JPH06299396A - 不溶性電極及びその製造方法 - Google Patents
不溶性電極及びその製造方法Info
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- JPH06299396A JPH06299396A JP5278935A JP27893593A JPH06299396A JP H06299396 A JPH06299396 A JP H06299396A JP 5278935 A JP5278935 A JP 5278935A JP 27893593 A JP27893593 A JP 27893593A JP H06299396 A JPH06299396 A JP H06299396A
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- conductive
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- Electrodes For Compound Or Non-Metal Manufacture (AREA)
- Electrolytic Production Of Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、150A/dm2 以上の高電流密
度で電解を行っても耐食性に優れ、長時間の使用に耐え
る不溶性電極及びその製造方法を提供するものである。 【構成】 電極母材が導電性金属であり、電極最表層が
塗布焼き付け法により成膜した主にIrO2 からなる導
電層である電極において、前記電極母材と電極最表層の
間に電極母材に対し平行な層状構造を持つ多孔質非導電
性材料被膜及び、多孔質非導電性材料被膜の空隙を充填
する主にIrO2 からなる導電性酸化物とで構成される
中間層を有することを特徴とする不溶性電極及びその製
造方法。 【効果】 電極母材の腐食、絶縁性被膜の形成を防止で
き、高電流密度下での耐用性に優れる。
度で電解を行っても耐食性に優れ、長時間の使用に耐え
る不溶性電極及びその製造方法を提供するものである。 【構成】 電極母材が導電性金属であり、電極最表層が
塗布焼き付け法により成膜した主にIrO2 からなる導
電層である電極において、前記電極母材と電極最表層の
間に電極母材に対し平行な層状構造を持つ多孔質非導電
性材料被膜及び、多孔質非導電性材料被膜の空隙を充填
する主にIrO2 からなる導電性酸化物とで構成される
中間層を有することを特徴とする不溶性電極及びその製
造方法。 【効果】 電極母材の腐食、絶縁性被膜の形成を防止で
き、高電流密度下での耐用性に優れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は不溶性電極に関するも
のである。
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に金属材の電気メッキに際し、電気
メッキ浴中にて不溶性電極を使用し、陰極たる被メッキ
金属材の表面にZn,Sn,Ni,Crなどの金属を電
気メッキすることが行われている。また金属の電気精錬
に際し、精錬浴中にて不溶性電極を使用し、Mn,Zn
等の金属を電気精錬することが行われている。この時の
不溶性電極として、最も一般的に使用されているものと
して、Pb系合金があげられる。この電極は、電気メッ
キ浴、電気精錬浴、特に硫酸溶液中では、通電処理時そ
の表面にPbO2が生成する。そのPbO2は、不溶性電
極の機能を発揮しているが、生成したPbO2 とPbと
の付着力が弱く電解溶液中に混入しメッキ不良、あるい
は不純物混入精錬金属を生じてしまう。
メッキ浴中にて不溶性電極を使用し、陰極たる被メッキ
金属材の表面にZn,Sn,Ni,Crなどの金属を電
気メッキすることが行われている。また金属の電気精錬
に際し、精錬浴中にて不溶性電極を使用し、Mn,Zn
等の金属を電気精錬することが行われている。この時の
不溶性電極として、最も一般的に使用されているものと
して、Pb系合金があげられる。この電極は、電気メッ
キ浴、電気精錬浴、特に硫酸溶液中では、通電処理時そ
の表面にPbO2が生成する。そのPbO2は、不溶性電
極の機能を発揮しているが、生成したPbO2 とPbと
の付着力が弱く電解溶液中に混入しメッキ不良、あるい
は不純物混入精錬金属を生じてしまう。
【0003】そこで対策として、電気メッキ浴、電気精
錬浴、特に硫酸溶液中で最も電気化学的に安定である白
金族酸化物であるIrO2 を、母材導電性金属上に被膜
化した電極が特公昭48−3954号公報に示されてい
る。
錬浴、特に硫酸溶液中で最も電気化学的に安定である白
金族酸化物であるIrO2 を、母材導電性金属上に被膜
化した電極が特公昭48−3954号公報に示されてい
る。
【0004】さらに母材金属層の酸化を抑制する、ある
いはIrO2 の密着性を向上させるために中間層にTa
2O5等を添加した被膜を形成し、この上にIrO2 層を
形成した不溶性電極を使用する方法が特公昭46−21
884号公報、特開昭63−235493号公報に示さ
れている。図3にその電極構造を示す。1は電極母材、
3はIrO2−Ta2O5層、4はIrO2層である。この
層3,4の施工方法は酸化物となる溶液を母材金属層上
に塗布し、それを酸化物となる温度で焼成することを繰
り返すことにより作製する、いわゆる塗布焼き付け法で
ある。
いはIrO2 の密着性を向上させるために中間層にTa
2O5等を添加した被膜を形成し、この上にIrO2 層を
形成した不溶性電極を使用する方法が特公昭46−21
884号公報、特開昭63−235493号公報に示さ
れている。図3にその電極構造を示す。1は電極母材、
3はIrO2−Ta2O5層、4はIrO2層である。この
層3,4の施工方法は酸化物となる溶液を母材金属層上
に塗布し、それを酸化物となる温度で焼成することを繰
り返すことにより作製する、いわゆる塗布焼き付け法で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特公昭46−2188
4号公報、特開昭63−235493号公報に提示され
ている塗布焼き付け法によるIrO2 を主体とした層を
有する不溶性電極は、低電流密度(〜50A/dm2 )
では長時間使用可能であるが、高電流密度下、特に硫酸
溶液中100A/dm2 で通電腐食試験を行うと、30
00〜4000時間で急激な電圧上昇が起こり電極が使
用不可能となる。
4号公報、特開昭63−235493号公報に提示され
ている塗布焼き付け法によるIrO2 を主体とした層を
有する不溶性電極は、低電流密度(〜50A/dm2 )
では長時間使用可能であるが、高電流密度下、特に硫酸
溶液中100A/dm2 で通電腐食試験を行うと、30
00〜4000時間で急激な電圧上昇が起こり電極が使
用不可能となる。
【0006】この電極の腐食メカニズムを図4により説
明する。IrO2 を含有する層3,4は溶液の熱処理に
より作製されるため、溶液成分の揮発による気孔、また
電極母材1とIrO2 層4との熱膨張差によって亀甲状
クラック5、が被膜中に発生している。このため被膜の
空隙率も10〜30%と大きく、この気孔とクラック5
から電極母材1との直接通電が起こり、電極母材1表面
に絶縁性酸化物被膜6が形成され、更に電極母材1と被
膜界面を伝わり電極母材1の酸化が進み、電圧上昇を引
き起こし電極としての機能を失ってしまう。この対策と
しては、塗布焼き付け被膜のクラック、気孔部分で電極
母材が露出していないことが必要である。本発明は、1
00A/dm2 以上の高電流密度で電解を行っても耐食
性に優れ、長時間の使用に耐える不溶性電極及びその製
造方法を提供するものである。
明する。IrO2 を含有する層3,4は溶液の熱処理に
より作製されるため、溶液成分の揮発による気孔、また
電極母材1とIrO2 層4との熱膨張差によって亀甲状
クラック5、が被膜中に発生している。このため被膜の
空隙率も10〜30%と大きく、この気孔とクラック5
から電極母材1との直接通電が起こり、電極母材1表面
に絶縁性酸化物被膜6が形成され、更に電極母材1と被
膜界面を伝わり電極母材1の酸化が進み、電圧上昇を引
き起こし電極としての機能を失ってしまう。この対策と
しては、塗布焼き付け被膜のクラック、気孔部分で電極
母材が露出していないことが必要である。本発明は、1
00A/dm2 以上の高電流密度で電解を行っても耐食
性に優れ、長時間の使用に耐える不溶性電極及びその製
造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、電極母材が導
電性金属であり、電極最表層が塗布焼き付け法により成
膜した主にIrO2 からなる導電層である電極におい
て、中間層に非導電性材料及び導電性材料とで構成され
る層を設けた電極及びその製造方法に関するものであ
る。この電極は、中間層に非導電性材料及び導電性材料
とで構成される層を持つため、塗布焼き付け被膜に存在
するクラック、気孔は電極母材へ貫通することがなく、
電極母材の露出面積が少ない。このため、この部分から
の母材酸化、界面方向への腐食進展が抑制でき、100
A/dm2 以上の高電流密度で電解を行っても耐食性に
優れ、長時間の使用に耐える。
電性金属であり、電極最表層が塗布焼き付け法により成
膜した主にIrO2 からなる導電層である電極におい
て、中間層に非導電性材料及び導電性材料とで構成され
る層を設けた電極及びその製造方法に関するものであ
る。この電極は、中間層に非導電性材料及び導電性材料
とで構成される層を持つため、塗布焼き付け被膜に存在
するクラック、気孔は電極母材へ貫通することがなく、
電極母材の露出面積が少ない。このため、この部分から
の母材酸化、界面方向への腐食進展が抑制でき、100
A/dm2 以上の高電流密度で電解を行っても耐食性に
優れ、長時間の使用に耐える。
【0008】本発明の第1は電極母材が導電性金属であ
り、電極最表層が塗布焼き付け法により成膜した主にI
rO2 からなる導電層である電極において、前記電極母
材と電極最表層の間に電極母材に対し平行な層状構造を
持つ多孔質非導電性材料被膜及び、多孔質非導電性材料
被膜の空隙を主にIrO2 からなる導電性酸化物で充填
した中間層を有し、かつ中間層を構成する非導電性材料
と主にIrO2 からなる導電性酸化物の割合が体積比で
60:40ないし95:5であること、中間層の厚みが
5から100μmの間であることを特徴とする不溶性電
極、及び、
り、電極最表層が塗布焼き付け法により成膜した主にI
rO2 からなる導電層である電極において、前記電極母
材と電極最表層の間に電極母材に対し平行な層状構造を
持つ多孔質非導電性材料被膜及び、多孔質非導電性材料
被膜の空隙を主にIrO2 からなる導電性酸化物で充填
した中間層を有し、かつ中間層を構成する非導電性材料
と主にIrO2 からなる導電性酸化物の割合が体積比で
60:40ないし95:5であること、中間層の厚みが
5から100μmの間であることを特徴とする不溶性電
極、及び、
【0009】この電極の製造方法において、電極母材上
に非導電性材料を溶射し空隙率40ないし5%の非導電
性材料の多孔性溶射被膜を形成したのち、主にIr化合
物からなる溶液を塗布、酸化性雰囲気中で熱処理する操
作を繰り返すことにより非導電性材料溶射被膜の空隙を
充填し中間層を形成することを特徴とする不溶性電極の
製造方法である。
に非導電性材料を溶射し空隙率40ないし5%の非導電
性材料の多孔性溶射被膜を形成したのち、主にIr化合
物からなる溶液を塗布、酸化性雰囲気中で熱処理する操
作を繰り返すことにより非導電性材料溶射被膜の空隙を
充填し中間層を形成することを特徴とする不溶性電極の
製造方法である。
【0010】本発明で用いる電極母材は、導電性金属で
あれば良いが、硫酸浴中での耐用性に優れるバルブ金属
(Ti,Ta,Zr等硫酸浴中で溶損がほとんどない金
属)とすることが好ましい。この理由として、硫酸浴中
での耐食性が優れ、高い破壊電圧を持つからである。
あれば良いが、硫酸浴中での耐用性に優れるバルブ金属
(Ti,Ta,Zr等硫酸浴中で溶損がほとんどない金
属)とすることが好ましい。この理由として、硫酸浴中
での耐食性が優れ、高い破壊電圧を持つからである。
【0011】本発明第1の電極において、中間層を形成
する非導電性被膜層は、粒径20から40μmの非導電
性材料を通常のプラズマ溶射により溶射することで形成
できる。原料粉末は溶射により変形し、厚み2μm程
度、直径数10μmの円盤型薄膜が堆積した多孔質多層
被膜が形成される。
する非導電性被膜層は、粒径20から40μmの非導電
性材料を通常のプラズマ溶射により溶射することで形成
できる。原料粉末は溶射により変形し、厚み2μm程
度、直径数10μmの円盤型薄膜が堆積した多孔質多層
被膜が形成される。
【0012】また、溶射に用いる材料は硫酸溶液中でも
安定で、溶射時の熱履歴を受けても安定な非導電性金属
酸化物、例えばAl2O3,ZrO2,TiO2等が好まし
い。
安定で、溶射時の熱履歴を受けても安定な非導電性金属
酸化物、例えばAl2O3,ZrO2,TiO2等が好まし
い。
【0013】塗布焼き付け時に塩化イリジウム酸,タン
タルアルコキシド,塩化白金酸等の化合物が金属換算で
10〜200g/l含まれるアルコール溶液で非導電性
材料溶射層の気孔、クラックを充填するため、溶射によ
り形成する非導電性層の厚みは100μm以下、また中
間層の効果を得るために5μm以上の厚膜であることが
必要である。
タルアルコキシド,塩化白金酸等の化合物が金属換算で
10〜200g/l含まれるアルコール溶液で非導電性
材料溶射層の気孔、クラックを充填するため、溶射によ
り形成する非導電性層の厚みは100μm以下、また中
間層の効果を得るために5μm以上の厚膜であることが
必要である。
【0014】溶射条件としては、空隙率が40%から5
%の間になるように選ぶ必要がある。これにより、非導
電性材料と主にIrO2 からなる導電性酸化物の割合は
体積比で60:40ないし95:5となる。
%の間になるように選ぶ必要がある。これにより、非導
電性材料と主にIrO2 からなる導電性酸化物の割合は
体積比で60:40ないし95:5となる。
【0015】非導電性材料の体積比が60%よりも少な
いと、中間層を設けた場合にも、この層による電極母材
の露出面積の低減効果が得られず電極寿命向上の効果が
なく、また体積比が95%よりも多いと被膜の抵抗が上
昇し通電不能となる。被膜の空隙率は、例えば被膜の縦
または横断面を観察し、その面積率から算出することが
できる。
いと、中間層を設けた場合にも、この層による電極母材
の露出面積の低減効果が得られず電極寿命向上の効果が
なく、また体積比が95%よりも多いと被膜の抵抗が上
昇し通電不能となる。被膜の空隙率は、例えば被膜の縦
または横断面を観察し、その面積率から算出することが
できる。
【0016】本発明で非導電性材料溶射被膜を充填する
際に用いる主にIr化合物からなる溶液とは、例えば特
開昭62−240780号公報,特開昭63−2354
93号公報,特開平3−193889号公報,特開昭5
9−150091号公報で示されている、例えば塩化イ
リジウム酸、タンタルアルコキシド、塩化白金酸等の化
合物からなるアルコール溶液である。
際に用いる主にIr化合物からなる溶液とは、例えば特
開昭62−240780号公報,特開昭63−2354
93号公報,特開平3−193889号公報,特開昭5
9−150091号公報で示されている、例えば塩化イ
リジウム酸、タンタルアルコキシド、塩化白金酸等の化
合物からなるアルコール溶液である。
【0017】上記溶液を非導電性酸化物溶射被膜上か
ら、例えばハケ塗り、スプレー法、浸漬法等の手段で塗
布後、溶媒を蒸発させるために150〜200℃で数十
分間乾燥し、酸化性雰囲気中、例えば大気中で300な
いし700℃で熱処理する。この操作により、主にIr
O2 からなる導電性酸化物が形成される。以上の操作を
十数回繰り返すことで、非導電性材料溶射被膜の空隙を
導電性酸化物で充填することができ、中間層が形成され
る。更に、中間層を形成した後に同様な操作を繰り返す
ことで、電極最表層が形成される。
ら、例えばハケ塗り、スプレー法、浸漬法等の手段で塗
布後、溶媒を蒸発させるために150〜200℃で数十
分間乾燥し、酸化性雰囲気中、例えば大気中で300な
いし700℃で熱処理する。この操作により、主にIr
O2 からなる導電性酸化物が形成される。以上の操作を
十数回繰り返すことで、非導電性材料溶射被膜の空隙を
導電性酸化物で充填することができ、中間層が形成され
る。更に、中間層を形成した後に同様な操作を繰り返す
ことで、電極最表層が形成される。
【0018】本発明の第2は電極母材が導電性金属であ
り、電極最表層が塗布焼き付け法により成膜した主にI
rO2 からなる導電層である電極において、前記電極母
材と電極最表層の間に電極母材に対し平行な層状構造を
持つ多孔質導電性材料被膜及び、多孔質非導電性材料被
膜の空隙のうち被膜表面から5ないし90μmの厚みを
充填する主にIrO2 からなる導電性酸化物及び、残部
を充填する導電性金属から構成される中間層を有し、か
つ中間層を構成する非導電性材料と導電性金属の割合、
及び非導電性材料と主にIrO2 からなる導電性酸化物
の割合が体積比で60:40ないし95:5であるこ
と、中間層の厚みが10から100μmの間であること
を特徴とする不溶性電極、及び
り、電極最表層が塗布焼き付け法により成膜した主にI
rO2 からなる導電層である電極において、前記電極母
材と電極最表層の間に電極母材に対し平行な層状構造を
持つ多孔質導電性材料被膜及び、多孔質非導電性材料被
膜の空隙のうち被膜表面から5ないし90μmの厚みを
充填する主にIrO2 からなる導電性酸化物及び、残部
を充填する導電性金属から構成される中間層を有し、か
つ中間層を構成する非導電性材料と導電性金属の割合、
及び非導電性材料と主にIrO2 からなる導電性酸化物
の割合が体積比で60:40ないし95:5であるこ
と、中間層の厚みが10から100μmの間であること
を特徴とする不溶性電極、及び
【0019】この電極の製造方法において、電極母材上
に非導電性材料を溶射し空隙率40ないし5%の非導電
性材料溶射被膜を形成したのち、電極母材を陰極にして
導電性金属を電気メッキし非導電性材料溶射被膜の空隙
のうち被膜表面から5ないし90μm厚みを残して充填
後、更にその上から主にIr化合物からなる溶液を塗
布、酸化性雰囲気中で熱処理する操作を繰り返すことに
より非導電性材料溶射層の残りの空隙を充填し中間層を
形成することを特徴とする不溶性電極の製造方法であ
る。
に非導電性材料を溶射し空隙率40ないし5%の非導電
性材料溶射被膜を形成したのち、電極母材を陰極にして
導電性金属を電気メッキし非導電性材料溶射被膜の空隙
のうち被膜表面から5ないし90μm厚みを残して充填
後、更にその上から主にIr化合物からなる溶液を塗
布、酸化性雰囲気中で熱処理する操作を繰り返すことに
より非導電性材料溶射層の残りの空隙を充填し中間層を
形成することを特徴とする不溶性電極の製造方法であ
る。
【0020】本発明第2の電極において、中間層を形成
する非導電性被膜層は、粒径20から40μmの非導電
性材料を通常のプラズマ溶射により溶射することで形成
できる。原料粉末は溶射により変形し、厚み2μm程
度、直径数10μmの円盤型薄膜が堆積した多孔質多層
被膜が形成される。
する非導電性被膜層は、粒径20から40μmの非導電
性材料を通常のプラズマ溶射により溶射することで形成
できる。原料粉末は溶射により変形し、厚み2μm程
度、直径数10μmの円盤型薄膜が堆積した多孔質多層
被膜が形成される。
【0021】また、溶射に用いる材料は硫酸溶液中でも
安定で、溶射時の熱履歴を受けても安定な非導電性金属
酸化物、例えばAl2O3,ZrO2,TiO2等が好まし
い。
安定で、溶射時の熱履歴を受けても安定な非導電性金属
酸化物、例えばAl2O3,ZrO2,TiO2等が好まし
い。
【0022】この被膜は厚膜化すると剥離しやすいため
100μm以下、また中間層の効果を得るために10μ
m以上であることが必要である。
100μm以下、また中間層の効果を得るために10μ
m以上であることが必要である。
【0023】溶射条件としては、空隙率が40%から5
%の間になるように選ぶ必要がある。これにより、非導
電性材料と主にIrO2 からなる導電性酸化物の割合は
体積比で60:40ないし95:5となる。
%の間になるように選ぶ必要がある。これにより、非導
電性材料と主にIrO2 からなる導電性酸化物の割合は
体積比で60:40ないし95:5となる。
【0024】非導電性材料の体積比が60%よりも少な
いと、中間層を設けた場合にも、この層による電極母材
の露出面積の低減効果が得られず電極寿命向上の効果が
なく、また体積比が95%よりも多いと被膜の抵抗が上
昇し通電不能となる。被膜の空隙率は、例えば被膜の縦
または横断面を観察し、その面積率から算出することが
できる。
いと、中間層を設けた場合にも、この層による電極母材
の露出面積の低減効果が得られず電極寿命向上の効果が
なく、また体積比が95%よりも多いと被膜の抵抗が上
昇し通電不能となる。被膜の空隙率は、例えば被膜の縦
または横断面を観察し、その面積率から算出することが
できる。
【0025】次にこの非導電性材料溶射被膜をまず導電
性金属のメッキにより充填する。導電性金属としては、
硫酸浴中での耐用性に優れる白金族系金属が好ましい。
導電性金属層は電極母材を陰極として通常の電解メッキ
法を行うことで電極母材表面から形成できる。
性金属のメッキにより充填する。導電性金属としては、
硫酸浴中での耐用性に優れる白金族系金属が好ましい。
導電性金属層は電極母材を陰極として通常の電解メッキ
法を行うことで電極母材表面から形成できる。
【0026】また、この導電性金属による充填は、非導
電性溶射被膜のうち被膜表面から5ないし90μmを残
して、電極母材側から充填することが必要である。これ
は被膜内空隙のうち90μm以上の厚みで空隙を残すと
メッキによる充填効果が得られないため、5μm以下の
厚みで空隙を残すと塗布焼き付け被膜がアンカー効果に
よる密着性向上効果を得られないためである。
電性溶射被膜のうち被膜表面から5ないし90μmを残
して、電極母材側から充填することが必要である。これ
は被膜内空隙のうち90μm以上の厚みで空隙を残すと
メッキによる充填効果が得られないため、5μm以下の
厚みで空隙を残すと塗布焼き付け被膜がアンカー効果に
よる密着性向上効果を得られないためである。
【0027】更に本発明では非導電性材料溶射被膜の残
気孔を塗布焼き付け法により充填する。このとき用いる
主にIr化合物からなる溶液とは、例えば特開昭62−
240780号公報,特開昭63−235493号公
報,特開平3−193889号公報,特開昭59−15
0091号公報で示されている、例えば塩化イリジウム
酸、タンタルアルコキシド、塩化白金酸等の化合物から
なるアルコール溶液である。
気孔を塗布焼き付け法により充填する。このとき用いる
主にIr化合物からなる溶液とは、例えば特開昭62−
240780号公報,特開昭63−235493号公
報,特開平3−193889号公報,特開昭59−15
0091号公報で示されている、例えば塩化イリジウム
酸、タンタルアルコキシド、塩化白金酸等の化合物から
なるアルコール溶液である。
【0028】上記溶液を非導電性酸化物溶射被膜上か
ら、例えばハケ塗り、スプレー法、浸漬法等の手段で塗
布後、溶媒を蒸発させるために150〜200℃で数十
分間乾燥し、酸化性雰囲気中、例えば大気中で300な
いし700℃で熱処理する。この操作により、主にIr
O2 からなる導電性酸化物が形成される。以上の操作を
十数回繰り返すことで、非導電性材料溶射被膜の残空隙
を導電性酸化物で充填することができ、中間層が形成さ
れる。更に、中間層を形成した後に同様な操作を繰り返
すことで、電極最表層が形成される。
ら、例えばハケ塗り、スプレー法、浸漬法等の手段で塗
布後、溶媒を蒸発させるために150〜200℃で数十
分間乾燥し、酸化性雰囲気中、例えば大気中で300な
いし700℃で熱処理する。この操作により、主にIr
O2 からなる導電性酸化物が形成される。以上の操作を
十数回繰り返すことで、非導電性材料溶射被膜の残空隙
を導電性酸化物で充填することができ、中間層が形成さ
れる。更に、中間層を形成した後に同様な操作を繰り返
すことで、電極最表層が形成される。
【0029】本発明第1の電極はコスト及び能率の面か
らは本発明第2の電極に比べ優れるが、硫酸浴中アノー
ドとして使用した場合、本発明第2の電極の方が寿命は
優れる。
らは本発明第2の電極に比べ優れるが、硫酸浴中アノー
ドとして使用した場合、本発明第2の電極の方が寿命は
優れる。
【0030】
【作用】本発明電極構造を図1、2に示す。本発明第1
の電極は、電極最表層である塗布焼き付け被膜4にクラ
ック、気孔等が多く存在する場合にも、非導電性材料及
び主にIrO2 からなる導電性酸化物とで構成される中
間層7が存在するため電極母材1へ貫通するクラック等
欠陥がない。このため、電極母材露出面積が少なく、母
材酸化、界面方向への母材腐食進展が抑制でき、100
A/dm2 以上の高電流密度でも長時間の使用に耐え
る。
の電極は、電極最表層である塗布焼き付け被膜4にクラ
ック、気孔等が多く存在する場合にも、非導電性材料及
び主にIrO2 からなる導電性酸化物とで構成される中
間層7が存在するため電極母材1へ貫通するクラック等
欠陥がない。このため、電極母材露出面積が少なく、母
材酸化、界面方向への母材腐食進展が抑制でき、100
A/dm2 以上の高電流密度でも長時間の使用に耐え
る。
【0031】本発明第2の電極は、非導電性材料及び主
にIrO2 からなる導電性酸化物とで構成される層7の
下層に非導電性材料及び導電性金属とで構成される層8
を持つ。この層8は層7に比べ緻密に形成され、電極母
材の露出面積が少ない。このため、塗布焼き付け被膜の
クラック、気孔からの母材酸化、界面方向への腐食進展
が抑制でき、100A/dm2 以上の高電流密度で電解
を行っても耐食性に優れ、長時間の使用に耐える。
にIrO2 からなる導電性酸化物とで構成される層7の
下層に非導電性材料及び導電性金属とで構成される層8
を持つ。この層8は層7に比べ緻密に形成され、電極母
材の露出面積が少ない。このため、塗布焼き付け被膜の
クラック、気孔からの母材酸化、界面方向への腐食進展
が抑制でき、100A/dm2 以上の高電流密度で電解
を行っても耐食性に優れ、長時間の使用に耐える。
【0032】
(実施例1)本発明第1の電極、つまり電極母材が導電
性金属であり、電極最表層が塗布焼き付け法により成膜
した主にIrO2 からなる導電層である電極において、
前記電極母材と電極最表層の間に電極母材に対し平行な
層状構造を持つ多孔質非導電性材料被膜及び、多孔質非
導電性材料被膜の空隙を充填する主にIrO2 からなる
導電性酸化物とで構成される中間層を有することを特徴
とする不溶性電極についてその作製方法を示す。
性金属であり、電極最表層が塗布焼き付け法により成膜
した主にIrO2 からなる導電層である電極において、
前記電極母材と電極最表層の間に電極母材に対し平行な
層状構造を持つ多孔質非導電性材料被膜及び、多孔質非
導電性材料被膜の空隙を充填する主にIrO2 からなる
導電性酸化物とで構成される中間層を有することを特徴
とする不溶性電極についてその作製方法を示す。
【0033】電極作製法 母材 電極母材としてTi板を使用し100×100×20m
mの母材表面を蓚酸を用いて洗浄後、ブラストにより粗
面化した。まず、非導電性材料としてAl2O3を通常の
プラズマ溶射法により溶射し、電極母材上にAl2O3の
非導電性層を形成した。被膜厚み:3〜150μm 空
隙率:99〜50%この上から熱分解によりIrO2と
なるH2IrCl6に、熱分解によりTa2O5となるTa
(OC2H5)3 を10wt%混合し、ブタノールに溶解
した塗布焼き付け溶液を筆で塗布し、乾燥後電気炉に入
れ450℃で焼き付ける操作を数十回行うことで中間層
及び最表層を形成した。
mの母材表面を蓚酸を用いて洗浄後、ブラストにより粗
面化した。まず、非導電性材料としてAl2O3を通常の
プラズマ溶射法により溶射し、電極母材上にAl2O3の
非導電性層を形成した。被膜厚み:3〜150μm 空
隙率:99〜50%この上から熱分解によりIrO2と
なるH2IrCl6に、熱分解によりTa2O5となるTa
(OC2H5)3 を10wt%混合し、ブタノールに溶解
した塗布焼き付け溶液を筆で塗布し、乾燥後電気炉に入
れ450℃で焼き付ける操作を数十回行うことで中間層
及び最表層を形成した。
【0034】(実施例2)本発明第2の電極、つまり電
極母材が導電性金属であり、電極最表層が塗布焼き付け
法により成膜した主にIrO2 からなる導電層である電
極において、前記電極母材と電極最表層の間に電極母材
に対し平行な層状構造を持つ多孔質非導電性材料被膜及
び、多孔質非導電性材料被膜の空隙のうち被膜表面から
5ないし90μmの厚みを充填する主にIrO2 からな
る導電性酸化物及び、残部を充填する導電性金属から構
成される中間層を有することを特徴とする不溶性電極に
ついてその作製方法を示す。
極母材が導電性金属であり、電極最表層が塗布焼き付け
法により成膜した主にIrO2 からなる導電層である電
極において、前記電極母材と電極最表層の間に電極母材
に対し平行な層状構造を持つ多孔質非導電性材料被膜及
び、多孔質非導電性材料被膜の空隙のうち被膜表面から
5ないし90μmの厚みを充填する主にIrO2 からな
る導電性酸化物及び、残部を充填する導電性金属から構
成される中間層を有することを特徴とする不溶性電極に
ついてその作製方法を示す。
【0035】電極作製法 母材 電極母材としてTi板を使用し100×100×20m
mの母材表面を蓚酸を用いて洗浄後、ブラストにより粗
面化した。まず、非導電性材料としてAl2O3を通常の
プラズマ溶射法により溶射し、電極母材上にAl2O3の
非導電性層を形成した。 被膜厚み:5〜200μm 空隙率:99〜50% この電極母材を陰極としてメッキ液中に浸し、Ptをメ
ッキした。 メッキ方法:電解メッキ 電流密度:1A/dm2 メッキ成分:Pt この上から熱分解によりIrO2となるH2IrCl6、
に熱分解によりTa2O5となるTa(OC2H5)3 を1
0wt%混合し、ブタノールに溶解した塗布焼き付け溶
液を筆で塗布し、乾燥後電気炉に入れ450℃で焼き付
ける操作を数十回行うことで中間層及び最表層を形成し
た。
mの母材表面を蓚酸を用いて洗浄後、ブラストにより粗
面化した。まず、非導電性材料としてAl2O3を通常の
プラズマ溶射法により溶射し、電極母材上にAl2O3の
非導電性層を形成した。 被膜厚み:5〜200μm 空隙率:99〜50% この電極母材を陰極としてメッキ液中に浸し、Ptをメ
ッキした。 メッキ方法:電解メッキ 電流密度:1A/dm2 メッキ成分:Pt この上から熱分解によりIrO2となるH2IrCl6、
に熱分解によりTa2O5となるTa(OC2H5)3 を1
0wt%混合し、ブタノールに溶解した塗布焼き付け溶
液を筆で塗布し、乾燥後電気炉に入れ450℃で焼き付
ける操作を数十回行うことで中間層及び最表層を形成し
た。
【0036】表1に本発明電極の例及び耐用性試験結果
を示した。作製した電極の耐用性評価は以下の方法によ
り行った。陽極に従来品、比較品及び本発明電極、陰極
に白金板を使用し、60℃、5wt%硫酸溶液中、電流
密度200A/dm2 で通電腐食試験を行ない電圧10
V上昇までの時間を測定した。表1において○は寿命4
000hr以上の耐用性を示した電極である。表1から
本発明電極は4000時間以上の寿命があり耐用性に優
れることがわかる。
を示した。作製した電極の耐用性評価は以下の方法によ
り行った。陽極に従来品、比較品及び本発明電極、陰極
に白金板を使用し、60℃、5wt%硫酸溶液中、電流
密度200A/dm2 で通電腐食試験を行ない電圧10
V上昇までの時間を測定した。表1において○は寿命4
000hr以上の耐用性を示した電極である。表1から
本発明電極は4000時間以上の寿命があり耐用性に優
れることがわかる。
【0037】
【表1】
【0038】尚、比較のため表1に従来塗布焼き付けの
みの電極9、及び比較電極10〜19の耐用性試験結果
を示した。比較品12,16は非導電性材料であるAl
2O3の割合が多すぎて、また13は非導電性層の厚みが
厚く塗布焼き付けにより空隙が充填できず通電不可能で
あった。また、比較品17は被膜厚みが厚くPtメッキ
層が薄いため塗布焼き付けにより充填が完全に行われず
通電不可能であった。
みの電極9、及び比較電極10〜19の耐用性試験結果
を示した。比較品12,16は非導電性材料であるAl
2O3の割合が多すぎて、また13は非導電性層の厚みが
厚く塗布焼き付けにより空隙が充填できず通電不可能で
あった。また、比較品17は被膜厚みが厚くPtメッキ
層が薄いため塗布焼き付けにより充填が完全に行われず
通電不可能であった。
【0039】また、比較品11,15については中間層
の非導電性材料の割合が少なすぎ、比較品10,14に
ついては非導電性材料溶射層の厚みが薄く効果が発揮さ
れなかった。比較品18はPtメッキが厚すぎて、塗布
焼き付け被膜の密着性が劣り短寿命化した。比較品19
は溶射被膜が厚く試験前に剥離した。
の非導電性材料の割合が少なすぎ、比較品10,14に
ついては非導電性材料溶射層の厚みが薄く効果が発揮さ
れなかった。比較品18はPtメッキが厚すぎて、塗布
焼き付け被膜の密着性が劣り短寿命化した。比較品19
は溶射被膜が厚く試験前に剥離した。
【0040】
【発明の効果】本発明の不溶性電極は、高電流密度で電
解をおこなっても耐食性に優れ、長時間の使用に耐える
ものであり、電気メッキ用電極に限らず、電気精錬等の
他の用途の電極として極めて有用である。
解をおこなっても耐食性に優れ、長時間の使用に耐える
ものであり、電気メッキ用電極に限らず、電気精錬等の
他の用途の電極として極めて有用である。
【図1】本発明第1の電極構造を示すものである。
【図2】本発明第2の電極構造を示すものである。
【図3】従来電極構造を示すものである。
【図4】従来の電極の腐食メカニズムの説明図である。
1 電極母材 3 IrO2-Ta2O5塗布焼き付け被膜 4 IrO2塗布焼き付け被膜 5 クラック 6 絶縁性酸化物 7 非導電性材料及び主にIrO2からなる導電性酸化
物とで構成される層 8 非導電性材料及び導電性金属とで構成される層
物とで構成される層 8 非導電性材料及び導電性金属とで構成される層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25D 17/10 101 A
Claims (8)
- 【請求項1】 電極母材が導電性金属であり、電極最表
層が塗布焼き付け法により成膜した主にIrO2 からな
る導電層である電極において、前記電極母材と電極最表
層の間に電極母材に対し平行な層状構造を持つ多孔質非
導電性材料被膜及び、多孔質非導電性材料被膜の空隙を
充填する主にIrO2 からなる導電性酸化物とで構成さ
れる中間層を有することを特徴とする不溶性電極。 - 【請求項2】 中間層を構成する非導電性材料と主にI
rO2 からなる導電性酸化物の割合が体積比で60:4
0ないし95:5であることを特徴とする請求項第1項
記載の不溶性電極。 - 【請求項3】 中間層の厚みが5から100μmの間で
あることを特徴とする請求項第1項記載の不溶性電極。 - 【請求項4】 電極母材が導電性金属であり、電極最表
層が塗布焼き付け法により成膜した主にIrO2 からな
る導電層である電極において、前記電極母材と電極最表
層の間に電極母材に対し平行な層状構造を持つ多孔質非
導電性材料被膜及び、多孔質非導電性材料被膜の空隙の
うち被膜表面から5ないし90μmの厚みを充填する主
にIrO2 からなる導電性酸化物及び、残部を充填する
導電性金属から構成される中間層を有することを特徴と
する不溶性電極。 - 【請求項5】 中間層を構成する非導電性材料と導電性
金属の割合、及び非導電性材料と主にIrO2 からなる
導電性酸化物の割合が体積比で60:40ないし95:
5であることを特徴とする請求項第4項記載の不溶性電
極。 - 【請求項6】 中間層の厚みが10から100μmの間
であることを特徴とする請求項第4項記載の不溶性電
極。 - 【請求項7】 電極母材が導電性金属層、電極母材上に
電極母材に対し平行な層状構造を持つ多孔質非導電性材
料被膜及び、多孔質非導電性材料被膜の空隙を充填する
主にIrO2 からなる導電性酸化物とで構成される中間
層、最表層が塗布焼き付け法により成膜した主にIrO
2 からなる導電層である電極の製造方法において、電極
母材上に非導電性材料を溶射し空隙率40ないし5%の
非導電性材料の多孔性溶射被膜を形成したのち、主にI
r化合物からなる溶液を塗布、酸化性雰囲気中で熱処理
する操作を繰り返すことにより非導電性材料溶射被膜の
空隙を充填し中間層を形成することを特徴とする不溶性
電極の製造方法。 - 【請求項8】 電極母材が導電性金属層、電極母材上に
電極母材に対し平行な層状構造を持つ多孔質非導電性材
料被膜及び、多孔質非導電性材料被膜の空隙のうち被膜
表面から5ないし90μmの厚みを充填する主にIrO
2 からなる導電性酸化物及び、残部を充填する導電性金
属から構成される中間層、電極最表層が塗布焼き付け法
により成膜した主にIrO2 からなる導電層である電極
の製造方法において、電極母材上に非導電性材料を溶射
し空隙率40ないし5%の非導電性材料溶射被膜を形成
したのち、電極母材を陰極にして導電性金属を電気メッ
キし非導電性材料溶射被膜の空隙のうち被膜表面から5
ないし90μm厚みを残して充填後、更にその上から主
にIr化合物からなる溶液を塗布、酸化性雰囲気中で熱
処理する操作を繰り返すことにより非導電性材料溶射層
の残りの空隙を充填し中間層を形成することを特徴とす
る不溶性電極の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5278935A JPH06299396A (ja) | 1992-09-25 | 1993-09-13 | 不溶性電極及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4-279315 | 1992-09-25 | ||
JP27931592 | 1992-09-25 | ||
JP5278935A JPH06299396A (ja) | 1992-09-25 | 1993-09-13 | 不溶性電極及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06299396A true JPH06299396A (ja) | 1994-10-25 |
Family
ID=26553103
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5278935A Withdrawn JPH06299396A (ja) | 1992-09-25 | 1993-09-13 | 不溶性電極及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06299396A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103305866A (zh) * | 2013-06-24 | 2013-09-18 | 南昌航空大学 | 一种以氧化铝基复合材料为基体的二氧化铱系纳米涂层电极的制备方法 |
CN103526235A (zh) * | 2013-10-11 | 2014-01-22 | 昆明理工大学 | 一种钛/石墨烯/氧化物复合电极 |
-
1993
- 1993-09-13 JP JP5278935A patent/JPH06299396A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103305866A (zh) * | 2013-06-24 | 2013-09-18 | 南昌航空大学 | 一种以氧化铝基复合材料为基体的二氧化铱系纳米涂层电极的制备方法 |
CN103526235A (zh) * | 2013-10-11 | 2014-01-22 | 昆明理工大学 | 一种钛/石墨烯/氧化物复合电极 |
CN103526235B (zh) * | 2013-10-11 | 2016-09-21 | 昆明理工大学 | 一种钛/石墨烯/氧化物复合电极 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20001128 |