JPH064845Y2 - 棒状化粧料容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、眉ずみ，アイライナー等の棒状化粧料の容
器の改良に関する。

（従来の技術） 従来、化粧料容器、特にカートリッジ式の容器におい
て、カートリッジ内の棒状化粧料を押出すため、種々の
押出機構が案出され、例えば押出杆をねじの噛合せによ
り前進させるもの、あるいはチャックにより間欠的に前
進させる２段ノック機構が提案されている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上記押出機構は、化粧料先端に過度の力
が加わると、ねじの後退，チャックの保持力の欠如によ
り化粧料が容器内に没入し、充分な化粧をすることがで
きないこととなる。また、そのようなことのない出没機
構とするには複雑な係止機構を設けなければならず、コ
ストの増大は避けられないものであり、しかも、組付，
金型加工も困難となる場合が多い。そこで、この考案
は、上記従来のものの欠点を改良し、簡単な構造により
不時の後退を防止しようとするものである。

（課題を解決するための手段） そのために、棒状化粧料を収容するカートリッジを挿入
する開口部を具え、上記棒状化粧料の押出杆を進退する
ホルダーを軸筒内にスプリングを介して嵌挿し、ホルダ
ー外周に小径部を設けるとともに、この小径部に係止縁
を設け、この係止縁に係止する環状体を案内溝に嵌合
し、この案内溝と環状体との間に環状体が軸に直交する
方向に移動できるように付勢するスプリングを収容し、
かつ、上記環状体の一部を軸筒外に突出させてなるもの
である。

（作用） 上記構成をもつので、ホルダー全体を軸方向に作用する
スプリングに抗して前進させて、カートリッジを先端ま
で押出すと、ホルダーの小径部が環状体部分に位置する
こととなり、案内溝内に収容されるスプリングにより軸
筒半径方向に付勢される環状体は、その一周縁をホルダ
ーの小径部係止縁に係止し、そのホルダーの後退を阻止
する。この状態でホルダーを作動して押出杆を前進さ
せ、カートリッジ内の化粧料軸筒外方に押出して化粧を
することができ、化粧を終了するとともに、環状体の軸
外方に突出する釦を上記軸筒半径方向に付勢するスプリ
ングに抗して押圧すると、ホルダーは軸内の軸方向に作
用するスプリングにより後退し、化粧料は軸内に没入す
ることとなる。こうして、簡単な係止機構により、化粧
時の化粧料の後退を阻止できるので、カートリッジを用
いるこの種容器のコストを低減した上、その有用性を高
め、その組付けを容易にすることができるものである。

（実施例） この考案を図に示す実施例により更に説明する。(1)は
容器の軸筒を示し、軸筒(1)の一端には棒状化粧料(14)
を収納するカートリッジ(4)を挿入する開口部(2)を設
け、その開口部(2)内壁にはカートリッジ(4)を把持する
板状スプリング(17)を装着してある。(3)は押出杆(18)
を前進させるための一連の機構をもつホルダーであり、
このホルダー(3)は実施例に限らずねじ筒に噛合い前進
する機構をもつようにもできる。ホルダー(3)は軸筒(1)
との間に軸方向に作用するスプリング(5)を介して嵌挿
され、ホルダー(3)後方には中間筒(6)を螺合した上、係
止管(7)に接続する。係止管(7)は中間筒(6)とともにホ
ルダー(3)の一部を構成し、その後方に小径部(11)を設
け、その小径部(11)の前端縁に傾斜辺より形成する係止
縁(12)を設ける。この小径部(11)をもつホルダー(3)の
前進時（カートリッジ内の化粧料の突出時）、小径部(1
1)の位置する軸筒(1)部分に、案内筒(23)を嵌合固定
し、この案内筒(23)の案内溝(24)に軸筒半径方向に付勢
するスプリング(10)（実施例においては板スプリングで
あるが、コイルスプリングでもよい。）によって軸筒
(1)の一方の内壁に向け付勢される環状体(8)を嵌合す
る。したがって、この環状体(8)はその内部空間を係止
管(7)に移動自在に遊嵌させてなるものである。この係
止管(7)の後端は、軸筒(1)の後端より突出する押出釦(1
3)に連結する。(25)は環状体(8)と一体に構成され、軸
筒(1)より外部に突出する釦であり、軸筒(1)の孔(9)に
嵌合して環状体(8)の係止を解放する場合に用いられ
る。

一方、ホルダー(3)は、押出釦(13)に接続し、中間管(6)
とスプリング(21)を介して連結するチャック管(22)を具
え、チャック管(22)に把持され、前端を押出杆(18)に連
結する進退杆(19)を具える。押出杆(18)は、カートリッ
ジ(4)内に収納する棒状化粧料(14)の後端を保持する保
持管(16)の後端に嵌合し、カートリッジ(4)内を上記化
粧料(14)を外方に突出させるように移動させる。

そこで、まず、カートリッジ(4)を軸筒(1)の開口部(2)
に挿入の上、化粧料(14)を保持する保持管(16)を容器の
押出杆(18)の先端と結合の上、押出釦(13)を押圧してホ
ルダー(3)に結合する係止管(7)を軸方向に作用するスプ
リング(5)に抗して前方に移動させる。係止管(7)の小径
部(11)の端縁傾斜部(12)が環状体(8)を軸筒半径方向に
作用するスプリングすなわち板ばね(10)に抗して中心に
向け移動させながら前進し、小径部の係止縁(12)に環状
体(8)の端縁が係止し、ホルダー(3)の後退を阻止するこ
ととなる。この状態で、更に押出釦(13)を押圧するとス
プリング(21)に抗してチャック管(22)の把持により、進
退管(19)をチャック管(22)の前進とともに前進させ、こ
れに連結する押出杆(18)を前進させ、その前進量だけ化
粧料(14)を外方に突出させて、化粧をすることとなる。

そして、化粧中は環状体(8)と係止管(7)，中間管(6)と
一体のホルダー(3)が係止して、その後退が阻止される
ので、押出杆(18)により支持される化粧料(14)は、後退
することがない。

ここで化粧が終わると、環状体(8)の軸筒(1)より突出す
る釦(25)を押圧すると、環状体(8)と小径部(11)の係止
が解放され、ホルダー(3)はスプリング(5)により押出杆
(18)とともに後退して、化粧料(14)をカートリッジ(4)
内に没入させるものである。

（考案の効果） 以上のとおり、環状体とホルダーとの係止を半径方向に
作用するスプリングにより外部に突出した化粧料の後退
を阻止して、カートリッジを用いる出没式化粧料容器の
化粧料の支持を完全にし、しかも上記スプリングを案内
溝に収容するだけで環状体の係止を完全にし、組付けを
容易にできる。という優れた効果をもつものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例における後退阻止時の縦断面
図、第２図は阻止解放時を示し、第３図は第１図，第４
図は第２図のそれぞれ横断面図である。 １……軸筒、２……開口部 ３……ホルダー、４……カートリッジ ５……スプリング、６……中間管 ６……接続管、８……環状体 10……板ばね、11……小径部 14……化粧料、18……押出杆 25……押釦

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】棒状化粧料を収納するカートリッジを挿入
   する開口部を具え、上記棒状化粧料の押出杆を進退する
   ホルダーを軸筒内軸方向に作用するスプリングを介し
   て、嵌挿し、このホルダー外周に小径部を設けるととも
   に、この小径部に係止縁を設け、この係止縁と係止する
   環状体を、案内溝内に嵌合し、この案内溝と環状体の間
   に環状体が軸筒内の軸に直交する方向に移動できるよう
   に付勢するスプリングを収容し、かつ上記環状体の一部
   を軸筒外に突出させてなる棒状化粧料容器。