JPH06483A - 浄水処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成により、浄水処理装置の使用停止
時における、外部から侵入した雑菌の繁殖を防止する。 【構成】 活性炭１及び中空糸膜２よりなる浄水用濾過
部の後端に圧力弁８を配設し、この圧力弁８と浄水が吐
出する出水口７との間に配設された導水通管６を、内部
の一部または全部に、銀または銀化合物が施された細管
の複合構造９により構成した。水道水の供給停止時には
圧力弁８が閉じ、濾過部以前を密閉化すると共に、以後
の出水口７へ至る導水通管６内に積極的に浄水を滞留さ
せる。この滞留浄水は前記銀または銀化合物から溶出す
る銀イオンにより殺菌水となり、空気中に浮遊する雑
菌、カビ等が接触しても増殖を抑える。導水通管６は、
細管の複合構造９により構成されているので、滞留浄水
が抜け落ちるのが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、浄水処理装置に係わ
り、特に使用後の浄水処理装置の中に繁殖し易い雑菌、
カビ類を制菌することができる浄水処理装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】近年、水道水の水源の水質悪化が加速さ
れ、水道水中の消毒用の過剰塩素によるカルキ臭、水源
の富養化に伴うカビ臭、藻臭が水をまずくしており、ま
た消毒用塩素により、変異原性物質（発ガン物質）であ
るトリハロメタン等の有機塩素化合物が生成され問題と
なっている。これらとは別に、増加するマンション、ア
パートの貯水槽では藻類、ダニの繁殖も問題になってい
る。これらを背景として、一般家庭における浄水処理装
置の普及が飛躍的に延びており、一種のブームにさえな
っている。これに対して、1984年に厚生省から「内部の
滞留水に雑菌が繁殖するおそれがある」との報告があ
り、滞留水の排除、銀付着活性炭の使用、中空糸膜の使
用等の対策により今日に至っている。これらは、銀イオ
ンの制菌効果や、中空糸膜による雑菌の濾過を目的とし
て行なわれている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、浄水処
理装置の長期間の使用停止における雑菌の繁殖は、活性
炭等内部濾過構造からだけではなく、殺菌効果を有する
塩素が除去された浄水が滞り易い出水口へ至る水路中に
も起きる。これは水路中の浄水に、室内の空気中に浮遊
する雑菌及びカビの胞子等が接触して繁殖するためであ
る。特に、浄水能力を高くし、長寿命化した卓上型の浄
水処理装置は使い勝手を良くするため、濾過構造後端よ
り出水口までに導水通管を用いたものが多く、湿気が滞
り易い構造となっているので雑菌が繁殖し易い。この発
明は上記した従来の浄水処理装置の欠点を除去し、浄水
処理装置の使用停止時における、外部から侵入した雑菌
の繁殖を防止することができる浄水処理装置を提供する
ことを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明の浄水処理装置は、水道水中の不純物の
濾過構造または分解構造の後端に配設された圧力弁と、
この圧力弁と浄水が吐出する出水口との間に配設された
導水通管とを備え、この導水通管を、内部の一部または
全部に、銀または銀化合物が施された複数の細管により
構成したことを特徴とするものである。

【０００５】

【作用】上記のように構成された浄水処理装置では、浄
水中には連続的に出水口へ流れている浄水に対し、水道
水の供給停止時には濾過構造または分解構造の後端に配
設された圧力弁が閉じ、濾過構造または分解構造以前を
密閉化すると共に、以後の出水口へ至る導水通管内に積
極的に浄水を滞留させる。この滞留浄水は導水通管内に
メッキ等により施された銀または銀化合物から溶出する
銀イオンにより殺菌水となり、空気中に浮遊する雑菌、
カビ等が接触しても増殖を抑える。また、前記導水通管
は、浄水を出水口近辺までの間に確実に滞らせるため
に、その長さを考慮した複数の細管により構成されてい
るので、滞留浄水が抜け落ちるのが防止される。

【０００６】

【実施例】以下に、この発明の一実施例を図１について
説明する。図１は浄水処理装置の概略を示すものであ。
この浄水処理装置の本体ケース３には、浄水用濾過材と
しての活性炭１及び中空糸膜２が内蔵されている。この
活性炭１は抗菌効果を有する銀付着型活性炭を使用して
雑菌の繁殖を抑える。また、この活性炭１は、中空糸膜
２の0.2μｍ以下の精密濾過膜により流出が防止され
る。流入口４は導水ホース５を介して水道蛇口（図示せ
ず）に接続されており、浄水時には水道水の水圧によ
り、前記活性炭１及び中空糸膜２よりなる濾過材を通過
した浄水が中空糸膜２の後部に配設された圧力弁８を押
し開き、導水通管６を通って出水口７より供給される。

【０００７】浄水停止のために水道蛇口を閉じると、水
道水の供給が停止され、内部水圧が下がって圧力弁８は
その負性スプリングにより閉じられ、圧力弁８以前の濾
過部から前記水道蛇口までの水路が密閉されると共に、
連続的に流れていた浄水も前記圧力弁８から出水口７の
間に滞留する。このように浄水が滞留する導水通管６の
内部は、その出水口７の近傍が、細管の複合構造９にな
っていて、圧力弁８を閉じたことによる滞留水の負圧と
表面張力により滞留水の流れ出しが防止される。

【０００８】また、前記導水通管６の出水口７付近の一
部または全内周には、銀または銀化合物がメッキ等によ
り施されていて、前記滞留水に銀イオンを溶出せしめ、
この滞留水を殺菌水化する。前記滞留水が殺菌水化され
ることにより、これに空気中の雑菌が接触しても、出水
口７直近にてその繁殖が防止される。

【０００９】前記細管の複合構造９は、滞留水の流出を
防ぐためのものであり、浄水時に流水負荷が大きくなる
程の細管である必要はなく、内径が4〜5mmのもので充分
である。上記実施例では、細管の複合構造９を導水通管
６の出水口７近傍にのみ配設したが、導水通管６の全長
に亘って配設してもよい。また、上記実施例では、導水
通管６自体を複合構造化したが、細管複合体を出水口７
より挿入して配設してもよい。

【００１０】

【発明の効果】この発明は上記のように構成されている
ので、簡単な構成により、浄水処理装置の使用停止時に
おける、外部から侵入した雑菌の繁殖を防止することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示す浄水処理装置の概略
を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 活性炭 ２ 中空糸膜 ３ 本体ケース ４ 流入口 ５ 導入ホース ６ 導水通管 ７ 出水口 ８ 圧力弁 ９ 細管の複合構造

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水道水からの水を浄化して良質の飲料水
   を供給する浄水処理装置において、 水道水中の不純物の濾過構造または分解構造の後端に配
   設された圧力弁と、この圧力弁と浄水が吐出する出水口
   との間に配設された導水通管とを備え、この導水通管
   を、内部の一部または全部に、銀または銀化合物が施さ
   れた複数の細管により構成したことを特徴とする浄水処
   理装置。