JPH0649747U - 気化器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】アイドリングを含む低速回転領域におけるエン
ジンの安定性を改善する。 【構成】フロート室７から少なくともスローポート３に
至るスロー系燃料通路６を有してなる気化器において、
前記スロー系燃料通路と、そのブリード空気通路６１よ
り下流位置において一方の端部９２ａが連通し、かつ前
記スローポート近傍の上流位置で他方の端部９２ｂが連
通する分岐通路９を備えている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主として自動車のエンジンに装着される気化器に関し、とくにその スロー系燃料通路の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来この種の気化器では、例えば実開昭６４−４８４４号公報に記載のものの ように、スロー系燃料通路は、吸気通路と略平行に、フロート室からスローポー ト及びアイドルポートに至る１本を備えているものが知られている。このような 気化器では、スロー系の燃料微粒化の為に、スロージェットやスローエアブリー ドの形状等を変更することによって、その性能の向上を計っている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記したような構成の気化器では、スロージェットを燃料が通過し、スロー系 燃料通路のブリード空気通路下流で空気と混合された状態の気体となり、通路内 を移動していく過程において、微粒化した燃料は徐々にその粒径が拡大する傾向 にある。また、スローポート近傍のスロー系燃料通路下流位置では、通路壁面に 燃料が付着する場合がある。ところで、このような微粒化した燃料の粒径の拡大 、あるいは壁面への付着が発生すると、燃料を含む混合気がスローポートに到着 する時点では、当初の燃料を微粒化した効果が減少してしまい、エンジンへの燃 料供給量がばらつくことがあり、アイドリングを含めた低速回転領域でのエンジ ンの安定性を確保し難い場合があった。

【０００４】 本考案は、このような不具合を解消することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたもので ある。すなわち、本考案に係る気化器は、フロート室から少なくともスローポー トに至るスロー系燃料通路を有してなる気化器において、前記スロー系燃料通路 と、そのブリード空気通路より下流位置において一方の端部が連通し、かつ前記 スローポート近傍の上流位置で他方の端部が連通する分岐通路を備えたことを特 徴とする。

【０００６】

【作用】

このような構成のものであれば、スロー系燃料通路のブリード空気通路より下 流位置において一方の端部がスロー系燃料通路と連通している分岐路が、スロー ポート近傍の上流位置で再度スロー系燃料通路にその他方の端部により連通する ので、スロー系燃料通路を通ってスローポート近傍に到達した燃料は、分岐路の 他方の端部から吐出する混合気により攪拌されることになる。これによって、粒 径が拡大しかけていた燃料は、攪拌により再度微粒化され、霧化状態が良好にな り、低速回転領域での安定性が向上する。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を、図面を参照して説明する。

【０００８】 図１に示す気化器１００は、自動車などのエンジンに装着されるもので、バレ ル１の吸気通路２にスローポート３とアイドルポート４とが開口しており、スロ ーポート３の近傍には図示しないアクセルペダルに連動して開閉するスロットル バルブ２１を備えている。スローポート３は、スローカットソレノイドバルブ５ により開閉されるもので、スロー系燃料通路６を介してフロート室７に連通して いる。また、アイドルポート４は、アイドルアジャストスクリュウ８により開口 面積を調整できるように構成されている。なお、メイン系の燃料通路、メインノ ズル、及び吸気通路２におけるベンチュリ等、図示及び説明を行わない各部分に ついては、それぞれ当該分野で広く知られている構成を用いることができる。

【０００９】 スロー系燃料通路６は、フロート室７に連通しており、そのブリード空気流路 ６１の下流位置において、分岐路９に連通している。この分岐路９は、スローポ ート３近傍の上流位置において、再度スロー系燃料通路６に連通するものである 。言い替えれば、スロー系における燃料通路は、実質的に、スロー系燃料通路６ と分岐路９との２本により構成されるものである。分岐路９の内径は、スロー系 燃料通路６のそれよりも小さいものであってよい。なお、上流とは、燃料が流れ てくるフロート室７側を指し、下流とは混合気が吐出するスローポート３側を指 すものとする。分岐路９の本体部分９１は、スロー系燃料通路６に対して略平行 に設ければよく、その本体部分９１とスロー系燃料通路６とは、スロー系燃料通 路６に直交する接続部（一方の端部）９２ａで連通される。しかして、分岐路９ のスローポート３の近傍の接続部（他方の端部）９２ｂ及びスロー系燃料通路６ の前記接続部９２近傍の上流位置には、それぞれの燃料系路における流量を管理 するために分岐ジェット９３及びスロージェット６１が配設してある。

【００１０】 以上の構成において、アイドリングを含む低速回転時では、スロットルバルブ ２１がほぼ閉じられた状態であるので、フロート室７の燃料はスロー系燃料通路 ６及び分岐路９を通り、スローポート３あるいはアイドリングポート４から吸気 通路２に吐出される。この時、スロー系燃料通路６には、従来同様、燃料と空気 とが流入し、その一部が分岐して分岐路９に流入する。スロー系燃料通路６内に おける混合気は、その上流部分で燃料が微粒化されるものの、スロージェット６ １近傍では壁面に付着したり粒径が大きくなるものがある。ところが、スロージ ェット６１を通過する際にその流速が上昇し、再度霧化するところとなる。これ に加えて、分岐路９においても、分岐路９に流入した混合気は、その分岐ジェッ ト９３を通過する際に再霧化が進行し、スロー系燃料通路６に合流する混合気の 燃料は微粒化されている。さらに、スロー系燃料通路６のスロージェット６１か ら流出してきた混合気に、その流れの側面から、つまりその流れの横断方向に分 岐路９の分岐ジェット９３から流出してきた混合気が合流することになるので、 スロー系燃料通路６から流出した混合気は攪拌されて一段と霧化が促進される。 したがって、低速回転時において、粒径が巨大化した燃料の含まれる混合気が スローポート３から吸気通路２に出ていくことがなくなり、十分に微粒化した燃 料からなる混合気を安定して吸気通路２に供給することができ、ドライバビリテ ィが向上するものである。

【００１１】 なお、本考案は以上説明した実施例に限定されるものではなくい。例えば、上 記実施例では下向通風式のものを説明したが、横向通風式のものであってもよい 。また、上記実施例のようなシングルバレルの他に、２バレルのものであっても よく、作動の形式についても１段階、２段階の別を問わない。

【００１２】 その他、各部の構成は図示例に限定されるものではなく、本考案の趣旨を逸脱 しない範囲で種々変形が可能である。

【００１３】

【考案の効果】

本考案は、以上に詳述したように、一般に言うスロー系燃料通路が、分岐路を 備える実質的に２系統の通路構成になっており、かつその分岐路が、その一方の 端部はブリード空気通路より下流位置でスロー系燃料通路に、及びその他方の端 部はスローポート近傍の上流位置でスロー系燃料通路にそれぞれ連通しているの で、従来選定されているスロー系の負圧特性を変化させることなく霧化を向上さ せることができ、アイドリング及び低速回転領域におけるエンジン安定性を向上 させることができる。しかも、それによって、空燃比をリーン側に設定できるた め、リーンバーン運転における燃費を向上させることができ、ドライバビリティ をも改善することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す気化器要部の縦断面
図。

【符号の説明】

１…バレル ２…吸気通路 ３…スローポート ４…アイドルポート ６…スロー系燃料通路 ７…フロート室 ９…分岐路 ９２ａ…接続部（一方の端部） ９２ｂ…接続部（他方の端部）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】フロート室から少なくともスローポートに
   至るスロー系燃料通路を有してなる気化器において、 前記スロー系燃料通路と、そのブリード空気通路より下
   流位置において一方の端部が連通し、かつ前記スローポ
   ート近傍の上流位置で他方の端部が連通する分岐通路を
   備えたことを特徴とする気化器。