JPH06503855A - 回転マグネトロンスパッタリングシステムにおけるアーク抑制のためのシールディング - Google Patents

回転マグネトロンスパッタリングシステムにおけるアーク抑制のためのシールディング

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 回転マグネトロンスパッタリングシステムにおけるアーク抑制のためのシールデ ィング 発明の背景 この発明は一般的にはスパッタリングシステムに関し、かつより詳細にはDC反 応性スパッタリング法を利用する、回転円筒状マグネトロンにおける絶縁材料の スパッタリングに関する。
DC反応性スパッタリングは、建築および自動車のグレージング(glazin g)への熱制御コーティングの適用等の広い範囲の商業用コーティング応用のた めに最も頻繁に使用される方法である。この方法においては、被コーテイング物 は真空ロックにより互いから分離された一連のインラインの真空チャンバを通さ れる。これは連続インラインシステムまたは単にグラスコータと呼ばれ得る。
チャンバの内部では、スパッタガス放出は約3ミリトルの圧力での部分真空に維 持される。スパッタガスはアルゴン等の不活性ガスに、酸化物を形成するための 酸素等の反応性ガスを低い比率で混合したものを含む。
各チャンバは約−200ないし一1000ボルトの負の電位に維持される1つま たは2つ以上のカソードを含む。
このカソードはその長さがチャンバの線の幅にわたる、長方形の形でよい。カソ ードは典型的には幅0.10ないし0.30mであり、かつ長さは1m以上であ る。スパッタされる材料の層がカソードの表面に付与される。
この表面層または材料はターゲットまたはターゲット材料として知られる。反応 性ガスかターゲット材料と適切な化合物を形成する。
スパッタガス放出からのイオンはターゲット内に加速されかつターゲット材料内 の原子を取りはらうかまたはスパッタオフする。これらの原子か今度はターゲッ ト下を通る、ガラスシート等の基板上に堆積される。原子は基板上て放出ガス内 の反応性ガスと反応して薄膜を形成する。
建築用ガラスコーティングプロセスは磁気的に強化された平らな(planar )マグネトロンの開発により商業的に可能となった。このマグネトロンは閉ルー プの形に配列されかつターゲット背後の固定位置に装着された磁石のアレイを有 する。閉ループの形の磁界がこうしてターゲツト板の前に形成される。この磁界 により放出ガスからの電子が磁界内に閉じ込められかつ螺旋状のパターンで移動 し、これによりより強いイオン化およびより高いスパッタリング速度がもたらさ れる。ターゲットのオーバヒートを防止するために適切な水による冷却が行なわ れる。この平らなマグネトロンについては米国特許第4,166.018号にさ らに記載されている。
平らなマグネトロンの欠点は、ターゲット材料か磁界により規定される狭い領域 でしかスパッタされない点である。
これによりターゲット上に「レーストラックJ (racetrack)盟スパ ッタ領域がつくり出される。こうして、「レーストラック」型浸食領域かスパッ タリングの発生に従いつ(り出される。これにより幾つかの問題か生じる。たと えば、 (1)局所的な高温ビルドアップ(bu i 1d−up)によりカソ ードか動作し得る出力か最終的に制限されること、および(2)ターゲットを取 り替えなければならなくなる前にターゲット材料の約25%しか実際に使用され ないという点である。均一性および安定性に1響するもう1つの重大な問題は浸 食領域の外側のターゲット上の酸化物の蓄積である。これによりガスの放出状態 を一時的に乱すアーク放電か生じるからである。二酸化シリコンがシリコンの反 応性スパッタリングにより堆積されている場合には、このアークの問題は大変深 刻である。
平らなマグネトロンに固在の問題の幾つかを克服すべく、ロータリまたは回転円 筒状マグネトロンが開発された。回る。カソードとターゲットがスパッタリング 領域を規定する磁気アレイの上を継続的に回転させられる。このようにして、タ ーゲットの新しい部分がスパッタリング領域に対し継続的に差し出され、冷却の 問題を緩和し、より高い動作力が可能となる。この冷却はより効果的である一方 、依然として回転マグネトロンカソードか、錫、鉛、またはビスマス等の低融点 ターゲット材料、特にスパッタリング領域の端部においてはこれら材料を溶かす のに十分な熱に至る可能性かある。「レーストラックjの[ターンアラウンドJ  (turn around)により、出力密度か最も高いのはこの端部におい てである。
カソードとターゲットの回転も、浸食領域かスパッタリング領域により覆われる シリンダの全周縁部を含むことを確実にする。これによりターゲットの利用度が 高まりかつ浸食領域内でのターゲットからのアークが低減される。回転マグネト ロンについては米国特許第4,356.073号および第4.422,916号 にさらに記載されており、同特許の全開示についてここで引用により援用する。
回転マグネトロンは幾つかの問題を解決はするが、同時に他の問題を生じさせる 。これら問題には、二酸化シリコンならびに酸化アルミニウムおよび酸化ジルコ ニウム等の類似する材料をDC反応性スパッタリングする際に特に厄介な、新た なアーク現象が含まれる。二酸化シリコン等の絶縁材料は、多層の反射防止コー ティングおよび多層の強化アルミニウム反射材等の、高品質で、精度の高い光学 コーティングを形成するのに特に有用である。このようなコーティングはインラ インのDC反応性スパッタリングプロセスにより適用されることが可能であれば 、よりその製造はかなり経済的になると考えられる。
連続的インラインのスパッタリング方法の真の利点は、作業効率に関する限り、 このプロセスが許容可能な製品を製造すへく継続的に動作され得る場合に初めて 実現されるものである。アークの発生時にコーティングしたものはほとんとの場 合不良品になるので、アークによるスパッタリング条件の乱れは費用効率のよい 作業には特に有害である。
たとえば、被コーテイング物はアークから生じる残骸によって汚染されるかもし れず、または放電状態の一時的混乱により引き起こされる不正確な膜厚を伴う領 域ができるかもしれない。さらに、アークの発生が動作時間に伴って増大し、か つ最終的にはシステムを洗浄および維持管理するために閉じなければならないレ ベルまで達する。
例として、ある回転マグネトロンの構成において、シリコンターゲットからの二 酸化シリコンを堆積する間のカソード端部およびベアリング構造からのアークが スパッタリングが開始されてから1時間もたたないうちに発生した。
アークの発生は動作時間とともに急速に増大し、2時間足らずで1分あたり約1 00アークの頻度にまで達した。これにより放電状態の永久的な乱れが引き起こ され、機械を閉じて保守点検を行なうことか必要となった。この回転マグネトロ ン構成については、真空コータ学会、第32回年次総会予稿集「回転円筒状マグ ネトロンを使用するDC反応性スパッタリングJ J、ホフマン (Hoffm an)第297頁−300頁(1989) (J、 Hoffman、“DCR eactive Sputtering Using a rotating  Cylindrical Magnetron”、 Proceedings  of the 32nd Annual Conference of the  5ociety of the Vacuum Coaters、 pp、  297−300(1989))に記載されている。
上記に鑑み、本願発明の目的はDC反応性スパッタリングにより堆積する、絶縁 性の高い二酸化シリコンおよび他の材料のためのDC反応性スパッタリングプロ セスの効果を改善することである。
本願発明のもう1つの目的は、回転円筒状マグネトロンにおけるアークの発生を 実質的に低減またはなくすことである。
本願発明のもう1つの目的は、低融点ターゲット材料に関する堆積速度を増大さ せることである。
本願発明の追加的目的および利点については以下の説明に示されており、かつ部 分的には記載から明らかになるかまたは本願発明の実施により理解されるであろ う。この発明の目的および利点は請求項に特定的に指摘される手段および組合せ により実現されかつ入手され得る。
発明の要約 本願発明はマグネトロンかカソード体の全長にわたって延びかつその比較的狭い 領域に沿って周辺に延びるスパッタ領域を提供する、回転円筒状マグネトロンの ためのカソード体に向けられる。カソード体はその外側表面にターゲット材料を 有する長くのびる管状部材を含む。アークを抑制するための手段が管状部材の少 なくとも一方端に存在する。
アークを抑制する基本的手段はターゲット材料とは違うカラー材料(colla r material)の表面を有するカソード体の各端部上に円筒状領域を含 む。円筒状領域は典型的には約2インチの距離にわたってスパッタリング領域内 に延びる。カラー材料はターゲット材料かスパッタされるとともにスパッタされ るか、典型的にはその速度はより遅い。スパッタされたカラー材料は絶縁特性か 劣った膜を形成する。
これらの膜は、ターゲットからスパッタされる材料よりむしろ、カソード端部、 暗黒部シールディングおよび支持構造上に堆積する。これら絶縁性の劣る膜を介 する漏電か電荷の蓄積とアークをかなり低減する。
回転円筒状マグネトロンは排出可能な(evacuab le)コーティングチ ャンバ内に配置されてもよく、かつスパッタリング領域を過ぎてスパッタされた 材料を受けるべく被コーテイング物を輸送するための手段を設けてもよい。
図面の簡単な説明 本願発明に組込まれかつその一部をなす添付図面は、本願発明の好ましい実施例 を模式的に示しており、上記の一般的説明とともに以下の好ましい実施例の詳細 な説明と合わせて本願発明の詳細な説明せんとするものである。
図1は磁気アレイに関連してスパッタ領域と浸食領域とを示すロータリ円筒状マ グネトロンの模式図である。
図2はマグネトロンが一方端でのみ支持される、本願発明の原則に従い構成され るロータリ円筒状マグネトロンカソードを示すコーティングチャンバを破断した 模式的縦方向断面図である。
図3はシールドの装着を示す拡大模式断面図である。
図4は両端で支持されるマグネトロンを存する図2に類似する図である。
図5は各端部での直径が減らされたカソード体を有する本願発明の実施例の模式 図である。
図6はスリーブをスパッタされた材料による汚染から保護するための突出し部を 伴うカラーを有する本願発明の実施例の模式図である。
図7はその各端部のカソード体上に装着されたスリーブを伴う本願発明の実施例 の模式図である。
好ましい実施例の詳細な説明 この発明について幾つかの異なる実施例の観点から説明することにする。図面を 詳細に参照するが、幾つかの図面においては同じ参照番号が同じ部分を示してお り、まずここで図1を参照して、本願発明の原則について説明する。
図1に示すとおり、回転またはロータリ円筒状マグネトロン10は、その外側表 面にターゲット材料16を有する管または管状部材14を含む、カソード体12 を含む。わかるとおり、磁気アレイまたはバー20がカソード体内のその全長の 一部にわたって延在する。カソード体12は、磁気アレイ20が静止している間 、軸18の周りを回転する。
通常は、磁気アレイ20はカソード体12のそれぞれの端部まて完全に延びてい ない。これはシール、冷却水導管およびベアリング部材かカソード体の一方端に 取り付けられるからである。結果として、マグネトロンのスパッタリング領域1 5はカソード体の端部まで延びていない。
図1に示されるとおり、スパッタリング領域15は円周線24まで延び、およそ 磁気アレイ20の端部に匹敵する。
カソード体の回転によりカソード体12の円周の周りに延びる均一な浸食領域2 6がつくり出される。これによりスパッタされない領域28を浸食領域の外側お よび円周線24を越えたところに残す。この領域28はこうして円周線24から カソード体12の端部25まて延びる。同様のスパッタリングされない領域(図 示せず)がカソード体の対向する端部の側にも存在している。したがって、カソ ード体の端部はスパッタされない。こうして、酸化膜が端部で積み重なり、遅か れ早かれ、スパッタリングされる材料に依存して、カソード体のこれらスパッタ されない領域からアークが生じることになる。
例として、カソード体は長さ約54インチでかつ直径約6インチでよい。磁気ア レイは約51インチの長さを存し得る。このように、スパッタおよび浸食領域が 約52インチの長さを有すると考えられる。そこでスパッタされない領域はカソ ード体に沿ってその各端部で約1インチ延在する。
酸化チタン、酸化亜鉛および酸化錫インジウム等の幾つかの材料は、反応性スパ ッタリングをされると、劣った誘電特性または半導電性さえも有する結晶膜を形 成する。これらの膜かカソードのスパッタされない領域上に蓄積し、電荷かそれ らを通って簡単に漏洩し得る。これによりアークをつくり出すかもしれないと考 えられる電荷の蓄積か防止される。数ミクロンのオーダて、これらの膜が比較的 厚い場合にのみアークの問題が生じる。これはしかしながら数時間の作業を経た 後でなければ生じないかもしれない。
しかしなから、シリコンから反応性スパッタリングされた二酸化シリコンの膜は 実質的に非結晶の形状で堆積しかつ優れた電気絶縁体である。酸化アルミニウム および酸化ジルコニウムの反応性スパッタリングされた膜は類似する特性を有す る。このような絶縁膜がカソードのスパッタリングされない領域、たとえば円周 線24を越えたところに形成する場合には、正の電荷が急速に蓄積し得る。こう して、膜を横切る電荷の蓄積により生じた高い電界の下、絶縁膜がブレークダウ ンするとアークか生じるかもしれない。
絶縁特性が優れていれば優れているほど、アークの発生は急速であり、一般的に は1時間の動作内に生じる。
図1に示されるとおり、本願の発明は、その最も簡素な形式では、カラー32を 含む。カラー32はカソード体12と接触状態にありかつ円周線34を越えて浸 食領域26内に延びる。好ましくはかつ例としては、シリコンをスパッタリング する際には、このカラーは約2インチ浸食領域内に延びる。このようなカラーは カラ一本体の各端部に形成される。
カラー材料は高い融点を存する必要かある。高い融点により、アークか発生した 場合のカラーへの損傷の確率か低減される。カラーに対する損傷がさらなるアー クの引金となるかもしれない部位を提供すると考えられる。
カラー材料はスパッタリングガスの反応性成分と化合物を形成する必要がある。
たとえば、化合物はカラー材料の酸化物または窒化物でよい。このような化合物 か劣った絶縁特性を有する膜を形成する。数十ミクロンの厚さであっても、これ らの膜を通って電荷の漏れが生じるはずである。
カラー材料はターゲット材料よりも低いスパッタリング速度を有する必要かある 。カラー材料からスパッタされた材料はカソード端部と支持構造物上に堆積され るのみならず、ターゲットからスパッタされる材料と混ぜ合わされる、コーティ ングされる基板の端縁上にも堆積される。基板端縁でのスパッタされるカラー材 料の、スパッタされるターゲット材料に対する比率はでき得る限り低く保つこと が望ましい。しかしながら、カラー材料のスパッタリング速度は0にはなり得な い。さもなくば、スパッタされたターゲット材料が支持構造上に最終的に堆積す ることになりかつアークを引き起こすと考えられるからである。カラーからのス パッタリングはターゲットからスパッタされた材料がこれら支持構造に到達する ことを妨げない。むしろ、スパッタされたターゲット材料がスパッタされたカラ ー材料と混ざってスパッタされたターゲット材料の絶縁特性か駄目になることを 確実にする。
とのようなカラー材料であっても、スパッタされた場合に同じ条件下でスパッタ されたターゲット材料よりもアークを起こす傾向が少なければ、ある程度までは 育用である。
適当なカラー材料には、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン 、鉄、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、モリブデン、ハフニウム、タンタル 、タングステン、ロジウム、プラチナ、およびイリジウムが含まれる。
シリコンターゲットから二酸化シリコンをスパッタする場合にはチタンが理想的 なカラー材料であることがわかっている。
高融点カラー材料から生じるさらなる利点は、このカラーが、カソードに対して 堆積した力が最も高い「レーストラック」型スパッタ領域の「ターンアラウンド 」を覆うためにスパッタ領域内に延長され得るという点である。ターゲット材料 が低融点材料の場合、ターゲット材料の融点に達する前により高い力がカソード 体に付与され得る。このようなカラーをカソード体に対して使用することで、低 融点材料に対してより高い堆積率か得られるのである。
カソード体12の端部に対しカラー32を付与するための幾つかの方法が可能で ある。より詳細には、カラーは実際にはカソード体に取り付けられる別個の円筒 状ユニットである必要はない。むしろ、本願発明の文脈において使用されるカラ ーという用語は、カラー材料かターゲット材料と異なるカソード体の端部の周り の円筒状の領域を意味する。たとえば、筒状部材14が適当なカラー材料から製 作される場合である。カラーは筒状部材14からターゲット材料を取り除くこと により適切なセクションまたは幾つかのセクションかカラーまたは複数のカラー を形成すべく露出されたままにされるようにすることにより形成され得る。
筒状部材14がターゲット材料から製作されるのであれば、材料の付加的な層が カラーを形成するためにターゲット材料に付与される必要があると考えられる。
スパッタ領域のとの範囲までカラーが延びるかを決定するための特定的な公式と いうものはない。延長部分か短いよりも長い方がターゲットからスパッタされた 材料がカソード体の端部および支持構造に達する可能性がある。しかしながら、 延長部分が長ければ、ターゲット領域はより狭くなりかつしたがってスパッタさ れたターゲット材料でコーティングされ得る基板も狭くなる。含まれるカラーと ターゲット材料がまたその決定を左右する。シリコンとともに使用されるチタン のカラーに関しては2インチの延長部分が実験的に決定された値を表わしかつ他 の材料を扱う場合のガイドラインとして使用され得る。
円筒状マグネトロンのためのある種の装着構成においては、カソード体の端部を 暗黒シールドで囲むことが役に立つ。これによりアークが低減される。このよう なシールドについて以下に議論する。しかしながら、カソード体にカラーを付加 しなければ暗黒シールドはコーティング材料で急速に汚染されかつアークの源に なることかわかっている。
したがって、カラーはアークを低減するうえて最も効果的な方法であるように思 われる。カソード体の端部を覆う暗黒シールドと組合わせれば、カラーが、二酸 化シリコンの反応性スパッタの間のアークを実質的になくすことがわかっている 。
たとえば、暗黒シールドまたはスリーブは、カソード体12の周りに同心的にか つその表面から間隔をあけて配設される。シールドはカソード体の端部25から 暗黒部の長さく以下に述へる)とおよそ等しい距離だけ延びかつ円周線24まで またはこれをちょうど過ぎるところまでスパッタ領域の端縁へ延び得る。こうし てシールドがカソード体の端部およびカラー32の対応する部分を囲むことにな ると考えられる。
シールドはある空隙を形成すべくカラー32から間隔をあけられる。この空隙を 横切る距離は暗黒部の長さより短いものである。暗黒部はカソードの次のガスの 放出領域である。ここでは、付与された動作電圧の下電子が加速してスパッタガ スのイオン化を引き起こすのに十分なほど付勢されている。暗黒部の長さはスパ ッタガスのタイプ、ガスの圧力および付与された電界の関数である。暗黒部の長 さは3mmのオーダでよい。
ダークスペースシールドはカソード体をガス放出および結果として生じるイオン のボンバードメントから保護する。
カソード体の端部の周りのシールドにより、スパッタガス放出かこの端部に接触 することを防止し得る。シールドは、以下に説明するとおり、適切な支持部材に 取り付けるためのフランジ等を備えている。シールドはまたこの装着面からは絶 縁されており、かつしたがつてそこからは電気的に分離されている。
こうして、それは電気的に浮遊しかつガス放出の電位を入手する。シールドの好 ましい材料はステンレススチールである。
図2に示されるとおり、回転円筒状マグネトロン40は排出可能コーティングチ ャンバ44内にカンチレバーされた形で装着され得る。わかるとおり、コーティ ングされる基板Sは複合ローラ41上て円筒状マグネトロン40の下を通る。基 板は二酸化シリコンまたは他の材料の薄膜でコーティングされてもよい。
円筒状マグネトロン40は回転可能真空封止ユニット42に装着されるカソード 体43を含む。当該技術分野では公知のとおり、ユニット42はカソード体がコ ーティングチャンバ44内を真空に維持しながら回転させられ得る構成を提供す る。真空ユニット42はまたマグネトロン40と真空チャンバ外側の領域との間 に必要な電気的、機械的かつ流体接続状態をもたらす。真空ユニット42はチャ ンバ44の側壁50内の開口内のフランジ54により配設されかつ封止される。
コーティングチャンバは適当な真空シール46を存する上部カバー46により封 止される。上部カバーはチャンバ44のそれぞれの側壁5oおよび52の間の距 離にわたる。わかるとおり、マグネトロン4oは上部カバー46を介してチャン バ44内に挿入されかつチャンバ44から取り除かれ得る。
回転カソード体43のための駆動は支持ブラケット58上に装着された電気モー タ56により与えられる。この駆動はプーリ60および62ならびに駆動ベルト 64によりカソード体に伝えられる。
冷却水は静止した管または導管を介してカソード体内へ供給される。図示のとお り、管66は真空封止ユニット42によりコーティングチャンバ44からその外 部の位置まで延びる。管66はまた適切なブラケット72により管に取り付けら れる磁気アレイ70を支持する。冷却水は真空封止ユニット42をも通過する管 または導管68を経由して取り除かれる。管68はまたマグネトロン40のため の必要な電気的接続を保持する。
わかるとおり、真空ユニット42に隣接するカソード体の端部は封止プラグ78 により封止される。冷却水管66および68はこのプラグを介して延びる。封止 プラグ80はカソード体の対向する端部に位置する。それは窪みをつけられてカ ソード体がその周りを回転するベアリング82を提供する。
なお、基板Sは複合ローラ41上の円筒状マグネトロン40を過ぎて運はれる。
ローラはベアリング102内で回転するシャフト100上に装着される。今度は ベアリングかコーティングチャンバの床または合板51上に装着される。約lフ ィートの距離で互いから分離される一連のこのようなローラシャフトは、基板の 輸送の方向にコーティングチャンバ44の長さに沿って延びてもよい。これらは 図示されないチェーン駆動システムにより回転させられる。
上に述べたとおり、カソード体43はその外側表面にターゲット材料76を有す る管状部材74を含む。管状部材はターゲット材料から形成されてもよいし、ま たはターゲット材料がステンレススチール等の非ターゲット材料からなる管状部 材に対しスプレーでコーティングされてもよい。
この実施例においては、カラー92および94はカソード体43の各端部に形成 される(図3も参照)。前述のとおり、カラーはカソード体のそれぞれの端部か ら浸食領域へ延びる。好ましくは、各カラー92.94がシリコンスパッタのた めに約2インチの距離だけ浸食領域内に延びる。
暗黒部シールドまたはスリーブ84および88はカソード体43の各端部てそれ ぞれカラー92および94の周りに同心的に配置される。スリーブは少なくとも 1つの暗黒部の長さにわたってカソード体に沿って延びる。暗黒部の長さは、電 子がガスのイオン化を開始するのに十分なエネルギーを取得する前に、与えられ たカソードの電位およびガス圧力下で移動する必要がある距離である。約500 ボルトの電圧と約3ミリトルのスパッタリング圧力では、暗黒部の長さは約3m mである。
図3により明らかに示されるとおり、スリーブ84は絶縁ブンユ47およびネジ 49により真空封止ユニット42の表面に装着される。ナイロン等の絶縁体86 かスリーブと真空ユニットの表面との間に配設される。こうしてスリーブは、電 気的に真空ユニットから分離される。
カソード体の他方端にはスリーブ88か絶縁ブシュ81および絶縁ネジ83によ りプラグ80に取りつけられる。
ナイロン等の電気的絶縁体90か、プラグ80にスリーブか取り付けられる地点 でプラグ80とスリーブ88との間に配置され、スリーブを部材から電気的に分 離する。
また、既に述べたとおり、スリーブ84.88とカラー12.94との間に空隙 83.85がそれぞれ形成される。
これら空隙を横切る距離は暗黒部の長さよりも小さい。こうして、スパッタリン グガス放出とカソード体上のスパッタされていない領域との間の接触が低減され る。
ある種の応用では、シールドとカラーの構成はカソード体の一方端のみに位置し てもよい。また幾つかの応用においては、°スリーブはそれらの装着表面から電 気的に絶縁されている必要はない。ある種の装着構成においては、暗黒部シール ドまたはスリーブは不要かもしれない。
本願発明のもう1つの実施例か図4に示される。ここでは、回転マグネトロン1 40のカソード体143はコーティングチャンバ120内の端部ブロック114 と116とに装着される。端部ブロックはマグネトロン+40のためのベアリン グ、電気的かつ水の接続部を収納する。わかるとおり、端部ブロック114およ び116は適切な真空シール117によりチャンバ120の上部壁面またはカバ ー110に装着される。上部壁面110は真空シール112によりチャンバの側 壁121および123に対し封止される。
カソード体143は支持ブラケット138によりチャンバ上部壁110に装着さ れる電気モータ118により駆動される。モータ駆動はシャフト120によりギ アボックス122に伝えられる。シャフト124はギアボックスから、それが冷 却水管または導管128に機械的にリンクされる端部ブロック116内へ延びる 。管128は冷却水のための出力管である。冷却水取入管130は磁気バーまた はアレイ132のための支持物としての役割を果たす。この管もまた端部ブロッ ク116から延びる。磁気バー132はブラケット配列134により管130に 対し装着される。
流体接続物126もまたブロック116内のシール(図示せず)により管130 内に水を導入しかつ管128から水を流すために端部ブロック116上に設けら れる。端部ブロック114上の接続部154もまたマグネトロンに電力を導入す るために設けられる。これは駆動スピンドル170によりブロック114内での ブラシ接触により行なわれる。
カソード体143はその外側表面にターゲット材料142を有する管状部材14 4を含む。カソード体はそのそれぞれの端部でプラグ160および162により 封止される。
プラグ160は管128により貫通され、管130のためのベアリング178を 存するプラグ162が駆動スピンドル170に取り付けられる。
カラー146および148はカソード体の各端部に位置する。スリーブ150は 端部ブロック114に取り付けられかつ電気絶縁体172によりそこから分離さ れる。スリーブ152も端部ブロック116に取り付けられかつそこから絶縁体 174により絶縁される。
上記の実施例を参照して議論したとおり、スリーブ150および152は少なく とも1つの暗黒部の長さにわたって管状部材の長さ方向に沿って延びる。カラー 146および148は浸食領域内に延びる。それぞれの空隙155および157 がカラー146.148とスリーブ150.152との間に形成される。各空隙 を横切る距離は暗黒部の長さより小さい。これらカラーおよびスリーブのための 装着構成は図3へのマグネトロンの駆動端部に示されるものと同様である。
この発明の他の実施例か図5に示される。ここでは、回転マグネトロン195の カソード体190がカンチレバーされた態様で装着されるところか示される。し かしなから、この実施例によりもたらされる利点はダブルエンドの装着構成に対 しても等しく適用可能である。
図示のとおり、カソード体190はその直径か各端部て縮小されている。各端部 でのカラー192および193はカソード体の輪郭に沿うべく形状化される。ス リーブ194は真空封止ユニット等の支持部材196上に装着される。
スリーブは絶縁体198により支持部材196から絶縁される。スリーブの外側 の直径はカソード体の大きい方の外側の直径に等しいかまたはこれより小さい。
スリーブはカラー193の周りに延在する。
カソード体の自由端では、スリーブ202が封止プラグ214上に装着されかつ 絶縁体204によりカソード体から電気的に分離される。スリーブ202はスリ ーブ194と同じ態様でカラー192の周りに配列される。磁気アレイ208な らびに水冷却管210および212も図示される。
それぞれのシールドとカラーとの間の空隙200.201は通常のスパッタ条件 の下ではカソード暗黒部の長さよりも小さい。この実施例では、空隙200およ び201への入口はカソード体のレベルよりも低い。したがって、カラー192 の外側表面上の空隙とターゲット材料206との間にはラインオブサイト(li ne of sight)の接触はない。
このように、ターゲットからスパッタされた材料に関しては空隙200と201 への直接のアクセスは存在しない。
本願発明のさらにもう1つの実施例か図6に示される。
この実施例においては、カソード体210はその外側表面にターゲット材料22 2を育する管状部材220を含む。
ターゲット材料に隣接する盛り上がった玉のようになったセクションまたは部分 224aを伴うカラー224.226か設けられる。玉224a、226aはそ れぞれスリーブ+94.202とカラー224.226との間の空隙200.2 01にスパッタされた材料が入り込むことを防止するのに十分な高さに製作され る。この玉がシールドを汚染から保護するのに役立つ。
この実施例に記載された概念がまたダブルエンドの装着構成に対しても適用可能 である点は当業者にとり明らかであろう。
本願発明のさらにもう1つの実施例が図7に示される。
この実施例はカソード体230内に完全に統合されたアーク抑制システムを提供 する。カソード体はその外側表面にターゲット材料234を有する管状部材23 2を含む。既に記載したとおり、カラー236.238は管状部材の対向する端 部に取り付けられる。スリーブ240はネジでプラグ242に装着されかつ絶縁 体244によりプラグから電気的に分離される。第2のスリーブ246がプラグ 272上に装着されかつ図3へのマグネトロンの自由端で示されるのと同様の態 様で絶縁体250により電気的に分離される。典型的には暗黒部の長さより小さ い隙間かシールドと、スピンドル252と、カソード支持部材との間に設けられ る。カソード支持部材は図4に示すとおり、端部ブロック116および114て もよい。駆動スピンドル252は端部ブロック116から延び、かつ導管210 および212は端部ブロック114から延びる。
この発明について幾つかの実施例の観点から記載してきた。しかしながら、この 発明は、描写されかつ記載されたこれら実施例に限定されない。むしろ、本願発 明の範囲は添付の請求の範囲により規定されるものである。
FIG、−2 FIG、−3 FIG、−4 FIG、−5 FIG、−7 国際調査報告

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.ガス放出を使用して、基板上に選択されたコーティング材料の薄膜をスパッ タするための回転円筒状マグネトロンスパッタ装置であって、排気可能なコーテ ィングチャンバと、その表面にターゲット材料の層を有しかつその長さ方向に沿 ってかつその円周的に比較的狭い領域に沿って延びるスパッタ領域を有する長尺 の円筒状管状部材を含むカソードを含み、前記スパッタ領域が前記管状部材の周 りにかつその長さ方向に沿って浸食領域を規定し、前記コーティングチャンバ内 で前記管状部材を回転自在に支持するための手段と、スパッタされた材料を受け るべくスパッタ領域をすぎて物体を輸送するための手段と、前記管状部材の少な くとも一方端上にアークを抑制するための手段を含む、装置。
  2. 2.前記アーク抑制手段が前記管状部材の一方端の周りに導電性材料からなる少 なくとも1つのカラーを含み、前記カラーが前記管状部材の一方端と実質的に同 じ高さの端部と、前記管状部材の一方端上およびその支持構造上のコーティング 材料の堆積を最小限にするのに十分な距離浸食領域に延びる他方端を有する、請 求項1に記載の装置。
  3. 3.アーク抑制手段が少なくとも1つの円筒状スリーブと、前記スリーブが、カ ソード暗黒部の長さより短い空隙を間に有して前記カラーの周りに実質的に同心 的に配置されるように前記スリーブを装着するための手段とをさらに含み、前記 スリーブが少なくとも1つの暗黒部の長さにわたって前記カソードに沿って延び る、請求項2に記載の装置。
  4. 4.前記スリーブがカソードのための支持手段上に装着される、請求項3に記載 の装置。
  5. 5.前記スリーブが前記支持手段から電気的に分離されている、請求項4に記載 の装置。
  6. 6.前記スリーブがカソード上に装着されかつそこから電気的に分離されている 、請求項3に記載の装置。
  7. 7.前記カラーがその円周に盛り上がった部分を有して前記スリーブ上へのコー ティング材料の堆積を最小限にする、請求項3に記載の装置。
  8. 8.前記管状部材の直径が前記スリーブにより覆われる端部で縮小されてその間 の空隙におけるコーティング材料の堆積を最小限にする、請求項3に記載の装置 。
  9. 9.スパッタされる材料がシリコン、アルミニウム、ジルコニウム、タンタル、 ならびに錫および亜鉛の合金から本質的になるグループから選択される、請求項 2に記載の装置。
  10. 10.カラー材料がスカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄 、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、モリブデン、ハフニウム、タンタル、タ ングステン、ロジウム、プラチナ、およびイリジウムから本質的になるグループ から選択される、請求項9に記載の装置。
  11. 11.管状部材がその各端部にカラーを有する、請求項2に記載の装置。
  12. 12.スパッタされる材料が低融点材料である、請求項1または2に記載の装置 。
  13. 13.カラー材料がスカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄 、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、モリブデン、ハフニウム、タンタル、タ ングステン、ロジウム、プラチナ、およびイリジウムから本質的になるグループ から選択される、請求項12に記載の装置。
  14. 14.マグネトロンがカソード体の長さ方向に沿ってかつ円周をその比較的狭い 領域に沿って延びるスパッタ領域を提供し、その外側表面にターゲット材料を有 する長尺の管状部材と、前記管状部材の少なくとも一方端上にその前記一方端か ら前記スパッタ領域内へ前記管状部材の長さ方向に沿って延びる導電性材料のカ ラーとを含む、回転円筒状マグネトロンのためのカソード体。
  15. 15.カラーがその円周に盛り上がったセクションを有する、請求項14に記載 のカソード体。
  16. 16.前記管状部材がその少なくとも一方端で縮小された直径を有する、請求項 14に記載のカソード体。
  17. 17.管状部材がその各端部で縮小された直径を有する、請求項14に記載のカ ソード体。
  18. 18.前記カラーが縮小された直径の形に沿う、請求項16または17に記載の カソード体。
  19. 19.前記カラーが前記管状部材の各端部に位置する、請求項14または15に 記載のカソード体。
  20. 20.前記ターゲット材料がシリコン、アルミニウム、ジルコニウム、タンタル 、ならびに錫および亜鉛の合金から本質的に構成されるグループから選択される 、請求項14、15、16、または17に記載のカソード体。
  21. 21.前記カラーがスカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄 、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、モリブデン、ハフニウム、タンタル、タ ングステン、ロジウム、プラチナ、およびイリジウムから本質的になるグループ から選択される材料から形成される、請求項20に記載のカソード体。
  22. 22.前記ターゲット材料が約700℃を下回る融点を有する金属である、請求 項14、15、16、または17に記載のカソード体。
  23. 23.前記カラーが、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、 鉄、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、モリブデン、ハフニウム、タンタル、 タングステン、ロジウム、プラチナ、およびイリジウムから本質的になるグルー プから選択される材料で製作される、請求項22に記載のカソード体。
  24. 24.排気可能なコーティングチャンバ内にカソード体を回転自在に装着するた めの手段をさらに含む、請求項14に記載のカソード体。
  25. 25.前記管状部材端部の一方がスリーブ内に適合する、請求項14に記載のカ ソード体。
  26. 26.選択されたコーティング材料の薄膜をスパッタするための回転円筒状マグ ネトロンであって、その長さ方向および円周を比較的狭い領域に沿って延びるス パッタ領域を規定するための磁気手段を含む長尺の管状部材と、前記管状部材の 少なくとも一方端上にありかつ前記管状部材の円周に延びる導電性材料からなる カラーとを含み、前記カラーが前記一方端から前記スパッタ領域内に延びる、マ グネトロン。
  27. 27.前記管状部材の少なくとも一方端の円周に延びる導電性材料からなるスリ ーブをさらに含み、前記スリーブが少なくとも1つの暗黒部の長さにわたって前 記管状部材に沿って延びる請求項26に記載の回転円筒状マグネトロン。
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