JPH0649245Y2

JPH0649245Y2 - 免震装置

Info

Publication number: JPH0649245Y2
Application number: JP9622588U
Authority: JP
Inventors: 憲一箭野; 浩史緑川; 俊明亀井; 武治鎮目; 隆一磯浪
Original assignee: Kajima Corp; KYB Corp
Current assignee: Kajima Corp; KYB Corp
Priority date: 1988-07-20
Filing date: 1988-07-20
Publication date: 1994-12-14
Anticipated expiration: 2003-07-20
Also published as: JPH0219260U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この考案は、ショーケース内における陳列品への免震に
最適な免震装置に関する。

〔従来の技術〕ショーケース内における陳列品への免震に適する免震装
置としては、従来から、例えば、第５図に示すような構
造のものがある。

即ち、この従来提案たる免震装置は、ショーケースの内
底等の固定側Ｇに配設されるベースプレート１と、陳列
品Ｆを載置させる台部材２と、を有してなり、該台部材
２の下端には、スチールボール３が保持されている。

上記ベースプレート１は、その上面に円形の転動面1aを
有してなり、該転動面1aは、該転動面1a上での上記スチ
ールボール３の転動を可能にするように、その中央部が
最も深く、周辺部に寄るに従い徐々に浅くなる緩やかな
傾斜面状に形成されている。

そして、上記ベースプレート１は、図示例にあっては、
後述する台部材２の形状に相応するように、４つ配設さ
れる。

一方、上記台部材２は、図面上、２つのベースプレート
１に跨がるような形態になる、所謂テーブル状に形成さ
れていて、４つの支承部2aを有すると共に、該各支承部
2aの下端にはそれぞれ前記スチールボール３を保持して
いる。

尚、上記各ベースプレート１は、それぞれ同一形状、即
ち、同一態様の転動面1aを有するように形成されてい
る。

それ故、例えば、地震等でショーケース、即ち、固定側
Ｇが図中左右方向となる水平方向に変位される場合に
は、陳列品Ｆ側たる台部材２側に慣性が発生し、各スチ
ールボール３が各転動面1aを所謂迫り上る態様で転動す
る。

従って、固定側Ｇの水平方向の変位が、陳列品Ｆ側に伝
播されなくなり、所望の免震効果が得られる。

また、上記の地震等が解消されると、各スチールボール
３が各転動面1aを下る態様で転動して、各転動面1aの中
央部に各スチールボール３が復帰することになって、台
部材２は（各ベースプレート１に対して）旧状に復す
る。

そして、上記台部材２の下方のベースプレート１に対す
る相対的な水平移動に際して、上記台部材２には４つの
支承部2aが形成されているので、該台部材２のベースプ
レート１に対するその方向が変更されず、所定の方向性
を確保できる。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記従来提案としての免震装置には、い
くつかの不都合な点がある。

即ち、上記従来提案にあっては、ベースプレート１が複
数（図示例では、４つ）必要になるので、該装置の設置
にあっては、陳列品Ｆの大小に関わりなく極めて広い面
積が占有される不都合があると共に、部品点数が多くな
る不都合がある。

また、上記従来提案にあっては、各ベースプレート１に
おけるそれぞれの転動面1aが、他の転動面1aとの間で所
謂均一に形成されている必要があるが、この要請に応じ
るには、極めて高い精度管理の下で、各ベースプレート
１におけるそれぞれの転動面1aの形成をしなければなら
ず、その生産性が悪く、製品コストも上昇される不都合
がある。

ところで、上記の不都合を解決するには、ベースプレー
ト１を１つとし、該１つのベースプレート１における転
動面1a上を台部材２が転動するように設定すれば良い。

尚、上記台部材２の下端に３つあるいは４つのスチール
ボール３を保持させて、該台部材２の転倒を防止する。

しかし、この提案にあっては、台部材２は１つのベース
プレート１上、即ち、１つの転動面1a上での水平方向の
移動が許容される状況にあるので、該台部材２は水平方
向の移動である限りはその旋回をも許容されることにな
り、従って、該台部材２上に載置される陳列品Ｆに方向
性が要求される場合には、これに対応できない不利があ
る。

そこで、この考案は、前記した事情に鑑みて創案された
ものであって、その目的とするところは、狭い占有面積
でその設置が可能になるのは勿論、部品点数の削減や生
産性の向上で製品コストの低廉化を可能にし、かつ、陳
列品に方向性が要求される場合にもこれに対応できるよ
うにした免震装置を提供することである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、この考案に係る免震装置
の構成を、ショーケースの内底等の固定側に設置されそ
の上面に転動面を形成してなる１つのベースプレート
と、上記ショーケース内に配在される陳列品等を載置さ
せその下端に上記転動面を転動する３つあるいは４つの
スチールボールを保持してなる１つの台部材と、上記ベ
ースプレートに支承され上記台部材を介装させる旋回規
制手段と、を有してなり、該旋回規制手段がベースプレ
ート上で水平方向に移動する台部材の旋回を規制してな
ることを特徴とするとしたものである。

〔作用〕

例えば、地震等でショーケース、即ち、固定側たる下方
のベースプレート側が水平方向に変位される状況になる
と、陳列品側たる台部材側に慣性が発生して、該台部材
側が静止されようとする。

このとき、下方のベースプレートにおける転動面に接触
しているスチールボールが転動し、即ち、例えば、台部
材側における左右側のスチールボールの一方が転動面を
迫り上り態様で転動するに対して、他方が転動面を下る
態様で転動し、それ故、上記固定側の水平方向の変位が
陳列品側に伝播されなくなり、所望の免震効果が得られ
る。

また、本案装置の設置に際しては、ショーケースの内底
等の固定側には、１つのベースプレートが配設されるこ
とになり、それ故、ショーケースの内底等には１つのベ
ースプレート分の占有面積のみ確保すれば足り、部品点
数が削減されると共に、該ベースプレートの製作も容易
になる。

そして、旋回規制手段は、台部材がベースプレート上を
水平方向に自由に移動することを許容する一方で、該台
部材が旋回することのみを規制する。

〔実施例〕

以下、図示した実施例に基いて、この考案を詳細に説明
する。

第１図及び第２図に示すように、この考案に係る免震装
置は、ショーケース（図示せず）の内底等の固定側Ｇに
配設される１つのベースプレート１と、上記ショーケー
ス内に配在される陳列品Ｆ等を載置させる１つの台部材
２と、該台部材２の上記ベースプレート１に対する方向
性を確保する旋回規制手段４と、を有し、さらには、上
記台部材２の下端に３つあるいは４つの（図示例では４
つ）のスチールボール３を保持してなる。

ベースプレート１は、正方形の平面形状を有する角板状
に形成され、その上面に円形の転動面1aを有している。

該転動面1aは、この実施例にあって、その中央部が円形
の平坦面とされて最も深く、その周辺部が外周に寄るに
従い徐々に浅くなる緩やかな傾斜面とされていて、該転
動面1a上での上記スチールボール３の転動を許容してい
る。

尚、上記実施例で、転動面1aの中央部分は、円形の平坦
面に形成されているが、これに代えて、該中央部分が上
記緩やかな傾斜面が連続される円形の彎曲面とされても
良い。

ところで、この実施例にあっては、上記ベースプレート
１は、その左右の側面1bを適宜高さの平坦面となるよう
に設定し、かつ、その左右の側面1bの外方にレール部1c
を延在させているが、該レール部1c及び上記側面1bの機
能とするところについては、後述する。

尚、上記の左右の側面1b間の間隔及び左右のレール部1c
間の間隔は、それぞれ並行に保たれている。

台部材２は、板状の本体部2bと、該本体部2bの下端に連
設された截頭円錐台状の３つあるいは４つ（図示例では
４つ）の支承部2aと、からなり、上記本体部2bの上面に
は前記陳列品Ｆが載置され、上記支承部2aの下端は下方
のベースプレート１の転動面1aに対向している。

そして、上記各支承部2aの下端には、それぞれ前記スチ
ールボール３が回転可能に保持されており、該スチール
ボール３は、所謂ボールベアリングからなるもので、前
記支承部2aにおけるスチールボール３の保持態様につい
ては、原則として自由である。

旋回規制手段４は、ガイドロッド10と、スライダ20と、
を有してなり、上記ガイドロッド10に前記台部材２が介
装される一方で、上記スライダ20が上記ガイドロッド10
に連設されると共に、該スライダ20が前記ベースプレー
ト１に支承されてなる。

即ち、ガイドロッド10は、その軸線方向がベースプレー
ト１の左右方向に一致するように配設されて、その中間
部が上記ベースプレート１の上面上方に位置決められ、
かつ、その中央近傍部が台部材２における本体部2bの下
面側に連設された支承部2a間を挿通するように形成され
ている。

また、上記ガイドロッド10は、その両端が上記ベースプ
レート１の左右の側面1bより外方に延在されるように形
成されており、該両端部に形成されている螺条部11に前
記スライダ20を固定的に連設させている。

一方、上記ガイドロッド10は、その中央近傍部に前記台
部材２を介装させるが、そのため、該台部材２における
本体部2bの下面には、ガイドプレート12が固設されてい
る。

ガイドプレート12は、この実施例では、上記本体部2bの
図中左右となる両端の下面にそれぞれ固設されて所謂左
右で一対となるように設けられているもので、第３図に
示すように、下向きに開口する逆Ｕ字状の切欠部12aを
有してなり、該切欠部12a内に上記ガイドロッド10の中
央近傍部を遊嵌状態で挿通させるように設定されてい
る。

即ち、上記ガイドプレート12は、台部材２がガイドロッ
ド10に副った水平移動（第１図及び第２図中左右方向の
移動）をする際には、これを許容するが、台部材２が併
て旋回（第１図中時計方向あるいは反時計方向の移動）
をもしようとすると、この旋回を阻止する。

スライダ20は、上記ガイドロッド10の両端部たる螺条部
11に固定的に連設されるブラケット21と、該ブラケット
21に枢着保持される垂直ローラ22と、上記ブラケット21
に固設されるアーム23と、該アーム23に枢着保持される
水平ローラ24と、を有してなる。

ブラケット21は、その上端部に上記ガイドロッド10の両
端部を貫通させると共に、該両端部たる螺条部11に螺装
される一対のナット25で両方向から挾持される態様で、
該両端部に固定的に連設される。

それ故、上記一対のナット25の螺合位置を調整すること
で、ブラケット21、即ち、スライダ20のガイドロッド10
に対する連設位置を調整できる。

また、垂直ローラ22は、上記ブラケット21の下端部に取
付ピン26で枢着されており、該垂直ローラ22は、この実
施例では、第１図中で上下で一対となるように、上記ブ
ラケット21に２つ配設されている。

そして、アーム23は、その基端側が上記ブラケット21の
下端部に固設されているもので、該アーム23の先端側に
水平ローラ24が取付ピン27で枢着されており、該水平ロ
ーラ24も、第１図中で上下で一対となるように、上記ア
ーム23に２つ配設されている。

上記一対の垂直ローラ22は、それぞれ前記ベースプレー
ト１におけるレール部1cの上面に接触し、上記一対の水
平ローラ24は、それぞれ上記ベースプレート１における
側面1bに接触している。

即ち、上記レール部1cは、その上面が上記垂直ローラ22
の軌条面とされ、上記側面1bは、上記水平ローラ24の軌
条面とされる。

上記一対の垂直ローラ22がベースプレート１におけるレ
ール部1cに接触していることで、前記ガイドロッド10の
第１図中上下方向となる移動が容易に可能になる。

また、上記一対の水平ローラ24が上記ベースプレート１
における側面1bに接触していることで、上記したガイド
ロッド10の第１図中上下方向となる移動が常に並行移動
として発現されることになる。

本案に係る免震装置が以上のように形成されている結
果、固定側Ｇたるショーケースが地震等で水平方向に変
位を生じる際には、例えば、第２図中で左側となる一方
のスチールボール３が下方のベースプレート１の上面た
る転動面1aを迫り上る態様で転動するに対して、他方の
スチールボール３が上記転動面1aを下る態様で転動する
ことになり、これによって、上記地震等による固定側Ｇ
の横揺れが陳列品Ｆ側へ伝播されなくなる。

また、上記した地震等による固定側Ｇの水平方向への変
位が解消されると、各スチールボール３が下方の転動面
1aを転動して、旧状（第２図の図示状態）に復帰する
が、このとき、各スチールボール３は、上記転動面1aの
同一レベル位置に安定し、従って、この考案において、
台部材２の旧状への復帰時には、自動的に調芯機能が発
揮される。

そして、上記した台部材２の水平方向への移動の際に、
台部材２の旋回（第１図中の時計方向あるいは反時計方
向への旋回）が招来されるような状況になっても、該台
部材２の旋回が旋回規制手段４によって阻止される。

即ち、台部材２を介装させている旋回規制手段４におけ
るガイドロッド10は、スライダ20の作用で第１図中の上
下方向となる該ガイドロッド10に直交する方向の移動の
みが許容されるに対して、該ガイドロッド10に介装され
ている台部材２は、旋回規制手段４におけるスレイドプ
レート12の作用で１図中の左右方向となる該ガイドロッ
ド10に副った移動のみが許容されるこになる。

それ故、台部材２は、常に一定の向きを向いたまま、ベ
ースプレート１の転動面1a上を移動することになる。

前記した実施例にあっては、ベースプレート１の転動面
1a上を転動するスチールボール３は４つとされている
が、これに代えて、３つとされても良く、その場合に
も、前記したところと同様の作用及び効果が得られる。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案によれば、本案装置の設置にあ
って、ショーケースの内底等の固定側には、１つのベー
スプレートが配設されるのみであるから、複数のベース
プレートが配設される場合に比較して、狭い占有面積で
その設置が可能になるのは勿論、該ベースプレートの製
作が１つのみで足りて部品点数が削減され、その製作に
高い精度を要求されても所謂単品製作とされるが故にそ
の製作が容易になって生産性が向上され、製品コストの
上昇が抑制される利点がある。

また、この考案によれば、本案装置には、ベースプレー
トに支承され台部材を介装させる旋回規制手段が配設さ
れてなるので、該旋回規制手段によって、ベースプレー
ト上で移動する台部材の本来の水平移動を許容する一方
で、該台部材の水平移動中の旋回を効果的に規制するこ
とが可能になり、方向性を有する陳列品を載置させる陳
列台等への利用に最適となる。

さらに、この考案によれば、１つのベースプレートの転
動面上を複数のスチールボールが転動するので、その静
止時には、自動的に上記転動面の中央に復帰することに
なり、所謂自動調芯機能が発揮される利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例に係る免震装置を示す平面
図、第２図はその一部を断面で示す正面図、第３図はそ
の要部を拡大して示す一部断面側面図、第４図はその要
部を拡大して示す一部断面正面図、第５図は従来例とし
ての免震装置を一部断面で示す正面図である。（符号の説明）１……ベースプレート、1a……転動面 1b……側面、1c……レール部２……台部材、2a……支承部 2b……本体部、３……スチールボール４……旋回規制手段、10……ガイドロッド 11……螺条部、12……ガイドプレート 12a……切欠部、20……スライダ 21……ブラケット、22……垂直ローラ 23……アーム、24……水平ローラ 25……ナット、26,27……取付ピンＦ……陳列品、Ｇ……固定側

フロントページの続き (72)考案者亀井俊明神奈川県相模原市麻溝台1805番地１カヤバ工業株式会社相模工場内 (72)考案者鎮目武治神奈川県相模原市麻溝台1805番地１カヤバ工業株式会社相模工場内 (72)考案者磯浪隆一神奈川県相模原市麻溝台1805番地１カヤバ工業株式会社相模工場内

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ショーケースの内底等の固定側に設置され
その上面に転動面を形成してなる１つのベースプレート
と、上記ショーケース内に配在される陳列品等を載置さ
せその下端に上記転動面を転動する３つあるいは４つの
スチールボールを保持してなる１つの台部材と、上記ベ
ースプレートに支承され上記台部材を介装させる旋回規
制手段と、を有してなり、該旋回規制手段がベースプレ
ート上で水平方向に移動する台部材の旋回を規制してな
ることを特徴とする免震装置