるが、通常は培養終了後遠心分離などの操作で菌体
を除き、上澄液を使用する。さらに、その上澄液を通常
の精製方法にしたがって精製して使用してもよいし、さ
らにまた固定化して用いてもよい。
そのような精製方法としては、培養液中の酵素を直接セ
ファデックスゲル(Sephadex G-50〜200、ファルマ
シア・ファイン・ケミカルス社製)に特異的に吸着さ
せ、侠雑物を冷水にて洗浄除去したのち、酵素を溶出さ
せるものがあげられる。酵素はこの方法で電気泳動的に
ほぼ単一の状態にまで精製され、しかもこの精製酵素は
糖が全く検出されないという特異性の高いものである。
セファデックスゲルはG-50〜200(品番)のものが酵素
の吸着率が高く、最大でほぼ100%近い吸着率を示す。
吸着法にはバッチ法も可能であるが、好ましくはカラム
を用いた吸着法が良好な結果を示す。ゲルに対する酵素
の最大吸着量を分析したところ、セファデックスゲル(G
-200)1g(乾燥重量換算)あたり180,000単位(単位の
条件は後述)の酵素が吸着され、これは2の培地で産
生される酵素量に相当する。また、洗浄に用いる冷水
(5〜20℃)には、緩衝液などの適当な保護剤を添加す
れば酵素の安定化に効果がある。吸着された酵素の溶出
には、溶出液に様々な糖類を添加し、45℃で溶出させれ
ば効果的であるが、糖類を添加しない溶出液による45℃
の温水溶出でも約70%の溶出が可能である。
このようなセファデックスゲルへの効率的な吸着現象
や、またえられた酵素から糖が検出されないことなどは
本菌株の産生する酵素に特異的なものであり、エル・メ
センテロイデスにはみられない現象である。
つぎに、このようにしてえられたデキストランスクラー
ゼを用いてロイクロースを製造する方法について説明す
る。
本発明において、ロイクロース製造の基質としてはスク
ロースを用いる。また、受容体としてフルクトースの存
在下でスクロースを用いると効率よく単一のオリゴ糖と
してロイクロースが生成する。添加する糖類の濃度は、
酵素単位を考慮して決定すればよい。
ただし、スクロースに対するフルクトースのモル濃度比
が低いばあいには高分子のデキストランが主産物として
生じ、フルクトースのモル比を上げるにしたがいデキス
トラン合成が抑制され、ロイクロースの生成割合が増加
する傾向にある。なお、スクロースに対するフルクトー
スのモル比を1:4より大きくするとデキストラン合成
が抑制されるだけでなく、ロイクロース合成そのものも
抑制されることから、効率的なロイクロース生産にはス
クロースとフルクトースとのモル濃度比は1:1〜1:
4であるのが好ましい。
反応は通常20〜50℃で行なえばよいが、反応速度、酵素
の安定性の面から40℃付近で行なうのが好ましい。反応
液中のpHは5〜7好ましくは5.5〜6.5で反応させるとよ
い。また、反応時間は酵素単位および基質濃度で異なる
が、スクロースがほぼ消費されつくした時点で終了させ
る。その他反応促進のため微量の金属塩、たとえば塩化
カルシウムなどを添加することもできる。
えられたロイクロースは活性炭カラムによって分離精製
することができる。たとえば、活性炭を詰めたカラムに
酵素反応液を流し、ロイクロースおよびデキストランを
活性炭に吸着させる。ついで蒸留水でその活性炭を充分
に洗浄したのち、2〜4%のエチルアルコール水溶液を
流して目的とするロイクロースを分離精製する。
つぎに本発明を実施例を用いてさらに詳しく説明する
が、本発明はもとよりこれら実施例のみに限定されるも
のではない。
実施例においてえられた反応液を、以下の分析試験に供
した。
(高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCという)に
よる定量分析) イオン交換樹脂(IR(H+)120)などで脱イオンさせた酵素
反応液0.4mlをアセトニトリル1.5mlとメタノール0.2ml
との混合液に撹伴しながら加え、ついで遠心分離(15,0
00rpm×5min)後、上澄液1mlに内部標準液(0.2%ラク
トース水溶液)1mlを加え、0.45μm非水系フィルター
での処理によりHPLCに供するサンプルを調製した。この
10μをHPLCに供し、反応液中のフルクトース、グルコ
ース、スクロース、パラチノースおよびロイクロースを
同定し、定量した。
測定は、以下の分析条件を用いてトリロータIII(商品
名、日本分光(株)製)で行ない、検出器として高感度
示差屈折計(センシュー科学(株)製)を使用した。な
お、ロイクロースは約10.2分後に溶出した。
分析条件; カラム:センシュー・パックNH2-1251-N(商品名、セン
シュー科学(株)製)、4.6φ×250mm 流速:1ml/min カラム温度:30℃ 溶出液(容量比):アセトニトリル/水=7/3 またデキストランスクラーゼの酵素活性は、7.5%スク
ロース溶液(溶媒0.05Mリン酸緩衝液pH5.5)中で1時間
酵素反応を行なわせ、遊離するフラクトースをソモギ法
(ツチヤら、ジャーナル・オブ・バクテリオロジー(J.B
act.),64巻,521頁(1982)参照)で定量することにより
求められた。この反応条件で0.52mg/mlのフラクトース
を生成する酵素活性を1単位とした。
なお、反応液中に生成するデキストラン量は次の方法で
求められた。すなわち反応液1mlに蒸留水1mlを加え充
分に撹伴後、この溶液1mlに無水エタノール1mlを撹伴
しながら加え、遠心分離(15,000rpm×15min)後、沈殿
物を同エタノールで2度洗浄し、えられた沈殿物を蒸留
水で溶解し10mlに定容後、さらにここから0.5mlを採取
し10mlに定容を行ない、フェノール硫酸法にて定量した
糖量よりデキストラン量を推算した。
実施例1 2容のフラスコにグルコース50g、ポリペプトン10
g、イーストエキス5g、硫安2g、重曹3g、システ
イン塩酸塩0.5g、リン酸一カリウム2.25g、リン酸二
カリウム2.25g、NaCl 0.9g、MgSO4 0.09gおよびCaCl
2 0.09gを加え水道水1に溶解した。ついでフラスコ
に綿栓を施して120℃、15分間殺菌を行ない培地(以
下、(A)培地という)を調製した。
放冷後、炭酸ガスを無菌的に培地内に通じ、培養系を炭
酸ガスによる嫌気条件下にしたのち、同一組成培地にて
10時間前に培養したエス・ボヴィス148菌株(FERM P-939
0)20mlを(A)培地に植菌し、温度40℃で、Na2CO3を経時
的に添加してpHを6〜6.5に調整しながら培養した。培
養は対数増殖期の終期に入ったところで終了させ遠心分
離(10,000rpm×20min)により上澄液をえた。
上澄液を、一昼夜流水中で透析し、つぎに温度5〜10℃
でセファデックスゲル(G-200)カラム(30φ×300mm)に
流速2ml/minで流し、酵素を吸着させたのち、0.05Mリ
ン酸緩衝液(pH5.5)を同流速で流し洗浄を行なった。
さらにゲルをカラムから0.05Mリン酸緩衝液(pH5.5)でビ
ーカー内に洗い流し、これを45℃にまで加温したのち、
吸引濾過を行ない、濾紙上のゲルを45℃同緩衝液で洗浄
し、えられた濾液(約50ml)を酵素液として酵素反応に
用いた。
なおこのようにしてえられた酵素は電気泳動的に単一の
ものであった。
この精製酵素を用いて、ロイクロース生産におよぼす温
度、pH、金属塩の影響を調べた。
酵素反応は、5%スクロース水溶液2.0ml、0.05Mリン酸
緩衝液(pH5.0〜7.0)2.0ml、酵素液(100単位)0.5m
l、および蒸留水0.5mlの組成で24時間行なった。
温度の影響を調べるばあいは、pH5.5のリン酸緩衝液を
用い、10〜45℃の範囲で酵素反応を行なわせた。
pHの影響をみるばあいは、pH5.0〜7.0のリン酸緩衝液を
用い、40℃で反応を進めた。
また金属塩の影響をみるばあいは、蒸留水0.5mlのかわ
りに0.005Mの各種金属塩の水溶液(CaCl2、MgCl2、MnCl
2、FeSO4、CoCl2、CuSO4)0.5mlを用い、さらにpH5.5の
リン酸緩衝液のもと40℃で反応を行なわせた。
酵素反応によりえられたオリゴ糖は活性炭カラムを用い
て分離精製され、その加水分解物についてHPLCで分析し
た結果グルコースとフルクトースよりなる二糖類である
ことが明らかにされた。またこのオリゴ糖は、同じくグ
ルコースとフルクトースよりなる二糖類であるスクロー
スやパラチノースともクロマト的に明らかに異なってお
り、HPLCにより、ロイクロースと同定された。
なお、えられた反応液中に残存するスクロースと生成し
たロイクロースをHPLCで、また生成したデキストランを
前記フェノール硫酸法で分析し、その結果を、生成した
ロイクロース量のスクロースの消費量および初期添加量
に対する収率(対糖収率)とともに第1表に示す。
実施例2 実施例1と同様に、精製酵素を用い、ロイクロース生産
における基質(スクロース)濃度と、受容体(フルクト
ース)添加量の影響をみた。
酵素反応は、スクロース水溶液またはスクロース・フル
クトース混合水溶液2.0ml、0.125Mリン酸緩衝液(pH5.5)
2.0ml、酵素液(100単位)0.5ml、および蒸留水0.5mlの
組成で、40℃、24時間行なった。
基質濃度の影響は、1.25〜25%のスクロース水溶液を最
終濃度が第2表に示す濃度になるように用いて調べた。
また、受容体添加量の影響は、スクロース最終濃度が5
%と10%のばあいのそれぞれについてスクロースに対し
てフルクトースがモル濃度比で1:0.25〜1:4の範囲
で混合している水溶液を用いて調べた。
いずれの反応系においても、単一のオリゴ糖が生成した
が、受容体無添加区に比べ受容体添加区ではオリゴ糖の
生成率が高い結果となった。
酵素反応によりえられたオリゴ糖は活性炭カラムを用い
て分離精製され、その加水分解物についてHPLCで分析し
た結果グルコースとフルクトースよりなる二糖類である
ことが明らかにされた。またこのオリゴ糖は、同じくグ
ルコースとフルクトースよりなる二糖類であるスクロー
スやパラチノースともクロマト的に明らかに異なってお
り、HPLCにより、ロイクロースと同定された。
なお、えられた反応液中に残存するスクロースと生成し
たロイクロースをHPLCで、また生成したデキストランを
前記フェノール硫酸法で分析し、その結果を、生成した
ロイクロース量のスクロースの消費量および初期添加量
に対する収率(対糖収率)とともに第2表に示す。
〔発明の効果〕 本発明の方法は、医薬、食品工業の分野での幅広い用途
が期待されるロイクロースを高収量でしかも迅速に製造
しうるという効果を奏する。
また、本発明の方法は、デキストランスクラーゼ産生菌
として、その培養に高価な栄養成分を必要としないスト
レプトコッカス・ボヴィスを使用するので経済的にすぐ
れている。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ストレプトコッカス・ボヴィスをデキスト
    ランスクラーゼを誘導する炭素源を含む培地で嫌気的に
    培養し、産生されたデキストランスクラーゼをスクロー
    スと、あるいは受容体の存在下でスクロースと反応させ
    ることを特徴とするストレプトコッカス・ボヴィスの産
    生するデキストランスクラーゼによるロイクロースの製
    造法。
  2. 【請求項2】前記ストレプトコッカス・ボヴィスとし
    て、ストレプトコッカス・ボヴィスに属する148菌株(FE
    RM P-9390)を用いる特許請求の範囲第1項記載の製造
    法。
  3. 【請求項3】前記炭素源がグルコースまたはスクロース
    である特許請求の範囲第1項または第2項記載の製造
    法。
  4. 【請求項4】前記受容体がフルクトースである特許請求
    の範囲第1項または第2項記載の製造法。
  5. 【請求項5】前記スクロースとフルクトースとのモル濃
    度比が1:1〜1:4である特許請求の範囲第4項記載
    の製造法。
JP14191087A 1987-06-06 1987-06-06 ストレプトコッカス・ボヴィスの産生するデキストランスクラ−ゼによるロイクロ−スの製造法 Expired - Lifetime JPH0650987B2 (ja)

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