JP4304880B2 - 変速操作装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載された変速機の変速操作を行うための変速操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
変速機の変速操作を行う変速操作装置は、シフトレバーをセレクト方向に作動するセレクトアクチュエータと、該シフトレバーをシフト方向に作動するシフトアクチュエータとからなっている。
このようなセレクトアクチュエータおよびシフトアクチュエータとしては、一般に空気圧や油圧等の流体圧を作動源とした流体圧シリンダが用いられている。この流体圧シリンダを用いたセレクトアクチュエータおよびシフトアクチュエータは、流体圧源と各アクチュエータとを接続する配管が必要であるとともに、作動流体の流路を切り換えるための電磁切り換え弁を配設する必要があり、これらを配置するためのスペースを要するとともに、装置全体の重量が重くなるという問題がある。
また近年、圧縮空気源や油圧源を具備していない車両に搭載する変速機の変速操作装置として、電動モータによって構成したセレクトアクチュエータおよびシフトアクチュエータが提案されている。電動モータによって構成したセレクトアクチュエータおよびシフトアクチュエータは、流体圧シリンダを用いたアクチュエータのように流体圧源と接続する配管や電磁切り換え弁を用いる必要がないので、装置全体をコンパクトで且つ軽量に構成することができる。
【0003】
電動モータを用いたアクチュエータにおいては、所定の作動力を得るために減速機構が必要となる。この減速機構としては、ボールネジ機構を用いたものと、歯車機構を用いたものが提案されている。これらボールネジ機構および歯車機構を用いたアクチュエータは、ボールネジ機構および歯車機構の耐久性および電動モータの耐久性、作動速度において必ずしも満足し得るものではない。
【0004】
そこで、本出願人は耐久性に優れ、かつ、作動速度が速いセレクトアクチュエータを備えた変速操作装置を特願2001−013162号として提案した。このセレクトアクチュエータを備えた変速操作装置は、ケーシングと、該ケーシング内に回転可能に配設され該シフトアクチュエータによってシフト方向に回動せしめられるコントロールシャフトと、該コントロールシャフトに軸方向に摺動可能に配設され該シフトレバーと一体的に構成された筒状のシフトスリーブと、該シフトスリーブの外周面に配設された磁石可動体と、該磁石可動体を包囲して配設された筒状の固定ヨークと、該固定ヨークの内側に配設されたコイルとによって構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記変速操作装置を構成するセレクトアクチュエータはセレクト方向の作動位置を検出するためのセレクト位置検出センサを備える必要があり、このセレクト位置検出センサはケーシングに配設することが構造上望ましい。しかるに、セレクト位置検出センサはセレクトアクチュエータの作動位置を検出する関係上、上記コイルに比較的近接した位置に配置されることになる。上記コイルに電流を流すと磁束が発生し、この磁束がコイルに比較的近接した位置に配置されたセレクト位置検出センサに作用して悪影響を及ぼすという問題がある。
【0006】
本発明は上記事実に鑑みてなされたもので、その主たる技術的課題は、コイルに電流を流すことによって発生する磁束がセレクト位置検出センサに悪影響を及ぼさないようにしたセレクトアクチュエータを備えた変速操作装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記主たる技術的課題を解決するために、シフトレバーをセレクト方向に作動するセレクトアクチュエータと、該シフトレバーをシフト方向に作動するシフトアクチュエータとを有する変速操作装置において、
該セレクトアクチュエータは、ケーシングと、該ケーシング内に回転可能に配設され該シフトアクチュエータによってシフト方向に回動せしめられるコントロールシャフトと、該コントロールシャフトに軸方向に摺動可能でかつ相対回転不能に嵌合され該シフトレバーと一体的に構成された筒状のシフトスリーブと、該シフトスリーブの外周面に配設された磁石可動体と、該磁石可動体を包囲して配設された筒状の固定ヨークと、該固定ヨークの内側に配設されたコイルと、該ケーシングに配設され該シフトスリーブの作動位置を検出するセレクト位置検出センサと、を具備しており、
該固定ヨークと該ケーシングとの間に該固定ヨークと絶縁層を設けて磁性材からなる筒状の磁気短絡部材が配設されている、
ことを特徴とする変速操作装置が提供される。
【0008】
上記磁気短絡部材は、軸線方向に沿って2分割された2個の半割体から構成されていることが望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成された変速操作装置の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0010】
図1は本発明に従って構成されたセレクトアクチュエータを備えた変速操作装置の一実施形態を示す断面図、図2は図1におけるA−A線断面図、図3は図1におけるB−B線断面図である。
図示の変速操作装置2は、セレクトアクチュエータ3とシフトアクチュエータ5とから構成されている。図示の実施形態におけるセレクトアクチュエータ3は、円筒状に形成された3個のケーシング31a、31b、31cを具備している。この3個のケーシング31a、31b、31cは、ステンレス鋼やアルミニウム合金等の非磁性材によって構成されている。3個のケーシング31a、31b、31c内にはコントロールシャフト32が配設されており、該コントロールシャフト32の両端部が両側のケーシング31aおよび31cに軸受33aおよび33bを介して回転可能に支持されている。コントロールシャフト32の中間部にはスプライン321が形成されており、該スプライン321部にシフトレバー34と一体的に構成された筒状のシフトスリーブ35が軸方向に摺動可能でかつ相対回転不能にスプライン嵌合している。このシフトレバー34およびシフトスリーブ35はステンレス鋼等の非磁性材によって構成されており、シフトレバー34は中央のケーシング31bの下部に形成された開口311bを挿通して配設されている。シフトレバー34の先端部は、第1のセレクト位置SP1、第2のセレクト位置SP2、第3のセレクト位置SP3、第4のセレクト位置SP4に配設された図示しない変速機のシフト機構を構成するシフトブロック301、302、303、304と適宜係合するようになっている。
【0011】
上記シフトスリーブ35の外周面には、磁石可動体36が配設されている。この磁石可動体36は、シフトスリーブ35の外周面に装着され軸方向両端面に磁極を備えた環状の永久磁石361と、該永久磁石361の軸方向外側にそれぞれ配設された一対の可動ヨーク362、363とによって構成されている。図示の実施形態における永久磁石361は、図1および図2において右端面がN極に着磁され、図1および図2において左端面がS極に着磁されている。上記一対の可動ヨーク362、363は、磁性材によって環状に形成されている。このように構成された磁石可動体36は、一方(図1および図2において右側)の可動ヨーク362の図1および図2において右端がシフトスリーブ35に形成された段部351に位置決めされ、他方(図1および図2において左側)の可動ヨーク363の図1および図2において右端がシフトスリーブ35に装着されたスナップリング37によって位置決めされて、軸方向の移動が規制されている。
【0012】
磁石可動体36の外周側には、磁石可動体36を包囲して固定ヨーク39が配設されている。この固定ヨーク39は、磁性材によって筒状に形成されており、上記中央のケーシング31bの内に配設されている。固定ヨーク39の内側には、一対のコイル40、41が配設されている。この一対のコイル40、41は、合成樹脂等の非磁性材によって形成され上記固定ヨーク39の内周面に装着されたボビン42に捲回されている。なお、一対のコイル40、41は、図示しない電源回路に接続するようになっている。また、コイル40の軸方向長さは、上記第1のセレクト位置SP1から第4のセレクト位置SP4までのセレクト長さに略対応した長さに設定されている。上記固定ヨーク39の両側には、それぞれ非磁性材からなる端壁43、44が装着されている。この端壁43、44の内周部には、上記シフトスリーブ35の外周面に接触するシール部材45、46がそれぞれ装着されている。なお、上記右側の端壁43に右端面と中央のケーシング31bの中央部に形成された段部311bとの間には非磁性材からなるスペーサー49が介在されている。
【0013】
図示の実施形態においては、上記固定ヨーク39と中央のケーシング31bとの間に、絶縁層を設けて強磁性材からなる筒状の磁気短絡部材10が配設されている。この磁気短絡部材10は、図示の実施形態においては軸線方向に沿って2分割された2個の半割体10a、10bからなっており、その軸方向長さは一対のコイル40、41および固定ヨーク39の軸方向長さより長く形成されている。なお、磁気短絡部材10は、図示の実施形態においては組み付けを容易にするために2個の半割体10a、10bによって構成したが、円筒部材によって構成してもよい。このように構成された磁気短絡部材10は、その中央部内周面が固定ヨーク39の外周面に絶縁性の接着剤によって装着されている。なお、磁気短絡部材10と固定ヨーク39とは互いに電磁的に絶縁されている事が重要であり、実施形態においては両者間に絶縁性の接着剤を介在した例を示したが、両者間に適宜の絶縁部材を配設してもよく、空気層を設けてもよい。また、磁気短絡部材10は両端が一対のコイル40、41および固定ヨーク39の両端より外方に位置する軸方向長さを有していることが望ましく、特に後述するセレクト位置検出センサ8が配設されている側(図において右側)は直流1軸磁場で200G(ガウス)以下になる位置まで達していることが好ましい。以上のように構成された磁気短絡部材10の作用効果については、後で詳細に説明する。
【0014】
図示の実施形態におけるセレクトアクチュエータ3は以上のように構成されており、上記シフトスリーブ35に配設された磁石可動体36と固定ヨーク39および一対のコイル40、41とによって構成されるリニアモータの原理によって作動する。以下その作用効果について図4を参照して説明する。
図示の実施形態におけるセレクトアクチュエータ3においては、図4の(a)および図4の(b)に示すように永久磁石361のN極、一方の可動ヨーク362、一方のコイル40、固定ヨーク39、他方のコイル41、他方の可動側ヨーク363、永久磁石361のS極を通る磁気回路368が形成される。このような状態において、一対のコイル40、41に図4の(a)で示す方向にそれぞれ反対方向の電流を流すと、フレミングの左手の法則に従って、磁石可動体36即ちシフトスリーブ35には図4の(a)において矢印で示すように右方に推力が発生する。一方、一対のコイル40、41に図2の(b)で示すように図4の(a)と反対方向に電流を流すと、フレミングの左手の法則に従って、磁石可動体36即ちシフトスリーブ35には図2の(b)において矢印で示すように左方に推力が発生する。上記磁石可動体36即ちシフトスリーブ35に発生する推力の大きさは、一対のコイル40、41に供給する電力量によって決まる。
【0015】
セレクトアクチュエータ3を作動するために一対のコイル40、41に上記図4の(a)および図4の(b)に示すように電流を流すと、それぞれ図において破線で示すように磁束が発生する。しかるに、図示の実施形態においては、固定ヨーク39と中央のケーシング31bとの間に絶縁層を設けて強磁性材からなる磁気短絡部材10が配設されているので、一対のコイル40、41に通電することによって発生した磁束は、図4の(a)および図4の(b)において破線で示すように磁気短絡して磁気短絡部材10を通って流れるため、外部への放出が遮断または影響がない程度に減少される。従って、後述するように一対のコイル40、41に比較的近接した位置にセレクト位置検出センサ8が配設される場合でも、セレクト位置検出センサ8に一対のコイル40、41に通電することによって発生する磁束が影響することはなく、セレクト位置検出センサ8の誤作動が未然に防止される。
【0016】
図示の実施形態におけるセレクトアクチュエータ3は、上記磁石可動体36即ちシフトスリーブ35に作用する推力の大きさと協働してシフトレバー34を上記第1のセレクト位置SP1、第2のセレクト位置SP2、第3のセレクト位置SP3、第4のセレクト位置SP4に位置規制するための第1のセレクト位置規制手段47および第2のセレクト位置規制手段48を具備している。第1のセレクト位置規制手段47は、中央のケーシング31bの図1および図2において右端部に所定の間隔を置いて装着されたスナップリング471、472と、該スナップリング471と472との間に配設された圧縮コイルばね473と、該圧縮コイルばね473と一方のスナップリング471との間に配設された移動リング474と、該移動リング474が図1および図2において右方に所定量移動したとき当接して移動リング474の移動を規制するストッパ475とからなっている。
【0017】
以上のように構成された第1のセレクト位置規制手段47は、図1および図2に示す状態から上記一対のコイル40、41に例えば2.4Vの電圧で図4の(a)に示すように電流を流すと、磁石可動体36即ちシフトスリーブ35が図1および図2において右方に移動し、シフトスリーブ35の図1および図2において右端が移動リング474に当接して位置規制される。この状態においては、磁石可動体36即ちシフトスリーブ35に作用する推力よりコイルばね473のばね力の方が大きくなるように設定されており、このため、移動リング474に当接したシフトスリーブ35は移動リング474が一方のスナップリング471に当接した位置に停止せしめられる。このとき、シフトスリーブ35と一体に構成されたシフトレバー34は、第2のセレクト位置SP2に位置付けされる。次に、上記一対のコイル40、41に例えば4.8Vの電圧で図4の(a)に示すように電流を流すと、磁石可動体36即ちシフトスリーブ35に作用する推力がコイルばね473のばね力より大きくなるように設定されており、このため、シフトスリーブ35は移動リング474と当接した後にコイルばね473のばね力に抗して図1および図2において右方に移動し、移動リング474がストッパ475に当接した位置で停止される。このとき、シフトスリーブ35と一体に構成されたシフトレバー34は、第1のセレクト位置SP1に位置付けされる。
【0018】
次に、上記第2のセレクト位置規制手段48について説明する。
第2のセレクト位置規制手段48は、中央のケーシング31bの図1および図2において左端部に所定の間隔を置いて装着されたスナップリング481、482と、該スナップリング481と482との間に配設されたコイルばね483と、該コイルばね483と一方のスナップリング481との間に配設された移動リング484と、該移動リング484が図1および図2において左方に所定量移動したとき当接して移動リング484の移動を規制するストッパ485とからなっている。
【0019】
以上のように構成された第2のセレクト位置規制手段48は、図1および図2に示す状態から上記一対のコイル40、41に例えば2.4Vの電圧で図4の(b)に示すように電流を流すと、磁石可動体36即ちシフトスリーブ35が図1および図2において左方に移動し、シフトスリーブ35の図1および図2において左端が移動リング484に当接して位置規制される。この状態においては、永久磁石361即ちシフトスリーブ35に作用する推力よりコイルばね483のばね力の方が大きくなるように設定されており、このため、移動リング484に当接したシフトスリーブ35は移動リング484が一方のスナップリング481に当接した位置に停止せしめられる。このとき、シフトスリーブ35と一体に構成されたシフトレバー34は、第3のセレクト位置SP3に位置付けされる。次に、上記一対のコイル40、41に例えば4.8Vの電圧で図4の(b)に示すように電流を流すと、磁石可動体36即ちシフトスリーブ35に作用する推力がコイルばね483のばね力より大きくなるように設定されており、このため、シフトスリーブ35は移動リング484と当接した後にコイルばね483のばね力に抗して図1および図2において左方に移動し、移動リング484がストッパ485に当接した位置で停止される。このとき、シフトスリーブ35と一体に構成されたシフトレバー34は、第4のセレクト位置SP4に位置付けされる。
【0020】
以上のように、変速操作装置2を構成するセレクトアクチュエータ3は、シフトレバー34と一体的に構成された筒状のシフトスリーブ35が磁石可動体36と固定ヨーク39および一対のコイル40、41とによって構成されるリニアモータの原理によって作動するので、回転機構がないため耐久性が向上するとともに、電動モータを用いたアクチュエータのようにボールネジ機構や歯車機構からなる減速機構が不要となるので、コンパクトに構成することができるとともに、作動速度を速くすることができる。
【0021】
次に、シフトアクチュエータ5について、主に図3を参照して説明する。
図示のシフトアクチュエータ5は、上記セレクトアクチュエータ3のケーシング31a、31b、31c内に配設されたコントロールシャフト32に装着された作動レバー50を作動せしめる第1の電磁ソレノイド6と第2の電磁ソレノイド7を具備している。なお、作動レバー50は、その基部にコントロールシャフト32と嵌合する穴501を備えており、該穴501の内周面に形成されたキー溝502とコントロールシャフト32の外周面に形成されたキー溝322にキー503を嵌合することによりコントロールシャフト32と一体的に回動するように構成されている。また、作動レバー50は、図1および図2において左側のケーシング31aの下部に形成された開口311aを挿通して配設されている。
【0022】
次に、第1の電磁ソレノイド6について説明する。
第1の電磁ソレノイド6は、ケーシング61と、該ケーシング61内に配設された磁性材からなる固定鉄心62と、該固定鉄心62の中心部に形成された貫通穴621を挿通して配設されたステンレス鋼等の非磁性材からなる作動ロッド63と、該作動ロッド63に装着された磁性材からなる可動鉄心64と、該可動鉄心64および上記固定鉄心62とケーシング61との間に配設され合成樹脂等の非磁性材からなるボビン65に捲回された電磁コイル66とからなっている。このように構成された第1の電磁ソレノイド6は、電磁コイル66に通電されると、可動鉄心64が固定鉄心62に吸引される。この結果、可動鉄心64を装着した作動ロッド63が図3において左方に移動し、その先端が上記作動レバー50に作用して、コントロールシャフト32を中心として時計方向に回動する。これにより、コントロールシャフト32に装着されたシフトスリーブ35と一体に構成されたシフトレバー34が一方向にシフト作動せしめられる。
【0023】
次に、第2の電磁ソレノイド7について説明する。
第2の電磁ソレノイド7は、上記第1の電磁ソレノイド6と対向して配設されている。第2の電磁ソレノイド7も第1の電磁ソレノイド6と同様に、ケーシング71と、該ケーシング71内に配設された磁性材からなる固定鉄心72と、該固定鉄心72の中心部に形成された貫通穴721を挿通して配設されたステンレス鋼等の非磁性材からなる作動ロッド73と、該作動ロッド73に装着された磁性材からなる可動鉄心74と、該可動鉄心74および上記固定鉄心72とケーシング71との間に配設され合成樹脂等の非磁性材からなるボビン75に捲回された電磁コイル76とからなっている。このように構成された第2の電磁ソレノイド7は、電磁コイル76に通電されると、可動鉄心74が固定鉄心72に吸引される。この結果、可動鉄心74を装着した作動ロッド73が図3において右方に移動し、その先端が上記作動レバー50に作用して、コントロールシャフト32を中心として反時計方向に回動する。これにより、コントロールシャフト32に装着されたシフトスリーブ35と一体に構成されたシフトレバー34が他方向にシフト作動せしめられる。
【0024】
図示の実施形態における変速操作装置は、上記シフトレバー34と一体に構成されたシフトスリーブ35の位置、即ちセレクト方向の位置を検出するためのセレクト位置検出センサ8を具備している。このセレクト位置検出センサ8は、上記一対のコイル40、41に比較的近接した位置で中央のケーシング31bに配設されている。セレクト位置検出センサ8はポテンショメータからなり、その回動軸81にレバー82の一端部が取り付けられており、このレバー82の他端部に取り付けられた係合ピン83が上記シフトスリーブ35に設けられた係合溝352に係合している。従って、シフトスリーブ35が図2において左右に移動すると、レバー82が回動軸81を中心として揺動するため、回動軸81が回動してシフトスリーブ35の作動位置、即ちセレクト方向位置を検出することができる。このセレクト位置検出センサ8からの信号に基づいて、図示しない制御手段により上記セレクトアクチュエータ3(3a、3b)のコイル40、41(40a、40b)に印加する電圧および電流の方向を制御することによって、上記シフトレバー34を所望のセレクト位置に位置付けることができる。
【0025】
また、図示の実施形態における変速アクチュエータ2は、上記シフトレバー34と一体に構成されたシフトスリーブ35を装着したコントロールシャフト32の回動位置、即ちシフトストローク位置を検出するシフトストローク位置検出センサ9を具備している。このシフトストローク位置検出センサ9は、上記右側のケーシング31cに配設されている。シフトストローク位置検出センサ9はポテンショメータからなり、その回動軸91が上記コントロールシャフト32に連結されている。従って、コントロールシャフト32が回動すると回動軸91が回動してコントロールシャフト32の回動位置、即ちシフトストローク位置を検出することができる。
【0026】
【発明の効果】
本発明による変速操作装置は以上のように構成されているので、以下に述べる作用効果を奏する。
【0027】
即ち、本発明によれば、変速操作装置を構成するセレクトアクチュエータのケーシング内に配設された固定ヨークとケーシングとの間に、固定ヨークと絶縁層を設けて磁性材からなる筒状の磁気短絡部材が配設されているので、コイルに通電することによって発生した磁束は磁気短絡部材に磁気短絡して磁気回路を形成するため、外部への放出が遮断または影響がない程度に減少される。従ってコイルに比較的近接した位置にセレクト位置検出センサが配設される場合でも、セレクト位置検出センサにコイルに通電することによって発生する磁束が影響することはなく、セレクト位置検出センサの誤作動が未然に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された変速操作装置の第1の実施形態を示す断面図。
【図2】図1におけるA−A線断面図。
【図3】図1におけるB−B線断面図。
【図4】図1に示す変速操作装置を構成するセレクトアクチュエータの作動説明図。
【符号の説明】
2:変速操作装置
3:セレクトアクチュエータ
31a、31b、31c:ケーシング
32:コントロールシャフト
34:シフトレバー
35:シフトスリーブ
36:磁石可動体
361:永久磁石
362、363:可動ヨーク
39:固定ヨーク
40、41:コイル
47:第1のセレクト位置規制手段
48:第2のセレクト位置規制手段
5:シフトアクチュエータ
50:作動レバー
6:第1の電磁ソレノイド
61:ケーシング
62:固定鉄心
63:作動ロッド
64:可動鉄心
66:電磁コイル
7:第2の電磁ソレノイド
71:ケーシング
72:固定鉄心
73:作動ロッド
74:可動鉄心
76:電磁コイル
8:セレクト位置検出センサ
9:シフトストローク位置検出センサ
10:磁気短絡部材
Claims (2)
- シフトレバーをセレクト方向に作動するセレクトアクチュエータと、該シフトレバーをシフト方向に作動するシフトアクチュエータとを有する変速操作装置において、
該セレクトアクチュエータは、ケーシングと、該ケーシング内に回転可能に配設され該シフトアクチュエータによってシフト方向に回動せしめられるコントロールシャフトと、該コントロールシャフトに軸方向に摺動可能でかつ相対回転不能に嵌合され該シフトレバーと一体的に構成された筒状のシフトスリーブと、該シフトスリーブの外周面に配設された磁石可動体と、該磁石可動体を包囲して配設された筒状の固定ヨークと、該固定ヨークの内側に配設されたコイルと、該ケーシングに配設され該シフトスリーブの作動位置を検出するセレクト位置検出センサと、を具備しており、
該固定ヨークと該ケーシングとの間に該固定ヨークと絶縁層を設けて磁性材からなる筒状の磁気短絡部材が配設されている、
ことを特徴とする変速操作装置。 - 該磁気短絡部材は、軸線方向に沿って2分割された2個の半割体から構成されている、請求項1記載の変速操作装置。
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