JPH0232825Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ この考案は内燃機関の吸気装置の改良に係り、
特に燃焼室内に導入された吸気に渦流を生じさせ
る吸気誘導通路の内部に燃料が滞留するのを防止
し得る内燃機関の吸気装置に関する。

［考案の従来的背景］ 内燃機関においては、燃焼効率の向上のほかに
排気ガスの清浄化および燃費の向上等が要求され
る。このような排気ガスの清浄化や燃費の向上を
図るために、吸気誘導通路を有する発明、例えば
特開昭56−18023号公報に記載の発明が提案され
た。この発明は、吸気弁近傍の吸気通路に開口し
た噴口たるノズルから吸気の一部を燃焼室内に向
けて噴出させ、この噴出によつて燃焼室内に吸気
の高速渦流を生じさせ、燃費等の改善を図るもの
である。

［背景技術の問題点］ ところが、このような吸気装置にあつては、気
化器絞り弁の上流側の吸気通路に開口して設けた
導入口から吸気弁近傍の吸気通路に開口して設け
た噴出たるノズルまで吸気を誘導する副通路たる
吸気誘導通路の径が大変小さいため、壁流化を生
じる等吸気中の燃料が液状になつて吸気誘導通路
内にたまりやすかつた。特に横置型の気化器で
は、通路が水平に配設されることから、液状にな
つた燃料の滞留が生じやすい問題があつた。この
ため、この滞留した燃料が燃焼室に吸引される
と、一時的に濃い混合気となり、燃焼を不安定に
させるので、アイドリングが不安定になるほか、
排気ガス値や燃費の悪化を招き、失火することが
あつた。

［考案の目的］ この考案は、このような問題を解消するためな
されたものであり、燃焼室内の吸気に渦流を生起
すべく吸気の一部を燃焼室に導入する吸気誘導通
路の内部に燃料が滞留するのを防止することによ
り、アイドリングの安定化や燃費の向上等機関性
能の改善を図ることを目的とする。

［考案の構成］ この目的を達成するためにこの考案は、気化器
絞り弁上流側の吸気通路に開口して設けた導入口
を始端開口とし燃焼室に指向させて吸気弁上流側
の吸気通路に開口して設けたノズルを終端開口と
する吸気誘導通路内の前記導入口側に絞り部を設
けたことを特徴とする。

［考案の実施例］ 次にこの考案の実施例を図に基づいて説明す
る。図はこの考案による吸気装置を示す内燃機関
の部分断面図である。内燃機関のピストン２を内
蔵したシリンダブロツク４上部には、シリンダヘ
ツド６が取付けられて燃焼室８を画定している。
シリンダヘツド６の燃焼室８内上部には、吸気孔
１０と排気孔１２とが形成されており、それぞれ
吸気弁１４と排気弁１６とにより開閉される。前
記吸気弁１０は吸気通路１８の燃焼室８側の一端
に、排気孔１２は排気通路２０の燃焼室８側の一
端にそれぞれ開口している。前記吸気通路１８
は、シリンダヘツド６内に形成されており、吸気
孔１０と反対側の端部はスペーサ２２を介して気
化器２４に連通している。気化器２４の図示しな
いベンチユリ部で霧化された燃料が混入している
吸気は、燃焼室８の吸気負圧で吸引され、絞り弁
２６によつて流量を調整されて吸気通路１８を経
て燃焼室８に流入する。

前記気化器２４の絞り弁２６上流側の吸気通路
１８に位置させて、導入孔２８を開口して設けて
いる。この導入口２８に始端開口して連通する吸
気誘導通路３０を設け、該通路３０を吸気孔１０
を開閉する吸気弁１４の上流側箇所の吸気通路１
８に燃焼室８に指向させて開口して設けたノズル
３２に終端開口して連通させる。ノズル３２は、
燃焼室８の軸芯から一側に偏らせて設けてある。
これにより、吸気行程においては、絞り弁２６の
上流側の負圧よりも下流側の負圧が強いので、燃
焼室８の吸気負圧との差が大である吸気誘導通路
３０側の吸気は高速で燃焼室８に流入し、渦流を
生じさせる。

この吸気誘導通路３０の導入口２８側には、該
通路３０の径を小とするベンチユリ形状の絞り部
３４を設けてある。この実施例において、絞り部
３４は、スペーサ２２の吸気誘導通路３０内に形
成してある。この絞り部３４によつて、導入口２
８から吸気誘導通路３０に流入した吸気は流速を
高められ、活性流動化される。

これにより、吸気誘導通路３０内に流入した吸
気に混入された燃料はより微粒化され、たとえ壁
流化により燃料が液状になつても、絞り部３４の
ベンチユリ効果によつて霧化されるので、吸気誘
導通路３０内に燃料が滞留することはなく、混合
気性情が改善される。このため、燃焼が安定する
ので、アイドリングが位定し、排気ガス値や燃費
の向上を図ることができるなど、機関性能を向上
させることができる。

なお、絞り部３４は、スペーサ２２に形成する
だけでなく、外部から絞り形状体を吸気誘導通路
３０内に挿着し、または該通路３０に直接形成す
ることもできる。また、絞り部３４の位置も、図
示例に限られるものではなく、これに限定される
ものではない。そして、この絞り部３４は、特に
燃料の滞留が生じ易い箇所に配設することによ
り、より一層の良効を得る。

［考案の効果］ このようにこの考案によれば、燃焼室内の吸気
に渦流を生起すべく吸気の一部を燃焼室に導入す
る吸気誘導通路内の導入口側に設けた絞り部によ
り吸気の流速を高めて燃料の微粒子化、霧化を促
進しているので、燃料が液状になつて通路に滞留
することを防止でき、混合気性状を改善すること
ができる。このため、常に適正な混合気によつて
燃焼室に渦流を生じさせることができ、アイドリ
ングの安定化や排気ガス値、燃費の向上など機関
性能の改善を図ることができる。しかも、吸気誘
導通路内に絞り部を設けるだけの簡単な構成で前
記効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案による吸気装置の実施例を示す内
燃機関の部分断面図である。 図において、８は燃焼室、１０は吸気孔、１４
は吸気弁、１８は吸気通路、２２はスペーサ、２
４は気化器、２６は絞り弁、２８は導入口、３０
は吸気誘導通路、３２はノズル、３４は絞り部で
ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 気化器絞り弁上流側の吸気通路に開口して設け
   た導入口を始端開口とし燃焼室に指向させて吸気
   弁上流側の吸気通路に開口して設けたノズルを終
   端開口とする吸気誘導通路内の前記導入口側に絞
   り部を設けたことを特徴とする内燃機関の吸気装
   置。