JPH0647735B2 - 堆積膜形成法 - Google Patents

堆積膜形成法

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JPH0647735B2
JPH0647735B2 JP61073091A JP7309186A JPH0647735B2 JP H0647735 B2 JPH0647735 B2 JP H0647735B2 JP 61073091 A JP61073091 A JP 61073091A JP 7309186 A JP7309186 A JP 7309186A JP H0647735 B2 JPH0647735 B2 JP H0647735B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 本発明は、機能性膜、殊に半導体デイバイス、光学的画
像入力装置用の光入力センサーデイバイス、電子写真用
の感光デイバイス等の電子デイバイスの用途に有用な半
導体性の堆積膜形成法に関する。
〔従来の技術の説明〕
従来、機能性膜、殊に非晶質或いは結晶質の半導体膜
は、所望される物理的特性や用途等の観点から個々に適
した成膜方法が採用されている。
例えば、必要に応じて、水素原子(H)やハロゲン原子
(X)等の補償剤で不対電子が補償された非晶質や多結
晶質の非単結晶シリコン〔以後「NON−Si(H,
X)」と略記し、その中でも殊に非晶質シリコンを示す
場合には「A−Si(H,X)」、多結晶質シリコンを
示す場合には「poly−Si(H,X)」と記す。〕
膜等のシリコン系堆積膜〔尚、俗に言う微結晶シリコン
A−Si(H,X)の範疇のものであることはいうまで
もない。〕の形成には、真空蒸着法、プラズマCVD
法、熱CVD法、反応スパツタリング法、イオンプレー
テイング法、光CVD法などが試みられており、一般的
には、プラズマCVD法が至適なものとして用いられ、
企業化もされているところである。
而乍ら、従来から一般化されているプラズマCVD法に
よるシリコン系堆積膜に形成における反応プロセスは、
従来のCVD法に比較してかなり複雑であり、その反応
機構も不明な点が多々ある。又、その堆積膜の形成パラ
メーターも、例えば、基体温度、導入ガスの流量と比、
形成時の圧力、高周波電力、電極構造、反応容器の構
造、排気の速度、プラズマ発生方式など多くあり、これ
らの多くのパラメータの組み合せによるため、時にはプ
ラズマが不安定な状態になり、形成された堆積膜に著し
い悪影響を与えることが少なくなかった。そのうえ、装
置特有のパラメータを装置ごとに選定しなければなら
ず、したがって製造条件を一般化することがむずかしい
というのが実状であった。
又、プラズマCVD法において結晶質のシリコン系堆積
膜を形成する場合には、成膜用の基体の配されている成
膜空間に於いて高出力の高周波或いはマイクロ波等によ
ってプラズマを生成させる為、これにより発生する電子
や多数のイオン種が成膜過程に於いて膜にダメージを与
え膜品質の低下、膜品質の不均一化をもたらしてしまっ
たりする。その上、堆積膜の結晶化の条件が狭く、した
がって特性の安定した多結晶質の堆積膜を生産する事は
困難とされている。
ところで、シロコン、ゲルマニウム、II−VI族及びIII
−V族半導体等のエピタキシャル堆積膜の形成には、大
きく分けて気相エピタキシー及び液相エピタキシーが用
いられている(一般にエピタキシーの厳密な定義として
は、単結晶上へその単結晶軸と結晶軸のそろった単結晶
を成長させることであるが、ここではやや広義にエピタ
キシーを解釈することにし、単結晶基板上への成長に限
られるものではない。)。
液相エピタキシーは、溶かして液体にした金属の溶媒中
に半導体用の原料を高温で過飽和状態まで溶解させ、溶
液を冷却させることにより基板上に半導体結晶を析出さ
せる方法である。この方法によると、結晶は各種のエピ
タキシー技術の中で最も熱平衡に近い状態で作成される
為完全性の高い結晶が得られる反面、量産性が悪く、表
面状態が悪い為、薄くかつ厚さが均一なエピタキシャル
層を必要とする光デバイスなどでは、デバイス製作上の
歩留りや、デバイスの特性に影響を及ぼす等の問題をと
もなうことから、あまり用いられていない。
他方、気相エピタキシーは真空蒸着法、スパツタリング
法などの物理的方法又は金属塩化物の水素還元法、有機
金属又は金属水素化物の熱分解法などの化学的方法等に
より試みられている。中でも真空蒸着法の一種である分
子線エピタキシーは超高真空下でのドライプロセスであ
る為、結晶の高純度化、低温成長が可能であり組成や温
度の制御性が良く比較的平坦な堆積膜が得られるという
利点があるが、成膜装置に甚大な費用がかかることに加
えて、表面欠陥密度が大きいこと、そして分子線の指向
性の有効な制御法が未開発であり、そしてまた、大面積
化が困難であること及び量産性があまり良くないなど多
くの問題があることから、企業化されるには至っていな
い。
金属塩化物の水素還元法あるいは有機金属又は金属水素
化物の熱分解法は、一般的にはハライドCVD法、ハイ
ドライドCVD法、MO−CVD法と呼ばれるものであ
り、これについては、成膜装置が比較的容易に作製で
き、原料とされる金属塩化物、金属水素化物及び有機金
属について純度の高いものが容易に入手出来るようにな
ったことから、現在では幅広く研究され各種デバイスへ
の応用も検討されている。
而乍ら、これらの方法にあっては、基体温度を還元反応
又は熱分解反応が起る程度以上の高温に加熱する必要が
あり、したがって、基体材料の選択範囲が制限され、又
原料の分解が不十分であると炭素あるいはハロゲン等の
不純物による汚染が惹起されやすく、ドーピングの制御
性が悪いなどの欠点を有している。そしてまた、堆積膜
の応用用途によっては、大面積化、膜厚均一化、膜品質
の均一性を十分満足させしかも高速成膜によって再現性
のある量産化を図るという要望があるところ、そうした
要望を満足する実用可能な特性を維持しながらの量産化
を可能にする技術は未だ確立されていないのが実情であ
る。
〔発明の目的〕
本発明の主たる目的は、省エネルギー化を図ると同時に
膜品質の管理が容易で大面積に亘って均一特性の半導体
であり、特には結晶質の堆積膜が得られる堆積膜形成法
を提供することにある。
本発明の他の目的は、生産性、量産性、に優れ、高品質
での電気的、光学的、半導体的等の物理特性に優れた結
晶質の堆積膜を簡便にして効率的に形成できる堆積膜形
成法を提供することにある。
〔発明の構成〕
本発明は、本発明者らが上述の各種問題を解決して前記
本発明の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果完成を
みたものであり、堆積膜形成用の気体状原料物質と該原
料物質に酸化作用をする性質を有する気体状ハロゲン系
酸化剤のいずれか一方である原料(A)を成膜用の基体
が配されている成膜空間内に導入して前記基体表面に吸
着させて吸着層(I)を形成する工程、他方である原料
(B)を前記成膜空間内に導入して前記吸着層(I)で
の表面反応を起させて堆積膜(I)を形成する工程とを
含む堆積膜形成法である。
前記構成の本発明の堆積膜形成法は、堆積膜形成用の原
料ガスに放電エネルギー等を作用させてプラズマ放電を
形成する従来のプラズマCVD法に代えて、気体状ハロ
ゲン系酸化剤を用いることによりプラズマ反応を介する
ことなく堆積膜を形成することを1つの特徴としてお
り、このことにより、成膜中のエツチングあるいは異常
放電等による悪影響を受けることがないという利点を有
しているものである。
また、本発明の堆積膜形成法は、気体状原料物質とこれ
に酸化作用を及ぼす気体状ハロゲン系酸化剤とのどちら
か一方を気体表面に吸着させて吸着層を形成した上で他
方を導入することにより、基体上に極薄い堆積膜を形成
することをもう一つの特徴としており、このことにより
膜厚が均一で且つ膜質の均一な堆積膜が得られるという
利点がある。
また、本発明の堆積膜形成法は、堆積膜の構成元素とな
る気体状原料物質と気体状ハロゲン系酸化剤との酸化還
元反応を利用し、堆積に高温を必要としない為、熱によ
る構造の乱れがなく、生産時に於ける加熱整備とその稼
動に伴なう経費が不用であり、デバイスの低コスト化が
可能である。そして、耐熱性に依らない広範囲な気体材
料の選択が可能となる。
また、本発明の堆積膜形成法は、気体状原料物質とその
気体状ハロゲン系酸化剤の反応が吸着分子に関して進行
させ、堆積膜とする為、基体の形状、大きさに依らず、
大面積化が可能であると同時に、原料もごくわずかであ
り、成膜空間を小さくできる為、収率を飛躍的に向上さ
せることが出来る。
又、前述のごとき構成の本発明の堆積膜形成法によれ
ば、堆積膜形成における省エネルギー化を図ると同時
に、膜品質の管理が容易で、大面積に亘って均一な膜質
及び特性を有する良好な結晶質の堆積膜の形成が可能と
なる。更に、生産性及び量産性に優れ、高品質で電気
的、光学的、半導体的等の諸特性に優れた非晶質乃至は
結晶質の堆積膜を効率的に得ることができる。
本発明の堆積膜形成法に於いて、使用される堆積膜形成
用の気体状原料物質(以下、「気体状原料物質(I)」
とする)は、気体状ハロゲン系酸化剤(以下、「ハロゲ
ン系酸化剤(II)」とする)との接触により酸化作用を
うけるものであり、目的とする堆積膜の種類、特性、用
途等によって所望に従って適宜選択される。本発明の方
法に於いては、上記の気体状原料物質(I)、及びハロ
ゲン系酸化剤(II)は、導入される際に気体状となって
いるものであればよく、通常の場合、気体であっても、
液体であっても、あるいは固体であってもよい。気体状
原料物質(I)あるいはハロゲン系酸化剤(II)が通常
状態において液体又は固体である場合には、Ar,H
e,N,H等のキヤリアーガスを使用し、必要に応
じて加熱しながらバブリングを行なって、成膜空間内に
気体状原料物質(I)、又はハロゲン系酸化剤(II)を
気体状として導入して基体上に吸着層を形成し、次いで
他方を気体状で導入する。
この際、上記気体状原料物質(I)、又はハロゲン系酸
化剤(II)の導入圧は、キアリアーガスの流量あるいは
気体状原料物質(I)及びハロゲン系酸化剤(II)の蒸
気圧を調節することにより設定される、気体状原料物質
(I)、或はハロゲン系酸化剤(II)が通常状態で気体
である場合には、必要に応じてAr,He,N,H
等のキヤリアーガスによって希釈して導入することもで
きる。
本発明の方法に於いて使用される気体状原料物質(I)
としては、周期律表第IV族に属するシリコンの堆積膜を
得るのであれば、直鎖状、及び分岐状の鎖状シラン化合
物、環状シラン化合物、等が有効なものとして挙げるこ
とができる。
具体的には、直鎖状シラン化合物としてはSinH
+2(n=1,2,3,4,5,6,7,8)、分岐状
鎖状シラン化合物としては、SiHSiH(Si
)SiHSiH、環状シラン化合物としてはS
inHn(n=3,4,5,6)等が挙げられる。
勿論、これ等のシリコン系化合物は1種のみならず2種
以上混合して使用することもできる。
本発明の方法に於いて使用されるハロゲン系酸化剤(I
I)は、成膜空間内に導入される際気体状とされ、同時
に堆積膜形成用の気体状原料物質(I)に接触するだけ
で効果的に酸化作用をする性質を有するもので、F
Cl,Br,I,ClF等のハロゲンガスが有効
なものとして挙げることができる。
これ等の気体状原料物質(I)又はハロゲン系酸化剤
(II)のいずれか一方が先ず気体状で堆積膜形成用の基
体が配されている成膜空間に所望の流量と供給圧を与え
られて導入されて前記基体上に吸着層が形成され、次い
で他方が所望の時間後に、所望の流量と供給圧を与えら
れて導入されることで、両者が前記吸着層表面で衝突す
ることで表面化学反応を生起し、前記ハロゲン系酸化剤
(II)が前記気体状原料物質に酸化作用をして前記基体
表面上で堆積膜が作成される。この様な本発明の堆積膜
形成プロセスはより効率良く、より省エネルギー化で進
行し、膜全面に亘って均一でより良好な物理特性を有す
る堆積膜が従来よりも低い基体温度で形成される。
本発明の方法に於いては、堆積膜形成プロセスが円滑に
進行し、高品質で所望の物理特性を有する膜が形成され
るべく、成膜因子としての堆積膜形成用の原料物質
(I)及びハロゲン系酸化剤(II)の種類と組み合せ、
反応時の圧力、流量、成膜空間内圧、基体の種類、吸着
時の圧力、ガスの流型、吸着温度と成膜温度(基体温度
及び雰囲気温度)が所望に応じて適宜選択される。これ
等の成膜因子は有機的に関連し、単独で決定されるもの
ではなく相互関連の下に夫々に応じて決定される。本発
明の方法に於いて、成膜空間に導入される堆積膜形成用
の気体状原料物質(I)とハロゲン系酸化剤(II)との
吸着と反応のプロセスは、上記成膜因子のうち関連する
成膜因子との関係に於いて適宜所望に従って決められ
る。
本発明の堆積膜形成法に於ける基体上への吸着層形成工
程の条件は適宜設定されるものである。
固体表面上への気体分子の吸着には分子間力が存在し、
原子価エネルギーによる化学吸着の方が、分散エネルギ
ー(フアンデアワールス力に対応)にする物理吸着より
も、その分子間力が大きい。
又、物理吸着が多層吸着となり易いのに対して化学吸着
は単分子層吸着なので均質な薄膜堆積を制御するには、
最終的にも化学吸着の形態となるのが好ましい。
しかしながら、本発明に於いて吸着から反応をして堆積
膜形成の過程には気体分子の物理吸着と化学吸着が複雑
に関連していると考えられ、必ずしも吸着の形態にこだ
わるものではない。一方この吸着状態を決定しているの
は吸着分子の種類と固体表面の種類及び表面状態、さら
に制御因子としての温度、圧力であり、少なくても反応
を所望の堆積膜が得られる様これらの制御因子を決定す
る必要がある。
つまり、吸着から反応までの間に真空チャンバー内の圧
力が低すぎると、物理吸着の状態から脱離が起り易くな
り、温度が高すぎると化学吸着の状態から解離吸着とな
り易く、所望の堆積膜に適した反応過程を選択しなけれ
ばならない。
本発明の堆積膜形成の1サイクルに於いては、基板表面
を均一に堆積膜が形成される(第三の工程)前の工程と
して、原料Aを成膜空間内に導入、基板上に適当量吸着
される(第一の工程)更に、その原料Aの吸着層が残留
し、且つ余分な原料Aを排出させる(第二の工程)が、
この時の圧力前述の理由から適宜設定され、第一の工程
の圧力としては、吸着を十分進行させる為に、より高い
方が良いが、好ましくは1×10-7〜10Torr、よ
り好ましくは1×10-4〜1Torrが望ましい。
第二の工程の圧力としては、余分な原料Aを排出する
為、より低い方が良いが、好ましくは1×10-10〜1
Torr、より好ましくは1×10-9〜1×10-2To
rrが好ましい。
更に、本発明の堆積膜形成の1サイクルはこれに引き続
き原料Bを成膜空間に導入し、基板上の吸着層と表面反
応を起こさせ(第四の工程)、次にこのとき堆積膜以外
に生成した副生成物を成膜空間から排気する工程(第二
の工程)から成るが、第三の工程の反応時の圧力として
は原料A,Bの接触を確率的に高める為より高い方が良
いが、反応性を考慮して適宜所望に応じて最終値は決定
される。
第三の工程の圧力として、好ましくは1×10-8〜10
Torr、より好ましくは1×10-6〜1Torrとさ
れるのが望ましい。
第四の工程の圧力としては、1×10-12〜1Torr
が好ましい。
本発明の方法に於いて、良品質の結晶質の堆積膜を形成
させる為にはSi又はGaAs等の単結晶基板を用いる
ことが好ましいが、成膜条件を適宜選択することによ
り、poly−Si(多結晶シリコン)、ガラス又はA
−Si(アモルフアスシリコン)等の非単結晶基或いは
サフアイア結晶等の絶縁物基板を使用し、その基板上に
もエピタキシヤル膜を形成させることができる。
成膜時の基板温度(Ts)は、形成する堆積膜の種類及
び用いる基板の種類により適宜設定される。
〔実施例〕
以下、実施例を用いて本発明の方法をより詳しく説明す
るが、本発明はこれら実施例によって限定されるもので
はない。
第1図は本発明の堆積膜形成法を具現するに好適な装置
の1実施例を示すものである。
第1図に示す堆積膜形成装置は、装置本体、排気系及び
ガス供給系の3つに大別される。
装置本体には、成膜空間が設けられている。
101〜108は夫々、成膜する際に使用されるガスが
充填されているボンベ、101a〜108aは夫々ガス
供給パイプ、101b〜108bは夫々各ボンベからの
ガスの流量調整用のマスフローコントローラー、101
c〜108cは夫々ガス圧力計、101d〜108d及
び101e〜108eは夫々バルブ、101f〜108
fは夫々対応するガスボンベ内の圧力を示す圧力計であ
る。
120は真空チヤンバーであって、上部にガス導入用の
配管が設けられ、配管の下流に反応空間が形成される構
造を有し、且つ該配管のガス導入口に対向して、基体1
18が設置される様に基体ホールダー112が設けられ
た成膜空間が形成される構造を有する。ガス導入用の配
管は、三配置構造となっており、中よりガスボンベ10
1、102よりのガスが導入される第1のガス導入管1
09、ガスボンベ103〜105よりのガスが導入され
る第2のガス導入管110、及びガスボンベ106〜1
08よりのガスが導入される第3のガス導入管111を
有する。
各導入管へのボンベからのガスの供給は、ガス供給パイ
プライン123〜125によって夫々なされる。
各ガス導入管、各ガス供給パイプライン及び真空チヤン
バー120は、メイン真空バルブ119を介して不図示
の真空排気装置により真空排気される。
基板118は基体ホルダー112を上、下、X、Y方向
に移動させることによって各ガス導入管の及び励起エネ
ルギー照射面からの位置を自由に設定することができ
る。
本発明の方法の場合は、この基板とガス導入管のガス導
入口の距離は、形成される堆積膜の種類及びその所望さ
れる特性、ガス流量、真空チヤンバーの内圧等を考慮し
て適切な状態になる様に決められるが、好ましくは数m
m〜20cm、より好ましくは5mm〜15cm程度と
するのが望ましい。
130は原料Aのガス分子を基板118上に吸着しやす
くする為の冷却パイプであり、流量コントローラ131
に接続されている。冷却は吸着している第一,第二の工
程の他成膜中、成膜後にも用いることができる。
113は、基板118を成膜時に適当な温度に加熱した
り、あるいは、成膜前に基体118を予備加熱したり、
さらには、成膜後、膜をアニールするために加熱する基
板加熱用ヒータである。
基板加熱用ヒータ113は、導線114を介して電源1
15により電力が供給される。
116は、基板温度(Ts)の温度を測定する為の熱電
対で温度表示装置117に電気的に接続されている。
126,127は液体原料用バブラーであり、液体の堆
積膜形成用原料物質128,129を詰めて用いる。堆
積膜形成用原料物質が通常状態の場合に気体であるとき
は液体原料用バブラーを用いる必要はない。
実施例1 第1図に示す成膜装置を用いて、次の様にし本発明の方
法による堆積膜を作成した。
ボンベ101に充填されているSiHガスを流量40
sccmでガス導入管109より、ボンベ106に充填
されているFガスを流量60sccm、ボンベ107
に充填されているHeガスを流量120sccmでガス
導入管111より真空チヤンバー120内に導入した。
本実施例では液体原料用バブラー126,127は使用
しない。
基板118に40cm×40cmの石英ガラスを用いガ
ス導入口111と基板との距離は10cmに設定した。
基板温度(Ts)は300℃に設定した。
まず、不図示の排気装置によって真空チヤンバー120
を充分ベーキングして5×10-9Torrまで引く。ボ
ンベ101に充填されているSiHガスを流量3sc
cmを排気バルブ119を調整することにより0.1m
Torr/secの排気速度に保持した状態で真空チヤ
ンバー120へガス導入管109を通して5sec間流
す。続いてバルブ101dを閉じ、SiHガスの供給
を止め、排気バルブ119を開き真空度0.01Tor
rになるよう調整した状態で6sec間保持する。
ボンベ107に充填されているFガス(He稀釈10
%)を4sccmをガス導入管111より真空チヤンバ
ー120内に導入する。この時の排気速度は排気バルブ
119を調整して0.8mTorr/secであり、こ
の状態を5sec保持した後、バルブ107aを閉じF
ガスの供給を止め、排気バルブ119を開いて真空度
0.004Torrになるよう調整した状態で6sec
保持する。
以上の操作を3400回繰り返し約5200Åの厚さの
a−Si堆積膜が得られた。
得られた堆積膜試料について、X線回析法及び電子線回
析法により堆積膜の結晶性の評価を行ったところ、非晶
質シリコン膜であることが確認された。
又、走査型電子顕微鏡により各試料の表面状態を観察し
たところ、平滑度は良好で波模様等が無く、膜厚ムラt
±5%以下であった。電気特性についても、従来技術に
よって作製された非晶質シリコンよりも1桁程度大きい
移動度を持つ堆積膜が大面積に渡り安定して得られた。
実施例2 実施例1と同様に第1図に示す堆積膜形成装置を用いて
以下のようにして良質な多結晶Siを形成した。
まず、不図示の排気装置によって真空チヤンバー120
を充分ベーキングして5×10-9Torrまで引く。ボ
ンベ101に充填されているSiHガスを流量4sc
cmを排気バルブ119を調整することにより0.1m
Torr/secの排気速度に保持した状態で真空チヤ
ンバー120へガス導入管109を通して0.2sec
間流す。続いてバルブ101dを閉じ、SiHガスの
供給を止め、排気バルブ119を開き、真空度を10m
Torrにした状態で1sec間保持する。
ボンベ107に充填されているFガス(He稀釈10
%)を5sccmをガス導入管111より真空チヤンバ
ー120内に導入する。この時の排気速度は排気バルブ
119を調整して0.8mTorr/secであり、こ
の状態を0.2sec保持した後、バルブ107aを閉
じFガスの供給を止め、排気バルブ119を開き真空
度を4mTorrとなる状態で2sec保持する。
基板118は10cm×10cmの石英ガラスを用い、
基板温度340℃である。また、ガス導入口111と基
板との距離は5cmに設定した。以上の操作をくり返す
ことにより約6600ÅのSi膜が得られた。
得られた各堆積膜試料について、X線回析法及び電子線
回析法により堆積膜の結晶性の評価を行った処、多結晶
質シリコン膜である事が確認された。更に、シユラー
(Scherrar)法で求めた多結晶シリコンの粒径
は約1.5μmであった。結晶粒径のバラツキは基板全
面にわたってほとんど無かった。
又、走査型電子顕微鏡により試料の表面状態を観察した
ところ、平滑度は良好で波模様等が無く、膜厚ムラt±
5%以下であった。また、このガラス基板上の多結晶S
i堆積膜の移動度をVan der Pavw法により
測定した所240(cm/V・sec),6×10
-6(S・cm-1)であった。
〔発明の効果〕
本発明の堆積膜形成法は、気体状原料物質と気体状ハロ
ゲン系酸化剤とを接触せしめるのみで堆積膜を生成する
ことができ、外部からの反応励起エネルギーを特に必要
としないという利点を有しており、そのため、基体温度
の低温化を図ることも可能となるものである。又、数Å
の極薄い堆積膜を積層してゆく為に任意の非晶質あるい
は、任意の結晶質の堆積膜が形成できる。更に、省エネ
ルギー化を図ると同時に膜品質の管理が容易で、大面積
に亘って均一な膜質及び特性を有する結晶質の堆積膜を
得ることができる。また更に、生産性、量産性に優れ、
高品質で電気的、光学的、半導体的等の物理特性の優れ
た結晶質の膜を簡単に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に用いた成膜装置の模式的概略
図である。 図において、 101〜108……ガスボンベ、101a〜108a…
…ガスの導入管、101b〜108b……マスフロメー
ター、101c〜108c……ガス圧力計、101d〜
108d及び、101e〜108e……バルブ、101
f〜108f……圧力計、109,110,111,1
23〜125……ガス導入管、112……基体ホルダ
ー、113……基板加熱用ヒーター、116……基板温
度モニター用熱電対、117……温度表示装置、118
……基板、119……真空排気バルブ、120……真空
チヤンバー、121……基体ホルダー支持部材、12
6,127……液体原料用バブラー、128,129…
…堆積膜形成用液体原料、130……冷却パイプ、11
4,131……流量コントローラ、115,132……
電源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 31/0248

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】堆積膜形成用の気体状原料物質と該原料物
    質に酸化作用をする性質を有する気体状ハロゲン系酸化
    剤のいずれか一方である原料(A)を成膜用の基体が配
    されている成膜空間内に導入して前記基体表面に吸着さ
    せて吸着層(I)を形成する工程、他方である原料
    (B)を前記成膜空間内に導入して前記吸着層(I)で
    の表面反応を起させて堆積膜(I)を形成する工程とを
    含む事を特徴とする堆積膜形成法。
  2. 【請求項2】前記吸着層(I)は、前記気体状ハロゲン
    系酸化剤を前記基体表面に吸着させて形成される特許請
    求の範囲第(1)項に記載の堆積膜形成法。
  3. 【請求項3】前記吸着層(I)は、前記堆積膜形成用の
    気体状原料物質を前記基体表面に吸着させて形成される
    特許請求の範囲第(1)項に記載の堆積膜形成法。
  4. 【請求項4】前記堆積膜を形成する工程の後に、該工程
    で形成された堆積膜(I)上に前記原料(A)を供給し
    て吸着させて吸着層(II)を形成し、次いで該吸着層
    (II)上に前記原料(B)を供給して表面反応を起させ
    て堆積膜(II)を形成する工程を少なくとも一回行う特
    許請求の範囲第(1)項に記載の堆積膜形成法。
  5. 【請求項5】前記堆積膜(I)及び前記堆積膜(II)
    は、非晶質である特許請求の範囲第(1)項に記載の堆
    積膜形成法。
  6. 【請求項6】前記堆積膜(I)及び前記堆積膜(II)
    は、結晶質である特許請求の範囲第(1)項に記載の堆
    積膜形成法。
  7. 【請求項7】前記気体状原料物質が、鎖状シラン化合物
    である特許請求の範囲第(1)項に記載された堆積膜形
    成法。
  8. 【請求項8】前記鎖状シラン化合物が、直鎖状シラン化
    合物である特許請求の範囲第(7)項に記載された堆積
    膜形成法。
  9. 【請求項9】前記直鎖状シラン化合物が、一般式Si
    2nは1〜8の整数)で示される特許請求の
    範囲第(8)項に記載された堆積膜形成法。
  10. 【請求項10】前記鎖状シラン化合物が、分岐状鎖状シ
    ラン化合物である特許請求の範囲第(7)項に記載され
    た堆積膜形成法。
  11. 【請求項11】前記気体状原料物質が、硅素の環状構造
    を有するシラン化合物である特許請求の範囲第(1)項
    に記載された堆積膜形成法。
  12. 【請求項12】前記気体状ハロゲン系酸化剤が、ハロゲ
    ンガスを含む特許請求の範囲第(1)項に記載された堆
    積膜形成法。
  13. 【請求項13】前記気体状ハロゲン系酸化剤が、弗素ガ
    スを含む特許請求の範囲第(1)項に記載された堆積膜
    形成法。
  14. 【請求項14】前記気体状ハロゲン系酸化剤が、塩素ガ
    スを含む特許請求の範囲第(1)項に記載された堆積膜
    形成法。
  15. 【請求項15】前記気体状ハロゲン系酸化剤が、弗素原
    子を構成成分として含むガスである特許請求の範囲第
    (1)項に記載された堆積膜形成法。
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