JPH0647412B2 - 移載用横動コンベヤ付き搬送台車 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、走行方向に対して左右横方向に横動可能な移
載用駆動コンベヤを搭載した搬送台車に関するものであ
る。

（従来の技術及びその問題点） この種の移載用駆動コンベヤ付き搬送台車によれば、地
上側の荷受渡し用コンベヤと搬送台車上の移載用駆動コ
ンベヤとの間で荷を移載するとき、当該移載用駆動コン
ベヤを地上側の荷受渡し用コンベヤに接近させるように
横動させて、両コンベヤ間の空間を狭めることが出来る
ので、搬送台車停止時には、両コンベヤ間に比較的広い
空間を確保しながら、両コンベヤ間での荷の乗り移りを
安全円滑に行わせることが出来るのであるが、従来のこ
の種の移載用駆動コンベヤ付き搬送台車では、例えば特
開昭５７−１８４０１３号公報に開示されたように、移
載用駆動コンベヤが停止している限り、当該コンベヤ上
の荷が不測に滑動して移載端部から落下するようなこと
はないと考えて、前記移載用駆動コンベヤの移載端部に
出退自在なストッパーを配設することは考えられていな
かった。

しかしながら、前記移載用駆動コンベヤが、駆動されて
いないときに荷の滑動を許すようなコンベヤである場
合、或いは搬送台車の走行時に発生する振動が非常に激
しくなるような状況である場合には、前記移載用駆動コ
ンベヤ上の荷が搬送台車走行途中に不測に滑動して移載
端部から落下するような事故は十分に予測される。

そこで前記移載用駆動コンベヤの移載端部に出退自在な
ストッパーを配設する必要が生じたのであるが、このス
トッパーを出退駆動するためのモーターやシリンダーユ
ニット等のアクチュエータを併用したのでは、このアク
チュエータを適時に作動させるための制御機構も必要と
なるため、大幅なコストアップを伴う。

（課題を解決するための手段） 本発明は上記のような従来の問題点を解決するために、
走行方向に対して左右横方向に横動可能な移載用駆動コ
ンベヤを搭載した搬送台車に於いて、前記コンベヤの移
載端部に、このコンベヤと一体に横動し且つ上下出退自
在なストッパーを設け、前記コンベヤを支持する固定機
枠側に、前記コンベヤの移載端部が搬送台車側方に突出
するように横動したとき、この移載端部のストッパーを
停止解除姿勢まで下動させると共に、コンベヤが元位置
まで横動復帰したとき前記ストッパーを停止作用姿勢ま
で上動させるカムを設けて成る移載用横動コンベヤ付き
搬送台車を提案するものである。

（実施例） 以下、本発明の一実施例を添付の例示図に基づいて説明
すると、第１図乃至第３図に於て、１は本発明に係る搬
送台車、２は搬入用ストレージコンベヤ、３は上下多段
の搬出用ストレージコンベヤ、４は昇降自在な移載用グ
ラビティーローラーコンベヤである。前記搬入用ストレ
ージコンベヤ２は、傾斜下端の出退自在なストッパー５
の退入により荷６を１個づつ送り出すことが出来る。前
記移載用グラビティーローラーコンベヤ４はその傾斜下
端に出退自在なストッパー７を備え、任意の段の搬出用
ストレージコンベヤ３に接続する状態で前記ストッパー
７が退入することにより、支持している荷６を当該段の
搬出用ストレージコンベヤ３へ送り出すことが出来る。

前記搬送台車１は、前記搬入用スタレージコンベヤ２と
搬出用ストレージコンベヤ３との中間位置を通る設定経
路上を走行するものであり、その両コンベヤ２，３間の
設定位置で自動停止することが出来る。図では、搬送台
車１が両コンベヤ２，３間に挾まれる状態で停止するよ
うに、両コンベヤ２，３が互いに対向する状態に配設さ
れているが、搬入用ストレージコンベヤ２と搬出用スト
レージコンベヤ３とは、搬送台車１の移動経路方向に位
置をずらして設けることも出来る。

前記搬送台車１上には、その走行方向に対して左右横方
向に横動可能な移載用横動コンベヤ８が搭載されてい
る。第４図乃至第６図に示すように前記横動コンベヤ８
は、固定機枠９に支持された一対の横動ガイドレール１
０に支持された横動台１１上に、搬送方向がコンベヤ横
動方向と等しくなる向きに多数本のコンベヤローラー１
２を支承し、これ等各コンベヤローラー１２を端部に於
てチェン伝動手段により互いに連動連結させると共に、
適当位置のコンベヤローラー１２ａの中間に介装した受
動ギヤ１３と横動台１１下に支持した駆動モーター１４
の軸に付設の駆動ギヤ１５とを中間ギヤ１６を介して連
動連結して構成したものであり、前記モーター１４によ
り各コンベヤローラー１２を任意の方向に回転させるこ
とにより、荷を左右任意の方向に搬送することが出来
る。

前記横動台１１は、固定機枠９側に支持された駆動モー
ター１７の軸に付設のピニオンギヤ１８と、このピニオ
ンギヤ１８と咬合するように横動台１１下に付設された
横動方向に長いラックギヤ１９とから成る横動駆動手段
によって左右任意の方向に設定距離だけ横動し得る。

２０ａ，２０ｂは、横動台１１上に設けられ且つ荷６の
巾に応じて間隔を変えることの出来る荷案内バーであ
り、夫々ガイドロッド２１ａ，２１ｂに支持された一対
の可動台２２ａ，２２ｂに取付けられている。これ等各
対の可動台２２ａ，２２ｂを互いに連結する連結部材２
３ａ，２３ｂには、共通の駆動軸２４に形成した互いに
逆ねじのねじ軸部２５ａ，２５ｂに螺嵌する雌ねじ部２
６ａ，２６ｂが設けられ、この駆動軸２４が駆動モータ
ー２７で回転せしめられることにより、左右一対の荷案
内バー２０ａ，２０ｂが第５図に実線と仮想線とで示す
範囲内で互いに接近移動又は離間移動する。

２８，２９は横動コンベヤ８の両移載端部に設けられた
上下出退自在なストッパーであって、夫々水平部内端を
水平支軸３０によって支承されたＬ字形部材３１の外端
垂直部の上端に荷当接部材３２を付設したものであり、
前記Ｌ字形部材３１の水平部下側には左右一対のカム従
動ローラー３３が軸支され、このカム従動ローラー３３
を介してストッパー２８，２９を支持する左右一対のカ
ムレール３４が固定機枠９に取付けられている。これ等
カムレール３４は、水平部３４ａの外端から斜め下方に
傾斜する傾斜部３４ｂが連設されたものであって、横動
コンベヤ８が第１図、第４図、及び第６図に示すように
センター位置にあるときには、両ストッパー２８，２９
のカム従動ローラー３３は、夫々対応するカムレール３
４に於ける水平部３４ａの傾斜部３４ｂ側端部上に支持
され、両ストッパー２８，２９は何れも第６図に示すよ
うに、荷当接部材３２が横動コンベヤ８上に突出する停
止作用姿勢に起立保持される。

次に作業方法を説明すると、第１図及び第３図に示すよ
うに、搬送台車１を両コンベヤ２，３間の設定位置で停
止させた状態では、搬送台車１上でセンター位置にある
横動コンベヤ８の両移載端部と両コンベヤ２，３の移載
端部との間には大きな隙間がある。係る状態で搬入用ス
トレージコンベヤ２から荷６を横動コンベヤ８上に受け
取る作業を行うときには、先ず駆動モーター１７により
ピニオンギヤ１８を回転させ、ラックギヤ１９を介して
横動コンベヤ８をコンベヤ２側へ所定距離横動させる。
この結果、横動コンベヤ８のコンベヤ２側移載端部がコ
ンベヤ２の移載端部に接近し、両者間の隙間が縮小され
る。同時に、前記横動コンベヤ８と一体に横動するスト
ッパー２８，２９の内、コンベヤ２側のストッパー２８
は、第７図に示すようにそのカム従動ローラー３３がカ
ムレール３４の水平部３４ａ上から傾斜部３４ｂ上へ移
行するので、重力（下向きに付勢するスプリングを併用
しても良い）により支軸３０の周りで下動倒伏し、横動
コンベヤ８の荷支持面より下方に退入した停止解除姿勢
に切り換えられる。他方のストッパー２９は、そのカム
従動ローラー３３がカムレール３４の水平部３４ａ上を
内端に向かって転動するだけであるから、起立した停止
作用姿勢に保持されている。

上記の横動コンベヤ８の横動とこれに伴うストッパー２
８の停止解除姿勢への切り換えが完了すれば、横動コン
ベヤ８に於けるコンベヤローラー１２を駆動モーター１
４により所定の方向に回動させると共に、搬入用ストレ
ージコンベヤ２のストッパー５を退入させることによ
り、当該コンベヤ２上で待機している先頭の荷６を、停
止解除姿勢のストッパー２８の上を通過させて横動コン
ベヤ８のセンター位置まで搬入させることが出来る。こ
の荷搬入作業が完了すれば、駆動モーター１７によりピ
ニオンギヤ１８を逆回転させて横動コンベヤ８を元のセ
ンター位置まで横動復帰させるが、この結果、停止解除
姿勢にあったストッパー２８は、そのカム従動ローラー
３３がカムレール３４の水平部３４ａ上へ乗り上げるこ
とにより上動起立し、再び元の停止作用姿勢に戻され
る。従って横動コンベヤ８上に搬入された荷６は、一対
のストッパー２８，２９により横動コンベヤ８上に保持
され、不測の落下事故が防止される。

尚、横動コンベヤ８上に支持されている荷６を搬出用ス
トレージコンベヤ３へ搬出するときは、移載用グラビテ
ィーローラーコンベヤ４を搬送台車１上の横動コンベヤ
８から荷６を受け取るレベルにセットし、横動コンベヤ
８を当該コンベヤ４側へ所定距離横動させると共に、横
動コンベヤ８のコンベヤローラー１２をコンベヤ４側へ
荷６を送り出す方向に回転させれば良い。このとき、コ
ンベヤ４側のストッパー２９は、先に説明したストッパ
ー２８の停止解除姿勢への自動切り換え作用と同一の作
用により自動的に下動倒伏し、停止解除姿勢に切り換え
られる。

横動コンベヤ８上の荷６が、停止解除姿勢のストッパー
２９上を通過して移載用グラビティーローラーコンベヤ
４上に搬出されたならば、当該コンベヤ４を所定の段の
搬出用ストレージコンベヤ３の移載端部に接続させるべ
く必要に応じて上昇させた後、ストッパー７を退入させ
ることにより、コンベヤ４上から所定の段の搬出用スト
レージコンベヤ３へ荷６を送り出すことが出来る。

一対の荷案内バー２０ａ，２０ｂの間隔は、取り扱う荷
６の巾に応じて変更すれば良い。

尚、実施例では横動コンベヤ８の両端にストッパー２
８，２９を設けたが、横動コンベヤ８の一方の端部のみ
が移載端部として利用されるときは、その一方の移載端
部にのみストッパー２８又は２９を配設すれば良く、他
方の端部には固定のストッパーを設けることが出来る。

（発明の作用及び効果） 以上のように本発明の移載用横動コンベヤ付き搬送台車
によれば、移載用駆動コンベヤが、駆動されていないと
きに荷の滑動を許すようなコンベヤであっても、或いは
搬送台車の走行時に発生する振動が非常に激しくなるよ
うな状況にあっても、前記移載用駆動コンベヤ上の荷が
搬送台車走行途中に不測に滑動して移載端部から落下す
るような事故を前記ストッパーにより確実に防止するこ
とが出来、安全性を高めることが出来る。

然して、前記移載用駆動コンベヤと地上側の荷受渡し用
コンベヤとの間で荷を移載する作業を行うために前記移
載用駆動コンベヤを地上側の荷受渡し用コンベヤ側へ横
動させたときには、前記ストッパーを停止解除姿勢まで
下動させ、移載用駆動コンベヤを元の位置まで横動復帰
させたときには、前記ストッパーを停止姿勢まで上動さ
せなければならないが、本発明によれば、このストッパ
ーの姿勢切り換えを、荷移載時及び荷移載完了時に行わ
れる前記移載用駆動コンベヤの横動の横動と、当該コン
ベヤを支持する固定機枠側に設けられた固定カムとを利
用して自動的に行わせることが出来、このストッパーの
姿勢切り換えのための動力源として、移載用駆動コンベ
ヤの横動用動力源を兼用させることが出来るので、構造
や制御が簡単となり、大幅なコストダウンを図ることが
出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は平面図、第２図は側面図、第３図は周辺コンベ
ヤ設備と共に示す正面図、第４図は横動コンベヤとその
附属機器の構造を示す一部切り欠き平面図、第５図は同
縦断側面図、第６図は同縦断背面図、第７図はストッパ
ー姿勢切り換え状態を示す要部の縦断背面図である。 １…搬送台車、２…搬入用ストレージコンベヤ、３…搬
出用ストレージコンベヤ、４…昇降自在な移載用グラビ
ティーローラーコンベヤ、５，７，２８，２９…ストッ
パー、６…荷、８…横動コンベヤ、９…固定機枠、１０
…横動ガイドレール、１１…横動台、１２…コンベヤロ
ーラー、１４…コンベヤローラー１２の駆動モーター、
１７…横動台１１の駆動モーター、１８…ピニオンギ
ヤ、１９…ラックギヤ、２０ａ，２０ｂ…間隔変更可能
な一対の荷案内バー、２７…荷案内バーの間隔変更用駆
動モーター、３０…ストッパー支軸、３３…カム従動ロ
ーラー、３４…カムレール、３４ａ…水平部、３４ｂ…
傾斜部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】走行方向に対して左右横方向に横動可能な
   移載用駆動コンベヤを搭載した搬送台車に於て、前記コ
   ンベヤの移載端部に、このコンベヤと一体に横動し且つ
   上下出退移動自在なストッパーを設け、前記コンベヤを
   支持する固定機枠側に、前記コンベヤの移載端部が搬送
   台車側方に突出するように横動したとき、この移載端部
   のストッパーを停止解除姿勢まで下動させると共に、コ
   ンベヤが元位置まで横動復帰したとき前記ストッパーを
   停止作用姿勢まで上動させるカムを設けて成る移載用横
   動コンベヤ付き搬送台車。