JPH0648386U - 渦電流式減速装置のアクチユエータ - Google Patents

渦電流式減速装置のアクチユエータ

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JPH0648386U
JPH0648386U JP8722092U JP8722092U JPH0648386U JP H0648386 U JPH0648386 U JP H0648386U JP 8722092 U JP8722092 U JP 8722092U JP 8722092 U JP8722092 U JP 8722092U JP H0648386 U JPH0648386 U JP H0648386U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸方向寸法が短く、戻しばねを必要とせず、
制動位置と非制動位置の中間の部分制動位置にも磁石支
持筒を保持できるようにする。 【構成】 制動ドラム22の内部に配設した案内筒23
に対し、磁石支持筒31を回動するためのアクチユエー
タ10を磁石支持筒31に連結する。アクチユエータ1
0は段付シリンダ8に中空の段付ピストン19を嵌挿
し、段付ピストン19の中空部に嵌挿したピストン16
から突出するロツド6を磁石支持筒31に連結して構成
する。アクチユエータ10の両端室A,Bへ加圧流体を
選択的に供給することにより、磁石支持筒31を非制動
位置と部分制動位置と全制動位置との3位置に保持す
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は車両のドラム型渦電流式減速装置の駆動装置、詳しくは磁石支持筒を 部分制動位置に保持できる、渦電流式減速装置のアクチユエータに関するもので ある。
【0002】
【従来の技術】
実開昭58-67105号公報に開示される変速機用3位置動作型アクチユエータでは 、主アクチユエータのシリンダにピストンを嵌挿し、両端室の一方へ圧油を供給 してピストンに結合したロツドを往復動するようにし、ロツドを中間の中立位置 で停止させるために、ロツドは副アクチユエータのシリンダに嵌挿した自由ピス トンに当接するようになつている。上述のアクチユエータでは、ロツドの中立位 置から片側への動作量をsとすると、主アクチユエータの長さ(軸方向寸法)は ピストンの寸法を無視しても2s、副アクチユエータの長さも2sとなり、全長 は4sを超える長大なものとなり、狭い空間には取付が難しくなる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
本考案の目的は上述の問題に鑑み、軸方向寸法が短く、戻しばねを必要とせず 、制動位置と非制動位置の中間の部分制動位置にも磁石支持筒を停止できる、渦 電流式減速装置のアクチユエータを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案の構成は制動ドラムの内部に配設した案内 筒に対し磁石支持筒を回動するためのアクチユエータを、段付シリンダに中空の 段付ピストンを嵌挿し、段付ピストンの中空部に嵌挿したピストンから突出する ロツドを磁石支持筒に連結してなり、段付シリンダの両端室へ加圧流体を選択的 に供給して、磁石支持筒を非制動位置と部分制動位置と全制動位置との3位置に 回動するものである。
【0005】
【作用】
本考案によれば、磁石支持筒に段付シリンダ型のアクチユエータを接続し、段 付シリンダの両端室へ選択的に加圧流体を供給することにより、磁石支持筒を非 制動位置から部分制動位置と全制動位置へ回動し、非制動位置へは制動トルク反 力を利用して戻す。アクチユエータは段付ピストンの中空部に第2のピストンを 嵌挿してなり、第2のピストンは段付シリンダの小径端壁に当接する位置と、段 付ピストンの閉鎖端壁に当接する位置と、段付シリンダの大径端壁に当接する位 置とに停止する。
【0006】
【実施例】
図1は本考案によるアクチユエータを備えた渦電流式減速装置の側面断面図、 図2は同渦電流式減速装置の各磁石支持筒の非制動、部分制動、全制動の各位置 を示す展開平面図である。渦電流式減速装置21は正逆回動可能の磁石支持筒3 1と不動の磁石支持筒31aを備えており、磁性体からなる各磁石支持筒31, 31aはほぼ同じ構造のものであり、外周面に多数の磁石32,32aを周方向 等間隔に、かつ外端の極性が周方向交互に異なるように結合される。各磁石支持 筒31,31aは非磁性体からなる不動の案内筒23の内空部に回動可能に支持 され、案内筒23は冷却フイン22aを有する制動ドラム22の内部に配設され る。案内筒23は断面長方形の内空部を備えている。すなわち、筒形の外周壁2 4と筒形の内周壁26の前後両端に、環状板からなる端壁25を結合して構成さ れる。案内筒23の外周壁24に周方向等間隔に備えた強磁性板(ポールピース )27と各磁石支持筒31,31aの磁石32,32aとが全面的に重なり、か つ軸方向に隣接する磁石32,32aの極性が同じ向きの時、磁石32,32a は制動ドラム22の内周面に磁界を及ぼし、渦電流による制動トルクを及ぼす。
【0007】 磁石支持筒31を磁石32の配列ピツチ分だけ回動すると、軸方向に隣接する 磁石32,32aの極性が逆の向きになり、制動ドラム22の中心軸線を含む面 内で強磁性板27と磁石支持筒31,31aとの間に短絡的磁気回路が生じ、磁 石32,32aは制動ドラム22に磁界を及ぼさない。このような渦電流式減速 装置は特開平4-12659 号公報などに開示されている。
【0008】 しかし、本考案は特開平1-298948号公報、特願平2-201820号などに開示される ような渦電流式減速装置にも適用できる。これらの渦電流式減速装置では、案内 筒23の内空部に磁石支持筒31だけが、磁石32の半配列ピツチ分だけ正逆回 動可能に支持される。制動位置で磁石支持筒31の磁石32は強磁性板27に全 面的に対向し、制動ドラム22に磁界を及ぼすが、非制動位置では周方向に隣接 する2つの磁石32が部分的に共通の強磁性板27に対向し、強磁性板27と磁 石支持筒31との間に短絡的磁気回路が生じ、磁石32は制動ドラム22に磁界 を及ぼさない。しかし、本考案の要旨には直接関係しないので、これ以上説明し ない。
【0009】 本考案は磁石支持筒31を非制動位置と全制動位置との中間の部分制動位置に も保持できるように、アクチユエータ10が磁石支持筒31に連結される。アク チユエータ10は大径シリンダ8aと小径シリンダ8bを備えた段付シリンダ8 に、中空の段付ピストン19を嵌挿し、段付ピストン19の中空部すなわちシリ ンダ17にピストン16を嵌挿し、ピストン16に結合したロツド6を、段付ピ ストン19の閉鎖端壁と段付シリンダ8の大径端壁7とを経て外部へ突出してな る。ロツド6はピン5によりリンク4の一端に連結される。リンク4の他端はピ ン3により磁石支持筒31の端壁に連結される。ピン3は案内筒23の端壁25 に設けた円弧状の長穴(図示せず)を経て外部へ突出される。
【0010】 図示の実施例では、ピストン16はシリンダ17から外れないように、段付ピ ストン19の開口端部に係止した停止環14と段付ピストン19の閉鎖端壁との 間で往復動する。シリンダ17の内空室Cは段付ピストン19の閉鎖端壁に隣接 する通孔13と、段付シリンダ8の段部12に隣接する通孔18とを経て大気へ 開放される。大径シリンダ8aの端室Aと小径シリンダ8bの端室Bは、管35 ,36、電磁切換弁37,38を経て空気槽39または大気へ選択的に連通され る。段付ピストン19、ピストン16、ロツド6の各摺動部はシール部材により 封止される。
【0011】 次に、本考案による渦電流式減速装置のアクチユエータの作動について説明す る。図1に示す渦電流減速装置21の非制動位置(図2の上部参照)では、電磁 切換弁35だけが励磁され、空気槽39の加圧空気が電磁切換弁37、管35を 経て、アクチユエータ10の端室Aへ供給され、端室Bは管36、電磁切換弁3 8を経て大気へ開放されている。
【0012】 非制動位置から部分制動位置(図2の中央部を参照)へ磁石支持筒31を回動 する時は、各電磁切換弁37,38を励磁し、アクチユエータ10の両端室A, Bへ加圧空気を供給する。この時、段付ピストン19は段部12へ押し付けられ たまま、ピストン16が動作量S1だけ左方へ移動し、段付ピストン19の閉鎖端 壁へ当接する。アクチユエータ10のロツド6により、磁石支持筒31は矢印x 方向へ回動される。
【0013】 図3に示す部分制動位置から全制動位置へ磁石支持筒31を回動する時は、電 磁切換弁38だけを励磁し、アクチユエータ10の端室Bへ加圧空気を供給する と、図3において段付ピストン19とピストン16が左方へ動作量S2だけ移動し 、図4に示す全制動位置になる。この時、各磁石支持筒31,31aの磁石32 ,32aの極性が逆の向きで案内筒23の強磁性板27に全面で重なり(図2の 下部を参照)、制動ドラム22に最大制動トルクを及ぼす。
【0014】 次に、図4に示す全制動位置から部分制動位置へ磁石支持筒31を回動する時 は、各電磁切換弁37,38を励磁し、アクチユエータ10の両端室A,Bへ加 圧空気を供給すると、段付ピストン19が右方へ移動して段部12に当接し、図 3に示す部分制動位置へ移動する。
【0015】 図3に示す部分制動位置から非制動位置へ磁石支持筒31を回動する時は、電 磁切換弁37だけを励磁し、アクチユエータ10の端室Aへ加圧空気を供給し、 段付ピストン19を固定する。ピストン16は磁石支持筒31が受ける制動トル ク反力(矢印xと反対方向のトルク)と磁石32,32aの反発力に基づくトル クとにより、右方へ押されて図1に示す非制動位置へ移動する。
【0016】 なお、段付ピストン19の閉鎖端壁とピストン16との間に戻しばねを介装す れば、ピストン16は戻しばねの力により部分制動位置から非制動位置へ移動す るが、部分制動位置でピストン16は段付ピストン19の閉鎖端壁へ当接する位 置まで作動できなくなり、同じ動作量S1,S2を得るには段付シリンダ19が長く なる。
【0017】 また、図示の各電磁切換弁37,38は、説明を簡単にするためのものであり 、実際には消磁状態で図1に示す空気圧回路を生じるのが好ましい。
【0018】
【考案の効果】
本考案は上述のように、制動ドラムの内部に配設した案内筒に対し磁石支持筒 を回動するためのアクチユエータを、段付シリンダに中空の段付ピストンを嵌挿 し、段付ピストンの中空部に嵌挿したピストンから突出するロツドを磁石支持筒 に連結してなり、段付シリンダの両端室へ加圧流体を選択的に供給して、磁石支 持筒を非制動位置と部分制動位置と全制動位置との3位置に回動するものである から、次のような効果を奏する。
【0019】 アクチユエータのロツドの動作位置は段付シリンダの内部での段付ピストンの 動作と、段付ピストンの内部でのピストンの動作との組合せにより達せられるの で、アクチユエータの全長は従来例の約半分に短縮され、重量を低減し、アクチ ユエータを駆動する加圧流体の消費量を節減できる。
【0020】 2個の電磁切換弁により加圧流体をアクチユエータの両端室へ選択的に供給す るだけで、磁石支持筒を非制動位置から部分制動位置と全制動位置へ回動できる ので、例えば長い下り坂で渦電流式減速装置により部分制動を連続して効かせれ ば、走行の安全を確保できる。
【0021】 アクチユエータは非制動位置へ戻すためのばねを必要としない点でも、段付シ リンダの全長を最小限に短縮し、材料費や組立費を節減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る渦電流式減速装置の非制動位置を
示す側面断面図である。
【図2】同渦電流式減速装置の各磁石支持筒の非制動、
部分制動、全制動の各位置を示す展開平面図である。
【図3】同渦電流式減速装置のアクチユエータの部分制
動位置を示す側面断面図である。
【図4】同アクチユエータの全制動位置を示す側面断面
図である。
【符号の説明】
A,B:端室 8:段付シリンダ 10:アクチユエー
タ 16:ピストン 17:シリンダ 19:段付ピス
トン 31,31a:磁石支持筒

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】制動ドラムの内部に配設した案内筒に対し
    磁石支持筒を回動するためのアクチユエータを、段付シ
    リンダに中空の段付ピストンを嵌挿し、段付ピストンの
    中空部に嵌挿したピストンから突出するロツドを磁石支
    持筒に連結してなり、段付シリンダの両端室へ加圧流体
    を選択的に供給して、磁石支持筒を非制動位置と部分制
    動位置と全制動位置との3位置に回動することを特徴と
    する、渦電流式減速装置のアクチユエータ。
JP1992087220U 1992-11-27 1992-11-27 渦電流式減速装置のアクチユエータ Expired - Lifetime JP2596422Y2 (ja)

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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4968196A (ja) * 1972-11-09 1974-07-02
JPS51141970A (en) * 1975-05-31 1976-12-07 Kyokuto Kaihatsu Kogyo Co Ltd Air cylinder
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