JPH0647654A - オンラインロール研削装置を備えた圧延機及びロール研削装置 - Google Patents

オンラインロール研削装置を備えた圧延機及びロール研削装置

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JPH0647654A
JPH0647654A JP12618793A JP12618793A JPH0647654A JP H0647654 A JPH0647654 A JP H0647654A JP 12618793 A JP12618793 A JP 12618793A JP 12618793 A JP12618793 A JP 12618793A JP H0647654 A JPH0647654 A JP H0647654A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】オンラインロール研削装置を備えた圧延機にお
いて、圧延ロールからの振動を吸収しビビリ現象を生ず
ること無く、且つ圧延ロールのプロフィールを測定しな
がらの目的の圧延ロールプロフィールに研削できる。 【構成】回転砥石20、回転砥石20を駆動する駆動装
置22、送り装置23で研削ユニット5を構成し、回転
砥石20が作業ロール1aの振動を受けると、回転砥石
20の砥粒層51と一体になった弾性体機能を有する薄
板円盤52の撓みにより、振動エネルギーを吸収する。
砥粒層51と作業ロール1a間の接触力を測定し、作業
ロール1aのプロフィールを求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオンラインロール研削装
置を備えた圧延機及びロール研削装置に係り、特に圧延
ロールの持つ振動の影響を受けず、オンラインで圧延ロ
ールの効果的な研削を行なえるオンラインロール研削装
置を備えた圧延機及びロール研削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に板圧延機の圧延ロールはスラブ材
を圧延すると、圧延部分のみが摩耗し非圧延部分との段
差が生じてしまう。このため、幅広のスラブから幅狭の
スラブに順番を付けて圧延するなど圧延上制約があっ
た。この問題を解決すべく多くのオンラインロールグラ
インダーに関する技術とその制御方法が提案された。
【0003】例えば三菱技法1988年Vol.25,
No.4「オンラインロールグラインダーの開発」によ
れば、1本の圧延ロールに複数個の回転砥石を配置し、
かつその複数の回転砥石を一体のフレーム内に設置し、
フレーム全体が常にある範囲移動すると共に、回転砥石
はモータで積極的に回転駆動せず、圧延ロールの回転力
を利用して従動的に駆動し、圧延ロール全面を研削する
(以下、第1の従来技術という)。
【0004】また、実開昭58−28705号の明細書
には、1本の圧延ロールに1個の圧延ロール研削ユニッ
トを配置すると共に、圧延ロールを挟んでロール研削ユ
ニットの反対側で、圧延ロールの両端のネック部にポジ
ションセンサーのコンタクトロールを当接させ、このポ
ジションセンサーにて圧延ロールの軸心のずれを検出
し、回転砥石がそのずれに追従するよう送り装置を制御
する技術が述べられている(以下、第2の従来技術とい
う)。
【0005】また、1992年度精密工学会春期大会学
術講演会講演論文集、「圧延ロールの機上定圧研削加
工」には、カップ型回転砥石の砥粒層を立方晶窒化ほう
素(CBN)砥粒で作り、この回転砥石の回転軸を圧延
ロールに対しほぼ直交するよう配置して圧延ロールの研
削を行なった実験結果が報告されている(以下、第3の
従来技術という)。
【0006】更に、実開昭58−28706号公報や実
開昭62−95867号公報の明細書には、圧延ロール
に対しほぼ直交するよう配置したカップ型回転砥石を、
砥石回転軸に対しその軸方向に摺動可能に取付け、かつ
回転砥石の背面を直接又はボスを介して弾性体により軸
方向に支持し、圧延ロール振動を吸収する技術が述べら
れている(以下、第4の従来技術という)。
【0007】一方、板圧延機においては、従来より圧延
ロールのプロフィールを知り、それを基に圧延鋼板のク
ラウンや形状制御に利用したいとの考えがあった。この
圧延ロールのプロフィールを測定する技術として、最
近、超音波式変位計を用いたオンラインプロフィールメ
ータが開発された。このプロフィールメータのシステム
構成は三菱技法1992年Vol.29,No1「プロ
フィルメータ付きオンラインロール研削システムの開
発」に記載されている。これは超音波変位計を内蔵した
プローブと圧延ロール間に水柱を生成し、プローブから
発射されたパルス状の超音波がプローブと圧延ロール表
面間を往復する時間からロールとの間隔を求めるもので
ある(以下、第5の従来技術という)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】圧延機の圧延ロールは
軸受箱に組み込まれたベアリングにより保持され高速で
回転している。この軸受箱は圧延ロールやベアリングの
交換を容易にするため内外径に隙間を設けてある。圧延
ロールは回転時この隙間の間で前後に動きながら回転し
ている。それ以外にも圧延ロール円筒部は軸受部に対す
る芯ずれがあり、板圧延時は圧下装置による圧延ロール
の上下方向への動きがある。これらが重ね合わされ、圧
延ロールは常に振動しながら回転している。
【0009】一般に円筒状の工作物を加工する場合、研
削される工作物は高精度に回転するセンターにより支え
られ、工作物の振動を極力小さくした状態で研削してい
る。しかし、圧延ロールを圧延機の中で圧延中研削しよ
うとした場合、通常の工作物のように振動の非常に小さ
い状態で研削することは不可能である。圧延中の圧延ロ
ールは通常20μmから60μmの振幅、1Gから2G
程度の加速度をもって振動しながら回転している。この
状態でオンラインロール研削装置は正確に研削しなけれ
ばならない。
【0010】上記第1〜第3の従来技術では、上記のよ
うに振動する圧延ロールを研削した場合、圧延ロール表
面にビビリ現象による凸凹が生じてしまう。また、砥石
もビビリ現象による衝撃力で著しく消耗し、砥石寿命も
短くなり、頻繁に砥石を交換する必要が生じる。更に、
圧延ロールを所定のプロフィールに研削する場合の接触
力制御が難しい。
【0011】上記第4の従来技術では弾性体で圧延ロー
ルの振動を吸収しようとしている。しかしこの従来技術
では、砥石台金を含めた砥石全体が弾性体で支持され前
後動するため、砥石の可動部質量、つまり振動に追従し
動く部分の重量が重いことが問題となる。砥石の砥粒と
して研削比の高い立方晶窒化ほう素(CBN)砥粒を用
いた場合でも、弾性体により支えられ前後動する可動部
質量は、砥石径を250mmとし、砥石、スライドベア
リング、シール部品を含めると、少なくとも5Kg以上
となる。また、弾性体のバネ定数は、圧延ロールと砥石
の接触力変化許容値を4Kgfとし、圧延ロールの振動
の振幅を30μmと考えれば、130Kgf/mmにし
なければならない。この条件で、弾性体を含めた可動部
の固有振動数を計算すると80c/sとなる。この低い
固有振動数では、圧延ロールの持つ振動により弾性体を
含めた可動部が共振し、ロール表面にビビリマークを生
じさせ、かつ砥石の摩滅も早くなる。砥石径を小さくし
可動部質量を小さくすれば、研削能力は大きく低下す
る。
【0012】また、カップ型砥石は砥石回転軸の軸方向
に摺動可能とされ、砥石の背面を弾性体で支持されてい
る。しかし、ロール研削中に砥石の周囲には冷却水や研
削屑等が飛散しており、これらが振動する砥石に付けた
シール部より砥石と砥石回転軸との間に入り込んで砥石
のスムーズな移動が阻止され、長時間安定して弾性体の
機能を果たすことが難しい。
【0013】更に、上記第1及び第2の従来技術には次
のよな問題もある。圧延ロールの非圧延部は圧延材によ
る摩耗が無いので、圧延部分より多く研削したい。しか
し、上記第1の従来技術では、圧延ロールの回転速度に
より砥石周速が制限されるので、非圧延部を多く研削す
る場合、接触力を変えて研削量を制御するしかない。こ
のため研削量に限界があるので、長時間一定の圧延ロー
ルプロフィールに保つのが難しい。
【0014】また、上記第2の従来技術では、圧延ロー
ルに対し砥石回転軸が直交するように配置されているの
で、回転砥石の砥粒層が環状砥粒面の左右2箇所で圧延
ロールに接触し、その2箇所で同時に研削が行われる。
このため、圧延ロールに傾きが有ると2箇所の研削面が
互いに干渉し合いビビリ現象が生じ、また2箇所で接触
しているので回転砥石と圧延ロール間の接触力制御が難
しい。更に、圧延機の過酷な環境の中ではポジションセ
ンサーの信頼性の問題があり、実用化されていない。
【0015】次に、圧延ロールプロフィールの測定につ
いて言及する。圧延ロールは板材を圧延すると、板が圧
延された部分は熱延鋼板の場合1コイルで2μm/半径
程度摩耗する。この摩耗量と圧延材の熱で圧延ロール径
が増大するサーマルクラウンによって、圧延ロール胴部
全長に渡り圧延ロール表面のプロフィールが変化してく
る。この圧延ロールのプロフィールを正しく測定するこ
とが可能であれば、圧延機内部に設けられたオンライン
ロールグラインダーで圧延に最適な圧延ロールプロフィ
ールに研削することが可能である。今まで、常に振動し
かつ大量のロール冷却水がに掛けられている圧延ロール
を圧延機の中で、即ちオンラインで、正しくロールプロ
フィールを測定することは困難とされてきた。
【0016】このオンラインプロフィールメータとして
は、上記第5の従来技術のように、プローブと圧延ロー
ル間に水柱を生成し、超音波がプローブと圧延ロール表
面間を往復する時間からロールとの間隔を求める超音波
式変位計を用いたものが開発された。しかし、非常に距
離の短い間隔を超音波が往復する時間を測定するため、
この時間は非常に短く、プロフィール差がミクロン単位
なので時間の少しの測定誤差でプロフィール誤差が大き
く出るおそれがある。特に長時間使用したとき、プロー
ブとロール間の水柱の状態に変化があって、測定誤差が
あっても見つけるのが難しい。超音波式は原理的には常
に正確な測定は可能であるが、上記のように過酷な環境
下で長期間使用した時、常に精度を正しく維持するのが
困難であると共に、測定プローブが複数個あるので、校
正も難しい。
【0017】本発明の第1の目的は、圧延ロールからの
振動を吸収しビビリ現象を生ずることなく、正確かつ圧
延ロール表面粗度の良い研削ができるオンラインロール
研削装置を備えた圧延機及びロール研削装置を提供する
ことにある。
【0018】本発明の第2の目的は、オンラインロール
研削装置と一体になったロールプロフィールメータによ
り、圧延ロールのプロフィールを正しく測定することが
可能なオンラインロール研削装置を備えた圧延機を提供
することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明によれば、1対の圧延ロールの一方に
対面して位置し、その圧延ロールを研削する円盤状の回
転砥石、この回転砥石を砥石回転軸により回転させる駆
動装置、前記圧延ロールに前記回転砥石を押しつける送
り装置、前記回転砥石を圧延ロールの軸方向へ移動させ
るトラバース装置を有するオンラインロール研削装置を
備えた圧延機において、前記回転砥石は、前記砥石回転
軸に取り付けられた薄板円盤と、前記薄板円盤の前記圧
延ロールに対する面に固定された砥粒層とを有し、前記
薄板円盤は前記圧延ロールからの振動を吸収するための
弾性体機能を有することを特徴とするオンラインロール
研削装置を備えた圧延機が提供される。
【0020】上記オンラインロール研削装置において、
好ましくは、前記回転砥石は、前記砥粒層と圧延ロール
との接触線が砥石中央から見て一方の側のみに形成され
るように配置されており、より好ましくは、前記回転砥
石は、前記砥粒層と圧延ロールとの接触線が砥石中央か
ら見てロール軸方向の一方の側のみに形成されるように
前記砥石回転軸を圧延ロールの軸心に直角な方向に対し
て微小角傾けて配置されている。
【0021】また、好ましくは、前記砥粒層は環状をし
ており、前記砥粒層は超砥粒、即ち立方晶窒化ほう素砥
粒及びダイアモンド砥粒の一方を含む。
【0022】また、前記薄板円盤は好ましくは1000
Kgf/mm〜30Kgf/mmのバネ定数を有し、よ
り好ましくは500Kgf/mm〜50Kgf/mmの
バネ定数を有している。
【0023】更に、好ましくは、前記砥粒層は立方晶窒
化ほう素砥粒を含み、その砥粒の集中度は50〜100
とし、砥粒の粒度は80〜180の範囲とし、レジンボ
ンドを砥粒の結合材に用いている。
【0024】また、好ましくは、上記オンラインロール
研削装置は、前記回転砥石と圧延ロール間の接触力を測
定する荷重検出手段と、前記荷重検出手段により測定さ
れた接触力を任意に変えるよう前記送り装置を制御して
前記回転砥石による圧延ロールの研削量を変え、これに
より圧延ロールを所定のロールプロフィールに研削する
制御手段とを更に有している。
【0025】上記オンラインロール研削装置は、前記回
転砥石と圧延ロール間の接触力を測定する荷重検出手段
と、前記荷重検出手段により測定された接触力が一定と
なるように前記送り装置を制御しながら前記回転砥石の
ロール軸方向の移動速度を任意に変えるように前記トラ
バース装置を制御して前記回転砥石による圧延ロールの
研削量を変え、これにより圧延ロールを所定のロールプ
ロフィールに研削する制御手段とを更に有していてもよ
い。
【0026】また、前記オンラインロール研削装置は、
前記回転砥石を回転させる駆動装置の負荷を測定する負
荷検出手段と、前記負荷検出手段により測定された負荷
を任意に変えるよう前記送り装置を制御して前記回転砥
石による圧延ロールの研削量を変え、これにより圧延ロ
ールを所定のロールプロフィールに研削する制御手段と
を更に有していてもよい。
【0027】また、好ましくは、前記送り装置は、回転
駆動源と、この回転駆動源の回転を前記回転駆動軸の軸
方向の移動に変換し前記回転砥石を圧延ロールに対して
進退させるバックラッシュの小さなボールねじ機構又は
歯車機構とを有している。
【0028】更に、好ましくは、上記オンラインロール
研削装置は、圧延ロール1本当たり少なくとも2つのロ
ール研削ユニットを備え、この2つのロール研削ユニッ
トの各々が、前記回転砥石、駆動装置、送り装置及びト
ラバース装置を有し、これにより2つのロール研削ユニ
ットは互いに独立して研削可能である。
【0029】この場合、オンラインロール研削装置は、
好ましくは、前記2つのロール研削ユニットにより圧延
ロールを研削するときに生じる研削ラップ部がロール軸
方向に分散するように各ロール研削ユニットのトラバー
ス装置の停止位置を異ならせる制御手段を更に有してい
る。
【0030】また、好ましくは、前記2つのロール研削
ユニットの回転砥石は、それぞれ、前記砥粒層と圧延ロ
ールとの接触線が砥石中央から見てロール軸方向のそれ
ぞれのロール端部側のみに形成されるように前記砥石回
転軸を圧延ロールの軸心に直角な方向に対して互いに相
反する方向に微小角傾けて配置されている。
【0031】また、上記第2の目的を達成するために、
本発明によれば、上記オンラインロール研削装置を備え
た圧延機において、前記オンラインロール研削装置は、
前記回転砥石のロール軸方向の移動量を測定する移動量
検出手段と、前記回転砥石と圧延ロール間の接触力を測
定する荷重検出手段と、前記送り装置の移動量を一定に
した状態で前記荷重検出手段により測定された接触力と
前記移動量検出手段により測定された移動量とから圧延
ロールのプロフィールを演算する第1のプロフィール演
算手段を含むオンラインプロフィールメータとを更に有
することを特徴とするオンラインロール研削装置を備え
た圧延機が提供される。
【0032】更に、上記第2の目的を達成するために、
本発明によれば、上記オンラインロール研削装置を備え
た圧延機において、前記オンラインロール研削装置は、
前記送り装置の移動量を測定する第1の移動量検出手段
と、前記回転砥石のロール軸方向の移動量を測定する第
2の移動量検出手段と、前記回転砥石と圧延ロール間の
接触力を測定する荷重検出手段と、前記荷重検出手段に
より測定された接触力を一定にした状態で前記第1の移
動量検出手段により測定された移動量と前記第2の移動
量検出手段により測定された移動量とから圧延ロールの
プロフィールを演算する第2のプロフィール演算手段を
含むオンラインプロフィールメータとを更に有すること
を特徴とするオンラインロール研削装置を備えた圧延機
が提供される。
【0033】上記オンラインロール研削装置において、
前記オンラインプロフィールメータは、好ましくは、前
記オフラインプロフィールメータで測定した圧延ロール
のプロフィールと前記第1又は第2のプロフィール演算
手段で求めた同じ圧延ロールのプロフィールとの偏差を
演算し、その偏差から前記トラバース装置による前記回
転砥石の移動方向の圧延ロールに対する平行度誤差を求
め、その平行度誤差に基づき前記第1又は第2のプロフ
ィール演算手段で求めたロールプロフィールを補正する
手段を更に含んでいる。
【0034】また、好ましくは、前記オンラインロール
研削装置は、前記第1又は第2のプロフィール演算手段
で求めた圧延ロールのプロフィールと予め設定した目標
ロールプロフィールとの偏差を求め、この偏差に基づい
て前記送り装置及び前記トラバース装置の少なくとも一
方を制御して前記回転砥石による圧延ロールの研削量を
変え、これにより圧延ロールを前記目標ロールプロフィ
ールに一致するよう研削する制御手段を更に有してい
る。
【0035】この場合、前記制御手段は、好ましくは、
前記荷重検出手段により測定された接触力を任意に変え
るよう前記送り装置を制御して前記研削量を変える。
【0036】また、前記制御手段は、前記荷重検出手段
により測定された接触力が一定となるように前記送り装
置を制御しながら前記回転砥石のロール軸方向の移動速
度を任意に変えるように前記トラバース装置を制御して
前記研削量を変えてもよい。
【0037】また、上記圧延機は、好ましくは、圧延ロ
ールにベンダー力を付与するロールベンダー手段、圧延
ロールを軸方向にシフトさせるロールシフト手段及び前
記1対の圧延ロールを互いにクロスさせるロールクロス
手段の少なくとも1つと、前記第1又は第2のプロフィ
ール演算手段により測定された圧延ロールのプロフィー
ルに基づき圧延材が目標板クラウンに近づくよう前記ロ
ールベンダー手段のベンダー力、前記ロールシフト手段
によるシフト位置及び前記ロールクロス手段によるクロ
ス角度の少なくとも1つを制御する制御手段とを更に備
えている。
【0038】また、上記圧延機において、前記オンライ
ンロール研削装置は、好ましくは、圧延ロールの軸心の
傾きを測定すると共に、前記回転砥石が圧延ロールの軸
心の傾きに対する目標ロールプロフィール上を移動する
ように前記送り装置及びトラバース装置を制御する制御
手段を更に有している。この場合、好ましくは、オンラ
インロール研削装置は、圧延ロールの両端を支持する軸
受箱を固定し圧延ロールの軸心の傾きを研削中に一定に
保つ押し付け装置を更に有している。
【0039】更に、好ましくは、上記オンラインロール
研削装置において、前記回転砥石、駆動装置、送り装置
及びトラバース装置は1つのロール研削ユニットを構成
し、前記オンラインロール研削装置は、圧延ロールの少
なくとも一方の端部に設けられた、圧延ロールの研削部
より小径でロール径が既知の基準小径部と、前記ロール
研削ユニットに設けられ、そのロール研削ユニットから
前記圧延ロールまでの距離を測定する変位計とを更に有
している。
【0040】また、好ましくは、上記圧延機において、
前記圧延ロールが作業ロールであり、前記回転砥石、駆
動装置、送り装置及びトラバース装置は前記作業ロール
を研削するロール研削ユニットを構成する。前記圧延ロ
ールが補強ロールであり、前記回転砥石、駆動装置、送
り装置及びトラバース装置は前記補強ロールを研削する
ロール研削ユニットを構成してもよい。
【0041】また、好ましくは、上記オンラインロール
研削装置は、圧延ロールの少なくとも一方の端部に設け
られた、圧延ロールの研削部より小径でロール径が既知
の基準小径部と、前記圧延ロールの基準小径部と研削部
のそれぞれの位置で前記回転砥石と圧延ロールとの接触
力が同じになるよう回転砥石を圧延ロールに押し付け、
その時の回転砥石の送り位置の差より基準小径部と研削
部間の段差を求め、更にその段差と前記基準小径部の既
知のロール径より前記研削部のロール径を求めるロール
径演算手段とを更に有する。
【0042】また、上記第1の目的を達成するために、
本発明によれば、ロールを研削する円盤状の回転砥石、
この回転砥石を砥石回転軸により回転させる駆動装置、
前記ロールに前記回転砥石を押しつける送り装置、前記
回転砥石を前記ロールの軸方向へ移動させるトラバース
装置を有するロール研削装置において、前記回転砥石
は、前記砥石回転軸に取り付けられた薄板円盤と、前記
薄板円盤の前記ロールに対する面に固定された砥粒層と
を有し、前記薄板円盤は前記ロールからの振動を吸収す
るための弾性体機能を有することを特徴とするロール研
削装置が提供される。
【0043】
【作用】以上のように構成した本発明においては、円盤
状の回転砥石の一部分である薄板円盤に弾性体機能を持
たせることにより、圧延ロールの振動によって回転砥石
が押されるときに薄板円盤が撓み、圧延ロールからの振
動を瞬時に吸収する。これにより、砥粒層と圧延ロール
間の接触力の変動は薄板円盤の撓みで生ずる弾性力の小
さな範囲となり、ビビリ現象をなくすことができる。ま
た、砥粒層を支える台金である薄板円盤に弾性体機能を
持たせ、砥粒層と弾性体機能部材とを一体化している。
このため、圧延ロールからの振動で可動する質量は砥粒
層と薄板円盤のみとなり、可動部質量が非常に小さくな
り、回転砥石の固有振動数が高くなる。このため、振動
する圧延ロールを共振によるビビリ現象も生じさせずに
長時間正しく研削することができる。
【0044】砥粒層と圧延ロールとの接触線が砥石中央
から一方の側のみに形成されるように回転砥石を配置す
ることにより、圧延ロールへの押し付け力で片持ち梁の
形で薄板円盤が撓み、薄板円盤の弾性体機能が有効に発
揮され、圧延ロールからの振動を容易に吸収することが
できる。また、接触線が砥石中心の片側1箇所に形成さ
れるので、ビビリ現象が防止されかつ接触力制御(後
述)が適切に行なえるようになる。
【0045】砥粒層を超砥粒、特に晶窒化ほう素砥粒又
はダイアモンド砥粒で作ることにより、酸化アルミニウ
ム(Al2 3 )又は炭化珪素(SiC)系砥粒を用い
た砥石の100倍以上の研削比が得られ、少ない重量で
長時間の研削が可能となる。このため、回転砥石の可動
部質量が更に小さくなり、研削時の共振の防止に有効で
あると共に、砥石の交換頻度が少なくなり、圧延機の生
産性が向上する。
【0046】薄板円盤のバネ定数に関し、当該バネ定数
が大きいとビビリマークができかつ研削比が悪化し、砥
粒層が早期に磨滅摩耗してしまう。また、薄板円盤のバ
ネ定数が大きいと砥粒層と圧延ロールとの接触力の変動
が大きくなり、接触力で研削量を制御するのが困難とな
る。本願発明者等の検討によれば、薄板円盤のバネ定数
を1000Kgf/mm以下、できれば500Kgf/
mm以下とすれば、砥粒層の早期の摩耗を防止し、1回
の砥石交換で5日以上連続研削できることが分かった。
【0047】一方、バネ定数が小さくなると圧延ロール
の振動により接触力の変動が小さくなるので、研削比は
上がるが、接触力の検出感度が低下し、接触力を用いた
研削制御やロールプロフィール測定の精度が低下する。
また、薄板円盤のバネ定数が小さいことは薄板円盤が薄
いことであり、同じ接触力での回転砥石の撓み量も大き
くなり、研削に必要な接触力で薄板円盤にクラックが生
ずる。本願発明者等の検討によれば、薄板円盤のバネ定
数を30Kgf/mm以上とすれば、薄板円盤にクラッ
クが生ずることを防止でき、バネ定数を50Kgf/m
mとすれば、10μmの段差で生ずる荷重変動も検出で
きることが分かった。
【0048】砥粒層の組成に関し、オンライン研削でド
レッシングなしで研削能力を一定にし、研削粗度を安定
化させるためには、超砥粒が一定の速度で自生発刃する
必要がある。この超砥粒が適切に自生発刃するために
は、1個の超砥粒にかかる負荷を調整することが必要で
ある。本願発明者等の検討によれば、砥粒層に含まれる
超砥粒の密度、つまり集中度を50から100にし、か
つ結合材にレジンボンドを用いれば、超砥粒は容易に自
生発刃しかつ砥粒層の寿命も短くならず、ドレッシング
なしで連続研削できることが分かった。また、圧延ロー
ルの表面粗度を平均粗さで0.3から1.5μmにする
ためには、超砥粒の大きさつまり粒度を80から180
にする必要があることも分かった。
【0049】圧延ロールと回転砥石間の接触力を常に測
定し、さらにこの接触力を変化させると回転砥石の圧延
ロール単位時間当たりの研削量が変化する。この接触力
を常に測定し、接触力を一定に保つように送り装置を用
いて制御することにより、圧延ロールの円筒部全てに渡
り同一寸法だけ研削することができる。つまり元のプロ
フィールを維持し、全長を研削できる。
【0050】また接触力を増減するように制御すること
により、圧延ロールを任意のロールプロフィールに研削
することができる。この接触力を一定に制御し、回転砥
石の軸方向への移動速度を任意に制御することによって
も圧延ロールを任意のロールプロフィールに研削するこ
とができる。
【0051】更に、圧延ロールと回転砥石間の接触力を
測定せず、回転砥石を回転させる駆動装置の負荷を測定
し、この負荷を一定にするように送り装置を制御すれ
ば、圧延ロールの全長にわたり同一寸法に研削すること
ができる。また、この負荷を増減することにより、圧延
ロールを任意のプロフィールに研削することができる。
【0052】回転砥石を圧延ロールに押しつける送り装
置はバネ定数の高い機構を用いないとビビリ現象発生の
原因となる。コンパクトで高いバネ定数を持つ送り装置
としては、バックラッシュレスタイプの予圧式ボールね
じを電気モータで駆動する機構が最適である。また、こ
の機構は研削中の回転砥石の位置保持や微小な回転砥石
の前後送りが可能である。
【0053】回転砥石を圧延ロール軸方向に移動して研
削するとき、非圧延部と圧延部の段差がないようにする
ためには、非圧延部を圧延部よりより多く研削すること
が必要である。非圧延部は圧延ロールの両端部分にあ
る。そのため、それぞれが回転砥石、駆動装置、送り装
置及びトラバース装置を持つ複数個のロール研削ユニッ
トを配置し、これらユニットが独立して移動できるよう
にし、通常、2個のユニットを両端部分の非圧延部に移
動し研削を行なう。何回かに一回、圧延ロールの圧延部
にロール研削ユニット移動させ、表面疲労層の研削を行
なう。このように圧延部が圧延材で摩耗する分、非圧延
部を回転砥石で研削することにより、段差がない圧延ロ
ールプロフィールを維持できる。
【0054】複数のロール研削ユニットを配置し、これ
を独立して移動できるようにして圧延ロールを研削する
と、圧延ロール上に砥石研削のラップ部が生ずる。この
ラップが常に同じ位置にならぬようトラバース装置の停
止位置を異ならせ、ラップ位置を分散する。
【0055】前述したように、回転砥石と圧延ロールの
接触線を1箇所として研削すれば、一定の条件で良好な
研削が可能となり、そのために本発明では砥石回転軸を
圧延ロール軸心の直角線に対して微小角度傾ける。この
場合、複数個の回転砥石を有するオンラインロール研削
装置では、圧延ロールの両端で砥石回転軸の傾きの方向
が同じであれば、回転砥石端とハウジングが干渉する場
合が発生する。圧延ロール両端のユニットで砥石回転軸
の傾きの方向を逆方向にして研削することより、そのよ
うな干渉が防止され、回転砥石を圧延ロール端部まで自
由に移動することができると共に、圧延ロール端とハウ
ジング間の寸法を特に考慮する必要がなくなる。
【0056】また、本発明の第1のプロフィール演算手
段を持つオンラインプロフィールメータにおいては、回
転する圧延ロールに回転砥石を送り装置で押しつけ薄板
円盤をある一定量撓ませた後、送り装置を固定し、その
時の圧延ロールと回転砥石間の接触力を荷重検出手段で
測定する。続いて、トラバース装置により回転砥石を圧
延ロールの軸方向に移動し、その移動量を移動量検出手
段で測定すると共に接触力を荷重検出手段で測定する。
【0057】ここで、回転砥石の砥粒層は弾性体機能を
有する薄板円盤により支持されており、薄板円盤のバネ
定数は一定であるから、薄板円盤の撓み量が増えると接
触力が増加する。逆に撓み量が減ると接触力は減少す
る。一方、圧延ロールの軸心とオンラインロール研削装
置が平行に設置されていれば、送り装置を固定したとき
の回転砥石の薄板円盤は、圧延ロール径が大きくなれば
大きく撓み、圧延ロール径が小さくなれば小さく撓む。
【0058】したがって、第1のプロフィール演算手段
では、上記荷重検出手段の測定値(接触力)から薄板円
盤の撓み量を求め、この撓み量をロール軸方向の各位置
に対応付けて整理することにより、圧延ロールのプロフ
ィールが求められる。
【0059】また、本発明の第2のプロフィール演算手
段を持つオンラインプロフィールメータにおいては、回
転する圧延ロールに回転砥石を送り装置で押しつけ、薄
板円盤をある一定量撓ませた後、撓み量(接触力)が常
に一定となるように送り装置を制御する。回転砥石の砥
石回転軸の軸方向の移動量を第1の移動量検出手段で測
定し、続いてトラバース装置により回転砥石を圧延ロー
ルの軸方向に移動し、その移動量を第2の移動量検出手
段で測定する。第2のプロフィール演算手段では、第1
の移動量検出手段の測定値から回転砥石の砥石回転軸の
軸方向の移動量を求め、この移動量をロール軸方向の各
位置に対応付けて整理することにより、圧延ロールのプ
ロフィールが求められる。
【0060】オンラインロール研削装置はロール軸方向
の移動方向が圧延ロールの軸心と平行になるように設置
されている。しかし、熱間圧延機では圧延材の熱で長い
間に平行度が変化する恐れがあり、これを補正しないと
上記のように測定したロールプロフィールが真のプロフ
ィールとは言えなくなる。オンラインプロフィールメー
タに設けられた補正手段はこの平行度誤差を補正し、よ
り正確なプロフィールの測定を可能にする。
【0061】即ち、圧延ロールをロールショップに設置
されたオフラインロールグラインダーで研削し、研削が
完了したらオフラインプロフィールメータでロールプロ
フィールを測定する。次いで、この圧延ロールを圧延機
に組込後、オンラインプロフィールメータの第1又は第
2のプロフィール演算手段を用い圧延ロールのプロフィ
ールを測定し、次いでオフラインプロフィールメータと
オンラインプロフィールメータでの測定値の偏差を求
め、この偏差からオンラインロール研削装置の圧延ロー
ル軸方向に対する平行度誤差を求める。その後、第1又
は第2のプロフィール演算手段を用い圧延ロールのプロ
フィールを測定する際には、上記のようにして求めたロ
ールプロフィールの測定値からこの平行度誤差を差し引
くことによりその測定値を補正し、正しい測定値を求め
る。これにより圧延ロールのより正確なプロフィールが
求まる。
【0062】圧延ロールを目標のロールプロフィールに
一致するよう研削する制御手段においては、第1又は第
2のプロフィール演算手段で圧延ロールのプロフィール
が求められると、その求めた圧延ロールのプロフィール
と予め設定した目標のロールプロフィールの偏差を求
め、この偏差が大きいロール径方向では回転砥石を強い
力で押しつけるよう送り装置を制御して圧延ロール研削
量を制御し、これにより圧延ロールを目標のロールプロ
フィールに研削する。これに代え、圧延ロールと回転砥
石の接触力を一定になるよう制御し、回転砥石のロール
軸方向の移動速度を変えて圧延ロール研削量を変えても
よく、これによっても圧延ロールは目標のロールプロフ
ィールに研削される。
【0063】第1又は第2のプロフィール演算手段で圧
延ロールのプロフィールが求められると、そのデータを
圧延機全体を制御するシステムコンピュータに入力し、
そのデータをもとに圧延機の中に設けられたロールベン
ダーにより圧延ロールに曲げ力を与え、熱延鋼板のプロ
フィールを改善する。圧延機が圧延ロールを軸方向にシ
フトするロールシフト手段又は圧延ロールをクロスさせ
るロールクロス手段を有する場合は、それらの手段を制
御して熱延鋼板のプロフィールを改善してもよい。この
ように測定されたロールプロフィールをロールベンダー
やロールシフト手段又はロールクロス手段の制御デーダ
に用いることにより、精度の高い板クラウン制御が可能
となる。
【0064】圧延ロール軸心から砥粒層の先端表面まで
の距離を一定にしてロール研削ユニットロール軸方向に
移動させることにより、圧延ロールは同一径を持つよう
に研削される。砥粒層の先端表面までの距離を任意に変
化するように移動することにより、距離の近いところは
圧延ロールと砥石間の接触力が大きくなり、より多く研
削され、反対に距離を遠くすれば圧延ロールと砥石間の
接触力が小さくなり、少なく研削される。圧延ロールの
プロフィールを任意に造り、また維持するために、圧延
ロール軸心から砥粒層の先端表面までの距離を送り装置
を制御して圧延ロールの目標ロールプロフィールと同じ
軌跡を描くように移動させる。
【0065】圧延ロール軸線の傾きを測定し、この軸心
の傾きを考慮して目標ロールプロフィール上を移動する
ように送り装置及びトラバース装置を制御しながら研削
することにより、圧延ロール軸心が傾いていても、その
傾きをも考慮した正しいロールプロフィールを常に維持
できる。
【0066】この圧延ロール軸線の水平方向の傾きを研
削中常に一定にするよう圧延ロール軸受箱をスタンドに
設けた押し付け装置によりスタンド又はベンダーブロッ
クに押し付けた状態で研削することにより、スタンドや
軸受箱の摩耗の影響を受けずに正しいロールプロフィー
ルを常に維持できる。
【0067】圧延ロールの研削が進むと上下のロールの
直径の差つまり径差が生ずる恐れが有る。径差が大きく
なると上下のロールで必要とする圧延トルクに偏差が生
じ、スピンドル等に無理な力が働き事故の原因となる。
これを防ぐために径差を一般的に0.2mm/径以内に
なるよう管理している。
【0068】圧延ロールの少なくとも一方の端部にロー
ル径が既知の基準小径部を作り、変位計で基準小径部と
圧延ロールの研削部間の段差を測定することにより、常
に正しいロール径を求めることができる。この測定を上
下ロールで行い、径差をオンラインで管理することがで
きる。
【0069】ロール径の測定を圧延ロールの両端で行う
ことにより、圧延ロールがロール軸方向にテーパに研削
されていないか(円筒度)を確認することもできる。
【0070】基準小径部と圧延ロールの研削部のそれぞ
れの位置で回転砥石と圧延ロールとの接触力が同じにな
るよう回転砥石を圧延ロールに押し付け、その時の回転
砥石の送り位置の差より基準小径部と研削部間の段差を
求めることにより、変位計を用いずに圧延ロール径を測
定することができる。
【0071】熱間圧延機は作業ロールが熱延鋼板との接
触により摩耗するが、作業ロールを支える補強ロールも
作業ロールと高い接触力で接しているので、ロール表面
に疲労層がでてくる。補強ロールにもオンライン研削装
置を設けることにより、このロール表面の疲労層を容易
に除去可能となる。
【0072】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
【0073】第1の実施例 まず、本発明の第1の実施例を図1〜図21により説明
する。
【0074】図1及び図2において、本実施例に関わる
圧延機は圧延材Sを延伸する一対の圧延ロール(上下作
業ロール)1a,1aと、圧延ロール1a,1aを支持
する一対の圧延ロール(上下補強ロール)1b,1b
と、圧延ロール1a,1aに撓みを与えるロールベンダ
ー30,30を有する4段圧延機である。圧延ロール1
a,1aは軸受箱3,3により保持され、これら軸受箱
3,3は操作側及び駆動側のスタンド4に組み込まれて
いる。圧延機入側には入側ガイド10が配置され圧延材
Sの圧延ロール1aへのガイドを行う。圧延時発生する
圧延ロール1a,1aの熱を冷却するクーラントヘッダ
15,15が設けられ、圧延時発生する圧延ロール1
a,1aの熱を冷却する。
【0075】このような圧延機に本実施例のオンライン
ロール研削装置が設けられている。オンラインロール研
削装置は、上作業ロール1a用の2つの上ロール研削ユ
ニット5a,5b(以下、共通の説明では「5」で代表
する)と下作業ロール1a用の2つの下ロール研削ユニ
ット6a,6b(同様に「6」で代表し1個のみ図示す
る)とを有している。
【0076】上ロール研削ユニット5a,5bは上作業
ロール1aの操作側端部及び駆動側端部に対応してそれ
ぞれ設けられ、かつ互いに独立して研削可能である。下
ロール研削ユニット6a,6bも下作業ロール1aの操
作側端部及び駆動側端部に対応して設けられ、かつ互い
に独立して研削可能である。これらユニット5a,5b
及び6a,6bは、各々、図3及び図4に示すように、
作業ロール1aを研削する円盤状の回転砥石20、この
回転砥石20を砥石回転軸21により回転させる駆動装
置22、作業ロール1aに回転砥石20を押しつける送
り装置23、回転砥石20を作業ロール1aの軸方向に
移動させるトラバース装置24を備えている。
【0077】回転砥石20は、図5に拡大して示すよう
に、ボス52aを有する薄板円盤52と、薄板円盤52
の反ボス側の側面に固定された環状の砥粒層51とを有
し、薄板円盤54はボス52aの部分で砥石回転軸21
に取付けられている。また、薄板円盤52は作業ロール
からの振動を吸収するための弾性体機能を有しており、
作業ロール1aと砥粒層51間の接触力により撓み量が
変わる構造となっている。薄板円盤52はその弾性体機
能のため好ましくは1000Kgf/mm〜30Kgf
/mmのバネ定数、より好ましくは500Kgf/mm
〜50Kgf/mmのバネ定数を有している。砥粒層5
1は接着剤により薄板円盤52と一体構造とされ、振動
する作業ロール1aに安定密着ができるようにしてあ
る。
【0078】砥粒層51は超砥粒である立方晶窒化ほう
素砥粒(一般的にはCBNと呼ばれている)又はダイア
モンド砥粒から作られており、砥粒の集中度50〜10
0としかつ砥粒の粒度を80〜180の範囲とし、レジ
ンボンドを結合材に用いて固められている。また、薄板
円盤52の材質は砥粒層51の超砥粒からの研削熱を容
易に放熱する目的と可動部質量を少なくする目的のた
め、アルミ材又はアルミ合金で作られている。
【0079】回転砥石20は、図5に示すように、砥石
回転軸21の軸心Gc1が作業ロール1aの軸心Rcに
直角な線Scに対して微小角α傾くように配置され、砥
粒層51と作業ロール1aとの接触線が砥石中央から見
て一方の側のみに形成されるようにしている。傾斜角α
は0.5°〜1.0°程度が好ましい。このような回転
砥石20の配置により薄板円盤52は弾性体機能を有効
に発揮することができると共に、回転砥石と作業ロール
間の接触力制御が適切に行なえるようになる(後述)。
【0080】また、ロール研削ユニット5aの回転砥石
20とロール研削ユニット5bの回転砥石20は、図6
に示すように、それぞれの砥石回転軸21の軸心Gc1
が作業ロール1aの軸心Rcに直角な線Scに対して互
いに相反する方向に上記微小角α傾くように配置され、
砥粒層51と作業ロール1aとの接触線が砥石中央から
見てロール軸方向のそれぞれのロール端部側のみに形成
されるようにしている。ロール研削ユニット6aの回転
砥石20とロール研削ユニット6bの回転砥石20につ
いても同様である。これにより作業ロール1aの両端部
までスタンドとの干渉を起こさず研削することが可能と
なる(後述)。
【0081】駆動装置22は、図3に示すように、回転
砥石20を所定の砥石周速になるよう回転駆動する液体
モータ54(電気モータでもよい)と、液体モータ54
の出力軸54a回転を砥石回転軸21に伝えるプーリシ
ャフト54b及びベルト55とを有し、出力軸54aと
プーリシャフト54bとは平行スプライン54cを介し
て連結されている。プーリシャフト54bはボデー59
に回転自在に支持されている。砥石回転軸21はスライ
ド型のラジアル軸受21a,21bを介してボデー59
内に回転自在にかつ軸方向に移動可能に支持されてい
る。砥石回転軸21の反回転砥石側には回転砥石20と
作業ロール1a間の接触力を測定するロードセル53が
ボデー59に収納されている。
【0082】ボデー59はケース25に収納されてお
り、液圧モータ54はケース25に取り付けられてい
る。また、ボデー59は、図4に示すように、ケース2
5の底部にスライドベアリング25aを介して砥石回転
軸21の軸方向に移動可能に搭載されている。
【0083】送り装置23は、図3に示すように、ケー
ス25に取り付けられた送りモータ57と、送りモータ
57の回転でボデー59を作業ロール1aの接離方向に
移動させ、回転砥石20、砥石回転軸21及びロードセ
ル53を一緒に前後送りするバックラッシュレスタイプ
の予圧式ボールねじ56と、送りモータ57の回転角度
を検出するエンコーダー57aとを有している。予圧式
ボールねじ56の変わりにバックラッシュレスタイプの
歯車機構を用いてもよい。
【0084】トラバース装置24は、図4に示すよう
に、ケース25に取り付けられたトラバースモータ58
と、トラバースモータ58の回転軸に装着され、ラック
14と噛み合うピニオン58aと、ケース25の上面に
取り付けられ、上摺動レール7又は下摺動レール8と係
合する2対のガイドローラ26と、トラバースモータ5
8の回転数を検出するエンコーダ58bとを有してい
る。摺動レール7,8は、図1及び図2に示すように、
作業ロール1a,1aの入側に作業ロール1aの軸心に
平行に差し渡されており、ラック14は摺動レール7又
は8の反作業ロール側の側面に形成されている。このよ
うにロール研削ユニット5,6は、ガイドローラ26を
介して摺動レール7,8に支えられながら、トラバース
モータ58の回転とピニオン58aとラック14の噛合
いによりスムーズにロール軸心方向に移動可能としてあ
る。
【0085】ロール研削ユニット5,6は、作業ロール
1aの交換時に軸受箱3と干渉しないようにする必要が
ある。このため、上摺動レール7の両端はスタンド4に
取付けられたガイド9に摺動可能に支持され、ロール研
削ユニット5a,5bはシリンダー11及びガイド9に
より摺動レール8と一緒に後方に移動する。また、下摺
動レール8の両端は入側ガイド10に支持され、下ロー
ル研削ユニット6は図示しない駆動装置により入側ガイ
ド10と一緒に後方に移動する。
【0086】ロール研削ユニット5,6において、送り
装置22の送りモータ57及びトラバース装置24のト
ラバースモータ58は図7に示すようにそれぞれ制御装
置13a,13bにより制御される。また、ロードセル
53、送り装置23のエンコーダー57a、トラバース
装置24のエンコーダー58bの検出信号は情報処理装
置13cに送られ処理される。
【0087】一方、回転砥石20を回転させる液体モー
タ54は油圧ポンプ70から送られタンク71に戻され
る圧油により回転し、このときその圧油の供給量は流量
調整バルブ72で制御され、液圧モータ54の回転数を
制御し回転砥石20の周速を任意の速度に制御する。流
量調整バルブ72は制御装置13dにより制御される。
また、液体モータ54へ送られる圧油の圧力を測定する
プレッシャーゲージ73a及びタンク71に戻される圧
油の圧力を測定するプレッシャーゲージ73bが設けら
れ、これらプレッシャーゲージ73a,73bの検出信
号は情報処理装置13cに送られる。
【0088】情報処理装置13cは種々の処理機能を有
しており、処理した結果の信号を制御装置13a,13
b,13dに送り、液体モータ54、送りモータ57及
びトラバースモータ58を制御する。情報処理装置13
cの処理機能については後述する。
【0089】次に、本実施例のオンラインロール研削装
置の動作及び制御を説明する。まず、本実施例のオンラ
インロール研削装置の基本動作を説明する。
【0090】作業ロール1aは圧延速度にも依るが10
から150C/Sの振動数を有しながら振動している。
オンライン研削装置として従来オフライン研削装置で一
般的な円筒型砥石を有するロールグラインダーを取り付
けた場合、円筒型砥石と作業ロールは砥石表面の砥粒を
介して接触し、ロール表面の金属と砥粒がぶつかりなが
ら研削を行うようになる。
【0091】砥粒と作業ロール表面金属が接触した時は
作業ロールは研削され、次の瞬間砥石は作業ロールから
離れ砥粒は空を切り回転する。このような不連続研削が
ビビリ現象の原因となり、図8及び図9に示すように凹
凸のある作業ロール表面及び断面となってしまう。
【0092】作業ロールの振動と同じ振動を砥石がすれ
ば、砥石と作業ロールの接触力の変化は発生しない。し
かし、砥石と砥石フレーム全体を作業ロールと同調する
よう振動させることは、作業ロール振動が150c/s
と高周波のため追従が難しい。作業ロールの振動を砥石
と砥石フレーム全体で逃そうとせず、砥石自体に弾性体
機能を持たせて振動を砥石の撓みで吸収すれば、可動部
の質量が小さくなるため作業ロールの振動に速やかに追
従し、砥石と作業ロール間の接触力の変動は小さくな
る。
【0093】本実施例では、回転砥石20の一部である
薄板円盤52に弾性体機能を持たせることで砥石自体に
弾性体機能を持たせ、この回転砥石20を砥粒層51の
周速が外周で1000m/minから1600m/mi
nになるよう回転しながら、回転する作業ロール1aに
押しつけ撓ませる。作業ロール1aは上記のように前後
に振動している。この振動によって回転砥石20は押さ
れるが、そのとき図5に示すように薄板円盤52が撓
み、作業ロール1aからの振動を瞬時に吸収する。これ
により、砥粒層51と作業ロール1a間の接触力の変動
は薄板円盤52の撓みで生ずる弾性力の小さな範囲とな
り、ビビリ現象をなくすことができる。
【0094】また、砥石自体に弾性体機能を持たせる場
合、円筒型砥石では作業ロールと砥石回転軸とが平行に
並んでいるので、砥石自体に弾性体機能を持たせること
が難しい。しかし、円盤状砥石の場合、作業ロールと砥
石回転軸とがほぼ直角をなすので、砥石自体に弾性体機
能を持たせることが容易となる。よって、振動する作業
ロールを研削するには円盤状砥石を用いるのが有効とな
る。
【0095】即ち、本実施例では、砥粒層51の台金で
ある薄板円盤52に弾性体機能を持たせている。また、
その弾性体機能を有効に発揮させるために、図5に示す
ように砥粒層51と作業ロール1aとの接触線が砥石中
央から一方の側のみに形成されるように回転砥石20を
配置する。このようにすれば、作業ロール1aへの押し
付け力で片持ち梁の形で薄板円盤52が撓み、作業ロー
ル1aからの振動を吸収することができる。
【0096】なお、薄板円盤52を撓ませるには、図1
0に示すように砥石回転軸21の軸心が作業ロール1a
の軸心に対してオフセットするように回転砥石20Aを
配置してもよい。また、砥粒層51は環状をしているた
め、回転砥石20を作業ロール1aに平行に押し付けて
も、砥石中央両側の2箇所の砥粒層部分で支持され、薄
板円盤52は撓むことができる。しかし、この場合は両
端支持となるので、撓み量は少なくなる。本実施例のよ
うに一箇所で支持すると、同じ薄板円盤52を使用して
より大きな撓みを得ることができる。
【0097】砥石には砥粒の研削能力により作業ロール
と砥石間の接触力の許容変化範囲がある。砥石自体に弾
性体機能を持たせる場合、作業ロールが振動しても接触
力がその許容変化範囲内に適正に保たれかつ砥石が共振
しないためには、以下述べるような条件が必要となる。
【0098】F≧K×Amax F:接触力の許容変化範囲 Amax:作業ロール片振幅 K:弾性体のバネ定数 即ち、 K≦F/Amax となり、砥石自体の弾性体のバネ定数が砥石の接触力の
許容変化範囲Fと作業ロール片振幅Amaxより求めら
れるこのバネ定数Kより小さければ、砥石は常に作業ロ
ールに追従して研削できる。
【0099】一方、砥石の固有振動数が作業ロールの振
動数と一致すると砥石が共振し、正確な研削ができなく
なる。よって、砥石の固有振動数は作業ロールの振動数
からできるだけ離れた所に設定したほうが良い。
【0100】Fn>Frmax Fn:砥石の固有振動数 Frmax :作業ロール最大振動数 ところで、砥石の固有振動数は以下の式で表わされる。
【0101】
【数1】
【0102】M:弾性体を含む砥石の質量(可動部質
量) したがって、砥石の固有振動数を大きくする場合、弾性
体のバネ定数K大きくするか、弾性体を含む砥石質量M
を小さくしなければならない。弾性体のバネ定数は先に
述べたようにある値(F/Amax)より大きくできな
い。砥石の固有振動数を大きくするには弾性体を含む砥
石質量を小さくしなければならない。
【0103】例えば、F=4Kgf、Amax=30μ
mのときK=133Kgf/mmとなる。したがって、
Frmax =を150c/sとし、Fn=400c/sと
仮定すれば回転砥石を含む可動部質量Mは0.2Kgに
抑えなければならない。
【0104】砥石として一般的に用いられている酸化ア
ルミニウム(Al2 3 )又は炭化珪素(SiC)系砥
粒を用いた砥石の場合、砥石質量を0.2Kgに抑えた
とすれば砥石はすぐ消耗してしまい、1日に何回も砥石
を交換することが必要となり、圧延機内で作業ロール研
削の効果が大きく損なわれる。
【0105】この問題を解決するためには、研削比(工
作物の減少体積/砥石減少体積)の高い砥石を使用する
必要がある。
【0106】現在一般的な酸化アルミニウム(Al2
3 )又は炭化珪素(SiC)系砥粒を用いた砥石では、
硬質の作業ロール研削すると研削比は3以上に上げるこ
とは困難である。しかし、超砥粒である晶窒化ほう素砥
粒(一般的にはCBNと呼ばれている)又はダイアモン
ド砥粒を用いて作られた本実施例の回転砥石20は作業
ロール1aを研削しても研削比が300を越え、酸化ア
ルミニウム(Al2 3 )又は炭化珪素(SiC)系砥
粒を用いた砥石の100倍以上の研削比を有する。超砥
粒のこの高い研削比を生かし、この砥粒をオンラインロ
ール研削装置の砥石として用いることにより、少ない重
量で長時間の研削が可能となる。
【0107】また、本実施例では、砥粒層51を付けた
台金を薄板円盤52としてこの薄板円盤52に弾性体機
能を持たせ、砥粒層51と弾性体機能部材とを一体化し
ている。このため、作業ロール1aからの振動で可動す
る質量は砥粒層51と薄板円盤52のみとなり、可動部
質量を非常に小さくでき、回転砥石20の固有振動数を
高くすることができる。
【0108】このように本実施例では、可動部質量を小
さくするために研削比の高い(重量が軽くかつ砥石寿命
の長い)超砥粒を砥粒層51に用い、適当なバネ定数を
持った薄板円盤52と一体化させた回転砥石20を回転
させながら、作業ロール1aに押し付けるので、振動す
る作業ロールを共振によるビビリ現象も生じさせずに長
時間正しく研削することができる。
【0109】次に、薄板円盤52の適切なバネ定数につ
いて図11に示す実験データを用いて説明する。図11
は薄板円盤52のバネ定数と研削比の関係についての実
験データを示し、作業ロール1aの周速vr=300m
/min、砥石の周速vg=1570m/min、砥石
のロール軸方向の移動速度(トラバース速度)vs=1
0mm/sec、作業ロール1aの振動周波数f=35
Hz、作業ロール1aの片振幅a=0.01mmとした
ときのものである。
【0110】図5に示すように、バネ定数が大きいと研
削比が下がり、バネ定数が小さくなると研削比が上が
る。つまりバネ定数が大きいとビビリマークができ、研
削比が悪化し、砥粒層51が早期に摩耗してしまう。回
転砥石20の交換頻度をできるだけ少なくし、砥石交換
のために生産性の低下を来さないようにするには、1回
の交換で砥石が5日以上連続研削できることが必要であ
る。それには一般的には研削比50以上、できれば研削
比250以上が必要である。超砥粒でできた回転砥石2
0は高価であるから、生産コストの低減には研削比をで
きるだけ高くしなければならない。薄板円盤52のバネ
定数が大きいと研削比が下がる理由は、作業ロール1a
の振動により回転砥石20に生ずる接触力の変動が大き
くなるので、砥粒層51の砥粒に大きな力が作用し、砥
粒がその力で脱落するためである。また、薄板円盤52
のバネ定数が大きいと作業ロール1aの振動を回転砥石
20で吸収できず、ロードセル53に荷重を伝えるの
で、接触力の測定値に変動が大きく、作業ロール1aと
砥粒層51の接触力で研削量を制御する(後述)のが困
難となる。
【0111】一方、バネ定数が小さくなると作業ロール
1aの振動により回転砥石20に生じる接触力の変動が
小さくなるので、研削比は上がるが、接触力を用いた研
削制御やロールプロフィール測定(後述)の精度が低下
する。研削制御及びロールプロフィール測定精度が低下
する理由は、回転砥石20が撓んでも砥石回転軸21に
作用する力が小さいので、小さな凹凸ではロードセル5
3で荷重の変化を検出できなくなるからである。
【0112】例えば、薄板円盤52のバネ定数を50K
gf/mmとすると、10μmの段差で生ずる荷重差
は、ΔF=50×0.01=0.5(Kgf)で、これ
は一般的なロードセル53の分解能から判断し検出範囲
の限界に近い。また、薄板円盤52のバネ定数が小さい
ことは薄板円盤52が薄いことであり、同じ接触力での
回転砥石20の撓み量も大きくなり、砥粒層51にひず
みにより無理な力が作用し、バネ定数が30Kgf/m
mより小さくなると、研削に必要な接触力で砥粒層51
にクラックが生じたり、薄板円盤52と砥粒層51との
間に薄利が生ずる。
【0113】以上の条件より、薄板円盤52のバネ定数
は1000kgf/mmから30kgf/mmが良く、
できれば500kgf/mmから50kgf/mmが良
いことが分かった。
【0114】次に、砥粒層51の組成について説明す
る。回転砥石20に超砥粒により作られた砥粒層51を
用いた場合、オフラインでのロール研削では研削能力を
一定にし、研削粗度を安定化させるために、砥粒層51
のドレッシングが普通行われる。しかし、オンラインで
の研削では、スペースの問題等により砥粒層51のドレ
ッシングが難しい。オンライン研削でドレッシングなし
で研削能力を一定にし、研削粗度を安定化させるために
は、超砥粒51が一定の速度で自生発刃する必要があ
る。この超砥粒が適切に自生発刃するためには、1個の
超砥粒にかかる負荷を調整することが必要である。その
ために、砥粒層51に含まれる超砥粒の密度、つまり集
中度を50から100にし、かつ超砥粒を保持しながら
超砥粒の摩耗と一緒に摩耗する結合材はレジンボンドを
用いる必要がある。集中度が100以上になると自生発
刃が起こり難くなり、研削能力が低下する。集中度が5
0以下になると寿命が短くなる。また、結合材として摩
耗しにくいビトリファイドボンド等を用いると砥粒の結
合材面からの突出量が小さくなり、ドレッシングが必要
となる。上記範囲の集中度と結合材であれば、超砥粒は
容易に自生発刃し、ドレッシングなしで連続研削でき
る。また、作業ロール1aの表面粗度を平均粗さで0.
3から1.5μmにするためには、超砥粒の大きさつま
り粒度を80から180にする必要があることも分かっ
た。
【0115】次に、回転砥石20の配置に関する作用を
説明する。回転砥石20は、先に説明したように砥石回
転軸21の軸心Gc1が作業ロール1aの軸心Rcに直
角な線Scに対して微小角α傾くように配置され、砥粒
層51と作業ロール1aとの接触線が砥石中央から見て
一方の側のみに形成されるようにしている。このような
回転砥石20の配置により薄板円盤52が弾性体機能を
有効に発揮することができることは前述した。また、砥
粒層51は環状をしているため、もし砥粒層51の面を
作業ロール1に平行に押し付けた場合、砥粒層51と作
業ロール1aとの接触線は砥石中央の両側に2箇所形成
される。このように接触力が2箇所に形成されると、そ
の2箇所で同時に研削が行われるため、作業ロール1a
に段差が有ると2箇所の研削面が互いに干渉し合いビビ
リ現象が生じ、また2箇所で接触しているので回転砥石
と作業ロール間の接触力制御が難しい。本実施例では、
環状の砥粒層51と作業ロール1aとの接触線は砥石中
心の片側1箇所に形成されるので、ビビリ現象が防止さ
れかつ接触力制御(後述)が適切に行なえるようにな
る。
【0116】また、砥石回転軸21を作業ロール1aの
軸直角線Scに対し微少角α傾けると、図12に示すよ
うに、作業ロール1aの一方の端部で非研削部が生ずる
かその側のスタンド4と回転砥石20が干渉する恐れが
ある。そこで、ロール研削ユニット5aの回転砥石20
とロール研削ユニット5bの回転砥石20は、図6に示
すように、それぞれの砥石回転軸21の軸心Gc1が作
業ロール1aの軸心Rcに直角な線Scに対して互いに
相反する方向に上記微小角α傾くように配置され、砥粒
層51と作業ロール1aとの接触線が砥石中央から見て
ロール軸方向のそれぞれのロール端部側のみに形成され
るようにしている。これにより、上記のようなスタンド
との干渉を生じることなく、作業ロール1aの全長を研
削することができる。ロール研削ユニット6aの回転砥
石20とロール研削ユニット6bの回転砥石20につい
ても同様である。
【0117】次に、本実施例のオンラインロール研削装
置の制御について説明する。本実施例のオンラインロー
ル研削装置は、 ロールプロフィール研削制御 独立研削制御 ラップ部分散制御 オンラインロールプロフィールメータとしてのロール
プロフィール測定 ロールプロフィール補正 ロールプロフィール測定とプロフィール研削制御との
組合わせ の各制御機能を有しており、これら制御機能は情報処理
装置13cにプログラムとして予め格納されている。
【0118】ロールプロフィール研削制御 まず、ロールプロフィール研削制御機能を説明する。図
13は回転砥石20の砥粒層51と作業ロール1aとの
接触力Fと単位時間当たりの研削量Qとの関係について
の実験データを示し、砥石の周速vg=1570m/m
in、砥石のロール軸方向の移動速度(トラバース速
度)vs=10mm/sec、作業ロール1aの振動周
波数f=35Hz、作業ロール1aの片振幅a=0.0
1mmとして、作業ロール1aの周速vr=300m/
min、600m/min、900m/minのそれぞ
れについてのデータをまとめたものである。この図から
分かるように、砥粒層51と作業ロール1aとの接触力
Fの違いにより単位時間当たりの研削量Qがほぼ線型的
に変化している。したがって、ロール研削ユニット5,
6の中に設けられた送り装置23で砥粒層51と作業ロ
ール1aとの接触力Fを制御し、作業ロール1aの研削
量Qを任意に変えることができる。
【0119】本実施例では、上記の制御をするために、
ロードセル53を砥石回転軸21の反砥石側の端部に当
接するように配置して接触力Fをより正しく検出する。
また、図7に示す情報処理装置13cに図13に示す接
触力Fと研削量Qとの関係を記憶しておき、検出した接
触力Fを情報処理装置13cに入力し、目的の研削量に
なるよう送りモータ57で薄板円盤52の撓み量を変え
接触力Fを制御する(図21参照)。これにより作業ロ
ール1aを所定のプロフィールに研削することができ
る。
【0120】また、砥粒層51と作業ロール1aとの接
触力を一定にして、砥粒層51の作業ロール軸方向への
移動速度(トラバース速度)を変えると、研削量が変わ
る。砥粒層51を速く動かせば、同じ位置での砥粒接触
時間が短くなり、研削量は減る。遅く動かせばその逆で
研削量は増える。したがって、砥粒層51のトラバース
速度を制御することによっても作業ロール1aの研削量
を任意に変えることができる。
【0121】即ち、検出した接触力Fを情報処理装置1
3cに入力し、接触力Fが一定となるよう送りモータ5
7で薄板円盤52の撓み量を制御しながら、目的の研削
量になるようにトラバースモータ58で砥粒層51のト
ラバース速度を制御する(図21参照)。これにより作
業ロール1aを所定のプロフィールに研削することがで
きる。
【0122】更に、接触力Fと回転砥石20を回転させ
る液体モータ54の負荷は一定の関係にあるので、接触
力Fを検出する代わりに液体モータ54の負荷を検出
し、この負荷を制御しても研削量Qを変えることができ
る。具体的には、プレッシャーゲージ73a,73bで
液体モータ54の入口及び出口の液体圧力を検出し、情
報処理装置13cで液体モータ54の負荷としてその圧
力差を計算し、多く研削するときにはこの圧力差が大き
くなるように送り装置23で接触力Fを制御して研削量
を調整する。この方法によっても圧延ロール1aを任意
のプロフィールに研削することができる。
【0123】上記のように送り装置23で砥粒層51と
作業ロール1aとの接触力を制御するとき、砥石回転軸
21の軸方向にガタがあると、作業ロール1aの振動で
前後動する可動質量が一気に増え、砥粒層51と作業ロ
ール1aとの接触力は大きく変化する。このように接触
力の変化が大きくなると送り装置23で接触力を制御す
ることはできない。本実施例では、そのガタを可能な限
り小さくするため、送り装置23にバックラッシュレス
タイプの予圧式ボールねじ56を使用し、それ以外の摺
動部も隙間の小さい部品を用いる。また、ボールねじ5
6を駆動する送りモーター57は電気モータとする。こ
れにより、送り装置23での接触力の制御が容易にな
り、研削中の回転砥石20の位置保持や回転砥石20の
微小な前後送りが可能となる。
【0124】独立研削制御 次に、ロール研削ユニット5a,5b又は6a,6bの
独立研削制御について説明する。作業ロール1aは、圧
延部は鋼板との接触により1コイル圧延で2μm/半径
程度摩耗し、非圧延部は鋼板と接触しないので摩耗しな
い。このため、非圧延部と圧延部の間に段差が生じる。
この非圧延部は作業ロール1aの操作側と駆動側の両端
部分にある。
【0125】ここで、2個のロール研削ユニット5a,
5b又は6a,6bを1個のフレームに合体した場合
は、ロール研削ユニット5a又は6aを操作側の非圧延
部に位置させると、ロール研削ユニット5b又は6bは
作業ロール1aの中央に位置する配置となる。このた
め、一方のロール研削ユニットで非圧延部の1つを研削
すると他方のロール研削ユニットは圧延部に位置し、非
圧延部を研削できない状態となる。
【0126】また、2個のロール研削ユニットを1個の
フレームに合体した場合、作業ロール1aの半分以上の
長さとなり、圧延時にクーラントヘッダー15から噴射
した冷却水がフレームでじゃまされ、十分に作業ロール
1aが冷却できないという問題が生ずる。
【0127】本実施例においては、作業ロール1a1本
当たり2個のロール研削ユニット5a,5b又は6a,
6bを配置し、これらを互いに独立して研削可能として
ある。このため、2つのロール研削ユニット5a,5b
又は6a,6bの役割を分離し、操作側の非圧延部を主
にロール研削ユニット5a又は6aで研削し、駆動側の
非圧延部を主にロール研削ユニット5b又は6bで研削
することができ、これにより摩耗しない非圧延部をより
多く研削し、圧延部と非圧延部の間に段差が生じないよ
うにすることができる。このような制御は、制御装置1
3bからの指令によりトラバースモータ58を回転さ
せ、ピニオン58bとラック14との噛み合いでロール
研削ユニット5又は6を摺動レール7,8上で移動させ
ることにより、また制御装置13aからの指令により送
りモータ57を回転させ、ボールねじ56の送りで砥粒
層51を前進させることにより行われる。
【0128】また、ロール研削ユニット5又は6は、と
きどき圧延部のロール表面の肌荒れもしくは表面疲労層
を除去するため作業ロール1aの中央部まで移動させ
る。このような制御も制御装置13bからの指令により
トラバースモータ58を回転させ、ロール研削ユニット
5又は6を移動させることにより行われる。
【0129】以上により、作業ロール1aの両端の非圧
延部を効率良く研削し、長時間一定の作業ロールプロフ
ィールに保つことができる。なお、厚板の圧延機の場合
のように作業ロール1aが長い場合は、ロール研削ユニ
ット5,6を3個又は4個設け、それぞれが独立して研
削の必要な部分へ移動し、研削を行うようにすればよ
い。
【0130】また、本実施例においては、ロール研削ユ
ニット5a,5b又は6a,6bの間は分離されている
ので、圧延時にクラントヘッダー15から噴射した冷却
水で十分に作業ロール1aを冷却することができる。
【0131】ラップ部分散制御 次に、複数のロール研削ユニット5又は6を用いたこと
により形成される研削ラップの分散制御について説明す
る。複数のロール研削ユニット5a,5b又は6a,6
bを作業ロール1aの中央部まで移動すると、図14
(A)に示すように隣接する回転砥石20a,20bの
研削部分は中央部でラップする。この時、研削が常に同
じ位置Taでラップすると、ラップする部分は他の部分
より多く研削され、ラップ部に研削誤差が生ずる。
【0132】複数の研削ユニットを1個のフレームに合
体した場合、対応する複数個の回転砥石は常に一体で同
じストローク移動するため、研削ラップ部は同じ位置に
ならざるを得ず、当該ラップ部の研削誤差が避けられ
ず、作業ロール表面に段差が生ずる恐れがある。
【0133】本実施例では、2つのロール研削ユニット
5a,5b又は6a,6bを独立して動作させることに
より、回転砥石20a,20bの研削ラップ部がラップ
線Taのように1箇所に止まるのではなく、図14
(B)及び(C)に示すようにラップ線TbからTcま
でのロール軸線方向範囲に分散することができ、これに
よりラップ部の研削誤差を少なくすることができる。
【0134】図15及び図16に上記ラップ分散の制御
手順を示す。この制御手順は情報処理装置13cにプロ
グラムとして格納されている。まず、研削ユニット5a
により作業ロール1aの操作側端部よりロール中央に向
けて研削を開始し(ステップ100)、ロール中央Rm
より距離L1駆動側の位置まで研削する(ステップ10
1)。次いで、研削ユニット5aの移動方向を反転させ
て操作側端部まで研削し(ステップ102)、これに追
従してもう1つの研削ユニット5bにより作業ロール1
aの駆動側端部よりロール中央に向けて研削を開始し
(ステップ103)、ロール中央Rmより距離L1駆動
側の位置まで研削する(ステップ104)。次いで、研
削ユニット5aの移動方向を反転させてロール中央Rm
よりL2操作側の位置まで研削し(ステップ105)、
これに追従して研削ユニット5bの移動方向を反転させ
て駆動側端部まで研削する(ステップ106)。次いで
再び、研削ユニット5aの移動方向を反転させて操作側
端部まで研削し(ステップ107)、これに追従して研
削ユニット5bの移動方向を反転させてロール中央より
L2操作側の位置まで研削する(ステップ108)。L
1,L2の値を変え、上記の手順を繰り返す(ステップ
109,110)。以上によりラップ部を分散しながら
作業ロール1aを研削することができる。
【0135】オンラインロールプロフィールメータと
してのロールプロフィール測定 次に、オンラインロール研削装置に組み込まれたオンラ
インロールプロフィールメータの動作について説明す
る。
【0136】回転砥石20の薄板円盤52が弾性体機能
を有し、送り装置22の送りモータ57で作業ロール1
aと砥粒層51間の接触力を制御する本実施例のシステ
ムにおいて、ロールプロフィールと送り装置位置及び接
触力との関係は、図17に示す模式図を参照し下記の式
で表わされる。
【0137】Z(x)=S(x)−F(x)/K ここで x :ロール長手方向座標 Z(x):ロールプロフィール(mm) S(x):送り装置位置(mm) F(x):作業ロールと回転砥石間の接触力(Kgf) K :回転砥石部バネ定数(Kgf/mm) まず、送り装置23を固定し、ロール研削ユニットを作
業ロール1aの軸方向にトラバースさせると、S(x)
は常に一定であるから、ロール径の変化は、 ΔZ(x)=−ΔF(x)/K で表される。作業ロールと回転砥石間の接触力の変化Δ
F(x)をバネ定数Kで割ったものが回転砥石20の撓
み量、即ちロール表面の位置の変化ΔZ(x)となり、
この変化をロール長手方向座標で整理したものがロール
プロフィールとなる。これが第1のプロフィール演算機
能である。
【0138】図18に第1のプロフィール演算機能の処
理手順を示す。この処理手順は情報処理装置13cにプ
ログラムとして格納されている。まず、研削ユニット5
aの回転砥石20を作業ロール1aの操作側端部に押し
付け、送り装置23を固定する(200)。次で、送り
装置23を固定したままトラバースモータ58を回転し
研削ユニット5aをロール軸方向に移動する(ステップ
201)。この移動の間、ロードセル53で砥粒層51
と作業ロール1aとの接触力の変化を測定し(ステップ
202)、上記の関係から回転砥石20の撓み量を算出
する(ステップ203)。これと同時に、トラバースモ
ータ58のエンコーダ58bからの信号により研削ユニ
ット5aのロール軸方向の位置を測定する(ステップ2
04)。そして、ロール軸方向の位置と撓み量からロー
ルプロフィールを算出する(ステップ205)。研削ユ
ニット5bについても同様の手順を実施し、ロールプロ
フィールを算出する(ステップ206)。ただし、ロー
ル軸方向の移動は駆動側端部から行なう。2つの研削ユ
ニット5a,5bの移動により求めたロールプロフィー
ルを合成し、作業ロール1aの全長のプロフィールを決
定する(ステップ207)。
【0139】ロールプロフィールを測定する別の方法と
して、作業ロールと回転砥石間の接触力F(x)をロー
ル軸方向で常に一定の荷重となるよう送り装置22を制
御し、送り装置位置の変化ΔS(x)を検出する。
【0140】ロール長手方向でF(x)/Kは一定であ
るから、ロール径の変化は、 ΔZ(x)=ΔS(x) で表される。送り装置位置の変化ΔS(x)を送りモー
タ57のエンコーダ57aの検出値より求め、この変化
をロール長手方向座標で整理したものがロールプロフィ
ールとなる。これが第2のプロフィール演算機能であ
る。
【0141】図19に第2のプロフィール演算機能の処
理手順を示す。この処理手順は情報処理装置13cにプ
ログラムとして格納されている。まず、研削ユニット5
aの回転砥石20を作業ロール1aの操作側端部に押し
付ける(ステップ300)。次で、送り装置23を固定
したままトラバースモータ58を回転し研削ユニット5
aをロール軸方向に移動する(ステップ301)。この
移動の間、ロードセル53で砥粒層51と作業ロール1
aとの接触力を測定し、その接触力が一定となるように
送りモータ57で送り位置を制御し(ステップ30
2)、送りモータ57のエンコーダ57aからの信号に
より回転砥石20の送り量を算出する(ステップ30
3)。これと同時に、トラバースモータ58のエンコー
ダ58bからの信号により研削ユニット5aのロール軸
方向の位置を測定する(ステップ304)。そして、ロ
ール軸方向の位置と回転砥石の送り量からロールプロフ
ィールを算出する(ステップ305)。研削ユニット5
bについても同様の手順を実施し、ロールプロフィール
を算出する(ステップ306)。ただし、ロール軸方向
の移動は駆動側端部から行なう。2つの研削ユニット5
a,5bの移動により求めたロールプロフィールを合成
し、作業ロール1aの全長のプロフィールを決定する
(ステップ307)。以上によりオンライン研削装置の
機器を利用し、作業ロールのプロフィールをオンライン
で測定することができる。
【0142】ロールプロフィール補正演算 次に、オフラインプロフィールメータの測定値によりロ
ールプロフィールを補正する機能を説明する。オンライ
ンロール研削装置の摺動レール7,8は作業ロール1a
の軸心と平行に設置されているが、熱間圧延機では圧延
材の熱で長い間に平行度が変化する恐れがある。これを
補正しないと上記のように測定した作業ロールプロフィ
ールが真のプロフィールとは言えなくなる。情報処理装
置13cでは図20に示す手順でこれを補正する。
【0143】まず、予め作業ロール1aをロールショッ
プに設置されたオフラインロールグラインダーで研削
し、研削後のロールプロフィールをオフラインロールプ
ロフィールメータで測定しておく。そして、その測定し
たロールプロフィールを情報処理装置13cに入力する
(ステップ400)。次に、オフラインロールグライン
ダー研削した作業ロール1aを圧延機に組込後、前述し
たオンラインプロフィールメータの第1又は第2のプロ
フィール演算機能を用いて、作業ロール1aのプロフィ
ールを測定し(ステップ401)、次いでオフラインと
オンラインとのプロフィールメータでの偏差を求める
(ステップ402)。この求めた偏差は研削装置の摺動
レールの変形(平行度誤差)として認識し情報処理装置
13cに記憶される(ステップ403)。次に、その後
の圧延に際してオンラインで圧延ロール1aを研削後、
第1又は第2のプロフィール演算機能で作業ロール1a
のプロフィールを測定し(ステップ404)、そのロー
ルプロフィールの測定値をそれから上記のようにして求
めた平行度誤差を差し引くことにより補正し(ステップ
405)、求めた正しい測定値を情報処理装置13cに
記憶する(ステップ406)。これにより、作業ロール
1aのより正確なプロフィールを求めることができる。
【0144】ロールプロフィール測定とロールプロフ
ィール研削制御との組合わせ 次に、上記のようにして求めた作業ロール1aのプロフ
ィールのデータを用いて先に説明した研削制御方法で作
業ロールを目標プロフィールに研削する機能を図21に
より説明する。図21に示す処理手順も情報処理装置1
3cに予め格納されている。
【0145】まず、目標ロールプロフィールを情報処理
装置13cに予め入力しておき(ステップ500)、次
いで第1又は第2のプロフィール演算機能で作業ロール
1aのプロフィールを求める(ステップ501)。この
場合、必要に応じオフラインプロフィールメータの測定
値によりロールプロフィールを補正する前述の処理を行
なう。作業ロール1aの正確なプロフィールが求まる
と、その求めた作業ロールのプロフィールと目標ロール
プロフィールとの偏差を求める(ステップ502)。ロ
ール軸方向での各位置の偏差量より同各位置での必要研
削量を算出し(ステップ503)、ロール軸方向での各
位置での研削条件を演算する(ステップ504)。ここ
で、接触圧力を変える研削制御を実施する場合は、図1
3に示す作業ロール1aと砥粒層51の接触力と研削量
の関係から、作業ロール1aと砥粒層51の接触力を送
り装置22の送りモータ57で制御して、作業ロール研
削量を変えることにより、作業ロール1aは目標プロフ
ィールに研削される(ステップ505)。トラバース速
度を変える研削制御を実施する場合は、回転砥石20の
トラバース速度をトラバース装置24のトラバースモー
タ58で制御して、作業ロール研削量を変えることによ
り、作業ロール1aは目標プロフィールに研削される
(ステップ505)。以上により目標ロールプロフィー
ルに一致したプロフィールが作業ロール1aに作られ
る。
【0146】第2の実施例 本発明の第2の実施例を図22及び図23により説明す
る。図中、図1〜図7に示す部材と同等の部材には同じ
符号を付している。熱間圧延機においては使用してゆく
中で、冷却水などの影響でスタンド4や軸受箱3の摩耗
が進むと、図22に示すように圧延材Sに直角であった
作業ロール1aの軸心RaがRbのように傾いていくこ
とがある。本実施例では、このような作業ロール1aの
傾きを考慮し、目的のロールプロフィールを維持した
り、修正していくものである。
【0147】図23は本実施例の制御手順を示すフロー
チャートであり、情報処理装置13c(図7参照)にこ
の手順がプログラムとして格納されている。
【0148】まず、作業ロール1aの軸心の傾きを求め
るために、ロール研削ユニット5a,5bを操作側及び
駆動側のロール端部へそれぞれ移動し(ステップ60
0)、操作側及び駆動側のロール端部においてそれぞれ
の送りモータ57を回転させて回転砥石20の砥粒層5
1を作業ロール1aに押し付ける(ステップ601)。
そして、所定の荷重をロードセル53が検出する所まで
回転砥石20を押し付け、そのときの基準位置からの回
転砥石の送り量を送りモータ57に内臓したエンコーダ
57aで計測する(ステップ602)。回転砥石の送り
量を計測するときの荷重は操作側及び駆動側で同じにす
る。
【0149】次いで、操作側及び駆動側での回転砥石2
0の送り量の差を演算し(ステップ603)、この送り
量の差を操作側及び駆動側の測定間距離で割って作業ロ
ール1aの軸心の傾きを求め、記憶する(ステップ60
4)。
【0150】次いで、作業ロール1aの研削に際して前
述した方法で目標プロフィールを得るための回転砥石2
0の送り位置を演算し(ステップ605)、この送り位
置を上記の記憶した作業ロール1aの軸心の傾きを用い
て修正し(ステップ606)、作業ロール1aの軸心か
ら砥粒層51の先端までの距離が一定になるよう砥石送
りモータ57の回転数を制御する(ステップ607)。
【0151】このように制御すれば作業ロール1aが傾
いていてもロール軸心と砥粒層51との距離は常に一定
となり、定位置研削が可能となる。この定位置研削で
は、図2のように圧延部と非圧延部に段差が有れば、非
圧延部は薄板円盤52の撓み量が大きく、圧延部はロー
ル径が小さい分薄板円盤52の撓み量が小さくなる。こ
の撓み量の差が砥粒層51と作業ロール1aの接触力の
差となり、接触力の差が研削能力の差となる。すなわ
ち、非圧延部は圧延部に比べより多く研削され、圧延部
と非圧延部の段差を徐々になくすことができる。このよ
うに、作業ロール1aの軸心が傾いていても、同一径を
持つロールプロフィールを作ることができる。
【0152】以上の定位置研削において、圧延中に作業
ロール1aの軸心が変わってしまうとプロフィール研削
に誤差が生ずる。これを防ぐために、ロールベンダー3
0,30用のベンダーブロック30aに軸受箱3を水平
に反対側のベンダーブロック30aに押しつける軸受箱
押しつけ装置31を設ける。この押しつけ装置31はベ
ンダーブロック30aでなく軸受箱3側に取り付けても
よい。軸受箱押しつけ装置31はピストン32と液圧室
33よりなり、液圧室33に供給された液圧によりピス
トン32が押され、更にピストン32の力で軸受箱3は
反対側のベンダーブロック30aに当接される。この軸
受箱押しつけ装置31を両方の軸受箱3,3に設けるこ
とにより作業ロール1aの軸心は一定に固定され、スタ
ンド4や軸受箱3の摩耗等の影響を受けずに目標のプロ
フィールに研削できる。
【0153】作業ロール1aに任意のロールプロフィー
ルを付ける場合は、オフラインロールグラインダーで任
意のロールプロフィールに研削し、情報処理装置13c
(図7参照)にそのロールプロフィールを目的のロール
プロフィールとして予め設定しておく。その後、砥石送
りモータ57の回転数を制御して回転砥石20をロール
プロフィールに沿うように移動させ、位置制御研削を行
なう。作業ロール1aの圧延部が摩耗しロールプロフィ
ールが崩れてきても、回転砥石20が正しいロールプロ
フィール上を移動するので、修正研削により最初のロー
ルプロフィールを常に正しく維持することができる。こ
の場合も、作業ロール1aの軸心の傾きに対しては、上
記で述べたように操作側及び駆動側での回転砥石20の
送り量により作業ロール1a軸心の傾き角を求め、それ
も考慮して回転砥石20が目的のロールプロフィールに
沿うように砥石送りモータ57の回転数を制御する。こ
れにより、作業ロール1aの軸心が傾いていても、作業
ロール1aを長時間一定の正しいロールプロフィールに
保つことができる。
【0154】なお、回転砥石20の送り量により求めた
作業ロール1a軸心の傾き角がある許容値を越えて有る
ときは、圧延材Sの蛇行等に繋がるので、情報処理装置
13cは警報を発することもできる。
【0155】第3の実施例 本発明の第3の実施例を図24により説明する。本実施
例はロールプロフィールの測定値に基づき板クラウン制
御を行なうものである。
【0156】作業ロール1aはオフライングラインダー
で研削された後、スタンド4の中に組み込まれ、圧延材
Sを圧延すると圧延材Sの熱でサーマルクラウンを生ず
る。従来、このサーマルクラウンは図示されないプロセ
スコンピューターで演算し、そのサーマルクラウン量に
より圧延機内に設けられたロールベンダー30で作業ロ
ール1aに曲げを与え、圧延材Sの板クラウンを目的の
値に近づくよう制御している。しかし、プロセスコンピ
ューターで演算したサーマルクラウンは条件により実際
のサーマルクラウンと違ってくる場合が多い。
【0157】本実施例ではこれを防ぐため、図24に示
すような手順で板クラウン制御を行なう。まず、前述し
た第1又は第2のロールプロフィール演算機能によりロ
ールプロフィールを測定する(ステップ700)。これ
は前述したように情報処理装置13c(図7参照)に格
納されたプログラムで行われる。次いで、上位コンピュ
ータにて、目標板クラウン及び目標板形状から最適なロ
ールベンダー30のベンダー力を演算するのにその測定
したロールプロフィールを加味して演算し、(ステップ
701)、その演算結果に従いロールベンダー30のベ
ンダー力を制御して作業ロール1aに曲げを与え(ステ
ップ702)、この状態で圧延を実施する(ステップ7
03)。これにより圧延材Sの板クラウンを目的の値に
さらに近づけることができる。
【0158】また、図示していないが、作業ロールを軸
方向にシフトさせるロールシフト装置を備えた圧延機の
場合はベンダー力を制御すると共に、作業ロールの軸方
向のシフト位置を制御し、更に圧延材Sの板クラウンを
目的の値に近づけることができる。1対の作業ロール1
a,1aを水平方向に互いにクロスさせるロールクロス
装置を備えた圧延機の場合は、ベンダー力とクロス角度
を制御し、圧延材Sの板クラウンを目的の値に更に近づ
けることができる。もちろん、各研削後のロールプロフ
ィールの測定で求めたプロフィール値をプロセスコンピ
ューターに入力し、前記の形状制御手段を用いることに
より、更に板クラウンは鋼板全長で向上する。
【0159】第4の実施例 本発明の第4の実施例を図25〜図30により説明す
る。図中、図1〜図7に示した部材と同等の部材には同
じ符号を付している。
【0160】作業ロール1aを長時間前記のオンライン
ロール研削装置で研削し続けると研削量の誤差が累積
し、上下作業ロール間でロール径に直径差、つまり径差
がでる場合が有る。この径差が一般的に0.2mm/径
より大きくなると、上下作業ロール間の圧延トルク差が
許容値を越え、これが更に増加するとロール駆動スピン
ドル等に損傷を起こす。これを防ぐために、研削後の上
下の作業ロール径をある時間的間隔で測定する必要が有
る。本実施例は先のオンラインロール研削装置にオンラ
インで研削された作業ロールのロール径を測定するシス
テムを付加したものである。
【0161】図25において、作業ロール1aの少なく
とも一方の端部には、オフライングラインダーで板通板
部より小径に研削しかつ測定された基準小径部39aが
形成されている。この基準小径部39aのロール径を図
26に示すようにD1とする。また、ロール研削装置5
のケース25にはロール段差測定装置40が一体に取り
付けられている。ロール研削装置6についても同様であ
る。
【0162】ロール段差測定装置40は、ピストン41
aと一体となった測定ロッド41、ピストン41a及び
測定ロッド41をガイドするケース42を有し、ケース
42はボデー59に取り付けられたカバー47に取り付
けられ、回転砥石20と一緒にケース42が移動できる
ようにしている。ケース42内には、ピストン41a及
び測定ロッド41を作業ロール方向へ押出すための液圧
室46が形成され、かつ測定ロッド41の移動量を測定
するための変位計43、測定時以外に液圧室46より液
圧を排除し測定ロッド41を後退させるスプリング44
が配置されている。
【0163】次に、ロール段差測定装置40による作業
ロール径の測定方法を図27を用いて説明する。図27
において、測定ロッド41がA位置となるようにロール
研削装置5をロール軸方向に動かし、この位置で停止さ
せる。次いでこの位置で液圧室46に液圧を入れ、作業
ロール1aの基準小径部39aに測定ロッド41を接触
させる。その時の測定ロッドの位置を変位計43を用い
て測定し、次にB位置まで研削砥石ユニット5を移動
し、測定ロッド41を作業ロール1aに再び押しつけそ
の位置を変位計43を用いて測定する。A位置とB位置
の変位計43を用いて測定した値の偏差を情報処理装置
13c(図7参照)で演算し、ロール段差を求める。こ
の段差をxとすると、作業ロール1aの径DはD=D1
+2xとなる。より正確には、作業ロール1aを半回転
させ、180度反対側で再度段差を測定し、それぞれの
段差をx1,x2とすると、作業ロール1aの径DはD
=D1+x1+x2となる。このようにして求めた上下
のロール径より径差を求めることができる。
【0164】次に、上記ロール段差測定装置40を利用
した作業ロール1aの円筒度の測定方法を説明する。図
27に示すように、作業ロール1aの両端部に測定され
た基準小径部39a,39bを形成する。基準小径部3
9a側において、上記のようにA位置及びB位置での測
定ロッド31の変位を測定し、基準小径部39aと作業
ロール1aの径差xを求める。基準小径部39b側にお
いても、同様にもう1つのロール研削ユニット5を移動
してC位置及びD位置の測定ロッド31の変位を測定
し、基準小径部39bと作業ロール1aの径差yを求め
る。この2つの径差x,yから径差の偏差x−yを求め
る。この径差の偏差を測定間距離で割ったのが円筒度で
ある。求めた円筒度は前記ロールプロフィールメータの
測定において作業ロール1aの軸心の傾きの補正に用い
ることができる。
【0165】次に、段差測定装置40を用いて、砥粒層
51の磨滅量を測定し、砥粒層51の交換情報を表示す
ることもできる。砥粒層51の磨滅量を測定方法を図2
8を用い説明する。
【0166】まず、新しい回転砥石20を圧延機に取付
けた後、F位置のように砥粒層51を作業ロール1aに
送り装置23を用いて所定の力で押しつけ、その時の研
削ユニット5から作業ロールまでの関係距離を変位計4
3で測定し、情報処理装置13c(図7参照)に記憶す
る。ある時間作業ロールを研削した後、前記と同じ方法
により、E位置のように上記と同様な測定を行ない、変
位計43の測定値を求める。そして前回の測定値と今回
の測定値の差sを求めると、その差sは2回の測定間の
回転砥石51の磨滅量となる。新しい砥粒層51の砥粒
部厚みt1とすると、残り砥粒部厚みt2はt2=t1
−sとなり、t2の量から砥粒層51の交換情報を表示
することができる。
【0167】次に、作業ロール1a研削後、ロール偏心
が生じていないかどうかを段差測定装置40を用いて測
定することができる。この測定方法を図29及び図30
を用いて説明する。
【0168】作業ロール1aの基準小径部39aに測定
ロッド41を押し当て作業ロール1aの振れを測定しな
がら、同時に回転砥石20を作業ロール1aに押し当
て、作業ロール1aの振れを測定する。もしロール偏心
がなければ、ロール全体の動きにより振れは出るが、基
準小径部39aも研削部も同じに振れ、変位計43によ
り測定された変位も、ロードセル53で検出した荷重と
回転砥石20のバネ定数より求めた変位も同じとなる。
しかし、ロールに偏心があれば、ロール1回転の中でそ
れらの2つの変位に差がでる。それの変位の差を偏心量
とみなすことができる。
【0169】第5の実施例 本発明の第5の実施例を図31及び図32によりかつ図
7を参照し説明する。本実施例は変位計を用いずに作業
ロール1aの径を測定するものである。まず、図31に
示すように、作業ロール1aの端部に基準小径部60を
形成しておく。これは、作業ロール1aの端部をオフラ
イングラインダーで、オンライン研削装置で研削される
部分(研削部)のロール径よりxだけ小径に研削するこ
とにより作られる。この点は第4の実施例と同じであ
る。次に、その基準小径部60のロール径D1を測定
し、情報処理装置13cに入力する。研削部と基準小径
部の段差xは回転砥石20の作業ロール1aに対する傾
きにもよるが、1mm程度が適当である。
【0170】次に、図32に示す制御手順を実施する。
この手順は情報処理装置13cにプログラムとして予め
格納されている。まず、作業ロール1aの回転と回転砥
石20の回転を停止し、基準小径部60を砥石で研削し
ないようにする(ステップ800及び801)。回転砥
石20を基準小径部の位置Xまでトラバースさせ(ステ
ップ802)、次に送り装置23を用いて回転砥石20
を作業ロール1aに接するように移動させる。更に、作
業ロール1aと回転砥石20が所定の接触力なるまで押
し付け(ステップ803)、所定の接触力になったこと
がロードセル53で検出されたら送りモータ57を停止
し、その位置をエンコーダ57aで検出し記憶する(ス
テップ804)。
【0171】次に、基準小径部60の位置Xと研削部の
位置Yの両方で測定を行ったかどうかを判定し(ステッ
プ805)、まだであれば回転砥石20を研削部の位置
Yまでトラバースさせ(806)、基準小径部と同様に
送り装置23を用いて所定の接触力になるまで回転砥石
20を作業ロール1aに押し付け(ステップ803)、
所定の接触力になった所で回転砥石20の位置をエンコ
ーダ57aで検出し記憶する(ステップ804)。
【0172】次いで、位置Xと位置Yでの回転砥石20
の送り位置の差を演算する(ステップ807)。この差
が段差xとなる。そして、最後に、基準小径部60のロ
ール径D1は既知であるので、研削部のロール径Dnを
下記式より求める(ステップ808)。
【0173】Dn=D1+x これにより、研削後の作業ロール1aの直径を容易に求
めることができ、ロール交換時期や、上下ロール径の差
の確認に用いることができる。
【0174】第6の実施例 以上では、圧延ロール1aつまり作業ロールのオンライ
ンでのロール研削について説明してきたが、圧延機には
作業ロールと接触する上下補強ロール1b,1bがあ
り、このロールの表面にも肌荒れや、疲労層が生ずる。
図33は上下補強ロール1b,1bにオンラインロール
研削装置を設けた実施例を示すものである。この補強ロ
ール用のオンラインロール研削装置は基本的には上記で
述べた作業ロール用のオンラインロール研削装置と同じ
構成及び機能を有している。このように補強ロールに対
してもオンラインロール研削装置を設け、上下補強ロー
ル1b,1bの表面も作業ロール1a,1aと同じよう
にオンラインで研削することにより、上下補強ロール1
b,1bの交換ピッチを長く伸ばすことができ、熱間圧
延設備の生産性を向上させることができる。
【0175】
【発明の効果】本発明によれば、圧延ロールの振動を回
転砥石の薄板円盤の弾性体機能で吸収してしまうので、
ビビリ現象及び共振を生じさせないで正確かつ表面粗度
の良い研削できる。また、回転砥石の砥粒層に超砥粒を
用いるので、砥石可動部の軽量化が可能となり、共振を
更に効果的に防止できる。また、回転砥石の寿命も長く
なり、圧延中に圧延ロールを長時間研削することがで
き、これにより圧延ロールの組替え頻度を大幅に少なく
することができ、圧延設備の生産性を大きく上げること
ができる。
【0176】また、圧延ロールと回転砥石間の接触力ま
たは駆動装置の負荷を変化させて回転砥石の単位時間当
たりの研削量を変化させるので、圧延ロールを任意のロ
ールプロフィールに研削することができる。
【0177】また、送り装置にバックラッシュの小さな
ボールねじ機構又は歯車機構を用いるので、送り機構の
バネ定数が高くなり、送り機構のガタに起因するビビリ
現象を防止することができる。
【0178】更に、1本の圧延ロールに独立して研削可
能な少なくとも2個のロール研削ユニットを配置したの
で、圧延ロールの全長に渡って段差がないロールプロフ
ィールを維持できる。
【0179】また、圧延ロール上に生じる砥石研削のラ
ップ部を分散するので、研削誤差のない精度の良い研削
が可能となる。
【0180】また、ロール両端に対応するユニットで砥
石回転軸の傾きの方向を逆方向にして研削するので、ス
タンドと干渉することなく圧延ロールの全長を研削する
ことができる。
【0181】また、圧延ロールと回転砥石間の接触力を
検出し圧延ロールのプロフィールを演算するので、圧延
ロールを研削しながら同時にロールプロフィールを測定
できる。このようにして求めたロールプロフィールから
回転砥石の接触力又は回転砥石のロール軸方向の移動速
度を制御し、目標のプロフィールを容易に作ることがで
きる。
【0182】また、オンラインロール研削装置とオンラ
インロールプロフィールメータを同時に使用して、常に
圧延に最適なロールプロフィールを維持することによ
り、完全なスケジュールフリー圧延が可能となる。
【0183】更に、回転砥石の移動方向と圧延ロールと
の平行度誤差を補正するので、より正確なプロフィール
の測定が可能となる。
【0184】また、オンラインロールプロフィールメー
タで求めたロールプロフィールをもとにロールベンダー
等の形状制御手段を制御するので、精度の高い板クラウ
ン制御が可能となる。
【0185】また、回転砥石が目標ロールプロフィール
上を移動するように研削するので、圧延ロールのプロフ
ィールを任意に造り、また維持することができる。また
このとき、圧延ロール軸線の傾きを測定し、この軸心の
傾きを考慮して目標ロールプロフィール上を移動するよ
う研削するので、圧延ロール軸心が傾いていても正しい
ロールプロフィールを常に維持できる。
【0186】更に、圧延ロール軸受箱をスタンド又はベ
ンダーブロックに押し付けた状態で研削するので、スタ
ンドや軸受箱の摩耗の影響を受けずに正しいロールプロ
フィールを常に維持できる。
【0187】また、圧延ロールの端部に基準小径部を作
り、変位計又は研削ユニット自身で基準小径部と圧延ロ
ールの研削部間の段差を測定するので、常に正しいロー
ル径を求める、上下ロールの径差をオンラインで管理す
ることができる。また、圧延ロールの円筒度も確認する
こともできる。
【0188】更に、補強ロールにオンライン研削装置を
設けたので、この補強ロール表面の疲労層を容易に除去
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるオンラインロール研削
装置を備えた圧延機の要部の部分断面側面図である。
【図2】図1のII−II線断面図で、一部を切除して
示している。
【図3】ロール研削ユニットの横断面図である。
【図4】ロール研削ユニットの縦断面図である。
【図5】回転砥石の配置及び構造とその振動吸収作用を
示す図である。
【図6】2つのロール研削ユニットの回転砥石の配置関
係を示す図である。
【図7】ロール研削ユニットの制御システムを説明する
図である。
【図8】圧延ロール表面に疵を作るビビリ現象の説明図
である。
【図9】図8に示す圧延ロール断面形状を示す図であ
る。
【図10】回転砥石の他の配置例とその振動吸収作用を
示す図である。
【図11】回転砥石の薄板円盤のバネ定数と研削比との
関係を示す図である。
【図12】回転砥石の回転軸をロール軸心直角線に対し
て傾けて研削する場合の回転砥石とスタンドとの干渉を
示す図である。
【図13】圧延ロールと回転砥石間の接触力と研削量と
の関係を示す図である。
【図14】(A)は複数個の回転砥石を有する場合の研
削ラップ部の発生を示す図であり、(B)及び(C)は
研削ラップ部を分散する制御方法を示す図である。
【図15】ラップ分散制御の説明図である。
【図16】ラップ分散制御の手順を示すフローチャート
である。
【図17】ロールプロフィールを測定する場合の圧延ロ
ールと送り装置及び回転砥石の撓みの位置関係を説明す
る図である。
【図18】第1のロールプロフィール演算機能を説明す
るフローチャートである。
【図19】第2のロールプロフィール演算機能を説明す
るフローチャートである。
【図20】第1又は第2のロールプロフィール演算機能
で求めたロールプロフィールをオフラインで求めたロー
ルプロフィールのデータで補正する手順を示すフローチ
ャートである。
【図21】第1又は第2のロールプロフィール演算機能
で求めたロールプロフィールを用いて圧延ロールを目標
プロフィールに研削する手順を示すフローチャートであ
る。
【図22】本発明の第2の実施例によるオンラインロー
ル研削装置を備えた圧延機の要部の部分断面平面図であ
る。
【図23】第2の実施例における研削制御を示すフロー
チャートである。
【図24】本発明の第3の実施例による圧延制御を示す
フローチャートである。
【図25】本発明の第4の実施例によるオンラインロー
ル研削装置を備えた圧延機の要部の横断面図である。
【図26】第4の実施例における圧延ロールと基準小径
部と測定ロッドの変位との関係を示す図である。
【図27】第4の実施例における段差の測定方法及び円
筒度の測定方法を説明するための図である。
【図28】第4の実施例における砥粒摩耗量の測定方法
を説明するための図である。
【図29】第4の実施例におけるロール偏心の測定方法
を説明するための図である。
【図30】第4の実施例におけるロール偏心の測定方法
を説明するための図である。
【図31】本発明の第5の実施例によるオンラインロー
ル研削装置を備えた圧延機での段差の測定方法を説明す
るための図である。
【図32】第5の実施例の段差の測定方法を実施するた
めの手順を示すフローチャートである。
【図33】本発明の第6の実施例によるオンラインロー
ル研削装置を備えた圧延機の要部の部分断面側面図であ
る。
【符号の説明】
1a:圧延ロール(上下作業ロール) 1b:圧延ロール(上下補強ロール) 4:スタンド 5:下ロール研削ユニット 6:上ロール研削ユニット 7;8:トラバース用レール 13a;13b;13d:制御装置 13c:情報処理装置 14:ラック 20:回転砥石 21:砥石回転軸 22:駆動装置 23:送り装置 24:トラバース装置 31:軸受箱押し付け装置 39a:基準小径部 40:ロール段差測定装置 43:変位計 51:砥粒層 52:薄板円盤 53:ロードセル 54:液体モータ 57:送りモータ 57a:エンコーダ 58:トラバース用モータ 58b:エンコーダ 60:基準小径部 70 油圧ポンプ 71 タンク 72 流量調整バルブ 73a,73b プレッシャーゲージ

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1対の圧延ロールの一方に対面して位置
    し、その圧延ロールを研削する円盤状の回転砥石、この
    回転砥石を砥石回転軸により回転させる駆動装置、前記
    圧延ロールに前記回転砥石を押しつける送り装置、前記
    回転砥石を圧延ロールの軸方向へ移動させるトラバース
    装置を有するオンラインロール研削装置を備えた圧延機
    において、 前記回転砥石は、前記砥石回転軸に取り付けられた薄板
    円盤と、前記薄板円盤の前記圧延ロールに対する面に固
    定された砥粒層とを有し、前記薄板円盤は前記圧延ロー
    ルからの振動を吸収するための弾性体機能を有すること
    を特徴とするオンラインロール研削装置を備えた圧延
    機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のオンラインロール研削装
    置を備えた圧延機において、前記回転砥石は、前記砥粒
    層と圧延ロールとの接触線が砥石中央から見て一方の側
    のみに形成されるように配置されていることを特徴とす
    るオンラインロール研削装置を備えた圧延機。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のオンラインロール研削装
    置を備えた圧延機において、前記回転砥石は、前記砥粒
    層と圧延ロールとの接触線が砥石中央から見てロール軸
    方向の一方の側のみに形成されるように前記砥石回転軸
    を圧延ロールの軸心に直角な方向に対して微小角傾けて
    配置されていることを特徴とするオンラインロール研削
    装置を備えた圧延機。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のオンラインロール研削装
    置を備えた圧延機において、前記砥粒層は環状をしてい
    ることを特徴とするオンラインロール研削装置を備えた
    圧延機。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のオンラインロール研削装
    置を備えた圧延機において、前記砥粒層が超砥粒を含む
    ことを特徴とするオンラインロール研削装置を備えた圧
    延機。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のオンラインロール研削装
    置を備えた圧延機において、前記砥粒層が立方晶窒化ほ
    う素砥粒及びダイアモンド砥粒の一方を含むことを特徴
    とするオンラインロール研削装置を備えた圧延機。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のオンラインロール研削装
    置を備えた圧延機において、前記薄板円盤は1000K
    gf/mm〜30Kgf/mmのバネ定数を有すること
    を特徴とするオンラインロール研削装置を備えた圧延
    機。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のオンラインロール研削装
    置を備えた圧延機において、前記薄板円盤は500Kg
    f/mm〜50Kgf/mmのバネ定数を有することを
    特徴とするオンラインロール研削装置を備えた圧延機。
  9. 【請求項9】 請求項1記載のオンラインロール研削装
    置を備えた圧延機において、前記砥粒層は立方晶窒化ほ
    う素砥粒を含み、その砥粒の集中度は50〜100と
    し、砥粒の粒度は80〜180の範囲とし、レジンボン
    ドを砥粒の結合材に用いていることを特徴とするオンラ
    インロール研削装置を備えた圧延機。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のオンラインロール研削
    装置を備えた圧延機において、前記オンラインロール研
    削装置は、前記回転砥石と圧延ロール間の接触力を測定
    する荷重検出手段と、前記荷重検出手段により測定され
    た接触力を任意に変えるよう前記送り装置を制御して前
    記回転砥石による圧延ロールの研削量を変え、これによ
    り圧延ロールを所定のロールプロフィールに研削する制
    御手段とを更に有することを特徴とするオンラインロー
    ル研削装置を備えた圧延機。
  11. 【請求項11】 請求項1記載のオンラインロール研削
    装置を備えた圧延機において、前記オンラインロール研
    削装置は、前記回転砥石と圧延ロール間の接触力を測定
    する荷重検出手段と、前記荷重検出手段により測定され
    た接触力が一定となるように前記送り装置を制御しなが
    ら前記回転砥石のロール軸方向の移動速度を任意に変え
    るように前記トラバース装置を制御して前記回転砥石に
    よる圧延ロールの研削量を変え、これにより圧延ロール
    を所定のロールプロフィールに研削する制御手段とを更
    に有することを特徴とするオンラインロール研削装置を
    備えた圧延機。
  12. 【請求項12】 請求項1記載のオンラインロール研削
    装置を備えた圧延機において、前記オンラインロール研
    削装置は、前記回転砥石を回転させる駆動装置の負荷を
    測定する負荷検出手段と、前記負荷検出手段により測定
    された負荷を任意に変えるよう前記送り装置を制御して
    前記回転砥石による圧延ロールの研削量を変え、これに
    より圧延ロールを所定のロールプロフィールに研削する
    制御手段とを更に有することを特徴とするオンラインロ
    ール研削装置を備えた圧延機。
  13. 【請求項13】 請求項1記載のオンラインロール研削
    装置を備えた圧延機において、前記送り装置は、回転駆
    動源と、この回転駆動源の回転を前記回転駆動軸の軸方
    向の移動に変換し前記回転砥石を圧延ロールに対して進
    退させるバックラッシュの小さなボールねじ機構又は歯
    車機構とを有することを特徴とするオンラインロール研
    削装置を備えた圧延機。
  14. 【請求項14】 請求項1記載のオンラインロール研削
    装置を備えた圧延機において、前記オンラインロール研
    削装置は前記回転砥石を圧延ロール1本当たり少なくと
    も2個有し、前記2個の回転砥石は、それぞれ、前記砥
    粒層と圧延ロールとの接触線が砥石中央から見てロール
    軸方向のそれぞれのロール端部側のみに形成されるよう
    に前記砥石回転軸を圧延ロールの軸心に直角な方向に対
    して互いに相反する方向に微小角傾けて配置されている
    ことを特徴とするオンラインロール研削装置を備えた圧
    延機。
  15. 【請求項15】 請求項1記載のオンラインロール研削
    装置を備えた圧延機において、前記オンラインロール研
    削装置は、オンラインプロフィールメータで測定した圧
    延ロールのプロフィールと予め設定した目標ロールプロ
    フィールとの偏差を求め、この偏差に基づいて前記送り
    装置及び前記トラバース装置の少なくとも一方を制御し
    て前記回転砥石による圧延ロールの研削量を変え、これ
    により圧延ロールを前記目標ロールプロフィールに一致
    するよう研削する制御手段を更に有することを特徴とす
    るオンラインロール研削装置を備えた圧延機。
  16. 【請求項16】 請求項15記載のオンラインロール研
    削装置を備えた圧延機において、前記制御手段は、前記
    荷重検出手段により測定された接触力を任意に変えるよ
    う前記送り装置を制御して前記研削量を変えることを特
    徴とするオンラインロール研削装置を備えた圧延機。
  17. 【請求項17】 請求項15記載のオンラインロール研
    削装置を備えた圧延機において、前記制御手段は、前記
    荷重検出手段により測定された接触力が一定となるよう
    に前記送り装置を制御しながら前記回転砥石のロール軸
    方向の移動速度を任意に変えるように前記トラバース装
    置を制御して前記研削量を変えることを特徴とするオン
    ラインロール研削装置を備えた圧延機。
  18. 【請求項18】 請求項1記載のオンラインロール研削
    装置を備えた圧延機において、圧延ロールにベンダー力
    を付与するロールベンダー手段、圧延ロールを軸方向に
    シフトさせるロールシフト手段及び前記1対の圧延ロー
    ルを互いにクロスさせるロールクロス手段の少なくとも
    1つと、オンラインプロフィールメータにより測定され
    た圧延ロールのプロフィールに基づき圧延材が目標板ク
    ラウンに近づくよう前記ロールベンダー手段のベンダー
    力、前記ロールシフト手段によるシフト位置及び前記ロ
    ールクロス手段によるクロス角度の少なくとも1つを制
    御する制御手段とを更に備えることを特徴とするオンラ
    インロール研削装置を備えた圧延機。
  19. 【請求項19】 請求項1記載のオンラインロール研削
    装置を備えた圧延機において、前記オンラインロール研
    削装置は、圧延ロールの両端を支持する軸受箱を固定し
    圧延ロールの軸心の傾きを研削中に一定に保つ押し付け
    装置を更に有することを特徴とするオンラインロール研
    削装置を備えた圧延機。
  20. 【請求項20】 請求項19記載のオンラインロール研
    削装置を備えた圧延機において、前記オンラインロール
    研削装置は、圧延ロールの軸心の傾きを測定すると共
    に、前記回転砥石が圧延ロールの軸心の傾きに対する目
    標ロールプロフィール上を移動するように前記送り装置
    及びトラバース装置を制御する制御手段を更に有するこ
    とを特徴とするオンラインロール研削装置を備えた圧延
    機。
  21. 【請求項21】 請求項1記載のオンラインロール研削
    装置を備えた圧延機において、前記回転砥石、駆動装
    置、送り装置及びトラバース装置は1つのロール研削ユ
    ニットを構成し、前記オンラインロール研削装置は、圧
    延ロールの少なくとも一方の端部に設けられた、圧延ロ
    ールの研削部より小径でロール径が既知の基準小径部
    と、前記ロール研削ユニットに設けられ、そのロール研
    削ユニットから前記圧延ロールまでの距離を測定する変
    位計とを更に有することを特徴とするオンラインロール
    研削装置を備えた圧延機。
  22. 【請求項22】 請求項1記載のオンラインロール研削
    装置を備えた圧延機において、前記圧延ロールが作業ロ
    ールであり、前記回転砥石、駆動装置、送り装置及びト
    ラバース装置は前記作業ロールを研削するロール研削ユ
    ニットを構成することを特徴とするオンラインロール研
    削装置を備えた圧延機。
  23. 【請求項23】 請求項1記載のオンラインロール研削
    装置を備えた圧延機において、前記圧延ロールが補強ロ
    ールであり、前記回転砥石、駆動装置、送り装置及びト
    ラバース装置は前記補強ロールを研削するロール研削ユ
    ニットを構成することを特徴とするオンラインロール研
    削装置を備えた圧延機。
  24. 【請求項24】 請求項1記載のオンラインロール研削
    装置を備えた圧延機において、前記オンラインロール研
    削装置は、圧延ロールの少なくとも一方の端部に設けら
    れた、圧延ロールの研削部より小径でロール径が既知の
    基準小径部と、前記圧延ロールの基準小径部と研削部の
    それぞれの位置で前記回転砥石と圧延ロールとの接触力
    が同じになるよう回転砥石を圧延ロールに押し付け、そ
    の時の回転砥石の送り位置の差より基準小径部と研削部
    間の段差を求め、更にその段差と前記基準小径部の既知
    のロール径より前記研削部のロール径を求めるロール径
    演算手段とを更に有することを特徴とするオンラインロ
    ール研削装置を備えた圧延機。
  25. 【請求項25】 請求項1記載のオンラインロール研削
    装置を備えた圧延機において、前記回転砥石を前記薄板
    円盤の撓みが復元しようとする力が圧延ロールと砥粒層
    間の接触力となるように配置し、この力で研削すること
    を特徴とするオンラインロール研削装置を備えた圧延
    機。
  26. 【請求項26】 圧延ロールに対面して位置し、その圧
    延ロールを研削する回転砥石、この回転砥石を回転させ
    る駆動装置、前記圧延ロールに前記回転砥石を押しつけ
    る送り装置、前記回転砥石を圧延ロールの軸方向へ移動
    させるトラバース装置を有するオンラインロール研削装
    置を備えた圧延機において、 圧延ロールのプロフィールを演算するプロフィール演算
    手段と、オフラインプロフィールメータで測定した圧延
    ロールのプロフィールと前記プロフィール演算手段で求
    めた同じ圧延ロールのプロフィールとの偏差を演算し、
    その偏差から前記トラバース装置による前記回転砥石の
    移動方向の圧延ロールに対する平行度誤差を求め、その
    平行度誤差に基づき前記プロフィール演算手段で求めた
    ロールプロフィールを補正する手段とを含むオンライン
    プロフィールメータを有することを特徴とするオンライ
    ンロール研削装置を備えた圧延機。
  27. 【請求項27】 ロールを研削する円盤状の回転砥石、
    この回転砥石を砥石回転軸により回転させる駆動装置、
    前記ロールに前記回転砥石を押しつける送り装置、前記
    回転砥石を前記ロールの軸方向へ移動させるトラバース
    装置を有するロール研削装置において、 前記回転砥石は、前記砥石回転軸に取り付けられた薄板
    円盤と、前記薄板円盤の前記ロールに対する面に固定さ
    れた砥粒層とを有し、前記薄板円盤は前記ロールからの
    振動を吸収するための弾性体機能を有することを特徴と
    するロール研削装置。
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