JPH0649553A - 溶解処理装置 - Google Patents

溶解処理装置

Info

Publication number
JPH0649553A
JPH0649553A JP20251592A JP20251592A JPH0649553A JP H0649553 A JPH0649553 A JP H0649553A JP 20251592 A JP20251592 A JP 20251592A JP 20251592 A JP20251592 A JP 20251592A JP H0649553 A JPH0649553 A JP H0649553A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molten metal
furnace
scrap
tip tool
open well
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20251592A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunio Hayashi
邦雄 林
Yasuhiro Nishibuchi
泰弘 西淵
Toru Okada
徹 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hokko KK
Original Assignee
Hokko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hokko KK filed Critical Hokko KK
Priority to JP20251592A priority Critical patent/JPH0649553A/ja
Publication of JPH0649553A publication Critical patent/JPH0649553A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Abstract

(57)【要約】 【構成】 オープンウエル炉4の前壁4cに沿って往復
動する本体9に、この本体9からオープンウエル炉4上
方へと延びると共に先端に下方に垂下する先端ツール3
4を備えた駆動伝達軸32を設け、上記本体9に、先端
ツール34がオープンウエル炉4内の湯面に合わせて位
置するように昇降させる昇降機構と、先端ツール34に
ロコモーション動作が生じるように駆動する浸漬攪拌機
構33とを設ける。 【効果】 オープンウエル炉4にスクラップを投入した
後、従来行われていたスクラップの浸漬および溶湯の攪
拌作業を行わずとも、スクラップの速やかな溶解を行わ
せることができるので、作業性が向上し、省力化を図る
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばアルミニウム切
粉やアルミ缶等のスクラップをオープンウエル炉の溶湯
中に投入して溶解するとき等に用いられる溶解処理装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウムの溶解は、例えばバーナを
備えた溶解炉で行われる。このとき、アルミニウム切粉
やアルミ缶・アルミサッシシュレッド品等のアルミニウ
ムスクラップを、新規なアルミニウム原料に混合して大
気雰囲気下で加熱溶解する場合には、比較的小形状で表
面積の大きなスクラップの酸化の度合いが大きく、この
ため、充分な歩留りが得られない。
【0003】そこで、上記のようなスクラップは、バー
ナを備えた本炉に連設されているオープンウエル炉に投
入することによって溶解される。すなわち、本炉内から
アルミニウム溶湯をオープンウエル炉へと導き、この溶
湯中に上記のようなスクラップを投入することで、この
スクラップを迅速に溶解させ、これによって、酸化の度
合いを極力小さくするようになっている。
【0004】ところで、上記のようにオープンウエル炉
内の溶湯中にスクラップを投入しただけでは、これらス
クラップは溶湯の表面に浮いた状態となる。この状態で
は、スクラップは速やかには溶解されずに酸化の度合い
が大きくなることから、従来は、スクラップの投入後、
作業者が攪拌棒を使って、湯面に浮いているスクラップ
を湯中に押し込み、また、溶湯の局部的な温度低下を生
じさせないように、溶湯を攪拌するという作業を行って
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなスクラップの溶解作業は、高温の作業環境の中
で、スクラップの投入後、より短時間の間に速やかに行
うことが必要であることから、多大の労力を要する作業
となっており、省力化を容易には図れないという問題を
生じている。
【0006】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであって、その目的は、オープンウエル炉での溶
解作業の作業性を向上し得ると共に、省力化をなし得る
溶解処理装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の溶解処理装置は、オープンウエル炉の囲
壁に沿って往復動する本体と、この本体から上記囲壁を
越えてオープンウエル炉上方へと延びると共に先端に下
方に垂下する先端ツールを備えた駆動伝達軸とが設けら
れ、上記本体内には、先端ツールがオープンウエル炉内
の湯面に応じた位置に位置するように駆動伝達軸を昇降
させる昇降手段と、湯面上方から湯中への所定のストロ
ークでの周期的な上下動が上下方向に直交する方向の往
復動を伴って先端ツールに生じるように駆動伝達軸を駆
動する浸漬攪拌手段とが設けられていることを特徴とし
ている。
【0008】
【作用】オープンウエル炉にスクラップを投入した後、
まず、上記の溶解処理装置における昇降手段によって、
先端ツールの高さをオープンウエル炉の湯面に合わせて
位置させる。そして、本体を囲壁に沿って往復動させな
がら、浸漬攪拌手段によって、先端ツールに上下動作を
生じさせる。これにより、湯面に浮いているスクラップ
は、本体の往復動方向に順次先端ツールによって湯中に
押し込まれる。この結果、投入されたスクラップは、溶
湯の熱によって速やかに溶解する。
【0009】このように、上記の装置を用いれば、スク
ラップの溶解に当たって、オープンウエル炉にスクラッ
プを投入するという作業を行うだけでよく、従来行われ
ていたその後のスクラップの浸漬が自動的に行われる。
また、上記の先端ツールは、単に上下動するだけではな
く、上下方向に直交する方向の往復動をも伴う動作をす
るので、この動作に応じた流動が溶湯に生じて、溶湯の
攪拌も同時に行われる。したがって、スクラップの溶解
に伴う局部的な溶湯の温度低下を防止するための攪拌作
業も行う必要はないので、作業性が向上し、省力化を図
ることが可能となる。
【0010】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図7に
基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0011】図7(a)(b)に示すように、例えばアル
ミニウム反射炉2の本炉3にはオープンウエル炉4が連
設されており、このオープンウエル炉4に近接する位置
に、本実施例に係る溶解処理装置1が配置されている。
本炉3は、前面側(図において右側)を除いてほぼ密室
状に炉壁3aを構築して成っており、また、炉奥側に加
熱用のバーナ5が設けられている。
【0012】オープンウエル炉4は、本炉3の前面側
に、三方を囲う左右の側壁4a・4bおよび前壁4cか
ら成る囲壁を連ねて、本炉3の幅方向(図7(b)にお
いて上下の方向)に長い長方形の平面形状で構成され、
本炉3とは、本炉3の前面側の炉壁3aに形成されてい
る開口3bを通して相互に連通している。この開口3b
の位置には、これを前面側から覆い得る昇降自在なスキ
ムドア6が設けられている。なお、オープンウエル炉4
の上方には排気フード7が配備されている。
【0013】前記溶解処理装置1は、オープンウエル炉
4の前壁4cに沿って平行に敷設されているレール8・
8上に配置されている。この溶解処理装置1の本体9に
は、図1に示すように、その底部位置に水平板状の基台
10が設けられ、この基台10の下面四隅に、上記レー
ル8・8を各々跨ぐ走行サドル11…が取付けられてい
る。前壁4c側の一方のレール8上の走行サドル11に
は、後述する制御盤からの信号に応じて走行サドル11
を回転駆動する走行サドルモータ12が取付けられ、こ
れによって、本体9は、オープンウエル炉4の前壁4c
に沿う方向、すなわち、オープンウエル炉4の長手方向
に自走し得るようになっている。
【0014】上記基台10上には、その四隅に、上方に
延びる昇降ポール13…がそれぞれ立設されている。こ
れら昇降ポール13…の間に、図2に示すように、昇降
テーブル14が略水平に配設されている。この昇降テー
ブル14の左右の各端部にはテーブル側壁14a・14
aが突設され、これらテーブル側壁14a・14aに
は、図3に示すように、各前後端の部位に、各対向する
昇降ポール13…内へと延びる延出部14b…が設けら
れ、これら延出部14b…の先端に、上記昇降ポール1
3内を上下方向に案内されるローラ14c…が取付けら
れている。
【0015】一方、オープンウエル炉4に向かって右側
にそれぞれ位置する前後の各昇降ポール13・13内に
は、図2に示すように、それぞれ、油圧シリンダから成
る昇降用シリンダ(昇降手段)15がシリンダロッド1
5aを上方に向けて設けられている。各シリンダロッド
15aの上端には第1スプロケット16aがそれぞれ回
転自在に取付けられ、また、右側の各昇降ポール13の
各下端にそれぞれ第2スプロケット16b、左側の昇降
ポール13の各下端および各上端に、それぞれ第3スプ
ロケット16c・第4スプロケット16dがそれぞれ設
けられている。そして、昇降テーブル14における右側
のテーブル側壁14aの上端部にチェーン17の一端が
固定され、このチェーン17は、上記第1〜第4スプロ
ケット16a〜16dに順次巻き掛けられた後、他端
が、昇降テーブル14における左側のテーブル側壁14
aの上端部に固定されている。これにより、前後の各昇
降用シリンダ15を同時に作動してシリンダロッド15
a先端の第1スプロケット16aを上下動させることに
よって、昇降テーブル14が略水平状態を保持して昇降
するようになっている。
【0016】上記昇降テーブル14上には、さらに中間
テーブル18が載置されている。この中間テーブル18
は、図1に示すように、後端側で昇降テーブル14に枢
軸19により回動可能に軸支されている。したがって、
この中間テーブル18の前端側に、その重量に抗する上
方へと向かう外力が作用する場合には、この中間テーブ
ル18は、上記枢軸19を中心に、前端側が持ち上がる
ような傾斜変形を生じる。
【0017】上記中間テーブル18上には、図2に示す
ように、前後方向(図において紙面に直交する方向)に
延びる案内レール20・20が固設されており、これら
案内レール20・20上にロコモーション架台21が摺
動自在に載置されている。このロコモーション架台21
は、その後端部に設けられている油圧シリンダから成る
前後動用シリンダ22によって、上記案内レール20・
20上を前後方向(オープンウエル炉4に接離する方
向)に移動し得るようになっている。
【0018】上記ロコモーション架台21には、その後
端部右側に、上方に立ち上げられたモータ取付部21a
が設けられ、このモータ取付部21aの上面に、駆動用
モータ23が取付けられている。そして、図3に示すよ
うに、この駆動用モータ23よりも前方に、互いに平行
に幅方向に延びる第1・第2の二本の回転軸24a・2
4bが、上記ロコモーション架台21に回転自在に取付
けられている。これら回転軸24a・24bには、各
々、右端側に歯車25・25が、また、左端側に偏心ロ
ータ26・26がそれぞれ固着されている。前後に並ぶ
上記の歯車25・25は、互いに同一形状の平歯車で構
成されており、中間歯車27を介して相互に噛合してい
る。
【0019】また、駆動用モータ23側の第1回転軸2
4aの右端部には、駆動用モータ23の駆動軸に取付け
られている駆動側スプロケット28との間でチェーン2
9の巻き掛けられた従動側スプロケット30が固着され
ている。これにより、駆動用モータ23が作動される
と、第1回転軸24aが回転駆動され、同時に、中間歯
車27を介して歯車25・25間で回転力が第2回転軸
24bに伝達されて、この第2回転軸24bも、第1回
転軸24aと同一の回転速度で回転駆動される。
【0020】前記偏心ロータ26・26は、図1に示す
ように、それぞれ所定の偏心を与えて回転軸24a・2
4bに固着されている。これら偏心ロータ26・26の
外周面は円筒状に形成されており、これら外周面に、平
軸受構造のリング体31・31がそれぞれ外嵌されてい
る。一方、これらリング体31・31の下側に、前方へ
と水平に延びる駆動伝達軸32が配設されており、この
駆動伝達軸32における中央部および後端側の各上面
に、各リング体31・31の外周面下部側の突設部31
a・31aがそれぞれ固定されている。したがって、駆
動伝達軸32は、突設部31a・リング体31・偏心ロ
ータ26を順次介して、各回転軸24a・24bに懸垂
された支持状態となっている。
【0021】上記駆動伝達軸32の先端には、先端ツー
ル34の取付けられた略円筒状のツール取付筒35が、
カップリング36を介して連結されている。ツール取付
筒35には、図4(a)(b)に示すように、先端が開口
した取付穴35aが形成されると共に、その壁面におけ
る下端側には、開口端から軸方向に延びる形状の切欠3
5bが設けられている。一方、先端ツール34は、上端
側に上記ツール取付筒35に嵌挿される円柱状の挿入取
付部34aと、この挿入取付部34aの外周面における
下部側から下方向に垂下する断面逆Y字状の垂下板34
bとを有する形状で形成されている。垂下板34bの下
端側における相互に広がり方向に傾斜する二股部34c
・34cの各水平な下縁には、山形形状で上方向に凹入
する湯切り用切欠34d…が所定の間隔で複数設けられ
ている。
【0022】先端ツール34は、ツール取付筒35の切
欠35bに垂下板34bの位置を合わせて、挿入取付部
34aを取付穴35aに挿入した後、ツール取付筒35
の先端側に抜け止めピン37を取付けることで、ツール
取付筒35に組付けられている。このとき、切欠35b
は、鉛直下方から周方向に約30度の範囲で扇形に形成
されており、したがって、先端ツール34は、垂下板3
4bがその自重により切欠35bにおける一方の垂直面
に当接して鉛直下方向に向く位置から、切欠35bにお
ける他方の傾斜面に当接して傾斜する位置との間で、回
動自在な取付け状態となっている。
【0023】上記のような先端ツール34の取付けられ
た駆動伝達軸32には、前記駆動モータ23を作動する
ことによって、略水平を保持した状態で、垂直面内での
全体的な円運動(以下、ロコモーション運動という)が
生じる。すなわち、図5に示すように、回転軸24a・
24bが駆動用モータ23により回転駆動されると、各
偏心ロータ26・26は、その偏心量をReとすると、
中心点Oc・Ocが、回転軸24a・24bをそれぞれ
中心とする半径Reの円に沿う移動を伴いながら回転軸
24a・24bの回りをそれぞれ回転する。したがっ
て、これら偏心ロータ26・26にそれぞれ外嵌されて
いるリング体31・31に連結されている駆動伝達軸3
2には、水平を保持した状態で垂直面内での全体的な円
運動が生じる。この結果、回転軸24a・24bの回転
に伴う偏心ロータ26・26の中心点Oc・Ocが、図
示のように、P1 →P2 →P3 →P4 →P1 と周期的に
円運動するのに伴って、先端ツール34も、例えばその
下縁の先端点で示すように、半径Reの円に沿って、Q
1 →Q2 →Q3 →Q4 →Q1 と移動し、この先端ツール
34に、上記のロコモーション運動が生じる。
【0024】このように、本実施例においては、前記駆
動用モータ23、および、この駆動用モータ23により
駆動される回転軸24a・24bに固着された偏心ロー
タ26、この偏心ロータ26に外嵌されているリング体
31によって、後述するように、先端ツール34に、湯
面上方から湯中への所定のストロークでの周期的な上下
動が前後方向の往復動を伴って生じるように駆動する浸
漬攪拌手段33が構成されている。
【0025】なお、図3に示すように、上記溶解処理装
置1における基台10上は、駆動伝達軸32の上下動を
許容する貫通穴を備えたケーシング38によって、ほぼ
密閉状に覆われている。また、このケーシング38の一
側端に形成されている空気取入口38aには、フィルタ
ー39の設けられたブロアー40が取付けられ、このブ
ロアー40を作動することによって、フィルター39を
通して清浄な空気がケーシング38内に取入れられる。
これにより、ケーシング38内は正圧に維持されて、外
部からの粉塵等の浮遊した空気の侵入が防止され、清浄
な空気による内部機器の冷却が行われるようになってい
る。また、ケーシング38内における基台10上には、
前記昇降用シリンダ17・前後動用シリンダ22に圧力
油を供給する油圧ユニット41が設けられており、ま
た、図示してはいないが、この溶解処理装置1の動作を
プログラム設定できる遠隔制御盤が接続されている。
【0026】上記構成の溶解処理装置1の動作につい
て、次に説明する。
【0027】まず、本炉3内にアルミニウム原料が投入
され、これがバーナ5による加熱によって溶解される。
なお、アルミニウムスクラップの中で、比較的形状の大
形なもの・肉厚のものは、本炉3内に投入して溶解され
る。この本炉3側での溶解が行われる間、本炉3内にお
ける密閉状態での溶解を保つために、当初は前記のスキ
ムドア6はその下端位置で保持される。また、この間、
溶解処理装置1はオープンウエル炉4における側方での
待機位置に位置されている。その後、溶解の進行に伴っ
て溶湯の湯面が上昇してくると、スキムドア6を上昇さ
せる操作が行われ、これによって、本炉3内とオープン
ウエル炉4内の溶湯が開口3bを通して相互に流動し得
る状態となる。
【0028】そして、オープンウエル炉4内の湯面が、
このオープンウエル炉4の深さの例えば50%程度に達
した時点で、オープンウエル炉4内に、アルミ缶やアル
ミサッシシュレッド品・アルミニウム切粉等の比較的小
形状・軽量のアルミニウムスクラップが投入される。こ
れらアルミニウムスクラップは、オープンウエル炉4内
の湯面に盛り上がった状態となる。
【0029】この状態で、溶解処理装置1の運転が開始
される。すなわち、昇降用シリンダ15の作動により、
昇降テーブル14を上昇させて、先端ツール34をオー
プンウエル炉4の囲壁よりも上方に位置させ、走行サド
ルモータ12を駆動して、この溶解処理装置1をオープ
ンウエル炉4の一方の側壁4a又は4bの内側に位置さ
せる。その後、昇降テーブル14は、先端ツール34の
下端が湯中にわずかに浸漬する位置に下降され保持され
る。次いで、駆動用モータ23が作動され、これによ
り、先端ツール34は、オープンウエル炉4の湯面の位
置で、前記の半径Reの円運動、すなわち、ロコモーシ
ョン運動を開始する。同時に、溶解処理装置1の全体
が、レール8上をオープンウエル炉4の幅にわたって往
復するように、走行サドルモータ12が制御される。
【0030】上記のように、先端ツール34にロコモー
ション運動を行わせながら、オープンウエル炉4内の幅
方向に本体9を往復動させることにより、湯面上に盛り
上がっているスクラップは、その上方からの先端ツール
34の下降動作によって湯中に順次押し込まれる。これ
が、オープンウエル炉4の幅方向にわたって行われるこ
とによって、湯面上のスクラップは湯中に順次浸漬さ
れ、溶湯の熱により溶解していく。また、先端ツール3
4は、上下動に加えて、前後方向の動きも伴うロコモー
ション運動をし、また、特に、溶湯中に浸漬する先端ツ
ール34の下端側を二股部34c・34cとして拡幅形
状としていることによって、溶湯の攪拌が促される。こ
の結果、スクラップの溶解に伴う局部的な温度の低下が
防止され、これによっても、スクラップはより迅速に溶
解して、酸化による歩留りの低下が抑えられる。
【0031】上記のようにロコモーション運動を伴う往
復動でスクラップを溶解させ、さらに、溶湯の攪拌を所
定時間行った後、新たなスクラップを投入する場合に
は、溶解処理装置1は、昇降テーブル15を上昇させ
て、オープンウエル炉4の側方の待機位置に戻される。
そして、新たなスクラップの投入後、再び、オープンウ
エル炉4の正面に移動され、先のスクラップの溶解で上
昇した湯面に合わせて昇降テーブル14を下降して、前
記同様の処理が繰返される。
【0032】なお、ロコモーション架台21は、前述の
ように、先端側が上方に持ち上がる回動動作が生じ得る
ように、後端側で枢軸19により昇降テーブル14に取
付けられている。したがって、先端ツール34によるス
クラップの押し込み力は、ロコモーション架台21上の
重量に依存したものとなっている。このため、先端ツー
ル34にロコモーション運動をさせてスクラップを湯中
に押し込む場合に、例えば溶湯の過度の温度低下等が生
じて、重量に依存する押し込み力を超えるような反力が
先端ツール34に作用する場合には、ロコモーション架
台21に上記の回動が生じ、これによって、先端ツール
34に過大な反力が作用することによる破損が防止され
るようになっている。
【0033】次に、オープンウエル炉4の湯面に生じた
浮上ドロスの掻き出し時の動作について説明する。オー
プンウエル炉4における左側壁4aの側部には、図7
(b)に示すように、ドロス受け箱42が設置されてい
る。このドロス受け箱42内に、オープンウエル炉4内
の湯面から浮上ドロスが上記左側壁4aを越えて掻き出
される。この掻き出し動作は、溶解処理装置1における
先端ツール34のロコモーション運動を停止した状態
で、走行サドルモータ12による幅方向の移動と、昇降
用シリンダ15による先端ツール34の上下方向の移動
とをプログラム制御することによって行われる。すなわ
ち、先端ツール34をオープンウエル炉4における右側
壁4bの内側に位置させ、この位置で、先端ツール34
の下端部が若干湯面中に没する高さ位置にして、左側壁
4aに向けて本体9を移動する。そして、図6に示すよ
うに、先端ツール34の下端が左側壁4aの内壁面に当
たると、先端ツール34の下端部が左側壁4aの内壁面
から上面に沿って摺接しながら移動するように、走行サ
ドルモータ12の動作に先端ツール34の高さ変化を伴
わせた駆動制御が行われる。
【0034】なお、浮上ドロス掻き出し側の左側壁4a
は内壁面を傾斜させて構成されており、この傾斜面に沿
う移動が先端ツール34の下端に生じるように、水平方
向の移動と高さ方向の移動とが制御される。このとき、
先端ツール34は、ツール取付筒35における切欠35
bの範囲内で傾動可能になっている。このため、図に示
されているように、水平方向の送りに対して高さ方向の
変化をそれほど厳密に設定しなくとも、上記の傾動動作
を伴わせることによって、先端ツール34の下端部が左
側壁4aの内壁面に接する状態を維持させた送りを行う
ことができる。これにより、先端ツール34が左壁面4
aに当たって損傷を生じるということに対しての厳密な
制御は必要がなく、したがって、操作性にすぐれたもの
となっている。
【0035】また、先端ツール34の下端部には、湯切
り用切欠34d…が設けられており、浮上ドロスと共に
湯面から掻き出された溶湯は、左側壁4aにおける傾斜
した内壁面に沿って先端ツール34が移動するときに、
上記の湯切り用切欠34d…を通してオープンウエル炉
4内へと流下する。このため、溶湯が不要に掻き出され
ることがなく、これによっても歩留りを向上し得るもの
となっている。
【0036】なお、先端ツール34は、スクラップの浸
漬攪拌時に前記のロコモーション運動を行わせるため
に、その長さ寸法は、オープンウエル炉4の奥行き寸法
よりも短い。そこで、浮上ドロスの掻き出し時には、前
後動用シリンダ22を作動することによって、モータ取
付部21を案内レール20・20に沿って逐次前後方向
に移動させる。これにより、先端ツール34を例えば本
炉3側から前壁4c側へと順次移動させながら、上記の
掻き出し操作を右側壁4b側から左側壁4a側へと繰返
して行うことで、オープンウエル炉4のほぼ全面にわた
って浮上ドロスの掻き出しを行うことができる。
【0037】以上の説明のように、スクラップの溶解に
当たり、上記実施例の溶解処理装置1を用いることによ
って、オープンウエル炉4にスクラップを投入するとい
う作業を行うだけで、従来行われていたその後のスクラ
ップの浸漬作業を必要としない。また、このとき、先端
ツール34は、単に上下動するだけではなく、前後方向
の往復動を伴うロコモーション運動をするので、この動
作に応じた流動が溶湯に生じて、溶湯の攪拌も同時に行
われる。したがって、スクラップの溶解に伴う局部的な
溶湯の温度低下を防止するための攪拌作業も行う必要は
ないので、作業性が向上する。また、従来の人手によっ
てスクラップの湯中への押し込みと溶湯の攪拌とを行っ
ていた場合に比べ、スクラップの溶解をより短時間で行
うことが可能となり、このため、歩留りも向上し、さら
に、溶解に必要な全体の燃料コストも低減することがで
きる。
【0038】また、上記装置1によれば、前述した浮上
ドロスの掻き出しの他、先端ツール34にロコモーショ
ン運動を連続的に繰返させることで、浮上ドロスをさば
くことによるメタル分離や溶湯の攪拌を、オープンウエ
ル炉4の全範囲にわたって満遍無く、かつ効率良く行う
ことができる。溶湯の攪拌においては、ロコモーション
運動にさらに昇降テーブル15の上下動も組み合わせる
ことで、大きな攪拌が可能である。このように、オープ
ンウエル炉4における殆どの炉前作業を自動化すること
が可能となるので、大幅な省力化が図れ、また、作業環
境を大いに改善することができる。
【0039】
【発明の効果】本発明の溶解処理装置は、以上のよう
に、オープンウエル炉の囲壁に沿って往復動する本体
と、この本体から上記囲壁を越えてオープンウエル炉上
方へと延びると共に先端に下方に垂下する先端ツールを
備えた駆動伝達軸とが設けられ、上記本体内には、先端
ツールがオープンウエル炉内の湯面に応じた位置に位置
するように駆動伝達軸を昇降させる昇降手段と、湯面上
方から湯中への所定のストロークでの周期的な上下動が
上下方向に直交する方向の往復動を伴って先端ツールに
生じるように駆動伝達軸を駆動する浸漬攪拌手段とが設
けられている構成である。
【0040】それゆえ、オープンウエル炉にスクラップ
を投入した後、従来行われていたその後のスクラップの
浸漬および溶湯の攪拌作業を行わずとも、スクラップの
速やかな溶解を行わせることができるので、作業性が向
上し、これにより、省人化を図ることができるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における溶解処理装置のケー
シングを切欠いて示す正面図である。
【図2】上記溶解処理装置のケーシングを切欠いて示す
側面図である。
【図3】上記溶解処理装置のケーシングを切欠いて示す
平面図である。
【図4】上記溶解処理装置における先端ツールの取付け
状態を示すものであって、同図(a)は正面図、同図
(b)は同図(a)におけるA−A線矢視断面図であ
る。
【図5】上記先端ツールにおけるロコモーション運動の
説明図である。
【図6】上記溶解処理装置における浮上ドロス掻き出し
操作時の先端ツールの移動動作の説明図である。
【図7】上記溶解処理装置が設けられたアルミニウム反
射炉の全体構成を示すものであって、同図(a)は正面
模式図、同図(b)は平面模式図である。
【符号の説明】
1 溶解処理装置 4 オープンウエル炉 4c 前壁(囲壁) 9 本体 15 昇降シリンダ 32 駆動伝達軸 33 浸漬攪拌手段 34 先端ツール

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オープンウエル炉の囲壁に沿って往復動す
    る本体と、この本体から上記囲壁を越えてオープンウエ
    ル炉上方へと延びると共に先端に下方に垂下する先端ツ
    ールを備えた駆動伝達軸とが設けられ、上記本体内に
    は、先端ツールがオープンウエル炉内の湯面に応じた位
    置に位置するように駆動伝達軸を昇降させる昇降手段
    と、湯面上方から湯中への所定のストロークでの周期的
    な上下動が上下方向に直交する方向の往復動を伴って先
    端ツールに生じるように駆動伝達軸を駆動する浸漬攪拌
    手段とが設けられていることを特徴とする溶解処理装
    置。
JP20251592A 1992-07-29 1992-07-29 溶解処理装置 Pending JPH0649553A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20251592A JPH0649553A (ja) 1992-07-29 1992-07-29 溶解処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20251592A JPH0649553A (ja) 1992-07-29 1992-07-29 溶解処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0649553A true JPH0649553A (ja) 1994-02-22

Family

ID=16458771

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20251592A Pending JPH0649553A (ja) 1992-07-29 1992-07-29 溶解処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0649553A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008138945A (ja) * 2006-12-01 2008-06-19 Denso Corp 溶解保持炉
WO2010050182A1 (ja) 2008-10-29 2010-05-06 トヨタ自動車株式会社 撹拌装置、溶解装置および溶解方法
KR200490962Y1 (ko) * 2018-10-04 2020-01-30 (주)포스코엠텍 알루미늄 용해 장치
CN114623686A (zh) * 2022-04-14 2022-06-14 九江市钒宇新材料股份有限公司 一种钒氮合金生产专用坩埚

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008138945A (ja) * 2006-12-01 2008-06-19 Denso Corp 溶解保持炉
WO2010050182A1 (ja) 2008-10-29 2010-05-06 トヨタ自動車株式会社 撹拌装置、溶解装置および溶解方法
EP2821161A2 (en) 2008-10-29 2015-01-07 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Agitation device, melting apparatus and melting method
EP2821162A2 (en) 2008-10-29 2015-01-07 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Agitation device, melting apparatus and melting method
KR200490962Y1 (ko) * 2018-10-04 2020-01-30 (주)포스코엠텍 알루미늄 용해 장치
CN114623686A (zh) * 2022-04-14 2022-06-14 九江市钒宇新材料股份有限公司 一种钒氮合金生产专用坩埚

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110887385A (zh) 一种金属材料加工用熔炼装置
JPH0649553A (ja) 溶解処理装置
CN210333439U (zh) Tft玻璃基板窑炉加料口清理设备
CN110157869B (zh) 耐腐蚀高铬合金铸造磨球生产方法
CN110726310A (zh) 一种扒渣装置
CN216815078U (zh) 一种铝锭熔炼铝水均匀搅拌装置
CN106222433A (zh) 一种铝熔炼炉热铝渣快速处理与回收工艺及设备
CN216898357U (zh) 一种高效钢铁熔炼炉
US6555050B1 (en) Dross processing system
JP2001107117A (ja) 炉内溶湯の測温・サンプリング装置
CN215939946U (zh) 一种用于有机硅助剂生产搅拌装置
CN213476018U (zh) 一种热钢渣冷却装置
KR100805706B1 (ko) 노체회전 용해식 전기로
CN209890702U (zh) 金属回收装置
JPH1136021A (ja) 金属回収装置および回収方法
US3813238A (en) Mechanical puddler
CN115261632B (zh) 一种用于铝箔生产加工用的铝液熔炼除渣装置及方法
CN220853096U (zh) 一种高效铝熔炼炉设备
CN219319052U (zh) 一种铝熔炉清渣装置
KR19980073186A (ko) 아연도금조에서 발생하는 드로스로부터 아연회수방법 및 그 장치
CN211527134U (zh) 一种扒渣装置
CN218321469U (zh) 一种新型钢材用冶炼炉
CN218895639U (zh) 一种金属件回收用的熔炼炉
SU461649A1 (ru) Устройство дл перемешивани металлов и сплавов во врем их расплавлени
CN216347836U (zh) 一种铅炉液面捞渣机