JPH0649695A - 不溶性電極及びその製造方法 - Google Patents

不溶性電極及びその製造方法

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JPH0649695A
JPH0649695A JP4227798A JP22779892A JPH0649695A JP H0649695 A JPH0649695 A JP H0649695A JP 4227798 A JP4227798 A JP 4227798A JP 22779892 A JP22779892 A JP 22779892A JP H0649695 A JPH0649695 A JP H0649695A
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JP4227798A
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Yasushi Kurisu
泰 栗栖
Masahiko Amano
正彦 天野
Akihiro Kasuya
晃弘 糟谷
Hiroyuki Kitaike
宏至 北池
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、150A/dm2 以上の高電流密
度で電解を行っても耐食性に優れ、長時間の使用に耐え
る不溶性電極及びその製造方法を提供するものである。 【構成】 電極母材がバルブ金属あるいは基材金属上に
バルブ金属を形成した層であり、電極母材上に第1層と
してバルブ金属及びIrからなる拡散合金層、第2層と
して相対密度90%以上の金属Ir層、第3層として金
属Irと IrO2の拡散層、第4層として相対密度90
%以上の緻密質IrO2 層、最表層として塗布焼き付け
手段により成膜した主にIrO2 からなる導電層を有す
る電極及びその製造方法。 【効果】 電極母材の腐食、絶縁性被膜の形成を防止で
き、高電流密度下での耐用性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は不溶性電極及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に金属材の電気メッキに際し、電気
メッキ浴中にて不溶性電極を使用し、陰極たる被メッキ
金属材の表面にZn,Sn,Ni,Crなどの金属を電
気メッキすることが行われている。また金属の電気精錬
に際し、精錬浴中にて不溶性電極を使用し、Mn、Zn
等の金属を電気精錬することが行われている。この時の
不溶性電極として、最も一般的に使用されているものと
して、Pb系合金があげられる。この電極は、電気メッ
キ浴、電気精錬浴、特に硫酸溶液中では、通電処理時そ
の表面にPbO2 が生成する。そのPbO2 は、不溶性
電極の機能を発揮しているが、生成したPbO2 とPb
との付着力が弱く電解溶液中に混入しメッキ不良、ある
いは不純物混入精錬金属を生じてしまう。
【0003】そこで対策として、電気メッキ浴、電気精
錬浴、特に硫酸溶液中で最も電気化学的に安定である白
金族酸化物であるIrO2 を、母材であるバルブ金属
(Ti,Ta,Zr等の金属で、通電により表面に絶縁
性の酸化物層を形成し通電をストップしてしまう金属)
層上に被膜化した電極が特公昭48−3954号公報に
示されている。
【0004】さらにバルブ金属層の酸化を抑制する、あ
るいは密着性を向上させるために中間層にTa25等を
添加した被膜を形成し、この上にIrO2 層を形成した
不溶性電極を使用する方法が特公昭46−21884号
公報、特開昭63−235493号公報に示されてい
る。図3にその電極構造を示す。1はSUS製電極母
材、2はバルブ金属層、3はIrO2−Ta25層、4
はIrO2層である。この層3,4の施工方法は酸化物
となる溶液をバルブ金属層2上に塗布し、それを酸化物
となる温度で焼成することを繰り返すことにより作製す
る、いわゆる塗布焼き付け法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特公昭46−2188
4号公報、特開昭63−235493号公報に提示され
ている塗布焼き付け法によるIrO2 を主体とした層を
有する不溶性電極は、低電流密度(〜50A/dm2
では長時間使用可能であるが、高電流密度下、特に硫酸
溶液中100A/dm2 で通電腐食試験を行うと、30
00〜4000時間で急激な電圧上昇が起こり電極が使
用不可能となる。
【0006】この電極の腐食メカニズムを図4により説
明する。IrO2 を含有する層3,4は溶液の熱処理に
より作製されるため、溶液成分の揮発による気孔、また
バルブ金属層とIrO2 層との熱膨張差によって亀甲状
クラック5が被膜中に発生している。このため被膜の空
隙率も10〜30%と大きく、この気孔とクラックから
バルブ金属層2との直接通電が起こり、バルブ金属層表
面に絶縁性酸化物被膜6が形成され、更にバルブ金属層
と被膜界面を伝わりバルブ金属層の酸化が進み、電圧上
昇を引き起こし電極としての機能を失ってしまう。
【0007】この対策としては、気孔、クラックのない
均質被膜を作製することが必要である。従来均質でクラ
ック、気孔がほとんどない被膜を得る方法としてイオン
プレーティング法、反応性スパッタ法等がある。しか
し、このイオンプレーティング法、反応性スパッタ法等
により作製したIrO2 被膜(以下IrO2 イオンプレ
ーティング被膜、IrO2 反応性スパッタ被膜とする)
は100A/dm2 の電流密度での通電により短時間で
通電がストップしてしまうという欠点がある。
【0008】この理由は、IrO2 イオンプレーティン
グ被膜、IrO2 反応性スパッタ被膜が厚膜化により剥
離し易く、作製最適膜厚が0.01〜0.1μmで非常
に薄く溶損スピードが早いためである。本発明は、10
0A/dm2 以上の高電流密度で電解を行っても耐食性
に優れ、長時間の使用に耐える不溶性電極及びその製造
方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、電極母
材がバルブ金属あるいは基材金属上にバルブ金属を形成
した層、電極最表層が塗布焼き付け手段により成膜した
主にIrO2 からなる導電層である電極において、中間
層として電極母材上に第1層の相対密度90%以上の金
属Ir層、第2層の相対密度90%以上の緻密質IrO
2 層を設けたことを特徴とする不溶性電極である。
【0010】この様な構成とした理由は、図1に示す通
りイオンプレーティング法、反応性スパッタ法等により
成膜する緻密質IrO2 被膜7は単層で使用した場合、
緻密だが薄膜のため高電流密度(100A/dm2
上)通電での耐用性が短いのに対し、塗布焼き付け法に
より成膜した被膜4は相対密度が90から50%と小さ
いが、厚膜化が可能であり、電極母材の腐食、絶縁性酸
化物被膜の形成が防止されている場合(すなわち下層に
イオンプレーティング法、反応性スパッタ法により成膜
するIrO2 被膜を入れた場合)には、高電流密度(1
00A/dm2 )通電での耐用性が長くなるためであ
る。
【0011】また、緻密質IrO2 層7は母材との熱膨
張係数差により剥離しやすく、これを防止するため、そ
の下層に熱膨張係数がTiとIrO2 の中間の値を持つ
緻密質金属Ir被膜8を施工することで電極母材の腐
食、絶縁性酸化物被膜の形成による電極寿命の短命化を
防止するためである。
【0012】本発明で用いる電極母材とは、バルブ金属
2そのもの、もしくはSUS等の金属基材1上にバルブ
金属層を設けたものが望ましい。この理由として、耐食
性が優れ、高い破壊電圧を持つからである。
【0013】本発明電極第1層8のIrの被膜特性とし
ては、相対密度が90%以上であることを特徴とする。
但し、膜厚は0.01μm以上5μm以下であることが
望ましい。これは、膜厚0.01μm未満または相対密
度90%未満では、第2層の緻密質IrO2 被膜7と母
材Ti板との間に生じる熱膨張係数差による応力を緩和
する効果が得られず第2層の緻密質IrO2 被膜7が剥
離しやすくなるため、また5μmよりも厚膜であると金
属Ir層8自身が剥離しやすくなるためである。尚、こ
の被膜は反応性スパッタ法、イオンプレーティング法等
のいわゆるPVD法により成膜できる。
【0014】本発明電極第2層7のIrO2 の被膜特性
としては、相対密度が90%以上であることを特徴とす
る。但し、膜厚は0.01μm以上5μm以下であるこ
とが望ましい。相対密度が90%以上必要なのは、緻密
で相対密度90%以上の場合、気孔やクラックがほとん
どなくメッキ液が電極母材に到達しにくいため、電極母
材の腐食防止、絶縁性酸化物被膜の形成防止の効果があ
り、電極の寿命が延長されるのに対し、90%未満であ
ると気孔、クラックを起点とした電極母材の腐食により
電極寿命延長の効果が得られないためである。
【0015】また、膜厚は0.01μm以上5μm以下
であることが望ましい。これは膜厚が0.01μm未満
であると、最表層に塗布焼き付け法による多孔質被膜4
を形成した場合にも、第2層7の被膜厚みが薄すぎて緻
密質被膜による母材腐食防止効果が発揮されないためで
ある。更に、膜厚が5μmよりも厚いと第1層8に金属
Ir層をインサートしても応力緩和効果がなく被膜が剥
離しやすいためである。尚、この被膜は反応性蒸着法、
反応性スパッタ法、イオンプレーティング法等のいわゆ
るPVD法により成膜できる。最後に、電極最表層には
塗布焼き付け法により成膜した相対密度90から50%
の多孔質でIrO2 を主成分とする層を有する。
【0016】本発明の第2は、電極母材がバルブ金属あ
るいは基材金属上にバルブ金属を形成した層、電極最表
層が塗布焼き付け手段により成膜した主にIrO2 から
なる導電層である電極において、中間層として電極母材
上に、第1層のバルブ金属及びIrからなる拡散合金
層、第2層の相対密度90%以上の金属Ir層、第3層
の金属IrとIrO2の拡散層、第4層の相対密度90
%以上の緻密質IrO2層を有することを特徴とする不
溶性電極である。
【0017】本発明電極は、図2に示す通り塗布焼き付
けにより形成された多孔質 IrO2被膜4の下に緻密質
IrO2 被膜7をインサートし、更にこの緻密質被膜の
熱膨張係数差による剥離を防止するため、緻密質IrO
2 被膜7の下層に緻密質金属Ir被膜8を施工してお
り、電極母材であるバルブ2金属の腐食、絶縁性酸化物
被膜の形成による電極寿命の短命化を防止でき、更に、
バルブ金属2及び緻密質金属Ir層8間にバルブ金属及
びIrからなる拡散合金層9を、緻密質Ir層8と緻密
質IrO2 層7間に金属Ir及びIrO2 の拡散層10
をもつため、各層が剥離しにくく電極寿命が非常に優れ
るという特性を持つ。
【0018】尚、この電極において電極母材、第2層8
の緻密質Ir層、第4層7の緻密質IrO2 層及び最表
層の多孔質IrO2 層4の膜厚、施工方法等は、本発明
第1の電極の場合と同様でよい。また、第1層のバルブ
金属及びIrからなる拡散合金層9及び、第3層の金属
Ir及びIrO2 からなる拡散層10は、種々検討の結
果、0.01μm以上の厚みがあることが好ましいこと
がわかった。尚、この被膜厚みは電子顕微鏡による試料
の断面観察、オージェ分析等の方法により確認できる。
【0019】本発明の第3は、電極母材がバルブ金属あ
るいは基材金属上にバルブ金属を形成した層であり、電
極母材上に第1層としてバルブ金属及びIrからなる拡
散合金層、第2層として相対密度90%以上の金属Ir
層、第3層として金属IrとIrO2 の拡散層、第4層
として相対密度90%以上の緻密質IrO2 層、最表層
として塗布焼き付け手段により成膜した主にIrO2
らなる導電層を有する電極の製造方法において、第1層
のバルブ金属及びIrからなる拡散合金層及び第3層の
金属IrとIrO2 の拡散層が400〜800℃、0.
5hr以上20hr以内とすることにより生成されるこ
とを特徴とする不溶性電極の製造方法である。
【0020】本発明者らは、本発明第1の構造を持つ不
溶性電極について熱処理を施すことによりバルブ金属2
及び第2層の緻密質Ir層8間に第1層のバルブ金属及
びIrからなる拡散合金層9を、第2層の緻密質Ir層
8と第4層の緻密質 IrO2層7間に第3層の金属Ir
及びIrO2 の拡散層10を形成できることを見いだし
た。尚、熱処理条件については種々検討の結果、400
〜800℃、0.5hr以上20hr以内が必要である
ことが判明した。
【0021】
【作用】本発明電極第1の構造を図1に、第2の構造を
図2に示す。図1の様に本発明電極はバルブ金属層上に
反応性スパッタ法、イオンプレーティング法等により作
製した緻密質IrO2 層7を持つためバルブ金属層の酸
化進行が抑制される。また緻密質IrO2 層の下層に金
属Ir層8を持つため緻密質IrO2 層が剥離しにく
い。更に被膜上層として塗布焼き付けにより作製した多
孔質被膜4をもつため面積当たりの電流密度が低く被膜
の溶損も少ない。
【0022】また、図2の様にバルブ金属2及び緻密質
Ir層8間にバルブ金属及びIrからなる拡散合金層9
を、緻密質Ir層8と緻密質IrO2 層7間に金属Ir
及びIrO2 の拡散層10をもつ場合には、被膜間での
密着性が向上し電極寿命がさらに向上する。このため1
00A/dm2 以上の高電流密度で電解を行っても耐食
性に優れ図4の電極に比べ更に長時間の使用に耐えると
いう特徴を持つ。
【0023】
【実施例】以下、本発明電極についてその作製方法、評
価方法及び結果について詳細に述べる。
【0024】(実施例1)まず、本発明第1の電極、つ
まり電極母材がバルブ金属2あるいは基材金属1上にバ
ルブ金属2を形成した層、電極最表層が塗布焼き付け手
段により成膜した主にIrO2 からなる導電層4である
電極において、中間層として電極母材上に第1層の相対
密度90%以上の金属Ir層8、第2層の相対密度90
%以上の緻密質IrO2 層7を設けた電極についてその
作製方法及び耐用性試験結果を示す。 母材 電極母材としてTi板を使用し100×100×20m
mの母材表面を蓚酸を用いて洗浄した。 電極作製法 電極母材上、第1層の金属Ir層8及び第2層の緻密質
IrO2 層7の成膜は反応性スパッタ法により、また最
表層IrO2 被膜4は塗布焼き付け法により成膜した。
【0025】 1)第1層;緻密質金属Ir層(反応性スパッタ法) 母材Ti板を真空中(8×10-4torr)でIr板と
対向させて設置した。真空槽中をAr圧1×10-1〜2
×10-2torrにし、ターゲットに1kVの電位を印
加してArイオンを放電させIr板にあてIr原子を叩
き出し、成膜速度2Å/secで母材表面に金属Ir被
膜0.005〜1μmを作製した。
【0026】 2)第2層;緻密質IrO2層(反応性スパッタ法) 母材Ti板を真空中(8×10-4torr)でIr板と
対向させて設置した。真空槽中をAr圧1×10-1〜2
×10-2torrにし、ターゲットに1kVの電位を印
加してArイオンを放電させIr板にあてIr原子を叩
き出し、ガス圧4.5×10-4torrでO2 ガスを母
材Ti板上に吹きつけ成膜速度2Å/secでTi母材
表面にIrO2 被膜0.005〜10μmを作製した。
【0027】3)最表層;塗布焼き付け被膜 熱分解によりIrO2 となるH2IrCl6に熱分解によ
りTa25となるTa(OC253 を10wt%混合
しブタノールに溶解した塗布焼き付け溶液を筆で塗布
し、乾燥後電気炉に入れ450℃で焼き付ける操作を数
十回行いIr金属量で約50g/m2 の被膜を形成し
た。
【0028】表1に本発明電極の例及び耐用性試験結果
を示した。作製した電極の耐用性評価は以下の方法によ
り行った。陽極に従来品、比較品及び本発明電極、陰極
に白金板を使用し、60℃、5wt%硫酸溶液中、電流
密度200A/dm2 で通電腐食試験を行ない電圧10
V上昇までの時間を測定した。表1において○は寿命4
000hr以上の耐用性を示した電極である。表1から
本発明電極は4000時間以上の寿命があり耐用性に優
れることがわかる。
【0029】
【表1】 尚、比較のため表1に従来塗布焼き付けのみの電極、
及び比較電極,,,の耐用性試験結果を示し
た。
【0030】(実施例2)次に本発明第2の電極、すな
わち電極母材がバルブ金属2あるいは基材金属1上にバ
ルブ金属2を形成した層、電極最表層が塗布焼き付け手
段により成膜した主にIrO2 4からなる導電層である
電極において、中間層として電極母材上に、第1層のバ
ルブ金属及びIrからなる拡散合金層9、第2層の相対
密度90%以上の金属Ir層8、第3層の金属IrとI
rO2 の拡散層10、第4層の相対密度90%以上の緻
密質IrO2 層7を有する電極について、その作製方法
及び耐用性試験結果を示す。
【0031】本発明第2の電極の第2層8、第4層7の
製造方法は、本発明第1の電極の場合と同様であり、熱
処理を行うことにより第1層9、第3層10を作製し
た。尚、今回は塗布焼き付け被膜成膜後に熱処理を行な
ったが緻密質IrO2 層成膜後、または塗布焼き付け温
度を通常の450℃から高温化することによっても、同
様の効果が得られる。また今回、第1層であるバルブ金
属−Ir拡散合金層9、第3層である金属Ir−IrO
2 拡散層10は電子顕微鏡観察により確認した。
【0032】表2に本発明第2の電極の例を示した。第
1層及び第3層は、電子顕微鏡観察により0.01μm
以上の膜厚が確認された場合にありとした。
【0033】
【表2】
【0034】尚、比較例として表2に、、、を
示した。作製した電極の耐用性評価は以下の方法により
行った。陽極に従来品、比較品及び本発明電極、陰極に
白金板を使用し、60℃、5wt%硫酸溶液中、電流密
度200A/dm2 で通電腐食試験を行ない電圧10V
上昇までの時間を測定した。
【0035】表3において○は寿命6000hr以上の
耐用性を示した電極である。表3から本発明電極は60
00時間以上の寿命があり耐用性に優れることが分か
る。比較例の電極、,は熱処理温度が低い、または
熱処理時間が短く熱処理の効果が得られなかった。ま
た、電極,については熱処理温度が高い、または時
間が長いため母材Ti板が酸化し、被膜が剥離しやすく
なり耐用性が低下した。
【0036】
【表3】
【0037】
【発明の効果】本発明の不溶性電極は、高電流密度で電
解をおこなっても耐食性に優れ、長時間の使用に耐える
ものであり、電気メッキ用電極に限らず、電気精錬等の
他の用途の電極として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の電極構造を示すものである。
【図2】本発明の第二の電極構造を示すものである。
【図3】従来の電極構造を示すものである。
【図4】従来の電極の腐食メカニズムの説明図である。
【符号の説明】
1 SUS製電極母材 2 バルブ金属層 3 IrO2−Ta25塗布焼き付け被膜 4 IrO2塗布焼き付け被膜 5 クラック 6 絶縁性酸化物 7 緻密IrO2被膜 8 金属Ir層 9 バルブ金属−Ir拡散合金層 10 金属Ir−IrO2拡散層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】また、膜厚は0.01μm以上5μm以下
であることが望ましい。これは膜厚が0.01μm未満
であると、最表層に塗布焼き付け法による多孔質被膜4
を形成した場合にも、第2層7の被膜厚みが薄すぎて緻
密質被膜による母材腐食防止効果が発揮されないためで
ある。更に、膜厚が5μmよりも厚いと第1層として金
属Ir層8をインサートしても応力緩和効果がなく被膜
が剥離しやすいためである。尚、この被膜は反応性蒸着
法、反応性スパッタ法、イオンプレーテイング法等のい
わゆるPVD法により成膜できる。最後に、電極最表層
には塗布焼き付け法により成膜した相対密度90から5
0%の多孔質でIrOを主成分とする層を有する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】本発明の第3は、電極母材がバルブ金属あ
るいは基材金属上にバルブ金属を形成した層であり、電
極母材上に第1層としてバルブ金属及びIrからなる拡
散合金層、第2層として相対密度90%以上の金属Ir
層、第3層として金属IrとIrOの拡散層、第4層
として相対密度90%以上の緻密質IrO層、最表層
として塗布焼き付け手段により成膜した主にIrO
らなる導電層を有する電極の製造方法において、第1層
のバルブ金属及びIrからなる拡散合金層及び第3層の
金属IrとIrOの拡散層が400〜800℃、0.
5hr以上20hr以内加熱することにより生成される
ことを特徴とする不溶性電極の製造方法である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】(実施例2)次に本発明第2の電極、すな
わち電極母材がバルブ金属2あるいは基材金属1上にバ
ルブ金属2を形成した層、電極最表層が塗布焼き付け手
段により成膜した主にIrOからなる導電層4である
電極において、中間層として電極母材上に、第1層のバ
ルブ金属及びIrからなる拡散合金層9、第2層の相対
密度90%以上の金属Ir層8、第3層の金属IrとI
rOの拡散層10、第4層の相対密度90%以上の緻
密質IrO層7を有する電極について、その作製方法
及び耐用性試験結果を示す。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北池 宏至 兵庫県姫路市広畑区富士町1番地 新日本 製鐵株式会社広畑製鐵所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極母材がバルブ金属あるいは基材金属
    上にバルブ金属を形成した層、電極最表層が塗布焼き付
    け手段により成膜した主にIrO2 からなる導電層であ
    る電極において、中間層として電極母材上に第1層の相
    対密度90%以上の金属Ir層、第2層の相対密度90
    %以上の緻密質IrO2 層を設けたことを特徴とする不
    溶性電極。
  2. 【請求項2】 電極母材がバルブ金属あるいは基材金属
    上にバルブ金属を形成した層、電極最表層が塗布焼き付
    け手段により成膜した主にIrO2 からなる導電層であ
    る電極において、中間層として電極母材上に、第1層の
    バルブ金属及びIrからなる拡散金属層、第2層の相対
    密度90%以上の金属Ir層、第3層の金属IrとIr
    2の拡散層、第4層の相対密度90%以上の緻密質I
    rO2層を有することを特徴とする不溶性電極。
  3. 【請求項3】 電極母材がバルブ金属あるいは基材金属
    上にバルブ金属を形成した層であり、電極母材上に第1
    層としてバルブ金属及びIrからなる拡散合金層、第2
    層として相対密度90%以上の金属Ir層、第3層とし
    て金属IrとIrO2 の拡散層、第4層として相対密度
    90%以上の緻密質IrO2 層、最表層として塗布焼き
    付け手段により成膜した主にIrO2 からなる導電層を
    有する電極の製造方法において、第1層のバルブ金属及
    びIrからなる拡散合金層及び第3層の金属IrとIr
    2 の拡散層は400〜800℃、0.5hr以上20
    hr以内加熱することにより生成させることを特徴とす
    る不溶性電極の製造方法。
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