JPH06505496A - 活性因子x111の活性化を阻害するための組成物と方法 - Google Patents

活性因子x111の活性化を阻害するための組成物と方法

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JPH06505496A
JPH06505496A JP4508318A JP50831892A JPH06505496A JP H06505496 A JPH06505496 A JP H06505496A JP 4508318 A JP4508318 A JP 4508318A JP 50831892 A JP50831892 A JP 50831892A JP H06505496 A JPH06505496 A JP H06505496A
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マツエダ,ガリー・アール
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 活性因子XIIIの活性化を阻害するための組成物と方法本願は、1991年3 月11日に出願された米国特許出願第07/667296号の一部継続出願であ り、該米国特許出願の開示はすべて本明細書の一部を模本発明は心筋梗塞、深静 脈血栓症、肺塞栓、大脳血管血栓症または患者内の何らかの血栓過程の治療に関 する。また、より一般的には、本発明はタン1<り質加水分解的切断によって活 性化されなければならない前駆体型で存在する何ら力1のタンパク質(例えばチ モーゲン)の阻害に関する。さらに、本発明は活性型の因子XIIIを検出する 方法に関する。
発明の背景 多くの心筋梗塞(心臓発作)の最初の事象はアテローム性動脈硬化斑への出血で ある。このような出血はしばしば冠状動脈内での血栓(または血塊)の形成をも たらし、これが梗塞域(即ち、血流の妨害がもたらす凝固壊死の領域)を供給す る。
この血栓はフィブリンと血小板の組み合わせからなる。フィブリン−血小板塊の 形成は重大な臨床的派生効果を有する。ライブ1血小板塊板塊がもたらす閉塞の 程度と持続時間は梗塞域の量と損傷の程度を決定する。
心筋梗塞に関する現在の治療の主な目標には閉塞している血栓の迅速な溶解と血 流の回復(「再潅流」)が含まれる。好結果な療法とは、その療法の停止後に血 塊の再形成が起こらないように、持続的な効果が可能でなければならなL)。フ ィブリン−血小板塊の再形成が可能であるとすれば、冒された動脈は再び閉塞さ れることになり得る。
循環系の他の部分におけるフイブIルー血小板塊の形成は抗凝固剤(ヘノ<1フ ンなど)の使用によって部分的に防止することができる。残念ながら、血管閉塞 の程度(「狭窄」の程度)が70%以上である心筋梗塞患者、とりわけ重度残渣 冠状狭重症の患者中の再閉塞の防止にヘパリンが普遍的に有効であるということ は知られていない。
ある個体が医学的な補助を受け得る前にフィブリン−血小板塊を形成させていた とすれば、血栓溶解剤の使用によってその進境を溶解することができる。血栓溶 解剤は、フィブリン−血小板血栓を溶解することによって、冒された血管に再び 血液を通らせることができる薬物である。そのような薬剤にはストレプトキナー ゼ、プロウロキナーゼ、ウロキナーゼおよび組織型プラスミノーゲン活性化因子 が含まれる(ガンツ、ダブリュら、 J、 7user、 Ca11. Car diol、 1 :1247−1253(1983) ;■ ントロブ、ケイ・ピーら、Amer、 J、 Cardiol、 54+29E −31E(1984) ;ゴールド、エイチ・ケイら、 Amer、 J、 C ardiol、 53:122C−125C(1984))。
血栓溶解剤による治療はしばしば心筋梗塞を妨害するに足るほど迅速に冠状血流 をうまく回復させることができる。残念ながら、溶解したフィブリン−血小板塊 は、かなりの数の患者中で、そのような血栓溶解療法の停止後に再形成すること が知られている。この再形成は冒された血管の再閉塞をもたらすことがあり、そ れゆえに重要な関心事である(ゴールド、エイチ・ケイら、Amer、 J、  Cardiol、 53:122C−125C(1984) ;ゴールド、エイ チ・ケイら、Ci、rculation 68:l−50−I−54(1983 ))。
したがって、ストレプトキナーゼ治療は研究された症例の約85%のフィブリン 塊を成功裏に溶解することが知られているが、調査された患者の約25%に冒さ れた血管の再閉塞が起こることがわかっている(ゴールド、エイチ・ケイら、  C1rculation 68:l5O−E54(1’183))。
組織型プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)はストレプトキナーゼやウロキ ナーゼより強い(絶対的ではないが)フィブリンへの特異性を示すので、組織型 プラスミノーゲンはストレプトキナーゼやウロキナーゼより望ましい血栓溶解剤 と見なされている(フェルストレード、エムらルancet 1:142(19 85))。組織型プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)は血漿からの迅速な 配備速度を伴う進境特異的な血栓溶解剤である。組織型プラスミノーゲン活性化 因子(t−PA)は急性心筋梗塞の患者に有効な血栓溶解剤であり、研究された 患者の約70%において45〜75分内に冠状再流(即ち、狭窄の減少)をもた らすことが知られている(ゴールド、エイチ・ケイら、C1rculation  73:347−352(1986))。
t−PAを使用することの恩恵はt−PA療法の停止後に起こる急性再閉塞の自 然発生率によってかなり相殺される。ゴールド、エイチ・ケイとその共同研究者 らはt−PA療法の停止が研究された患者の約45%に冒された血管の再閉塞を もたらすことを発見している(Circulation 73:347−352 (1986))、 t −P A投与量の増大が冠状動脈再閉塞の傾向を減じる ということは知られていない。トロンビン進境再形成の可能性が残渣冠状狭窄症 の程度(即ち血管閉鎖の程度)に密接に関連しているということは重要である。
したがって、高程度狭窄症(即ち70%以上の定量的狭窄症または80%以上の 非定量的狭窄症)が起こった個体では再閉塞の可能性がかなり高い。t−PAの 連続的な注入によって血管の再閉塞が抑制されることが知られている(ゴールド 、エイチ・ケイら、C1rculation 73:347−352(1986 ))。残念ながら、t−PAの比較的短い生物学的半減期と一部の患者で重度の 出血を起こす傾向が増大するという潜在的可能性がt−PAの連続的注入を多く の心臓発作患者にとって非実用的にしている。
要するに、溶解した血栓がt−PA注入の停止後にしばしば再形成するが(ゴー ルド、エイチ・ケイら、C1rculation 73:347−352(19 86))、かなり低い投与量であるがかなり長い期間にわたる第2の(「維持J )t−PA注入を行うことによって、そのような再閉塞の頻度を最小限にできる ことが臨床的な研究によって示されている。現在のところ、そのような維持注入 を受けている患者にとってヘパリンは適切な付随療法であると認識されている。
したがってt−PAによる冠状動脈血栓症(凝固)の治療は、迅速な再潅流を得 るための高速の連続的注入と高程度残渣狭窄症の患者における再閉塞を防止する ためのより低い投与量での維持注入を必要とする。
進境は様々な比率のフィブリンと血小板で構成される。血液凝固における基本的 な反応は可溶性血漿タンパク質(フィブリノーゲン)の不溶性フィブリンへの変 換を伴う。フィブリノーゲンのフィブリンへの変換はセリンプロテアーゼである 酵素トロンビンによって触媒される。次いでフィブリン分子は因子XIIIによ って、そのガンマおよびアルファ鎖を介して他のフィブリン分子に広範に架橋さ れる。さらに、α−アンチプラスミンが因子XIIIによってフィブリンに架橋 される。
これらの架橋事象は共に、血栓溶解に対して高度に耐性な進境をもたらす。進境 形成の一般的な作用機序はガノング、ダブリュ・エフによってrReview  of MedicaI PhysiologyJ 、第9版、ランゲ、カリフォ ルニア州ロス・アルトス、411〜414頁(1979)に概説されている。血 小板は血液中に存在する円盤状の構造物であって、フィブリンと共に不溶性塊中 に組み込まれること、並びに、追加の因子XIILフィブリンおよびC2−アン チプラスミンにフィブリノーゲンのフィブリンへの変換速度の増進作用を与える ことによって、進境の形成に寄与する。血小板は心筋梗塞における進境の形成に 寄与し、血栓溶解剤を用いる治療によって再潅流している冠状動脈を再閉塞させ る進境の主要成分である。
活性型の因子XIII(フィブリン安定化因子)は血液凝固カスケードの最終段 階におけるフィブリン単量体の架橋の原因である。因子XIIIはC2−アンチ プラスミンを血漿進境中のフィブリンに架橋することによって、プラスミンとプ ラスミノーゲン活性化因子に対して耐性な進境を作る。フィブリンの架橋とフィ ブリン、フィブロネクチンおよびコラーゲン間の架橋は、進境を安定化させ、創 傷治癒を促進する際に重要な役割を果たしているようである。モシャーら、 J 、 Biol、 CheIll、 255:1181−1188(1980)。
血漿因子X IIIは二量体として連結している2つのAサブユニットと2つの 弱く結合しているBサブユニットからなる四量体である。シュワルツら、 J、  Biol、 Chell、 284 : 1395−1407(1973)。
血漿因子XIIIは、フィブリンポリマー中の隣接するユニットのγ−鎖問およ びこれらサブユニットのα−鎮間にγ−グルタミルーε−リジル結合を導入する ことによって、フィブリンを架橋する。
チェノら、 Proc、 Natl^cad、 Sci、 US^66:472 −479(1970)。
因子XIIIのAサブユニットとBサブユニットについてはクローン化と配列決 定がなされている。イチノセら、 Biocheo+1stry 25+690 0−6906(1986) :グンドマンら、 Proc、 Natl、 Ac ad、 Sci、 US^83:8024−8028(1986) +イチノセ ら、 Biochem奄唐狽窒凵@25 :4633−4638(1986)。
凝固の間、因子XIIIのAサブユニット・チモーゲンは、トロンビンが触媒す るアミノ末端ペプチド(4kDa)の切断によって活性化される。活性化された Aサブユニットは基質ポリペプチド間のペプチド結合の形成を触媒する。Bサブ ユニットは既知の触媒活性を有しておらず、Aサブユニットを迅速な分解から保 護することがわかっている。
因子XIIIはプラスミン、血小板およびある種の組織中に位置する凝固系のプ ロ酵素である。凝固の末端相で活性化されると、それは凝固の末端相におけるト ランスグルタミナーゼとして機能し、フィブリンを化学的に架橋する。因子XI I■活性は正常な止血には必須であり、血栓症と創傷治癒において重要な役割を 果たしていると思われる。
進境の溶解はインビボではプラスミンによって媒介される。自然の条件下で、プ ラスミノーゲンは組織プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)によってプラス ミンに変換される。活性化はフィブリンの表面上で起こるので、タンパク質加水 分解活性は適当な部位に限定される。プラスミンが循環系中に放出されると、そ れは迅速に天然の阻害因子と組合わされる。プラスミンの不活化は望ましくない タンパク質加水分解から保護する過程において最終の必須段階である。そのよう なプラスミン阻害因子にはα−2−アンチプラスミン、α−2−マクログロブリ ンおよびα−1−アンチトリプシンが含まれ、これらはすべて糖タンノくり質で ある。α−2−アンチプラスミンはプラスミンに対してα−2−マクログロブリ ンよりはるかに高い親和性を有し、プラスミンと1.1の比率で特異的に結合す る。α−マクログロブリンのより大きい貯蔵はリザーバー阻害因子として作用す る。カーノ。
ケイ・ケイ、^nn、 C11n、 Lab、 Sci、 14 :443−4 49(1984)。したがってt−PAの投与による進境の溶解は、プラスミン 阻害因子による迅速で不可逆的なプラスミンの不活化によって制約される。
利用可能な血栓溶解剤はすべて未だにかなりの欠点をもっており、それらの欠点 には治療的に有効であるためには高い投与量を必要とすること、フィブリン特異 性の制約、それらが逆説的に血小板を活性化し、凝固を増大させ得るという事実 による出血合併症の点で残存する毒性が含まれる。心血管疾患は未だに疾病の主 な原因である。現在の薬剤はすべて治療の間またはその後に血管の血栓的再閉塞 を伴う。したがって単独で、もしくは既知の血栓溶解剤と組み合わせて使用する ことができる新しい薬剤が現在も必要とされている。フィブリノーゲンの分解を 最小限にし、また、冒された冠状動脈の再閉塞を防止しつつ、進境の溶解を増進 する血栓溶解療法の改善がめられている。
発明の要約 本発明の一側面は前駆体タンパク質の活性化および/またはその活性型を阻害す るために使用することができる組成物を提供する。これらの阻害組成物は活性化 の間に切断される前駆体タンパク質上の部位に結合する。
またインビボおよびインビトロで前駆体タンパク質を阻害または検出するために これらの組成物を使用する方法をも提供する。
さらに、阻害組成物として作用するモノクローナル抗体を発生させることができ るペプチド抗原をも提供する。
本発明は心筋梗塞や患者内の進境の治療に有用である。
さらに本発明は活性型の因子X IIIの検出法をも提供する。
図面の説明 図1は因子XIIIの活性型に特異的なモノクローナル抗体の結合特異性を表す 本発明の一側面は前駆体タンパク質の活性化および/または活性状態を阻害する ための独特の手段を提供する。この手段には前駆体タンパク質の切断部位に結合 することができる新規な組成物の使用が含まれる。
本明細書では「前駆体タンパク質」という用語を用いて、正常な細胞過程によっ てインビボで2またはそれ以上のタンパク質に切断され、少なくともそのうちの 1つは特定の生物学的活性を有するというタンパク質を表現する。前駆体タンパ ク質の切断産物には、いったん切断され、ると認識し得る活性または機能を持た ない1またはそれ以上のペプチドが含まれ得る。前駆体タンパク質はそれ自体が 生物学的に活性であってもよいし、不活性であってもよい。
特定の生物学的活性を有する前駆体タンパク質の切断産物を、ここでは成熟また は活性タンパク質もしくは前駆体タンパク質の活性型と呼ぶ。
前駆体タンパク質は1またはそれ以上の成熟タンパク質に切断され得る。単一の 成熟タンパク質を含有する前駆体タンパク質は成熟タンパク質と同じ名前で知ら れているのが通例である。
前駆体タンパク質の例にはチモーゲン、分泌タンパク質、およびポリシストロン 性mRNAから誘導される融合タンパク質、信号発生にタンパク質加水分解的切 断を必要とする受容体(例えばトロンビン受容体)が含まれるが、これらに限定 されるものではない。
チモーゲンは成熟タンパク質に結合した活性化ペプチドから構成される酵素前駆 体タンパク質である。活性化ペプチドを含有するタンパク質は主として不活性で ある。活性化ペプチドが切断されると成熟タンパク質が活性化される。チモーゲ ンノ具体例にはヒト凝固因子VII、lX5XSXI、XII、 XIII、プ ロトロンビン、プロティンC1トリプシノーゲン、キモトリプシンなどが含まれ る。他の前駆体タンパク質には、活性であるために酵素切断を必要とするタンパ ク質、例えばホルモンまたは薬剤(例;心房性ナトリウム利尿因子、エンドセリ ン)、活性受容体(例ニトロンビン受容体)あるいは凝固タンパク質(例:フィ ブリノーゲン)などが含まれる。
チモーゲンと同様に、ここに記述する種類の分泌タンパク質もその前駆体タンパ ク質状態ではアミノ末端ペプチドを含有しており、これが切断除去されて成熟タ ンパク質が生成する。しかしシグナルペプチドとして知られている分泌タンパク 質のアミノ末端ペプチドは成熟タンパク質の輸送/分泌を容易にする。シグナル ペプチドが切断されないと、(例えば抗体について報告されているように)その タンパク質の機能が損なわれ得る。
ポリンストロン性mRNAの翻訳産物は前駆体タンパク質の第3の形態である。
このタイプは翻訳過程の結果としてその末端で融合した2またはそれ以上の成熟 タンパク質から構成される。これら前駆体タンパク質の翻訳後の切断によって個 々の成熟タンパク質が放出される。多くの原核タンパク質およびウィルスタンパ ク質はこのような方法でポリシストロン性mRNAから生産される(フライフィ ールド、ディ、 Mo1eclular Biology ; A Compr ehensive Introductfon to Pr盾汲≠窒凵B tes and Eukaryotes、 478〜480頁、ジョーンズ・ア ンド・バートレット、インコーボレテッド編(1983) ;ピンカス、xス・ イーら、 Mo1ecular Biology of RNA、 175〜1 80頁、エム・イノウニおよびビー・ニス・ドユドック編(1987)を参照の こと)。この種類の前駆体タンパク質の具体例にはポリオウィルスポリプロティ ンなどが含まれる。
本明細書において前駆体タンパク質の活性化とは、少なくとも1つの活性タンパ ク質を含む各成分部分への切断を意味する。前駆体タンパク質の切断される領域 (実際の切断部位といずれかの側に隣接するアミノ酸配列を含む)を本明細書で は切断部位という。前駆体タンパク質は1またはそれ以上の切断部位を有し得る 。
本発明は前駆体タンパク質の切断部位またはその近傍を結合することができる組 成物を提供する。即ち、本組成物は切断部位、切断部位のアミノ末端側またはカ ルボキシ末端側、あるいは活性部位に対して空間的に密接に近接するアミノ酸に さえ結合することができる。本明細書ではこれらの組成物を阻害剤(阻害因子) 、阻害剤組成物および阻害組成物とも呼ぶ。これらの組成物にはポリクローナル 抗体、モノクローナル抗体、抗体断片(Fabなどを含む)、単一鎖抗体などを 含むが、これらに限定されない。このような阻害剤は、標的タンパク質の切断部 位の配列を模倣するアミノ酸配列であって、活性化酵素にとって代替的な阻害基 質として作用するアミノ酸配列からなってもよい。
前駆体タンパク質に対する阻害剤組成物の結合は、酵素の切断部位への接近を遮 断し得る。そのように作用する場合、この遮断は前駆体タンパク質の切断を減じ 、本発明組成物の阻害効果を少なくとも部分的には説明し得る。しかしこの阻害 効果の原因を他の作用機序に帰することができ、本発明がいかなる特定の作用機 序にも限定されないことは認識されるところである。
本発明の阻害組成物は前駆体タンパク質の成熟型をも直接妨害し得る。この妨害 は、前駆体タンパク質の成熟型が保持している切断部位のアミノ酸配列に対する 阻害剤組成物の結合の結果として潜在的に起こり得る。しかし上述のように他の 阻害作用機序も考え得る。
さらに本発明は本発明の阻害剤組成物を獲得もしくは生成させる際に有用なペプ チドをも提供する。これらのペプチドは抗原として作用して本発明の阻害剤組成 物である抗体を発生させるものであり、ここではこれらをペプチド抗原と呼ぶ。
上述のようにペプチド抗原は前駆体タンパク質の切断部位もしくはその近傍に対 応する。好ましくは、阻害を所望する成熟タンパク質中に保持される切断部位の アミノ酸配列が含まれる。
切断部位または他の部位を模倣するペプチドであればどのような長さであっても 本発明の阻害剤組成物である抗体を発生させるためのペプチド抗原として使用す ることができる。一般にこれらのペプチド抗原は約6アミノ酸ないし約20アミ ノ酸からなり、より一般的には約8アミノ酸ないし約10アミノ酸からなる。
本発明のペプチド抗原は、当業者がよ(知っている標準的なタンパク質単離法お よびタンパク質分画法を用いて、前駆体タンパク質または成熟タンパク質から直 接得ることができる。
別法として、0.1〜1.0mMolアミン/g−ポリマーを含有するコポリ( スチレン−ジビニルベンゼン)を用いて、メリフィールド、 J、 Am、 C he+a、 Soc、 85:2149(1962)やステユアートおよびヤン グがrsolid Phase Peptides 5ynthesisJ ( フリーマン、サンフランシスコ、 1969)の27〜62頁に記述している公 知の固相ペプチド合成によって本発明のペプチド抗原を合成することもできる。
化学合成が完結したら、0℃で約1/4−1時間の液体HF−10%アニソール 処理によって、ペプチドを脱保護し、ポリマーから切断することができる。試薬 の留去後、1%酢酸溶液を用いてペプチドをポリマーから抽出し、次いでそれを 凍結乾燥することによって粗製物質を得る。これは通常、5%酢酸を溶媒として 用いるセファデックスG−15でのゲル濾過などの技術で精製することができる 。このカラムの適当な画分を凍結乾燥して均一なペプチドもしくはそれらの誘導 体を得、次いでそれをアミノ酸分析、薄層クロマトグラフィー、高性能液体クロ マトグラフィー、紫外線吸収分光分析、モル旋光度、溶解度、および固相エドマ ン分解による定量を用いて特徴づける(マツエダ、ジー・アール、ハーバ−、イ ーおよびマーゴリース。
エム・エヌ、Biochemistry 20:2571(1981))。
合成と単離の技術は上述の文献や米国特許第4269827号(これは参考文献 として本明細書の一部を構成する)に詳細に記述されている。合成の間または合 成後に、システィンを3.4−ジメチルベンジル(DMB)で、アルギニンとヒ スチジンをトシル(TO8)で、アスパラギン酸とグルタミン酸をベンジル(B zl)で、またリジンを2−クロロ−ベンジルオキシカルボニル(2−CBZ) で遮断することが好ましいということに注意すべきである。他の保護遮断基もよ く知られており、本発明で使用することができる。
合成ペプチド抗原については実際の切断配列をいずれかの1または数アミノ酸残 基で置換してもよく、それでも本発明の抗体を発生させるであろう。したがって 本発明はそのような機能的に等価な配列をも包含する。
様々な長さのペプチド抗原は(N末端の)遊離アミンもしくはその酸付加塩の形 態であり得る。一般的な酸付加塩はハロゲン化水素酸塩、即ちHBr、HI、よ り好ましくはHCIである。
当業者には理解されるであろうように、ペプチド抗原のアミノ酸残基は保護され た形態でも非保護の形態でも存在し得る。また、適当なアミノ保護基またはカル ボキシ保護基を用いることもできる。またペプチド抗原をそのN末端領域または カルボキン末端領域で伸長させて、切断部位の追加のアミノ酸残基を含有さゼて もよいことは認識されるところである。
切断部位のアミノ酸配列は多くの前駆体タンパク質について利用可能である。
これらの部位に対応するペプチド抗原は上述の技術に従って合成することができ る。そのような前駆体タンパク質の例には因子VIII、プロティンC(フォス クーら、 PNAS US^82:4673(1985))、因子IX(ヨシタ ケら、 Biochemistry 24:3736(1985))、因子X( vクマレンら、Biochemistry 22:2875(1983))、プ ロトロンビン(デジエンら、Biochemistry 22:2087(19 85))および因子VIII(ヴエハーら、Nature 3]2:337(1 984))が含まれるが、こわらに限定されない。
切断部位のアミノ酸配列が利用できない場合には、当業者に公知の標準的なアミ ノ酸配列決定技術でそれを得ることができる(エドマン、ビーら、 Eur、  J、 Biochem。
1 :8O−91(1967))。切断部位が既知でない場合には、前駆体タン パク質のアミノ酸配列をその切断生成物、とりわけ成熟タンパク質と比較するこ とによってそれを決定することができる。また活性化酵素の切断特異性を知るこ とによって、タンパク質のcDNA配列から切断部位を限定することもできる。
必要な情報を得たら、これらの部位に対応する抗原を上述の技術に従って合成す ることができる。
感作および/または免疫化、細胞融合、腹水生産、混合したハイブリドーマの選 別、もしくはモノクローナルハイブリドーマのサブクローニングの技術を用いて 本発明の抗体阻害剤組成物を発生させるために、本発明のペプチド抗原を使用す ることができる。これらの技術は当該技術分野で一般的によく知られている。
例えばコブロウスキーら、米国特許第4172124号、コブロウスキーら、米 国特許第4196265号、ワンズら、米国特許第4271145号またはrC o叩Cndium of Immunol、ogyJ第1I巻、エル・シュワル ツ編(1981)中のドゥイラード、ジェイ・ワイおよびホフマン、ティ、Ba 5ic Facts about Hybridomas(これらの文献は参考 文献として本明細書の一部を構成する)などが注目を引く。
一般に、精製されたユピトーブペプチドは、連結橋を介して免疫原性タンパク! (例えばマレイミドベンゾイル化した(MB)キーホール・リムベット・ヘモシ アニン(KLH)など)にそのペプチド抗原を一方回的に結合させるために、そ のC−またはN−末端にシスティンを結合している。例えばアルブミンなどの他 の免疫原性複合体も使用できる。さらに、グルタルアルデヒドやカルボジイミド ビスジアゾ化ベンズアミジンなどの他の結合技術によって、ペプチド抗原を他の 担体タンパク質に結合させることもできる(バーロー、イーおよびレーン、ディ 、 Antib。
dies、 A Laboratory Manual、コールド・スプリング ・ハーバ−・ラボラトリ−(1988))。得られた構造物は1つのタンパク質 分子に連結した数個のペプチド構造をとり得る。
適当な免疫化技術によって、本発明のペプチド抗原に対して免疫化された体細胞 系を得ることができる。通常は、上述のようにタンパク質複合体の形態にある抗 原を、適当な方法で(好ましくは腹腔内、静脈内、皮下注射で、もしくは足内バ ッドによって)投与することにより宿主を感作する。その免疫化プロトコールに アジュバントを含めてもよい。ウィルス、細菌または他の細胞も使用できる。
抗原を結合したタンパク質による最初の免疫化に続けて数回の追加免疫注射を数 週間の間隔で定期的に行うことができる。次に、当業者がよく知っている手法に よって、宿主から免疫化された体細胞を定期的に得る。次に、各宿主の血漿中に 含有される抗体を標的前駆体タンパク質に対するその特異性について試験するこ とができる。通常、最も高い抗前駆体タンパク質応答を有する宿主が、抗体分泌 体細胞の供給源として最も望ましい。ペプチド−タンパク質複合体の追加量を静 脈内および/または腹腔内経路で繰り返し注射することによって、超免疫を達成 することができる。
次に、前駆体タンパク質活性を阻害することができる抗前駆体タンパク質特異的 抗体を分泌することができるハイブリドーマを作成するために、免疫化された体 細胞(好ましくは肺臓細胞)をもう1つの細胞系と融合しなければならない。融 合用のもう1つの細胞系を選択する際に考慮すべき因子のいくつかは、迅速で均 一な成長特性、成長培地の特定の成分中での成長のための代謝的欠損、および良 好な融合頻度についての潜在的能力である。悪性細胞はとりわけ融合に適してい ることがわかっている。
このような細胞系が由来する種も重要な因子である。マウス、ラット、ハムスタ ーおよびヒト骨髄腫系を含むいくつかの細胞系が利用可能であり、これらはハイ ブリドーマの作成にとって好ましい。様々な融合剤を使用することによって細胞 融合を誘発することができる。ポリエチレングリコールおよびウィルスが誘発す る融合は特に効率がよく、好ましい薬剤である。
体細胞融合と7ゾブリドーマ細胞系の樹立にとって好ましい条件はコーラ−およ びミリスタイン、Nature(London) 256:496(1975) に報告されているものであり、上記文献は参考文献として本明細書の一部を構成 する。
体細胞の生産にとって好ましい宿主はマウス、とりわけBALB/cまたはAJ である。体細胞融合によってハイブリドーマ細胞系を樹立する目的にとってとり わけ適している悪性細胞は骨髄腫細胞系、特にSp2/’OおよびN5−1系で ある。
適当なハイブリッドの迅速な同定はあらゆるハイブリドーマ実験において重要な 手法である。ハイブリドーマ抗体の初期検出は適当な検定法のいずれかによって 行うことができ、特に好ましいものは放射線免疫検定法や酵素免疫検定法などで ある。
ハイブリドーマの維持は適当な選択成長培地を使用することによって達成される 。通常、支持細胞と共に標準的な組織培養培地が好まれる。ハイブリッドを馬ま たは生血清中もしくは血清非含培地中などで成長させることができる。
融合によって得られたハイブリッドは不均質なコロニーである。ある与えられた 機能を発現させる均一な細胞系を得るためには、これらのコロニーをクローン化 することが好ましい。クローン化とは単一の親細胞からの細胞系の成長(即ちモ ノクローナル拡張)を達成する過程を意味する。このようなりローン化は、アガ ロース技術によるなど、適当な技術のいずれかを用いて達成することができる。
組織培養フラスコ中で成長した抗体を分泌するハイブリッドは、通常約1〜30 μg/mlの範囲内にある様々な抗体濃度の上清を与える。したがって、好まし くは炎症性腹水を伴う動物中にハイブリッドを移すことによって、より高い収量 を得る。ハイブリドーマの腹腔内注射か、もしくは他の適当な方法によって腹水 を誘発することが好ましい。
ハイブリドーマの保存は重要であり、適当な技術のいずれかによって達成するこ とができる。好ましい方法は、サブクローニングすること、あるいは融合後初期 のハイブリドーマの適当量を凍結すること、並びに、必要に応じてその細胞集団 を再クローニングすることである。
本明細書で用いられる「ハイブリドーマ」という用語は本明細書に記述する体細 胞融合の技術によって得られるハイブリッド細胞を意味し、そのようにして得ら れたハイブリッドは因子XIII活性を阻害することができる抗因子XIII抗 体を生産する能力を有している。
本明細書で用いられる「モノクローナル抗体」という用語は、単一の親ハイブリ ドーマから誘導されたクローン化された細胞コロニーの均一な系によって生産さ れる抗体を意味する。
上述したモノクローナル抗体を得る方法の他にも、抗体または抗体断片を生産す る他の方法がある。このような方法のいずれを使用しても本発明の抗体を作成し 得ることは認識されるところである。例えばバーロウおよびレーン、^ntib odieS:八Laboratorへ Manual、コールド・スプリング・ ハーバ−・ラボラトリ−、ニューヨーク州コールド・スプリング・ハーバ−(1 988) ;ディビスら、Biotechnology 9:165−169( 1991) ;ブクナーおよびラドルフ、BioTechonology 9: 157−162(1991)およびこれらに引用されている文献を参照のこと。
モノクローナルハイブリドーマを調製し終えたら、その上清から所望の抗体を単 離することは当該技術分野では日常的な実験の問題に過ぎない。塩沈殿、ゲルク ロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグ ラフィーなどのよく知られている技術を用いて実質上純粋な形態で抗体を得るこ とができる。「実質上純粋な形態」という表現は、他のタンパク質、異なる特異 性を有する他の抗体、核酸、多糖、細胞断片などの非モノクローナル抗体不純物 をその抗体が基本的に含有していないことを意味する。抗体は可溶型でも使用で きるし、あるいは水性および可溶性固相上に固定化して不溶化した抗体を得るこ ともできる。
本明細書で用いる「エピトープ」という用語は、配列が、それらが現れる時の配 置にある該配列に対して特異的に結合する抗体を発生させることができる特有の 配置で並べられている、あるタンパク質に特有の特定のアミノ酸配列を意味する 。発生させる抗体は同じアミノ酸配列であってもそれらが異なる配置または順序 で現れる時にはそれを結合することができない。
組換えまたは他の技術によってポリクローナルまたはモノクローナルの抗体を「 擬人化」(即ちヒト中で非免疫原性に)することができる。例えば抗体の免疫原 性部分を、対応するけれども非免疫原性の部分で置換することによって擬人化抗 体を製造することができる。そのようなキメラ抗体に関する議論については、例 えばロビンソンら、公開PCT/US86102269、アキラら、EPA18 4187、タニグチ、エム、EPA171496、モリソンら、EPA1734 94、ヌウベルガーら、PCT Wo 86101533、カビリーら、EPA 125023、ペターら、5cience 240:1041−1042(19 88) :リウら、 Proc、 Natl、^cad、 Sci、 tS^ 83:3439−3443(1987)、ウッドら、 Nature 314: 446−449およびシャクら、 J、 Natl、 Ca■ cer In5t、 80:1553−1559(198g)を参照のこと。「 擬人化」キメラ抗体の一般的概説はモリソン、ニス・エル、5cience 2 29:1202−1207(1985)およびディら、 BioTechniq ues 4:214(1986)に述べられている。
本発明の方法によって製造される本発明の抗体阻害剤は、このような抗体につい て普通に記述される無数の応用のいずれにも使用することができる。例えば、前 駆体タンパク質に関する放射線免疫検定法や酵素結合免疫検定法の開発にこれら の抗体を使用することができる。前駆体タンパク質を精製するための免疫親和性 リガンドとしてこれらの抗体を使用することもできる。さらに、臨床的試料など の中の前駆体タンパク質または活性化されたタンパク質種をインビトロで検出す るためにこれらの抗体を使用することもできる。
本発明のモノクローナル抗体を結合させることができ、前駆体タンパク質の存在 を検出する際に使用できる担体は数多くある。よく知られている担体にはガラス 、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、ア ミラーゼ、天然のセルロース、修飾したセルロース、ポリアクリルアミド、アガ ロースおよび磁鉄鉱が含まれる。本発明の目的にとって、担体の性質はある程度 可溶性であってもよいし、不溶性であってもよい。当業者はモノクロナール抗体 を結合するのに適した他の担体を数多(知るであろうし、日常的な実験を用いて それを確かめることができるであろう。
本発明で用いる「抗体」という用語は、完全な抗体と共に、抗原を結合すること ができるその断片、例えばFab、Fv、F(ab)2などを包含するものとす る。
当業者に知られている異なるラベルとラベル化法は数多くある。本発明で使用す ることができるラベルの種類の例には酵素、放射性同位体、蛍光化合物、化学発 光化合物、生物発光化合物および金属キレート剤が含まれる。当業者はモノクロ ーナル抗体への結合に適した他のラベルを知っているであろうし、また日常的な 実験を用いてそれを確かめることができるであろう。さらに、モノクローナル抗 体に対するこれらのラベルの結合は当業者にはなじみの深い標準的な技術を用い て行うことができる。
本発明のモノクローナル抗体を検出可能にラベルする方法の1つはモノクローナ ル抗体を酵素に連結することである。次にこの酵素は、後にその基質にさらされ た時に、例えば分光光度測定法や蛍光測定法などによって検出することができる 化学的部分を生成するような様式で基質と反応するであろう。検出可能にラベル するために使用することができる酵素の例はマレート・デヒドロゲナーゼ、スタ フィロコツカル・ヌクレアーゼ、デルタ−5−ステロイド・イソメラーゼ、酵母 アルコール・デヒドロゲナーゼ、アルファーグリセロホスフェート・デヒドロゲ ナーゼ、トリオセ・ホスフェート・イソメラーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ 、アルカリ性ホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコース・オキシダーゼ、 ベーターガラクトンダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グル コース−6−ホスフェート・デヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼおよびアセチ ルコリン・エステラーゼである。
検出可能にラベルされたモノクローナル抗体の存在はモノクローナル抗体を放射 性同位体でラベルすることによっても検出することができる。次いで放射性同位 体の存在をガンマ計数器やシンチレーション計数器などの手段で決定することカ テキル。特i:有用す同位体1t”H,+2’ 1 % ”’ I 、 32P s 3sS% ”C1”Cr。
sa(]、5tCo、511(:o、5apeおよび?3seである。
モノクローナル抗体を蛍光化合物でラベルすることによって、検出可能にラベル されたモノクローナル抗体の結合を検出することもできる。蛍光的にラベルされ たモノクローナル抗体を適切な波長の光にさらすと、その色素の蛍光ゆえにその 存在を検出することができる。最も一般的に使用される蛍光ラベル化合物のなか にはフルオレセイン・イソチオシアネート、ローダミン、フィコエリスリン、フ ィコシアニン、アロフィコシアニン、0−フタルアルデヒドおよびフルオレサミ ンがある。
1!12Euやその他のランタニド系列などの蛍光発光金属を用いて本発明のモ ノクローナル抗体を検出可能にラベルすることもできる。これらの金属はジエチ レントリアミンペンタ酢酸(DTPA)やエチレンジアミンテトラ酢酸(EDT A)などの金属キレート基を用いてモノクローナル抗体に結合させることができ る。
モノクローナル抗体を検出可能にラベルすることができるもう1つの方法は、そ れを化学発光化合物に結合させることである。次いで、化学反応の過程で生じる 発光(ルミネセンス)の存在を検出することによって、化学発光標識モノクロー ナル抗体の存在を決定することができる。特に有用な化学発光ラベル化合物の例 はルミノール、イソルミノール、芳香族アクリジニウムエステル、イミダゾール 、アクリジニウム塩およびシュウ酸エステルである。
同様に、生物発光化合物を用いてモノクローナル抗体をラベルすることもできる 。生物発光は生物系に認められる特殊な種類の化学発光であり、生物発光におい ては触媒的タンパク質が化学発光反応の効率を増大させる。生物発光でラベルさ れたモノクローナル抗体の存在は発光(ルミネセンス)の存在を検出することに よって決定することができる。ラベル化の目的にとって重要な生物発光化合物は ルンフエリン、ルシフェラーゼおよびエクオリンである。
やはりかなり高い感度をもたらし得るもう1つの技術は、抗体を低分子量のハプ テンに結合することからなる。次いで第2の反応を利用することによってこれら のハプテンを特異的に検出することができる。例えばビオチン(アビジンと反応 する)やジニトロフェノール、ピリドキサールおよびフルオレサミン(特異的抗 ハブテン抗体と反応する)などのハプテンをこの方法で使用することが一般的で ある。
医薬的に有用な組成物を調製するための公知の方法に従って、例えば医薬的に許 容される担体賦形剤と混合することなどによって、抗体もしくは抗体断片の形態 にある本発明の阻害剤組成物を製剤化することもできる。適当な賦形剤とそれら の製剤は例えばRemington’ s Phar+waceutical  5cience(第16版、オソル、エイ編。
マック、ペンンルバニア州イーストン(1980))などに記述されている。効 果的な投与に適する医薬的に許容される組成物を形成させるために、そのような 組成物はハプテン結合分子または血栓溶解剤の有効量を単独で、もしくは適当な 量の担体賦形剤と共に含有するであろう。
さらなる医薬的方法を用いて作用の持続時間を制御することができる。放出が制 御された調製物は、本発明の抗体または抗体断片−阻害剤組成物を錆化もしくは 吸収するためにポリマーを使用することによって達成され得る。送達の制御は適 当な巨大分子(例えばポリエステル、ポリアミノ酸、ポリビニルピロリドン、エ チレンビニルアセテート、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまた は硫酸プロタミン)を選択することによって達成することができる。薬物放出の 速度はそのような巨大分子の濃度を変化させることによっても制御することがで きる。作用の持続時間を制御するためのもう1つの考え得る方法は、ポリエステ ル、ポリアミノ酸、ヒドロゲル、ポリ(乳酸)またはエチレンビニルアセテート 共重合体などのポリマー物質の粒子中に治療剤を組み込むことからなる。別法と して、例えばコアセルベーション技術や界面重合によって(それぞれ例えばヒド ロキシメチルセルロースまたはゼラチンマイクロカプセルまたはポリ(メチルメ タクリレート)マイクロカプセルの使用によって)調製されたマイクロカプセル 、あるいはコロイド薬物送達系、例えばリポソーム、アルブミン微小球、マイク ロエマルジョン、ナノ粒子、ナノカプセル、あるいはマクロエマルジョン中に治 療剤を封入することもできる。このような教示はRe+oington’ s  Pb+rmaceutical Sc’1ences(1980)に開示されて いる。
本発明の阻害組成物が治療的に有効な量で個体に投与されるであろうことは予期 されることである。即ち、標的タンパク質の活性化を阻害するに足る量である。
阻害組成物の有効量は個体の体重、性別、年齢および医学的経緯によって変化す るであろう。有効量に影響を与えるその他の因子には患者の状態の重篤度、特定 の個体または標的組織中の阻害されるべき標的タンパク質の濃度、阻害組成物お よび標的タンパク質の安定性、阻害組成物と標的タンパク質の間の相互作用の速 度論、活性化酵素の濃度、活性化酵素阻害因子の存在、阻害化合物に対する過去 の暴露、腎臓病などが含まれ得るが、これらに限定されない。一般に阻害組成物 は約15から約50μg/ml/血液までの範囲の投与量で、より一般的には約 15μg/ml/血液から約30μg/ml/血液までの範囲の投与量で投与さ れるであろう。
医薬的に調製された本発明の阻害組成物は当該技術分野でよ(知られている手段 で患者に与えることができる。そのような導入手段には経口手段、鼻孔内手段、 皮下手段、筋肉内手段、静脈内手段、動脈内手段または非経口手段が含まれる。
注射可能なポーラスを調製するために、何らかの生理学的に許容される液体に本 発明の阻害分子を溶解することができる。標準的食塩水に該分子を溶解すること によってそのようなポーラスを調製することが好ましい。
上述のように、本発明の抗体分子にはモノクローナル抗体とその断片の両方が含 まれる。ある状況下では免疫グロブリンのFc部分が引き起こす免疫学的反応を 最小限にするために、そのような抗体のF(ab)、F(ab’)2またはFv 断片を使用することが好ましいこともある。
モノクローナル抗体の形態にある本発明の阻害組成物はキットの調製に理想的に 適している。そのようなキットはバイアル、チューブなどの1またはそれ以上の 容器手段を入れてしっかりと固定するために区画された担体手段からなり、該容 器手段のそれぞれは使用される免疫検定法または画像化法の別個の要素を含む。
キットの形態に組み込むことができる免疫検定法の種類は数多い。本発明の抗体 を使用することができる免疫検定法のいくつかの典型例は競争的検定法および免 疫測定的またはサンドイッチ免疫検定法である。
本発明はとりわけ心筋梗塞と患者内の進境を治療する際に有用な阻害組成物に向 けられる。本発明に従って治療することができる進境には肺血栓塞栓症、深静脈 血栓症、大脳塞栓症、腎静脈および末梢動脈血栓症などが含まれるが、これらに 限定されるものではない。これらの組成物は凝固因子の阻害剤、とりわけ因子X IIIの阻害剤からなる。因子XIIIの活性を阻害することができるモノクロ ーナル抗体は阻害組成物としてとりわけ有用である。より具体的には、これらの 抗体は因子XIIIAの架橋活性を阻害することができる。したがって本発明の 阻害剤およびモノクローナル抗体はフィブリンγ−二量体の形成を阻害し、進境 の溶解を支援する。
因子XIII阻害分子は因子X III活性を阻害することができる分子、とり わけ抗体、モノクローナル抗体およびその断片を包含する。因子XIIIに特異 的に結合し、その活性を阻害するモノクローナル抗体を生じさせることは困難で あったが、本発明はそのような抗体を作成する方法を提供する。
因子XIIIに特異的な抗体を生じさせることができるペプチドを合成した。こ れらのペプチドは因子XIIIのトロンビン切断部位またはその切断部位に近接 する部位を模倣するものである。
抗因子XIII抗体(これも本発明によるものである)を発生させるのに有用な 本発明の代表的化合物には下記の式で示されるものが含まれる。
NR2−G−V−N−L−Q−E−F−C−COR寛[ここにGはglyを表し 、■はvalを表し、Nはasnを表し、Lはleuを表し、Qはginを表し 、Eはgluを表し、Fはpheを表し、Cはcysを表し、R1はR2、−1 ys−Co−R2、−1ys−arg−Co−R2または一1ys−arg−g I u−Co−R2を表し、R2は−cys−Co−R3、OH,OMまたはN R4R5を表し、R3はOH,OMまたはNR4R5を表し、Mは医薬的に許容 されるカチオンもしくは低級(C,〜Co)分枝または非分枝アルキル基を表し 、R4、R5は同一であるか、もしくは異なり、Hまたは低級アルキル基からな る群から選択される。] トロンビン切断部位のアミノ末端側もしくはカルボキシ末端側に対するモノクロ ーナル抗体を得るためには、その部位に対応するアミノ酸のいずれかの配列、例 えばX、−P−R−G−V−N−E−Q−F−X2などを使用することができる (ここに、X、は上記配列をさらに約10アミノ酸までのN末端アミノ酸で伸長 できることを表し、X2は上記配列をさらに約10アミノ酸までの他のC−末端 アミノ酸で伸長できることを表し、Pはプロリンを表し、Rはアルギニンを表し 、Gはグリシンを表し、■はバリンを表し、Nはアスパラギンを表し、Eはグル タミン酸を表し、Qはグルタミンを表し、Fはフェニルアラニンを表す)。
先に記述した標準的な技術により、上述のペプチド抗原を用いて、本発明の抗因 子XIII抗体を産生ずるハイブリドーマを得ることができる。所望のハイブリ ドーマの同定には、因子X III被覆微量滴定ウェルを抗体にさらし、次いで その抗原抗体複合体を放射線ラベルした抗Fab断片抗体にさらす放射線免疫検 定法が好ましいくクリンマンら、^nn、 Immunol、 (Paris) 127C:489(1976) ;この文献は参考文献として本明細書の一部を 構成する)。
また本発明は心筋梗塞および患者内の進境を治療するための凝固因子のモノクロ ーナル抗体阻害剤または抗体断片阻害剤の使用にも向けられる。この方法はモノ クローナル抗体またはその断片を単独で、もしくは血栓溶解剤と組み合わせて受 容患者に投与することを伴う。このような抗体断片には例えばF(ab)、F( ab“)2、FvまたはF(ab)分子が含まれる。
単独で投与した場合、本発明の抗体阻害剤はフィブリン−フィブリンおよびα2 −アンチプラスミン−フィブリン架橋を有意に阻害することによってインビボで の血栓溶解を増進する。
単独で使用する場合、患者に与えられた時に因子XIIIを阻害することができ 、それによって進境の溶解を増進することができる因子XIII阻害分子の量を 「治療的に有効な」量とする。進境の溶解を増進し、進境の再形成を防止するた めには、約15μg/mlから約50μg/ml(患者の血液体積)までを与え ることが望ましい。ある態様として、この投与量を連続的な静脈内注入によって 約20ないし約240分の期間にわたって投与することができる。別法として、 該分子を約15μgないし約150μg/ml/血液体積の投与量で、最も好ま しくは約15ないし約30μg/ml−患者の血液体積の投与量で、静脈内に注 射可能なポーラスで与えることができる。この方法で該分子を与える場合、−回 のポーラスで潜在的な進境再形成を防止するのに充分である。
別法として、因子XIII阻害分子を血栓溶解剤と共に投与する。この態様では 、該分子と本発明の血栓溶解剤を受容者に同時投与するものとする。
「同時投与」という用語は、因子XIII阻害分子(抗体分子またはその断片) と血栓溶解剤のそれぞれが、それぞれの薬学的活性の期間が重複するような時間 枠中に投与されることを表すものとする。これら2つの薬剤を同時に投与しても よいし、逐次的に投与してもよいが、それらを同時に投与することが好ましい。
「血栓溶解剤」という用語は、フィブリン−血小板塊を溶解するが、もしくはそ のような進境の形成を阻害することができる薬剤を意味する。血栓溶解剤の例に はストレプトキナーゼ、プロウロキナーゼ、ウロキナーゼおよび組織型プラスミ ノーゲン活性化因子が含まれる。これらの目的のためにt−PAを使用すること はとりわけ好ましい。天然のt−PAを使用することもできるが、組換えt−p Aを使用することが好ましい。さらに本発明では、一本鎖つロキナーゼプラスミ ノーゲン活性化因子(scu−PA)とその活性断片を含む上記血栓溶解剤のハ イブリッド、生理学的に活性な断片、突然変異種またはキメラ型を使用すること もできる。本明細書で用いる「組織型プラスミノーゲン活性化因子」という用語 は、そのようなハイブリッド、断片および突然変異種と共に天然に由来するプラ スミノーゲン活性化因子や組換えによるプラスミノーゲン活性化因子を包含する ものとする。
因子XIII阻害分子を血栓溶解剤と共に同時投与する場合、約15μg/ml ないし約150μg/ml−患者の血液体積を与えることが望ましい。−態様と して、この投与量を連続的な静脈内注入によって約20ないし約240分の期間 にわたって投与することができる。別法として、抗体またはその断片を約151 1gないし約150μg/ml/血液体積の投与量で、また最も好ましくは約1 5ないし約30μg/ml−患者の血液体積の投与量で、静脈内に注射可能なポ ーラスとして与えることもできる。
このような溶解を引き起こすことができる血栓溶解剤の量を「治療的に有効な」 量とする。患者の体重1kgあたり約0.5ないし約1.5mgの投与量で本発 明の血栓溶解剤を与えることが好ましい。−態様として、血栓溶解剤を長期間( 即ち約180ないし約1440分)にわたって与える。好ましい態様では本発明 の血栓溶解剤を約15μg/mlないし約150μg/m!−血液体積、また最 も好ましくは約15μgないし約30μg/ml−血液体積を含有する静脈内注 射ポーラスとして与える。注射可能なポーラスを調製するために生理学的に許容 される何らかの液体に本発明の血栓溶解剤を溶解することができる。しかし、標 準的食塩水中に血栓溶解剤を溶解することによって、そのようなポーラスを調製 することが好ましい。
当業者には明白であろうように、抗因子XIII抗体または血栓溶解剤の必要I は、患者の状態の重篤度や患者の身長、体重、性別、年齢および医学的経緯など の基準に依存するであろう。
本発明の抗体またはその断片および血栓溶解剤を、医薬的に有用な組成物を調製 するための上述のような既知の方法に従って製剤化することができる。
上述のような当該技術分野でよく知られている手段によって、血栓溶解剤または 抗体もしくはその断片を患者に与えることができる。最も好ましい心筋梗塞治療 法では、約15μg/m+ないし約30μg/m、I−患者の血液体積を含有す るポーラス(静脈内に注射される)を患者に与える。
一般に本明細書に報告する結果は、前駆体タンパク質(具体的には凝固酵素)の 触媒機能を中和するために阻害組成物(具体的にはモノクローナル抗体)を使用 できるということを立証するものである。この方法は酵素によって厳しく管理さ れている生物学的過程に適用することができる。凝固は血栓溶解酵素(一般にセ リンプロテアーゼ)の効果が他の凝固酵素(因子XIIIなど)の効果と競争す るという精密に平衡化された系であるので、凝固の病的な変化は血栓溶解酵素の 活性を増大させるか、もしくは凝固酵素を中和することによって治療され得る。
本発明の方法を用いて、タンパク質の活性型に特異的に結合し、チモーゲンや前 駆体タンパク質には結合しない他の抗体(ポリクローナルおよびモノクローナル )を開発できるということは認識されるところである。したがって本発明はこれ らの抗体または抗体断片にも関連する。例えば活性な因子XIIIのみに結合す る抗体を作成することができる。これらの抗体は上述したチモーゲンや前駆体タ ンパク質には交差反応または結合しない。活性な因子XIIIに特異的な抗体は 上述の技術によって作成することができる。具体的には、ペプチド免疫原G−V −N−■、−Q−E−F−Cを用い、上述の技術によってモノクローナル抗体3 94を作成した。このような抗体はインビトロまたはインビボで活性酵素を検出 もしくは測定するのに有用である。
因子XIIIの活性型に特異的な抗体がモノクローナルの形態である場合には、 そのような検出手段を上述のようにキットに組み込むことができ、かつ/または 、免疫検定法で使用することができる。一般に免疫検定法は、検定される抗原性 物質と抗体の間の複合体であって、その複合体の1または他の要素が検出可能に ラベルされていてもよいものの形成に基づく技術を含む。競争的免疫検定技術で は、試験される試料液体中の抗原性物質が既知量の抗体結合部位と競合する。抗 体に結合するラベルされた抗原の量は試料中の抗原の量に逆比例する。
反対に、はとんどの免疫測定検定法ではラベルされた抗体を使用する。このよう な検定法では、複合体に伴うラベルされた抗体の量が液体試料中の抗原性物質の 量に直接比例する。
サンドイッチ免疫測定検定法では、試験する液体には不溶性の固体支持体にラベ ルされていない抗体のある量を結合する。この固定化された抗体をまず試験する 試料と接触させて2成分の抗原−抗体複合体を形成させる。適当なインキュベー ション期間後に、その固相を洗浄して未結合の抗原を除去し、次いで既知量の第 2抗体を含有する溶液と接触させる。次いで第2のインキュベーション期間後に 、固体支持体を再び洗浄して未反応の抗体を除去する。次に第2の抗体に対する ラベルされた抗抗体を加えて充分な時間インキュベートし、次いでその複合体を 洗浄する。次に洗浄した固体支持体を試験して、例えば放射能ラベルの輻射を測 定することによって、ラベルされた抗体の存在を検出および定量する。検出され たラベル化抗体の量を陰性対照試料のものと比較する。抗原がその表面上の異な る位置に結合した2つの抗体を有するので、この種類の検定法はしばしば二部位 検定法またはサンドイッチ検定法と呼ばれる。ディピッドら、米国特許第437 6110号を参照のこと。
活性因子XIIIの存在について試験するために同時検定法と逆検定法を用いる こともできる。同時検定法は固体支持体に結合した抗体とラベルした抗体の両方 を試験する試料に同時に加えるという1回のインキュベーション段階を含む。イ ンキュベーション後、固体支持体を洗浄して未結合の分析物と未結合の抗体を除 去し、結合した抗体−分析物〜ラベルされた抗体「サンドイッチ」を従来の「順 方向」サンドイッチ検定法の場合と同様に検出する。逆検定法は、まずラベルさ れた抗体の溶液を液体試料に加え、次いで適当なインキュベーション後に、固体 支持体に結合させた未ラベルの抗体を加えるという段階的な添加を含む。第2の インキュベーション後、固相を従来の方法で洗浄し、ラベルされた複合体の量を 上述のように検出する。
リーゼらの米国特許第4279885号は、抗原またはハブテンを検定すること ができる固相競争タンパク質結合検定法について記述している。この方法は、固 体支持体に固定化された限定された数の受容体または結合部位に関する、分析物 とそのラベルされた形態の間の競争を含む。この検定法は各成分を同時に混合し ても逐次的に混合しても行うことができる。逐次的な検定法は、固定化された受 容体または抗体を含有する支持体と分析物の溶液を接触させ、次いでその混合物 をトレーサーに接触させることを含む。このトレーサーはラベルまたはタッグを 含有する分析物またはその類縁体であり得る。
上述の競争的検定法、免疫測定検定法およびサンドイッチ検定法に加えて、これ らの検定法の他の変法が存在し、それらはすべて日常的な技術に過ぎない。
ここに本発明を概説したので、指定しない限り本発明の限定を意図するものでは なく、例示のみを目的としてここに記載するいくつかの特定の例を参照すること によって、本発明がよりよく理解されるであろう。
材料は下記の供給者から得た:因子XIII非含有フィブリノーゲン、ヒト因子 XIII(アメリカン・ダイアゴノスチ力、コネチカット州グリーンウィッチ) ;アフィニティー精製したヤギ抗(マウスF a b’XGAMF a b)、 カッペル・ラボラトリーズ(ペンンルバニア州マルベーン);高分子量および低 分子量タンパク質標品、ファルマシア(スウェーデン国つプサラ);予備染色し たタンパク質標品(パイオーラッド、カリフォルニア州すッチモンド): BA LB/Cマウス(チャールズ・リバー、マサチューセッツ州つイルミングトン) :牛トロンビン、パーク−ディビスにュージャージー州モリス・ブレインズ); フロインドアジュバント(ディフコ、ミンガン州デトロイト);キーホール・リ ンペット・ヘモシアニン、D〜フェニルアラニル−L−プロリル−し−アルギニ ンクロロメチルケトン/PPACK/(カルバイオケム、カリフォルニア州う・ ジョラ):ポリビニリデンジフルオライド転写膜(ミリポア、マサチューセッツ 州ベトフォード);ヨードアタミド、RIA−グレード牛血清アルブミン、プロ ティンA、N、N’−ジメチルカゼイン(シグマ。
ミズーリ州セント・ルイス);ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子(ジエネン テツク、カリフォルニア州すウス・サン・フランシスコ);胎盤因子XIII、 因子XIIIのAサブユニットに対するウサギ抗血清(ディグノスチ力・スター ゴ、フランス・ビア・アメリカン・ディグノスチ力、ニューシャーシー州パルシ バニー)。他の化学品はすべて試薬等級またはそれ以上のものであった。マサチ ュセッツ・ゼネラル・ホスピタル(マサチュセッツ州ボストン)への無作為な供 給者から新鮮凍結血漿を得た。
因子XIIIのトロンビン活性化部位に対する抗体を作成するために、トロンビ ンによって活性化された因子XIIIのAサブユニットのアミノ末端のアミノ酸 配列を模倣するペプチドを合成した。このトロンビン切断部位(Te3)ペプチ ドはNH2−G−V−N−L−Q−E−F−C−COOHという配列を有し、こ の配列は残基38〜44のAサブユニットアミノ酸配列の複製である。カルボキ シ末端のシスティンはAサブユニット配列の部分ではなく、化学結合のためにこ のペプチドに加えたものである。著者らが過去に記述した改良メリフィールド法 (フオザードら。
f”The Heart and the Cardiovascular S ystemJ (編)、ラーベン・プレ7、、−ニーヨーク(1986)中のリ ッジら、 Chemical 5ynthesis of Peptides) を用いて手作業で上記ペプチドを合成した。免疫化のために、ヘテロ三官能性架 橋試薬ブロモ酢酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステルによって、このペプチ ドをキーホール・リムベット・ヘモシアニン(KLH)に化学結合させた。上記 ペプチドのアミノ酸配列とLKHに対するその化学結合をウォータース・ピコタ グ・システムでのアミノ酸分析によって立証した。結合の後、充分な透析によっ て遊離のペプチドをKLH−ペプチド複合体から分離した。
完全フロインドアジュバント中に乳化したKLH−ペプチド複合体15μgを用 いて皮下的にCAFマウスを免疫化し、1力月後とそれ以降の3力月毎に体細胞 融合まで免疫化した。体細胞融合に先立って、固相放射線免疫検定法でペプチド に対する抗体力価を決定した。TCSペプチドをポリビニルクロリドプレートの ウェルに加えた(10μg/m1.1ウェルあたり25μm)。1〜2時間後に ペプチドを洗浄除去し、非特異的結合部位を1%牛血清アルブミン(BSA)で 1時間遮断した。マウス抗血清の10倍連続的希釈液(25μl)を各ウェルに 加え、室温で1時間インキュベートした。各ウェルを再度洗浄し、ヤギ抗(マウ スFab’2XGAM)25μlを加え、1時間インキュベートした。CAMを 除去し、プレートを洗浄した。結合した抗体の量をγ−シンチレーション計数器 中で計数した。最も高い抗体力価を有するマウスからの細胞を体細胞融合に使用 し、その体細胞融合をガルフレとその共同研究者が記述した方法(ガルフレら、  5cand、J、Haemat、 19:443−448(1977))に従 って行った。ニスバーが記述しているように(ニスバー、ゼット、 Hybri doma Techonology in the Biosciences  and Medicine(編j=3 −41(1985))CAMを用いる逆固相放射線免疫検定法によって、ペプチ ド特異的な抗体を分泌するハイブリドーマを選択した。次に、放射線ラベルされ たCAM(上記参照)を用いる固相RIAで、抗TCSペプチド抗体を産生ずる ハイブリドーマを精製された因子XIIIに対するそれらの結合についてスクリ ーニングした。
これらの検定法からモノクローナル抗体(MAb)309をさらなる特徴づけの ために選択した。
特異性検定 抗体の結合特異性を決定するために、カルボキシ末端のシスティン残基以外は因 子XIIIチモーゲンのAサブユニットの構造を模倣するNH2−P−R−G− V−N−L−Q−E−F−C−COO)(という配列を含有するペプチドを合成 した。このペプチドは、チモーゲンには存在するが活性化された因子XIIIに は存在しないNH2末端アミノ酸が2つ多く存在する点を除いてTCSペプチド と同一である。したがってこのペプチドはトロンビン切断部位をまたぐ(spa n)ことになる。F−m。
C化学を用いてミリジエン9050ペプチド合成装置でこのペプチドを合成した 。
ウォータース441システムでの高性能液体クロマトグラフィーによってこのペ プチドが均一であることを決定した。ウォータース・ピコタグ・システムでのア ミノ酸分析によってこのペプチドの組成を確認した。
MAb309がトロンビンによって切断された因子XIIIを特異的に結合する ことができるかどうかを確かめるために、TCSペプチドに対するMAbの結合 と上記の貫通(spanning)ペプチドに対するMAbの結合とを放射線免 疫検定法で比較した。微量滴定プレートのウェルをTCSペプチド(50μg/ mL溶液25μl)で1〜2時間コートした。非特異的タンパク質結合部位を1 %BSAで1時間遮断した。洗浄した後、消費したハイブリドーマ上清を培養培 地で逐次希釈し、別々のウェルに加えて1時間インキュベートした。次に各ウェ ルを洗浄し、125 I−GAMFAb(約50000cpm)と共に1時間イ ンキュベートした。
ウェルを再度充分に洗浄した後、γンンチレーション計数器中で計数することに よって抗体結合を検出した。
最大結合の約半分を与えるハイブリドーマ上清の希釈度を決定し、それを以降の 阻害研究に用いた。これらの実験では、様々な量の可溶性TCSペプチドまたは 貫通ペプチドをMAb309ハイブリドーマ上清と混合し、TCSペプチドでコ ートした微量滴定プレートに加えることによって抗体の結合を阻害した。室温で 2時間のインキュベーション後、ウェルを洗浄し、結合した抗体を1251.− にAMFAbで上述のように検出した。阻害剤の非存在下での結合と比較した阻 害剤の存在下での結合の分数として阻害百分率を計算した。
親和力測定 Te3−ペプチドに対するMAb309の親和性を決定するために、親和性実験 を行づた。上述のようにヘテロ三官能性試薬ブロモ酢酸N−ヒドロキシ−スクシ ンイミドエステルを用いてTCSペプチドをBSAに結合させた。充分に透析す ることによって未結合のペプチドを除去した後、アミノ酸分析を行った。その分 析によってB5Alモルあたり2.3モルのTCSペプチドが結合していること が明らかになった。次にそのBSA−ペプチド複合体をクロラミン−T法(グリ ーンウッドら、 Biochem、 J、 89 : 114−123(196 3))によって放射線ラベルした。ヨウ素化したタンパク質をPD−10カラム 上で遊離のヨウ素から分離した。50%エタノール:水中でのペーパークロマト グラフィーによって比放射能を3連で決定した。
平衡飽和結合検定法を行うことによってMAbの親和性を決定した。これらの検 定法では、抗体濃度が予測されるKd未満になるようにMAbハイブリドーマ上 清を培養培地で希釈した。放射線ラベルした配位子を0.02%アジドの入った HEPES緩衝化食塩水CHBSA)でKdの約10倍および約1/10濃度に 希釈した。試験管内で、希釈した抗体100μmを様々な濃度の放射線ラベル化 配位子100μmおよびHBSA100μmと混合した。これらの試験管を4℃ で終夜インキュベートした。磁性粒子に結合したヤギ抗マウス抗体50μlを各 試験管に加え、4℃で90分間インキュベートした。次に氷冷したHBSA2m lを各試験管に加え、4℃で300Orpmで15分間遠心分離することによっ て、結合した放射線ラベル化配位子を遊離の配位子から分離した。同じイソタイ プの対照MAb(抗ジグオキシン4O−160)を用いて同じ実験を平行して行 うことによって、バックグラウンドの初期評価値を得た。ゼニス・マイクロコン ピュータ−でリガンド・プログラムを用いて親和性を計算した。
MAb309の精製 培養上清を集め、プロティンA−セファロースカラムでMAb309を精製した 。3MNaC1中の1.5Mグリシン(pH8,9)と培養上清を混合しく比率 1.1)、カラム上で1時間インキュベートした。0.1Mクエン酸ナトリウム (pH3,5)を用いて抗体をカラムから溶出させ、1M)リスHCI(pH9 ,1)で中和し、濃縮した。
精製した因子XIIIに対するMAb309の結合濃度2(b1g/mlの胎盤 因子XIII(A2)または血漿因子XIII(AzBz)25μmでプレート をコートした。遮断した後、MAb309を含む培養上清を抗原と共1ニインキ ユベートした。50000cpm/つx)しの菫”I−GAMFAbを加え、残 存する放射能をγンンチレーション計数器で測定した。
トランスグルタミナーゼ活性に関する検定ローランドが記述した濾紙検定法(ロ ーランドら、 Anal、 Biochem、 50 :623−631(19 72))に下記のわずかな改良を加えて、牛α−カゼインへの14C−ブトレセ イン(putresceine)の取り込みによってヒト因子XIIIのAサブ ユニット活性を測定した。
無作為に選択した少なくとも4人の供給者から得た新鮮凍結ヒト血漿を因子XI IIの供給源として使用した。フィブリノーゲンの熱不活化後に、トロンビン0 ,08IJ、3.5mM CaC1および0.2M DTT(最終濃度)と共に 37℃で30分間インキュベートすることによって因子XIIIを活性化した。
因子XIII活性化に対するMAbの相対的効果を決定するために、トロンビン による因子X IIIの活性化の前または後に最終濃度1mg/mlのMAb3 09または対照MAb(抗ジグオキシン4O−160)を加えた。因子XIII のトロンビン活性化を停止させるために、D−フェニルアラニル−L−ブロイル −アルギニン−クロロメチルケトン(PPACK)を最終濃度10−’Mで加え た。トロンビンによる因子XIIIの活性化後、上述のようにカゼインへの14 C−プトレシン(putrescine)の取り込みによって因子XIII ト ランスグルタミナーゼ活性を測定した。30分間のインキュベーション後、ヨー ドアセタミド(最終濃度100μg/ml)を加えることによって反応を停止さ せ、各試料の20μlをワットマン濾紙上にスポットし、シンチレーシジン計数 器で計数した。
因子XIIIaによるフィブリノーゲンのγ−γ架橋に対するMAb309の効 果胎盤因子XIII(0,03u g/m I )5 u lをMAb309( 2mg/m1)25μlと共に予備インキュベートした。30分後、トロンビン (0,01tJ)5λと10mM CaC+25μmを加え、37℃で20分間 インキュベートした。次に因子XIIIを含まないフィブリノーゲン(10μg )を加え、異なる時間インキュベートした。9M尿素を加え、その直後に試料を 煮沸することによってフィブリン架橋を停止させた。次に還元条件下で7.5% ゲルでの5O8−PAGEによって試料を分析した。ゲルをクーマシー・ブリリ アント・ブルーで染色し、乾燥した。
進境溶解検定 新鮮凍結血漿を微量の1251−フィブリノーゲン(約20000cpm)と混 合した。20mM CaCl225.CZIによる凝固の前に、血漿(25,c zl)をMAb309または対照(0,02%アジドを含むトリス緩衝化食塩水 )と共に30分間インキュベートした。30分後、ヨードアセタミド(1mg/ ml溶液20μl)で凝固を停止させた。ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子 (5U)を各チューブ中の進境に加えた。30分と60分後に、上清200μl を採取し、γ−シンチレーション計数器で計数することによって進境溶解率を決 定した。進境溶解の百分率を、フィブリン分解産物として上清に放出された放射 能を進境中に取り込まれた最初の放射能で割った商として計算した。
精製された血漿因子XIII 5μ+ (0,5μg)をMAb309(または 対照としての抗ジグオキシンMAb82mg/mI)15μmと共に30分間予 備インキュベートした。0.021Uのトロンビン10 u l (1,5mM  Ca CI Z中)で9.5.10.15.20および25分間37℃で因子 XIIIを活性化した。試料緩衝液10μlを加えて煮沸することにより、即座 に反応を停止させた。調製した試料を6%の非還元ゲルで電気泳動し、半乾燥技 術によって電気泳動的にPVDFニトロセルロース紙に転写した。その膜を0. 3%ツウイージーTBS中で洗浄し、1%B S A−T B S A緩衝液で 遮断した。
いくつかの実験では、−次抗体としてのヒト因子XIIIのサブユニットに対す るウサギ抗血清(1・100に希釈)と検出剤としての1251−プロティンA (1,5x 10’c pm)でニトロセルロースプロットをプローブした。他 の実験では、トロンビン活性化の間に切断除去される因子XIIIのアミノ末端 に対するモノクローナル抗体でニトロセルロースプロットをプローブした。これ らの実験では1251−GAMFab(1,5X10’cpm)を用いて、結合 した一次抗体を検出した。
洗浄と乾燥の後、ニトロセルロース膜をオートラジオグラフィーにかけた。さら に、因子X IIIのN−末端ペプチドに対するモノクローナル抗体を使用した 場合には、ニトロセルロースプロットを等しい小片に切断し、結合している放射 能の量をγ−シンチレーション計数によって測定した。
結果 1匹の免疫化したマウスの牌細胞の体細胞融合から、30のハイブリドーマがT e3−ペプチドに対する抗体を産生ずると考えられた。Te3−ペプチドに対す る見かけ上の親和性と、固相検定法における因子X IIIに対する結合に基づ いて、MAb309をさらなる研究のために選択した。対照抗体と比較すると、 MAb309は濃度依存性の様式で因子XIIIに結合した。
MAb309の結合特異性をさらに特徴づけるために、Te3−ペプチドとトロ ンビン切断部位をまたぐペプチド(貫通ペプチド)を用いる放射線免疫検定法を 行った。微量滴定プレートのウェルをTCSペプチドでコートした。次に、約5 0%の結合を与えるように希釈したMAb309培養上清を様々な濃度のTe3 または貫通ペプチドと混合し、微量滴定プレートウェルに加えた。1時間のイン キュベーション後、ウェルを洗浄し、1251−CAMを加えて結合した抗体を 検出した。両ペプチドは共に等価な濃度で平行した様式でMAb309の結合を 阻害した。このことは、MAb309は大部分がトロンビン切断部位に対して遠 位のまたはC末端側のアミノ酸を認識し、結合に遊離のグリシンアミドを必要と しないことを示している。さらに、これらの結果は、配列のみに基づいて、おそ らく活性化された因子XIIIとそのチモーゲンの両方に等しく充分にMAb3 09が結合することを示している。
他のタンパク質と比較して因子XIIIに対するMAb309の結合特異性を試 験するために、全ヒト血小板を用いた免疫プロッティング実験を行った。この実 験では、貯蔵ヒト血小板を富血小板血漿から分別遠心分離によって単離し、洗浄 した。次に血小板をSDSおよび還元剤と混合し、ポリアクリルアミドゲルで電 気泳動した。PVDF−ニトロセルロースへの電気泳動的な転写の後、MAb3 09をプローブとして免疫プロッティングを行った。免疫プロットは因子XII IのA鎖車量体に対応する〜75000Mrの単一バンドにMAb309が結合 することを示した。精製された血漿因子XIIIと、可溶化し、電気泳動したヒ ト血小板を用いたこれらの実験は、因子XIIIのA鎖に対するMAb309の 結合特異性を確認するものである。
Mab309の結合親和性 MAb309の結合親和性を評価するために、Te3−ペプチドを用いる平衡飽 和結合実験を行った。因子XI工Iに関する抗体の結合親和性の見積もりを混乱 させ得る因子XIIIの不完全なトロンビン切断、考え得る第2部位のトロンビ ン切断、B鎖のモル過剰などといった潜在的な困難を回避するために、ペプチド 結合親和性を因子XIII結合親和性の見積もりとして選択した。これらの実験 ではMAb309を希釈してKd未渦の濃度にした。次に抗体を様々な濃度の配 位子と共に4℃で終夜インキュベートした。冷たい緩衝液で洗浄した後、ポリク ローナルヤギ抗マウス抗体との結合によって、MAb309に結合している配位 子を遊離の配位子から分離した。次にこれらの結合実験をLIGANDプログラ ムを用いる非線形最小二乗分析にかけた。これらの実験で、MAb309が1, 75±0.35X10’M−1の親和性を持つことがわかった。
血漿中の因子XIIIトランスグルタミナーゼ活性に対するMAb309の効果 MAb309がトロンビン活性化部位で因子XIIIチモーゲンに結合したので 、それがトロンビンによる因子XIIIの活性化を阻害するがもしれないという 仮説を立てた。これを試験するために、ローランドが最初に記述した検定法の改 良法を用いて血漿試料中の因子XIII活性を測定した。この検定法ではMAb 309と対照抗体を、カゼインへのl4cmプトレシンの因子XIII触媒に対 するそれらの効果について比較した。因子XIIIをMAb309と予備インキ ュベートした場合には因子XIII活性の99%が阻害された。Fab309も トロンビンによる因子XIIIの切断を阻害し、完全なMAb309による因子 XIエエの免疫沈降の可能性を排除した。様々な濃度の異なるトロンビン阻害剤 (PPACK、TLCK)は有意に異なる結果を示さなかった。
進境溶解に対するMAb309の効果 血漿因子XIIIにとって最も重要な天然の基質はフィブリノーゲンである。フ ィブリノーゲンの存在下では因子XIIIの活性化の進行が異なるということも 知られている。同様にフィブリノーゲンに対する因子XI工Iの結合はトロンビ ン切断部位に対するMAbの結合を阻害するかもしれない。凝固の間の生理学的 な因子XIII活性に対する本抗体の効果を決定するために、MAb309また は対照抗体の存在下で形成させた進境を分析した。トロンビンおよびカルシウム と共に胎盤因子XIIIをインキュベートした後、因子XIIIフィブリノーゲ ンを添加すると対照試料中で7−γ架橋が起こった。しかし因子XIIIをMA b309と共に予備インキュベートすると、フィブリンのγ−γ二量体の形成が 防止された。このようにMAb309は、小さい基質と大きい基質(フィブリン )の両方に対する因子XIIIの触媒活性を阻害した。
先の実験は精製した試薬を用いてMAb309が因子XIIIを阻害することを 立証した。血漿中でのその効果を調べるために、進境溶解に対する上記MAbの 効果を研究した。血栓溶解療法はフィブリンγ−γ鎖とα−α架橋の量に依存す ることが示された。これらの検定では放射線ラベルしたフィブリノーゲンと混合 しておいた血漿にMAb309を加えるか、もしくは抗体を加えなかった。次に 37℃で30分間再石灰化することによって血漿を凝固させた。次に組織プラス ミノーゲン活性化因子(51U)を各チューブに加え、進境溶解の量を時間の関 数として決定した。tPA添加の30分後にMAb309を伴わない対照が51 %であったのに対してMAbを有する進境は83%の溶解を示した。さらにtP Aの60分後では、対照が71%であったのに対してMAb309を伴う進境試 料は91%の溶解を示した。
モノクローナル抗体309は因子XIIIのトロンビン切断を阻害するモノクロ ーナル抗体309はある意味では因子XIIIのトロンビン活性化を阻害するた めに誘導された。これがその阻害作用機序であることを立証するために、因子X IIIのトロンビン切断速度に対するMAb309または対照抗体の効果を研究 した。MAb309または対照の存在下で因子XIIIを様々な時間活性化した 。活性化された因子XIIIを活性化後の因子XIIIの移動度の変化(即ち免 疫プロット上で85000から81000へのMW減少)によって検出した。ト ロンビンおよびカルシウム処理の10.15および20分後に、対照中(抗ジグ オキシンMAbの場合)では因子XIII(A2Bz)が活性化されたが、MA b309の場合はA、B、が活性化されなかった。対照では因子XIIIの活性 化の過程でトロンビンが4kDaペプチドを切断したが、MAb309の場合は トロンビンとカルシウム効果の5.10.15および20分後にA鎖が変化して いなかった。それぞれMAb309が、因子XIIIの活性化を阻害し、A、B 、からの活性化ペプチドの放出を保護したことになる。
MAb309に関する考察 MAb309は因子XIII Aサブユニットのトロンビン活性化配列を模倣す るペプチドに対して開発されたものである。因子XIIIとその活性型因子XI IIaに対するその機能的効果を立証するために、小さい基質を用いる因子XI II検定法(ローランド検定法)と天然の基質フィブリンを用いる因子XIII 検定法でMAb309を試験した。
MAb309と共に予備インキュベートしたところ、血漿因子XIIIのトロン ビン活性化が99%阻害された。MAb309は、チモーゲンを活性化する4k Daペプチドのトロンビン切断を阻害することによって、因子XIIIの活性化 を防止した。その結果、MAb309は血漿の凝固過程におけるフィブリンチー 二量体の形成を阻害し、血漿進境の溶解を促進した。
ローランドら、In Progress in Haematostasis  and Thrombosis 5:245−290(19W 0)は因子XIIIの既得の阻害剤を3種類に分類した。I型阻害剤は、トラン スアミダーゼ活性を阻害することなく、因子XIIIの因子XIIIaへの変換 を選択的に妨害する。II型阻害剤はフィブリンに結合し、フィブリンが因子X IIIaと適切に反応することを防止するものであり、III型阻害剤は因子X IIIaのフィブリン安定化活性に影響を与えるものである。モノクローナル抗 体309はI型阻害剤に属する。
本明細書の開示は、因子XIIIのトロンビン切断を阻害する、因子XIIIの A鎖に対するモノクローナル抗体を初めて報告するものである。血栓溶解療法は そのような阻害剤を必要としている。さらにこれらの因子XIII阻害剤は、他 の凝固因子の阻害剤、より一般的にはあらゆる前駆体タンパク質の阻害剤を作成 するための原型として役立つものである。
活性な因子XIIIに特異的な抗体 因子XIIIの活性型のみに結合し、因子XIIエチモーゲンには結合しない代 表的なモノクローナル抗体を作成するために、既に記述した遺伝子ペプチド免疫 原(G−V−N−L−Q−E−F−C−)を用いてMAb394を作成した。使 用した選別法により、活性な因子XIIIのみに結合し、その前駆体チモーゲン には結合しないMAbが得られた。これらのMAbは、トロンビンによって切断 された因子XI工Iの「新しい」アミノ末端に相当する活性化ペプチド(G−V −N−L−R−E−F−C)に対して高い親和性(2,3±0.4 X 101 M−1)で結合する。代表的なMAbについて図1に示すように、これらのMA bは因子XIIIチモーゲンの配列を表すペプチド(P−R−G−V−N−L− Q−E−F−C]、:は結合シナイテアロウ。コレラノMAbは因子XIIIチ モーゲンには結合しないが、トロンビンによって切断されたタンパク質には結合 するであろう。これらMAbの精妙な結合特異性ゆえに、これらのMAbは活性 化された因子XIIIをインビトロおよびインビボの両方で検出するための試薬 として有用である。
!−匹 MAb309は1991年3月11日にアメリカ合衆国20852メリーランド 、ロックビル、パークローン・ドライブ12301番のATCCに寄託された。
この寄託はブダペスト条約の要求を満たすように変更されている。MAb309 はATCC指定番号HB10702を与えらている。
MAb394はブダペスト条約に基づいて1992年3月6日にアメリカ合衆国 20852メリーランド、ロックビル、バークローン・ドライブ12301番の ATCCに寄託された。MAb394にはATCCの指定番号HB10981が 与えられている。
上述した本発明の実施方法の改良法であって、医学、免疫学、ハイブリドーマ技 術、薬学および/または関連する分野の当業者にとって自明であるようなものは 、後述の請求の範囲に包含されるものとする。
本明細書で言及したすべての刊行物と特許出願は本発明が関係する分野の当業者 の技術水準を示すものである。すべての刊行物と特許出願は、参考文献とするこ とを特に個別に明示した各刊行物または特許出願と同等に、参考文献として本明 細書の一部を構成するものである。
明確に理解してもらうために例証および例示を目的として上述の発明をある程度 詳細に記述したが、添付の請求の範囲内でいくらかの変化や改変を実施し得るこ とは明らかであろう。また、この発明には多くの応用が存在し、その一部を本明 細書に記述した。他の応用は当業者には容易に明らかになるであろう。
微生物 (寄託機関の名称) アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(寄託機関の住所) アメリカ合衆国20852メリーランドロツクビル、バークローン・ドライブ1 2301番(寄託日) (受託番号) 1991年 3月11日 HB10702(追加表示) マウス・ハイブリドーマ細胞、MAb309微生物 (寄託機関の名称) アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(寄託機関の住所) アメリカ合衆国20852メリーランドロツクビル、バークローン・ドライブ1 2301番(寄託日) (受託番号) 1992年 3月6日 HB10981(追加表示) マウス・ハイブリドーマ細胞、MAb394MAb394の結合特異性 阻害剤ペプチドの濃度 国際調査報告 フロントページの続き (72)発明者 リード、ガイ・エル アメリカ合衆国マサチューセッツ01890、ウィンチェスタ−、パイン・スト リート30番 (72)発明者 マツエダ、ガリー・アールアメリカ合衆国ニューシャーシー0 8540、プリンストン、パルコート・ドライブ137番 (72)発明者 ハーバ−、エドガー アメリカ合衆国ニューハンプシャー03268、サリスバリー、サウス・ロード 、ボックス161番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.前駆体タンパク質の活性化、前駆体タンパク質の活性型もしくはその両方を 阻害することができる阻害剤であって、該前駆体タンパク質の切断部位もしくは その部位に空間的に密接に関連する部位に結合することができる阻害剤。 2.該前駆体タンパク質がチモーゲンである請求項1の阻害剤。 3.該チモーゲンが凝固因子である請求項2の阻害剤。 4.該凝固因子が因子VII、因子IX、因子X、因子XI、因子XII、因子 XIII、プロトロンビン、フィブリノーゲン、因子V、因子VIIIおよびプ ロテインCからなる群から選択される請求項3の阻害剤。 5.該凝固因子がヒトの因子XIIIである請求項4の阻害剤。 6.該阻害剤がタンパク質である請求項1の阻害剤。 7.該タンパク質が抗体である請求項6の阻害剤。 8.該抗体がモノクローナル抗体である請求項7の阻害剤。 9.該モノクローナル抗体が前駆体タンパク質の切断部位のアミノ酸配列を模倣 するペプチドに対して生ぜしめたモノクローナル抗体である請求項8の阻害剤。 10.該モノクローナル抗体を切断部位のアミノ末端側またはカルボキシ末端側 のアミノ酸配列を模倣するペプチドに対して生ぜしめる請求項8の阻害剤。 11.該前駆体タンパク質がチモーゲンである請求項9または請求項10の阻害 剤。 12.該チモーゲンが凝固因子である請求項11の阻害剤。 13.該凝固因子が因子VII、因子IX、因子X、因子XI、因子XII、因 子XIII、プロトロンビン、フィブリノーゲン、因子V、因子VIIIおよび プロテインCからなる群から選択される請求項12の阻害剤。 14.該凝固因子がヒトの因子XIIIである請求項13の阻害剤。 15.該モノクローナル抗体がモノクローナル抗体309である請求項14の阻 害剤。 16.前駆体タンパク質の活性化、前駆体タンパク質の活性型もしくはその両方 を阻害することができる阻害剤を生じさせる際に有用なペプチドであって、該阻 害剤が該前駆体タンパク質の切断部位もしくはその部位に空間的に密接に関連す る部位に結合できることを特徴とするペプチド。 17.該ペプチドが前駆体タンパク質の切断部位のアミノ酸配列を模倣するもの である請求項16のペプチド。 18.該ペプチドが5〜20アミノ酸の長さを有する請求項17のペプチド。 19.該前駆体タンパク質がチモーゲンである請求項16のペプチド。 20.該チモーゲンが凝固因子である請求項19のペプチド。 21.該凝固因子が因子VII、因子IX、因子X、因子XI、因子XII、因 子XIII、プロトロンビン、フィブリノーゲン、因子V、因子VIIIおよび プロテインCからなる群から選択される請求項19のペプチド。 22.該凝固因子が因子XIIIである請求項21のペプチド。 23.該配列が因子XIIIのトロンビン活性化部位である請求項22のペプチ ド。 24.下記の式で示されるペプチドからなる群から選択される請求項23のペプ チド: (1)H2N−G−V−N−L−Q−E−F−C−CO−R1[ここにGはgl yを表し、Vはvalを表し、Nはasnを表し、LはIeuを表し、Qはgl nを表し、Eはgluを表し、Fはpheを表し、Cはcysを表し、R1はR 2、−lys−CO−R2、−lys−arg−CO−R2、または−lys− arg−glu−CO−R2を表し、R2は−cys−CO−R3、OH、OM またはNR4R5を表し、R3はOH、OMまたはNR4R5を表し、Mは医薬 的に許容されるカチオンもしくは低級(C1〜C6)分枝または非分枝アルキル 基を表し、R4、R5は同一もしくは異なり、Hまたは低級アルキル基からなる 群から選択される](2)上記ペプチドの酸付加塩、および(3)上記ペプチド の機能的誘導体。 25.H2N−G−V−N−L−Q−E−F−C−CHまたはその機能的誘導体 である請求項24のペプチド。 26.該配列が因子XIIIの切断部位のアミノ末端側のアミノ酸配列である請 求項22のペプチド。 27.下記の式で示されるペプチドからなる群から選択される請求項26のペプ チド: H2N−P−R−G−V−N−L−Q−E−F−CO−R′[ここにPはpro を表し、Rはargを表し、Gはglyを表し、Vはvalを表し、Nはasp を表し、Eはgluを表し、Qはglnを表し、Fはpheを表し、R′はR2 、−lys−CO−R2、−lys−arg−CO−R2または−lys−ar g−glu−CO−R2を表し、R2は−cys−CO−R3、OH、OMまた はNR4R5を表し、R3はOH、OMまたはNR4R5を表し、Mは医薬的に 許容されるカチオンもしくは低級(C1〜C6)分枝または非分枝アルキル基を 表し、R4、R5は同一もしくは異なり、Hまたは低級アルキル基からなる群か ら選択される](2)上記ペプチドの酸付加塩、および(3)上記ペプチドの機 能的誘導体。 28.H2N−P−R−G−V−N−L−Q−E−F−CHまたはその機能的誘 導体である請求項27のペプチド。 29.さらにキーホール・リムペット・ヘモシアニンを含む請求項24または請 求項27のペプチド。 30.医学的障害を伴う患者を治療する手段として前駆体タンパク質の活性化も しくは前駆体タンパク質の活性型を阻害する方法であって、該患者に阻害剤の治 療的有効量を投与することからなり、該阻害剤が該前駆体タンパク質の切断部位 もしくはその近傍に結合することができることを特徴とする方法。 31.該医学的障害が心筋梗塞または血塊であり、該阻害剤が血液凝固因子を阻 害することができる請求項30の方法。 32.該凝固因子が因子VII、因子IX、因子X、因子XI、因子XII、因 子XIII、プロトロンビン、フィブリノーゲン、因子V、因子VIIIおよび プロテインCからなる群から選択される請求項31の方法。 33.該凝固因子が因子XIIIである請求項32の方法。 34.該阻害剤が抗因子XIII抗体である請求項33の方法。 35.該抗体がモノクローナル抗体である請求項34の方法。 36.活性化の間にトロンビンによって切断される因子XIIIの切断部位を模 倣する合成ペプチドに対して該モノクローナル抗体を生ぜしめる請求項35の方 法。 37.該ペプチドが下記の配列からなる請求項36の方法:H2N−G−V−N −L−Q−E−F−C−COOH[ここにGはglyを表し、Vはvalを表し 、Nはasnを表し、Lはleuを表し、Qはglnを表し、Eはgluを表し 、Fはpheを表し、Cはcysを表す]。 38.因子XIIIの切断部位のアミノ末端側のアミノ酸配列を模倣する合成ペ プチドに対して該モノクローナル抗体を生ぜしめる請求項35の方法。 39.該ペプチドが下記の配列からなる請求項38の方法:H2N−X−P−R −G−V−N−L−Q−E−F−X−CH[ここにXはこの配列を伸長させても よいことを意味し、Pはproを表し、Rはargを表し、Gはglyを表し、 Vはvalを表し、Nはaspを表し、Eはgluを表し、Qはgluを表し、 Fはpheを表す]。 40.さらに血栓溶解剤の治療的有効量を同時投与することからなる請求項32 から請求項39までのいずれかの方法。 41.凝固因子の活性を阻害することができるモノクローナル抗体。 42.該凝固因子が因子VII、因子IX、因子X、因子XI、因子XII、因 子XIII、プロトロンビン、フィブリノーゲン、因子V、因子VIIIおよび プロテインCからなる群から選択される請求項41のモノクローナル抗体。 43.該抗体が因子XIIIに特異的であり、該抗体が因子XIIIの活性を阻 害することができる請求項42のモノクローナル抗体。 44.活性化の間にトロンビンによって切断される因子XIIIの切断部位を模 倣する合成ペプチドに対して該抗体を生ぜしめる請求項43の抗体。 45.該モノクローナル抗体がATCCに指定番号HB10702として寄託さ れているモノクローナル抗体309である請求項44のモノクローナル抗体。 46.前駆体タンパク質の活性化、前駆体タンパク質の活性型もしくはその両方 を阻害することができ、かつ、該前駆体タンパク質の切断部位またはその近傍に 結合することができるモノクローナル抗体を生産する方法であって、下記の段階 からなる方法: (a)前駆体タンパク賃上の切断部位を同定し、(b)該切断部位もしくは該切 断部位に空間的に密接に関連する部位を模倣するペプチドを用意し、 (c)該ペプチドに対して免疫化した体細胞系を得、(d)段階(c)の該体細 胞を融合で第2の細胞系と組み合わせることによって該前駆体タンパク質に対し て特異的な抗体を分泌することができるハイブリドーマを作成し、 (e)該ハイプリドーマを培養し、 (f)該前駆体タンパク質に対して特異的な分泌された抗体を単離する。 47.該体細胞系が脾臓細胞からなる請求項46の方法。 48.該脾臓細胞がマウス脾臓細胞である請求項47の方法。 49.該第2の細胞系が悪性細胞からなる細胞系である請求項48の方法。 50.1またはそれ以上の容器を入れてしっかりと固定するために区画された担 体からなる前駆体タンパク質の検出用キットであって、該容器が該前駆体タンパ ク質に特異的で検出可能にラベルされたモノクローナル抗体を含むキット。 51.該前駆体タンパク質が因子XIIIである請求項50のキット。 52.該キットが、該因子XIIIと反応する未結合の、もしくは担体に結合し た、第2のモノクローナル抗体を含有する第2の容器をも含む請求項51のキッ ト。 53.(1)因子XIII阻害分子の治療的有効量を含有する第1の容器、およ び、(2)血栓溶解剤の治療的有効量を含有する第2の容器、を含む2またはそ れ以上の容器手段を入れてしっかりと固定するために区画されている、請求項4 0の方法を実施する際に有用なキット。 54.該因子XIII阻害分子が抗因子XIIIモノクローナル抗体である請求 項53のキット。 55.該モノクローナル抗体がATCCに指定番号HB10702として寄託さ れているモノクローナル抗体309である請求項54のキット。 56.活性な因子XIIIに結合することができるモノクローナル抗体。 57.該抗体がATCC指定番号HB10981を有するMAb394である請 求項56の抗体。 58.1またはそれ以上の容器を入れてしっかりと固定するために区画された担 体からなる活性な因子XIIIを検出するためのキットであって、該容器が該活 性な因子XIIIに特異的で検出可能にラベルされたモノクローナル抗体を含む キット。 59.該モノクローナルがATCCに指定番号HB10981として寄託されて いるモノクローナル抗体394である請求項58のキット。 60.試料中の活性な因子XIIIを検出するための免疫検定法であって、活性 な因子XIIIを含有すると疑われる試料を活性な因子XIIIに特異的なモノ クローナル抗体と接触させ、該抗体が該因子XIIIに結合するかどうかを検出 することからなる方法。 61.該免疫検定法が競争的免疫検定性、免疫原性免疫検定性またはサンドイッ チ免疫検定法である請求項60の免疫検定法。 62.活性な因子XIIIに結合することができるモノクローナル抗体を生産す る方法であって、下記の段階からなる方法:(a)活性な因子XIIIのアミノ 酸配列の少なくとも一部に相当するペプチドを用意し、 (b)該ペプチドに対して免疫化した体細胞系を得、(c)段階(b)の該体細 胞を融合で第2の細胞系と組み合わせることによって該因子XIIIに対して特 異的な抗体を分泌することができるハイブリドーマを作成し、 (d)該ハイプリドーマを培養し、 (e)該因子XIIIに対して特異的な分泌された抗体を単離する。 63.該ペプチドがトロンビンによって切断される因子XIIIのアミノ末端に 相当する請求項62の方法。 64.該ペプチドがアミノ酸配列G−V−N−L−Q−E−F−Cで表される請 求項62の方法。
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