JP2001320864A - 制動装置 - Google Patents

制動装置

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JP2001320864A JP2000133178A JP2000133178A JP2001320864A JP 2001320864 A JP2001320864 A JP 2001320864A JP 2000133178 A JP2000133178 A JP 2000133178A JP 2000133178 A JP2000133178 A JP 2000133178A JP 2001320864 A JP2001320864 A JP 2001320864A
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哲也 園部
Hiroshi Hagiwara
博 萩原
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嘉一 斉藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな制動力と動作ストロークを確保するこ
とができ、また保守の簡素化が可能な制動装置を提供す
る。 【解決手段】 制動装置のアクチュエータとして、リニ
アアクチュエータ2を用いる。このリニアアクチュエー
タ2は、可動体を構成する第1、第2の部材10,11
を備え、第1の部材10の外周に複数個の永久磁石12
a〜12mを、その極性方向を90°ずつ回転させて並
設する。第1の部材10を進退自在に収納保持する第2
の部材11内に粘性流体26を封入する。また、複数個
の電磁コイル13a〜13fを前記永久磁石12a〜1
2mの外周を取り囲むように並設し、これらの電磁コイ
ルを隣り合うコイルどうしの対向端面に同極が発生する
ように励磁する。さらに、第2の部材11内に制動ばね
14を弾装し、これによって第1、第2の部材10,1
1を通電時の移動方向とは反対方向に付勢し、ナット1
9をストッパ30に当接させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁コイルへの通
電を断ったとき、制動ばねのばね力によって付勢される
一対の摩擦部材により被制動回転体を制動する無励磁作
動型や電磁コイルの通電状態において制動する励磁作動
型の制動装置に関し、特に鉄道車両の台車枠に常用ブレ
ーキとは別に搭載される非常用、保安用、停留用等のブ
レーキやエレベータのブレーキに用いて好適な制動装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両の通常の運転操作で多用される
ブレーキ、いわゆる常用ブレーキは、運転エネルギーを
電気エネルギーに変換することにより制動力を得る電気
ブレーキが一般的であり、停車時あるいは低速走行時に
おいて車両の運動エネルギが減少すると制動力が消滅す
る減速用のブレーキ方式になっている。そこで、停止中
の制動力を確保するために、空気圧式あるいは油圧式の
アクチュエータによる摩擦ブレーキ装置が別に搭載され
ている。空気圧式のディスクブレーキ装置や車輪路面ブ
レーキ装置に代表される上述の摩擦ブレーキ装置は、常
用のブレーキとして使用されるとともに、異常事態が発
生したときの緊急停止のための非常用ブレーキ、常用ブ
レーキ装置が故障したときや停電したときなど緊急時に
車両を制動する保安用ブレーキ、常用ブレーキにより減
速され停止した車両を保持する停留ブレーキにも使用で
きる。
【0003】このような鉄道車両の保安ブレーキ装置と
して使用されるディスクブレーキ装置は、一般にテコ式
の構造を採用しており、ブレーキシリンダに空気圧を供
給することにより一対のライニング付き制輪子によって
ブレーキディスクを挟圧し制動する構造を採っている
(例:特開平10−203365号公報、特開平4−2
01672号公報等)。
【0004】また、最近になって空気圧や油圧以外のア
クチュエータで駆動する摩擦ブレーキ方式として、無励
磁作動型のディスクブレーキ装置が開発されている。こ
の方式のブレーキ装置は、常時励磁のコイルが消磁する
と、そのコイルに対峙する機械式ばねによって摩擦材を
押し付ける、新しいタイプの摩擦ブレーキである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の鉄道車
両用ディスクブレーキ装置は、エア・コンプレッサと空
気溜め、あるいは油圧ポンプとアキュムレータ、および
種々の弁や配管を要するため、保守の軽減やシステムの
簡素化が図れないという課題があった。また、従来の無
励磁作動型ディスクブレーキ装置は、いずれも平板形の
電磁石を対向配置した構造を採用しているため、大きな
制動力と動作ストロークを確保することができないとい
う問題があった。
【0006】本発明は上記した従来の問題を解決するた
めになされたもので、その目的とするところは、大きな
制動力と動作ストロークを確保することができ、また保
守の簡素化を可能にしたエアレスの制動装置を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明は、被制動回転体を挟んで対向する一対
の回動アームと、前記一対の回動アームにそれぞれ取付
けられ制動時に前記被制動回転体を挟圧する摩擦部材
と、前記一対の回動アームを開閉するアクチュエータと
を備え、前記アクチュエータを、同一軸線上に少なくと
もいずれか一方が他方に対して軸線方向に相対移動可能
に配設された第1、第2の部材と、前記第1の部材の外
周に極性方向を90°ずつ回転させて並設された複数個
の永久磁石と、前記第2部材に前記永久磁石の外周を取
り囲むように配設され、隣り合うコイルどうしの対向端
面に同極が発生するように励磁される複数個の電磁コイ
ルとで構成したものである。
【0008】第2の発明は、上記第1の発明において、
電磁コイルに位相をずらして通電し順次励磁するもので
ある。
【0009】第3の発明は、上記第1または第2の発明
において、第2の部材内に粘性流体を封入したものであ
る。
【0010】第4の発明は、上記第1、第2または第3
の発明において、電磁コイルの非励磁時において第1、
第2の部材のうち少なくともいずれか一方を移動させて
非制動位置に保持し、摩擦部材を前記被制動回転体に押
し付ける制動ばねを備えたものである。
【0011】本発明において、電磁コイルは通電によっ
て隣り合うものどうしの対向端面が同極になるように励
磁されると永久磁石との磁気作用により、第1、第2の
部材を軸線方向に相対移動させる。この場合、第1、第
2の部材は、互いに離間または接近する方向に移動する
可動体を構成するかまたはいずれか一方のみが移動する
可動体を構成し、他方が固定されているものであっても
よい。
【0012】第1、第2の部材が共に可動体である場合
における無励磁作動型制動装置の動作について説明す
る。この場合は、第1の部材と一方の回動アームとを連
結し、第2の部材と他方の回動アームとを連結してお
く。電磁コイルの通電励磁状態において、第1、第2の
部材は電磁コイルと永久磁石の磁気作用により制動ばね
に抗して互いに離間する方向に移動されて非制動位置に
保持される。この状態において、一対の回動アームは開
いて摩擦部材を被制動回転体から離間させ、被制動回転
体の制動を解放している。第1、第2の部材は電磁コイ
ルへの通電が断たれると制動ばねの力により互いに接近
する方向に移動されて制動位置に保持される。第1、第
2の部材が互いに接近すると、一対の回動アームは互い
に閉じる方向に揺動されて摩擦部材を被制動回転体に圧
接する。このため、被制動回転体は摩擦部材によって制
動される。したがって、エアレスで無励磁作動型の制動
装置が得られる。
【0013】励磁作動型の制動装置の場合は、コイルへ
の通電状態において被制動回転体を制動し、通電を停止
すると被制動回転体の制動を解放させるようにすればよ
い。その場合、制動状態から制動解放状態に切り替える
ときにコイルへの通電方向を逆にして斥力により第1、
第2の部材を被励磁位置に移動復帰させるようにする
と、制動ばねが不要である。
【0014】また、複数個の永久磁石と電磁コイルを並
設すると、通電時に永久磁石と電磁コイル間に強い吸引
力と斥力が発生するので、制動ばねによる制動力を大き
くすることができる。さらに、電磁コイルを位相をずら
して順次通電励磁すると、徐々に制動することができ
る。第1、第2の部材のうち一方のみを移動させ、他方
を固定して用いる場合は、可動体を構成する部材の移動
をリンク機構等の適宜な機構によって一対の回動アーム
に伝達するように構成すればよい。被制動回転体として
は、車輪または車軸に固定されたブレーキディスクもし
くはブレーキドラムの何れであってもよい。
【0015】粘性流体は、第1、第2の部材が相対移動
すると、第2の部材内を移動する。このときの粘性抵抗
により第1、第2の部材またはいずれか一方の急激な移
動を抑制する。したがって、ジャーク(加速度の変化す
る割合)を徐々に変化させる必要がある制動装置、例え
ば、鉄道車両に用いられるブレーキ装置等に用いて好適
である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る制
動装置を鉄道車両用ドラムブレーキ装置に適用した一実
施の形態を示す制動解放時(励磁時)の正面図、図2は
制動解放時の断面図、図3は制動時(非励磁時)の断面
図、図4は永久磁石の断面図、図5(a)、(b)は電
磁コイルの外観斜視図および断面図、図6(a)、
(b)は通電直後と制動状態における磁束の流れを示す
図である。
【0017】図1において、鉄道車両用ドラムブレーキ
装置1は、電磁式のリニアアクチュエータ2と、ドラム
等の被制動回転体3を挟んで対向する左右一対の回動ア
ーム4A,4Bと、これらの回動アーム4A,4Bの回
動支点寄りにそれぞれ取付けられ、リニアアクチュエー
タ2の非励磁時において前記被制動回転体3の外周に押
し付けられる摩擦部材5,5等によって構成されてい
る。被制動回転体3は、モータハウジング7から突出す
る回転軸6の突出端部に取付けられている。回動アーム
4A,4Bの基端は、支持軸8によってそれぞれ回動自
在に枢支され、揺動端が前記リニアアクチュエータ2に
それぞれ連結されている。なお、リニアアクチュエータ
2は、モータハウジング7にガイドされている。
【0018】図2〜図5において、前記リニアアクチュ
エータ2は、軸線を一致させて配設され互いに接近離間
する方向に移動自在な第1、第2の部材10,11と、
これらの第1、第2の部材10,11にそれぞれ設けら
れた13個の永久磁石12(12a〜12m)および6
個の電磁コイル13(13a〜13f)と、第1、第2
の部材10,11を互いに反対方向に付勢することによ
り前記電磁コイル13の非励磁時において図3に示す互
いに接近した非制動位置に保持する制動ばね14等を備
え、この非励磁状態において前記回動アーム4A,4B
を閉方向に回動させて前記摩擦部材5,5を被制動回転
体3の外周に押し付けることにより被制動回転体3を制
動している。
【0019】前記第1の部材10は、ステンレス鋼等の
非磁性材料によって形成された可動軸で、前記第2の部
材11内に一端部を外部に突出させた状態で収納され、
両端部が第2の部材11に設けた軸受孔15,16によ
って摺動自在に支持されている。軸受孔15から外部に
突出する突出端部10aは、一方の回動アーム4Aの揺
動端に揺動可能に連結されている。軸受孔15は第2の
部材11の一端部を貫通するように形成されている。ま
た、第1の部材10の突出端部10a寄りには、前記第
2の部材11内に位置する大径部17が一体に設けら
れ、突出端部10aとは反対側の内端10b寄りには、
ナット19が雄ねじ部18に螺合することによって設け
られており、このナット19と前記大径部17との間の
外周部分に前記永久磁石12a〜12mが密接して装着
されている。
【0020】前記永久磁石12a〜12mはリング状に
形成され、前記第1の部材10の軸線方向に並設されて
いる。また、永久磁石12a〜12mは全て同一の外径
と内径を有するが、その極性の方向(N極からS極への
方向)が第1の部材10の軸線(X軸方向)を含む同一
面内において直交するZ軸に対して90°ずつ順番に回
転するように着磁されている。例えば、図2に示すよう
に左端の磁石12aは内周がN極、外周がS極になるよ
うにラジアル方向に着磁され、左端から2番目の磁石1
2bは左端がS極、右端がN極となるように軸線方向に
着磁され、さらに左端から3番目の磁石12cは外周が
N極、内周がS極になるようにラジアル方向に着磁され
ている。本実施の形態においては、永久磁石12a〜1
2mの極性をZ軸に対して反時計方向に90°ずつ回転
させて着磁したものを配設しているが、これに限らず時
計方向に90°ずつ回転させて着磁したものであっても
よい。そして、両端の永久磁石12a,12mは、他の
磁石12b〜12lよりも長さが短く形成されている。
なお、永久磁石12a,12mの軸線方向の長さは10
mm、永久磁石12b〜12lの軸線方向の長さは20
mmである。
【0021】図2および図3において、前記第2の部材
11は、ステンレス鋼等の非磁性材料からなる4つの円
筒部材11a〜11dによって一端が開放する筒状体に
形成され、前記第1の部材10とは反対方向に移動する
可動体を構成するもので、前記第1の部材10を移動自
在に収納するとともにオイル等の粘性流体26が封入さ
れている。前記4つの円筒部材11a〜11dは、軸線
を一致させて嵌合し、複数個のボルト27によって一体
的に連結されている。これらの円筒部材11a〜11d
の接合面には、粘性流体26の漏洩を防止するために図
示しないシール部材が介在されている。また、左端の円
筒部材11aの軸受孔15は、粘性流体26の漏洩を防
止するためにシール部材28によって液密に封止されて
いる。さらに、円筒部材11aの内部と前記第1の部材
10の大径部17との間には、前記制動ばね14が弾装
されており、これによって第1の部材10を図2におい
て右方へ、第2の部材11を左方へ付勢している。右端
の円筒部材11dは、第2の部材11の閉塞端を形成す
るもので、他方の回動アーム4Bの揺動端に揺動可能に
連結されている。また、円筒部材11dの内部には、前
記第1の部材10の内端10b側を摺動自在に支持する
前記軸受孔16が形成されている。この軸受孔16は不
貫通孔からなり、内部には前記第1の部材10を左方へ
付勢する衝撃吸収用ばねとして機能する圧縮コイルばね
29が組み込まれている。この圧縮コイルばね29のば
ね力は、前記制動ばね14に比べて十分に小さく設定さ
れている。さらに軸受孔16の開口には、前記ナット1
9が当たることにより第1の部材10の右方への移動を
制限するストッパ30が配設されている。
【0022】前記電磁コイル13a〜13fは、前記永
久磁石12の外周を取り囲むように前記円筒部材11c
の内周にコイル用ヨーク33を介して軸線方向に並設さ
れている。また、電磁コイル13a〜13fは、通電時
に隣り合うコイルどうしの対向端面に同極が発生するよ
うに励磁されるもので、このため隣り合うものどうしの
コイルの巻線方向が交互に反対方向になるように巻回さ
れて図示しない直流電源に直列(または並列)に接続さ
れている。この場合、隣り合う電磁コイル13aと13
b、13cと13d、13eと13fの対向端面がN極
で、電磁コイル13bと13c、13dと13eの対向
端面がS極になるように励磁される。そして、電磁コイ
ル13a〜13fは、リニアアクチュエータ2を組み立
てて第1の部材10のナット19を制動ばね14によっ
てストッパ30に圧接した状態において、図3および図
6(a)に示すようにラジアル方向に着磁された永久磁
石12c、12e,12g,12i,12k,12mと
それぞれ対向するように第2の部材11内に配設されて
いる。
【0023】前記コイル用ヨーク33は、図5に示すよ
うに機械構造用炭素鋼材等の磁性材料によって内フラン
ジ31aを有する円筒体に形成された第1ヨーク31
と、同じく同一材料によって円板状に形成され第1ヨー
ク31の内周に嵌合する第2ヨーク32とからなり、こ
の第2ヨーク32と前記第1ヨーク31の内周および前
記内フランジ31aとで前記電磁コイル13を収納する
環状溝34を形成している。コイル用ヨーク33の軸線
方向の長さは40mm、板厚は10mm、電磁コイル1
3の軸線方向の長さは20mmである。
【0024】前記第2の部材11の内部で開放端側と閉
塞端側は、前記粘性流体26が封入される室36a,3
6bをそれぞれ形成している。また、これらの室36
a,36bは、前記永久磁石12とコイル用ヨーク33
との間に形成された磁気ギャップを介して互いに連通し
ている。
【0025】このような構造からなる鉄道車両用ドラム
ブレーキ装置1は、電磁コイル13に通電している状態
において被制動回転体3の制動を解放し、通電を停止す
ると被制動回転体3を制動する無励磁作動型のブレーキ
装置を構成する。すなわち、図3に示すように通電を停
止した非励磁時においては、永久磁石12と電磁コイル
13との間に電磁作用が生じず、制動ばね14のばね力
によって第1の部材10を右方へ、第2の部材11を左
方へそれぞれ移動させ、ナット19がストッパ30に当
接している。この状態において、第1、第2の部材1
0,11が揺動端に連結された左右一対の回動アーム4
A,4Bは、閉方向に回動して摩擦部材5で被制動回転
体3を挟圧し、その摩擦力によって被制動回転体3を制
動する。
【0026】摩擦部材5により被制動回転体3を制動し
た状態において、電磁コイル13a〜13fは上記した
通りラジアル方向に着磁された永久磁石12c、12
e,12g,12i,12k,12mとそれぞれ対向
し、各電磁コイル13a〜13fを収納するコイル用ヨ
ーク33の内フランジ31aと第2ヨーク32は軸線方
向に着磁された永久磁石12b,12d,12f,12
h,12j,12lとそれぞれ対向している。
【0027】電磁コイル13a〜13fに通電すると、
図3に示すように隣り合う2つの電磁コイル13aと1
3b、13cと13d、13eと13fの対向端面がN
極に、電磁コイル13bと13c、13dと13eの対
向端面がS極になるようにそれぞれ励磁される。この極
性は、非励磁作動型の場合変わることはない。
【0028】図6(a)は、通電直後における磁束の流
れを3個の電磁コイル13a,13b,13cについて
示したものである。この図から明らかなように、左端の
電磁コイル13aの磁束φ1は、コイル用ヨーク33の
N極−永久磁石12e−永久磁石12d−永久磁石12
c−コイル用ヨーク33のS極を通り、ヨーク内部を通
ってN極に至る閉ループを形成する。左端から2番目の
電磁コイル13bの磁束φ2は、コイル用ヨーク33の
N極−永久磁石12e−永久磁石12f−永久磁石12
g−コイル用ヨーク33のS極を通り、ヨーク内部を通
ってN極に至る閉ループを形成する。左端から3番目の
電磁コイル13cの磁束φ3は、コイル用ヨーク33の
N極−永久磁石12i−永久磁石12h−永久磁石12
g−コイル用ヨーク33のS極を通り、ヨーク内部を通
ってN極に至る閉ループを形成する。
【0029】ここで、ラジアル方向に着磁されている永
久磁石12c,12e,12gは、電磁コイル13a,
13b,13cとそれぞれ対向し、コイル用ヨーク33
のN,S極とは軸線方向にずれている。このため、電磁
コイル13aを励磁すると、永久磁石12cと電磁コイ
ル13aとの間には矢印50で示す吸引力と矢印51で
示す斥力が生じる。永久磁石12e,12gと電磁コイ
ル13b,13cについても同様に吸引力と斥力が生じ
る。したがって、永久磁石12(12a〜12m)と電
磁石13(13a〜13f)間に生じる前記吸引力と斥
力によって、永久磁石12は図6(b)に示すように左
方へ、電磁コイル13は右方へ移動する。この結果、第
1の部材10と第2の部材11は、制動ばね14に抗し
て図2に示すように左方と右方へそれぞれ移動して一対
の回動アーム4A,4Bを開方向に回動させ、摩擦部材
5を被制動回転体3から離間させる。第1、第2の部材
10,11が互いに反対方向へ移動して、図6(b)に
示すように電磁コイル13a,13b,13c・・・が
軸線方向に着磁された永久磁石12d,12f,12h
・・・と対向し、各コイル用ヨーク33がラジアル方向
に着磁された永久磁石12c,12e,12g・・・と
それぞれ対向すると、ヨーク33のN,S極と永久磁石
12c,12e,12g,12h・・・の対向磁極との
間の距離が最も短くなり、かつ異極どうしの対向となっ
て吸引力のみとなるので、第1、第2の部材10,11
はその位置で停止し、制動を解放した状態となる。
【0030】このように上記した鉄道車両用ドラムブレ
ーキ装置1は、エアレスの無励磁作動型制動装置を構成
しているので、エア・コンプレッサや弁、配管等を必要
とせず、保守の軽減とシステムの簡素化が図れる。また
アクチュエータとして、軸線方向に並設された複数個の
永久磁石12と電磁コイル13を備えたリニアアクチュ
エータ2を用いているので、第1、第2の部材10,1
1を大きな推力で作動させることができる。また、大き
な推力が得られれば、制動ばね14による制動力も大き
くすることができるので、制動時の安全性を向上させる
ことができる。また、永久磁石12の軸線方向の長さを
長くすることにより大きな動作ストロークを確保するこ
とができる。
【0031】また、電磁コイル13への通電を停止して
制動を解放した状態から制動状態に切り替え、制動ばね
14の力により第1の部材10を右方へ、第2の部材1
1を左方へ移動させたとき、この移動に伴い粘性流体2
6が他方の室36bから永久磁石12とコイル用ヨーク
33との間の磁気ギャップを通って一方の室36aへ移
動する。このとき、前記磁気ギャップは狭いため、粘性
流体26の流体抵抗が大きくなり、第1、第2の部材1
0,11の急激な移動を抑制する。したがって、ジャー
クを徐々に変化させる必要がある鉄道車両用のブレーキ
装置、例えば異常事態が発生したときの緊急停止のため
の非常用ブレーキ、常用ブレーキ装置が故障したときや
停電したときなど緊急時に車両を制動する保安用ブレー
キ、常用ブレーキにより減速され停止した車両を保持す
る停留ブレーキ等に用いて好適である。また、エレベー
タのブレーキ装置としても使用することができる。
【0032】なお、上記した実施の形態においては、ド
ラムブレーキ装置に適用した例を示したが、本発明はこ
れに何等限定されるものではなく、ディスクブレーキ装
置にも適用することができる。また、無励磁作動型に限
らず、コイルへの通電状態において被制動回転体を制動
し、通電を停止すると被制動回転体の制動を解放させる
励磁作動型の制動装置としても用いることができる。そ
の場合は、制動状態から制動解放状態に切り替えるとき
にコイルへの通電方向を逆にすることにより斥力を発生
させて第1、第2の部材を被励磁位置に移動復帰させ、
しかる後通電を停止するようにすると、制動ばねが不要
である。
【0033】また、上記した実施の形態においては、第
1、第2の部材10,11を共に可動体とし、互いに反
対方向へ移動させるリニアアクチュエータ2を用いた
が、これに限定されるものではなく、例えば第1の部材
10のみを可動体とし、第2の部材11を装置固定部に
固定したアクチュエータであってもよい。その場合、軸
線が被駆動回転体3の中心を通るように第1の部材10
を下に向けてリニアアクチュエータ2を垂直に配設し、
第1の部材10の下端を左右一対の回動アーム4A,4
Bの揺動端にリンク機構等を介して連結すると、第1の
部材10の上下動に伴い両アーム4A,4Bを開閉させ
ることができる。
【0034】また、本発明は種々の変更、変形が可能で
あり、例えば第2の部材11の外周にフィンを設けて放
熱効果を高めるようにしたり、電磁コイル13a〜13
fを順次位相をずらして通電し励磁してもよい。位相を
順次ずらして通電した場合は、推力が小さくなり制動力
を調整することができるので、粘性流体を必要とせず急
激な制動トルクの上昇が緩和され、鉄道車両などの乗物
に用いられる制動装置のアクチュエータとして好適であ
る。さらにまた、制動ばね14は、圧縮コイルばねに限
らず引張りコイルばねであってもよく、第2の部材11
の外部に取付けられるものであってもよい。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る制動装
置は、一対の回動アームを開閉させるアクチュエータと
して、同一軸線上に少なくともいずれか一方が他方に対
して軸線方向に相対移動可能に配設された第1、第2の
部材と、前記第1の部材の外周に極性方向を90°ずつ
回転させて並設された複数個の永久磁石と、前記第2部
材に前記永久磁石の外周を取り囲むように配設され、隣
り合うコイルどうしの対向端面に同極が発生するように
励磁される複数個の電磁コイルとからなるリニアアクチ
ュエータを用いたので、大きな制動力と動作ストローク
が得られ、鉄道車両用ブレーキ装置やエレベータのブレ
ーキ装置に用いて好適である。また、電磁コイルを順次
位相をずらして通電励磁した場合は、推力が小さくなり
制動力を調整することができるので、粘性流体を必要と
せず急激な制動トルクの上昇が緩和され、鉄道車両など
の乗物に用いられる制動装置のアクチュエータとして好
適である。さらに、本発明は、第2の部材内に粘性流体
を封入しているので、可動体を構成する部材の急激な移
動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る制動装置を鉄道車両用ドラムブ
レーキ装置に用いた一実施の形態を示す制動解放時(励
磁時)の正面図である。
【図2】 制動解放時の断面図である。
【図3】 制動時(非励磁時)の断面図である。
【図4】 永久磁石の断面図である。
【図5】 (a)、(b)は電磁コイルの外観斜視図お
よび断面図である。
【図6】 (a)、(b)は通電直後と制動状態におけ
る磁束の流れを示す図である。
【符号の説明】
1…ドラムブレーキ装置、2…リニアアクチュエータ、
3…被制動回転体、4A,4B…回動アーム、5…摩擦
部材、6…支持軸、10…第1の部材、11…第2の部
材、12(12a〜12m)…永久磁石、13(13a
〜13f)…電磁コイル、14…制動ばね、26…粘性
流体、33…コイル用ヨーク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 園部 哲也 群馬県桐生市相生町2丁目678番地 小倉 クラッチ株式会社内 (72)発明者 萩原 博 群馬県桐生市相生町2丁目678番地 小倉 クラッチ株式会社内 (72)発明者 斉藤 嘉一 群馬県桐生市相生町2丁目678番地 小倉 クラッチ株式会社内 Fターム(参考) 3J058 AA03 AA06 AA13 AA17 AA24 AA29 AA38 BA01 BA70 CC14 CC72 CC77 FA21 5H633 BB03 BB08 GG02 GG04 GG05 HH03 HH07 HH08 JA02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被制動回転体を挟んで対向する一対の回
    動アームと、 前記一対の回動アームにそれぞれ取付けられ制動時に前
    記被制動回転体を挟圧する摩擦部材と、 前記一対の回動アームを開閉するアクチュエータとを備
    え、 前記アクチュエータを、同一軸線上に少なくともいずれ
    か一方が他方に対して軸線方向に相対移動可能に配設さ
    れた第1、第2の部材と、前記第1の部材の外周に極性
    方向を90°ずつ回転させて並設された複数個の永久磁
    石と、前記第2部材に前記永久磁石の外周を取り囲むよ
    うに配設され、隣り合うコイルどうしの対向端面に同極
    が発生するように励磁される複数個の電磁コイルとで構
    成したことを特徴とする制動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の制動装置において、 電磁コイルに位相をずらして通電し順次励磁することを
    特徴とする制動装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の制動装置におい
    て、 第2の部材内に粘性流体を封入したことを特徴とする制
    動装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載の制動装置に
    おいて、 電磁コイルの非励磁時において第1、第2の部材のうち
    少なくともいずれか一方を移動させて非制動位置に保持
    し、摩擦部材を前記被制動回転体に押し付ける制動ばね
    を備えたことを特徴とする制動装置。
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