JPH0649187A - 液晶性ポリエステル及びその製造方法 - Google Patents

液晶性ポリエステル及びその製造方法

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JPH0649187A
JPH0649187A JP20656592A JP20656592A JPH0649187A JP H0649187 A JPH0649187 A JP H0649187A JP 20656592 A JP20656592 A JP 20656592A JP 20656592 A JP20656592 A JP 20656592A JP H0649187 A JPH0649187 A JP H0649187A
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compds
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Rie Shirahama
理恵 白浜
Osamu Kidai
修 木代
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形性に優れ(特に薄物成形品に適し)、M
D,TD両方向の弾性率や強度及び衝撃強度が高く、且
つ従来タイプの縦型重合装置で325℃以下でメルト重
合が可能な液晶性ポリエステルを得る。 【構成】 2−メチルハイドロキノン、テレフタル酸、
ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、及びナフタレン−
1,4−ジカルボン酸から誘導される構成単位からなり
320℃、剪断応力1000/秒での溶融粘度が50〜
5000ポイズであることを特徴とする液晶性ポリエス
テル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な液晶性ポリエス
テル及びその製造法に関する。本発明の液晶性ポリエス
テルは、ガラス繊維や炭素繊維といったフィラー類の添
加がなくとも、それ自体で樹脂の流動方向(MD)だけ
でなく流動方向に垂直な方向(TD)にも弾性率や強度
が高いという特徴を有し、かつMD方向、TD方向の線
膨張係数が小さく、更にそれらの値の異方性が小さいと
いう特徴を有する。
【0002】
【従来の技術】サーモトロピックな液晶性ポリマーとし
て多くのポリマーが開発、上市されるようになってき
た。しかしながら、これらの液晶性を示すポリマーは、
繊維については高弾性率のものを与えるが三次元成形
体、たとえば射出成形品においてはポリマーの流動方向
に分子鎖が高度に配向するため、流動方向の弾性率は高
くなるものの、流動方向に垂直な方向の弾性率は他の一
般の(液晶性を示さない)ポリマーのそれと同程度の低
い値になってしまい、そのためガラス繊維(GF)や炭
素繊維等(CF)の添加により補強せねばならない事態
が起こっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、GFや
CFを添加すると衝撃強度が低下したり、表面粗度が悪
化したりする上、無機化合物のためリサイクル時の選別
等で問題が生じる。そこで以前から、液晶性ポリマー単
独でポリマーの流動方向(MD方向)および流動方向に
垂直な方向(TD方向)のいずれにも高い弾性率を有す
るものを開発する試みが行われてきた。
【0004】例えば、全芳香族ポリエステルとしては特
開昭59−124925号、特開昭61−19627
号、特開平1−261418号、特開平2−64123
号、特開平3−188124号等にその例がある。ま
た、全芳香族ポリエステルに多官能成分を共重合してM
D、TD両方向の物性を高める試みとして特開平2−2
27428号、特開平2−238052号、特開平3−
152123号、特開平−152124号、特開平3−
168213号等がある。また、特開平2−53819
号、特開平3−47829号は光学活性基を導入するこ
とによって異方性を緩和しようとしている。
【0005】しかしながらこれらは、 1)MD、TD両方向の強度が低い 2)衝撃強度が低い 3)液晶ポリマーの特徴である流動性が低下する 4)融点が非常に高く、相当な高温でなければ成形でき
ない 5)従来のポリエステル製造用の縦型重合装置では固化
したり、釜の底から抜け出せなくなる という大きな問題点があった。
【0006】液晶ポリマーを自動車用材料や電気電子部
品等の用途に用いるにあたっては耐熱性として150〜
300℃あればよく、280〜350℃で成形するのが
好ましいと考えられる。また、熱媒を用いる従来の縦型
重合装置で製造できることが必要不可欠であると考えら
れる。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、MD、TDの両
方向の弾性率が高く、かつ1)〜5)の全ての問題点を
解決すべく鋭意検討した結果、特定の組成および組成比
の液晶性ポリエステルを用いることによって驚くべきこ
とに上のすべての問題点を解決することを見いだし、本
発明に到達した。すなわち、本発明の要旨は下記式
(1)〜(4)で表される構成単位
【0008】
【化3】
【0009】からなり、(1)、(2)、(3)、
(4)残基のモル数をそれぞれ〔1〕、〔2〕、
〔3〕、〔4〕とすると、
【0010】
【数2】 0.8≦〔1〕/(〔2〕+〔3〕+〔4〕)≦1.2 (I) 0.5≦〔2〕/(〔2〕+〔3〕+〔4〕)≦0.90 (II) 0.05≦〔3〕/(〔2〕+〔3〕+〔4〕)≦0.45 (III ) 0.05≦〔4〕/(〔2〕+〔3〕+〔4〕)≦0.45 (IV) を満たし、320℃せん断速度103 sec-1での溶融
粘度が50〜5000ポイズであることを特徴とする液
晶性ポリエステル及び、下記式(5)〜(8)で表され
る化合物、
【0011】
【化4】
【0012】と無水酢酸とを反応させてアセチル化を行
った後、減圧で重縮合の温度を325℃以下で行うこと
を特徴とする液晶性ポリエステルの製造方法である。以
下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0013】まず、(2)の比率について述べると、
0.5≦〔2〕/(〔2〕+〔3〕+〔4〕)≦0.9
である。〔2〕/(〔2〕+〔3〕+〔4〕)<0.5
の場合は、MD方向、TD方向とも弾性率が低くなって
しまい好ましくない。〔2〕/(〔2〕+〔3〕+
〔4〕)>0.9の場合は、325℃以下の重合では固
化してしまい重合釜の下からポリマーを抜き出すことが
できなくなり好ましくない。また、TD方向の弾性率が
低くなってしまう。より好ましい範囲は、0.6≦
〔2〕/(〔2〕+〔3〕+〔4〕)≦0.90であ
る。
【0014】(3)の比率について述べると0.05≦
〔3〕/(〔2〕+〔3〕+〔4〕)≦0.45であ
る。〔3〕/(〔2〕+〔3〕+〔4〕)<0.05の
場合は、流動性が低下し成形性が悪化して好ましくな
い。〔3〕/(〔2〕+〔3〕+〔4〕)>0.45の
場合は、MD方向、TD方向の弾性率が低下して好まし
くない。より好ましい範囲は、0.05≦〔3〕/
(〔2〕+〔3〕+〔4〕)≦0.20である。
【0015】(4)の比率について述べると0.05≦
〔4〕/(〔2〕+〔3〕+〔4〕)≦0.45であ
る。〔4〕/(〔2〕+〔3〕+〔4〕)<0.05の
場合は、TD方向の弾性率が低下して好ましくない。
〔4〕/(〔2〕+〔3〕+〔4〕)>0.45の場合
はMD方向、TD方向の弾性率が低下し、また耐熱性が
低下して好ましくない。より好ましい範囲は、0.05
≦〔4〕/(〔2〕+〔3〕+〔4〕)≦0.20であ
る。
【0016】〔1〕と〔2〕+〔3〕+〔4〕の比率
は、重合度を高めるという点から0.8以上1.2以下
である。好ましくは0.9以上1.1以下、より好まし
くは0.95以上1.05以下である。耐加水分解性を
向上させる場合には、〔1〕/(〔2〕+〔3〕+
〔4〕)は1.0を超え1.2以下が好ましく、末端を
封鎖する場合には0.8以上1.0未満が好ましい。
【0017】尚、本発明の液晶性ポリエステルには上記
構成単位以外にハイドロキノン、クロルハイドロキノ
ン、フェニルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノ
ン、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、4,4′−ジ
ヒドロキシジフェニルエーテル、2,6−ジヒドロキシ
ナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレンなどのジ
ヒドロキシ化合物、1,2−ビス(2−クロルフェノキ
シ)エタン−4,4′−ジカルボン酸、1,2−ビス
(フェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボン酸、4,
4′−ジカルボキシジフェニルエーテル、イソフタル
酸、2,2′−ジフェニルカルボン酸、3,3′−ジフ
ェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボ
ン酸などのジカルボン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、m
−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ
酸、3−クロル−4−ヒドロキシ安息香酸などのオキシ
カルボン酸やp−アミノ安息香酸、p−フェニレンジア
ミンおよびこれらのアシル化合物などにより導入される
構成単位を本発明の効果を損なわない範囲で少量共重合
成分として含んでいてもよい。
【0018】本発明の液晶性ポリエステルの製造法とし
ては、従来のポリエステルの重縮合法に準じて製造でき
る。例えば、界面重合法、溶液重合法、溶融重合法等あ
るが溶融重合法が重合度が向上し易い点、最も安価で製
造できる点で好ましい。
【0019】溶融重合法としては、 1)アセテート化合物を酸化合物から脱酢酸重縮合反応
により製造する方法 2)フェノール性化合物と酸化合物に無水酢酸を加えて
反応させた後、脱酢酸重縮合反応により製造する方法 3)フェノール性化合物と酸のフェニルエステル化合物
から脱フェノール重縮合反応により製造する方法 等が考えられるが、本発明においては特に2)の方法を
用い、325℃以下で重縮合することが好ましい。これ
により従来のポリエステル製造用縦型重合装置で製造で
き、低コストで大量製造が出来るようになった点が本発
明の大きな特徴である。
【0020】製造法についてより詳細に説明すると、原
料として2−メチルハイドロキノン(上記式(5))、
テレフタル酸(上記式(6))、ナフタレン−2,6−
ジカルボン酸(上記式(7))、ナフタレン−1,4−
ジカルボン酸(上記式(8))を使用する。これらは一
括して仕込んでもよいし、最初にジヒドロキシ化合物
(5)のみを仕込んでおいてもよい。(5)、(6)、
(7)、(8)のモル数をそれぞれ〔5〕、〔6〕、
〔7〕、〔8〕とすると仕込み比は、
【0021】
【数3】 0.8≦〔5〕/(〔6〕+〔7〕+〔8〕)≦1.2 0.5≦〔6〕/(〔6〕+〔7〕+〔8〕)≦0.90 0.05≦〔7〕/(〔6〕+〔7〕+〔8〕)≦0.45 0.05≦〔8〕/(〔6〕+〔7〕+〔8〕)≦0.45 の比率にしておくのが好ましい。最も好ましくは、
【0022】
【数4】 1.0≦〔5〕/(〔6〕+〔7〕+〔8〕)≦1.2 0.6≦〔6〕/(〔6〕+〔7〕+〔8〕)≦0.90 0.05≦〔7〕/(〔6〕+〔7〕+〔8〕)≦0.20 0.05≦〔8〕/(〔6〕+〔7〕+〔8〕)≦0.20 である。
【0023】これらを一括して仕込んだ後、またはジヒ
ドロキシ化合物(5)のみを仕込んだ後に所定量の無水
酢酸を仕込み、100〜170℃でアセチル化を行う。
アセチル化反応は5分〜3時間、好ましくは20分〜
1.5時間行う。無水酢酸の量(これを
〔9〕とする)
は、原料ヒドロキシ基量と同量ないし1.5倍量程度使
用するのが好ましい。すなわち、
【0024】
【数5】1.0≦
〔9〕/2×〔5〕≦1.5 である。ジヒドロキシ化合物(5)のみを先に仕込んだ
場合は、アセチル化中、またはアセチル化終了後、また
は次の昇温中、または昇温終了後、すなわち減圧開始前
にジカルボン酸((6)及び(7)及び(8))を仕込
む。
【0025】昇温終了後、減圧開始前に270〜325
℃付近で10分ないし2時間常圧で熟成させることが仕
込み比率をポリマー比率と合わせるために好ましい。そ
の後、昇温して重合を行なうが、重合は200〜325
℃で重合させるのが好ましく、特に275〜325℃で
行うのが好ましい。最も好ましくは300〜320℃で
ある。生成ポリマーの耐熱性が高いわりに低温で重合で
きるという利点がある。また重合は減圧下で行うが、7
60mmHgから1mmHgまで徐々に減圧し、減圧に
要する時間は30分以上、好ましくは60分以上の時間
であり、特に30mmHgから1mmHgまでの減圧を
徐々に行うことが重要である。
【0026】また、反応は無触媒でも可能であるし、必
要に応じて触媒の存在下で実施される。使用される触媒
としてはエステル交換触媒、重縮合触媒、アシル化触
媒、脱カルボン酸触媒等が使用され、これらを混合して
も構わない。好ましい触媒としてはTi(OBu)4
BuSnOOH、Sn(OAc)2 、Sb2 3 、Fe
(acac)3 、Zn(OAc)2 、Co(OA
c)2 、NaOAc、KOAc等が挙げられる。その使
用量はポリマーに対して5〜5000ppm、好ましく
は50〜5000ppmである。
【0027】重合時間は10時間以内ならよいが、好ま
しくは7時間以内である。さらに1〜4時間以内が最も
好ましい。この重合は低温で行うことができるという利
点だけでなく、更に低温で行っても簡単に抜け出せ、抜
き出し時にトラブルを起こすことがないという大きな利
点がある。そのため従来の縦型重合装置を使用すること
ができるという大きな特徴を有する。また、溶融重合法
のみで最終ポリマーを製造できるという利点もある。
【0028】従来のポリエステル製造用縦型重合装置と
は、例えば、繊維便覧(原料編)p808の図7、11
に記載されているようなものが挙げられる。もちろん本
発明においては横型のニーダー型反応装置を用いてもよ
いし、溶融重合後に固相重合を行い、より高重合度化す
ることも可能である。また、本発明の液晶性ポリエステ
ルは溶融相において光学的異方性を示す。特に溶融を始
めると溶融開始温度から少し温度を高めるだけで固体部
分がほとんどなくなり、ほとんどすべてが液晶状態をと
りうるので、流動性が従来のポリエステルよりもはるか
によいという特徴を有する。そのため成形性が良好で押
出成形、射出成形、圧縮成形等の一般的な溶融成形を行
うことが可能であり、成形品、フィルム、繊維等に加工
することができる。
【0029】溶融粘度についていうと、本発明のポリエ
ステルは液晶性を示すことより、溶融粘度は一般に低
い。例えば320℃、103 sec-1での溶融粘度は5
0〜5000ポイズ、好ましくは50〜3000ポイ
ズ、さらに好ましくは100〜2500ポイズである。
最も好ましくは200〜2000ポイズである。本発明
のポリエステルは、成形品にしたときに特に大きな特徴
を有する。すなわち、 1)MD、TD両方向の弾性率が大である。 2)MD、TD両方向の強度が大である。 3)衝撃強度が大である。 4)流動性が高いので極薄成形品の製造が可能である。
【0030】従って、自動車材料(例えば垂直外板はも
ちろん水平外板など)や精密成形品、薄物成形品、コン
パクトディスクやフロッピーディスク等の情報材料の部
品、コネクター、ICソケット等の電子材料の部品等に
好適に使用されうる。また、成形時に本発明の共重合ポ
リエステルに対し、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維類、
タルク、マイカ、炭酸カルシウム等のフィラー類、核
剤、顔料、酸化防止剤、滑剤、その他安定剤、難燃剤等
の充填剤や添加剤、熱可塑性樹脂等を添加して成形品に
所望の特性を付与することも可能である。
【0031】また、他のポリマーとのブレンドやアロイ
化によって他のポリマーの特徴と本発明の共重合ポリエ
ステルの両方の長所を合わせもつ組成物を創出すること
も可能である。
【0032】
【実施例】次に本発明についてさらに詳細に説明する
が、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限
定されるものではない。尚、実施例中の溶融粘度の測定
には、島津製作所製フローテスターを用い、せん断速度
1000sec-1、シリンダーノズルの長さ/直径=2
0を使用した。光学異方性(液晶性)は、ホットステー
ジ付き偏光顕微鏡を用いて観察した。成形は日本製鋼社
製0.1oz射出成形機を用いて行い、成形片を作成し
た。
【0033】成形品としては次の3通りの試験片を成形
した。 (1)ポリマーの機械的物性の異方性を測定するため、
曲げ試験を行うための40mm(長さ)×6mm(幅)
×1mm(厚さ)の試験片を射出方向(MD)とそれに
垂直な方向(TD)の両方向について成形した。 (2)20mm×20mm×1.5mmの平板を成形し
た。この射出成形品を一つは流動方向と平行に20mm
×2mm×1.5mmに切り出し、一つはこの流動方向
と垂直に20mm×2mm×1.5mmに切り出した。 (3)耐衝撃性測定用試験片を作成した。
【0034】得られた試験片について(1)については
MD、TD方向それぞれの曲げ弾性率、曲げ強度をオリ
エンテック社製テンシロンを用いて測定し、また射出方
向の動的弾性率E′MD及びそれに垂直な方向の動的弾性
率E′TDを、バイブロン(オリエンテック社製レオバイ
ブロンDV−III 型)を用いて110Hz、23℃にて
測定した。(2)についてはE′MD及びE′TDのみを測
定した。
【0035】耐熱性の測定として、ビカット軟化温度を
測定した。ビカット軟化温度は、東洋精器の自動HDT
測定装置を用い、サンプルは上記0.1oz成形片を用
いて50℃/時間の昇温速度で針が1mm浸入したとこ
ろの温度である。。ハンダ耐性は、260℃のハンダ浴
に上記0.1oz成形片を10秒間浸漬し、外観を目視
により判断した。
【0036】<実施例1>撹拌翼、窒素導入口、減圧口
を備えたガラス重合管に2−メチルハイドロキノン4
7.7g(0.385モル)、テレフタル酸38.4g
(0.231モル)、ナフタレン−2,6−ジカルボン
酸、16.6g(0.077モル)、ナフタレン−1,
4−ジカルボン酸16.6g(0.077モル)を仕込
み、窒素−減圧置換によって系内を窒素雰囲気にした
後、さらに無水酢酸を98.2g(0.963モル)添
加した。次に、系を撹拌しながら140℃に昇温し、1
時間140℃に保った。その後、1時間40分かけて3
00℃に昇温し300℃で30分熟成させた後、さらに
320℃まで昇温した。320℃に達したところで減圧
を開始した。
【0037】減圧は、最初の1時間で10mmHgに
し、以下1.5時間かけて10mmHgから0.3mm
Hgになるように行ったが、5mmHgの時点で充分ト
ルクが上がったので重合を終了した。その後静置し、復
圧して重合管の底からポリマーを抜き出した。抜き出し
性は非常に良好であった。このポリマーの320℃での
溶融挙動、及び320℃で成形しその力学特性を調べ
た。その結果を表−1に示す。MD,TD両方向の弾性
率、強度が非常に大きいことがわかった。また、アイゾ
ット衝撃強度が大きかった。このポリマーの赤外吸収ス
ペクトルを図1に示す。
【0038】<実施例2>組成は実施例1と同一で組成
比率のみを次の通り変更した以外は、実施例1と同様に
行った。
【0039】
【表1】 各物性値は表−1に示した。
【0040】<比較例1>組成は実施例1と同一で組成
比率のみを次の通り変更した以外は、実施例1と同様に
行った。
【0041】
【表2】 各物性値は表−1に示した。
【0042】<比較例2>特開昭59−124925号
の実施例1に準じて製造した。すなわち、以下に示す組
成の原料を重合管に仕込み、290℃、窒素雰囲気下で
一時間撹拌し、次いで0.5mmHgに減圧し30分撹
拌してポリマーを得た。
【0043】
【表3】 物性値は表−1に示した。
【0044】<比較例3>特開昭61−19627号の
実施例に準じて製造した。すなわち、以下に示す組成の
原料を重合管に仕込み、150℃、窒素雰囲気下で30
分撹拌し、次いで280℃まで昇温し0.5mmHgま
で減圧してポリマーを得た。
【0045】
【表4】 このポリマーは、釜の底から抜き出すことは出来なかっ
た(325℃で同様に製造した場合も釜の底から抜き出
すことは出来なかった)。325℃、せん断速度102
sec-1での溶融粘度は2.5×104 ポイズ、せん断
速度103 sec-1での溶融粘度は8000ポイズと非
常に高いものとなった。物性値を表−1に示した。
【0046】<比較例4>特開平1−261418号の
実施例2に準じて製造した。すなわち、以下に示す組成
の原料を重合管に仕込み、窒素雰囲気下で330℃まで
昇温し2時間反応させ、次に380℃まで昇温し減圧し
てポリマーを得た。
【0047】
【表5】 このポリマーの377℃での溶融粘度はせん断応力10
3 sec-1で2600ポイズと高いものであった。物性
値を表−1に示した。また、本ポリマーを325℃以下
で製造する実験を別途行ったところ固化してしまった。
【0048】<比較例5>市販品の液晶性ポリエステル
(商品名:Vectra A950、ポリプラスチック
ス(株)製)を用いて成形した)成形温度300℃)。
物性値は表−1に示す。
【0049】<比較例6>特公昭56−18016号の
実施例1に基づき
【0050】
【化5】
【0051】が、40/60モル比になるように仕込
み、窒素雰囲気下にした後、275℃で60分撹拌し、
さらに0.5mmHgまで減圧してポリマーを得た。物
性値は表−1に示す。成形は、275℃で行った。
【0052】
【表6】
【0053】
【発明の効果】以上のデータより本発明の組成、組成比
を用いると325℃以下の従来の製造装置でトラブルが
なく製造できるという特徴を有するため大量生産が可能
である。また、溶融粘度が低いため、成形性に優れ、特
に薄物成形品が成形できる。
【0054】さらに成形品はMD、TD両方向の弾性
率、強度が高く、かつIzod衝撃強度が高いという特
徴を有する。その上流動性に優れ、耐熱性にも優れると
いう特徴を有する。そのため、成形材料やフィルム等の
製品に非常に有用である。特に成形材料としては自動車
用材料(例えば外板)、電気、電子部品、薄物成形品、
精密成形品として好適である。繊維などの一軸配向品と
しても適することはいうまでもない。
【0055】また、本発明の液晶性ポリエステルは従来
タイプの縦型の重合装置で325℃以下でメルト重合が
可能でかつ釜の底からの抜き出し性も良好なことから汎
用的取扱いが可能という特徴も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で得られたポリマーの赤外吸
収スペクトル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)〜(4)で表される構成単
    位 【化1】 から成り、(1)(2)(3)(4)のモル数をそれぞ
    れ〔1〕〔2〕〔3〕〔4〕とすると 【数1】 0.8≦〔1〕/(〔2〕+〔3〕+〔4〕)≦1.2 (I) 0.5≦〔2〕/(〔2〕+〔3〕+〔4〕)≦0.90 (II) 0.05≦〔3〕/(〔2〕+〔3〕+〔4〕)≦0.45 (III ) 0.05≦〔4〕/(〔2〕+〔3〕+〔4〕)≦0.45 (IV) を満たし、320℃、せん断応力103 sec-1での溶
    融粘度が50〜5000ポイズであることを特徴とする
    液晶性ポリエステル。
  2. 【請求項2】 下記式(5)〜(8)で表される化合物 【化2】 と無水酢酸とを反応させてアセチル化を行った後、減圧
    して重縮合を行うにあたり、重縮合の温度を325℃以
    下で行うことを特徴とする請求項1記載の液晶性ポリエ
    ステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の液晶性ポリエステルから
    成る射出成形品。
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