JPH0650960B2 - 同期発電機のディジタル制御自動電圧調整器 - Google Patents
同期発電機のディジタル制御自動電圧調整器Info
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- JPH0650960B2 JPH0650960B2 JP3102360A JP10236091A JPH0650960B2 JP H0650960 B2 JPH0650960 B2 JP H0650960B2 JP 3102360 A JP3102360 A JP 3102360A JP 10236091 A JP10236091 A JP 10236091A JP H0650960 B2 JPH0650960 B2 JP H0650960B2
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Description
【0001】[発明の目的]
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は同期発電機の励磁装置に
係わり、簡単な制御回路の構成で電力系統に与える電力
変動を小さくできる同期発電機のディジタル制御自動電
圧調整器に関する。
係わり、簡単な制御回路の構成で電力系統に与える電力
変動を小さくできる同期発電機のディジタル制御自動電
圧調整器に関する。
【0003】
【従来の技術】同期発電機は、界磁回路に流す励磁電流
を調節することにより簡単に端子電圧を制御することが
できるため多数使用されている。また、負荷や回転数が
一定の場合は、励磁電流を一定にすると端子電圧も一定
となるが、負荷や回転数が変化すると端子電圧は変化す
る。従って、通常は発電機の端子電圧が所望の一定値に
なるように励磁電流を調節する自動電圧調整器(以下A
VRという)が用いられている。
を調節することにより簡単に端子電圧を制御することが
できるため多数使用されている。また、負荷や回転数が
一定の場合は、励磁電流を一定にすると端子電圧も一定
となるが、負荷や回転数が変化すると端子電圧は変化す
る。従って、通常は発電機の端子電圧が所望の一定値に
なるように励磁電流を調節する自動電圧調整器(以下A
VRという)が用いられている。
【0004】ところで、従来のAVRはアナログ回路で
構成されていたが、マイクロコンピュータ技術の進歩に
より、最近のAVRはマイクロコンピュータで制御演算
を行うディジタル制御方式のものが増加している。
構成されていたが、マイクロコンピュータ技術の進歩に
より、最近のAVRはマイクロコンピュータで制御演算
を行うディジタル制御方式のものが増加している。
【0005】図2は一般的に用いられている発電装置の
構成図である。同図において、1は同期発電機、2は回
転整流器、3は励磁機、4はAVR、10は給電線、1
1は遮断器である。また、AVR4は電力増幅器5、電
圧検出器6、電圧設定器7、ディジタル制御器8および
位相制御器9より構成されている。まず、図2を参照し
て一般的な同期発電機の端子電圧制御方法を説明する。
構成図である。同図において、1は同期発電機、2は回
転整流器、3は励磁機、4はAVR、10は給電線、1
1は遮断器である。また、AVR4は電力増幅器5、電
圧検出器6、電圧設定器7、ディジタル制御器8および
位相制御器9より構成されている。まず、図2を参照し
て一般的な同期発電機の端子電圧制御方法を説明する。
【0006】電圧設定器7は、同期発電機1の端子電圧
指令値を設定する設定器である。この端子電圧指令値
は、電圧検出器6により検出される同期発電機1の端子
電圧検出信号と共に、ディジタル制御器8に入力され
る。ディジタル制御器8では、両信号の誤差を増幅して
励磁電圧指令値として位相制御器9に出力する。位相制
御器9は、電力増幅器5の出力電圧が指令された値にな
るよう電力増幅器6を制御する。以上の構成により、同
期発電機1の端子電圧検出値が端子電圧指令値の値より
小さければ、界磁電圧を大きくして界磁電流を増し、同
期発電機端子電圧を増加させる。逆に、同期発電機1の
端子電圧検出信号が端子電圧指令値より大きければ、界
磁電圧を小さくして界磁電流を減らし、同期発電機1の
端子電圧を減少させる。これにより同期発電機1の端子
電圧を一定に保つ。
指令値を設定する設定器である。この端子電圧指令値
は、電圧検出器6により検出される同期発電機1の端子
電圧検出信号と共に、ディジタル制御器8に入力され
る。ディジタル制御器8では、両信号の誤差を増幅して
励磁電圧指令値として位相制御器9に出力する。位相制
御器9は、電力増幅器5の出力電圧が指令された値にな
るよう電力増幅器6を制御する。以上の構成により、同
期発電機1の端子電圧検出値が端子電圧指令値の値より
小さければ、界磁電圧を大きくして界磁電流を増し、同
期発電機端子電圧を増加させる。逆に、同期発電機1の
端子電圧検出信号が端子電圧指令値より大きければ、界
磁電圧を小さくして界磁電流を減らし、同期発電機1の
端子電圧を減少させる。これにより同期発電機1の端子
電圧を一定に保つ。
【0007】図3は、このような発電装置における従来
のディジタル制御器8の構成を示した図である。同図に
示すように、ディジタル制御器8は、A/D変換回路8
1とCPU82と第1インターフェース回路83と第2
インターフェース回路84とから構成されている。CP
U82は内部に記憶されているプログラムを実行して制
御演算を行うマイクロコンピュータで、各制御演算のプ
ログラムは一定のサイクルで繰り返し実行されることに
より従来のアナログ制御回路と等価な動作をする。85
〜89はCPU82内で実行される制御演算をデータの
流れに沿って表した機能ブロックであり、85は偏差演
算、86は積分演算、87は比例演算、88は微分演
算、89は加算演算を行うものである。
のディジタル制御器8の構成を示した図である。同図に
示すように、ディジタル制御器8は、A/D変換回路8
1とCPU82と第1インターフェース回路83と第2
インターフェース回路84とから構成されている。CP
U82は内部に記憶されているプログラムを実行して制
御演算を行うマイクロコンピュータで、各制御演算のプ
ログラムは一定のサイクルで繰り返し実行されることに
より従来のアナログ制御回路と等価な動作をする。85
〜89はCPU82内で実行される制御演算をデータの
流れに沿って表した機能ブロックであり、85は偏差演
算、86は積分演算、87は比例演算、88は微分演
算、89は加算演算を行うものである。
【0008】次に、図3に従って従来のディジタル制御
器の動作を詳細に説明する。電圧設定器7により設定さ
れた端子電圧指令値は第1のインターフェース回路83
によりCPU82に取り込まれる。また電圧検出器6に
より検出される端子電圧検出信号はアナログ信号である
ので、A/D変換器81によりディジタル信号の端子電
圧検出値に変換されてCPU82に取り込まれる。CP
U82では入力された端子電圧指令値と端子電圧検出値
の偏差を偏差演算85により演算する。さらに偏差は積
分演算86により積分増幅され、また比例演算87によ
り比例増幅され、また微分演算88により微分増幅さ
れ、そして加算演算89により加算されて励磁電圧指令
値となる。励磁電圧指令値は第2インターフェース回路
84を通して位相制御器9に送られる。
器の動作を詳細に説明する。電圧設定器7により設定さ
れた端子電圧指令値は第1のインターフェース回路83
によりCPU82に取り込まれる。また電圧検出器6に
より検出される端子電圧検出信号はアナログ信号である
ので、A/D変換器81によりディジタル信号の端子電
圧検出値に変換されてCPU82に取り込まれる。CP
U82では入力された端子電圧指令値と端子電圧検出値
の偏差を偏差演算85により演算する。さらに偏差は積
分演算86により積分増幅され、また比例演算87によ
り比例増幅され、また微分演算88により微分増幅さ
れ、そして加算演算89により加算されて励磁電圧指令
値となる。励磁電圧指令値は第2インターフェース回路
84を通して位相制御器9に送られる。
【0009】しかして、AVRの特性を評価する一つの
大きなポイントとして応答の問題がある。応答を速くす
るためにディジタル制御器8には、同期発電機1、励磁
機3がもつ遅れを補償する伝達関数が与えられている。
CPU82の制御演算の周期をTs、ある時点での端子
電圧指令値をVgon、端子電圧検出値をVgn、偏差
をΔVgn、積分増幅の積分値をSn、励磁電圧指令値
をVanとすると、85〜89の制御演算は(1),
(2),(3)式となる。
大きなポイントとして応答の問題がある。応答を速くす
るためにディジタル制御器8には、同期発電機1、励磁
機3がもつ遅れを補償する伝達関数が与えられている。
CPU82の制御演算の周期をTs、ある時点での端子
電圧指令値をVgon、端子電圧検出値をVgn、偏差
をΔVgn、積分増幅の積分値をSn、励磁電圧指令値
をVanとすると、85〜89の制御演算は(1),
(2),(3)式となる。
【0010】
【数1】
【0011】ここでTsを10mS程度に小さくすると
ディジタル制御による演算時間遅れは無視でき、アナロ
グ制御回路と同等の応答を得ることができる。
ディジタル制御による演算時間遅れは無視でき、アナロ
グ制御回路と同等の応答を得ることができる。
【0012】また、上記した応答の問題の他にもう一つ
の大きなポイントとして定常制御精度の問題がある。図
3の制御方式では端子電圧設定値をCPU82内のディ
ジタル値として設定することが可能であり、端子電圧設
定値はノイズやドリフトなどの外乱の影響は受けない。
端子電圧検出値のデータや制御演算時の各データもCP
U内では外乱の影響を受けないので、定常制御精度を決
める要因は電圧検出器6とA/D変換器81の特性であ
る。これらは定常制御精度の仕様値を満足するような特
性のものを使用している。
の大きなポイントとして定常制御精度の問題がある。図
3の制御方式では端子電圧設定値をCPU82内のディ
ジタル値として設定することが可能であり、端子電圧設
定値はノイズやドリフトなどの外乱の影響は受けない。
端子電圧検出値のデータや制御演算時の各データもCP
U内では外乱の影響を受けないので、定常制御精度を決
める要因は電圧検出器6とA/D変換器81の特性であ
る。これらは定常制御精度の仕様値を満足するような特
性のものを使用している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の同期発電機のAVRでは、制御応答はアナログ制御と
同等のものが得られるが、発電機の端子電圧のリップル
がアナログ制御に比べて大きくなるという問題があっ
た。その原因は量子化誤差が微分演算に大きな影響を及
ぼすことである。図3のA/D変換器81は有限の分解
能であり、通常は端子電圧検出器100%が1000カ
ウント程度のものが用いられる。このとき1カウントは
0.1%であり、通常要求される端子電圧制御精度は1
%程度なので、端子電圧平均値の制御には充分な分解能
である。しかし、(3)式より分かるように、Tsが1
0mSでは微分演算に1/Tsの100倍のゲインがか
かる。比例演算にはTsは影響せず、積分演算にはTs
の0.01倍のゲインがかかるので端子電圧検出値の分
解能の影響は少ない。主として微分演算により、端子電
圧検出値の±1カウントの変化が励磁電圧指令を大きく
振らしてしまう。例えば(1)式のKdが小さい1の時
でも端子電圧検出値の0.1%の変化は、励磁電圧指令
値を約10%も変化させる。この現象はアナログ制御回
路とは異なるものである。例えばゆっくりと10秒で端
子電圧が0.1%変化した場合、アナログ制御回路では
分解能が無限小であり、瞬時瞬時に理論どおりの微分増
幅が行われる。しかしディジタル制御では10秒の内の
ある10mS間に0.1%の端子電圧変化が起こりその
他の時間では端子電圧は一定であったように動作する。
したがって、その10mSでは励磁電圧指令値を必要以
上に大きく動かし、それが外乱となって端子電圧のリッ
プルとなる。端子電圧リップルに対し発電電力のリップ
ルは通常10倍程度となる。端子電圧の0.1%のリッ
プルは1%の電力リップルとなり、電力系統に悪影響を
及ぼす。この対策としてA/D変換器の分解能を上げ
て、1カウントの重みを小さくすることが考えられる。
分解能を10倍に上げると端子電圧の変化は0.01%
毎に検出でき、電力変化は0.1%程度に抑えることが
できる。しかしその為には非常に高価な高分解能のA/
D変換器が必要となり、また回路も複雑になるなどの問
題があり、実現は難しかった。本発明は、上記事情に鑑
みてなされたもので、その目的は簡単な構成で励磁電圧
指令値のリップルを下げることができ、これにより発電
機端子電圧および電力のリップルを小さくすることので
きる同期発電機のディジタル制御自動電圧調整器を提供
することにある。
の同期発電機のAVRでは、制御応答はアナログ制御と
同等のものが得られるが、発電機の端子電圧のリップル
がアナログ制御に比べて大きくなるという問題があっ
た。その原因は量子化誤差が微分演算に大きな影響を及
ぼすことである。図3のA/D変換器81は有限の分解
能であり、通常は端子電圧検出器100%が1000カ
ウント程度のものが用いられる。このとき1カウントは
0.1%であり、通常要求される端子電圧制御精度は1
%程度なので、端子電圧平均値の制御には充分な分解能
である。しかし、(3)式より分かるように、Tsが1
0mSでは微分演算に1/Tsの100倍のゲインがか
かる。比例演算にはTsは影響せず、積分演算にはTs
の0.01倍のゲインがかかるので端子電圧検出値の分
解能の影響は少ない。主として微分演算により、端子電
圧検出値の±1カウントの変化が励磁電圧指令を大きく
振らしてしまう。例えば(1)式のKdが小さい1の時
でも端子電圧検出値の0.1%の変化は、励磁電圧指令
値を約10%も変化させる。この現象はアナログ制御回
路とは異なるものである。例えばゆっくりと10秒で端
子電圧が0.1%変化した場合、アナログ制御回路では
分解能が無限小であり、瞬時瞬時に理論どおりの微分増
幅が行われる。しかしディジタル制御では10秒の内の
ある10mS間に0.1%の端子電圧変化が起こりその
他の時間では端子電圧は一定であったように動作する。
したがって、その10mSでは励磁電圧指令値を必要以
上に大きく動かし、それが外乱となって端子電圧のリッ
プルとなる。端子電圧リップルに対し発電電力のリップ
ルは通常10倍程度となる。端子電圧の0.1%のリッ
プルは1%の電力リップルとなり、電力系統に悪影響を
及ぼす。この対策としてA/D変換器の分解能を上げ
て、1カウントの重みを小さくすることが考えられる。
分解能を10倍に上げると端子電圧の変化は0.01%
毎に検出でき、電力変化は0.1%程度に抑えることが
できる。しかしその為には非常に高価な高分解能のA/
D変換器が必要となり、また回路も複雑になるなどの問
題があり、実現は難しかった。本発明は、上記事情に鑑
みてなされたもので、その目的は簡単な構成で励磁電圧
指令値のリップルを下げることができ、これにより発電
機端子電圧および電力のリップルを小さくすることので
きる同期発電機のディジタル制御自動電圧調整器を提供
することにある。
【0014】[発明の構成]
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、同期発電機の端子電圧を検出する電圧検出
器と、前記同期発電機の端子電圧指令値を与える電圧設
定器と、前記端子電圧検出信号をディジタル値に変換し
前記端子電圧指令値との偏差をディジタル値で演算して
第1の端子電圧偏差を得,それを偏差増幅演算して励磁
電圧指令値を得るディジタル制御器と、前記同期発電機
に励磁電流を供給する電力増幅器と、前記励磁電圧指令
値に応じ前記電力増幅器の出力電圧を制御する位相制御
器とからなり、前記同期発電機の端子電圧を端子電圧指
令値に制御する同期発電機のディジタル制御自動電圧調
整器において、前記ディジタル制御器内に前記端子電圧
指令値をアナログ信号に変換するディジタル/アナログ
変換器と前記ディジタル/アナログ変換器からの信号と
前記端子電圧検出信号との偏差をアナログ値で求め所定
の増幅率にて増幅する偏差増幅器を設け、前記偏差増幅
器の出力信号をディジタル値に変換し第2の端子電圧偏
差を得るとともに前記偏差増幅演算の内,積分増幅演算
は前記第1の端子電圧偏差を用いて行い、微分増幅演算
は前記第2の端子電圧偏差を用いて行うことを特徴とす
る。
するために、同期発電機の端子電圧を検出する電圧検出
器と、前記同期発電機の端子電圧指令値を与える電圧設
定器と、前記端子電圧検出信号をディジタル値に変換し
前記端子電圧指令値との偏差をディジタル値で演算して
第1の端子電圧偏差を得,それを偏差増幅演算して励磁
電圧指令値を得るディジタル制御器と、前記同期発電機
に励磁電流を供給する電力増幅器と、前記励磁電圧指令
値に応じ前記電力増幅器の出力電圧を制御する位相制御
器とからなり、前記同期発電機の端子電圧を端子電圧指
令値に制御する同期発電機のディジタル制御自動電圧調
整器において、前記ディジタル制御器内に前記端子電圧
指令値をアナログ信号に変換するディジタル/アナログ
変換器と前記ディジタル/アナログ変換器からの信号と
前記端子電圧検出信号との偏差をアナログ値で求め所定
の増幅率にて増幅する偏差増幅器を設け、前記偏差増幅
器の出力信号をディジタル値に変換し第2の端子電圧偏
差を得るとともに前記偏差増幅演算の内,積分増幅演算
は前記第1の端子電圧偏差を用いて行い、微分増幅演算
は前記第2の端子電圧偏差を用いて行うことを特徴とす
る。
【0016】
【作用】本発明によれば、端子電圧制御系の微分演算の
端子電圧検出分解能を上げることができるので、励磁電
圧指令値のリップルを下げることができ、これにより発
電機端子電圧および電力のリップルを小さくできる。ま
た、本発明の自動電圧調整器の構成も簡単でかつ装置全
体の価格を低く抑えることができる。
端子電圧検出分解能を上げることができるので、励磁電
圧指令値のリップルを下げることができ、これにより発
電機端子電圧および電力のリップルを小さくできる。ま
た、本発明の自動電圧調整器の構成も簡単でかつ装置全
体の価格を低く抑えることができる。
【0017】次に、本発明の基本的な考え方について説
明する。AVRの特性を評価する大きなポイントとして
応答と定常制御精度の特性があるのはすでに述べた。本
発明は従来の装置で特性が得られているこの点はそのま
ま維持し、従来の装置で問題となっている端子電圧リッ
プルについて改善を行うものであるから、その回路構成
も簡単なもので大幅なコスト増加にはならない。端子電
圧制御の応答を高速にするためには従来と同じ(1),
(2),(3)式の制御演算を行えばよい。また、定常
制御精度に影響するのは制御演算の内、積分演算である
ので、積分演算の精度が従来制御回路と同レベルに確保
されておればよい。このため積分演算に用いるデータの
流れと、積分演算方法は従来の装置と同様とする。端子
電圧リップルに最も影響を与えるのは微分演算である。
端子電圧リップルを抑えるには微分演算に用いる端子電
圧検出値の分解能を上げればよい。積分演算、比例演算
に用いる端子電圧検出値の分解能をも上げることは、高
分解能、高精度のA/D変換器を用いることとなり、大
きなコストアップとなる。微分演算は前回のサンプリン
グの端子電圧偏差と今回のサンプリングの端子電圧偏差
の相対的変化であり、端子電圧検出値の絶対的精度は必
要ではない。微分演算の精度は端子電圧制御に関係する
が、数%の誤差まではほとんど応答に関係ない。これに
より低コストの装置を用いることができる。
明する。AVRの特性を評価する大きなポイントとして
応答と定常制御精度の特性があるのはすでに述べた。本
発明は従来の装置で特性が得られているこの点はそのま
ま維持し、従来の装置で問題となっている端子電圧リッ
プルについて改善を行うものであるから、その回路構成
も簡単なもので大幅なコスト増加にはならない。端子電
圧制御の応答を高速にするためには従来と同じ(1),
(2),(3)式の制御演算を行えばよい。また、定常
制御精度に影響するのは制御演算の内、積分演算である
ので、積分演算の精度が従来制御回路と同レベルに確保
されておればよい。このため積分演算に用いるデータの
流れと、積分演算方法は従来の装置と同様とする。端子
電圧リップルに最も影響を与えるのは微分演算である。
端子電圧リップルを抑えるには微分演算に用いる端子電
圧検出値の分解能を上げればよい。積分演算、比例演算
に用いる端子電圧検出値の分解能をも上げることは、高
分解能、高精度のA/D変換器を用いることとなり、大
きなコストアップとなる。微分演算は前回のサンプリン
グの端子電圧偏差と今回のサンプリングの端子電圧偏差
の相対的変化であり、端子電圧検出値の絶対的精度は必
要ではない。微分演算の精度は端子電圧制御に関係する
が、数%の誤差まではほとんど応答に関係ない。これに
より低コストの装置を用いることができる。
【0018】
【実施例】図1は本発明の一実施例である同期発電機の
自動電圧調整器のディジタル制御器の構成図である。図
1において、図2、図3と同一の番号のものは同一の構
成要素を示す。また、90はD/A変換器、91は偏差
増幅器、92はバイアス回路である。
自動電圧調整器のディジタル制御器の構成図である。図
1において、図2、図3と同一の番号のものは同一の構
成要素を示す。また、90はD/A変換器、91は偏差
増幅器、92はバイアス回路である。
【0019】以下、図1に従って本発明の自動電圧調整
器について説明する。電圧設定器7により設定された端
子電圧指令値は、第1インターフェース回路83により
CPU82に取り込まれる。電圧検出器6により検出さ
れる端子電圧検出信号は、A/D変換器81によりディ
ジタル信号の端子電圧検出値に変換されてCPU82に
取り込まれる。CPU82は端子電圧指令値と端子電圧
検出値の差である第1の端子電圧偏差を計算し、積分演
算と比例演算に使用する。
器について説明する。電圧設定器7により設定された端
子電圧指令値は、第1インターフェース回路83により
CPU82に取り込まれる。電圧検出器6により検出さ
れる端子電圧検出信号は、A/D変換器81によりディ
ジタル信号の端子電圧検出値に変換されてCPU82に
取り込まれる。CPU82は端子電圧指令値と端子電圧
検出値の差である第1の端子電圧偏差を計算し、積分演
算と比例演算に使用する。
【0020】一方、端子電圧指令値はD/A変換器90
によりアナログ信号に変換され偏差増幅器91に入力さ
れる。偏差増幅器91ではこの信号とアナログ信号の端
子電圧検出信号との偏差をとり、それにゲインKddを
掛けて増幅する。さらにバイアス回路92によりA/D
変換器の入力電圧レベルに合うよう正電圧のバイアスを
加え、A/D変換器81に入力される。そしてA/D変
換器81でディジタル信号に変換され第2の端子電圧偏
差信号として微分演算に用いられる。この場合第2の端
子電圧偏差信号は予想される端子電圧偏差の最大値をカ
バーしておればよく、フルスパンで−10〜10%程度
あれば充分である。これに対し通常の端子電圧検出信号
はオーバーシュートを見込むとフルスパンで0〜150
%程度は検出する必要がある。そのためA/D変換器を
共用する図1の構成では、微分演算に用いる端子電圧検
出値はKdd=7.5として7.5倍に増幅することが
でき、分解能は従来に比べ7.5倍となる。またD/A
変換器90からの端子電圧指令信号はバイアスがかかっ
た値でもいいので、端子電圧指令値の変化幅だけに対応
して変化すればよく、フルスパンで90〜110%程度
の変化に対応したものでよい。前述のように精度も必要
無いため、端子電圧設定値の分解能を0.1%ステップ
としても安価な8ビットD/A変換器で充分である。ま
た偏差増幅器91も一般的なOPアンプ回路でよく安価
な回路構成でよい。
によりアナログ信号に変換され偏差増幅器91に入力さ
れる。偏差増幅器91ではこの信号とアナログ信号の端
子電圧検出信号との偏差をとり、それにゲインKddを
掛けて増幅する。さらにバイアス回路92によりA/D
変換器の入力電圧レベルに合うよう正電圧のバイアスを
加え、A/D変換器81に入力される。そしてA/D変
換器81でディジタル信号に変換され第2の端子電圧偏
差信号として微分演算に用いられる。この場合第2の端
子電圧偏差信号は予想される端子電圧偏差の最大値をカ
バーしておればよく、フルスパンで−10〜10%程度
あれば充分である。これに対し通常の端子電圧検出信号
はオーバーシュートを見込むとフルスパンで0〜150
%程度は検出する必要がある。そのためA/D変換器を
共用する図1の構成では、微分演算に用いる端子電圧検
出値はKdd=7.5として7.5倍に増幅することが
でき、分解能は従来に比べ7.5倍となる。またD/A
変換器90からの端子電圧指令信号はバイアスがかかっ
た値でもいいので、端子電圧指令値の変化幅だけに対応
して変化すればよく、フルスパンで90〜110%程度
の変化に対応したものでよい。前述のように精度も必要
無いため、端子電圧設定値の分解能を0.1%ステップ
としても安価な8ビットD/A変換器で充分である。ま
た偏差増幅器91も一般的なOPアンプ回路でよく安価
な回路構成でよい。
【0021】上記実施例では第1の端子電圧偏差により
制御演算の比例増幅の演算を行う例について述べたが、
これに限るものではなく比例増幅演算も分解能を上げた
第2の端子電圧偏差を用いてもよい。また上記実施例で
は励磁方式は他励の場合について示したが、それ以外の
励磁方式でもよい。
制御演算の比例増幅の演算を行う例について述べたが、
これに限るものではなく比例増幅演算も分解能を上げた
第2の端子電圧偏差を用いてもよい。また上記実施例で
は励磁方式は他励の場合について示したが、それ以外の
励磁方式でもよい。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば同
期発電機の自動電圧調整器において、安価な回路構成に
より制御演算の微分演算の為の端子電圧検出値を高分解
能で検出できるので、発電機端子電圧のリップルを小さ
くすることができ、かつ電力リップルも小さくすること
ができるという優れた効果を奏する。
期発電機の自動電圧調整器において、安価な回路構成に
より制御演算の微分演算の為の端子電圧検出値を高分解
能で検出できるので、発電機端子電圧のリップルを小さ
くすることができ、かつ電力リップルも小さくすること
ができるという優れた効果を奏する。
【図1】本発明の一実施例の同期発電機の自動電圧調整
器のディジタル制御器のブロック構成図。
器のディジタル制御器のブロック構成図。
【図2】一般的な発電装置のブロック構成図。
【図3】従来のディジタル制御器のブロック構成図。
1…同期発電機、2…回転整流器、3…励磁機、4…A
VR、5…電力増幅器、6…電圧検出器、7…電圧設定
器、8…ディジタル制御器、9…位相制御器、81…A
/D変換回路、82…CPU、83…第1インターフェ
ース回路、84…第2インターフェース回路、90…D
/A変換器、91…偏差増幅器、92…バイアス回路。
VR、5…電力増幅器、6…電圧検出器、7…電圧設定
器、8…ディジタル制御器、9…位相制御器、81…A
/D変換回路、82…CPU、83…第1インターフェ
ース回路、84…第2インターフェース回路、90…D
/A変換器、91…偏差増幅器、92…バイアス回路。
Claims (1)
- 【請求項1】 同期発電機の端子電圧を検出する電圧検
出器と、前記同期発電機の端子電圧指令値を与える電圧
設定器と、前記端子電圧検出信号をディジタル値に変換
し前記端子電圧指令値との偏差をディジタル値で演算し
て第1の端子電圧偏差を得,それを偏差増幅演算して励
磁電圧指令値を得るディジタル制御器と、前記同期発電
機に励磁電流を供給する電力増幅器と、前記励磁電圧指
令値に応じ前記電力増幅器の出力電圧を制御する位相制
御器とからなり、前記同期発電機の端子電圧を端子電圧
指令値に制御する同期発電機のディジタル制御自動電圧
調整器において、前記ディジタル制御器内に前記端子電
圧指令値をアナログ信号に変換するディジタル/アナロ
グ変換器と前記ディジタル/アナログ変換器からの信号
と前記端子電圧検出信号との偏差をアナログ値で求め所
定の増幅率にて増幅する偏差増幅器を設け、前記偏差増
幅器の出力信号をディジタル値に変換し第2の端子電圧
偏差を得るとともに前記偏差増幅演算の内,積分増幅演
算は前記第1の端子電圧偏差を用いて行い、微分増幅演
算は前記第2の端子電圧偏差を用いて行うことを特徴と
する同期発電機のディジタル制御自動電圧調整器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3102360A JPH0650960B2 (ja) | 1991-05-08 | 1991-05-08 | 同期発電機のディジタル制御自動電圧調整器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3102360A JPH0650960B2 (ja) | 1991-05-08 | 1991-05-08 | 同期発電機のディジタル制御自動電圧調整器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04334999A JPH04334999A (ja) | 1992-11-24 |
JPH0650960B2 true JPH0650960B2 (ja) | 1994-06-29 |
Family
ID=14325297
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3102360A Expired - Fee Related JPH0650960B2 (ja) | 1991-05-08 | 1991-05-08 | 同期発電機のディジタル制御自動電圧調整器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0650960B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9535481B2 (en) | 2012-02-20 | 2017-01-03 | Engineered Electric Company | Power grid remote access |
-
1991
- 1991-05-08 JP JP3102360A patent/JPH0650960B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04334999A (ja) | 1992-11-24 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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