JPH06294000A - 不溶性酸化イリジウム被覆電極 - Google Patents
不溶性酸化イリジウム被覆電極Info
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- JPH06294000A JPH06294000A JP10490393A JP10490393A JPH06294000A JP H06294000 A JPH06294000 A JP H06294000A JP 10490393 A JP10490393 A JP 10490393A JP 10490393 A JP10490393 A JP 10490393A JP H06294000 A JPH06294000 A JP H06294000A
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- Japan
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- film
- electrode
- coated
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C25—ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
- C25D—PROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
- C25D17/00—Constructional parts, or assemblies thereof, of cells for electrolytic coating
- C25D17/10—Electrodes, e.g. composition, counter electrode
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、チタン金属もしくはチタン金属層
を設けた基材表面上、またはその金属表面上に酸化イリ
ジウムとの密着性が良い皮膜を被覆した表面上に、二層
以上の酸化イリジウム層を被覆することにより、ピンホ
ールの貫通を防止する酸化イリジウム不溶性電極を供給
することである。 【構成】 チタン金属を用いた基材表面上あるいはチタ
ン金属層を設けた基材表面上、またはその金属表面上に
酸化イリジウムとの密着性が良い皮膜を被覆した表面上
に、二層以上の酸化イリジウム層を形成し、各酸化イリ
ジウム層の厚みが20μm以下である不溶性酸化イリジ
ウム被覆電極である。 【効果】 従来の酸化イリジウム単層膜と比較して長寿
命な酸化イリジウム電極を供給できる。
を設けた基材表面上、またはその金属表面上に酸化イリ
ジウムとの密着性が良い皮膜を被覆した表面上に、二層
以上の酸化イリジウム層を被覆することにより、ピンホ
ールの貫通を防止する酸化イリジウム不溶性電極を供給
することである。 【構成】 チタン金属を用いた基材表面上あるいはチタ
ン金属層を設けた基材表面上、またはその金属表面上に
酸化イリジウムとの密着性が良い皮膜を被覆した表面上
に、二層以上の酸化イリジウム層を形成し、各酸化イリ
ジウム層の厚みが20μm以下である不溶性酸化イリジ
ウム被覆電極である。 【効果】 従来の酸化イリジウム単層膜と比較して長寿
命な酸化イリジウム電極を供給できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電気めっきなどに使
用する不溶性電極に関するものである。
用する不溶性電極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に金属材の電気めっきに際しては、
不溶性電極を使用し、陰極たる被めっき材の表面に、Z
n、Sn、Ni、Cr、Cuなどの金属を析出すること
が行われている。
不溶性電極を使用し、陰極たる被めっき材の表面に、Z
n、Sn、Ni、Cr、Cuなどの金属を析出すること
が行われている。
【0003】また金属の電気精錬に際し、精錬浴中にて
不溶性電極を使用し、Mn、Zn、Cuなどの金属を析
出することが行われている。
不溶性電極を使用し、Mn、Zn、Cuなどの金属を析
出することが行われている。
【0004】これらの不溶性電極として、最も一般的に
使用されているものとして、PbもしくはPb系合金が
あげられる。
使用されているものとして、PbもしくはPb系合金が
あげられる。
【0005】この電極は、電気めっき浴、電気精錬浴、
特に硫酸溶液中では、通電処理時その表面にPbO2が
生成する。
特に硫酸溶液中では、通電処理時その表面にPbO2が
生成する。
【0006】このPbO2は、不溶性電極の機能を発揮
しているが、生成したPbO2と基材のPbとの付着力
が弱く、電解溶液中に混入し、めっき不良、あるいは精
錬金属へ不溶物として混入し純度の低下を生じてしま
う。
しているが、生成したPbO2と基材のPbとの付着力
が弱く、電解溶液中に混入し、めっき不良、あるいは精
錬金属へ不溶物として混入し純度の低下を生じてしま
う。
【0007】そこでその対策として、電気めっき浴、電
気精錬浴、特に硫酸溶液中で最も電気化学的に安定であ
る白金族酸化物である酸化イリジウムを、基材のバルブ
金属(Ti、Ta、Zr等、不働態皮膜を形成し、耐食
性が優れ、破壊電圧の高い性質を持つ金属)の表面に被
覆した電極が、特公昭48―3954号公報に開示され
ている。
気精錬浴、特に硫酸溶液中で最も電気化学的に安定であ
る白金族酸化物である酸化イリジウムを、基材のバルブ
金属(Ti、Ta、Zr等、不働態皮膜を形成し、耐食
性が優れ、破壊電圧の高い性質を持つ金属)の表面に被
覆した電極が、特公昭48―3954号公報に開示され
ている。
【0008】さらに基材の金属の酸化抑制、あるいは密
着性を向上させるために中間層にTa2O5等を添加した
酸化イリジウムの皮膜を設け、その上に酸化イリジウム
層を形成した不溶性電極を使用する方法が、特公昭46
―21884号公報、特開昭63―235493号公報
に記載されている。
着性を向上させるために中間層にTa2O5等を添加した
酸化イリジウムの皮膜を設け、その上に酸化イリジウム
層を形成した不溶性電極を使用する方法が、特公昭46
―21884号公報、特開昭63―235493号公報
に記載されている。
【0009】これらの公報に開示されている塗布焼き付
け法による酸化イリジウム不溶性電極は、低電流密度
(〜100A/dm2)では長時間の使用が可能である
が、高電流密度下、特に硫酸溶液中200A/dm2で
通電すると、3000〜4000時間で急激な電圧上昇
が起こり電極が使用不可能となる。
け法による酸化イリジウム不溶性電極は、低電流密度
(〜100A/dm2)では長時間の使用が可能である
が、高電流密度下、特に硫酸溶液中200A/dm2で
通電すると、3000〜4000時間で急激な電圧上昇
が起こり電極が使用不可能となる。
【0010】この理由は、塗布焼き付け法の酸化イリジ
ウム皮膜の場合、成膜時に大気中で処理するため気孔が
多数あり、また電極として使用する場合、長時間の通電
によりジュール熱によって電極の温度が上昇し、基材金
属と酸化イリジウム層との熱膨張差によって亀甲状クラ
ツクも多数発生する。
ウム皮膜の場合、成膜時に大気中で処理するため気孔が
多数あり、また電極として使用する場合、長時間の通電
によりジュール熱によって電極の温度が上昇し、基材金
属と酸化イリジウム層との熱膨張差によって亀甲状クラ
ツクも多数発生する。
【0011】この気孔とクラックが原因となり基材金属
への直接通電が起こり、基材金属の腐食、あるいは基材
金属表面に絶縁性酸化物皮膜が増加することによって、
結果として電圧上昇を引き起こし、電極としての機能を
失ってしまう。
への直接通電が起こり、基材金属の腐食、あるいは基材
金属表面に絶縁性酸化物皮膜が増加することによって、
結果として電圧上昇を引き起こし、電極としての機能を
失ってしまう。
【0012】電極機能を長時間にわたり維持するために
は、気孔、クラックのない均質皮膜を作製することが必
要である。
は、気孔、クラックのない均質皮膜を作製することが必
要である。
【0013】従来特公昭46―21884号公報、日本
写真学会誌[Vol.51,No.1,p.3(198
8)]にイリジウム金属をスパッタリングするとともに
基板近傍で酸化させる反応性スパッタ法及び反応性蒸着
法が開示されている。
写真学会誌[Vol.51,No.1,p.3(198
8)]にイリジウム金属をスパッタリングするとともに
基板近傍で酸化させる反応性スパッタ法及び反応性蒸着
法が開示されている。
【0014】しかし、この方法で得られた酸化イリジウ
ム皮膜を設けた不溶性電極は、硫酸溶液中で100A/
dmの低電流密度での通電により短時間で電圧上昇によ
り通電できなくなってしまう。
ム皮膜を設けた不溶性電極は、硫酸溶液中で100A/
dmの低電流密度での通電により短時間で電圧上昇によ
り通電できなくなってしまう。
【0015】この理由としては、前記のスパッタリング
法及び蒸着法によって形成される酸化イリジウム皮膜
は、厚膜化(0.1μm以上)した場合に剥離しやす
く、また厚膜を成膜しようとすると時間がかかるなど工
程上の困難のため、作製できる最適膜厚が100〜10
00Åと非常に薄いものである。
法及び蒸着法によって形成される酸化イリジウム皮膜
は、厚膜化(0.1μm以上)した場合に剥離しやす
く、また厚膜を成膜しようとすると時間がかかるなど工
程上の困難のため、作製できる最適膜厚が100〜10
00Åと非常に薄いものである。
【0016】そして酸化イリジウム皮膜が薄いため、僅
かなピンホールなどの欠陥が存在することにより、その
欠陥部から基材金属が酸化され、電圧上昇により通電で
きなくなるものと考えられる。
かなピンホールなどの欠陥が存在することにより、その
欠陥部から基材金属が酸化され、電圧上昇により通電で
きなくなるものと考えられる。
【0017】このため、特願平4―18395号公報の
ように高緻密質で均質な皮膜を生成できるイオンプレー
ティング法を用いて成膜が行われている。
ように高緻密質で均質な皮膜を生成できるイオンプレー
ティング法を用いて成膜が行われている。
【0018】しかし、イオンプレーティング法を用いた
皮膜においても、僅かではあるがピンホールができるこ
とがあり、そのことによりめっき液が電極基材に達し、
電極基材の方がめっき液に対して酸化イリジウムよりは
るかに耐酸性が弱いため電極基材を腐食させることもあ
った。
皮膜においても、僅かではあるがピンホールができるこ
とがあり、そのことによりめっき液が電極基材に達し、
電極基材の方がめっき液に対して酸化イリジウムよりは
るかに耐酸性が弱いため電極基材を腐食させることもあ
った。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、酸化イリジ
ウム皮膜中のピンホールを起因とする腐食による電極特
性劣化を防止して、不溶性電極としての寿命を向上させ
ることが目的である。
ウム皮膜中のピンホールを起因とする腐食による電極特
性劣化を防止して、不溶性電極としての寿命を向上させ
ることが目的である。
【0020】
【課題を解決するための手段】チタン金属基材表面上ま
たはチタン金属層を設けた金属基材表面上、またはその
金属表面上に酸化イリジウムとの密着性が良い皮膜を被
覆した表面上に、酸化イリジウムが被覆され、その表面
上に酸化イリジウムを被覆し、最低二層であり、各被覆
層の厚みが20ミクロン以下であることを特徴とする酸
化イリジウム被覆電極である。
たはチタン金属層を設けた金属基材表面上、またはその
金属表面上に酸化イリジウムとの密着性が良い皮膜を被
覆した表面上に、酸化イリジウムが被覆され、その表面
上に酸化イリジウムを被覆し、最低二層であり、各被覆
層の厚みが20ミクロン以下であることを特徴とする酸
化イリジウム被覆電極である。
【0021】本発明は、図1に示すように、イオンプレ
ーティング法を用いて酸化イリジウムを被覆する場合、
電極基材または酸化イリジウム以外の皮膜の表面に被覆
された酸化イリジウム皮膜にピンホールが存在したとし
ても、その酸化イリジウム皮膜直上の酸化イリジウム皮
膜でピンホールをくい止め、その結果めっき液が電極基
材または酸化イリジウム以外の皮膜に浸透しないので腐
食を防止することができる。
ーティング法を用いて酸化イリジウムを被覆する場合、
電極基材または酸化イリジウム以外の皮膜の表面に被覆
された酸化イリジウム皮膜にピンホールが存在したとし
ても、その酸化イリジウム皮膜直上の酸化イリジウム皮
膜でピンホールをくい止め、その結果めっき液が電極基
材または酸化イリジウム以外の皮膜に浸透しないので腐
食を防止することができる。
【0022】以上のように、電極の寿命を延ばすために
酸化イリジウム皮膜を二層以上にしたことが特徴であ
る。
酸化イリジウム皮膜を二層以上にしたことが特徴であ
る。
【0023】酸化イリジウム層を多層にした理由は次の
通りである。イオンプレーティング法で酸化イリジウム
を成膜すると、僅かではあるが皮膜にピンホールができ
ることがある。
通りである。イオンプレーティング法で酸化イリジウム
を成膜すると、僅かではあるが皮膜にピンホールができ
ることがある。
【0024】このことによってめっき液がピンホールを
通り基材ないしは酸化イリジウム以外の皮膜に達してし
まうことがある。
通り基材ないしは酸化イリジウム以外の皮膜に達してし
まうことがある。
【0025】例えば硫酸での耐食性はTi<TiN<I
r<IrO2の順で酸化イリジウムが最も耐食性がよ
い。よってピンホールがあると基材ないし酸化イリジウ
ム以外の皮膜は急速に腐食してしまう。
r<IrO2の順で酸化イリジウムが最も耐食性がよ
い。よってピンホールがあると基材ないし酸化イリジウ
ム以外の皮膜は急速に腐食してしまう。
【0026】そこで酸化イリジウムを一度成膜し、更に
その表面に酸化イリジウム成膜する。
その表面に酸化イリジウム成膜する。
【0027】これは、酸化イリジウム成膜時に被覆を一
時中断して再び酸化イリジウムを被覆すると、連続成膜
時のように酸化イリジウムが単層膜にならず、同じ酸化
イリジウム層であるが、一度目の酸化イリジウム皮膜と
電極基材全体が基材として振る舞いその表面上に酸化イ
リジウムを再び被覆すると、イオンプレーティングでの
成膜温度は700℃以下で行うので酸化イリジウム層同
士が拡散することなく界面ができあたかも別の層のよう
になり、図1のような断面になる。
時中断して再び酸化イリジウムを被覆すると、連続成膜
時のように酸化イリジウムが単層膜にならず、同じ酸化
イリジウム層であるが、一度目の酸化イリジウム皮膜と
電極基材全体が基材として振る舞いその表面上に酸化イ
リジウムを再び被覆すると、イオンプレーティングでの
成膜温度は700℃以下で行うので酸化イリジウム層同
士が拡散することなく界面ができあたかも別の層のよう
になり、図1のような断面になる。
【0028】このように酸化イリジウム皮膜を二層以上
に被覆すると基材直上の皮膜にピンホールができたとし
てもその上部にある酸化イリジウム皮膜でくい止めるこ
とができ、基材へのめっき液の浸透を防げるのである。
に被覆すると基材直上の皮膜にピンホールができたとし
てもその上部にある酸化イリジウム皮膜でくい止めるこ
とができ、基材へのめっき液の浸透を防げるのである。
【0029】上記の皮膜は電極として用いる場合、酸化
イリジウムと電極基材であるチタンとの密着性が問題に
なるときがある。
イリジウムと電極基材であるチタンとの密着性が問題に
なるときがある。
【0030】この密着性を向上するためにイリジウムま
たは窒化チタンなどをチタン基材に被覆してその表面上
に酸化イリジウムを被覆することもある。これは、密着
性向上のためには良い手段であるが、上記に述べたよう
にイリジウムも窒化チタンも酸化イリジウムより耐酸性
が弱いため酸化イリジウム単層をイリジウムや窒化チタ
ン上に被覆した場合でも、めっき液が酸化イリジウム層
のピンホールを通してイリジウムまたは窒化チタンを腐
食してしまうので、密着性向上のためこれらの処理をし
た場合においても酸化イリジウム単層膜を被覆する場所
に酸化イリジウムを二層以上にするとピンホールの貫通
がなくなり電極としての寿命が向上する。
たは窒化チタンなどをチタン基材に被覆してその表面上
に酸化イリジウムを被覆することもある。これは、密着
性向上のためには良い手段であるが、上記に述べたよう
にイリジウムも窒化チタンも酸化イリジウムより耐酸性
が弱いため酸化イリジウム単層をイリジウムや窒化チタ
ン上に被覆した場合でも、めっき液が酸化イリジウム層
のピンホールを通してイリジウムまたは窒化チタンを腐
食してしまうので、密着性向上のためこれらの処理をし
た場合においても酸化イリジウム単層膜を被覆する場所
に酸化イリジウムを二層以上にするとピンホールの貫通
がなくなり電極としての寿命が向上する。
【0031】この皮膜はイオンプレーティング法により
成膜されるため、酸化イリジウム各被覆層の皮膜の厚さ
は20μm以下である。
成膜されるため、酸化イリジウム各被覆層の皮膜の厚さ
は20μm以下である。
【0032】この理由として、20μmを超えた場合、
イオンプレーティング法によって成膜された皮膜は厚す
ぎると組織が柱状晶になり脆くなるからである。
イオンプレーティング法によって成膜された皮膜は厚す
ぎると組織が柱状晶になり脆くなるからである。
【0033】また、製造方法は好ましくは蒸発源直上に
蒸発されたものをくい止めるシャッターを備えており、
まず酸素雰囲気中で酸化イリジウムを被覆し、一度シャ
ッターを閉じて再びシャッターを開けて、その表面上に
酸素雰囲気中で酸化イリジウムを成膜させるのである。
このようにシャッターで一度成膜を中断させると、同じ
酸化イリジウム層であるが、界面ができ図1のようにな
る。
蒸発されたものをくい止めるシャッターを備えており、
まず酸素雰囲気中で酸化イリジウムを被覆し、一度シャ
ッターを閉じて再びシャッターを開けて、その表面上に
酸素雰囲気中で酸化イリジウムを成膜させるのである。
このようにシャッターで一度成膜を中断させると、同じ
酸化イリジウム層であるが、界面ができ図1のようにな
る。
【0034】なお、中断させる時間は、装置により異な
るが中断前の皮膜が安定する時間であり、好ましくは1
〜10分が適当である。
るが中断前の皮膜が安定する時間であり、好ましくは1
〜10分が適当である。
【0035】しかし、シャッターがなく使えない場合は
最初に酸化イリジウムを被覆し、一度蒸発源を蒸発する
のをやめてから再び次の被覆で酸化イリジウム層を被覆
しても良い。
最初に酸化イリジウムを被覆し、一度蒸発源を蒸発する
のをやめてから再び次の被覆で酸化イリジウム層を被覆
しても良い。
【0036】また、処理温度としてはイリジウムが金属
に拡散しない温度、つまり700℃以下で成膜するのが
最適である。
に拡散しない温度、つまり700℃以下で成膜するのが
最適である。
【0037】
【作用】本発明のような皮膜にすることによりイオンプ
レーティング法で酸化イリジウム皮膜を被覆する場合、
酸化イリジウム最表面から素地基材まで連続したピンホ
ールの形成を防止でき、電極基材のチタン表面または酸
化イリジウム以外の皮膜を腐食することなく、電極寿命
が向上する。
レーティング法で酸化イリジウム皮膜を被覆する場合、
酸化イリジウム最表面から素地基材まで連続したピンホ
ールの形成を防止でき、電極基材のチタン表面または酸
化イリジウム以外の皮膜を腐食することなく、電極寿命
が向上する。
【0038】
【実施例】本発明の以下実施例により詳細に説明する。
また、不溶性電極の評価方法は以下に説明する方法によ
り行った。
また、不溶性電極の評価方法は以下に説明する方法によ
り行った。
【0039】評価方法 電極の耐溶性評価は、作成した電極を陽極に用い、陰極
に白金板を使用し、60℃、5wt%硫酸溶液中、電気
密度200A/dm2で通電腐食試験を行った。
に白金板を使用し、60℃、5wt%硫酸溶液中、電気
密度200A/dm2で通電腐食試験を行った。
【0040】これは、電圧初期値20Vからの変化を測
定し、35Vまでの電圧上昇の通電時間により評価し
た。また、作成した電極の皮膜の密着性評価はスクラッ
チテスターで行った。
定し、35Vまでの電圧上昇の通電時間により評価し
た。また、作成した電極の皮膜の密着性評価はスクラッ
チテスターで行った。
【0041】基材 150×10×2mmのバルブ金属であるTi基材を用
い、その表面を蓚酸で予め洗浄した。
い、その表面を蓚酸で予め洗浄した。
【0042】試料作成法 基材表面上に、イオンプレーティング法により酸化イリ
ジウム皮膜を成膜した。この成膜法の詳細を以下に記
す。
ジウム皮膜を成膜した。この成膜法の詳細を以下に記
す。
【0043】
【実施例(酸化イリジウム多層構造)】実施例は基材の
種類で3種類行った。すなわちチタン基材及びチタン基
材との密着性を考慮してイリジウムまたは窒化チタンを
初期に被覆した試料の表面に、多層にした酸化イリジウ
ムを被覆した。
種類で3種類行った。すなわちチタン基材及びチタン基
材との密着性を考慮してイリジウムまたは窒化チタンを
初期に被覆した試料の表面に、多層にした酸化イリジウ
ムを被覆した。
【0044】これは坩堝にイリジウムを挿入し、電子ビ
ームで溶解して蒸発させ、さらに坩堝直上のイオン化電
極により、50V・10Aの条件でイオン化させた。
ームで溶解して蒸発させ、さらに坩堝直上のイオン化電
極により、50V・10Aの条件でイオン化させた。
【0045】そして、チタン基材をイリジウムと対向し
て設置し、バイアス電圧500V、成膜速度10Å/s
ecで酸化イリジウムを1〜20μm被覆した。
て設置し、バイアス電圧500V、成膜速度10Å/s
ecで酸化イリジウムを1〜20μm被覆した。
【0046】その後、一度シャッターを5分間閉じてか
ら再びシャッターを開け同条件で酸化イリジウムを被覆
した。なおこのときの酸素雰囲気は8×10-4Tor
r、成膜温度を500℃した。この結果を第1表に示
す。
ら再びシャッターを開け同条件で酸化イリジウムを被覆
した。なおこのときの酸素雰囲気は8×10-4Tor
r、成膜温度を500℃した。この結果を第1表に示
す。
【0047】
【比較例(酸化イリジウム単層)】実施例と同じ基材を
用いて、試料表面に酸化イリジウムを単層被覆した。こ
れは坩堝にイリジウムを挿入し、電子ビームで溶解して
蒸発させ、さらに坩堝直上のイオン化電極により、50
V・10Aの条件でイオン化させた。
用いて、試料表面に酸化イリジウムを単層被覆した。こ
れは坩堝にイリジウムを挿入し、電子ビームで溶解して
蒸発させ、さらに坩堝直上のイオン化電極により、50
V・10Aの条件でイオン化させた。
【0048】そして、チタン基材をイリジウムと対向し
て設置し、バイアス電圧500V、成膜速度10Å/s
ecで酸化イリジウムをで全膜厚1〜20μm被覆し
た。
て設置し、バイアス電圧500V、成膜速度10Å/s
ecで酸化イリジウムをで全膜厚1〜20μm被覆し
た。
【0049】なおこのときの酸素雰囲気は8×10To
rr、成膜温度を500℃した。この結果を第2表に示
す。
rr、成膜温度を500℃した。この結果を第2表に示
す。
【0050】結果 上記の試験結果を第1表、第2表にまとめて示す。この
結果より実施例は比較例より通電時間が向上した。
結果より実施例は比較例より通電時間が向上した。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】本発明はイオンプレーティング法で酸化
イリジウムを被覆する場合、従来技術では電極基材など
がピンホールからの腐食により電極機能として劣化させ
た状況においても、基材表面が腐食することなく、過酷
な使用状況でも耐え得る酸化イリジウム被覆電極であ
る。
イリジウムを被覆する場合、従来技術では電極基材など
がピンホールからの腐食により電極機能として劣化させ
た状況においても、基材表面が腐食することなく、過酷
な使用状況でも耐え得る酸化イリジウム被覆電極であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化イリジウム被覆した本発明実施例チタン電
極の断面模式図である。
極の断面模式図である。
1 チタン基材 2 酸化イリジウム被覆層 3 酸化イリジウム被覆層 4 ピンホール
Claims (1)
- 【請求項1】 チタン金属基材表面上またはチタン金属
層を設けた金属基材表面上、またはその金属表面上に酸
化イリジウムとの密着性が良い皮膜を被覆した表面上
に、二層以上の酸化イリジウム被覆層を形成し、各酸化
イリジウム層の厚みが20ミクロン以下であることを特
徴とする不溶性酸化イリジウム被覆電極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10490393A JPH06294000A (ja) | 1993-04-08 | 1993-04-08 | 不溶性酸化イリジウム被覆電極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10490393A JPH06294000A (ja) | 1993-04-08 | 1993-04-08 | 不溶性酸化イリジウム被覆電極 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06294000A true JPH06294000A (ja) | 1994-10-21 |
Family
ID=14393099
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10490393A Withdrawn JPH06294000A (ja) | 1993-04-08 | 1993-04-08 | 不溶性酸化イリジウム被覆電極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06294000A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002361069A (ja) * | 2001-06-11 | 2002-12-17 | Japan Organo Co Ltd | 超臨界水反応装置及び容器 |
-
1993
- 1993-04-08 JP JP10490393A patent/JPH06294000A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002361069A (ja) * | 2001-06-11 | 2002-12-17 | Japan Organo Co Ltd | 超臨界水反応装置及び容器 |
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