JPH0649227Y2 - 車両用シート - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、車室床面に対して略垂直で所定間隔を保って
略平行に配設された一対のレッグ部を有する車両用シー
トの改良に関する。

〔従来の技術〕

従来の１ボックス車等に使用する車両用シートとして
は、例えば第６図に示すように、シートクッション１の
後部にシートバック２が立設された構成を有し、シート
クッション１がプレス成形された一対のサイドレッグ部
3,4の上面間に平坦なクッションフレーム５が橋架さ
れ、このクッションフレーム５上にクッションパッド６
が載置された構成を有するものが知られている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記従来の車両用シートにあっては、一
対のサイドレッグ部をプレス成形によって形成するよう
にしているので、プレス加工のためのプレス金型を必要
とし、この金型は高価であり、シートフレーム構造のコ
ストが嵩むという課題があった。

本考案は上記従来例の課題に鑑みてなされたものであ
り、レッグ部をパイプ等の棒状体で形成することにより
安価で、組立てが容易な車両用シートを提供することを
目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案に係る車両用シート
は、車室床面に対して略垂直で所定間隔を保って略平行
に配設された左右一対のサイドレッグ部を有する車両用
シートにおいて、前記左右一対のサイドレッグ部が棒状
体を略四角形状の枠状に折り曲げ形成され、該サイドレ
ッグ部の上水平杆部の後端部と後垂直杆部の上端部が夫
々左右一対の連結ブラケットで連結され、該連結ブラケ
ットには前記サイドレッグ部の上水平杆部の後端部と後
垂直杆部の上端部とが嵌合するレッグ受けが夫々形成さ
れ、該レッグ受けにサイドレッグ部の上水平杆部の後端
部と後垂直杆部の上端部が嵌合された状態で固着手段に
より固着され、前記左右一対のサイドレッグ部が横方向
に延びる前後一対の連結杆により連結され、前記左右一
対のサイドレッグ部の上水平杆部及び前後一対の連結杆
の上方にクッションパッドが配設され、且つ前記連結ブ
ラケットの少なくとも一方にはリクライニング装置が取
付けられていることを特徴とする。

〔作用〕

本考案によれば、左右一対のサイドレッグ部が棒状体を
略四角形状の枠状に折り曲げ形成され、該サイドレッグ
部の上水平杆部の後端部と後垂直杆部の上端部が夫々連
結ブラケットで連結され、連結ブラケットには前記サイ
ドレッグ部の上水平杆部の後端部と後垂直杆部の上端部
とが嵌合するレッグ受けが夫々形成され、該レッグ受け
にサイドレッグ部の上水平杆部の後端部と後垂直杆部の
上端部が嵌合された状態で固着手段により固着され、前
記左右一対のサイドレッグ部が横方向に延びる前後一対
の連結杆により連結されているので、プレス加工を行う
ことなく、容易に左右一対のサイドレッグ部を形成する
ことができ、また、連結ブラケットにリクライニング装
置が組付けられているので、シートバックに加えられる
荷重が連結ブラケットよりサイドレッグ部に伝えられ、
サイドレッグ部より車室床面に伝えられるものであり、
またシートフレームの組立を簡易迅速に行うことができ
る。

〔実施例〕

以下、本考案を図面に示した実施例を用いて詳細に説明
する。

第１図乃至第５図は本考案に係る車両用シートの一実施
例を示すものであり、これらの図において全体を符号Ｓ
で示す車両用シートは、図示しない車室床面上に支持さ
れるシートクッション１と、その後端部から立設されリ
クライニング装置RDによって前後方向に傾動自在に支持
されたシートバック２とによって構成されている。

シートクッション１は、その左右位置に車体床面上でシ
ートの前後方向に移動自在に支持するスライド装置SDに
よって摺動可能に支持されている。このシートクッショ
ン１のシートフレームはパイプによって略方形枠状に形
成されたサイドレッグ部3,4に形成され、このサイドレ
ッグ部3,4が所定間隔を保って配設されている。

これらサイドレッグ部3,4の前後位置における上水平杆
部3a,4a上面より下側位置に横方向に延びる前後一対の
連結杆11,12が橋架され、これら連結杆11,12間に前後方
向に延長する複数の丸棒またはパイプで構成される支持
フレーム13が平行に配設されている。

この支持フレーム13に平板14が固定載置され、この平板
14上にクッションパッド６が載置された構成を有する。
ここで、サイドレッグ部3,4の夫々は、パイプを折り曲
げて順次上水平杆部3a,4a前垂直杆部3b,4b、下水平杆部
3c,4c及び後垂直杆部3d,4dが形成され、上水平杆部3a,4
aの後端部と後垂直杆部3d,4dの上端部とがそれらの延長
線上の交点より所定距離短めとされ、この位置に連結ブ
ラケット15が第３図に示すように取付けられている。

この連結ブラケット15は、第４図（ａ）及び（ｂ）に示
すように、円形板部15aと、その表面側におけるサイド
レッグ部3,4の上水平杆部3a,4aの後端部及び後垂直杆部
3d,4dの上端部に対向する位置に夫々形成された断面で
見て半円筒状のレッグ受け15b,15cが形成され、且つリ
クライニング装置RDを取付ける取付孔15d,15eが穿設さ
れている。

この連結ブラケット15がそのレッグ受け15b,15cを夫々
サイドレッグ部3,4の上水平杆部3a,4aの後端部及び後垂
直杆部3d,4dの上端部に内側から嵌合された状態で、溶
着，接着等の固着手段で固着され、更に両サイドレッグ
部3,4に固着された連結ブラケット15間に前記連結杆12
が固着されている。

一方、連結ブラケット15の外側には、第５図（ａ）〜
（ｅ）に示すブラケットカバー16が配設されている。こ
のブラケットカバー16は、円筒部16aとその一端を閉塞
する端板部16bとを有し、円筒部16aのサイドレッグ部3,
4の上水平杆部3a,4aの後端部及び後垂直杆部3d,4dの上
端部に対向する位置に開放端側から切欠16c,16dが形成
されている。

これら切欠16c,16dの上縁部から外方に上水平杆部3a,4a
の後端部及び後垂直杆部3d,4dの上端部を受ける断面で
見て半円筒状のレッグ受け16e,16fが形成されている。

レッグ受け16e,16f間における円筒部16aの広角側に開放
端面側にリクライニング装置RDのレバー17を回動可能に
挿通する切欠16gが形成されていると共に、狭角側にリ
クライニング装置RDの操作レバー18を挿通する切欠16h
が形成されている。

そして、このブラケットカバー16がサイドレッグ部3,4
の外側からそのレッグ受け16e,16fをサイドレッグ部3,4
の上水平杆部3a,4aの後端部及び後垂直杆部3d,4dの上端
側に嵌合させた状態で、溶着，接着等の固着手段によっ
て固着されている。

一方、クッションパッド６は、第１図で特に明らかなよ
うに、平板14に対応する比較的高さが高いクッション部
6aとその両側から一体にサイドレッグ部3,4の上水平杆
部3a,4aの上方側に延長する延長部6b,6cとで構成されて
いる。

このように上記構成によると、サイドレッグ部3,4を、
パイプを枠状に折り曲げ形成し、その両端部を連結ブラ
ケット15によって連結することにより、強固なサイドレ
ッグ部を形成することができ、しかも連結ブラケット15
には、レッグ受け15b,15cを有し、これをサイドレッグ
部3,4の端部に嵌合させて固着するだけでよいので、サ
イドレッグ部3,4の製作を容易に行うことができると共
に、レッグ受け15b,15cによって機械的強度を増すこと
ができる。

また、予め左右のレッグ部3,4の連結ブラケット15に連
結杆12を連結しておくと、シートフレームを形成する際
の組立を迅速に行うことができる。更に、上記実施例の
ように連結ブラケット15にリクライニング装置RDを装着
することができるので、新たにリクライニング装置RDの
装着部を形成する必要がない。

なお、上記実施例においては、サイドレッグ部3,4を丸
パイプで構成した場合について説明したが、これに限定
されるものではなく、角パイプ、中実の丸棒等の任意の
断面形状の棒状体を適用することができる。

また、連結ブラケット15の形状も円形に限らず、方形、
三角形等の任意の形状とすることができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案に係る車両用シートによれ
ば、左右一対のサイドレッグ部が棒状体を略四角形状の
枠状に折り曲げ形成され、該サイドレッグ部の上水平杆
部の後端部と後垂直杆部の上端部が夫々連結ブラケット
で連結され、該連結ブラケットには前記サイドレッグ部
の上水平杆部の後端部と後垂直杆部の上端部とが嵌合す
るレッグ受けが夫々形成され、該レッグ受けにサイドレ
ッグ部の上水平杆部の後端部と後垂直杆部の上端部が嵌
合された状態で固着手段により固着され、前記左右一対
のサイドレッグ部が横方向に延びる前後一対の連結杆に
より連結されているので、プレス加工を行うことなく容
易に左右一対のサイドレッグ部を形成することができ、
また、連結ブラケットにリクライニング装置が組付けら
れているので、シートバックに加えられる荷重が連結ブ
ラケットよりサイドレッグ部に伝えられ、サイドレッグ
部より車室床面に伝えられるものであり、軽量で且つ強
固なレッグ部を構成することができ、レッグ部の製造コ
ストを低減することができると共に、シートフレームの
組立及びシートの組立を容易に行うことができる実用上
優れた効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２図は第１
図の側面図、第３図はシートクッションのフレーム構造
を示す平面図、第４図（ａ）及び（ｂ）は連結ブラケッ
トを示す正面図及び側面図、第５図（ａ）、（ｂ）、
（ｃ）、（ｄ）、及び（ｅ）はブラケットカバーを示す
正面図、左側面図、右側面図、平面図及び底面図、第６
図は従来例を示す斜視図である。 図中、Ｓ……車両用シート、１……シートクッション、
２……シートバック、3,4……サイドレッグ部、６……
クッションパッド、11,12……連結杆、13……支持フレ
ーム、15……連結ブラケット、15b,15c……レッグ受
け。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車室床面に対して略垂直で所定間隔を保っ
   て略平行に配設された左右一対のサイドレッグ部を有す
   る車両用シートにおいて、前記左右一対のサイドレッグ
   部が棒状体を略四角形状の枠状に折り曲げ形成され、該
   サイドレッグ部の上水平杆部の後端部と後垂直杆部の上
   端部が夫々左右一対の連結ブラケットで連結され、該連
   結ブラケットには前記サイドレッグ部の上水平杆部の後
   端部と後垂直杆部の上端部とが嵌合するレッグ受けが夫
   々形成され、該レッグ受けにサイドレッグ部の上水平杆
   部の後端部と後垂直杆部の上端部が嵌合された状態で固
   着手段により固着され、前記左右一対のサイドレッグ部
   が横方向に延びる前後一対の連結杆により連結され、前
   記左右一対のサイドレッグ部の上水平杆部及び前後一対
   の連結杆の上方にクッションパッドが配設され、且つ前
   記連結ブラケットの少なくとも一方にはリクライニング
   装置が取付けられていることを特徴とする車両用シー
   ト。