JPH06504993A - エンドサイトーシスにより高等真核細胞に吸収されうる新規核酸含有複合体 - Google Patents
エンドサイトーシスにより高等真核細胞に吸収されうる新規核酸含有複合体Info
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
エンドサイト−シスにより高等真核細胞に吸収されつる新規核酸含有複合体本発
明は、インターナライジング因子を用いたエンドサイト−シスによる高等真核細
胞への核酸の導入に関する。
近年、例えば、アンチセンスRNAおよびDNAが特定の遺伝的配列を選択的に
阻害しうることが分かる等、核酸の治療活性物質としての重要性が益々高まって
きている。これらの活性様式は、これらをインビボにおける特定遺伝子(調節さ
れないオンコジーンまたはウィルス遺伝子等)の発現の阻害を目的とした治療薬
として使用することをを可能とする。すでに、短いアンチセンス・オリゴヌクレ
オチドが細胞内に取り込まれ、部分的には核酸の強い負電荷により細胞膜を通し
ての取り込みが制限されることにより細胞内濃度は低いにもかかわらず、そこで
阻害活性を示すことが示された。
選択的に遺伝子を阻害する別の方法にはりボザイムの応用がある。ここでも、細
胞内への輸送が律速因子の1つであることから、細胞内において出来る限り高い
濃度の活性リボザイムを保証する必要がある。
また、遺伝子治療では生細胞に核酸を導入するための効率的なシステムを必要と
している。このためには、インビボにおける治療活性遺伝子生産物の合成を行う
ために幾つかの遺伝子が細胞内に閉じ込められる。
治療活性DNA (またはmRNA)を必要に応じて一度に、または繰り返し薬
のように(“遺伝子治療薬”)投与する治療法に対する必要性が益々高まってい
る。遺伝子治療が期待される遺伝病の例には、血友病、β−サラセミアおよび遺
伝的に誘導されるアデノシン・デアミナーゼの欠乏によって引き起こされる症候
群である“重度合併免疫不全”がある。他の応用には体液性または細胞内免疫が
接種による分泌型タンパク質抗原または非分泌型タンパク質抗原をコードする機
能性核酸の投与により達成される免疫調節における応用がある。例えば、個々の
必要性に応じて仕立てられた欠損遺伝子をコードする核酸を投与しつる遺伝子欠
陥の例には、筋萎縮症(ジストロピン遺伝子)、嚢胞性繊維症(“嚢胞性繊維症
トランスメンブレン・コンダクタンス調節遺伝子″)および高コレステロール血
症(LDLレセプター遺伝子)がある。遺伝子治療による治療法は、ホルモン、
成長因子または細胞毒性又は免疫調節活性を有するタンパク質を体内で合成させ
る場合に非常に重要である。
治療における律速因子の1つである核酸の生細胞内への輸送の改善に関する解答
がすでに多(提案されてきている。
これらの解答の1つには、例えば非荷電基で荷電ホスホジエステル基を置換する
こと等により核酸を直接修正することが含まれる。別の直接的修正法には、ヌク
レオチド・アナログの使用がある。しかし、これらの提案には、例えば、標的分
子への低い結合能、弱い阻害効果および毒性等、種々の欠点がある。
オリゴヌクレオチドの直接的修正の別の方法には、オリゴヌクレオチドを非電荷
にしてしまうこと、および、例えば、細胞への輸送を可能にする分子を用いるこ
とによりオリゴヌクレオチドに所望する性質を与える官能基を提供することが含
まれる。
インビトロにおける哺乳細胞の遺伝的トランスホーメーションに関する方法は種
々知られているが、それらのインビボにおける使用は制限される(その方法には
、ウィルス、リポソーム、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション
、細胞融合、DEAE−デキストランまたはリン酸カルシウム沈殿法によるDN
Aの導入が含まれる)。
既に、インビボにおいて目的とする細胞にDNAを運び込むのに使用しつるシス
テムを開発する試みが行われてきた(つ(Wu)およびつ(Nu) 、1987
)。このシステムは血液細胞を対象として開発されたもので、血液細胞表面上に
提供されるレセプターが応答する糖蛋白質にポリリジンを結合し、次いで、DN
Aを添加して細胞に吸収される可溶性糖蛋白質・ポリリジン・DNA複合体を形
成し、これが吸収されると該DNA配列の発現が可能となるという原理に基づく
ものである。
このシステムは血液細胞に特異的であり、その機能に関しては、アシアログリコ
プロティン・レセプターによる比較的良く特性の分かったメカニズムにより限定
される。
応用範囲が広く効率的な輸送システムは、トランスフェリン・ポリカチオン結合
体による核酸の細胞内への吸収を行うためにトランスフェリン・レセプターを利
用している。このシステムは、EP−At 0388758の主題であり、その
内容を本明細書に含めるものとする。
このシステムにより細胞内に輸送されたDNAは発現し、かつ、もし阻害効果を
有する核酸が使用されたならば、その阻害効果がこの輸送システムによって妨害
されることはないことが示された。以後、このシステムを1トランスフエリンフ
エクシヨン」と呼ぶ。
国際特許出願W091/17773は、CD4−発現細胞に対して特異的効果を
有する核酸を輸送するシステムに関する。このシステムは、タンパク質部分がC
D4に結合する能力を有するタンパク質であるタンパク質・ポリカチオン結合体
と取り込ませる核酸の複合体を形成させ、得られたタンパク質−ポリカチオン・
核酸複合体を介してCD4−発現細胞を架橋させることにより、HIVウィルス
が使用するレセプターを利用している。このシステム(以後、CD4 トランス
フェクションと呼ぶ)によって細胞内に輸送されたDNAは、その細胞内で発現
することが示された。
これら2つの研究に共通するものは、それらが細胞に核酸を導入するのに特異的
な細胞の機能を利用している点にある。いずれの場合にも、吸収メカニズムは、
本発明の目的に関して「インターナライジング因子」と呼んでいる因子を利用し
て進行している。この事は、細胞表面に結合し、広い意味でも、または狭い意味
でも恐らく他の因子(例えば、細胞表面タンパク質)と協同的に、特異的に細胞
内に取り込まれる因子を意味し、また、そのインターナリゼーションは可逆的で
も不可逆的でもあり得る。インターナライジング因子は、核酸に対するアフィニ
ティーという観点から核酸との結合を確実にするポリカチオン性を有する物質と
結合する。(以後、核酸とインターナライジング因子との間に結合を形成する能
力を有する物質を「結合因子」と呼ぶ。)本発明に先行する2つの研究の過程で
、細胞への核酸の至適導入は、核酸に対する結合体の比率を、実質的にインター
ナライジング因子−ポリカチオン・核酸複合体が電気的に中性となるように選択
するときに達成されることが分かった。
本発明の目的は、インターナライジング因子により核酸を吸収させるシステムの
効率を改善することである。
この問題を解決し、このシステムを至適化する知見を得るために、吸収効率に関
し最良の結果を与えるインターナライジング因子・ポリカチオン・核酸複合体の
組成を詳細に検討した。
先ず、種々のトランスフェリン・ポリカチオン結合体を合成した(単離法は別に
して、実質的にEP−Al 0388758の方法に従った)。最初に、各結合
体について生細胞に遺伝子(この場合にはルシフェラーゼ・レポーター遺伝子)
を取り込ませる能力を知るための予備的測定を行った。各結合体・DNA複合体
は、結合体/DNA比に関して明確な至適値を持つことが分かった。高ポリリジ
ン含量のトランスフェリン・ポリリジン結合体(TTpL)は、低ポリリジン含
量の物に比べてDNAのトランスポーチ−ジョンに関して著しく良い結果を与え
ることが観測された。ポリリジン450 (pL450)はポリリジン200
(pL2oO)と同様の結果を与えたが、結合体のpL含量が特定の値(TT/
pL l/l ’)を越えると、再び活性は減少した。最良の結果は、結合体に
おいてトランスフェリン当たり約100乃至200個の正電荷アミノ酸の場合に
得られた。
DNAに対する結合体の至適比が分かったなら、特定の結合体の亭主適量を使用
し、該結合体を種々の量の遊離した(共有結合していない)ポリカチオンまたは
ポリカチオン性の物質(種々のレベルのポリリジン、プロタミン、ヒストンH1
、H3およびH4を使用した)と混合し、次いで、この混合物を一定量のDNA
に添加することを原則とした別の一連の試験を行った。亭主適量の結合体を使用
した場合には有意に至適トランスフェクション・レベルを下回った複合体のトラ
ンスフェクション効率が、遊離ポリカチオンの添加で十分に回復し、もしくはそ
れを上回った。低イオン強度でのみDNAを収縮することが知られている(チコ
ネンコ(Tikchonenko)等、1988)スペルミジンまたはスペルミ
ンだけは、組織培養システムの生理学的条件下でDNAの発現を増加することは
出来なかった。
本発明の目的のために行った実験を通じて、一連のトランスフェリン・プロタミ
ン結合体を調製し、基準または合成プロタミンを用いて生細胞への核酸の輸送能
力を調べた。実際に、試験した結合体は細胞にDNAを輸送する能力を有してい
たが、その効率はポリリジン結合体の効率の約10分のlであった。遊離ポリリ
ジンの添加により、プロタミン結合体の効率を実質的に増加しえた。
CD4トランスフエクシヨン・システムにおいても同様の結果が得られた。結合
体/DNA比、2:lの比較的悪い結果を示すgp120−ポリリジン結合体か
ら始めて、gpI2Q−ポリリジン/DNA複合体を用いた実験を行った。CD
4発現Hel、a細胞における外来遺伝子の発現は、遊離ポリリジンの添加で4
倍増加した。
得られた結果から、核酸とトランスフェリンの間の結合を担う機能に加えて、結
合体に含まれるポリカチオン性結合因子は、細胞への核酸の吸収または発現にお
いてもう一つの役割を果たしているという仮定が導かれた。
ポリカチオンに対するトランスフェリンの至適比を決定するための滴定実験に続
いて、至適DNA/結合体比であることが分かった複合体の分子レベルでの研究
を行った。これらの研究の目的は、結合比の変化が複合体の高次構造に影響する
かどうかを調べることである。この目的のために、トランスフェリンフエクショ
ンで使用した方法と同様の方法で調製したトランカフニリン・ポリカチオン・プ
ラスミド・DNA複合体を電子顕微鏡で観測した。意外にも、電子顕微鏡分析は
、結合体存在下のプラスミドDNAが電子顕微鏡の試料調製法とは無関係に直径
約80乃至1100nのトロイド構造(ドーナツ様)に収縮していることを示し
た。
これらの結果の意外な特徴は、トランスフエリンフエクションにおいて最も効率
的であることが分かった結合体について得られたドーナツ構造は、DNAと遊離
ポリリジンの間の複合体の構造に習っており、即ち、DNAを収縮させるポリリ
ジンの能力は、それがインターナライジング因子と結合する事実には影響されな
いことである。高塩濃度におけるポリリジン(レムリ(Laemmli) 、1
975)または低イオン強度におけるスペルミジン(チャトラ(Chattor
aj)等、197g)によるλ−DNAの収縮が文献的にも知られている。
これらの実験を通じて、い(つかの場合における非共有結合の結合因子による発
現の増加を明確に、もしくは排他的にこの収縮効果に帰することは出来ず、別の
メカニズムに従わなければならないことが分かった。この事は、電子顕微鏡下で
観測されるヒストンH4に寄因するDNAの収縮無しに、トランスフェリンフエ
クション効率の著しい増加をもたらすH4の場合に見られる。
実施した試験の結果から、先ず、インターナライジング因子−結合因子・核酸複
合体の導入には少なくとも2つの予備条件が必要であることが分かった。
a)核酸分子がそのインターナライジングおよび発現に適合するばかりでなく、
明確にこれらの仮定を容易にする形で結合することを保証する混合物中における
十分な量の適当な結合因子の存在。例えば、DNAの収縮を起こすトランスフェ
リンおよびポリカチオンの場合のインターナライジングの改善は、恐らく、その
内径的1100nの(ダーネル(Darnell)等、1989)レセプターに
結合したトランスフェリンがインターナライズする「コート化ピット」の大きさ
に収縮した「ドーナツJの直径が一致することに寄因する。(恐ら(、核酸の収
縮は容易なインターナライジングに加えて、酵素的分解からの保護をもたらす。
)b)細胞内への複合体の輸送(例えば、レセプター仲介エンドサイト−シスに
よるトランスフェリンの場合)を維持する形および量のインターナライジング因
子の存在、即ち、細胞への複合体の十分な吸収を起こすには必ずしも必要ないが
、DNAに対する結合体の比が至適である結合体を用いた場合に得られる「ドー
ナツ」当たり多数のインターナライジング因子分子の存在。
行った試験の結果は、遊離結合因子によってもたらされる発現の増加がDNAの
収縮に明確に、若しくは少なくとも排他的に帰することは出来ないが、恐らく、
さらにDNAの保護作用、即ち細胞内におけるDNA分解の阻害、および/また
は核酸の発現機械への接触に関するポジティブな影響も手伝っているという仮説
を誘導する。
従って、本発明は、いくつかの結合体を遊離核酸結合物質と置き換えた後、イン
ターナライジング因子によって仲介される吸収メカニズムの機能を保証する適当
な形の結合体が十分な量存在するという条件で、インターナライジング因子・ポ
リカチオン結合体を使用した場合に、その結合体は、非共有結合ポリカチオン(
または、ポリカチオン性物質)と置換しつるという観察から始まる。
トランスフェリン・ポリカチオン結合体およびプラスミドDNAを使用する本発
明の範囲で実行された実験は、細胞内への遺伝子の輸送を維持するにはDNA分
子当たりlO乃至20個のトランスフェリン分子を必要とすることを示している
。
その数がこのレベルを下回ると、遊離ポリカチオンによる結合体の置換の結果、
導入されるDNA量は純粋なカチオン的導入システムに典型的なレベルにまで激
減する(ファーパー(Farber)等、1975)。
この理論への適合とは別に、例えば、トランスフェリンの場合はトランスフェリ
ン分子か十分または至適数存在するばかりでなく、これらの分子がレセプターに
接近可能なこと、即ち、レセプター仲介エンドサイト−シスが起こることを保証
するようにこれらの分子がレセプターに対して適当に存在することが重要である
かもしれない。
意外にもトランスフェリン・ポリカチオン結合体のい(つかを非共有結合ポリカ
チオンで置換しても細胞に吸収される核酸量は減少しないことが分かった。ある
場合にはDNA取り込みが有意に増加した。インターナライジング因子としてC
O2結合タンパク質を用いて行った試験も同様の結果を与えた。
以後、核酸への結合能により結合体によるインターナライジングおよび/または
発現効率を増加しつる非共有結合型の複合体に含まれる物質を[核酸結合物質)
または「核酸にアフィニティーを有する物質」と呼ぶ。
また、核酸にアフィニティーを有する遊離物質の添加は、他の結合因子を使用し
た場合でさえ、この導入システムの効率の増加をもたらすことが分かった。
この効果の試験は、結合因子としてインターカレート剤であるエチジウムダイマ
ーを用いたトランスフェリン・エチジウムダイマー結合体を使用して行った。
このシステムでも、DNA・結合体複合体が遊離ポリカチオンを含んでいる場合
には、該結合体により細胞に導入されるDNAの発現の増加が起こった。
従って、本発明はインターナライジング因子・結合因子結合体と複合体を形成す
る核酸を含む複合体であって、エンドサイト−シスによりインターナライジンク
因子によって高等真核細胞に吸収されうる新しい複合体に関する。この複合体は
、さらに、核酸にアフィニティーを有する物質であって、結合体による核酸のイ
ンターナライジングおよび/または発現を増加する非共有結合型の、恐らく結合
因子と一致しつる1つ以上の物質を含むことを特徴とする。
本発明の別の特徴は、細胞を本発明に従う複合体と接触させる、インターナライ
ジング因子による高等真核細胞への核酸の導入法に関する。
本発明によれば、細胞へ導入する核酸量に基づくインターナライジング因子・結
合因子結合体の必要量はより少なくなり、トランスフェクション・発現効率は少
なくとも同等に維持できることから、合成コストが軽減される。一方、複合体内
の多数のインターナライジング因子分子により幾つかの隣接する「ドツキング部
位」 (例えば、レセプター)が占有され、結果的にこれらのドツキング部位が
池の複合体によって使用されなくなる効果を避けたい場合にはより少ない量の結
合体が有利となる。処理する標的細胞上に多くのレセプターが無い場合には、複
合体内に含まれるインターナライジング因子の量を最小限に維持すること、即ち
、結合体量を最小にして、これを遊離核酸に対してアフィニティーを有する物質
で希釈することは特に都合がよい。
本発明に従い、それ自体では特に効果的ではない結合体の性能を実質的に増加し
得、また、既に高い効果を有する結合体の性能を更に向上することが出来る。
本発明の複合体の定性的組成に関しては、先ず細胞に導入する核酸およびインタ
ーナライジング因子が決定される。最初は、例えば、欠損遺伝子を置換するため
に、例えば、阻害又は(遺伝子治療で使用する場合は)発現すべき遺伝子または
遺伝子断片の標的配列によって細胞内で行われる生物学的効果により核酸が決め
られる。場合によっては、特定の用途に対する安定性の理由から核酸を修飾する
こともある。細胞に輸送する核酸は、そのヌクレオチド配列には制限を持たない
DNAまたはRNAである。例えば、ホスホジエステル基のホスホロチオニー゛
ト基による置換やヌクレオチドアナログの使用などの変化もあり得る(シン(
Zon)、1988)。特に興味深い治療的に効果のある阻害核酸は、特定の遺
伝子配列を阻害する目的で細胞に導入される核酸である。これらには、場合によ
ってはキャリヤー核酸を伴うアンチセンス・オリゴヌクレオチドおよびリポザイ
ム(または、アンチセンスRNAまたはりポザイムが転写される遺伝子構築物)
が含まれる。
インターナライジング因子は、例えば、ある細胞型に特異的であり、そのタイプ
の細胞に選択的に核酸を導入しうる特定の表面抗原又はレセプターによる等、取
り分は標的細胞によって決定される。
核酸およびインターナライジング因子に関する決定から始まり、これらのパラメ
ーター、核酸の大きさ、特に、重要とされる負電荷の実質的中和に関して結合因
子が決められる。
複合体中に含まれる核酸にアフィニティーを有する非共有結合物質を選択した場
合、これらの物質の添加が結合体の場合と比べて核酸のインターナリゼーション
・発現の増加をもたらすことが重要である。
複合体の定性的組成と同様に、定量的組成も互いに機能的に関連する基準、例え
ば、核酸の濃縮がどの程度必要か、複合体全体の持つ電荷、特定の細胞が有する
結合およびインターナライジング能の程度、および、それをどの程度増加する必
要があるか等により決定される。複合体の組成に関するその他のパラメーターと
しては、レセプターに対するインターナライジング因子の接近可能性であって、
該因子が細胞に関する複合体内でどの様に提示されるかが重要な因子となってい
る。別の基本的特性としては、その所定の機能を果たすための細胞における核酸
の接近可能性が挙げられる。
本発明の目的に関する[インターナライジング因子」とは、エンドサイト−シス
、望ましくはレセプター仲介エンドサイト−シスにより細胞に結合した後、イン
ターナライズされるリガンドまたはそのフラグメント、もしくは、細胞膜要素と
の融合により結合・インターナライズされる因子である。
理論的に適したインターナライジング因子には、リガンドであるトランスフェリ
ン、コナルブミン;アシアログリコプロティン(アシアロトランスフェリン、ア
シアロロソムコイドまたはアシアロフェチュイン)またはガラクトースを含み、
アシアログリコプロティン・レセプターを介してインターナライジングされる物
質;レセプターを介して細胞に吸収されるリボプロティン(アポB100/LD
L) ; HtVタンパク質gp120等のウィルスタンパク質;表面抗原に対
する抗体、例えば、アンチ−CD4 、アンチ−CD? 、インターロイキン−
1,TNF等のサイトカイン;インシュリン、EGF等の因子および成長因子;
失活トキシン等が含まれる。リガンドは天然のものでも合成したものでもよく、
かつ、場合によっては修飾されることもある。
本発明の範囲に適したこれらの因子に関しては、a)それらは、核酸を導入する
特定の細胞によりインターナライズされなければならず、それらが結合因子と結
合された場合にインターナライズする能力が全く、または実質的に影響を受けて
はならない。また、b)この特性の範囲内で、それらは、それらが使用する経路
を介して細胞内に核酸を運ぶことが出来なくてはならない。
本発明に適した結合因子には、例えば、ポリリジン、ポリアルギニン、ポリオル
ニチン等のホモ・ポリカチオンまたは2つ以上の異なる正電荷アミノ酸を有する
ヘテロ・ポリカチオンであって、おそらく種々の鎖長を有するポリカチオン、並
びに、ポリエチレンイミン等の非ペプチド合成ポリカチオンが含まれる。その他
の適当な結合因子には、ヒストンまたはプロタミン類、またはそのアナログ、ま
たはそのフラグメント等のポリカチオン性を有する天然のDNA結合タンパク質
がある。使用しうるその他の結合因子には、エチジウムダイマー、アクリジンま
たはトリプトファンおよび/またはチロシンおよび/またはフェニルアラニンを
含むインターカレーティング・ペプチド等のインターカレーティング物質がある
。
複合体中に非共有結合で含まれている核酸結合物質は、結合因子と同じ物のこと
もあるし異なる場合もある。これらを選択する基本的基準は、核酸の大きさ、特
にその収縮に関する大きさである。一般的に、小さい核酸の場合には収縮する必
要はない。核酸にアフィニティーを有する物質の特性および量に関する選択は結
合体、特に結合体中に含まれる結合因子を特に考慮して行われる。例えば、もし
、結合因子がDNA収縮の能力を全く、または殆ど有していない場合、一般的に
複合体を効率的にインターナライズする目的のためにはDNAに対するアフィニ
ティーがより大きい物質を使用することが望ましい。もし、結合因子自体が核酸
を収縮する物質であり、この結合因子により効率的なインターナライジングのた
めの核酸の適当な収縮が行われるならば、他のメカニズムにより発現の増加をも
たらす核酸にアフィニティーを有する物質を使用することが望ましい。
本発明において使用するのに適している核酸にアフィニティーを有する非共有結
合物質には、核酸を収縮させ、および/または細胞内における不都合な分解から
核酸を保護する能力を有する物質、特に先に示したポリカチオン性の物質が含ま
れる。その他の適当な物質には、核酸に結合し、それにより細胞の発現機械に対
する核酸の接近可能性を増加して核酸の転写・発現の増加をもたらす物が含まれ
る。このような物質の例には、DNAが転写に関して活性であるという仮定でD
NAを収縮し、かつ細胞内で是を発現する能力を有することが見いだされた染色
体非ヒストンタンパク質HMGIがある(ベトガー(BQttger)等、19
88)。
核酸に対するアフィニティーを有する結合因子および/または非共有結合物質、
は、場合によっては修飾されうる。この修飾には、例えば、細胞膜に対するイン
ターナライジング因子・結合因子・核酸複合体のアフィニティーを増加しつる天
然の脂質(例えば、脂肪酸、コレステロール)に類似する炭化水素基等の親油性
基が含まれる。
修飾を行う別の方法には、標的細胞に対する複合体の特異性を増加しうる親水性
基であって、複合体が親油性基に対するアフィニティーを有する別の細胞に指向
するのを防ぐ親水性基の使用が含まれる。このような親水性基にはラクトース、
マルトース、ガラクトース等の糖およびポリエチレングリコールが含まれる。
結合体内の結合因子に対するインターナライジング因子のモル比を決定するとき
は、核酸の複合体化が起こり、かつ生成した複合体が細胞に結合し細胞内に運ば
れることを確認すべきである。結合体は、種々の組成の結合体の効率を調べる簡
単な予備実験で決定しつる。
選択された特定の比は基本的にポリカチオン分子の大きさ、正電荷基の数および
分布、輸送される核酸の大きさ、構造および修飾に適合する基準に依存する。
結合体を構築し、トランスフェリンフエクションの効率に関するDNAに対する
結合体の至適比を決定した後、滴定により核酸にアフィニティーを有する遊離物
質と置換しうる結合体画分の量を測定できる。もし、ポリカチオンを結合因子お
よび核酸にアフィニティーを有する遊離物質の両方として使用するなら、そのポ
リカチオンは同一のものでも異なるものでもよい。
本発明の複合体は、全てが希釈溶液の形で存在してもよい各成分、核酸、インタ
ーナライジング因子・結合因子結合体および核酸にアフィニティーを有する遊離
物質を混合する事により調製しうる。もし、結合因子であると同時に核酸に対す
るアフィニティーを有する遊離物質としてポリカチオンを使用するならミ一般的
に先ず結合体と遊離ポリカチオンとの混合物を調製し、その後この混合物とDN
Aとを合わせるのが望ましい。特定の結合体・ポリカチオン混合物に対するDN
Aの至適比は、滴定実験、即ち、一定量のDNAおよび種々の量の結合体°ポリ
カチオン混合物を用いた一連のトランスフェクション実験で測定する。混合物中
におけるポリカチオンに対する結合体の至適比は、滴定実験で使用した至適混合
物の至適値を使用または比較することで得られる。
DNA複合体は、生理学的塩濃度で調製しうる。しかし、より高い塩濃度(おそ
らく、2M NaCl )を使用し、後に穏やがな希釈または透析で生理学的条
件に調整することも出来る。
本発明に従った、各要素である核酸、結合体および核酸にアフィニティーを有す
る非共有結合遊離物質を混合する最も適した配列は、予備実験で個々の場合につ
いて決定される。例えば、トランスフェリン・エチジウムダイマー結合体および
ポリリジンの場合など特定の合には、先ず、核酸と結合体の複合体を作り、後に
核酸にアフィニティーを有する遊離物質、例えばポリカチオンを添加する。
本発明の1つの態様におけるインターナライジング因子はトランスフェリンであ
り、結合因子はポリカチオンである。トランスフェリン・ポリカチオン結合体と
核酸との複合体の形で核酸を釣り上げられ、核酸にアフィニティーを有する遊離
物質は非共有結合型で複合体中に含まれるポリカチオンであり、遊離ポリカチオ
ンは結合体中に含まれるポリカチオンと同一または異なるポリカチオンである。
「トランスフェリン」は、天然のトランスフェリン並びにレセプターに結合し、
細胞内に輸送されるトランスフェリン修飾物を示す。
結合体中のトランスフェリン;ポリカチオンのモル比を決定する場合、核酸が複
合体化し、かつ、形成した複合体がトランスフェリンレセプターに結合し細胞内
に輸送されることを確認すべきである。この事は各々の場合で行われる簡単な実
験でチェックしうる。
結合体中のカチオン性物質として以下の化合物を使用しうる。
a)プロタミンこれらは、天然もしくは組み換え法で生成した物であり、多数の
複製物を生産しうるし、また分子の大きさおよびアミノ酸配列の修正もしつる。
また、対応する化合物を化学的に合成できる。例えば、合成プロタミンを合成す
る場合、その操作には天然のプロタミンにおいては輸送機能(例えば、より大き
い凝集物を形成するDNAの収縮)に不都合な機能を示すアミノ酸残基を他の適
当なアミノ酸に置換すること、および/またはその一端にトランスフェリンとの
望ましい結合を可能にするアミノ酸(例えば、システィン)を提供することが含
まれる。
b)ヒストン:天然および合成ヒストンまたはそのフラグメントが使用できる一
方、その生産および修正に関してはプロタミンに関して先に述べた所見が同様に
適用される。
C)ホモ・ポリペプチド(ポリリジン、ポリアルギニン)またはへテロ・ポリペ
プチド(正電荷アミノ酸を2つ以上含む)等の合成ポリペプチド。
d)ポリエチレンイミン等の非ペプチド・ポリカチオン。
基本的に、ポリカチオンの大きさは、輸送される核酸に依存する。
トランスフェリン・ポリカチオン結合体は、化学的に、またはポリ力チオンカ鴫
ポリペプチドの場合は組み換え法により生成しうる。
化学的方法によるカップリングは、取り分はペプチドのカップリングに関する従
来法で行うことができ、もし必要ならば各成分に、かツブリング反応の前をこ1
ノンカー物質が提供されうる(この操作は、例えば、メルカプト基また(まアル
コール基等の当初使用しうるカップリングに適した官能基が無い場合に必要とな
る)。
このリンカ−物質は、先ず各成分の官能基と反応し、その後修飾した各成分のカ
ブプリングを行う二官能性化合物である。
望ましい結合体の性質、特にその安定性に依存して、以下の事項により力・ツブ
リングを行いうる。
a)還元条件下で再び切断しうるジスルフィド結合(例えば、スクシンイミジル
ピリジルージチンプロピオネートを用いて(ジャンク(Jung)等、1981
) )。
b)生物学的条件下で非常に安定な化合物を用いること(例えば、第2成分に結
合するスルフィドリル基とマレイミド・リンカ−を反応させることによるチオエ
ステル)。
C)例えば、エステル結合または弱酸性条件下で不安定なアセタールまtこ(ま
ケタール結合等、生物学的条件下で不安定な結合を用いること。
組み換え法による結合体の生産は、明確に限定された均一な化合物を提供するが
、化学的結合は後に分離しなければならない結合体の混合物を生成する。組み換
え法による調製に関しては、タンパク質およびヒストン結合体カベ特に望ましG
)。
結合体の組み換え法による調製は、キメラポリペプチドの生産に関する従来法を
用いて行いうる。ポリカチオン性ペプチドはその大きさおよびアミノ酸配置FJ
を変化しうる。また、遺伝子工学による生産は、レセプターへの結合能を増加す
ること、例えば、適当な変異導入、またはトランスフェリンをレセプターへの結
合を担う部分に短縮することにより結合体のトランスフェリン部分を修正するの
に有利である。
もし、インターナライジング因子が例えば、トランスフェリン等の糖タンパク質
なら、それを糖タンパク質の一つ以上の炭水化物鎖を介して結合因子に結合しう
る。
この種の結合体は、使用するリンカ−物質に由来する修正を含まないという利点
を有する。例えば、トランスフェリンなどのカップリングに適した炭水化物基が
1つしかないか、または少ない場合には、これらの結合体は糖蛋白質・結合因子
の結合部位が性格に規定されるという利点を有する。
糖蛋白質・ポリカチオン結合体を調製するための適当な方法は、ドイツ特許出願
P 4115038.4に公開されている。これはワグナ−(Wagner)等
(1991)によって示されたものである。
本発明は、所定の組成の結合体を得るための、それ自体は明らかにポリリジン結
合体よりも有効ではないが組み換え法によって生成することが比較的容易である
トランスフェリン・プロタミン結合体の効率を増加する利点を有している。使用
しうるトランスフェリン・ポリカチオン結合体、またはDNAとの複合体および
その調製方法に関しては、特にBP−Al 0388758の公開が参考となる
。
先に与えられた情報は、トランスフェリン複合体を用いた本発明の態様を示して
いるが、特にトランスフェリン複合体に制限されるものではない。
トランスフェクションの適当な条件を決めるために、トランスフェリン・ポリカ
チオン結合体を例に用いた以下の操作が使用しうる。細胞に輸送し、その用途(
遺伝子または遺伝子断片の転移、アンチセンス・オリゴヌクレオチドによる細胞
機能の阻害、その他)で限定される核酸から出発して、その核酸と複合体を形成
し、トランスフェリン・レセプターを介して細胞に吸収されうるトランスフェリ
ン・ポリカチオン結合体を合成した。トランスフェクションを起こす特定の細胞
系では、先ず、特にトランスフェクトされる細胞またはこれらの細胞の状態に関
するトランスフェクションに適した条件、例えば、トランスフェリン・レセプタ
ーの数の増加をもたらす、および/または、細胞オルガネラ、特にリゾソーム内
の核酸の分解を阻害する条件が選択される。
トランスフェリン−ポリカチオン・核酸複合体の取り込みの増加が単にレセプタ
ー上の直接的または間接的作用(例えば、転写速度の増加、mRNAの分解の阻
害、またはmRNAの翻訳速度の増加、レセプターの分解の減少、またはこのよ
うなメカニズムの組み合わせによるレセプター合成の増加)によるトランスフェ
リン・レセプター数の増加に帰しうるかどうかは重要ではない。また、この効果
には、例えばトランスフェリンのそのレセプターに対するアフィニティーの増加
、および/またはトランスフェリン・レセプターの再生速度の増加、および/ま
たはトランスフェリン・レセプターへの結合に関するトランスフェリン−ポリカ
チオン・核酸複合体と本来のトランスフェリンとの競争の阻害等、別のメカニズ
ムも関係しうる。重要なことは細胞を処理する条件がトランスフェリン−ポリカ
チオン・核酸複合体の取り込みを増加する事である。[トランスフェリン・レセ
プター数の増加をもたらす条件」の定義は、上述のメカニズムによるトランスフ
ェリンフェクションの効率の増加をもたらす条件も含んでいる。
トランスフェリン・レセプター数を増加する目的で細胞を処理する適当な条件に
は、例えば、細胞を細胞内のヘモコンセントレージョンを低下しうる物質と接触
させることが含まれる。
これらは、以下の事項:
a)プロトポルフィリン■の生合成を阻害する、b)へモホーメーションを妨害
する、
C)ヘモ・デコンポジションを促進する、により細胞内のヘモコンセントレージ
ョンの減少を招く物質であることが望ましい。
グループa)の物質にはスクシニルアセトンが含まれるが、トランスフェリン・
レセプター数の増加は、恐らくプロトポルフィリン■の生合成の阻害に帰するこ
とができる。グループb)の物質には、細胞内の鉄欠乏を誘導する物質、例えば
、鉄キレート形成剤であるデスフェリオキサミンが含まれ、恐らく、この物質は
プロトポルフィリン■のヘムへの転換を妨害する理由でトランスフェリン・レセ
プター数の増加を起こす。基本的に細胞内に吸収され、かつ、ヘム形成に使用し
うる鉄の量に関するデスフェリオキサミンの効果を有する全ての物質、特に何時
キレート剤は、トランスフェリン・レセプター数の増加に適している。
これまで述べてきた物質のグループは、これらが明らかにレセプターへの結合に
関する本来のトランスフェリンおよびトランスフェリン−ポリカチオン・核酸複
合体の競争を排除するのに適していることから、本発明の範囲内でトランスフェ
リン複合体を使用する場合に重要である。インビトロまたはインビボにおいてこ
のような物質で細胞を前処理することにより、トランスフェリンに結合されない
鉄が除かれ、その結果、細胞から排除されるトランスフェリンが使用可能な鉄は
無く、従って、このトランスフェリンはアポトランスフェリンとしてトランスフ
ェリン・レセプターへの結合に関してトランスフヱリンーボリカチオン・核酸複
合体と競争しえなくなる。一方、遊離鉄の除去は、遊離鉄の存在に寄因するトラ
ンスフェリン・レセプター数の減少を防ぎうる。
グループC)には、トランスフェリン・レセプター濃度、またはそのレセプター
に対するトランスフェリンのアフィニティー、またはレセプター再生速度を増加
することによりヘム分解を、結果的に、細胞を誘導または刺激する物質が含まれ
る(これらの物質により細胞へのDNAの取り込みが増加することが分かり、一
方、グループa)乃至C)の物質の組み合わせは、発現されるレポーター遺伝子
の活性により決定されている付加的効果を有していた。)また、本発明の範囲に
おいては、細胞内の核酸の分解を阻害する条件を作ることも有用である。このよ
うな条件は、いわゆるリソソマトロピ・ツク物質を添加することにより提供され
うる。これらの物質は、リゾソーム内のプロテアーゼおよびヌクレアーゼの活性
を阻害することが知られており核酸の分解を妨害するが、一方、リソツマトロピ
ック物質の性質の定義には細胞内の細胞オルガネラ膜から核酸を放出させる潜在
的能力が含まれる。
これらの物質には、クロロキン、モネンシン、ニゲリシン、塩化アンモニウムお
よびメチルアミンが含まれる。
リソツマトロピック物質群から選択した物質を使用する必要性は、特に処理する
細胞型に依存するであろう。本発明の目的に対するこのグループからの物質の適
合性、および、それを細胞に作用させる濃度または時間は、一方では細胞に対す
るそれらの毒性、他方ではこれらの物質が、例えば、ベシクル融合の阻害、それ
によるレセプターの解読の阻害等によりトランスフェリン・レセプターの再生に
影響するか否かに依存するであろう。核酸の分解を阻害する物質の使用=関して
、効率的なトランスフエリンフエクションを行う目的にとって全ての細胞型に必
須なものではないことが分かった。
従って、リソツマトロピック物質を使用した場合、予備実験でそのl・要員また
は適性を試験する必要がある。必要ならば、細胞を損傷する効果を除外また(よ
最小限にするために、これらの物質を短時間作用させつる。
本発明の別の態様におけるインターナライジング因子は、CD4に結合しうるタ
ンパク質(rCD4結合タンパク質J、rcI)4BPJ ’)である。未公開
のす−スト1ノア特許出願A1110/9Qの範囲内で、感染の間)11Vウイ
Jレスにより使用されるレセプター、即ちCD4は、タンパク質部分がCD4結
合タンパク質であるタンパク質・ポリカチオン・結合体と共に細胞内に導入され
る核酸と複合体を形成することにより細胞内に核酸を輸送するのに使用しうるこ
とが分かった。使用したCD4BP 1tCD4に対するモノクローナル抗体ま
たはCD4に結合するそのフラグメント、例えば、Fab’フラグメントでよい
(ペルチx :/ ’ ?チュース(Pelchen−Matthews)等、
1989)。
これらのものには、gp120エピトープへの結合をウィルスと競争するgり1
20エピトープを有する抗CD4モノクローナル抗体が含まれる。
従来のモノクローナル抗体またはそのフラグメントの代わりに、重鎮および軽鎖
のセグメントの組み合わせ、または重鎮自体を含むCD4抗原結合抗体フラグメ
ントを使用しうる。CD4BPとして、HIV−1−gp120または 関連レ
トロウィルスまたはそのフラグメントの相同タンパク質も使用しつる。適当なg
p120フラグメントは、例えば、CD4への結合が示されてきた95kDaお
よび25kDaフラグメント等にグレン(Nygren)等、1988)のCD
4 (、ラスキー(Lasky)等、1987) iこ結合しうる物である。こ
れらのフラグメントは、例えば、組み換え法により全gp120タンパク質を生
成し、続いてこれをタンパク質分解的に切断する力)、また+1、フラグメント
自体の組み換え的調製により得ることができる。
結合体のポリカチオン部分または核酸に対するアフィニティーを有する非共有結
合遊離物質に関しては、原則的にトランスフェリン・ポリカチオン結合体に関し
て述べた注意が適用される。
結合体内のポリカチオンに対するCD48Pのモル比および核酸との複合体を形
成し、CD4と結合し、細胞に輸送されるための必要条件に関しては、トランス
フェリン・ポリカチオン結合体に関する注意が適用される。該結合体と接触され
、例えば、放射能ラベルした相補的核酸分子とハイブリダイズするサザンプロッ
ト解析、PCRを用いた増幅、またはレポーター遺伝子の遺伝子生産物の検出に
より、細胞中の核酸の存在を調べられるCD4発現細胞系列を用いることにより
、複合体の性能を調べることができる。効率的なトランスフエリンフェクション
に関するポリカチオンに対するCD48Pの至適比を測定した後、滴定によりト
ランスフェリン結合体の場合使用した操作と同様に、核酸に対するアフィニティ
ーを有する遊離物質と置換しうる結合体成分の量を測定できる一方、本発明の本
態様においても、おそらく核酸に対するアフィニティーを有する遊離物質は結合
体のポリカチオン成分とは異なる。
CD48P結合因子結合体を使用した場合でさえ、細胞中の核酸の分解を阻害す
る物質を用いてシステムの効率を改善することが望ましいが、このような尺度の
適性または必要性に関して、トランスフェリン・ポリカチオン結合体を使用した
場合と同様の考慮が適用される。
本発明の範囲で行われる試験において、細胞に輸送される核酸の例としてフオチ
ナス・ビラリス(Photinus pyralis)ルシフェラーゼ遺伝子を
含むプラスミドを使用した。原則的として、このDNAは、例えば、特定の細胞
型に対する個々の場合に要求される特定の条件を決定するために行う予備実験に
特に有用である。
治療的用途における核酸は、取り分は細胞内における生物学的効果によって限定
されるが、遺伝子治療における用途では、例えば、欠陥遺伝子を置換するための
発現される遺伝子または遺伝子断片、または阻害される遺伝子の目的配列により
限定される。細胞内に輸送される核酸はDNAでもRNAでも良い。そのヌクレ
オチド配列に関する制限もない。治療的に有効な阻害核酸として、特定遺伝子配
列を阻害する目的で特定の遺伝子構築物が細胞内に輸送される。これらには、ア
ンチセンスRNAまたはりポザイムに転写される遺伝子構築物が含まれる。
遺伝子治療に使用され、遺伝子構築物の成分として本発明の方法により細胞内に
閉じ込めうる遺伝子の例には、因子■(血友病で使用される。クラチ(Kura
chi )およびデビー(Davie)、1982)、アデノシン・デミアーゼ
(SCID ;バレリオ(Valerio)等、1984)、a−1アンチトリ
プシン(肺気腫;シリベルト(Ci l1berto)等、1985)または「
嚢腫性繊維症トランスメンブレン・コンダクタンス調節遺伝子」 (リョーダン
(Riordan)等、1989)が含まれる。これらの例は、いかなる制限も
構成しない。
核酸のサイズは広い範囲で使用が可能である。本発明に従い約0.3kb乃至約
0.5kb以上のオーダーの核酸を細胞内に輸送しうる。
別の特徴において、本発明は活性成分として特異的に遺伝子を阻害する核酸との
複合体を含む医薬組成物に関する。例えば、アンチセンス・オリゴヌクレオチド
、アンチセンス・オリゴヌクレオチド・アナログ、またはりボザイムまたはそれ
らをコードするDNAの形の阻害核酸を、場合によっては、例えば凍結乾燥物と
してtRNA等のキャリヤー核酸と共に含む本発明に従う複合体は、Hffまた
は関連レトロウィルス等のヒトまたは動物の病原ウィルス、オンコジーン、また
は例えば+ c−fos遺伝子またはc−myc遺伝子などの細胞の成長および
/または分化をコントロールするその他の重要な遺伝子を阻害するのに使用しう
る。
本発明の医薬製剤の使用に関する別の分野には、例えば、アルツ/%イマー症で
発生する主要プラークタンパク質、または自己免疫症を起こすタンパク質等、不
都合な遺伝子タンパク質の生産を阻害することによりそれらの病気と戦うことが
含まれる。
本発明の核酸に対するアフィニティーを有する遊離物質を含むインターナライジ
ング因子−結合因子・核酸複合体の投与量は、特に処理する細胞濃度および阻害
すべき特定の核酸に依存する。また、使用する複合体の量は、例えば、その核酸
が活性成分であるかどうか、または例えば、リボザイムの場合、それが遺伝子と
して細胞内に輸送され、細胞内で増幅されるかどうかに依存する。
各々の細胞型に対する特定の指標に使用する至適投与量は、個々の場合における
予備実験で決定する。
治療のためには、これらの物質を生体内または生体外に投与する。例えば、腫瘍
の治療のために生体内に投与する場合には、核酸として活性化したオンコジーン
を指向するりボザイムを含む適当な複合体の溶液を腫瘍組織に注射することが含
まれる。
生体外治療は、例えば、白血球細胞の処理の場合に考えられる。採用される操作
には、例えば、患者から骨髄または末梢血液を採取することが含まれる。それか
ら、白血球を核酸成分としてオンコジーン活性を中和するアンチセンス・オリゴ
ヌクレオチドまたはりボザイムを含むトランスフェリン−ポリカチオン・核酸複
合体によるトランスフエリンフェクションの至適条件下で(例えば、デスフェリ
オキサミンによる前処理後)選択的に処理する。最後に、その骨髄または血液を
生体に再移植する。
本発明によるインターナライジング因子・結合因子−核酸複合体を含む医薬組成
物の治療への応用により、細胞内への有効な核酸の導入が改善され、その発現が
増加することでその活性の向上が可能となった。
(図面の簡単な説明)
第1A図ニドランスフェリン・ポリリジン結合体/DNA ()ランスフェリン
−ポリリジン200)の至適比の決定。
第18図ニドランスフェリン・ポリリジン結合体/DNA ()ランスフェリン
−ポリリジン450)の至適比の決定。
第2図 :遺伝子転移効率に関するポリリジンに対するトランスフェリンの比の
効果(Aニドランスフェリン・ポリリジン200. B: l−ランスフェリン
・ポリリジン450)
第3図 :DNA分子当たりに必要とされるトランスフェリン分子の最小数の決
定。A:量変化させた結合体の非結合ポリリジンによる置換。Bニ一定の至適量
結合体に対する非結合ポリリジンの添加。
第4図 ニドランスフェリンおよび合成プロタミンの結合体による遺伝子転移。
第5図 ニドランスフェリンおよび合成プロタミンの結合体によるトランスフリ
ンフエクション効率の向上。
第6図 :細胞状態に依存するトランスフリンフエクション効率の増加。
第7図 :遺伝子転移に関する非共有結合ヒストンH4に影響。
第8図 : gp120−ポリリジン結合体によるCD4発IJJ(eLa細胞
への遺伝子転移。
第9図 :非共有結合ポリリジンの添加にょるgp120−ポリリジン結合体を
用いた遺伝子転移の効率の増加。
第1θ図二親油的に修正したポリリジンの添加によるトランスフェリン・ポリリ
ジン結合体を用いた遺伝子転移の効率の増加。
第11図:非共有結合ポリリジンによるトランスフェリン・エチジウムダイマー
結合体を用いた遺伝子転移の効率の増加。
第12図ニドランスフェリン・ポリリジン結合体による遺伝子転移に関するラク
トース修飾ポリリジンの影響。
本発明を以下に示す実施例で説明する。
実施例1
トランスフェリン・ポリリジン200およびトランスフェリン・ポリリジン45
0結合体(TfpL200およびTTpL450 ) (7)調製結合は、文献
(ジャンク(Jung)等、19+11)の方法を用い、スクシンイミジルピリ
ジルジチオプロピオネートによる修飾後ジスルフィド結合を導入することにより
行った。採用した操作は、EP−Al 0388758に示されているが、単離
方法を若干修正しており、その結果より高収率で結合体が得られた。
a) 3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート修飾トランスフェリン:3n
+IのO,1Mリン酸ナトリウム・バッファ(pH7,8)中のセファデックス
G−25でゲル濾過したトランスフェリン(ヒト・トランスフェリン、シグマ、
鉄フリー)120■の6n+1溶液を攪拌しながらスクシンイミジル 3−(2
−ピリジルチオ)プロピオネート(3μM、 5PDP、ファルマシア)の15
−エタノール溶液200μlと混合し、時々振りながら室温で1時間反応させた
。ゲルカラム(セファデックスG−25,14X180o+、0.1Mリン酸ナ
トリウムバッファpH7,8)で低分子反応生成物および試薬残査を除去し、7
mlの生産物フラクションを得た。トランスフェリンと結合したピリジルジチオ
プロピオネート残基は、ジチオスレイトールによる還元後の試料の一部のピリジ
ン−2−チオン放出量を分光学的に測定することで定量し、約2,6μID01
と決定された。
b)修飾されたポリリジ:/200(+)L200)およびポリリジン450(
pL450)(7)調製3mlの20d%la酸ナトリウムバッファ中、0.5
7μw1のpt、2oo (蛍光ラベルした平均重合度200リジン残基のもの
)のゲル濾過溶液を300μlのl M HHPtlSバッファの添加でpH7
,9に調節した。激しく攪拌しながら、IO−の5PDPエタノール溶液(2,
04μmo1)を204μl添加した。1時間後、500μlの1M酢酸ナトリ
ウム(pH5)を添加した。低分子物質を除去するために、この混合物をセファ
デックスG−25で濾過した(溶出液:20−酸ナトリウムバッファpH5,0
)。l、86μax+1のジチオピリジン基を含む0.54μmlのpL200
8 (ポリリジン鎖当たり3.5個のリンカ−)を含む溶液が得られ、この溶液
をバッファを用いてpH7に調節し、36■のジチオスレイトールを添加後、こ
の混合物を暗所、アルゴン雰囲気下、室温で1時間放置した。400μIの3岨
詐酸ナトリウムバツフア(pH5,0)を添加し、さらに、ゲル濾過する事で過
剰な還元剤から分離した(セファデックスG−25,14X 180−カラム、
15−酸ナトリウムバッフypH5,0)。1.84μ加1のメルカプト基を含
む蛍光ラベルしたポリリジン0.50μl1101を含む生産物溶液4mlが得
られた(エルマン試薬5.5′−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸を用いた分光
学的測定)。
同様に、0.20μmolのpL450(平均重合度450リジン残基)を0.
70μlll01の5PDPで修飾し、0,57μmlのジチオピリジン基を含
む0.18μmolのpL450 (ポリリジン鎖当たり3.2個のリンカ−)
を得た。ポリリジン200について先に述べたようにジチオピリジン基をジチオ
スレイトールで還元した。0.57μl1lIO1のメルカプト基で修飾された
0、 175μID01のポリリジンが得られた。
C) トランスフェリン・ポリリジン結合体の調製アルゴン雰囲気下、酸素を排
除してa)で得られた修飾トランスフェリン1.06μr!1ol (100t
M HEPBSバッファ、pH7,9)をb)で得られた修飾pL200 (3
0−酢酸ナトリウムバッファ)と混合してトランスフェリン・pL200を調製
した。同様に、トランスフェリン・ポリリジン450結合体を実施例1a)に従
い0.61μmolの修飾トランスフェリン(100mM HBPES pH7
,9)および0.12μmol pL450 (30−酢酸ナトリウムバッファ
)から出発して調製した。
室温、18時間後、反応混合物からカチオン交換クロマトグラフィーにより結合
体を単離した(ファルマシア、モノSカラムHR10/lOi 勾配溶出、バッ
ファA:50m HEPBS pH7,9、バッファB:バッファA+3M塩化
ナトリウム)。ポリカチオン結合体を得るためには、カラムにチャージする前に
反応混合物に塩化ナトリウムを添加しくTfpL200 (7)場合、最終濃度
0.6 M、 TfpL450 c7)場合、l M) 1.m、(7)塩濃度
から勾配をかけることが重要であると分かった。TTpL200の場合、生産物
フラクションハ約1.4Mで溶出し、TTpL450 (7)場合は2M’t−
溶出した。HBS (HBPES緩衝塩溶液: 20d4 HEPES、150
vM NaCl、pH7,4)に対して透析した後、各々の結合フラクション
ハ、収率80%(TfpL200 )および64%(TfpL450 ) T:
あツタ。
結合フラクションは、第2A図および第2B図においてポリリジンに対するトラ
ンスフェリンの比に関して詳細に検討した。
試料に、トランスフェリン成分■当たり3乃至lOμlのIO−クエン酸鉄[1
11]、200請クエン酸(炭酸水素ナトリウムを用いてpH7,8に調整)を
添加することで結合体に鉄を取り込ませた。
実施例2
a)DNAに対するポリリジン結合体の至適比の測定実施例1で得られた各結合
体に関し、DNA導入および発現の目的でDNAに対する結合体の至適比の滴定
を行った。使用したDNAは、Triton−X分解標準法(ドウエツト(De
Wet)等、1987) 、CsCl/EtBr平衡密度勾配遠心、ブタノール
−1による脱色および10mM l−リス−HCI(l]H7,5)、 1ml
+l EDTAに対する透析で調製した(参考BP−Al 0388758)。
滴定に使用したトランスフェリン−ポリカチオン・DNA複合体は、特定の結合
体フラクションの量を増やしつつ、一定量のpR3VL−プラスミドD NA、
TfpL200フラクションの場合はIOμgおよびTfpL4soの場合は6
μgと混合することで調製した。第1A図(TfpL200)および第2B図(
TfpL45o)は、滴定を行うのに選択された量であって、結合体および結合
体フラクション中に含まれるトランスフェリンに対するDNAの重量比を示す量
の比をそれぞれA−CおよびA−Dに示している(第2図参照)。複合体は、H
BS(150mM NaCl、 20mM HEPES pH7,4)500
u I中で調製し、室温で30分間インキュベートしてから細胞培養物2mlに
添加した。トランスフェクション用に、赤白血病細胞系列に562をlO%ウシ
胎児血清、100IU/mlのペニシリン、100μg/ll1lのストレプト
マイシンおよび2−のグルタミンを補ったPRMI 1640中でml当たり2
−5 XIO’の細胞密度で培養した。この細胞を細胞上のトランスフェリン・
レセプター数を増加するため50μMのデスフェリオキサミンでトランスフェク
ション前18−24時間前処理した。トランスフェクションは、100μMクロ
ロキンの存在する2mlの培地中、5×15の細胞で行った。37℃、4時間の
インキュベート後、細胞を新鮮な培地に移して37℃でインキュベートし、18
時間後ルシフェラーゼ測定用に収穫した。第1図は、タンパク質含量で標準化し
た細胞抽出物部分標本(全抽出物の約15−20%)のルシフェラーゼ活性を示
している。
b) )ランスフエリンフェクション効率に関する結合体中のトランスフェリン
・ポリリジン比の影響
IOμgのpR3VL DNAとの複合体形成に、ポリリジン鎖当たりのトラン
スフェリン分子平均数が異なる3種類のTfpL200結合体フラクションA−
Cをa)で決定した至適量で使用した(フラクションAは40μg、BおよびC
は30μg)。先に述べた標準条件下、生成した複合体で10’個の細胞をトラ
ンスフェクトし、その遺伝子発現をタンパク質含量で標準化した細胞抽出物部分
標本のルシフェラーゼ活性の測定で決定した。
4種のTfpL450フラクションA−Dを用いたトランスフエリンフエクショ
ン実験は、6μgのDNAを使用し、至適であることが分かっている結合体量、
即ち18μg(フラクションA−C’)および12μg(フラクションD)と混
合すること以外は、全く同様の方法で行った。これらの実験結果を第2図に示す
(ルシフェラーゼ活性値は全抽出物に関するものである)。これは、ポリリジン
分子当たり少数のトランスフェリン分子を含むフラクションがより有効であるこ
とを明確に示している。第2A図:ポリリジンに対するトランスフェリンのモル
比2:lの結合gは、モル比6:lの結合体Aよりも10倍効率か良い。第2B
図:この実験は、長居トランスフェリン・pL450結合体を使用した場合、モ
ル比9:1の結合体は、モル比5:1の結合体よりも活性は低いが、Tf:pL
比2.5:lの結合体の活性と同様の活性を有することを示している。しかし、
ポリリジン含量が高くなると(比1:I )再び活性が下降する。
実施例3
DNA分子当たりに必要とされるトランスフェリン分子の最小数の決定本実施例
の実験を行う場合の前提は、レセプター仲介エンドサイト−シスの機能には、「
ドーナ・力 (この数はDNAに対する結合体の質量比から計算した統計的な値
である。)当たり約120個のトランスフェリン分子が必要であるとは限らない
ということである。この前提の正しさを示すために、トランスフェリン結合体を
非修飾ポリカチオンで置き換え、全ポリリジン量を所定の至適値(DNA6μg
当たり約4μgのポリリジン)に維持する試験を行った。トランスフエリンフエ
クション(トランスフェクションおよびルシフェラーゼ活性測定は、実施例2と
同様に行った。)は、試料の結合体含量を減らしポリリジンで置き換えた場合、
同じか、もしくは少し増加した(ポリ(D)リジンおよびポリ(L)リジンで得
られた結果は一致した。)。しかし、トランスフェリン含量がDNA分子当たり
10−15分子以下に落ちた場合、トランスフエリンフエクション効率も急激に
減少した(第3A図、試料5−8)。効率的な遺伝子転移には、DNA分子当た
り最小10−15分子のトランスフェリン分子を必要とすることが分かった。も
しも、試料に結合体が添加されなければ、実質的に遺伝子転移は起きない。この
実験の結果を第3A図に示した。カラムl−8は、トランスフエリンフエクショ
ン後のルシフェラーゼ遺伝子の発現を示しており、一方、DNA6μgによる複
合体形成の際に至適量18μgのTfpL200は、p(D)L240の量を増
加することにより置き換えられた。(ルシフェラーゼ測定に関して第3図に示さ
れたレベルは、全抽出物に関するものである。)
実施例4
次の一連の実験においては、出発物質として実施例2a)で至適であることが分
かった量の約1/4に対応する一定量(4,5μg)のトランスフェリン・ポリ
カチオン結合体を使用した。この結合体を増加量のポリリジン90(pL80)
と混合し、一定量のDNA(6μg)に添加した。トランスフェクションおよび
ルシフェラーゼ測定は、先の実施例と同様に行った。このテストの結果を第3B
図に示す。カラム9−15の実験において、6μgのpRsVLの複合体は、4
,5μgのTfpL200Cを用いて調製し、これに増加量のpL9oを添加し
た。(カラム16は、6μgのpRsVLおよびTfpL200Cの至適量(1
8Mg)を用いたコントロール実験の結果である)。第3B図に見られるように
、亭主適出発量のTrptを用いた場合の至適結果の約1/100に落ちたトラ
ンスフェクション効率は、遊離のpL90を添加することで再び復活した。
実施例5
実施例4と同様に、種々の量の色々のポリカチオンがどの様にDNAの取り込み
に影響するかを調べるために、9μgのTfpL200と複合体を形成した亭主
適量の6μgのDNAから出発して一連の試験を行った。トランスフェクション
およびDNA輸送効率の測定は、先に示した標準法で行った。使用した遊離ポリ
カチオンは、平均鎖長55.90.200または450リジンモノマーからなる
ポリ(L)リジン、平均鎖長240リジン残基からなるポリ(D)リジン(全て
のポリリジンは、シグマから臭化水素塩として提供された)、プロタミン(サケ
硫酸プロタミスヒストン・フリー、シグマ)、ヒストンH1,)13および84
(ウシ胸腺由来、ベーリンガー・マンハイム)である。表1は使用した遊離カ
チオンの量ならびに9μgのTfpL200および特定量のポリカチオンの混合
物と複合体を形成した6μgのDNAの相対的トランスフエリンフエクション効
率を示している。表中の数字は、TfpL200の至適量(18Mg)を用いて
調製した複合体に基づく%を示している。
この一連の実験は、使用したポリカチオン、天然プロタミンおよびヒストンの添
加が、至適であることが分かっている結合体を用いたときに得られるDNA輸送
効率と少なくとも同じ効率を達成しうることを示している。例外は、スペルミン
およびスペルミジンであり、これらは組織培養システムの生理学的塩濃度におい
てDNAの取り込みを復活させることはできなかった。
実施例6
合成プロタミンアナログとのトランスフェリン結合体の調製トランスフェリンと
以下に示す配列式:%式%
で表される合成プロタミンの結合体を、ペプチドのC末端システィンおよび3−
(2−ピリジルジチオ)プロピオネート修飾トランスフェリンの間のジスルフィ
ド結合によるカップリングで合成した。
a)合成プロタミンの調製
ポリペプチドは、業者の推薦する条件下で自動ペプチド合成機(アプライド・バ
イオシステムズ431A9)を用いた固相法で合成した(フルオライン・メトキ
シカルボニル法(Fmoc) ;使用した側鎖はセリンおよびシスティンに対し
てt−ブチル基、リジンに対してt−ブトキシカルボニル基、アルギニンに対し
てはペンタメチルクロマンスルホニル基である)。得られた粗ペプチドをゲル濾
過しくセファデックスG−25Po 10カラム、溶出液;10%酢酸)、その
溶液をさらに逆相)11’Lc Cメルク・ヒタチ、ヌクレオシル+0O−5C
18,8X250an 、溶液A:0.1%トリフルオロ酢酸水溶液、溶液B:
0.1%トリフルオロ酢酸60%アセトニトリル溶液、45分間で0−100%
Bの勾配溶出、流速2ml/m1n)で分画した。溶液843%で溶出する生成
物をさらにカチオン交換クロマトグラフィーで精製した(ファルマシアMono
SHR10−10カラム、バッフy A : 33mM Hll:PES pH
7、バッファB:バッファA+1MNaC1;勾配溶出、流速0.5ml/n+
in ) o 0.81Mの塩濃度で溶出する主ピークをHPLC(先に述べた
条件)で脱塩し、凍結乾燥した。トリフルオロ酢酸塩として純粋なペプチド39
.6■が得られた。フライト質量スペクトルの時間は(プラズマ脱離質量スペク
トロメトリー=PD−MSインスツルメン′人アブサラ、スウェーデン)401
8.4と測定された(囲“、【−ブチル保護システィンを有する分子)。
b)DNA結合テスト
a)で調製した合成プロタミンがDNAに結合することがゲル移動度シフト検定
法で確認された。この目的のために、HindlI[切断λ−DNAフラグメン
トを使用した(フラグメントサイズ23120乃至564 bp、37℃、45
分間、α”PdATPとタレノーポリメラーゼで突出末端を充填することにより
3′末端を3!Pでラベルし、グリコーゲンおよび酢酸ナトリウム添加後エタノ
ール沈殿で単離した)。2μI (long)のDNAを含む各試料にl M
NaClを含む100 mM HEPESバッフy (pH7,3) 2.5μ
lを添加し、さらに、その試料に増加量(3,10,30,100,300およ
び101000nの合成ペプチド(トリフルオロ酢酸塩として)または水l01
5μl中の10.30または100 ngの天然プロタミンを混合した。各試料
に2μmのアプリケーション・バッファ(0,25%ブロモフェノールブルー、
0.25%キシレンシアツールおよび30%グリセリン水溶液)を添加後、試料
をl XTAE (40rIMトリス酢酷ヅ1mM EDTA、pl(8)溶出
バッファを用いた50V(42mA)の1%アガロース電気泳動で分析した。
ゲルを乾燥後、XARフィルム(コダック)を用いた一80℃、2時間のオート
ラジオグラフィーを行った。3ngの合成ペプチドを用いたときでさえ有意なバ
ンドのシフトが記録され、10nHの場合に実質的なバンドシフトが記録された
(DNAの大部分が出発スロットに留まった)。
c)トランスフェリンと合成プロタミンとの結合体の調製1oOmM HEPB
S (pH7,3)中のセファデックスG−25カラムによるヒト・トランスフ
ェリン100■(1,25μmol)のゲル濾過で得られる溶液3mlにスクシ
ンイミジル3−(2〜ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP;ファルマシ
ア)の15mMエタノール溶液167μmを加え、この溶液を完全に混合した。
室温、1時間後、20MM HEPES(pH7,3)を用いたゲル濾過(セフ
ァデックスG−25)を行い、2.24μmolのジチオピリジン・リンカ−で
修飾された1、 14μ園lのトランスフェリンの溶液4.6mlを得た。酸素
の除去後、この溶液を0.5%酢酸中遊離メルカプト型の合成プロタミン0.9
μmolの溶液1.5mlと混合した。この反応混合物をカチオン交換クロマト
グラフィーで分画した(ファルマシアMono S−カラムHRIO/10;勾
配溶出0.5ml/min、バッフy A : 50mM HBPES pH?
、 3、バッファB:バッフyA+3M NaCL 280nmの四吸収で測定
)。最初に、未結合の過剰のトランスフェリンが溶出して(る。
生産物フラクションは勾配中に溶出し、2つの結合体フラクション:Tr−プロ
トシンA(バッファB17%と24%の間に溶出)およびTf−プロトシンB(
バッファBの24%および30%の間に溶出)として収穫した。25n# HE
PIiS(pH7,3)に対する透析後、9■の修飾トランスフェリンを含むT
f−プロトシンA(プロタミンに対するトランスフェリンのモル比的1:1.3
、タンパク質加水分解後のアミノ酸分析に基づく)および修飾トランスフェリン
13.5■を含むTT−プロトシンB(プロタミンに対するトランスフェリンの
モル比的1:1.8)が得られた。結合体は、全収量として0.28μmolの
トランスフェリンが得られた。この結合体は、実施例2で示したようにpRsV
L DNAと複合体を形成した。結合体に対するDNAの比は第4図に示した。
得られた複合体を用いてトランスフェクションを行い、先の実施例と比較した。
第4図に示されているように、プロタミン結合体は細胞中へのDNAの輸送に関
してトランスフェリン・ポリリジン結合体と比較して相対的に少ないが有意な能
力を有している。第4図は、タンパク質含量で標準化した細胞抽出物の部分標本
(全抽出物の約15−20%)のルシフェラーゼ活性を示している。実施例7
ポリリジンで部分的に置換することによるトランスフェリンと合成プロタミンの
結合体のトランスフエリンフエクション効率の改善6μgのpR3VL DNA
(結合体/DNA比は第4図に示す)で形成した複合体をpL90と混合し、
D562細胞(ATCCNo、CCL243)にDNAを輸送するために先の実
施例と同様の条件で使用した。行った実験の結果を第5図に示す。ルシフェラー
ゼ活性の値は、全抽出物に関するものである。もしも合成プロタミンを含む結合
体の一部が遊離ポリリジンと置き代わったならば、20倍までにも達するDNA
発現の増加が観測しうる。(比較のために、予め測定された至適量を用いた実験
も示した。第5図、右側カラム)。
実施例8
細胞状態の機能とトランスフリンフェクション効率の増加本実施例では、ポリリ
ジンで「希釈」する事によるトランスフェリンフェクションの改善の程度が細胞
状態にどの程度依存するかを示す実験を行った。この実験は、基本的に実施例4
の実験と同様である。4.5μgのTfP1200cから出発して、細胞に輸送
する複合体をpL90の添加量を変えながら形成させたが、実施例4とは異なり
、K562細胞をデスフェリオキサミンで前処理しなかった。複合体中のDNA
量は、全ての試料において6μgであった。この実験で使用した細胞に関し、ト
ランスフェリン・レセプターの数を調べた(スキャッチャード解析)。その値は
、デスフェリオキサミンで処理した細胞の約115であった。至適標準条件で確
認サレタヨウニ(6μg)pR5vLDNAニ対しテ18μgノTfpL200
)、レセプター数の減少の結果としてDNAの発現の減少が見られた。しかし、
デスフェリオキサミンで刺激しなかった細胞の場合に、トランスフェリン・ポリ
リジン結合体の374をポリリジンで置き換えたならば、DNA発現は8倍以上
増加する。この値はデスフェリオキサミン刺激の結果としてレセプター数の増加
した細胞の場合よりも僅かに1,8倍低いだけのレベルと対応している。これら
の実験の結果を第6図に示す。デスフェリオキサミン刺激した細胞の場合、トラ
ンスフェリンによって仲介されるDNAの取り込みは、遊離ポリリジン90の添
加によって実質的に改善されない。
実施例9
実施例4で見られた遊離のヒストンH4によって引き起こされる遺伝子活性の約
5倍の増加効果をより詳しく調べるために、以下の実験を行った。TfpL20
0c結合体の基本混合物を、ヒストンH4の1 (自三角)、2 (黒画角)ま
たは4 (黒三角)質量当量で調製し、DNA一定量(6μg)で形成する複合
体の至適量を各混合物に対する滴定で測定した(第7図)。ヒストンH4/Tf
pLの4/l混合物で達成される至適遺伝子活性は結合体自身によって達成され
る活性に匹敵した(自回角)。
これらの複合体の電子顕微鏡観察は、DNAの僅かな収縮を示した。H4/Tf
pL l/1複合体の電子顕微鏡観察はより強い収縮を示したが、純粋な結合体
・DNA複合体の場合よりは実質的により弱い収縮を示した。しかし、意外にも
l/I H4/TfpL混合物を使用した場合のトランスフェリンフエクション
の増加は、約7倍であった(トランスフェクションは実施例2と同様の標準条件
で行った。ルシフェラーゼ活性の値は全抽出物に関するものである。)。
実施例10
CD4+細胞におけるDNAの輸送
a3gp120ポリリジン1ポリリジン結合体スクシンイミジル・ピリジルジチ
オプロピオネートによる修飾後のジスルフィド結合の導入またはN−ヒドロスク
シンイミド−6−マレイミドカプロエート■にS、シグマ)による修飾後のチオ
エステル結合による、従来法と同様の方法で結合を行った(トランスフェリン結
合体の生成に従い)(フジワラ(Fujiwara)等、l981)。
ジスルフィド結合gp120−ポリリジン190結合体:50mM HEPES
(pH7,8)中3■の組み換えgp120 (ラスキー(Lasky)等、1
986の方法で調製した)の溶液を1Odl 5PDPエタノール溶液7μlと
混合した。室温、1時間後、この混合物をセファデックスG−25カラム(溶出
液、100 d4 HBPBSバッファpH7,9)で濾過し、67μmolの
ピリジルジチオプロビオネート残基で修飾された2、8■(23μmo1)のp
gp120を得た。120μlの30酬酢酸ナトリウム中、蛍光ラベルし、23
μmolのメルカプト基で修飾した(SPDPとの反応後、ジチオスレイトール
での処理およびゲル濾過) 6.6μmolのポリリジン190の溶液を脱酸素
条件で修飾されたrgp120と混合し、室温で一晩放置した。この反応混合物
に5MNaClを添加し約0.6Mとなるように調整した。結合体をイオン交換
クロマトグラフィー(Mono S、ファルマシア、50mM HEPES p
i(7,3、塩勾配0.6 M−3M NaC1)で単離した。分画および25
mM HEPES pl(7,3に対する透析後、各々1.3μmolポリリジ
ン190で修飾された0、 33mgのrgp120および3.2μmolのポ
リリジン190で修飾された0、 34mgのrgp120を含む2つの結合体
フラクションAおよびBが得られた。
チオエーテル結合gp120ポリリジン190結合体:0.45m1の100蘭
HEPES pH7,9中、2■の組み換えgp120の溶液をジメチルホルム
アミド中10−のEMC3溶液17μmと混合した。室温一時間後、この混合物
をセファデックスG−25ゲルカラム(溶出液10dJ HEPESバッファp
H7,9)で濾過した。脱酸素条件下、生産物溶液(1,2m1)を蛍光ラベル
し、30μmolのメルカプト基で修飾された9、3μmo1のポリリジン19
0溶液(90μlの3〇−酢酸ナトリウムpH5,0)と反応させ、室温で一晩
放置した。この反応混合物に5 M NaClを添加して約0.6Mに調整した
。この結合体をイオン交換クロマトグラフィー(Mono S、ファルマシ乙5
0mM HEPES pH7,3、塩勾配0.6 M−3M NaC1)で単離
した。分画および25dl(EPES pl(7,3に対する透析後、各々1.
9tonolのポリリジン190で修飾された0、40mgのrgp120.2
.5μmolのポリリジン190で修飾された0、 25mgのrgp120、
および1.6μmo1のポリリジン190で修飾された0、1■のrgp120
を含む3つの結合体フラクションA、BおよびCが得られた。
b)gp+20−ポリリジン・DNA複合体の調製この複合体は、先ず室温で3
30μlの1(BS中6μgのDNAを希釈することにより調製した(100
μg/ml以下)。使用したDNAはpR3VSプラスミドDNA (実施8i
lJ2参照)。gpJ20−Pl 190結合体の一部(量は第8図に示した)
を170μlのHBSで希釈した。特定した結合体希釈物を迅速にDNA希釈物
に添加し、30分間インキュベーションした後、トランスフェクションに使用し
た。
c) CD4” ’IE胞のトランスフェクションCD4” HeLa細胞(A
TCCNo、CCl2; 7ドン(Maddon)等、1986)をT−25バ
イアル当たり6 X[0’細胞となるように10%FCS (ウシ胎児血清)を
含むDBM培地に接種した。18時間後、細胞を無血清OEM培地で2度洗浄し
、この培地(5ml)で37℃、5時間培養した。この細胞にgp120−pL
/pR3VL複合体溶液を添加した。4時間後、10%のFe2を含むDME培
地(ダルベツコ修正イーグル培地)を等容量各試料に添加した。24時間後、細
胞を収穫し、抽出物を調製して、同タンパク質含量の部分標本(全物質の約17
5)に関し先に実施例で示したルシフェラーゼ活性を検定した。第8図に示した
値は、6 XIO’細胞のルシフェラーゼ活性に対応している。
gp12(1−pL結合体の活性は成分比に依存しており、gp120:ポリリ
ジン比が低い結合体ではより大きい活性を示しくフラクションC、トレース5お
よび6)、一方、gp120:ポリリジン比が大きいフラクションでは活性が非
常に低いか、または無いことが分かった(フラクションA、I−レースIおよび
2)。
実施例11
実施例10のトランスフェクションで悪い結果を示した(フラクションAおよび
B) gp12o−pL結合体について、遊離ポリリジンの添加がDNA取り込
みを改善するかどうかを調べた。6μgのDNAおよび12μgの結合体を使用
し、DNAとの複合体化の前に結合体に1または3μgのポリリジン240を添
加した。トランスフェリン結合体に関して得られた結果と同様にルシフェラーゼ
活性の著しい増加(260倍または5,2倍)が観測された(第9図)。
実施例12
A) N’−アンデシル・ポリリジン(pL200−C1l )の合成平均鎖長
200リジン残基モノマーを有するポリリジンpL200のトリフルオロ酢酸塩
は、pL20042mgを1mlの0.5%トリフルオロ酢酸に溶解し、0.3
MのN−エチルジイソプロピルアミン/TFAバッファ(pH8)0.2mlを
添加し、0.5%トリフルオロ酢酸を用いてセファデックスG−25カラム(I
70×14I7I+1)を通すことにより調製した。回収した生成物フラクショ
ンにンヒドリン検定)を凍結乾燥し、44■(91%)のpL200(TFA塩
)を得た。3.5mlのジオキサン/水(4/l )中この塩を22■(0,4
8μm01)含む溶液を室温で50μmのジオキサン(メルク、分析用、使用直
前に蒸留したもの)中4.1■のアンプカナル(24μmol、シグマ)を含む
溶液に添加した。
4時間間隔で12mgのシアノボロハイドライド・ナトリウム塩に2回にわけて
反応液を添加した。この反応混合物を室温で5日間放置した。酢酸200μlを
添加し、溶媒を減圧下で留去した。残査を1.2mlの水/酢酸/エタノール(
65/10/25)に取り出し、水/酢酸/エタノール(77/3/20)を用
いてセファデックス(G25−PDIO)でゲル濾過した。生成物フラクション
にニンヒドリン検定)を凍結乾燥し、分子当たり約50−80アンデシル基で修
飾されたにニンヒドリン分析およびNMR分析から計算した)pL200(酢酸
塩として)19.7■を得た。NMR分析(’H−題、D20+15%テトラデ
ユーテロメタノール)は以下の値を与えた。σ(1)I)II) :4.15−
4.4(リジン α−H) 、3.28(デユーテロメタノール由来) 、2.
9−3.1(リジンε−Hおよ■(C−L 7ンデシル))、1.96(アセテ
ートC1,、) 、1.1−2.0(リジンおよびアンデシルの脂肪族CHt由
来) 、0.7−0.9(アンデシル)。
B)細胞培養およびトランスフェクショントランスフェクションは、100μM
クロロキンを含むDMEM+IO%ウシ胎児血清培地5ml中500.000個
のHepG2細胞で行った(ATCCNo、 HB8065 ;ノーレス(Kn
owles)等、1980)。(細胞はトリプシン処理し、バイアル中10m1
のDMEM+IO%ウシ胎児血清培地に接種後37℃で24時間培養した。その
後、培地を10m1の新鮮な培地と交換し、さらに37℃で24時間培養後、再
び5mlの新鮮な培地に交換した。)a)HBS中IQ7zgのpR5Vs溶液
330μlとHBS中15または30μg (至適量)の’rrpLzo。
結合体溶液170μlを混合することによりDNA/結合体複合体を形成した。
この複合体は、先の実施例に述べたように細胞への遺伝子転移に使用した。37
℃、4時間のインキュベーション後、細胞を洗浄し、新鮮な培地に移した後37
℃でインキュベーションして18時間後にルシフェラーゼ測定のために収穫した
。タンパク質含量で標準化した細胞抽出物の一部をルシフェラーゼ活性の検定に
使用した。
全抽出物に関して計算した値を第10A図に示す。
b)HBS中to u gノpR3Vs溶液330μlをHBS中種々ノ量(7
)pL200−C1l t−含量15μgのTfpL200結合体の混合物を含
む170μlの溶液と混合することにより非共有結合修飾されたポリカチオンを
含むDNA結合体複合体を調製した。この複合体は、遺伝子転移に関して先に示
した条件で使用した。また、ルシフェラーゼ活性は、先に示したように計算し第
10B図に示した(比較として第10C図は、pL200−C1l自体を用いて
得られた値を示している)。
実施例13
A)トランスフェリン・エチジウムダイマー結合体(Tf−EtD)の調製1m
lの100−酢酸ナトリウムバッファ(pH5)中、32■(0,4μ5ol)
のトランスフェリン(ヒト、鉄フリー、シグマ)溶液をセファデックスG−25
カラムでゲル濾過した。得られた1、9mlの溶液を0℃に冷却し、その後1.
3■(6μll0l)の過沃素酸ナトリウムを含む30酬酢酸ナトリウムバツフ
y (pH5) 80μlを添加した。この混合物を暗所、氷水中に90分間放
置した。さらに、低分子生産物を除(ためにゲル濾過を行い(セファデックスG
−25,3伽鋪詐酸ナトリウムバツフア、pH5)酸化トランスフェリン約20
■(0,25μmol)を含む溶液を得た(280 runの聞吸収およびニン
ヒドリン検定;非修正トランスフェリンとは異なり、アルデヒドを含む酸化型は
アニスアルデヒド試薬と発色反応を起こす:試料を薄層シリカゲルプレートに滴
下し、p−アニスアルデヒド/硫酸/エタノールl:l:18に浸し、乾燥後加
熱する)。このトランスフェリン溶液を1.2mlの水中111g(1,17μ
lll01)のエチジウムホモダイマー(5,5’−ジアザデカメチレン−ビス
(3,8−ジアミノ−6=フェニル−フェナンスリジウム)ジクロライド、2H
CI、E−1169、モレキュラー・プローブ社)に添加した。この混合物を暗
所に保存し、溶液のpHを7.3に調整した(lfEPEsバッファを添加する
ことにより)。4時間間隔で2回1■(16μ(資)l)のシアノボロハイドラ
イド・ナトリウム塩を50μlの水に添加した。この反応混合物を室温で暗所に
2昼夜半放置し、ゲル濾過した(セフアゾ・ソクスG−25,50TIjAHE
PES pH7,3)。495 nmの聞吸収により、このステップで約200
μgの未結合エチジウムダイマーが他の低分子物質とともに除去されることが分
かった。結合体を含む4.1 mlの溶液のに3分の1を精製実験に使用した。
残りの3分の2は0.6Mの塩酸グアニジン(酢酸ナトリウムでpH5に緩衝さ
れている)で希釈し、疎水性相互作用に基づいて分離するカラムにかけた(フェ
ニルセファロースCL−4B、ファルマシア、100 X8 mm、約4.5m
1)。流出液中に1.5[のトランスフェリンを含む僅かにピンクの溶液が溶出
してくる。紫色の結合体はカラムに留まり、最初は2xおよび3%のオクチルグ
リコピラノシド(シグマ)を含む0.6賑酸グアニジンで溶出して(る(0.6
m酸グアニジン50m1で洗浄後)。結合体は、前後に溶出してくる2つのフラ
クション(7mlおよび27.5m1)として回収し、21の200−塩酸グア
ニジンに対して3日間透析した。その後、各フラクションをスピードバク(サバ
ント)を用いて3mlとなるまでエバボレートし、さらに2日間2回の透析を行
った(21の257 HEPES pH7J )。この操作で(長い透析による
損失にもかかわらず)各々2■のトランスフェリン(それぞれニンヒドリン検定
およびバイオ・ラッドタンパク質検定による測定)を含むトランスフェリン・エ
チジウムダイマー結合体のフラクション2つが得られた。この2つの紫色のフラ
クションは、各々0.42AU(522nm)および0.68AU(516nm
)であった。(トランスフェリン結合エチジウムダイマーのUv特性は変化する
ので、結合体中のエチジウムダイマー含量は測定できなかった。)実施例Iと同
様に鉄を取り込ませた。
B)細胞培養およびトランスフェクションa)TfpL結合体と同様に、HBS
中6ugのpR3VL溶液330μlとHBS中種々の量のTf−EtD結合体
(結合体フラクションl)の溶液170μlを混合しくインターカレーション)
、ついで、種々の量のpL90の溶液170μIを添加することにより(収縮)
DNA/結合体複合体を調製した。得られた複合体を標準条件下、500.00
0個のに562細胞のトランスフェクションに使用した。タンパク質含量で標準
化した細胞抽出物の一部のルシフェラーゼ活性を検定した(第11A図)。(第
11D図はTf−EtD結合体自体で行った結果を示している。)b)非共有結
合ポリカチオンは、先ず、4μgのTf−BtDの溶液170μlとHBS中種
々の濃度ノpL90の溶液170μlを混合し、続いてHBS中6μgのpR3
VLの溶液170μmを添加することにより生成した(インターカレーションお
よび収縮)。トランスフェクションおよびルシフェラーゼ検定は、先に示した方
法で行った(第11B図)。
C)非共有結合ポリカチオンを含む複合体は、先ず、HBS中6μgのpR3V
Lの溶液170μmと種々の濃度のpL90の溶液170μIを混合しく収縮)
、次いで4μgのT[−BtDの溶液170μlを添加することで(インターカ
レーション)生成した。トランスフェクションおよびルシフェラーゼ検定は先に
示した方法で行った(第1IC図)。
実施例14
a) N’−ラクトース化ポリカチオン(pL−ラクトース)の調製0.46m
1の100−酢酸ナトリウム(pH5,0)中平均鎖長200リジンモノマーの
ポリリジン(pL200 )酢酸塩16.5■(0,44μmol)の溶液に、
37℃、30分間攪拌して溶解したラクトース(シグマ) 90mgを添加した
。この溶液をこの温度に維持し、3■のシアノボロハイドライドを約10時間毎
に4回投入した。さらに、この反応混合物を37℃で21時間維持した。酢酸1
5μlを添加し、この反応混合物を10〇−酢酸ナトリウム(pH5,0)を用
いてゲル濾過(セファデックスG25−PDIO) シた。
生成物フラクションにニンヒドリン・テストおよびアニスアルデヒド染色で検出
した)を20#酸ナトリウム、次いでo、 oss酢酸に対して一晩透析した。
最後の凍結乾燥で、ニンヒドリン分析およびNMR分析による見積もりで約70
%のNE−リジン−アミノ基がラクトース化されたpL200酢酸塩26.5■
が得られた。
0)1−NMR(D20.250MHz、溶媒シグナルの抑制):σ(ppIl
l):4.51(d、J□7.2Hz;ガラクトース−IH)、4.22−4.
34(リジン α−H) 、4.1−4.22(糖H)、2.9−4. O(リ
ジン ε−Hおよび糖H) 、1.91(酢酸塩−CHc )、1.1−2.0
(脂肪族 リジン−〇H8)。
b)細胞培養およびトランスフェクショントランスフェクションは、先の実施例
で示した方法と同様に標準条件下、500゜000個(7)K562細胞、6
μgノpR3VL DNAおよび18μg(7)TfpL、またl;t9 μg
ノTfpL、または種々の量のpl−ラクトースを添加した9μgのTfpLで
行い、ルシフェラーゼ活性を第12図に示した(示されている光単位はタンパク
質含量で標準化た細胞抽出物の一部(全抽出物の約15−20%)に関するもの
である)。非共有結合ラクトース修飾ポリリジンの添加は、少量の結合体を使用
することによって達成されるトランスフェリンフェクション効率の減少を補いう
ろことが分かった。
実施例15
a)N’−マルトース化ポリリジン(pL−マルトース)の調製ポリリジンを修
飾するのにマルトースを使用すること以外は実施例14と全(同様の操作を行っ
た。以下の顯データが得られた。σ(pl)++1):5.1!(d、J=3.
4H2;グルコース−IH)、2.95−4.4(リジン−Hおよび糖−〇)
、1.91(酢酸塩−Ck) 、1.1−2.0(リジンの脂肪族CI(B)。
b)遺伝子転移に関するpL−マルトースの効果実施例14b)と同様に行った
6 μg17)pR3VL−DNA l:よル500.000個(7)K562
細胞のトランスフェリンフエクションは、’rrpt、で完全に飽和したDNA
複合体の場合(12dg TfpL190B ) 、1.01xlO’光単位の
特異的ルシフェラーセ活性ヲ示シタカ(全試料抽出物の約20%)、半飽和DN
A複合体(6μg(7)TfpLI90 )は、549、000光単位を示した
。2.5 ug(Dp、−フルドース(6μg TfpL190B+2.5dg
pL−マルトース)を添加することにより、トランスフェクション効率は!、
215.000光単位にまで増加した。
実施例16
a) N’−セロビオース修飾ポリリジン(pL−セロビオース)の調製ポリリ
ジンの修飾にセロビオースを使用すること以外は実施例14と同様の操作を行っ
た。
b)遺伝子転移に関するpL−セロビオースの効果実施例15b)と同様の条件
下のに562細胞のトランスフェクションにおいて、2μgノpL−セロビオー
ス(7)添加テ(6μg TfpLI90B + 2dg 1)L−1=oヒt
−ス)、1、160.000光単位が得られた。
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Fig、IB
Fig、2
Fig−3
Fig、4
ILg TfprotsynB
(6μ9 pRSVL DNA )
Fig、5
Fig、6
Fig、7
μ9 結合体混合物
Fig−8
Fig、9
Fig、10
(A) (B) (c)
Fig−11
24B 12 16 24 36 μg Tf−EtD117 33 133
300 Tr/プラスミドFig、12
+++++
国際調査報告
フロントページの続き
(72)発明者 ビルンシュティール マックス エルオーストリア ア−11
00ウィーン グルンデッカーガッセ 49
(72)発明者 コツテン マシュー
オーストリア ア−1130ウィーン マクシングシュトラーセ 22−24−
3−8(72)発明者 ワーグナー エルンストオーストリア ア−2103ラ
ンゲンツエルスドルフ ヴイーネル シュトラーセ
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.エンドサイトーシスによりインターナライジング因子を用いて高等な真核生 物に吸収しうる新しい複合体であって、インターナライジング因子・結合因子結 合体と複合体を形成した核酸を含み、さらに、非共有結合で結合因子と同一の可 能性のある核酸に対するアフィニティーを有する一つ以上の物質を含む結果とし て、該結合体によって達成される核酸のインターナリゼーションおよび/または 発現が増加することを特徴とする複合体。 2.前記インターナライジング因子がレセプター仲介エンドサイトーシスにより 細胞中に吸収されるリガンド、または、そのフラグメントである事を特徴とする 請求項1記載の複合体。 3.前記インターナライジング因子がトランスフェリンである事を特徴とする請 求項1記載の複合体。 4,前記インターナライジング因子が標的細胞の表面抗原に結合しうるリガンド である事を特徴とする請求項1記載の複合体。 5.前記リガンドがCD4に結合する事を特徴とする請求項4記載の複合体。 6.前記インターナライジング因子が抗CD4抗体である事を特徴とする請求項 5記載の複合体。 7.前記インターナライジング因子がウイルスタンパク質である事を特徴とする 請求項5記載の複合体。 8.前記結合因子がポリカチオン性物質である事を特徴とする請求項1乃至7の いずれか1項記載の複合体。 9.前記結合因子が均一なポリカチオンである事を特徴とする請求項8記載の複 合体。 10.前記結合因子がポリリジンである事を特徴とする請求項9記載の複合体。 11.前記核酸に対するアフィニティーを有する物質が核酸を収縮しうるポリカ チオンである事を特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項記載の複合体。 12.前記ポリカチオンが均一なポリカチオンである事を特徴とする請求項11 記載の複合体。 13.前記ポリカチオンがポリリジンである事を特徴とする請求項12記載の複 合体。 14.前記結合因子がインターカレーティング物質である事を特徴とする請求項 1記載の複合体。 15.前記核酸に対するアフィニティーを有する物質が親水性または疎水性基に よって修飾されている事を特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項記載の 複合体。 16.前記核酸に対するアフィニティーを有する物質が核酸を収縮しうる物質で ある事を特徴とする請求項14記載の複合体。 17.前記核酸に対するアフィニティーを有する物質がポリカチオンである事を 特徴とする請求項16記載の複合体。 18.前記核酸に対するアフィニティーを有する物質が均一なポリカチオンであ る事を特徴とする請求項17記載の複合体。 19.前記核酸に対するアフィニティーを有する物質がポリリジンである事を特 徴とする請求項18記載の複合体。 20.前記結合因子が核酸を収縮しうる物質であり、かつ、前記核酸に対するア フィニティーを有する物質が核酸の収縮とは異なるメカニズムに基づいてインタ ーナライゼーションおよび/または発現の増加をもたらす物質ある事を特徴とす る請求項1記載の複合体。 21.前記結合因子がポリリジンであり、かつ、前記核酸に対するアフィニティ ーを有する非共有結合物質がヒストンまたはヒストン類の混合物である事を特徴 とする請求項20記載の複合体。 22.前記核酸に対するアフィニティーを有する物質がヒストンH4である事を 特徴とする請求項21記載の複合体。 23.前記核酸に対するアフィニティーを有する物質が非ヒストンタンパク質H MGIである事を特徴とする請求項20記載の複合体。 24.前記インターナライジング因子がトランスフェリンである事を特徴とする 請求項20乃至23のいずれか1項記載の複合体。 25.内容物である核酸、インターナライジング因子・結合因子結合体および核 酸に対するアフィニティーを有する物質の溶液を混合する事を特徴とする請求項 1記載の複合体の製造方法。 26.前記インターナライジング因子・結合因子結合体を核酸に対するアフィニ ティーを有する非共有結合物質と混合し、かつ、該混合物を核酸と合わせる事を 特徴とする請求項8乃至13のいずれか1項記載の複合体の製造方法。 27.前記核酸とインターナライジング因子・結合因子結合体の複合体を形成し 、かつ、該複合体に核酸に対するアフィニティーを有する物質を添加する事を特 徴とする請求項14および16乃至19のいずれか1項記載の複合体の製造方法 。 28.望ましくは生理学的条件下で可溶性である請求項1乃至24のいずれか1 項記載の複合体をインターナライジング因子・結合因子結合体、核酸および核酸 に対するアフィニティーを有する非共有結合物質から生成し、かつ、該複合体と 細胞を接触させる事を特徴とする、エンドサイトーシスによる高等真核細胞への 核酸の導入方法。 29.前記細胞を細胞中、特にリソソーム中の核酸の分解を阻害する条件に置く 事を特徴とする請求項28記載の方法。 30.前記細胞をクロロキンで処理する事を特徴とする請求項29記載の方法。 31.前記インターナライジング因子がトランスフェリンである複合体を使用す る事を特徴とする請求項28乃至30記載の方法。 32.前記細胞をトランスフェリン・レセプターの数が増加する条件下に置く事 を特徴とする請求項31記載の方法。 33.前記細胞を複合体での処理前および/または処理と同時に、細胞中のヘム 濃度を減少させることによりトランスフェリン・レセプターの数を増加させる1 つ以上の物質で処理する事を特徴とする請求項32記載の方法。 34.前記細胞をデスフェリオキサミンで処理する事を特徴とする請求項33記 載の方法。 35.治療的に有効な核酸を含む請求項1乃至24記載の複合体を1つ以上含む 事を特徴とする医薬製剤。 36.前記核酸が遺伝子治療に有効な遺伝子、または遺伝子断片である事を特徴 とする請求項35記載の医薬製剤。 37.前記核酸がアンチセンス・オリゴヌクレオチドまたは該オリゴヌクレオチ ドを含む事を特徴とする請求項35記載の医薬製剤。 38.前記核酸がリボザイムまたはリボザイムをコードする遺伝子であるか、ま たはリボザイムを含む事を特徴とする請求項35記載の医薬製剤。 39.前記核酸が細胞機能を特異的に阻害するRNA分子を転写しうる領域を含 む遺伝子構築物である事を特徴とする請求項35記載の医薬製剤。
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