JPH0649792B2 - 空洞含有延伸成形物およびその製造方法 - Google Patents

空洞含有延伸成形物およびその製造方法

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JPH0649792B2
JPH0649792B2 JP24006590A JP24006590A JPH0649792B2 JP H0649792 B2 JPH0649792 B2 JP H0649792B2 JP 24006590 A JP24006590 A JP 24006590A JP 24006590 A JP24006590 A JP 24006590A JP H0649792 B2 JPH0649792 B2 JP H0649792B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は空洞含有延伸成形物およびその製造方法に関す
る。さらに詳しくは結晶性ポリプロピレンと特定の樹脂
を配合した組成物を延伸して、成形物に微細な空洞を多
数発生させた空洞含有延伸成形物およびその製造方法に
関する。
〔従来の技術〕
空洞含有延伸成形物は、軽量で、かつ、不透明感、遮光
性、装飾性、紙ライクの特性等を有することから、一軸
もしくは二軸延伸フィルムまたはシートとして、一般包
装材料、装飾材料、合成紙または書写印刷紙等に、ま
た、テープ、リボンまたはフィラメントとして梱包材
料、織糸等に広く用いられている。
従来、空洞含有延伸成形物を製造する方法としては、
(1) 成形時に発泡剤を添加して多数の気泡を形成させる
方法、(2) 特公昭63−24532号公報、特開昭63
−117043号公報等に記載されるごとく無機充填剤
を多量に添加した後、延伸してボイドを形成させる方
法、(3) 成形物を溶剤あるいは薬品等を処理してダル化
させる方法等が知られている。
しかし、これらの方法は次のような欠点を有する。すな
わち、(1) については成形条件、用途による発泡剤の選
択が必要であり、フィルム等の薄膜では均一な微細発泡
が得難く、高倍率延伸や細い繊維、薄膜では延伸破断し
易いという欠点を有する。(2) については、無機充填剤
を多量に添加するため、押出し時の流動性が大幅に低下
したり、スクリーンパックが目詰まりしたり、無機充填
剤に起因する吸湿、発泡、穴アキ、分散不良を生じ易く
樹脂の置換にも長時間を有する等の生産時のトラブルが
多い。また得られた製品も光沢度が低下したり、表面が
粗いものしか得られない等の欠点がある。(3) は、後処
理工程で行われ、かつ、溶剤・薬品類の除去工程も必要
で、装置、経費の面で不利であり、また製品もダル感は
得られるが光沢の高いものは得られないという問題があ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕 本発明の目的は、前記従来法の欠点を解消し、不透明感
と優れた光沢感を有し、かつ軽量な空洞含有延伸成形物
を提供することであり、更に発泡不均一や分散不良など
の生産上の困難のない空洞含有延伸成形物の製造方法を
提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意研究を
行った結果、結晶性ポリプロピレンに特定の樹脂を特定
量配合した組成物を特定条件下で延伸することによって
成形物中に微細な空洞が無数に発生し、目的とする空洞
含有延伸成形物が得られることを見出し本発明に到達し
た。
すなわち、空洞延伸含有成形物に係る発明は、つぎの
(1) 〜(3) の構成を有する。
(1) シクロペンタジエン系単量体(A)、または該単量
体(A)とビニル芳香族炭化水素系単量体(B)とを主
成分として含有し、その重量組成率(B)/(A)が0
〜0.5である成分を重合させて得られた重量平均分子
量(M)が式 M≧680+2200X (ただし、Mはゲル・パーミエーション・クロマトグ
ラフィーにて測定し標準物質をポリスチレンとして算出
した値、Xは組成比率[(B)/〔(A)+(B)〕]
を表わす)の値を有する樹脂3〜150重量部と結晶性
ポリプロピレン100重量部とを配合してなる組成物を
少くとも一方向に延伸してなり、その密度が0.85g
/cm3以下である空洞含有延伸成形物。
(2) 成分が石油ナフサクラッキング留分であり、またM
≧680+2200Xの値を有する樹脂が該留分を重合させ
て得られた石油樹脂、または/および該留分を重合させ
て得られた石油樹脂を水素化した水素化樹脂である請求
項(1) 記載の空洞含有延伸成形物。
(3) M≧680+2200Xの値を有する水素化樹脂
がUV吸光度0.8以下、ヨウ素価30以下の値を有す
る(1) 項もしくは(2) 項記載の空洞含有延伸成形物。
また、空洞含有延伸成形物の製造方法に係る発明は、つ
ぎの(4) 、(5) の構成を有する。
(4) シクロペンタジエン系単量体(A)、または該単量
体(A)とビニル芳香族炭化水素系単量体(B)とを主
成分として含有し、その重量組成比率(B)/(A)が
0〜0.5である成分を重合させて得られた重量平均分
子量(M)が式 M≧680+2200X (ただし、Mはゲル・パーミエーション・クロマトグ
ラフィーにて測定し標準物質をポリスチレンとして算出
した値、Xは組成比率[(B)/〔(A)+(B)〕]
を表わす)の値を有する樹脂3〜150重量部と結晶性
ポリプロピレン100重量部とを配合してなる組成物を
溶融押出しで未延伸成形した後、該結晶性ポリプロピレ
ンの結晶融点未満の温度で少なくとも一方向に2倍以上
延伸させることを特徴とする空洞含有延伸成形物の製造
方法。
(5) 成分が石油ナフサクラッキング留分であり、またM
≧680+2200Xの値を有する樹脂が該留分を重合させ
て得られた石油樹脂、または/および該留分を重合させ
て得られた石油樹脂を水素化した水素化樹脂である(4)
項記載の製造方法。
本発明の成形物および製造方法で用いられる結晶性ポリ
プロピレンは、プロピレンの単独重合体、プロピレンを
主成分とするエチレンもしくは他のα−オレフィンとの
共重合体、またはそれらの混合物であり、具体的には結
晶性ポリプロピレン、結晶性エチレン・プロピレン共重
合体、結晶性ポリプロピレン・ブテン−1共重合体、結
晶性プロピレン・ヘキセン−1共重合体、結晶性エチレ
ン・プロピレン・α−オレフィン三元共重合体等が例示
される。このうち、n−ヘプタンに不溶性の部分を70
重量%以上含有し、プロピレン成分を70重量%含有す
る結晶性ポリプロピレンまたは共重合体が好ましい。
本発明の成形物および製造方法において、結晶性ポリプ
ロピレンと配合する樹脂は、シクロペンタジエン系単量
体(A)、または該単量体(A)とビニル芳香族炭化水
素系単量体(B)とを成分として含有し、その重量組成
比率(B)/(A)が0〜0.5である成分を重合させ
て得られた重量平均分子量(M)が式 M≧680+2200X (ただし、Mはゲル・パーミエーション・クロマトグ
ラフィーにて測定し標準物質をポリスチレンとして算出
した値、Xは組成比率[(B)/〔(A)+(B)〕]
を表わす)の値を有する樹脂(ジシクロペンタジエン系
樹脂と略す)である。
<680+2200Xの場合、延伸成形物の不透明
化が不足し、典型的には特開昭61−203140号公
報等で公知の水素化石油樹脂と同様に、本発明の目的と
はまったく逆の効果、すなわちポリプロピレンに配合し
延伸した場合、得られる成形物が透明化し空洞を含有し
ない。
上記の式から明らかなごとく、本発明においてはシクロ
ペンタジエン系単量体(A)の単独重合体またはその水
素化物の場合は、M680以上の樹脂が使用できる
が、シクロペンタジエン系単量体(A)とビニル芳香族
炭化水素系単量体(B)との共重合体、もしくはその水
素化物の場合は、該樹脂中のビニル芳香族炭化水素単量
体の含有率に比例して一定の比率でMを高くすること
が必要である。
このうち、UV吸光度0.8以下、ヨウ素化30以下に
なるように水素化した水素化シクロペンタジエン系石油
樹脂が結晶性ポリプロピレンとの相溶性に優れ安定して
加工ができ、かつ、空洞形成効果が高く、低密度化、不
透明化が顕著で特に好ましい。
なお、重量平均分子量(M)は、通常のゲルパーミュ
エーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標
準高分子物質として単分散標準ポリスチレンを用いその
分子量を溶出時間の検量線に基づいて計算した値で表示
する。すなわち、本発明では東ソー(株)製HLC−8
02型GPCを用いて以下の分析条件で測定したもので
ある。カラム:GH8P+G400H8+G3000H
8+G2000H8X2 溶媒:テトラヒドロフラン(THF)、カラム恒温槽温
度:40℃ THF:1.2ml/min、試料濃度:0.005g/1cc
THF 検出器:示差屈折計 シクロペンタジエン系単量体(A)を主成分として含有
する成分としては、例えば、石油ナフサ等を熱分解して
エチレンを製造する際の副生留分からシクロペンタジエ
ン系単量体を好ましくは50重量%以上含む留分(以
下、CPD留分と称する。)を挙げることができる。こ
のCPD留分は、シクロペンタジエン系単量体以外の大
部分は重合に不活性な飽和炭化水素であるが、この他に
少量のシクロペンタジエン系単量体に共重合可能なイソ
プレン、ペンタジエン、ブタジエン等の脂肪族ジオレフ
ィン等が含まれる。また、ブテン、ペンテン等の脂肪族
オレフィン、さらにはシクロペンタジエン系単量体を含
めたこれらの混合物が熱二量化したところの環状オレフ
ィン、ジオレフィンを含む場合がある。本発明において
は、これらの濃度がより低いほうが好ましく、重量換算
でシクロペンタジエン系単量体の1/10以下が望まし
い。
ビニル芳香族炭化水素単量体(B)を主成分として含有
する成分としては、具体的にはスチレン、ビニルトルエ
ン類、α,β−メチルスチレン、インデン、アルキル置
換インデン類あるいはこれらの混合物が挙げられる。ま
た、CPD留分と同様に石油ナフサを熱分解してエチレ
ンを製造する際に副生するC留分と称される留分は上
記ビニル芳香族炭化水素単量体が主成分であり、工業的
に利用するには有利な原料である。
本発明の成形物および製造方法で用いる組成物は、結晶
性ポリプロピレン100重量部に対し、ジシクロペンタ
ジエン系樹脂を3〜150重量部配合する。該樹脂の配
合量が3重量部未満では本発明の目的とは逆に空洞形成
効果が不足し、150重量部を越えると成形時に押出し
ムラや延伸破断が激しくなり実質的に成形が困難にな
る。
生産性に優れ、広い成形範囲で安定した空洞含有延伸成
形品を得るためには、上記の水素化樹脂を5〜100重
量部の範囲で添加するのが好ましく、5〜40重量部の
範囲で添加するのが特に好ましい。
この組成物の中には、必要に応じてポリプロピレンに添
加することが公知な各種添加剤などを配合してもよい。
例えば結晶性ポリプロピレンに添加することが公知な加
工安定剤、酸化防止剤、滑剤、スリップ剤、帯電防止剤
及び各種ポリマー類をあげることができる。
この組成分の調製は、通常のブレンダーまたミキサーで
混合することによって容易に行なうことができるが、押
出機、バンバリーミキサー等を用いて溶融混合しペレッ
ト状にするのが特に好ましい。また、マスターバッチ化
した後、結晶性ポリプロピレンと配合し混合組成物とし
て用いる方法も有用である。
本発明の成形物および製造方法における延伸は、溶融押
出し法にて未延伸原反を成形したのち公知の方法による
一軸または二軸延伸である。この延伸の方法は、ロール
延伸、熱板延伸、オーブン延伸等の公知の一軸延伸また
はチューブラー延伸、テンター延伸等の同時もしくは逐
次二軸延伸等の公知の方法のいずれでも良いが、その延
伸時の原反温度は、結晶生ポリプロピレンが実質的に延
伸・配向する温度、すなわち結晶生ポリプロピレンの結
晶溶融未満の温度に保つ必要があり、かつ使用する石油
樹脂、水素化樹脂などの軟化点(環球法)未満に保つこ
とが好ましい。この条件を選び、かつ延伸倍率を少なく
とも一方向に2倍以上、すなわち一軸延伸の場合はタテ
またはヨコ方向のどちらかに2倍以上好ましくは面積延
伸倍率で4倍以上延伸することが必要である。一軸延伸
の場合は4倍以上、二軸延伸の場合は面積倍率で10〜
60倍の高倍率延伸が特に好ましく、得られる成形品の
密度が0.8g/cm3以下、更に好ましくは0.8g/cm3
下の空洞含有延伸成形物が高い生産性で得ることができ
る。なお、組成物を延伸せずに成形して得られる未延伸
成形物は、密度は結晶性ポリプロピレン単独よりも高
く、若干透明性が低下傾向を示す程度であり、本発明の
目的に反して、空洞は発生せず、軽量でかつ不透明な成
形品は得られない。
本発明の成形物には必要に応じて空気、酸素、窒素等の
雰囲気下などでコロナ処理、プラズマ処理等の表面処理
を施すこともできる。
本発明の成形物は、内部微細発泡によりその密度が0.
85g/cm3以下の延伸成形物であり、不透明化している
ことが特徴である。
本発明の成形物および製造方法で用いるジシクロペンタ
ジエン系樹脂は、シクロペンタジエン系単量体(A)を
主成分として含有する成分を重合するか、または該単量
体(A)を主成分として含有する成分とビニル芳香族炭
化水素単量体(B)を主成分として含有する成分とを共
重合反応することにより得られる。その重合条件は、窒
素等の不活性ガスの雰囲気下、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、n−ヘキサン、ケロシン等の溶剤の存在下また
は不存在下、重合温度220〜320℃、重合時間0.
2〜10時間程度重合系を液相の保持し得る以上の圧力
下が好ましい。また、重合は、このような条件で一段で
行っても良いが、二段以上の多段重合で行っても良く、
また重量平均分子量を調節するために、この反応系へラ
ジカル開始剤等の添加を行っても良い。このような一連
の重合反応は、バッチ式、半バッチ式または連続式のい
ずれの方法で行うこともできる。
このように重合反応を行った後、引続いて重合系の圧力
を低下させ、未反応成分および溶剤等の不活性成分を除
去して、所望の樹脂を得ることができる。重合反応につ
いてさらに詳しく述べれば、第1段目の重合を溶剤の存
在下、数時間220〜280℃で加熱し、反応終了後、
未反応原料、溶剤を除去し、減圧下で数時間200〜2
80℃に保持し第2段目の重合を行わせるか、または各
段階を2回以上繰返す多段重合方式が望ましく、本発明
の必要とする樹脂が収率良く得られる。
こうして得られた樹脂を、さらに従来公知の方法に従っ
て水素化することにより得られる水素化樹脂も本発明の
空洞含有延伸成形物に使用できる。この水素化は、上記
重合で得られた樹脂をシクロヘキサン等による樹脂溶液
または溶融状態にして、例えばニッケル、パラジウム、
コバルト等の金属または金属酸化物等の水素化触媒を用
い、好ましくは150〜300℃の温度、10〜150
kg/cm2の水素圧の条件下で行う。
単量体の重量組成比率は(B)/(A)=0〜0.5の
範囲である。単量体の重量組成比率(B)/(A)が
0.5が越えると本発明の目的とする範囲の樹脂の収率
が著るしく低下し、本発明の目的とする効果も低下する
ので好ましくない。また、溶剤を用いる場合も重量平均
分子量の低下や、収率の低下を招かないために、上記重
合成分濃度が25重量%以下にならないように加えるの
が望ましい。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが
本発明はこれらの実施例により制約されるものではな
い。なお、特性値の評価は以下の方法で行った。
(1) ヨウ素価:JIS K0070−1966による。
試料100g中の不飽和成分に付加されるヨウ素のg数
をいう。
(2) UV吸光度:0.1gの樹脂を分光用メチルシクロ
ヘキサン100mlに溶解し、紫外線吸収スペクトルを測
定し、波長265〜276nmの範囲の吸光度の最大値
で示す。
(3) 軟化点(環球法):JIS K2207に準拠す
る。ただし、軟化点が140℃以上の場合はシリコーン
浴中で測定する。(単位;℃) (4) MFR( メルトフローレート):JIS K72
10−1976の試験条件14(230℃、2.16kg
f)による。(値;g/10min) (5) 密度:成形物1m2当りの重量を測定し、1cm2当り
に換算し、厚さcmで除した値。
(単位;g/cm) (6) 全光線透過率:JIS K6714による。
(単位;%) 実施例1 (樹脂の製造) 石油ナフサのスチームクラッキングより得られたCPD
留分(ジシクロペンタジエン75.3重量%を含み、少
量の脂肪族オレフィン、ジオレフィンおよびこれらとシ
クロペンタジエンとの共二量体を含み、残りの大部分は
飽和炭化水素である)1200gをキシレン800gを
溶媒として窒素雰囲気下260℃、3時間で第1段目の
熱重合を行った。
反応終了後、未反応原料や溶剤を常圧下200℃で系外
に留出させた後50Torrの減圧下、220℃で2時
間保持して第2段目の重合を行い、室温まで冷却し、固
形の石油樹脂710gを得た。
次いで、この石油樹脂をシクロヘキサンに溶解させて5
0重量%の溶液とし、ニッケル系触媒を樹脂重量当たり
5重量%を加え、250℃、70kg/cm2の水素圧下の
オートクレーブ内で5時間水素化反応を行った。反応
後、反応液を系外に取り出し、触媒を過で除去し、シ
クロヘキサンを留分させ、固形の水素化樹脂を得た。
この水素化樹脂の重量平均量(M)は780、軟化点
150℃、ヨウ素価11、UV吸光度は0.09であっ
た。
(組成物の製造) n−ヘプタンに不溶性の部分を96重量%含有し、MF
R2.0g/10minの結晶性ポリプロピレン粉末100
重量部に酸化防止剤BHT(2.6−ジ−tert−ブチル
−4−メチルフェノール)0.2重量部、Irganox1010
0.1重量部、ステアリン酸カルシウム0.1重量部お
よび水素化樹脂25重量部を配合し、ヘンシェルミキサ
ーで混合した。そして、口径40mmφの押出機を用いて
220℃で溶融押出しを行った後、冷却、カットしてペ
レット状の組成物を得た。このペレットのMFRは3.
0g/10minであった。
(延伸フィルムの製造とフィルム特性評価) 得られた組成物を口径40mmφの押出機およびTダイを
用いて溶融押出しを行ない、30℃に保った鏡面冷却ロ
ールで急冷して厚み1.2mmの未延伸シートを得た。次
にこのシートを正方形に裁断し、パンタグラフ型2軸延
伸機を用いて156℃の温度でタテ・ヨコ同時2方向に
おのおの5.5倍延伸し、同温度で2%弛緩しつつ15
秒間熱処理して厚み約40μの二軸延伸フィルムを得
た。
得られたフィルムはパール光沢を有し、その特性値を、
後記第1表に示す。
比較例1 2段目の重合の条件を200℃で1時間とした以外は、
実施例1に準拠して熱重合を行ない、石油樹脂800g
を得た。
得られた石油樹脂を実施例1に準拠して水素化を行ない
水素化樹脂を得た。その重量平均分子量(M)は51
4、軟化点129℃、ヨウ素価9、UV吸光度0.08
であった。
この水素化樹脂を用いて、実施例1に準拠して、ペレッ
ト状の組成物(MFR=3.6g/10minとして後、二
軸延伸フィルムを造った。得られたフィルムの特性値を
第1表に示す。
第1表の実施例1と比較例1を比較すると、実施例1の
フィルムは比較例1のフィルムに比して密度が低く、全
光線透過率が小さく、軽量で不透明な特徴あるフィルム
であることがわかる。
実施例2 (樹脂の製造) 石油ナフサのスチームクラッキングにより得られたCP
D留分(ジシクロペンタジエン75.3重量%を含み、
少量の脂肪族オレフィン、ジオレフィンおよびこれらと
シクロペンタジエンとの共二量体を含み、残りの大部分
は飽和炭化水素である)1200gとC留分(スチレ
ン、α,β−メチルスチレン、o,m,p−ビニルトル
エン、イトデン類等のビニル芳香族炭化水素単量体を合
計で24.8重量%含み、残余が不活性な芳香族炭化水
素である)800gを混合し、窒素雰囲気下260℃で
3時間共重合させ、第1段目の熱重合を行った。
上記重合反応終了後、不活性成分や未反応成分を240
℃で留出させ、さらに50Torrの減圧下に250℃で2
時間保持し、第2段目の重合を行い石油樹脂900gを
得た。
次いで、この石油樹脂をシクロヘキサン溶液に溶解させ
て50重量%の溶液とし、ニッケル系触媒を樹脂重量当
り5重量%を加え、220℃、70kg/cm2の水圧下で
オートクレーブ内で6時間反応した。反応液を系外に取
り出し、触媒を過で除き、次いでシクロヘキサンを留
出させ、固形の水素化樹脂を得た。
この水素化樹脂の重量平均分子量(M)は1185、
軟化点173℃、ヨウ素価17、UV吸光度0.35で
あった。
(組成物の製造) 実施例1に準拠してペレット状の組成物を得た。(延伸
フィルムの製造とフィルム特性評価) 実施例1に準拠して二軸延伸フィルムを得た。得られた
フィルムはパール光沢を有し、その特性値を第1表に示
す。
比較例2 2段目の重合の条件を240℃とした以外は、実施例2
に準拠して、熱重合を行ない石油樹脂1020gを得
た。
次いで、実施例2に準拠して水素化樹脂を得た。この水
素化樹脂の重量平均分子量(M)は1005、軟化点
162℃、ヨウ素価18、UV吸光度0.36であっ
た。
得られた水素化樹脂を用いて、実施例1に準拠してペレ
ット状組成物として後、二軸延伸フィルムを造った。得
られたフィルムの特性値を第1表に示す。
第1表の実施例2と比較例2を比較すると、実施例2の
フィルムは比較例2のフィルムに較べてその密度、全光
線透過率に顕著な差がみられ、軽量で、不透明なフィル
ム得られていることがわかる。
実施例3 (樹脂の製造) CPD留分1400g、C留分600gとする以外は
実施例1と同様にして、第1段目の熱重合を行った。
上記重合終了後、不活性成分や未反応成分を240℃で
留出させ、さらに50Torrで250℃で3時間保持し、
第2段目の重合を行い石油樹脂1050gを得た。
次いで、該石油樹脂をシクロヘキサンに溶解させて50
重量%の溶液とし、ニッケル系触媒を樹脂重量当たり5
重量%を加え、220℃、70kg/cm2の水素圧下でオ
ートクレーブ内で4時間反応した。反応液を系外に取り
出し、触媒を過して除き、次いでシクロヘキサンを留
出させ、固形の水素化樹脂を得た。
この水素化樹脂の重量平均分子量は(M)は105
6、軟化点164℃、ヨウ素価22、UV吸光度0.4
0であった。
(組成物の製造) 実施例1に準拠して、ペレット状の組成物を得た。(延
伸フィルムの製造とフィルム特性評価) 実施例1に準拠して二軸延伸フィルムを得た。得られた
フィルムはパール光沢を有し、その特性値を第1表に示
す。
比較例3 CPD留分1000g、C留分1000g、第2段目
の重合条件を250℃で2時間、水素化時間6時間とす
る以外は実施例3に準拠して水素化樹脂を得た。
この水素化樹脂の重量平均分子量は、1106、軟化点
162℃、ヨウ素価20、UV吸光度0.38であっ
た。
得られた水素化樹脂を用いて、実施例1に準拠してペレ
ット状組成物として後、二軸延伸フィルムを造った。得
られたフィルムの特性値を第1表に示す。
第1表において、実施例3と比較例3を比較すると、実
施例3のフィルムは、軽量で、かつ、不透明で比較例3
のフィルムとは顕著に異なるものであることがわかる。
実施例4 (樹脂の製造) CPD留分1000g、C留分1000g、を混合す
る以外は、実施例2に準拠して熱重合を行った。
上記重合終了後、不活性成分や未反応成分を、240℃
で留出させ、さらに50Torrの減圧下で260℃で2時
間保持し、第2段目の重合を行い石油樹脂740gを得
た。
次いで、この石油樹脂をシクロヘキサン溶液に溶解させ
て50重量%の溶液と成し、ニッケル系触媒を樹脂重量
当たり5重量%を加え、240℃、70kg/cm2の水素
圧下でオートクレーブ内で6時間反応した。反応液を系
外に取り出し、触媒を過して除き、次いでシクロヘキ
サンを留出させ、固形の水素化樹脂を得た。
この水素化樹脂の重量平均分子量は(M)は145
9、軟化点173℃、ヨウ素価15、UV吸光度0.3
3であった。
(組成物の製造) 実施例1に準拠して、ペレット状の組成物を得た。(延
伸フィルムの製造とフィルム特性評価) 得られた組成物を実施例1に準拠して二軸延伸フィルム
を得た。得られたフィルムはパール光沢を有し、その特
性値を第1表に示す。
第1表において、実施例4と比較例3を比較すると、実
施例4のフィルムは、比較例3のフィルムとはその特性
が顕著に異なり、軽量かつ不透明なものである。
実施例5 (樹脂の製造) CPD留分1000g、C留分1000gとを混合
し、第1段目の重合温度を270℃とする以外は実施例
2に準拠して熱重合を行った。
上記重合終了後、不活性成分や未反応成分を、240℃
で留出させ、さらに50Torrの減圧下で250℃で3時
間保持し、第2段目の重合を行い石油樹脂850gを得
た。
得られた石油樹脂の重量平均分子量(M)は、164
0、軟化点167℃、ヨウ素価181であった。
(組成物の製造) 水素化樹脂を上記石油樹脂に替えた以外は、実施例1に
準拠してペレット状の組成物を得た。(延伸フィルムの
製造とフィルム特性評価) 得られた組成物を実施例1に準拠して、二軸延伸フィル
ムを得た。得られたフィルムはパール光沢を有し、その
特性値を第1表に示す。
第1表の実施例5と比較例3を比較すると、実施例5の
フィルムは、軽量で不透明であり比較例3のフィルムと
は顕著に異なるものである。
〔発明の効果〕 本発明の空洞含有延伸成形物は、軽量であり、かつ、不
透明で独特のパール光沢を有し、遮光性にすぐれてい
る。したがって、フィルムおよびシートとして一般包装
材料、装飾材料、合成紙等に用いられ、またテープ、リ
ボン、モノフィラメント等として梱包、織糸等に、中空
成形品は容器として広く実用できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 京一郎 千葉県市原市五井6992番地 (72)発明者 蓑宮 克巳 千葉県市原市君塚848番地2

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シクロペンタジエン系単量体(A)または
    該単量体(A)とビニル芳香族炭化水素系単量体(B)
    とを主成分として含有し、その重量組成率(B)/
    (A)が0〜0.5である成分を重合させて得られた重
    量平均分子量(Mw)が式 Mw≧680+2200X (ただし、Mwはゲル・パーミエーション・クロマトグ
    ラフィーにて測定し標準物質をポリスチレンとして算出
    した値、Xは組成比率[(B)/〔(A)+(B)〕]
    を表す)の値を有する樹脂3〜150重量部と結晶性ポ
    リプロピレン100重量部とを配合してなる組成物を少
    くとも一方向に延伸してなり、その密度が0.85g/
    cm3以下である空洞含有延伸成形物。
  2. 【請求項2】成分が石油ナフサクラッキング留分であ
    り、またMw≧680+2200Xの値を有する樹脂が該留分
    を重合させて得られた石油樹脂、または/および該留分
    を重合させて得られた石油樹脂を水素化した水素化樹脂
    である請求項(1)記載の空洞含有延伸成形物。
  3. 【請求項3】Mw≧680+2200Xの値を有する水
    素化樹脂がUV吸光度0.8以下、ヨウ素価30以下の
    値を有する請求項(1)もしくは請求項(2)記載の空
    洞含有延伸成形物。
  4. 【請求項4】シクロペンタジエン系単量体(A)または
    該単量体(A)とビニル芳香族炭化水素系単量体(B)
    とを主成分として含有し、その重量組成率(B)/
    (A)が0〜0.5である成分を重合させて得られた重
    量平均分子量(Mw)が式 Mw≧680+2200X (ただし、Mwはゲル・パーミエーション・クロマトグ
    ラフィーにて測定し標準物質をポリスチレンとして算出
    した値、Xは組成比率[(B)/〔(A)+(B)〕]
    を表す)の値を有する樹脂3〜150重量部と結晶性ポ
    リプロピレン100重量部とを配合してなる組成物を溶
    融押出しで未延伸成形した後、該結晶性ポリプロピレン
    の結晶融点未満の温度で少なくとも一方向に2倍以上延
    伸させることを特徴とする空洞含有延伸成形物の製造方
    法。
  5. 【請求項5】成分が石油ナフサクラッキング留分であ
    り、またMw≧680+2200Xの値を有する樹脂が該留分
    を重合させて得られた石油樹脂、または/および該留分
    を重合させて得られた石油樹脂を水素化した水素化樹脂
    である請求項(4)記載の製造方法。
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