JPS6132119Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はエア・ブリード方式によるスロー系
燃料通路の流れを安定化した内燃機関（以下エン
ジンともいう）用気化器に関するものである。

従来、エンジンの低速運転時、気化器１のスロ
ー系燃料通路において、燃料は第１図に示すよう
にスロー燃料第１縦通路１１下部のスロー・ジエ
ツト部１２ａで計量されて、スロー・ジエツト１
２を上昇し、第１スロー・エア・ブリード口１３
のジエツト１３ａで計量されて導入されたブリー
ド・エアと合流し、スロー燃料水平通路１４内で
混合される。そして、エコノマイザ・ジエツト１
４ａを経てスロー系燃料カツト電磁弁１５に入
り、さらに第２スロー・エア・ブリード口１７の
ジエツト１７ａから導入されたブリード・エアと
混合されて、スロー燃料第２縦通路１６に入り、
スロー・ポート１９および／またはアイドル・ポ
ート２０からエンジンの吸気多枝管内へ供給され
ていた。

上記の流れの途中、スロー燃料水平通路１４内
では、燃料はブリード・エアにより混合される
が、このときの燃料の流動様式は複雑な気液二相
流（プラグ流やスラグ流等）となり、非常に不安
定な状態を呈し、スロー・ジエツト１２ａの計量
に影響を及ぼし、スロー系燃料流量の時間的変動
を起こしていた。この変動を伴つた燃料が吸気多
枝管へ供給されエンジンの回転変動を起こし、ド
ライバビリテイの悪化を招いていた。

この考案は上記の問題点を解消し、スロー系燃
料流量の時間的変動を安定化させ、低速運転時の
エンジンの回転変動をなくし、ドライバビリテイ
の向上とともに燃料消費率を改善した気化器の提
供を目的としている。

この考案を実施例の図面にもとづいて説明す
る。第２図の気化器１０１において、第１図と同
じ番号は気化器１と同等の部品を示す。すなわ
ち、２は吸気通路、３はスモール・ベンチユリ
部、４はラージ・ベンチユリ部、５はスロツト
ル・バルブである。６はフロート・チヤンバ、７
はメイン・ジエツト、８はメイン燃料通路、９は
エア・ブリード入口、１０はメイン・ノズルであ
る。そして、１８はスロー・ポート・プラグ、１
９はスロー・ポート、２０はアイドル・ポートで
ある。以下はこの考案の構成部品で、２１はスロ
ー燃料第１縦通路、２４はスロー燃料水平通路、
２５はスロー系燃料カツト電磁弁でスロー燃料水
平通路２４の後端に結合されている。水平通路２
４と電磁弁２５はフロート・チヤンバ６の油面よ
り高い位置にある。２６はスロー燃料第２縦通路
で、前記電磁弁２５の中央下部から出て、気化器
下流部のスロー・ポート・プラグ１８に至り、そ
こから吸気通路２のスロツトル部に開口したスロ
ー・ポート１９と、同じくスロツトル部下部に開
口したアイドル・ポート２０に連通している。ま
た、前記電磁弁２５の中央上部にはスロー・エ
ア・ブリード通路２７が接合されている。スロ
ー・エア・ブリード通路２７は、２本の分岐通路
に分かれ、その１つは通路２７の延長として吸気
通路２上流部に開口し、入口に第１スロー・エ
ア・ブリード・ジエツト２７ａを備えている。前
記電磁弁２５は、前記水平通路２４と結合する先
端部にスロー・ジエツト２５ａを備え、内部燃機
通路を遮断するニードル２５ｂと、このニードル
２５ｂを進退させるソレメイド２５ｃとスプリン
グ２５ｄとからなるスロー燃料第２縦通路２６お
よびスロー・エア・ブリード通路２７が接合され
ている外筒中央部には、複数の小孔からなる燃料
出口２５ｅが設けられている。

上記のように構成された気化器１０１におい
て、エンジンの低速運転中は、フロート・チヤン
バ６から吸気通路２のスロツトル部の負圧によつ
て吸い出された燃料は、ソリツド流の状態でメイ
ン・ジエツト７を経てスロー燃料第１縦通路２１
を上昇し、スロー燃料水平通路２４を通つてスロ
ー系燃料カツト電磁弁２５に入る。その際燃料は
前記電磁弁２５の先端部のスロー・ジエツト２５
ａで計量される。前記電磁弁２５の中央上部から
は、吸気通路２の上流の第１スロー・エア・ブリ
ード・ジエツト２７ａから入つた大気がスロー・
エア・ブリード通路２７を経て電磁弁２５の中央
部に導入される。計量された燃料は、外筒中央部
の燃料出口２５ｅから微粒状となつて噴出され、
ブリード・エアの流れと混合される。電磁弁２５
の中央部で混合されたブリード・エアと燃料とは
安定した状態で混合され、時間的変動を伴わない
一定流量でスロー燃料第２縦通路２６を経てスロ
ー・ポート１９および／またはアイドル・ポート
２０から吸気多枝管へ供給され、変動の少ないエ
ンジン回転を保証する。

なお、第２図の実施例では、スロー・エア・ブ
リード通路２７から分岐した第２スロー・エア・
ブリード通路２８がその一端をラージ・ベンチエ
リ部４の下部に開口して設けられ、開口には第２
スロー・エア・ブリード・ジエツト２８ａを備え
てバツク・ブリード現象を防止する役目を果し、
この考案の確実な作用効果を補助している。

なおまた、この考案の作用とは別であるが、前
記電磁弁２５はニードル２５ｂとソレノイド２５
ｃとスプリング２５ｄとによつて、エンジン停止
時には迅速に燃料を遮断し、ブリード・エアだけ
をエンジンに送り込み、デイーゼリングを防止す
る機能を有している。

この考案は以上説明したように、フロート・チ
ヤンバ油面より高い位置にあるスロー燃料水平通
路と結合するスロー系燃料カツト電磁弁の先端部
にスロー・ジエツトを設け、この電磁弁の中央上
部にスロー・エア・ブリード通路を接合したこと
によつて、スロー系燃料供給時において、スロー
燃料水平通路最後部のスロー・ジエツトまでは燃
料はソリツド流の状態を呈し、スロー・ジエツト
直後の下流部では、計量された燃料は電磁弁外筒
に設けた複数の小孔からなる燃料出口より微粒状
となつて噴出され、ブリード・エアの流れと安定
して混合されるため、従来のようなスロー燃料水
平通路におけるブリード・エアと燃料との混合に
よる燃料流量の時間的変動を起こす気液二相流の
発生が防止できるので、気化器からのスロー系燃
料流量の時間的変動が少なくなり、そのためエン
ジンの回転変動が少なくなり、ドライバリバテイ
が向上する効果がある。しかもスロー・ジエツト
後流に溜る燃料をなくすことができたので、始動
操作時の排気性能が向上する効果がある。

また、エンジンの回転変動が少なくなると、ア
イドリング時の回転数を低く設定することが可能
となり、燃料消費率の改善が図れる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のエア・ブリード方式によるスロ
ー系燃料通路を有する気化器の縦断面図、第２図
はこの考案による実施例の縦断面図である。 １９……スロー・ポート、２０……アイドル・
ポート、２１……スロー燃料第１縦通路、２４…
…スロー燃料水平通路、２５……スロー系燃料カ
ツト電磁弁、２５ａ……スロー・ジエツト、２６
……スロー燃料第２縦通路、２７……スロー・エ
ア・ブリード通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロート・チヤンバからスロー・ポートおよび
   アイドル・ポートへ至るスロー燃料通路とこの燃
   料通路の途中に接合するスロー・エア、ブリード
   通路とを有する内燃機関用気化器であつて、前記
   スロー燃料通路はフロート・チヤンバ下部出口か
   ら垂直に上昇したスロー燃料第１縦通路と、フロ
   ート・チヤンバ油面より高い位置にあつて前記第
   １縦通路に一端を結合したスロー燃料水平通路
   と、この水平通路の他端に取り付けたスロー系燃
   料カツト電磁弁と、この電磁弁中央下部から出て
   スロー・ポートおよびアイドル・ポートに至るス
   ロー燃料第２縦通路とからなり、前記スロー・エ
   ア・ブリード通路は前記スロー系燃料カツト電磁
   弁中央上部から出て吸気通路入口付近のスロー・
   エア・ブリード入口に連通し、前記スロー系燃料
   カツト電磁弁はスロー燃料水平通路と結合する先
   端部に設けたスロー・ジエツトと電磁弁外筒に設
   けた複数の小孔からなる燃料出口とを有すること
   を特徴とする気化器。