JPH0648821Y2

JPH0648821Y2 - 電磁装置

Info

Publication number: JPH0648821Y2
Application number: JP1986096990U
Authority: JP
Inventors: 悟志寺本; 章雄奥出; 克行清積; 誠塩見
Original assignee: Matsushita Electric Works Ltd
Current assignee: Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority date: 1986-06-25
Filing date: 1986-06-25
Publication date: 1994-12-12
Anticipated expiration: 2001-06-25
Also published as: JPS633120U

Description

【考案の詳細な説明】〔技術分野〕この考案は、変成器等となる電磁装置に関するものであ
る。

〔背景技術〕

従来の電磁装置を第９図ないし第13図に基づいて説明す
る。

第９図は円環状の鉄心62に２組のコイル64,66を巻いた
ものであり、第10図にその回路図を示す。このように、
鉄心62に直接コイル64,66を巻くような構造の場合、コ
イル64,66として絶縁被覆の薄い電線を使用すると、両
コイル64,66が鉄心62を介して接続されることになり、
またコイル64,66の巻回位置を固定できないので両コイ
ル64,66どうしが接触し、コイル64,66が絶縁不良となっ
て異常をきたす恐れがあった。そのため、第11図および
第12図に示すように、コイル64,66間を仕切るために仕
切り68を鉄心62にその都度設けることが考えられるが、
コイルの本数が多くなるとそれを仕切るための仕切りの
取付けに多大な手間がかかってしまうという問題があ
る。以上の理由により、従来の電磁装置におけるコイル
64,66としては、絶縁被覆の厚い電線を用いる必要があ
り、コスト高になりかつ巻き難いという問題があった。

また、コイル64,66の巻回位置が固定していないので、
第13図に示すように電磁装置をプリント基板70へ取付け
る際に、コイル64,66の端子72,74をプリント基板70の挿
入孔76,78に挿入する作業が困難であるという問題もあ
った。

〔考案の目的〕

この考案の目的は、コイル間の絶縁が確実でしかも容易
に行えコイルとして絶縁被覆の薄い電線を使用すること
ができ、かつコイル端子の基板への挿入も容易に行える
電磁装置を提供することである。

〔考案の開示〕

この考案の電磁装置は、環状の鉄心と、この鉄心を覆っ
た環状の絶縁性のボビンと、このボビンの内周面に設け
られ前記ボビンの内側空間を前記ボビンの内周面の周方
向に仕切った仕切りと、この仕切りに対応して前記ボビ
ンの周方向に複数設けられて前記ボビンの一方の軸方向
に突出するとともに前記ボビンの外周より突出したダボ
と、このダボに対応して前記ボビンの他方の軸方向に突
出した浮かしダボと、前記ダボおよび前記浮かしダボと
前記仕切りとで仕切られた前記ボビンの表面に巻いた複
数組のコイルと、これらのコイルの周方向の間で前記浮
かしダボよりも突設されたリードとを備えたものであ
る。

この考案の構成によれば、鉄心を絶縁性のボビンで完全
に覆われて、そのボビンに複数組のコイルを巻いたの
で、埃の侵入等による絶縁不良のおそれがなくコイルど
うしが鉄心を介して接続されることがない。しかも、ボ
ビンに巻いたコイルが仕切り，ダボおよび浮かしダボで
仕切られ、コイルどうしの接触を防ぐ完全な仕切り構成
が実現できる。このように、コイル間の絶縁が確実に行
えるので、コイルとして絶縁被覆の薄い電線を使用する
ことができる。しかも仕切り，ダボおよび浮かしダボが
ボビンに予め設けられているので、この仕切り，ダボお
よび浮かしダボで仕切ってボビンにコイルを巻くだけで
コイルの絶縁が容易に行える。またリードをボビンに設
けたため、基板へのリードの挿入が容易になるととも
に、ボビンの軸方向に浮かしダボを設けたため、コイル
端末のはんだ付け寸法にばらつきがあっても浮かしダボ
でそのばらつきを吸収でき、電磁装置を安定よくプリン
ト基板に固定することができる。さらに浮かしダボおよ
びダボがコイルの外表面よりも外方に突出できるのでプ
リント基板への実装や搬送等の取扱におけるコイルの保
護になる。

実施例この考案の一実施例を第１図ないし第４図に基づいて説
明する。すなわち、この実施例の電磁装置は、第１図に
示すように、環状の鉄心10と、この鉄心10を覆った環状
の絶縁性のボビン12と、このボビン12の内周面に設けら
れボビン12の内側空間14をボビン12の内周面の周方向に
仕切った仕切り16,18,20,22と、この仕切り16,18,20,22
に対応してボビン12の周方向に複数設けられてボビン12
の一方の軸方向に突出するとともにボビン12の外周より
突出したダボ24,26,28,30と、このダボ24,26,28,30に対
応してボビン12の他方の軸方向に突出した浮かしダボ44
と、ダボ24,26,28,30および浮かしダボ44と仕切り16,1
8,20,22とで仕切られたボビン12の表面に巻いた複数組
のコイル21,23と、これらのコイル21,23の周方向の間で
浮かしダボ44よりも突設されたリード36,38,40,42とを
備えたものである。

鉄心10およびボビン12は共に円環状に形成されており、
ボビン12は第２図に示すように上部ボビン12aと下部ボ
ビン12bとから構成されている。上部ボビン12aおよび下
部ボビン12b内には共に鉄心10を収納するための収納空
間32,34が形成されており、かつ上部ボビン12aの外周に
はダボ24,26,28,30が突設されている。また、下部ボビ
ン12bには、コイル21,23を引出すための導電性のリード
部材36,38,40,42が設けられている。さらに、下部ボビ
ン12bの下面には浮かしダボ44が設けられている。上部
ボビン12aと下部ボビン12bの各収納空間32,34内に鉄心1
0を収納して、上部および下部ボビン12a,12bを嵌め合わ
せてボビン12を組立てる。第３図は、組立てたボビン12
の平面図である。

また、ボビン12の内側空間14は、その中心から放射状に
延びる４本の仕切り16,18,20,22でボビン12の内周面の
周方向に仕切られている。これら仕切り16,18,20,22は
ボビン12の内周面に一体成形により設けられている。

さらに、コイル21,23は絶縁被覆の薄いエナメル線等の
電線からなり、各々仕切り16と22の間および仕切り18と
20の間を通してボビン12に巻いてある。コイル21,23コ
イル端末は、リード部材36,42および38,40にはんだ付け
して接続してある。

電磁装置は、リード部材36,38,40,42をプリント基板46
の挿通孔48に挿通して固定する。

このように構成された電磁装置によると、鉄心10を絶縁
性のボビン12で覆ったので、コイル21,23どうしが鉄心1
0を介して接続することがない。しかも、ボビン12の内
側空間14をボビン12の内周面の周方向に仕切り16,18,2
0,22で仕切るとともにボビン12の外周側をダボ24,26,2
8,30で仕切ったので、ボビン12に巻いたコイル21,23が
仕切り16,18,20,22およびダボ24,26,28,30で仕切られ、
コイル21,23どうしの接触を防ぐ完全な仕切り構成が実
現できる。

このように、コイル21,23間の絶縁が確実に行えるの
で、コイル21,23として絶縁被覆の薄い電線を使用する
ことができ、コストの低減が図れかつ巻き易く、形状も
小さくできる。しかも、仕切り16,18,20,22およびダボ2
4,26,28,30がボビン12にあらかじめ固設されているの
で、仕切り16,18,20,22およびダボ24,26,28,30で仕切っ
てボビン12にコイル21,23を巻くだけで、コイル21,23の
絶縁が容易で行える。

また、仕切り16,18,20,22でコイル21,23の巻回位置が固
定するので、コイル端末を容易にリード部材36,38,40,4
2に接続して、リード部材36,38,40,42を簡単にプリント
基板46の挿通孔48へ挿通することができる。

また、ボビン12の下面に浮かしダボ44を設けたので、リ
ード部材36,38,40,42に接続したコイル端末のはんだ付
け寸法にばらつきがあっても浮かしダボ44でそのばらつ
きを吸収することができ、安定よく電磁装置をプリント
基板46に固定することができる。

さらに、ボビン12にダボ24,26,28,30および仕切り16,1
8,20,22を設けたので、ボビン12の肉厚を薄くしてもそ
の強度を保つことができ、電磁装置の磁気特性が低下し
ない。また、浮かしダボ44および24,26,28,30がコイル2
1,22の外表面よりも外方に突出できるのでプリント基板
46への実装や搬送等の取扱いにおけるコイル21,23の保
護になる。

この考案の他の実施例を第５図ないし第８図に基づいて
説明する。この実施例の電磁装置は、第５図に示すよう
にボビン12の内側空間14の中心から放射状に延びる仕切
り50をボビン12の外周にまで延設したものであり、仕切
り50の先端はボビン12に設けたダボ52に接続してある。
その他の構成は、第１の実施例と同様である。第６図
は、仕切り52で仕切ってボビン12にコイル54を巻いた状
態を示している。

また、第７図の例は、ボビン12の外周に複数のダボ58を
設け、ボビン12の内側空間14から複数のダボ58のうちの
一部にまで延びる仕切り56を設けたものである。コイル
60は、仕切り56およびダボ58にて仕切られる。第８図
は、その正面図を示している。

このように構成された電磁装置においても、第１の実施
例と同様の効果が得られる。

さらに、仕切り50,56がボビン12の外周にまで延びて設
けられているので、ボビン12に巻回したコイル54,60の
仕切りがより一層確実に行える。

〔考案の効果〕

この考案の構成によると、つぎの効果がある。すなわ
ち、鉄心を絶縁性のボビンで完全に覆われ、そのボビン
に複数組のコイルを巻いたので、埃の侵入等による絶縁
不良のおそれがなくコイルどうしが鉄心を介して接続さ
れることがない。しかも、ボビンに巻いたコイルが仕切
り，ダボおよび浮かしダボで仕切られ、コイルどうしの
接触を防ぐ完全な仕切り構成が実現できる。このよう
に、コイル間の絶縁が確実に行えるので、コイルとして
絶縁被覆の薄い電線を使用することができる。しかも仕
切り、ダボおよび浮かしダボがボビンに予め設けられて
いるので、この仕切り、ダボおよび浮かしダボで仕切っ
てボビンにコイルを巻くだけでコイルの絶縁が容易に行
える。またリードをボビンに設けたため、基板へのリー
ドの挿入が容易になるとともに、ボビンの軸方向に浮か
しダボを設けたため、コイル末端のはんだ付け寸法にば
らつきがあっても浮かしダボでそのばらつきを吸収で
き、電磁装置を安定よくプリント基板に固定することが
できる。さらに浮かしダボおよびダボがコイルの外表面
よりも外方に突出できるのでプリント基板への実装や搬
送等の取扱いにおけるコイルの保護になる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の平面図、第２図はその分
解正面図、第３図はそのボビンの平面図、第４図はその
正面図、第５図はこの考案の他の実施例のボビンの平面
図、第６図はそのコイル巻回後の平面図、第７図はその
変形例の平面図、第８図もその変形例の正面図、第９図
（Ａ），（Ｂ），（Ｃ）は従来例の平面図，側面図，正
面図、第10図はその回路図、第11図はその仕切りを設け
た状態の平面図、第12図は同じくその仕切りを設けた状
態の正面図、第13図はプリント基板への取付け動作を示
す斜視図である。 10……鉄心、12……ボビン、14……内側空間、16,18,2
0,22……仕切り、21,23……コイル、24,26,28,30……ダ
ボ、36,38,40,42……リード、44……浮かしダボ

フロントページの続き (72)考案者清積克行大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株式会社内 (72)考案者塩見誠大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株式会社内 (56)参考文献実開昭58−120609（ＪＰ，Ｕ) 実開昭60−39209（ＪＰ，Ｕ) 実公昭46−1844（ＪＰ，Ｙ１) 実願昭59−7528号（実開昭60− 121618号）の願書に添付した明細書及び図面の内容を撮影したマイクロフィルム（ＪＰ，Ｕ) 実願昭50−57578（実開昭51− 137542号）の願書に添付した明細書及び図面の内容を撮影したマイクロフィルム（ＪＰ，Ｕ)

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】環状の鉄心と、この鉄心を覆った環状の絶
縁性のボビンと、このボビンの内周面に設けられ前記ボ
ビンの内側空間を前記ボビンの内周面の周方向に仕切っ
た仕切りと、この仕切りに対応して前記ボビンの周方向
に複数設けられて前記ボビンの一方の軸方向に突出する
とともに前記ボビンの外周より突出したダボと、このダ
ボに対応して前記ボビンの他方の軸方向に突出した浮か
しダボと、前記ダボおよび前記浮かしダボと前記仕切り
とで仕切られた前記ボビンの表面に巻いた複数組のコイ
ルと、これらのコイルの周方向の間で前記浮かしダボよ
りも突設されたリードとを備えた電磁装置。