JPH0649361A - ポリアミド酸水溶液 - Google Patents

ポリアミド酸水溶液

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JPH0649361A
JPH0649361A JP20350992A JP20350992A JPH0649361A JP H0649361 A JPH0649361 A JP H0649361A JP 20350992 A JP20350992 A JP 20350992A JP 20350992 A JP20350992 A JP 20350992A JP H0649361 A JPH0649361 A JP H0649361A
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JP
Japan
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polyamic acid
basic compound
bis
dianhydride
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JP20350992A
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English (en)
Inventor
Akio Matsuyama
彰雄 松山
Masahiro Ota
正博 太田
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ポリアミド酸水溶液の製造。 【構成】 一般式(1) で示されるポリアミド酸2〜40重量%と塩基性化合物
を含有することを特徴とするポリアミド酸水溶液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリアミド酸水溶液に関
する。さらに詳しくは、成形加工性の良好なポリアミド
酸水溶液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からテトラカルボン酸二無水物とジ
アミン化合物との反応によって得られるポリアミド酸の
脱水反応によって得られるポリイミドは高耐熱性に加
え、力学的強度、寸法安定性、難燃性、電気絶縁性等に
優れており、電気・電子機器、宇宙航空用機器、輸送機
器等の分野で使用されており、今後も耐熱性が要求され
る分野に広く用いられることが期待されている。従来ポ
リイミドは一旦イミド化すると通常の有機溶媒には溶解
せず、また熱をかけてもその溶融点がポリマーの分解温
度と近接しており、溶融成形することは不可能であっ
た。本発明者らは、先に一般式(1)で示されるポリア
ミド酸を脱水イミド化して合成される溶融成形可能なポ
リイミドを開発している(特開平1−110530)。
【0003】しかし、上記ポリイミドを溶融成形するに
は極めて高い温度を必要とする欠点を有していた。この
ためポリイミドの使用にあたっては、例えば電線ワニ
ス、カバーレーあるいは接着剤としての使用に際して
は、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の状態で有
機溶媒の溶液とし、これを被塗物上に塗布した後、高温
下で加熱処理し脱溶媒イミド化する方法がとられてい
る。また、フイルムの製造においても、例えばスチール
ベルト上にポリアミド酸溶液を流延し、高温下で加熱処
理し脱溶剤イミド化する方法がとられている。ところ
が、上記有機溶媒は、一般的に高沸点の為に脱溶媒時に
高温を必要とし、さらに溶媒の毒性の為に蒸発した溶媒
が作業環境を汚染するなどの問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低温で成形
加工可能で、かつ加工時に有機溶剤の蒸発による作業環
境の汚染が極めて低いポリアミド酸水溶液を提供するも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点を解決するために鋭意研究を行い、特定の塩基性化合
物を配合する事によりポリアミド酸水溶液を得ることが
できることを見出し、本発明を完成するに至った。即
ち、本発明は、一般式(1)(化2)
【0006】
【化2】
【0007】〔式中、Xは直結、炭素数1ないし10の
2価の炭化水素基、六フッ素化されたイソプロピリデン
基、カルボニル基、チオ基またはスルホニル基から成る
群より選ばれた基を示し、R1〜R4は水素、低級アルキ
ル基、低級アルコキシ基、塩素または臭素を示し、互い
に同じであっても異なっていてもよい。Yは炭素数2以
上の脂肪族基、環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多
環式芳香族基、芳香族が直接または架橋員により相互に
連結された非縮合多環式芳香族基から成る群より選ばれ
た4価の基を示す。〕で示されるポリアミド酸2〜40
重量%と塩基性化合物を含有することを特徴とするポリ
アミド酸水溶液であり、さらには一般式(1)(化2)
で表されるポリアミド酸のカルボキシル基当量をMa、
塩基性化合物の当量をMbとしたときに、
【0008】
【数2】0.5Ma≦Mb≦5Ma
【0009】の範囲で塩基性化合物を含有することを特
徴とするポリアミド酸水溶液である。
【0010】本発明の特徴は、低温で成形加工可能で、
かつ加工時に有機溶剤の蒸発による作業環境の汚染が極
めて低いポリアミド酸水溶液に関するものである。
【0011】本発明の一般式(1)(化2)で表される
ポリアミド酸は、ジアミン化合物とテトラカルボン酸二
無水物とを有機溶媒中で反応させた後、貧溶媒との混合
によりポリアミド酸を析出させて分離し、乾燥により溶
媒を除去する方法、あるいは、上記有機溶媒を蒸発乾燥
により除去する方法のいずれかにより得ることが出来
る。
【0012】本発明で用いられるジアミン化合物として
は、例えば、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノ
キシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4
−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2−
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−2−〔4
−(3−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル〕プ
ロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)
−3−メチルフェニル〕プロパン、2−〔4−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕−2−〔4−(3−アミノ
フェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル〕プロパン、
2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)−3,5
−ジメチルフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−
ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,
4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,
4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3−メチルビフ
ェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−
3,3’−ジメチルビフェニル、4,4’−ビス(3−
アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルビフェニル、
4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3’,
5,5’−テトラメチルビフェニル、4,4’−ビス
(3−アミノフェノキシ)−3,3’−ジクロロビフェ
ニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,
5−ジクロロビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノ
フェノキシ)−3,3’,5,5’−テトラクロロビフ
ェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−
3,3’−ジブロモビフェニル、4,4’−ビス(3−
アミノフェノキシ)−3,5−ジブロモビフェニル、
4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3’,
5,5’−テトラブロモビフェニル、ビス〔4−(3−
アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3
−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4
−(3−アミノフェノキシ)〕−3,3’−ジメトキシ
ジフェニルスルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノ
キシ)〕−3,5−ジメトキシジフェニルスルフィド、
ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)〕−3,3’5,
5’−テトラメトキシジフェニルスルフィド、ビス〔4
−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン等が挙
げられ、これらは単独あるいは2種以上混合して用いら
れる。
【0013】他に公知のジアミン類、例えばエチレンジ
アミン、1,2−プロピレンジアミンに代表される脂肪
族ジアミン類または1,3−フェニレンジアミン、4,
4’−ジアミノジフェニルエーテルに代表される芳香族
ジアミン類のいずれか1種あるいは2種以上を混合して
使用することも可能である。
【0014】また、本発明で使用されるテトラカルボン
酸二無水物としては、例えばエタンテトラカルボン酸二
無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペン
タンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,
3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)プロパン二無水物、2,2’−ビス(2,3−
ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,
3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2
−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水
物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二
無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホ
ン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)ス
ルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシ
フェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキ
シフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)メタン二無水物、4,4’−(p−フェ
ニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4’−(m
−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、2,3,
6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,
4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼ
ンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリ
レンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アン
トラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−
フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げら
れ、これらは単独または2種以上を混合して用いられ
る。
【0015】また、ジアミン化合物とテトラカルボン酸
二無水物とを有機溶媒中で反応させる際に、ジアミン化
合物をテトラカルボン酸二無水物の当量以上に使用して
ジカルボン酸モノ無水物を併用する事も可能である。
【0016】上記ジカルボン酸モノ無水物としては、例
えば、無水フタル酸、2,3−ベンゾフェノンジカルボ
ン酸無水物、3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸無水
物、2,3−ジカルボキシフェニル フェニル エーテ
ル無水物、3,4−ジカルボキシフェニル フェニル
エーテル無水物、2,3−ビフェニルジカルボン酸無水
物、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物、2,3−
ジカルボキシフェニルフェニル スルホン無水物、3,
4−ジカルボキシフェニル フェニル スルホン無水
物、2,3−ジカルボキシフェニル フェニル スルフ
ィド無水物、3,4−ジカルボキシフェニル フェニル
スルフィド無水物、1,2−ナフタレンジカルボン酸
無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,
8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2−アントラ
センジカルボン酸無水物、2,3−アントラセンジカル
ボン酸無水物、1,8−アントラセンジカルボン酸無水
物等が挙げられ、これらは単独あるいは2種以上混合し
て用いられる。
【0017】本発明においてはポリアミド酸中にポリア
ミド酸が脱水閉環することにより得られるポリイミドが
一部含まれていても、本発明の効果が阻害されない範囲
であれば差し支えない。
【0018】本発明においてテトラカルボン酸二無水物
とジアミン化合物を反応させる際に用いられる有機溶媒
としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N
−メチルカプロラクタムに代表されるアミド類、テトラ
ヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテルに代表されるエーテル類、ピリジ
ン、γ−ピコリンに代表されるピリジン類、フェノー
ル、m−クレゾール、o−クロロフェノールに代表され
るフェノール類、ジメチルスルホキシド、ジフェニルス
ルホキシドに代表されるスルホキシド類、ジメチルスル
ホン、ジフェニルスルホンに代表されるスルホン類等が
挙げられ、これらは単独でも混合して用いても構わな
い。
【0019】ポリアミド酸溶液を得る為の反応温度は、
通常10〜100℃、好ましくは30〜80℃である。
反応温度が低すぎると所望の重合度に到達するのに時間
がかかり、実用的でない。また反応温度が高すぎるとイ
ミド化が進行しすぎ、得られるポリアミド酸の塩基性化
合物含有水への溶解性が悪くなり、本発明のポリアミド
酸水溶液が得られない。
【0020】ポリアミド酸溶液を得る為の反応圧力は特
に限定されず常圧で充分実施できる。反応時間は反応に
用いられる溶媒、反応温度によつて異なるが、ポリアミ
ド酸の生成が完了し、所望の重合度に到達するまで行
う。通常は30分から10時間で充分である。
【0021】ポリアミド酸の合成に際しては、有機溶媒
にジアミン化合物を溶解しておき、テトラカルボン酸二
無水物を添加して行うのが一般的である(米国特許第4
065345号等)。
【0022】ポリアミド酸溶液よりポリアミド酸を析出
させる際に混合する貧溶媒としては、実質的にポリアミ
ド酸を溶解しない公知の溶媒が使用可能で、例えば、
水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
に代表される水酸基含有化合物類、ヘキサン、シクロヘ
キサン、オクタンに代表される脂肪族炭化水素化合物
類、ベンゼン、トルエン、キシレンに代表される芳香族
炭化水素化合物類、アセトン、メチルエチルケトンに代
表されるケトン類等のいずれか1種あるいは2種以上を
混合して使用することも可能である。
【0023】かかる貧溶媒は、ホモミキサー、スタティ
ックミキサー等を使用してポリアミド酸溶液と混合する
が、ポリアミド酸溶液に貧溶媒を加えて混合しても、あ
るいは貧溶媒中にポリアミド酸溶液を加えて混合しても
差し支えない。かかる混合は通常室温で行うが、攪拌に
よる摩擦熱あるいは溶媒の混合熱で温度が上昇しても8
0℃以下の温度であれば差し支えない。貧溶媒との混合
後、遠心分離あるいは濾過によってポリアミド酸を分離
し、乾燥する時の温度は10〜100℃、好ましくは3
0〜80℃の範囲で行う。10℃未満であると乾燥に時
間がかかり実用的ではなく、100℃を越えると得られ
たポリアミド酸のイミド化の進行により塩基性化合物含
有水への溶解性が悪くなり本発明の水溶液が得られな
い。
【0024】ポリアミド酸溶液より有機溶媒を蒸発乾燥
除去してポリアミド酸パウダーを得る方法においては、
スプレードライ法等により、溶媒を減圧下で加熱蒸発す
る事によりポリアミド酸パウダーを得るが、得られたポ
リアミド酸の一部イミド化による溶解性の低下を防ぐた
め、加熱乾燥温度は10〜100℃、好ましくは30〜
80℃の範囲で行う。10℃未満であると乾燥に時間が
かかり、実用的ではない。
【0025】本発明のポリアミド酸の分子量は、対数粘
度(35℃、濃度0.5g/dlにてN,N−ジメチル
ホルムアミド溶媒中で測定)が0.05〜1.0dl/
g、好ましくは0.2〜0.8dl/gの範囲である。
対数粘度が0.05未満であると得られる成形物の強度
が弱く、実用的ではない。さらに対数粘度が1.0を越
えるものは塩基性化合物含有水への溶解が困難である。
【0026】ポリアミド酸水溶液中のポリアミド酸の含
有量は2〜40重量%である。ポリアミド酸の含有量が
2重量%未満では、ポリアミド酸の含有量が少なすぎて
実用的ではない。さらに40重量%を越えるとポリアミ
ド酸の溶解性が悪くなり、均一な水溶液が得られない。
【0027】本発明で使用する塩基性化合物としては、
アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物ある
いは含窒素化合物が挙げられる。具体的には、アルカリ
金属化合物またはアルカリ土類金属化合物としては、例
えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグ
ネシウム等のアルカリまたはアルカリ土類金属の水酸化
物類;酸化ナトリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシ
ウム等のアルカリまたはアルカリ土類金属の酸化物類;
炭酸ナトリウム、炭酸バリウム等のアルカリまたはアル
カリ土類金属の炭酸塩類;炭酸水素カリウム、炭酸水素
ナトリウム等のアルカリ金属の炭酸水素塩類;ナトリウ
ムメチラート、カリウム−t−ブトキシド等のアルカリ
金属のアルコラート類;酢酸ナトリウム、ギ酸バリウム
等のカルボン酸のアルカリまたはアルカリ土類金属塩
類;石炭酸ナトリウム等の石炭酸のアルカリ金属塩類、
さらに化学式 Al(OH)3NaHCO3、 Mg6Al2(OH)16CO34H2O、 Mg4.5Al2(OH)13CO33.5H2O 等で表されるアルカリまたはアルカリ土類金属の複合塩
類があり、これらのうち1種または2種以上を併用して
もよい。
【0028】さらに本発明で使用する含窒素化合物と
は、塩基性の窒素原子を有する化合物で、例えば、アン
モニア、t−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ア
ニリン、ジエチルアミン、ピペリジン、トリエチルアミ
ン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン等のアミン類;
N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチル
ヒドロキシアミン等のヒドロキシアミン類;ヒドラジ
ン、1,2−ジメチルヒドラジン等のヒドラジン類;ホ
ルムアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;カルバミン
酸エチル、N−メチルカルバミン酸メチル等のウレタン
類;尿素、ジアセチル尿素等の尿素類があり、これらの
うち1種または2種以上を併用して用いてもよい。ま
た、アルカリ土類金属化合物またはアルカリ土類金属化
合物の一種または二種以上と含窒素化合物の1種または
2種以上を併用してもよい。
【0029】本発明のポリアミド酸の水溶液は通常、あ
らかじめ塩基性化合物を含有させた水中にポリアミド酸
を溶解する事によって得られる。ポリアミド酸を溶解す
る温度は、通常10〜80℃、好ましくは30〜60℃
の範囲である。10℃未満ではポリアミド酸の溶解速度
が遅く実用的ではない。また80℃を越えるとポリアミ
ド酸の加水分解により分子量が低下し、得られる成形物
の強度が弱くなり、実用的ではない。
【0030】ポリアミド酸を水に溶解させるために含有
させる塩基性化合物の使用量は、該ポリアミド酸のカル
ボキシル基当量Maの0.5〜5倍当量、好ましくは
0.8〜3倍当量の範囲である。0.5倍当量未満では
ポリアミド酸の溶解性が悪くなり、また5倍当量を越え
ると遊離の塩基性化合物の割合が多くなるばかりで実用
的ではない。
【0031】このようにして得られたポリアミド酸水溶
液は、フイルム、電線被覆材、塗料、接着剤として、あ
るいはガラス繊維、カーボン繊維等の繊維強化プラスチ
ックスのマトリックス樹脂としての使用など各種分野で
使用出来る。その際に公知の熱可塑性ポリイミド樹脂等
の熱可塑性樹脂の粉体を分散させて使用することも可能
である。上記用途への使用に際しては、ポリアミド酸の
水溶液を100〜350℃に加熱加工し、脱水イミド化
することにより使用に供される。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的に説明する。 合成例1 還流冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌機を備えた
ガラス製反応器に4,4’−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ビフェニル368g(1.0モル)とN−メチル−
2−ピロリドン2350gを装入し、30℃に昇温し、
ジアミンを溶解した。窒素雰囲気下においてピロメリッ
ト酸二無水物212g(0.97モル)を30℃の温度
に保ちながら3時間かけて添加し、さらに30℃で12
時間攪拌を続けた。その時の溶液粘度は3000センチ
ポイズ(25℃、東京計器製 E型粘度計にて測定、以
下同じ)、対数粘度(N,N−ジメチルアセトアミド溶
媒中、濃度0.5g/dlで35℃にて測定、以下同
じ)は0.54dl/gであった。さらに無水フタル酸
30g(0.2モル)を添加し、30℃で3時間撹拌
し、溶液粘度3200センチポイズ、対数粘度0.56
dl/gのポリアミド酸溶液を得た。水1000gをホ
モミキサーに装入し、2000rpm撹拌下に上記ポリ
アミド酸のN−メチル−2−ピロリドン溶液200gを
5分かけて装入し、さらに5分間撹拌を続けた。析出物
を減圧濾過により分離し、水5000gで洗浄した後、
60℃、10torrで14時間減圧乾燥し、ポリアミ
ド酸粉体40gを得た。このポリアミド酸粉体の対数粘
度は0.30dl/gであり、赤外吸収スペクトルの測
定においてイミド基の吸収(1780cm-1)はまった
く認められなかった。
【0033】実施例1 還流冷却管、温度計および撹拌機を備えたガラス製反応
器に水840gとN,N−ジメチルエタノールアミン4
0gを装入し、50℃の温度に保ちながら3時間かけて
合成例1の方法で合成したポリアミド酸粉体120gを
装入し、さらに、50℃で2時間攪拌を続け、溶解さ
せ、12重量%のポリアミド酸水溶液1000gを得
た。ポリアミド酸水溶液を用いて冷間圧延鋼の接着を行
い、接着強度を測定した。接着は第1表記載の条件にて
乾燥機内にて加熱することによって行い、JISK68
50の方法に準じて引張り剪断接着強度を測定した。な
お接着試験片としてはJIS G3141(SPCC−
SD)の鉄板の接着面をアセトンで脱脂して用いた。接
着強度の測定結果をあわせて第1表に記載した。乾燥機
内にて加熱接着中にN−メチル−2−ピロリドンの蒸発
は認められず、乾燥機内を汚染することはまったくなか
った。
【0034】比較例1 還流冷却管、温度計および撹拌機を備えたガラス製反応
器に水840gとN,N−ジメチルエタノールアミン1
6gを装入し、50℃の温度に保ちながら3時間かけて
合成例1で得たポリアミド酸粉体120gを装入し、さ
らに50℃で2時間攪拌を続けたが、ポリアミド酸粉体
は完全には溶解せず均一なポリアミド酸水溶液は得られ
なかった。
【0035】比較例2 合成例1で作成したポリアミド酸のN−メチル−2−ピ
ロリドン溶液をそのまま使用した以外は実施例1とまっ
たく同様に接着を行い引張り剪断接着強度を測定した。
接着条件及び測定結果をあわせて第1表に記載した。乾
燥機内にて加熱接着中にN−メチル−2−ピロリドンの
蒸発が認められ、乾燥機等の作業環境が著しく汚染され
た。
【0036】実施例2 還流冷却管、温度計および撹拌機を備えたガラス製反応
器に水830gと炭酸水素ナトリウム45gを装入し、
50℃の温度に保ちながら3時間かけて合成例1で得た
ポリアミド酸粉体150gを装入し、さらに50℃で2
時間攪拌を続け、溶解させ、15重量%のポリアミド酸
水溶液1000gを得た。このポリアミド酸の水溶液を
用いて実施例1とまったく同様に接着を行い引張り剪断
接着強度を測定した。接着条件及び測定結果をあわせて
第1表に記載した。
【0037】比較例3 還流冷却管、温度計および撹拌機を備えたガラス製反応
器に水830gと炭酸水素ナトリウム24gを装入し、
50℃の温度に保ちながら3時間かけて合成例1で得た
ポリアミド酸粉体150gを装入し、さらに50℃で2
時間攪拌を続けたが、ポリアミド酸粉体は完全には溶解
せず均一なポリアミド酸水溶液は得られなかった。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】第1表に示す結果より明らかなように、
比較的低温で成形加工可能な本発明方法に係るポリアミ
ド酸水溶液は、例えば接着剤として使用した場合、比較
的低い温度で短時間の加熱により高い接着強度を得るこ
とが出来、さらに加熱時の溶剤の蒸発により作業環境を
汚染する事がなく、産業上有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)(化1) 【化1】 〔式中、Xは直結、炭素数1ないし10の2価の炭化水
    素基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニ
    ル基、チオ基またはスルホニル基から成る群より選ばれ
    た基を示し、R1〜R4は水素、低級アルキル基、低級ア
    ルコキシ基、塩素または臭素を示し、互いに同じであっ
    ても異なっていてもよい。Yは炭素数2以上の脂肪族
    基、環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族
    基、芳香族が直接または架橋員により相互に連結された
    非縮合多環式芳香族基から成る群より選ばれた4価の基
    を示す。〕で示されるポリアミド酸2〜40重量%と塩
    基性化合物を含有することを特徴とするポリアミド酸水
    溶液。
  2. 【請求項2】 請求項1において一般式(1)(化1)
    で表されるポリアミド酸のカルボキシル基当量をMa、
    塩基性化合物の当量をMbとしたときに、 【数1】0.5Ma≦Mb≦5Ma の範囲で塩基性化合物を含有することを特徴とするポリ
    アミド酸水溶液。
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