JPH0648221A - インストルメントパネル - Google Patents

インストルメントパネル

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JPH0648221A
JPH0648221A JP5014564A JP1456493A JPH0648221A JP H0648221 A JPH0648221 A JP H0648221A JP 5014564 A JP5014564 A JP 5014564A JP 1456493 A JP1456493 A JP 1456493A JP H0648221 A JPH0648221 A JP H0648221A
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JP
Japan
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instrument panel
resin
mold
polypropylene resin
sheet
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Application number
JP5014564A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Matsuki
清 松木
Izumi Ibata
泉 伊場田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 押圧したときにソフトでしなやかな触感を付
与し、緩衝性にすぐれ、重厚感を有し、高温時に悪臭を
発生せず、燃焼時の有害ガスの発生量が少なく、軽量で
あり、かつリサイクルが容易なインストルメントパネル
を提供すること。 【構成】 ポリプロピレン系樹脂からなる表皮材、ポリ
プロピレン系樹脂型内発泡体および形状保持材からなる
インストルメントパネル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインストルメントパネル
に関する。さらに詳しくは、自動車の計器類を装着する
ためのインストルメントパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インストルメントパネルとして
は、ポリ塩化ビニルなどのレザーシート、ポリプロピレ
ン発泡体などの発泡体シートおよびABS樹脂などの芯
材を順次重合し、接着剤でたがいに一体的に結着した積
層体を加熱軟化した状態で成形型で加圧成形したものな
どが知られている(特開昭54-158471 号公報)。
【0003】しかしながら、前記インストルメントパネ
ルは、発泡体シートを有するとはいうものの、押圧した
ときの触感が硬く、しかも緩衝性に劣るとともに、重厚
感がないという欠点があった。
【0004】前記インストルメントパネルの欠点を解消
しうるものとしては、ポリ塩化ビニルからなるレザーシ
ート、ポリプロピレン発泡体などの発泡体シート、発泡
ポリウレタン層およびABS樹脂などの芯材を順次積層
し、一体化した積層物が知られている。
【0005】前記積層物は、その中間層に発泡ポリウレ
タン層を有するものであるから、確かに押圧したときに
ソフトな触感が付与され、かつ緩衝性が前記インストル
メントパネルと対比して向上したものであるが、その重
量が該インストルメントパネルと対比して大きくなり、
しかも高温時にはポリ塩化ビニルに基づく悪臭が放た
れ、また燃焼時には有害ガスが発生するという欠点があ
る。
【0006】また近年、自動車工業界においては、自動
車の燃費向上のため、自動車を構成している部品(パー
ツ)の軽量化が厳しく要求されており、その一環として
より一層軽量化が図られ、そして資源の再生利用の観点
からリサイクルが容易なインストルメントパネルの開発
が待ち望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
前記従来技術に鑑みて、押圧したときにソフトでしな
やかな触感が付与され、緩衝性にすぐれ、重厚感が
あり、高温時に悪臭を発生せず、燃焼時に有害ガス
の発生量が少なく、軽量化が図られ、リサイクルが
容易であるといった数多くの要求を同時に満足しうるイ
ンストルメントパネルを開発するべく鋭意研究を重ねた
結果、これらの要求をいずれも同時に満足しうるまった
く新しいインストルメントパネルをようやく見出し、本
発明を完成するにいたった。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明はポリ
プロピレン系樹脂からなる表皮材、ポリプロピレン系樹
脂押出発泡シートおよび形状保持材からなるインストル
メントパネルに関する。
【0009】
【作用および実施例】本発明のインストルメントパネル
は、押圧したときには、表皮を形成しているポリプロピ
レン系樹脂からなる表皮材の裏面に形成されたポリプロ
ピレン系樹脂型内発泡体が従来の樹脂からなる芯材と対
比してソフトな触感を付与することにより、該インスト
ルメントパネルの重厚感や高級感がもたらされるのであ
る。とくに、表皮材がポリプロピレン系樹脂押出発泡シ
ートが設けられたものであるばあいには、非常にソフト
でしなやかな触感がえられる。
【0010】また、本発明のインストルメントパネル
は、前記したように、ポリプロピレン系樹脂型内発泡体
という衝撃を吸収しうる層が設けられているため、緩衝
性にもすぐれたものであり、とくにポリプロピレン系樹
脂押出発泡シートが設けられているばあいには、よりす
ぐれた緩衝性が付与される。
【0011】さらに、本発明のインストルメントパネル
は、従来のものでは表皮に主としてポリ塩化ビニルなど
からなるレザーシートが用いられていたため、たとえば
夏季などのように自動車内の気温が高温に達したときに
いやな臭気が発せられていたのに対し、このような悪臭
を発生する基材が用いられていないものであるため、高
温時における臭気の点でも問題を解決したものである。
【0012】またさらに、本発明のインストルメントパ
ネルは、これを構成している基材がいずれもポリプロピ
レン系樹脂からなるものであるため、そのリサイクルが
容易であり、しかも発泡ポリウレタンが燃焼したときに
発生するとされている人体に危害を及ぼす有害ガスの発
生が少なく、人体に対して有害なガスの発生量が少ない
というすぐれた性質を有するものである。
【0013】本発明のインストルメントパネルは、前記
したように、ポリプロピレン系樹脂からなる表皮材、ポ
リプロピレン系樹脂型内発泡体および形状保持材から構
成されるものである。
【0014】前記ポリプロピレン系樹脂とは、たとえば
プロピレンホモポリマー、エチレン−プロピレンランダ
ムコポリマー、エチレン−プロピレンブロックコポリマ
ー、エチレン−プロピレン−ブテンランダムターポリマ
ー、プロピレン−塩化ビニルコポリマー、プロピレン−
ブテンコポリマー、プロピレン−無水マレイン酸コポリ
マーなどのプロピレンの含有量が50重量%以上の樹脂を
いい、これらの樹脂は単独でまたは2種以上を混合して
用いられる。前記ポリプロピレン系樹脂は、無架橋の状
態のものが好ましいが、パーオキサイドや放射線などに
より架橋させたものであってもよい。
【0015】また、前記ポリプロピレン系樹脂として、
該ポリプロピレン系樹脂と混合しうる他の熱可塑性樹脂
が混合されたものを用いてもよい。かかる他の熱可塑性
樹脂の具体例としては、たとえば低密度ポリエチレン、
ポリスチレン、ポリブテン、アイオノマーなどがあげら
れ、これらの熱可塑性樹脂の配合量は、前記ポリプロピ
レン系樹脂100 部(重量部、以下同様)に対して通常20
部以下、なかんづく5〜10部程度であることが好まし
い。
【0016】前記ポリプロピレン系樹脂からなる表皮材
としては、たとえばポリプロピレン系樹脂シート、該ポ
リプロピレン系樹脂シートとポリプロピレン系樹脂押出
発泡シートの積層シートなどがあげられる。
【0017】前記ポリプロピレン系樹脂シートの厚さ
は、とくに限定がないが、あまりにも小さいばあいに
は、重厚感が劣るようになり、またあまりにも大きいば
あいには、柔軟性が劣るようになる傾向があるので、通
常0.3 〜2mm、なかんづく0.5 〜1.5mm であることが好
ましい。
【0018】前記ポリプロピレン系樹脂押出発泡シート
は、ポリプロピレン系樹脂が押出発泡法によって成形さ
れたシートであり、えられるインストルメントパネルに
柔かい触感を付与しうるものである。かかる押出発泡シ
ートの発泡倍率は、あまりにも小さいばあいには、えら
れるインストルメントパネルの触感が硬くなりすぎる傾
向があり、またあまりにも大きいばあいには、えられる
インストルメントパネルの触感が柔かくなりすぎる傾向
があるので、10〜30倍程度、なかんづく15〜25倍程度で
あることが好ましい。
【0019】また、前記押出発泡シートの厚さは、あま
りにも小さすぎるばあいには、えられるインストルメン
トパネルの触感が硬く感じられるようになったり、緩衝
性が小さくなる傾向があり、またあまりにも大きいばあ
いには、えられるインストルメントパネルの触感が柔か
くなりすぎるようになる傾向があるので、1〜4mm、な
かんづく1.5 〜3.5mm 程度であることが好ましい。
【0020】前記積層シートにおいて、ポリプロピレン
系樹脂シートと、前記ポリプロピレン系樹脂押出発泡シ
ートとの一体化は、たとえば加熱溶融一体化する方法、
両者を接着剤で一体化する方法などによって行なうこと
ができ、本発明はかかる一体化する方法によって限定さ
れるものではない。
【0021】前記ポリプロピレン系樹脂型内発泡体は、
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形する
ことによってえられるものである。
【0022】前記ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を
フィーダーを通じて成形型内に充填するに際しては、あ
らかじめ該予備発泡粒子を加圧ガスを用いて加圧し、該
加圧ガスが該予備発泡粒子中に充分に浸透され、内圧が
付与された状態で成形型内に充填してもよく、該予備発
泡粒子を加圧ガスを用いて圧縮した状態で成形で型内に
充填してもよく、また該予備発泡粒子に内圧を付与した
り、圧縮することなく、そのままの状態で成形型内に充
填してもよく、本発明はかかる充填方法によって限定さ
れるものではない。
【0023】前記ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子お
よびポリプロピレン系樹脂型内発泡体の発泡倍率は、あ
まりにも大きすぎるばあいには、えられるインストルメ
ントパネルの触感が柔かくなりすぎるようになり、また
あまりにも小さすぎるばあいには、えられるインストル
メントパネルの触感が硬くなりすぎるようになる傾向が
あるので、5〜30倍、好ましくは7〜27倍、さらに好ま
しくは10〜25倍であることが望ましい。
【0024】前記ポリプロピレン系樹脂型内発泡体の厚
さは、あまりにも小さすぎるばあいには、えられるイン
ストルメントパネルの圧縮強度、曲げ強度などの機械的
性質が劣るようになり、またあまりにも大きすぎるばあ
いには、インストルメントパネルの設計上に問題が発生
するようになる傾向があるので、通常3〜5mm、好まし
くは5〜30mm、さらに好ましくは5〜20mm程度であるこ
とが望ましい。
【0025】前記ポリプロピレン系樹脂からなる表皮材
と、前記ポリプロピレン系樹脂型内発泡体との一体化
は、たとえばそれぞれ表皮材および型内発泡体の接触面
を加熱溶融させたのち、重ね合わせて融着して一体化す
る方法、前記押出発泡シートを接着剤で型内発泡体と一
体化する方法などによって行なうことができるが、本発
明においてはさらに表皮材をあらかじめ作製しておき、
これを型内発泡成形型内に装着したのちに、ポリプロピ
レン系樹脂予備発泡粒子を充填し、型内発泡成形体の成
形と同時に、前記表皮材を該型内発泡成形体と一体化さ
せる方法などを採用することができる。
【0026】前記シートと成形された型内発泡体とを一
体化させる際に接着剤を用いるばあいには、接着剤とし
て、たとえば塩素化ポリプロピレンなどをトルエンなど
の有機溶媒に溶解したものをシート、型内発泡体の接着
面に適量で塗布すればよい。
【0027】また、前記シートを型内発泡成形型内に装
着したのち、型内発泡成形体を成形すると同時にシート
と型内発泡成形体とを一体化させるばあいには、前記接
着剤として、たとえば塩素化ポリプロピレンなどをシー
トの接着面にあらかじめ適量で付着させておけばよい。
【0028】前記形状保持材は、主としてインストルメ
ントパネルに変形防止機能、補強機能、組立材取付機能
などを付与しうるものである。
【0029】前記形状保持材の形状は、インストルメン
トパネルなどの形状などに応じて調整すればよい。形状
保持材の材料としては、たとえば紙、金属、金網、木材
をはじめ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂
などの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、ホルムアルデヒ
ド樹脂などの熱硬化性樹脂、FRPなどがあげられる
が、本発明はかかる例示のみに限定されるものではな
い。
【0030】なお、形状保持材を後述するように、型内
発泡体の成形時に該型内発泡体と一体化せしめるばあい
には、該形状保持材が成形時の加熱によって軟化、溶融
するようでは、該形状保持材の変形防止機能が充分に発
現されなくなるので、該形状保持材として成形時の加熱
に耐えうるものを用いることが好ましい。
【0031】また、えられるインストルメントパネルの
リサイクル性を考慮すれば、該インストルメントパネル
の材質としては、たとえばポリプロピレンなどがとくに
好ましい。
【0032】本発明のインストルメントパネルは、成形
型から取り出した直後から型内発泡体に収縮が生じる
が、表皮材が設けられている面では該表皮材によって型
内発泡体の収縮が抑制されるのに対し、表皮材が設けら
れていない面では収縮が進行し、その結果、該インスト
ルメントパネルが変形してしまう。
【0033】このようなインストルメントパネルの変形
を防止するために、すなわち変形防止機能を付与するた
めに、インストルメントパネルの表皮材が設けられてい
ない面に形状保持材を貼付したり、あるいは型内発泡体
内に形状保持材を埋め込んでおくことが好ましい。
【0034】インストルメントパネルの表皮材が設けら
れていない面に形状保持材を貼付したものとしては、た
とえば図1のインストルメントパネルの一実施態様の概
略断面図に示されるように、型内発泡体1の表皮材2が
設けられていない面に形状保持材3が貼付されたものが
あげられる。このように、インストルメントパネルの表
皮材が設けられていない面に形状保持材3を貼付するば
あいには、たとえば成形型において、水蒸気が導入され
ない側の金型の内面に表皮材2を設け、また水蒸気が導
入される側の金型の内面に形状保持材3を設けたのち、
成形型を閉じ、予備発泡粒子を成形型内に充填し、つい
で成形する方法を採用することができる。このばあい、
型内発泡体1と形状保持材3とを強固に接着せしめるた
めに、該形状保持材3の型内発泡体1と接する面には、
あらかじめ接着剤を付着させておくことが好ましい。
【0035】かかる接着剤としては、たとえば樹脂を有
機溶媒に溶解したもの、樹脂エマルジョン、樹脂パウダ
ーなどがあげられる。前記樹脂としては、たとえばエチ
レン−酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン、塩素化ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、エチレン−プロピレンコポリ
マー、塩素化ポリエチレン、エチレン−プロピレン−ブ
テンターポリマー、これらの混合物などのポリオレフィ
ン系樹脂などがあげられるが、本発明はかかる例示のみ
に限定されるものではない。前記接着剤の使用量は、と
くに限定がなく、接着剤の種類、目的とする接着強度な
どに応じて適宜調整すればよい。
【0036】形状保持材として、硬度が大きいものを用
いたばあいには、変形防止機能のみならず、インストル
メントパネル自体の強度の向上、すなわち補強機能を高
めることができる。
【0037】なお、図1に示されたインストルメントパ
ネルにおいては、形状保持材として板状のものが用いら
れているが、たとえば他の部材と接続するための取付具
などが該形状保持材1に設けられていてもよい。
【0038】インストルメントパネルの型内発泡体に形
状保持材が埋め込まれたものとしては、たとえば図2の
インストルメントパネルの概略断面図に示されるよう
に、型内発泡体1の内部に形状保持材3が埋め込まれた
ものがあげられる。なお、図2において、4は、たとえ
ば他の部材などと接続することができるようにするため
に設けられた取付部であるが、本発明はかかる取付部の
形状によって限定されるものではない。また、本発明に
おいては、かかる取付部が必要でないばあいには、設け
られていなくてもよい。
【0039】インストルメントパネルの型内発泡体1内
に形状保持材3を埋め込む方法としては、たとえば成形
型において、水蒸気が導入されない側の金型の内面に表
皮材2を設け、また水蒸気が導入される側の金型の内面
に形状保持材3を設けたのち、金型を閉じ、予備発泡粒
子を成形型内に充填し、ついで成形する方法を採用する
ことができるが、このばあい、成形保持材3を型内発泡
体1内に埋め込むために、たとえば金型の一部に溝を設
けておき、該溝に形状保持材3の取付部4を挿入し、成
形時に型内発泡体1内に取付部4が埋め込まれることな
く形状保持材3が埋め込まれるようにすることが好まし
い。
【0040】なお、形状保持材3の表面には、型内発泡
体1との接着性を向上せしめるために、前記したよう
に、前記と同様の接着剤をあらかじめ付着させておくこ
とが好ましい。
【0041】つぎに本発明のインストルメントパネルを
実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はか
かる実施例のみに限定されるものではない。
【0042】実施例1 ポリプロピレン系樹脂シート(厚さ0.75mm)を蒸気孔を
有しない金型面に貼付した。
【0043】また、蒸気孔を有する金型(たて400mm 、
よこ800mm 、奥行150mm )の内面に設けられた溝に、取
付部として止めネジを固定するための鉄製フック(表面
被膜:エチレン−酢酸ビニル樹脂)を有する鉄製の形状
保持材(たて360mm 、よこ760mm 、奥行130mm )を挿入
して固定した。
【0044】ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子として
エペランPP(鐘淵化学工業(株)製、商品名、発泡倍
率15倍)をあらかじめ耐圧容器内に入れて内圧2kg/cm
2 ・Gが空気により付与されたものを用い、前記金型か
らなる成形型内に充填した。
【0045】つぎに蒸気孔を有する金型から水蒸気(蒸
気圧0.6 kg/cm2 ・G、温度112 〜115 ℃)を成形型内
に導入して予備加熱をし、約10秒間予備発泡粒子の蒸ら
しを行なったのち、成形型内の内圧が500mmHg 以下とな
るように真空ポンプを用いてドレインおよび水蒸気を吸
引し、除去した。
【0046】そののち、蒸気孔を有する金型から水蒸気
(蒸気圧3.5 kg/cm2 ・G、温度146 〜148 ℃)を成形
型内に導入し、20秒間保持したのち、冷却し、成形型を
型開きして図2に示されるような断面形状を有するイン
ストルメントパネルをえた。
【0047】えられたインストルメントパネルの物性と
して、触感、緩衝性、高温時の臭気、リサイクル性、燃
焼時の有害ガスの発生を以下の方法にしたがって調べ
た。その結果を表1に示す。
【0048】(イ)触感 従来のインストルメントパネルとして、ポリ塩化ビニル
シート(厚さ0.5mm )、ポリプロピレン系樹脂押出発泡
シート(発泡倍率20倍、厚さ3mm)およびABS樹脂板
(厚さ2〜3mm)を順に積層してえられたもの(以下、
従来品Aという)を用意した。
【0049】つぎに、えられたインストルメントパネル
の触感を指で押圧することにより調べ、前記従来品Aと
対比して以下の評価基準に基づいて評価を行なった。
【0050】(評価基準) A:えられたインストルメントパネルのほうが明らかに
従来品Aよりもソフトであり、しなやかな触感を有す
る。 B:えられたインストルメントパネルのほうが従来品A
よりもソフトであるが、2段階のソフトな触感を有しな
い。 C:えられたインストルメントパネルのほうがやや従来
品Aよりもソフトでしなやかな触感を有する。 D:えられたインストルメントパネルと従来品Aとの触
感の差異がほとんどない。 E:従来品Aのほうがえられたインストルメントパネル
よりも触感がよい。
【0051】(ロ)緩衝性 えられたインストルメントパネルおよび従来品Aの表皮
側の平面部分に、それぞれ重さ100gの鋼球を高さ50cmの
位置から落下し、以下の評価基準に基づいて評価を行な
った。
【0052】(評価基準) A:鋼球を落下し、はね返ったときの鋼球の高さが従来
品Aのほうがより高い。 B:鋼球を落下し、はね返ったときの鋼球の高さが従来
品Aおよびえられたインストルメントパネルのいずれも
ほぼ等しい。 C:鋼球を落下し、はね返ったときの鋼球の高さがえら
れたインストルメントパネルのほうがより高い。
【0053】(ハ)高温時の臭気 えられたインストルメントパネルおよび従来品Aのテス
トピース(20×20cm)を、それぞれ別個に温度60℃、相
対湿度50%の恒温恒湿室中に24時間放置したのち、以下
の評価基準に基づいて評価を行なった。
【0054】(評価基準) A:恒温恒湿室の扉を開けたとき、えられたインストル
メントパネルによる臭気が感じられない。 B:恒温恒湿室の扉を開けたとき、えられたインストル
メントパネルによる臭気が感じられるが、従来品Aより
も弱い。 C:恒温恒湿室の扉を開けたとき、えられたインストル
メントパネルによる臭気が従来品とほとんど変わらな
い。 D:恒温恒湿室の扉を開けたとき、えられたインストル
メントパネルによる臭気が従来品Aよりも強い。
【0055】(ニ)リサイクル性 えられたインストルメントパネルのリサイクル性を以下
の評価基準に基づいて評価を行なった。
【0056】(評価基準) A:えられたインストルメントパネルを各構成材料ごと
に分解しなくても、そのままリサイクルに使用できる。 B:えられたインストルメントパネルを各構成材料ごと
に分解すれば、いずれもリサイクルに使用できる。 C:えられたインストルメントパネルには、リサイクル
に使用できない材料が含まれている。
【0057】(ホ)有害ガスの発生 えられたインストルメントパネルの構成材料に一般に燃
焼時に有害ガスを発生するといわれている素材が含まれ
ていないかを調べ、以下の評価基準に基づいて評価を行
なった。
【0058】(評価基準) A:一般に燃焼時に有害ガスを発生するといわれている
素材が含まれていない。 B:一般に燃焼時に有害ガスを発生するといわれている
素材が一部含まれている。 C:すべての素材が一般に燃焼時に有害ガスを発生する
といわれているものである。
【0059】実施例2 実施例1で用いた樹脂シートのかわりに、ポリプロピレ
ン系樹脂シート(厚さ0.5 mm)を用い、該樹脂シートを
金型の内面側に貼付し、他方の金型にポリプロピレン製
の形状保持材(たて360 mm、よこ760 mm、奥行130mm )
を用いたほかは、実施例1と同様にして図1に示される
ような断面形状を有するインストルメントパネルをえ
た。
【0060】えられたインストルメントパネルの物性を
実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0061】実施例3 表皮材として、ポリプロピレン系樹脂シート(厚さ0.75
mm)と、ポリプロピレン系樹脂押出発泡シート(発泡倍
率20倍、厚さ3.5mm )との積層シートを用い、該積層シ
ートの樹脂シート面を金型の内面側に貼付した。
【0062】また、蒸気孔を有する金型(たて400mm 、
よこ800mm 、奥行150mm )の内面の溝に、実施例1で用
いたのと同様の形状保持材を挿入して固定した。
【0063】ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子として
エペランPP(鐘淵化学工業(株)製、商品名、発泡倍
率30倍)をフィーダーを介して成形型内に充填した。
【0064】つぎに金型の蒸気孔から水蒸気(蒸気圧0.
6 kg/cm2 ・G、温度112 〜115 ℃)を成形型内に導入
して予備加熱をし、除圧して10秒間予備発泡粒子の蒸ら
しを行なったのち、成形型内の内圧が260mmHg 以下とな
るように真空ポンプを用いてドレインおよび水蒸気を吸
引除去した。
【0065】そののち、金型の蒸気孔から水蒸気(蒸気
圧3.2 kg/cm2 ・G、温度144 〜146 ℃)を成形型内に
導入し、20秒間保持したのち、冷却し、ついで成形型を
型開きしてインストルメントパネルをえた。
【0066】えられたインストルメントパネルの物性を
実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0067】実施例4 実施例3において、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子
としてエペランPP(鐘淵化学工業(株)製、商品名、
発泡倍率15倍)を用いたほかは実施例3と同様にして、
予備発泡粒子の充填からドレインおよび水蒸気の吸引除
去までを行なった。
【0068】つぎに金型の蒸気孔から水蒸気(蒸気圧3.
5 kg/cm2 ・G、温度146 〜148 ℃)を成形型内に導入
し、20秒間保持したのち、冷却し、ついで成形型を型開
きしてインストルメントパネルをえた。
【0069】えられたインストルメントパネルの物性を
実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0070】比較例1 従来のインストルメントパネルとして、ポリ塩化ビニル
からなるレザーシート(厚さ0.5mm )、ポリプロピレン
押出発泡シート(発泡倍率20倍、厚さ3mm)、発泡ポリ
ウレタン層(厚さ10mm)およびABS樹脂板(厚さ2m
m)を順次積層し、一体化して積層物(以下、従来品B
という)をえた。
【0071】えられた従来品Bの物性を実施例1と同様
にして調べた。その結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】表1に示した結果から、実施例1〜4でえ
られた本発明のインストルメントパネルは、従来品Aお
よび従来品Bではすべてを具備することができなかっ
た、すぐれた触感、すぐれた緩衝性、高温時における無
臭気、すぐれたリサイクル性および燃焼時の有害ガスの
無発生などを同時に具備するものであることがわかる。
【0074】また、実施例1〜4でえられた本発明のイ
ンストルメントパネルは、いずれも重厚感を有するもの
であったが、従来品Bよりも軽量であるから、自動車を
構成している部品の軽量化という要請に対して充分に応
えることができるものであった。
【0075】
【発明の効果】本発明のインストルメントパネルは、押
圧したときにソフトでしなやかな触感を付与し、緩衝性
にすぐれ、重厚感を有し、高温時に悪臭を発生せず、燃
焼時に有害ガスの発生量が少なく、軽量化が図られ、し
かもリサイクルが容易であるなどの数多くのすぐれた効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインストルメントパネルの一実施例の
概略断面図である。
【図2】本発明のインストルメントパネルの一実施例の
概略断面図である。
【符号の説明】
1 ポリプロピレン系樹脂型内発泡体 2 表皮材 3 形状保持材
【手続補正書】
【提出日】平成5年4月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】A:恒温恒湿室の扉を開けたとき、えられ
たインストルメントパネルによる臭気が感じられない。 B:恒温恒湿室の扉を開けたとき、えられたインストル
メントパネルによる臭気が感じられるが、従来品Aより
も弱い。 C:恒温恒湿室の扉を開けたとき、えられたインストル
メントパネルによる臭気が従来品とほとんど変わらな
い。 D:恒温恒湿室の扉を開けたとき、えられたインストル
メントパネルによる臭気が従来品Aよりも強い。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂からなる表皮材、
    ポリプロピレン系樹脂型内発泡体および形状保持材から
    なるインストルメントパネル。
  2. 【請求項2】 ポリプロピレン系樹脂からなる表皮材が
    ポリプロピレン系樹脂シートである請求項1記載のイン
    ストルメントパネル。
  3. 【請求項3】 ポリプロピレン系樹脂からなる表皮材が
    ポリプロピレン系樹脂シートとポリプロピレン系樹脂押
    出発泡シートの積層シートである請求項1記載のインス
    トルメントパネル。
  4. 【請求項4】 ポリプロピレン系樹脂押出発泡シートの
    発泡倍率が10〜30倍である請求項3記載のインストルメ
    ントパネル。
  5. 【請求項5】 ポリプロピレン系樹脂型内発泡体の発泡
    倍率が5〜30倍である請求項1、2、3または4記載の
    インストルメントパネル。
  6. 【請求項6】 形状保持材がポリプロピレン系樹脂型内
    発泡体の表面に付着されてなる請求項1、2、3、4ま
    たは5記載のインストルメントパネル。
  7. 【請求項7】 形状保持材がポリプロピレン系樹脂型内
    発泡体内に埋め込まれてなる請求項1、2、3、4また
    は5記載のインストルメントパネル。
  8. 【請求項8】 形状保持材が取付部を有する請求項6ま
    たは7記載のインストルメントパネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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