JPH0650121A - 蓄熱装置 - Google Patents

蓄熱装置

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JPH0650121A
JPH0650121A JP4202200A JP20220092A JPH0650121A JP H0650121 A JPH0650121 A JP H0650121A JP 4202200 A JP4202200 A JP 4202200A JP 20220092 A JP20220092 A JP 20220092A JP H0650121 A JPH0650121 A JP H0650121A
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JP
Japan
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heat
heat storage
salt hydrate
container
storage material
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JP4202200A
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English (en)
Inventor
Kenzo Kaneda
堅三 金田
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0650121A publication Critical patent/JPH0650121A/ja
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    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28DHEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
    • F28D20/00Heat storage plants or apparatus in general; Regenerative heat-exchange apparatus not covered by groups F28D17/00 or F28D19/00
    • F28D20/02Heat storage plants or apparatus in general; Regenerative heat-exchange apparatus not covered by groups F28D17/00 or F28D19/00 using latent heat
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/14Thermal energy storage

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】塩水和物蓄熱材の融解潜熱の損失を抑制する。 【構成】塩水和物蓄熱材27が収容された容器24の周
囲に、その周囲を取り囲むようにして融解潜熱型の断熱
用蓄熱材29を設けた。これにより、エンジンオイル1
1の熱を塩水和物蓄熱材27が蓄熱した後、温度が降下
すると断熱用蓄熱材29に蓄えられた融解潜熱が融点付
近の温度で徐々に放出され、塩水和物蓄熱材27の温度
低下を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば自動車に搭載
されたエンジンのエンジンオイルを加熱したり、同じく
エンジン冷却水を加熱して、エンジンの始動性を高めた
り、低外気温時における暖房運転を行ったりする等に用
いる蓄熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】塩水和物の過冷却現象を利用して蓄熱す
る融解潜熱型の蓄熱装置が知られている。
【0003】この蓄熱装置は、塩水和物よりなる蓄熱材
を収容容器に収容して蓄熱器を構成する構造となってい
て、塩水和物蓄熱材の固体状態から液体状態への変化、
すなわち潜熱の吸収に伴う溶解によって、外部の作動流
体からの熱を蓄え、必要な時に過冷却状態からこれを結
晶化させることによって融解潜熱を取出すことができる
ようにしてある。
【0004】こうした塩水和物を蓄熱材として用いた蓄
熱装置は、塩水和物の融点以下の過冷却状態において
も、安定して融解潜熱の一部を蓄えることができるとい
う利点を有している。
【0005】このため、この蓄熱装置は、低外気温時に
おける自動車用エンジンの始動性の向上、低外気温時の
暖房運転の立上げ性を良くするべく、エンジンオイルや
エンジン冷却水の温度を急速に昇温させたりするといっ
た用途などに用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この塩水和
物を蓄熱材として用いた蓄熱装置は、融点以下になる
と、蓄えた潜熱の一部が低温になるほど失われて、蓄熱
量が減少するという欠点をもっている。
【0007】この対策として、蓄熱器の周囲に、発泡ス
チロ−ル,ガラスウ−ルなどの断熱材を設けることが考
えられる。
【0008】しかし、断熱性能はよくなく、低外気温の
影響を受けて、蓄熱器の温度が比較的短時間に外気温近
くまで下がってしまうという問題がある。
【0009】こうした点が障害となって、融解潜熱型の
蓄熱装置は、有効な活用が阻害されていた。
【0010】この発明は、このような事情に着目してな
されたもので、その目的とするところは、塩水和物蓄熱
材の融解潜熱の損失を抑制する蓄熱装置を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明の蓄熱装置は、塩水和物蓄熱材を収容容器に
収容して構成される蓄熱器の周囲を、作動流体の熱を融
解潜熱により蓄え、かつその温度が融点付近へ低下する
にしたがい、蓄熱した潜熱を放出する融解潜熱型の蓄熱
材で覆ったことにある。
【0012】
【作用】この発明の蓄熱装置によると、蓄熱器の塩水和
物蓄熱材は、高温の作動流体の熱が伝熱されると、急速
に融解し、固体状態から液体状態へ変化する。このと
き、潜熱の吸収により、塩水和物は作動流体の熱を蓄熱
する。
【0013】一方、断熱をする融解潜熱型の蓄熱材も、
上記塩水和物蓄熱材と同様、潜熱の吸収により、作動流
体の熱を蓄熱する。
【0014】その後、作動流体の温度が、塩水和物蓄熱
材、融解潜熱型の蓄熱材の融点付近に下がるとする。
【0015】このとき、塩水和物蓄熱材は、融解潜熱の
一部を蓄えている。
【0016】これに対し、融解潜熱型の蓄熱材は、吸収
した潜熱をゆっくりと放出しながら、融点付近の温度を
長時間、維持していく。
【0017】この熱的な断熱効果により、塩水和物蓄熱
材の温度低下を妨げる。
【0018】
【実施例】以下、この発明を図1ないし図4に示す第1
の実施例にもとづいて説明する。図2は、この発明を適
用した自動車に搭載されているエンジンを示す。
【0019】このエンジンの本体1は、ピストン2,シ
リンダ(図示しない)などの部品が設けられたシリンダ
ブロック3の頭部に、動弁系4,カムカバ−5などが設
けられたシリンダヘッド6を設け、下部にオイルポンプ
7aが内蔵されたオイルパン7を設けて構成される。な
お、8はシリンダブロック3に設けたクランク軸(図示
しない)の軸端に装着されたプ−リ、9はシリンダブロ
ック3の側部に装着されたオイルフィルタ−、10はカ
ムカバ−5に設けたエンジンオイル用給油部、11はオ
イルパン7に集溜されたエンジンオイル(本願の作動流
体に相当)を示す。
【0020】エンジンの本体1には、上記オイルポンプ
7aにより、オイルパン7の内部から吸い上げたエンジ
ンオイル11を、上記オイルフィルタ−9、同オイルフ
ィルタ−9の出口部とシリンダブロック3の側部に設け
た入口部(図示しない)とを連通する流路9a、シリン
ダブロック3に設けた上記流路9aと連通するギャラリ
−12を介して、カム軸13,弁14など、潤滑が必要
とされる各種のエンジン部品の摺動部に導くためのオイ
ル通路15が設けられている。また本体1には潤滑後の
エンジンオイル11を戻す、例えばシリンダヘッド6か
らのエンジンオイル11をオイルパン7内へ戻すための
孔部16といった戻しの通路が設けられていて、オイル
パン7内に集溜されているエンジンオイル11を本体1
の内部に還流させるようにしてある。
【0021】またこのエンジンオイル還流系を構成する
流路9aには、蓄熱装置20が設けられている。
【0022】この蓄熱装置20は、蓄熱器21と接触加
圧式の発熱器22(結晶化を誘起する機器)とを組合わ
せた構造が用いられている。この蓄熱装置20の全体構
造が図1に示され、同じく発熱器22の構造が図3に示
されている。
【0023】蓄熱器21について説明すれば、23は例
えば円筒箱状に構成されたエンジンオイル用(作動流体
用)の容器である。この容器23内の一部、例えば右側
壁には、容器23内の左方向へ延びる、例えば円筒箱状
に構成された塩水和物用の容器24(本願の収容容器に
相当)が設けられている。この容器23の周壁部の上下
部分には、上記流路9aを構成する入口パイプ25と出
口パイプ26が連通接続されている。これにより、容器
23と容器24とで囲まれる離間部を通路17として、
オイルフィルタ−9からのエンジンオイル11を流通さ
せるようにしている。
【0024】また各容器23,24は、耐食性に優れ、
かつ熱伝導性に優れる部材、例えばステンレス鋼から構
成されていて、エンジンオイル11の熱を容器24の外
側、容器23の内側へ効率良く伝熱できるようにしてあ
る。
【0025】容器24内には、融点以下でも固化せずに
融解潜熱を蓄えておくことが可能な蓄熱材、例えば「CH
3 COO Na−45重量% H2 O 」で示される融点58℃、融
解潜熱60cal/g をもつ、塩水和物蓄熱材27が収容さ
れている。
【0026】オイルパン7の内部のエンジンオイル11
は、自動車の走行中、約90℃に達し、これがエンジン
の本体1の内部を還流する。このエンジンオイル11の
高温時の温度より低い融点をもつ塩水和物蓄熱材とし
て、「CH3 COO Na−45重量% H2 O 」を用いている。
【0027】この塩水和物蓄熱材27における潜熱の吸
収に伴う融解、すなわち固体状態から液体状態への相変
化を利用して、上記通路17を介して、高温のエンジン
オイル11の熱を蓄えることができるようにしてある。
【0028】また容器23の周囲には、例えばステンレ
ス製の断熱材用の容器28が設けられている。この容器
28は例えば円筒箱状に構成されている。そして、この
容器28と容器23とで囲まれる離間部は断熱材収容部
を構成している。
【0029】この断熱材収容部には、エンジンオイル1
1の高温時の温度より低く、塩水和物蓄熱材27より高
い融点をもつ融解潜熱型の蓄熱材、例えば「C21〜C50
パラフィン」で示される融点67℃、融解潜熱45cal/
g をもつ、断熱用蓄熱材29が収容されている。
【0030】この断熱用蓄熱材29は、融解潜熱によ
り、上記塩水和物蓄熱材27と同様、エンジンオイル1
1の熱を蓄える特性を有している。また断熱用蓄熱材2
9は、上記塩水和物蓄熱材27とは異なり、融点付近に
温度が低下すると、ゆっくりと融解潜熱を放出しなが
ら、融点付近の温度を長時間、維持する特性をもってい
る。この断熱用蓄熱材29の特性を利用して、蓄熱器2
1の周囲全体を熱的に断熱している。
【0031】発熱器22の詳細な構造を図3に示す。
【0032】31は、例えば小径な筒形のボディ32の
頭部にキャップ部33を設けて構成される発熱器23の
本体である。この本体31は、例えば耐食性、熱伝導性
に優れるステンレス鋼から構成してある。
【0033】この発熱器22の本体31は、容器28の
右側壁の中央に取付けられている。具体的には、キャッ
プ部33の外周部に設けたねじ部(図示しない)をねじ
込むことにより取付けられていて、先端部が容器28の
右側壁、容器23の右側壁(容器24と共通な壁部)の
中央を貫通して、容器24内に延びている。またキャッ
プ部33は容器28の外部に露出している。
【0034】ボディ32の先端側中央には開口路34が
形成されている。開口路34は、ボディ32の先端面中
央に設けた、容器24内に開口する小径な孔部35と、
ボディ32の先端側の軸心部分に同軸心方向に沿って設
けた、孔部35の径寸法より大きな径の孔部36と、こ
れら双方の孔部35,36を直列に連通する円錐形の孔
部37とから構成される。
【0035】この開口路34の孔部35の部分には、同
部分の形状と略対応する外形をもつ短全長の接触部品3
8が摺動自在に嵌挿されている。なお、38aは接触部
品38の軸心中央に設けた貫通孔を示す。
【0036】さらにボディ32の内部には、上記孔部3
6に連続して、その孔部36の径寸法より大きな径で構
成されるシリンダ室39が形成されている。このシリン
ダ室39の周壁の一部には、容器24に開口する開口部
40が設けられていて、同開口部40ならびに上記接触
部品38の貫通孔38aを通して、シリンダ室39内に
上記容器24に収容された塩水和物蓄熱材27を充満さ
せることができるようにしている。
【0037】そして、このシリンダ室39にピストン4
1を往復動自在に嵌挿してある。
【0038】一方、キャップ部33の中央には、操作杆
42が摺動自在に貫通している。この操作杆42の中段
の外周部分には段差部分で構成されるストッパ部42a
が設けられ、同ストッパ部42aとキャップ部33の貫
通孔33aの開口縁との当接により、操作杆42のスト
ロ−クを所定に規制するようにしてある。
【0039】操作杆42のシリンダ室39内へ突き出る
端部には、上記ピストン41が連結され、操作杆42の
外部へ突き出る端部には、押ノブ43が連結されてい
る。
【0040】またこのピストン41と接触部品38との
間には、圧縮スプリング44が介装され、孔部37の内
面に接触部品38の先端部を押付けている。そして、こ
の接触部品38の先端の角部38bとそれに接触する孔
部37の円錐面37aとの間の接触部分を、液体状態か
ら固体状態への相変化の誘起を開始させる開始部位45
としている。
【0041】すなわち、塩水和物蓄熱材27の液体状態
から固体状態への相変化は、機械的な刺激により誘起さ
れることがわかっており、本実施例では、押ノブ43の
押操作により、金属同志を衝撃的に擦らせるような変位
を、加圧されている接触部品38で発生させるようにし
ている。
【0042】他方、シリンダ室39に突き出る操作杆4
2の軸部周囲には、同部分を囲むように金属製の伸縮自
在なベロ−ズ46が設けられている。このベロ−ズ46
は、一端がピストン41の外周部に連結され、他端がシ
リンダ室39のキャップ端の内周面に突設された鍔部分
47に連結されていて、ピストン41を境としたピスト
ン41のキャップ側のシリンダ室部分を周囲から隔絶し
ている。この隔絶構造により、容器24の塩水和物蓄熱
材27から、ベロ−ズ外側の塩水和物蓄熱材27を介し
て、シリンダ室39を充満している塩水和物蓄熱材27
に、直接的に、熱を伝えることができるようにしてあ
る。
【0043】つぎに、このように構成された蓄熱装置2
0の作用について説明する。
【0044】蓄熱装置20は、自動車の走行中、エンジ
ンの排熱を蓄熱する。
【0045】すなわち、自動車の走行中、エンジンオイ
ル還流系は、エンジンを動力として駆動されるオイルポ
ンプ7aにより、作動流体となるオイルパン7内のエン
ジンオイル11を汲上げ、オイルフィルタ−9、蓄熱装
置20の蓄熱器21およびギャラリ−を介して、エンジ
ン各部の潤滑部分に供給している。そして、潤滑を終え
たエンジンオイル11が、孔部16などを通って、オイ
ルパン7へ戻るというサイクルを繰り返している。
【0046】こうしてエンジンの本体1の各部を還流す
るエンジンオイル11は、エンジンの本体1から発する
熱を受けて温度上昇し、次第に高温となる。これによ
り、オイルパン7に溜っているエンジンオイル11も高
温となっていく。具体的には、オイルパン7内のエンジ
ンオイル11は約90℃に達する。
【0047】このエンジンオイル11が蓄熱器21を流
通するときに、同エンジンオイル11の熱が通路17を
構成する壁部を伝わって、容器24内の塩水和物蓄熱材
27および容器28内の断熱用蓄熱材29へ伝熱され
る。
【0048】これにより、固体状態にある各塩水和物蓄
熱材27および断熱用蓄熱材29は加熱される。
【0049】ここで、「CH3 COO Na−45重量% H2 O 」
および「C21〜C50パラフィン」で示される各蓄熱材の
融点は、エンジンオイル11の高温時の温度より低いか
ら、固体状態にある塩水和物蓄熱材27および断熱用蓄
熱材29の双方は、融解しながら潜熱を吸収して、固体
状態から液体状態へ相変化していく。
【0050】むろん、この際、発熱器22の内部の塩水
和物蓄熱材27も、ベロ−ズ外側および開口路34の塩
水和物蓄熱材27を介して、シリンダ室39の塩水和物
蓄熱材27に熱が伝わることで、固体状態から液体状態
へ相変化する。
【0051】ついで、エンジンを停止する。
【0052】このエンジン停止と共に、オイルパン7内
のエンジンオイル11は徐々に温度が下がり、やがて外
気温と同じになる。
【0053】塩水和物蓄熱材27と断熱用蓄熱材29も
徐々に温度が低下していく。
【0054】このとき、「CH3 COO Na−45重量% H2 O
」(塩水和物蓄熱材27)は、融解潜熱の一部を蓄え
ている。
【0055】また「C21〜C50パラフィン」(断熱用蓄
熱材29)は、67℃で融解潜熱を放出しながら、長時
間の間、この67℃の温度を維持していく。但し、その
後、「C21〜C50パラフィン」は顕熱を放出しながら冷
えていく。
【0056】この「C21〜C50パラフィン」の融解潜熱
の放出により、「CH3 COO Na−45重量% H2 O 」の温度
低下は妨げられる。
【0057】つまり、蓄熱器22の周囲は、断熱用蓄熱
材29によって熱的に断熱され、「CH3 COO Na−45重量
% H2 O 」の温度低下するのを最小限に抑制することが
できる。
【0058】したがって、塩水和物蓄熱材27の蓄熱量
の損失を抑えることができる。特に融点以下になればな
るほどその効果は大きい。
【0059】実験によれば、断熱手段が無い蓄熱装置と
本発明の断熱用蓄熱材が有る蓄熱装置とを用いて、走行
状態からエンジンを停止して、0℃の外気に放置してお
いたときの双方の蓄熱材の温度変化を調べた結果、図4
に示されるような顕著な差が見られた。
【0060】すなわち、エンジン停止後、10時間後で
は、断熱用蓄熱材が無い蓄熱装置の場合は、塩水和物蓄
熱材27の温度は90℃から10℃にも低下したが、断
熱用蓄熱材が有る蓄熱装置の場合は、断熱用蓄熱材から
の融解潜熱の放出によって温度低下が妨げられるため、
50℃の温度低下ですんだ。この40℃の温度差は、塩
水和物である「CH3 COO Na−45重量% H2 O 」の液体状
態の顕熱蓄熱量の差43cal/g となって現れ、その分、
蓄熱量の損失が抑えられる。
【0061】それ故、本実施例のエンジンオイル11を
暖めるという利用目的を十分に果たすことができる。
【0062】すなわち、この保存された熱を用いて、低
外気温時におけるエンジンの始動性を高めるべく、エン
ジンオイル11を暖めるときは、蓄熱装置20の押ノブ
43を押す。
【0063】すると、ピストン41が接触部品38側へ
進み、同接触部品38の先端部を円錐面37aに衝撃的
に擦らせる。
【0064】ここで、過冷却状態の塩水和物蓄熱材27
は、機械的な刺激により、結晶化への相の転移が誘起さ
れる性質がある。
【0065】そのため、上記の機械的刺激が、過冷却状
態の塩水和物蓄熱材27に加わると、開始部位45から
結晶化が始まり、今まで液体状態であった塩水和物用の
容器24内の塩水和物蓄熱材27が急速に結晶化する。
この結晶化により、塩水和物蓄熱材27は融解潜熱を放
出する。
【0066】このとき、断熱用蓄熱材の有無にかかわら
ず、どちらも発熱によって58℃の凝固点まで昇温する
が、断熱用蓄熱材が有る蓄熱装置は、蓄熱量の損失が少
ないため、58℃を維持する時間は、断熱用蓄熱材が無
い蓄熱装置に比べはるかに長く、エンジンオイル11を
容器24を介して、より有効に加熱することができる。
【0067】これにより、エンジンオイル11の粘性を
所定の粘性に回復させるという目的を十分に果たせる。
【0068】なお、第1の実施例では、エンジンオイル
を作動流体としたときの断熱用蓄熱材として、C21〜C
50パラフィンを用いたが、これに限らず、融点が70℃
で融解潜熱が48cal/g の「ステアリン酸」、融点が7
0℃で融解潜熱が40cal/gの「ポリエチレン・グリコ
−ル20000」、融点が89℃で融解潜熱が38cal/
g の「Mg (NO3 ) 2 ・6H2 O 」、融点が29℃で融解潜
熱が43cal/g の「CaCl2 ・6H2 O 」、融点が57℃
で、融解潜熱が38cal/g の物質を用いても同様な効果
を奏する。
【0069】図5および図6は、この発明の第2の実施
例を示す。
【0070】本実施例は、結晶化開始部を皿ばね50か
ら構成したものである。具体的には、つぎのように発熱
器22を構成している。
【0071】すなわち、ボディ32を全長が短い筒形の
部材から構成し、開口路34を全長が短く、かつ内面に
段差51aのある貫通孔51から構成し、この貫通孔5
1の段差51aに皿ばね50を嵌挿している。
【0072】皿ばね50は、図5および図6の側面図な
らびに平面図に示されるように薄肉の円板の中央を、プ
レス成形などで円形に押出して全体が構成されていて、
押出した円形の中央部分52の周側には複数本の切込み
53が設けられている。このように構成される皿ばね5
0は、中央部分52を押すと、凹んで反対側に突き出る
ように変位するものである。この変位の際に生じる切込
み53の切り口部分での擦れを、結晶化への転移を誘起
させるための機械的な刺激としている。
【0073】そして、この皿ばね50を変位させる押圧
部分53が操作杆42の先端に設けられ、押しノブ43
の押操作から皿ばね50を変位させると、同皿ばね50
の切込み53の部分から結晶化が開始され、塩水和物蓄
熱材27が発熱するようにしてある。
【0074】但し、図5、図6において、第1の実施例
と同じ部分には同一符号を付してその説明を省略した。
【0075】このようにしても、第1の実施例と同様の
効果を奏する。むろん、皿ばね50以外の部品ないし部
分から、結晶化開始部を構成してもよい。
【0076】また上述した実施例は、作動流体がエンジ
ンオイルの場合のみを示したが、これに限らず、作動流
体がエンジン冷却水でもよく、この場合も全く同様の原
理によってエンジン冷却水を暖められる。
【0077】そして、この暖めたエンジン冷却水で、エ
ンジン本体を暖めて、エンジンの始動性を高めたり、即
効車室内暖房に応用したりすることができる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
融解潜熱型の蓄熱材の熱的な断熱効果により、塩水和物
の蓄熱材の温度低下を抑制することができる。
【0079】したがって、塩水和物の蓄熱材の融解潜熱
で蓄えた熱の損失を抑制することができ、作動流体を加
熱するという利用目的を十分に果たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例の蓄熱装置の構造を示
す断面図。この発明の第1の実施例のエンジンオイル加
温装置を、同装置を据付けたエンジンと共に示す図。
【図2】同蓄熱装置の外観を、同装置を据付けたエンジ
ンと共に示す斜視図。
【図3】同蓄熱装置の発熱器の構造を示す断面図。
【図4】放置テストを行ったときの断熱用蓄熱材が有る
蓄熱装置と断熱用蓄熱材が無い蓄熱装置との温度変化を
示す線図。
【図5】この発明の第2の実施例の要部となる発熱器の
構造を示す断面図。
【図6】同実施例に用いられた皿ばねを示す平面図。
【符号の説明】
11…エンジンオイル(作動流体)、20…蓄熱装置、
21…蓄熱器、24…塩水和物用の容器、27…塩水和
物蓄熱材、28…断熱材用の容器、29…断熱用蓄熱
材。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩水和物よりなる蓄熱材を収容容器に収
    容して蓄熱器を構成してなり、作動流体の熱を前記塩水
    和物の固体状態から液体状態への変化により蓄え、この
    塩水和物の融点以下の過冷却状態からの結晶化により前
    記蓄熱した潜熱を放出させる蓄熱装置において、 前記蓄熱器の周囲を、前記作動流体の熱を融解潜熱によ
    り蓄え、かつ当該作動流体の温度が融点付近へ低下する
    にしたがい前記蓄熱した潜熱を放出する蓄熱材で覆った
    ことを特徴とする蓄熱装置。
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