JPH0648115A - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
- Publication number
- JPH0648115A JPH0648115A JP4199773A JP19977392A JPH0648115A JP H0648115 A JPH0648115 A JP H0648115A JP 4199773 A JP4199773 A JP 4199773A JP 19977392 A JP19977392 A JP 19977392A JP H0648115 A JPH0648115 A JP H0648115A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rib
- groove
- layer
- rubber
- upper layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60C—VEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
- B60C11/00—Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
- B60C11/03—Tread patterns
- B60C11/13—Tread patterns characterised by the groove cross-section, e.g. for buttressing or preventing stone-trapping
- B60C11/1307—Tread patterns characterised by the groove cross-section, e.g. for buttressing or preventing stone-trapping with special features of the groove walls
- B60C11/1346—Tread patterns characterised by the groove cross-section, e.g. for buttressing or preventing stone-trapping with special features of the groove walls covered by a rubber different from the tread rubber
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Tires In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】走行中、縦溝に挟まれたリブ両側端部に発生す
るリバーウェアを有効に防止する。 【構成】トレッド部1をタイヤ周方向に連続して連なる
複数の縦溝2、2同士及び当該縦溝2とショルダー接地
端3とによって挟まれる複数のリブ4を有し、上記トレ
ッド部1のリブを硬さの異なる積層構造のゴムで構成
し、リブの上層9を硬質ゴム層、下層10を軟質ゴム層
とし、当該上層9の表面厚さhは縦溝深さHの3/9〜
4/9、下層10は縦溝2の溝底深さHあたりまで形成
し、上層9の硬さをJISA硬度で72±5°、下層1
0の硬さをJISA硬度で62±4°とするとともに、
下層10の側面を覆って縦溝2の側壁15を構成する上
層9の側面厚さtは、縦溝2の溝底14に向かうにつれ
て漸次連続的に減少する。
るリバーウェアを有効に防止する。 【構成】トレッド部1をタイヤ周方向に連続して連なる
複数の縦溝2、2同士及び当該縦溝2とショルダー接地
端3とによって挟まれる複数のリブ4を有し、上記トレ
ッド部1のリブを硬さの異なる積層構造のゴムで構成
し、リブの上層9を硬質ゴム層、下層10を軟質ゴム層
とし、当該上層9の表面厚さhは縦溝深さHの3/9〜
4/9、下層10は縦溝2の溝底深さHあたりまで形成
し、上層9の硬さをJISA硬度で72±5°、下層1
0の硬さをJISA硬度で62±4°とするとともに、
下層10の側面を覆って縦溝2の側壁15を構成する上
層9の側面厚さtは、縦溝2の溝底14に向かうにつれ
て漸次連続的に減少する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はリブパターンを有する
空気入りタイヤ、特に重荷重用ラジアルタイヤにおい
て、特に縦溝に挟まれたリブ両側端部に発生する偏摩耗
防止の改良に関する。
空気入りタイヤ、特に重荷重用ラジアルタイヤにおい
て、特に縦溝に挟まれたリブ両側端部に発生する偏摩耗
防止の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】リブパターンを有する空気入りタイヤの
場合、走行中、縦溝に挟まれたリブ両側端部において、
段差状の異常摩耗が発生することがある。これを通常、
リバーウェアと呼んでいるが、従来、このリバーウェア
を防止するため種々の技術的対応方法がとられ、また提
案されている。
場合、走行中、縦溝に挟まれたリブ両側端部において、
段差状の異常摩耗が発生することがある。これを通常、
リバーウェアと呼んでいるが、従来、このリバーウェア
を防止するため種々の技術的対応方法がとられ、また提
案されている。
【0003】最も普通に用いられる手段として、リブ端
部に一端が縦溝に開口する多数のサイプをタイヤ幅方向
に向けて小間隔をおいて形成する技術がある。またリブ
端部に沿ってリブ端部から少し離れた位置に縦溝にほぼ
平行な連続或いは断続したサイプを形成する技術を開示
している。また縦溝のジクザクを小さくし、ほぼ直線的
な形状とする技術も有効な手段である。
部に一端が縦溝に開口する多数のサイプをタイヤ幅方向
に向けて小間隔をおいて形成する技術がある。またリブ
端部に沿ってリブ端部から少し離れた位置に縦溝にほぼ
平行な連続或いは断続したサイプを形成する技術を開示
している。また縦溝のジクザクを小さくし、ほぼ直線的
な形状とする技術も有効な手段である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしリブ端部に一端
が縦溝に開口する多数のサイプをタイヤ幅方向に向けて
形成した場合、リブ端部の周方向の剛性を多数のサイプ
により弱くし、周方向に対する追従性を上げることがで
きる点で効果的ではあるが、リブ端部に多数のサイプを
形成しなければならないため、数多くのサイプ用ブレー
ドをモールドに設置しなければならない問題があり、モ
ールドの製作上及びコスト面で好ましくない。また小間
隔ごとにサイプを形成すると、走行中、このサイプが原
因でクラックやチッピングを生じる場合がある。
が縦溝に開口する多数のサイプをタイヤ幅方向に向けて
形成した場合、リブ端部の周方向の剛性を多数のサイプ
により弱くし、周方向に対する追従性を上げることがで
きる点で効果的ではあるが、リブ端部に多数のサイプを
形成しなければならないため、数多くのサイプ用ブレー
ドをモールドに設置しなければならない問題があり、モ
ールドの製作上及びコスト面で好ましくない。また小間
隔ごとにサイプを形成すると、走行中、このサイプが原
因でクラックやチッピングを生じる場合がある。
【0005】またリブ端部から少し離れた位置に溝に平
行なサイプを形成する従来技術は、リブ端のタイヤ幅方
向の運動を制御し、それによって周方向のすべりを抑制
し、偏摩耗を防止しようとしているのであるが、かかる
手段では偏摩耗防止の効果はあってもリブの横方向剛性
低下による操縦安定性の低下、有効摩耗面積の減少によ
る摩耗耐久性の低下があり、さらにこの構成はリブ端部
にティアーが生じ易い欠点もある。
行なサイプを形成する従来技術は、リブ端のタイヤ幅方
向の運動を制御し、それによって周方向のすべりを抑制
し、偏摩耗を防止しようとしているのであるが、かかる
手段では偏摩耗防止の効果はあってもリブの横方向剛性
低下による操縦安定性の低下、有効摩耗面積の減少によ
る摩耗耐久性の低下があり、さらにこの構成はリブ端部
にティアーが生じ易い欠点もある。
【0006】一方、縦溝を直線的な形状とする従来技術
は、上記技術と比較すると問題は少ないが、偏摩耗防止
の点では未だ必ずしも十分なものとはいえない。
は、上記技術と比較すると問題は少ないが、偏摩耗防止
の点では未だ必ずしも十分なものとはいえない。
【0007】この発明の目的は、走行中、縦溝に挟まれ
たリブ両側端部に発生するリバーウェアを有効に防止す
ることができる空気入りタイヤを提供する点にある。
たリブ両側端部に発生するリバーウェアを有効に防止す
ることができる空気入りタイヤを提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】ところでリブパターンの
偏摩耗には、リバーウェアと、リバーウェアが局部的に
進行するカッピングや、さらに1つのリブ全体が他のリ
ブより摩耗が早く1段ステップのつくリブパンチなども
あるが、いずれにせよタイヤのワイピング作用や垂直負
荷によって発生するタイヤ表面の剪断力に基づくトレッ
ド表面部のゴムのタイヤ幅方向の移動が周方向の摩擦力
を低下させ、その度合いの大きなリブ端部でタイヤ周方
向のすべりが大きくなり摩耗を発生させるものである。
偏摩耗には、リバーウェアと、リバーウェアが局部的に
進行するカッピングや、さらに1つのリブ全体が他のリ
ブより摩耗が早く1段ステップのつくリブパンチなども
あるが、いずれにせよタイヤのワイピング作用や垂直負
荷によって発生するタイヤ表面の剪断力に基づくトレッ
ド表面部のゴムのタイヤ幅方向の移動が周方向の摩擦力
を低下させ、その度合いの大きなリブ端部でタイヤ周方
向のすべりが大きくなり摩耗を発生させるものである。
【0009】このタイヤ幅方向のゴムの移動は、負荷が
同じであればリブ両端の溝の深さに大きく影響され、深
さが大きい程、すなわちタイヤの走行距離が短く、リブ
の摩耗が少ないタイヤ使用の初期ほど大きい。従ってこ
のゴムの移動が摩耗に影響するのは、接地面であるゴム
の表面であるから、摩耗の初期にこのゴムの移動を表面
部分で少なくすることが必要となる。ゴムの移動そのも
のを少なくするには、縦溝の溝深さを浅くしないとすれ
ば、垂直負荷時に、リブに作用するゴムの撓みを極力押
さえ、剪断力を小さくすることが重要で、そのためには
ゴムの剛性を上げ硬度を大きくすることで達成される。
しかしリブ全体をすべて硬質ゴムにすると、タイヤの走
行中の発熱に対する耐久性や振動その他の特性に影響し
好ましくない。 そこでこの発明は、トレッド部をタイ
ヤ周方向に連続して連なる複数の縦溝同士及び当該縦溝
とショルダー接地端とによって挟まれる複数のリブを有
する空気入りタイヤにおいて、上記トレッド部のリブを
硬さの異なる積層構造のゴムで構成し、リブの上層を硬
質ゴム層、下層を軟質ゴム層とした。すなわち硬質ゴム
層を上層、軟質ゴム層を下層とすることで、負荷による
ゴムの撓みを、その硬度差に基づいて下層の軟質ゴム層
に集中させる手段を採用している。
同じであればリブ両端の溝の深さに大きく影響され、深
さが大きい程、すなわちタイヤの走行距離が短く、リブ
の摩耗が少ないタイヤ使用の初期ほど大きい。従ってこ
のゴムの移動が摩耗に影響するのは、接地面であるゴム
の表面であるから、摩耗の初期にこのゴムの移動を表面
部分で少なくすることが必要となる。ゴムの移動そのも
のを少なくするには、縦溝の溝深さを浅くしないとすれ
ば、垂直負荷時に、リブに作用するゴムの撓みを極力押
さえ、剪断力を小さくすることが重要で、そのためには
ゴムの剛性を上げ硬度を大きくすることで達成される。
しかしリブ全体をすべて硬質ゴムにすると、タイヤの走
行中の発熱に対する耐久性や振動その他の特性に影響し
好ましくない。 そこでこの発明は、トレッド部をタイ
ヤ周方向に連続して連なる複数の縦溝同士及び当該縦溝
とショルダー接地端とによって挟まれる複数のリブを有
する空気入りタイヤにおいて、上記トレッド部のリブを
硬さの異なる積層構造のゴムで構成し、リブの上層を硬
質ゴム層、下層を軟質ゴム層とした。すなわち硬質ゴム
層を上層、軟質ゴム層を下層とすることで、負荷による
ゴムの撓みを、その硬度差に基づいて下層の軟質ゴム層
に集中させる手段を採用している。
【0010】従って上層の硬質ゴム層と下層の軟質ゴム
層の厚さは負荷によるゴムの撓みを下層の軟質ゴム層で
吸収できる程度であればよいことから特に限定されるも
のではないが、上層の表面厚さを縦溝深さの3/9〜4
/9とし、下層を縦溝の溝底の深さあたりまで形成し、
さらに上層の硬質ゴム層の硬さをJISA硬度で72±
5°、下層の軟質ゴム層の硬さをJISA硬度で62±
4°とすることが好ましい。これは上層の硬質ゴム層の
JISA硬度が77°を越えた場合、あまり硬くなりす
ぎ耐クラック性の点で支障で生じる点にある。また上層
のJISA硬度が66°以下になると下層の軟質ゴム層
の硬度との差がなくなり、リブ表面におけるゴム移動を
有効に阻止することができない。この点下層のJISA
硬度が66°を越えた場合も同様である。下層のJIS
A硬度が57°以下になった場合は下層のゴムが軟らか
くなり過ぎ、トレッドゴムの下部に位置するリブの基部
すなわち溝底部分のひずみを大きくし、発熱やクラック
の発生につながる点で好ましくない。なお最も好ましい
範囲としては上層の硬質ゴム層はJISA硬度で70〜
75°、下層の軟質ゴム層はJISA硬度で60〜65
°である。なお上層の表面厚さについても縦溝深さの3
/9未満ではたとえ上層の硬質ゴム層の硬度を大きくし
て走行初期に硬質部分が摩滅してしまい、それ以後の偏
摩耗の発生が防止できない。上層の表面厚さを縦溝深さ
の4/9を越えた厚みとした場合についてはリブが硬く
なり過ぎ、タイヤの耐久性や振動その他の特性に影響し
好ましくない。また通常の摩耗がこの範囲すなわち縦溝
深さの3/9を越えて進行した場合は、リブの剛性も一
般タイヤのディメンジョンでは数倍にもなることから、
硬質ゴム層がなくなっても下層のゴム全体の撓みは少な
くなり、剪断力も極小さくなるので問題はない。
層の厚さは負荷によるゴムの撓みを下層の軟質ゴム層で
吸収できる程度であればよいことから特に限定されるも
のではないが、上層の表面厚さを縦溝深さの3/9〜4
/9とし、下層を縦溝の溝底の深さあたりまで形成し、
さらに上層の硬質ゴム層の硬さをJISA硬度で72±
5°、下層の軟質ゴム層の硬さをJISA硬度で62±
4°とすることが好ましい。これは上層の硬質ゴム層の
JISA硬度が77°を越えた場合、あまり硬くなりす
ぎ耐クラック性の点で支障で生じる点にある。また上層
のJISA硬度が66°以下になると下層の軟質ゴム層
の硬度との差がなくなり、リブ表面におけるゴム移動を
有効に阻止することができない。この点下層のJISA
硬度が66°を越えた場合も同様である。下層のJIS
A硬度が57°以下になった場合は下層のゴムが軟らか
くなり過ぎ、トレッドゴムの下部に位置するリブの基部
すなわち溝底部分のひずみを大きくし、発熱やクラック
の発生につながる点で好ましくない。なお最も好ましい
範囲としては上層の硬質ゴム層はJISA硬度で70〜
75°、下層の軟質ゴム層はJISA硬度で60〜65
°である。なお上層の表面厚さについても縦溝深さの3
/9未満ではたとえ上層の硬質ゴム層の硬度を大きくし
て走行初期に硬質部分が摩滅してしまい、それ以後の偏
摩耗の発生が防止できない。上層の表面厚さを縦溝深さ
の4/9を越えた厚みとした場合についてはリブが硬く
なり過ぎ、タイヤの耐久性や振動その他の特性に影響し
好ましくない。また通常の摩耗がこの範囲すなわち縦溝
深さの3/9を越えて進行した場合は、リブの剛性も一
般タイヤのディメンジョンでは数倍にもなることから、
硬質ゴム層がなくなっても下層のゴム全体の撓みは少な
くなり、剪断力も極小さくなるので問題はない。
【0011】なお上層の硬質ゴム層は、下層の側面を覆
って縦溝の側壁を構成する積層構造であることが望まし
く、特に上層の側面厚さが縦溝の溝底に向かうにつれて
漸次連続的に減少する構成が望ましい。これは上層の硬
質ゴム層と下層の軟質ゴム層を不連続にして縦溝の溝壁
を構成すると、当該不連続の境界部分からクラックが生
じやすくなる点にあるが、特に限定されるものでもな
い。
って縦溝の側壁を構成する積層構造であることが望まし
く、特に上層の側面厚さが縦溝の溝底に向かうにつれて
漸次連続的に減少する構成が望ましい。これは上層の硬
質ゴム層と下層の軟質ゴム層を不連続にして縦溝の溝壁
を構成すると、当該不連続の境界部分からクラックが生
じやすくなる点にあるが、特に限定されるものでもな
い。
【0012】さらにリブのほぼ中央部に当該上層を二分
するスリット状の溝を縦溝に沿ってタイヤ周方向に連続
して連なる状態に配置すれば、リブ表面のゴム移動の量
を二分することができるため絶対値はさらに小さくなる
点で好ましい。この溝は上層の表面厚さとほぼ同等以上
の深さで形成することが望ましい。
するスリット状の溝を縦溝に沿ってタイヤ周方向に連続
して連なる状態に配置すれば、リブ表面のゴム移動の量
を二分することができるため絶対値はさらに小さくなる
点で好ましい。この溝は上層の表面厚さとほぼ同等以上
の深さで形成することが望ましい。
【0013】
【作用】この発明はリブを硬さの異なる積層構造のゴム
で構成し、リブの上層を硬質ゴム層、下層を軟質ゴム層
とした空気入りタイヤであるので、上層と下層の剛性差
によりリブの撓みはリブ下層の軟質ゴム層に集中し、リ
ブ表面の剪断力は少なくなりゴム移動は阻止される。従
ってリブ表面におけるタイヤ回転時の周方向の摩擦力の
低下を最小限度に押さえることができるため、リブ端部
ではタイヤ周方向のすべりが少なくなり、偏摩耗の発生
を防止することができる。
で構成し、リブの上層を硬質ゴム層、下層を軟質ゴム層
とした空気入りタイヤであるので、上層と下層の剛性差
によりリブの撓みはリブ下層の軟質ゴム層に集中し、リ
ブ表面の剪断力は少なくなりゴム移動は阻止される。従
ってリブ表面におけるタイヤ回転時の周方向の摩擦力の
低下を最小限度に押さえることができるため、リブ端部
ではタイヤ周方向のすべりが少なくなり、偏摩耗の発生
を防止することができる。
【0014】また特に上層の硬質ゴム層のほぼ中央部に
当該上層を二分するスリット状の溝を形成した場合は、
さらにリブ表面のゴム移動を抑止することができ、一層
リバーウェアの発生を防止することができる。
当該上層を二分するスリット状の溝を形成した場合は、
さらにリブ表面のゴム移動を抑止することができ、一層
リバーウェアの発生を防止することができる。
【0015】
【実施例】図1はこの発明に係る空気入りタイヤの一実
施例を示す半断面図、図2はその要部拡大断面図であ
る。
施例を示す半断面図、図2はその要部拡大断面図であ
る。
【0016】図において、1はトレッド部、2はトレッ
ド部1をタイヤ周方向に連続して連なる複数の縦溝、3
はショルダー接地端、4は縦溝2、2同士及び縦溝2と
ショルダー接地端3とによって挟まれるリブである。ま
た5はサイドウォール部、6はビード部である。
ド部1をタイヤ周方向に連続して連なる複数の縦溝、3
はショルダー接地端、4は縦溝2、2同士及び縦溝2と
ショルダー接地端3とによって挟まれるリブである。ま
た5はサイドウォール部、6はビード部である。
【0017】トレッド部1は、図示の通り、リブ4を構
成するキャップゴム7及びベースゴム8の積層構造から
なり、キャップゴム7はまた上層9と下層10から構成
されている。なお、11はトレッド部1の下部に位置す
るベルト層、12はその下側に配置されているカーカス
プライ、13はタイヤの内面を構成する内面ゴムであ
る。
成するキャップゴム7及びベースゴム8の積層構造から
なり、キャップゴム7はまた上層9と下層10から構成
されている。なお、11はトレッド部1の下部に位置す
るベルト層、12はその下側に配置されているカーカス
プライ、13はタイヤの内面を構成する内面ゴムであ
る。
【0018】上層9は図2に示す通りその表面厚さhを
縦溝深さHの1/3とし、下層10は縦溝2の溝底14
の深さあたりまで形成している。また上層9は下層10
の側面を覆って縦溝2の側壁15を構成しており、上層
9の側面厚さtは縦溝の溝底に向かうにつれて漸次連続
的に減少する様にしている。上層9はまたJISA硬度
約72°の硬質ゴム層で構成し、下層10はJISA硬
度約62°の軟質ゴム層で構成している。
縦溝深さHの1/3とし、下層10は縦溝2の溝底14
の深さあたりまで形成している。また上層9は下層10
の側面を覆って縦溝2の側壁15を構成しており、上層
9の側面厚さtは縦溝の溝底に向かうにつれて漸次連続
的に減少する様にしている。上層9はまたJISA硬度
約72°の硬質ゴム層で構成し、下層10はJISA硬
度約62°の軟質ゴム層で構成している。
【0019】従ってこのタイヤに垂直負荷Lが作用した
場合、図3に記載の様に、リブ4はδ分撓むがリブ下層
の軟質ゴム層に集中するため、縦溝2の溝壁のバルジ1
6は二点鎖線で示されるように下脹れ状態に変形する。
すなわちバルジの最大膨出地点を境に縦溝2の開口端1
7までの長さをa、縦溝2の溝底14までの長さをbと
したとき、a>bの関係で変形する。因ってリブ4表面
のゴム移動は未負荷状態での縦溝の開口端18、すなわ
ちリブ4の端縁を基準にすると、図示の通り、すべり量
S1 のわずかな移動を起こすだけであり、これによって
リブ4表面におけるタイヤ回転時の周方向の摩擦力の低
下を最小限度に押さえることができ、リブ端部ではタイ
ヤ周方向のすべりが少なくなり、リバーウェアの発生を
防止することができる。これに対し従来タイヤでは、図
4に示す通り、垂直負荷時、リブ19がε分撓んだ場
合、溝壁20のバルジ21は、長さaと長さbとがほぼ
イコールとなる状態で膨出する結果、リブ19表面のす
べり量S2 は上記実施例に比して大きくなり、リバーウ
ェアの発生の原因となっている。
場合、図3に記載の様に、リブ4はδ分撓むがリブ下層
の軟質ゴム層に集中するため、縦溝2の溝壁のバルジ1
6は二点鎖線で示されるように下脹れ状態に変形する。
すなわちバルジの最大膨出地点を境に縦溝2の開口端1
7までの長さをa、縦溝2の溝底14までの長さをbと
したとき、a>bの関係で変形する。因ってリブ4表面
のゴム移動は未負荷状態での縦溝の開口端18、すなわ
ちリブ4の端縁を基準にすると、図示の通り、すべり量
S1 のわずかな移動を起こすだけであり、これによって
リブ4表面におけるタイヤ回転時の周方向の摩擦力の低
下を最小限度に押さえることができ、リブ端部ではタイ
ヤ周方向のすべりが少なくなり、リバーウェアの発生を
防止することができる。これに対し従来タイヤでは、図
4に示す通り、垂直負荷時、リブ19がε分撓んだ場
合、溝壁20のバルジ21は、長さaと長さbとがほぼ
イコールとなる状態で膨出する結果、リブ19表面のす
べり量S2 は上記実施例に比して大きくなり、リバーウ
ェアの発生の原因となっている。
【0020】図5は本発明の他実施例を示す要部拡大断
面図であり、リブ4のほぼ中央部に上層9の硬質ゴム層
を二分するスリット状の溝22が形成されている。この
スリット状の溝22は上層9の表面厚さhを少しこえる
程度の深さhs で形成されており、縦溝2に沿ってタイ
ヤ周方向に連続して連なる状態に配置されている。
面図であり、リブ4のほぼ中央部に上層9の硬質ゴム層
を二分するスリット状の溝22が形成されている。この
スリット状の溝22は上層9の表面厚さhを少しこえる
程度の深さhs で形成されており、縦溝2に沿ってタイ
ヤ周方向に連続して連なる状態に配置されている。
【0021】従ってスリット状の溝22の深さhs が縦
溝深さHよりかなり浅いこと、及びスリット状の溝22
の幅がリブ4の表面幅より狭いことから、負荷Lが作用
する方向に対するバネ特性の変化は少なく、たわみ量は
小さくなり、移動ゴム量は大きく変化しない。一方、ゴ
ム表面ではゴムの移動は、2方向に分かれるため、1/
2となり、これにより幅方向へのすべりが小となり、摩
擦力の低下がおさえられ、タイヤ周方向のすべりをさら
に一層小さくする。図6はリブ表面の位置と剪断応力τ
及び移動ゴム量ΔVの関係図であるが、図6に記載の通
り、スリット状の溝22を形成していないタイヤでは、
リブ4表面における剪断応力τと移動ゴム量ΔVはリブ
表面における位置xがリブ2端に向かうにつれて大きく
なるが、スリット状の溝22を形成したタイヤでは剪断
応力τと移動ゴム量ΔVの増大が押さえらる。
溝深さHよりかなり浅いこと、及びスリット状の溝22
の幅がリブ4の表面幅より狭いことから、負荷Lが作用
する方向に対するバネ特性の変化は少なく、たわみ量は
小さくなり、移動ゴム量は大きく変化しない。一方、ゴ
ム表面ではゴムの移動は、2方向に分かれるため、1/
2となり、これにより幅方向へのすべりが小となり、摩
擦力の低下がおさえられ、タイヤ周方向のすべりをさら
に一層小さくする。図6はリブ表面の位置と剪断応力τ
及び移動ゴム量ΔVの関係図であるが、図6に記載の通
り、スリット状の溝22を形成していないタイヤでは、
リブ4表面における剪断応力τと移動ゴム量ΔVはリブ
表面における位置xがリブ2端に向かうにつれて大きく
なるが、スリット状の溝22を形成したタイヤでは剪断
応力τと移動ゴム量ΔVの増大が押さえらる。
【0022】ところでこの発明は上記実施例に限定され
ない。例えば上記実施例はキャップゴム7として硬質ゴ
ム層の上層9と軟質ゴムの下層10を構成したが、キャ
ップゴム7を上層9の硬質ゴム層とし、ベースゴム8を
軟質ゴムの下層10としても差支えない。またトレッド
部1のリブ4も必ずしも2層乃至3層の積層構造でなく
てもよく、4層以上の積層構造をもとることもできる。
また本発明は特に重荷重用ラジアルタイヤに好適に使用
できるが、この点も限定されない。
ない。例えば上記実施例はキャップゴム7として硬質ゴ
ム層の上層9と軟質ゴムの下層10を構成したが、キャ
ップゴム7を上層9の硬質ゴム層とし、ベースゴム8を
軟質ゴムの下層10としても差支えない。またトレッド
部1のリブ4も必ずしも2層乃至3層の積層構造でなく
てもよく、4層以上の積層構造をもとることもできる。
また本発明は特に重荷重用ラジアルタイヤに好適に使用
できるが、この点も限定されない。
【0023】
【発明の効果】以上の通り、この発明はトレッド部のリ
ブを硬さの異なる積層構造のゴムで構成し、リブの上層
を硬質ゴム層、下層を軟質ゴム層としたタイヤであるの
で、リブ表面におけるリブ端に向かうゴムのすべりをお
さえ、タイヤ回転時の周方向の摩擦力の低下を防ぐこと
ができることから、走行中、縦溝に挟まれたリブ両側端
部に発生するリバーウェアを有効に防止することができ
る。
ブを硬さの異なる積層構造のゴムで構成し、リブの上層
を硬質ゴム層、下層を軟質ゴム層としたタイヤであるの
で、リブ表面におけるリブ端に向かうゴムのすべりをお
さえ、タイヤ回転時の周方向の摩擦力の低下を防ぐこと
ができることから、走行中、縦溝に挟まれたリブ両側端
部に発生するリバーウェアを有効に防止することができ
る。
【図1】この発明に係る空気入りタイヤの一実施例を示
す半断面図である。
す半断面図である。
【図2】同タイヤの要部拡大断面図である。
【図3】負荷時の変化を示す同タイヤの要部拡大断面図
である。
である。
【図4】負荷時の変化を示す従来タイヤの要部拡大断面
図である。
図である。
【図5】本発明に係る他実施例のタイヤを示す要部拡大
断面図である。
断面図である。
【図6】リブ表面の位置と剪断応力τ及び移動ゴム量Δ
Vとの関係図である。
Vとの関係図である。
1 トレッド部 2 縦溝 3 ショルダー接地端 4 リブ 9 上層 10 下層 14 溝底 15 側壁 22 スリット状の溝
Claims (3)
- 【請求項1】トレッド部をタイヤ周方向に連続して連な
る複数の縦溝同士及び当該縦溝とショルダー接地端とに
よって挟まれる複数のリブを有する空気入りタイヤにお
いて、上記トレッド部のリブを硬さの異なる積層構造の
ゴムで構成し、リブの上層を硬質ゴム層、下層を軟質ゴ
ム層としたことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 【請求項2】上層の表面厚さが縦溝深さの3/9〜4/
9あり、かつ下層が縦溝の溝底の深さあたりまで形成さ
れており、上層の硬さがJISA硬度で72±5°、下
層の硬さがJISA硬度で62±4°で、下層の側面を
覆って縦溝の側壁を構成する上層の側面厚さは縦溝の溝
底に向かうにつれて漸次連続的に減少する請求項1記載
の空気入りタイヤ。 - 【請求項3】リブのほぼ中央部に、上層の表面厚さとほ
ぼ同等以上の深さを有し上層の硬質ゴム層を二分するス
リット状の溝を、縦溝に沿ってタイヤ周方向に連続して
連なる状態に配置した請求項1又は2記載の空気入りタ
イヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4199773A JPH0648115A (ja) | 1992-07-27 | 1992-07-27 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4199773A JPH0648115A (ja) | 1992-07-27 | 1992-07-27 | 空気入りタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0648115A true JPH0648115A (ja) | 1994-02-22 |
Family
ID=16413378
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4199773A Withdrawn JPH0648115A (ja) | 1992-07-27 | 1992-07-27 | 空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0648115A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1992
- 1992-07-27 JP JP4199773A patent/JPH0648115A/ja not_active Withdrawn
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