JPH0647068U - アンチロックブレーキシステムにおける油圧装置の連結構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スペースの有効利用ができると共に、アルミ
ブロックに施す複雑な油圧経路の穴加工を省略できるア
ンチロックブレーキシステムにおける油圧装置の連結構
造を提供すること。 【構成】 ソレノイドバルブ１、安全装置部２、油圧ポ
ンプ部３等を備えたアンチロックブレーキシステムにお
ける油圧装置において、少なくとも上記ソレノイドバル
ブ１、安全装置部２及び油圧ポンプ部３の何れか１つを
分離し、その間の油圧経路を二重巻き鋼管５によって連
結した構造とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、アンチロックブレーキシステムにおける油圧装置の連結構造に関し 、特に、該油圧装置の省スペース化、標準化、軽量化等を図ったアンチロックブ レーキシステムにおける油圧装置の連結構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、自動車のマスターシリンダからホイールシリンダに接続される配管 途中に、各車輪の回転状態に応じて各ホイールシリンダに供給するブレーキ液圧 を制御する油圧装置を設け、車輪のスリップ率を適正な範囲で保つようにしたア ンチロックブレーキシステムを備えた自動車が存在する。

【０００３】 この様な、アンチロックブレーキシステムの油圧装置は、通常自動車のエンジ ンルーム内に取付けられている。

【０００４】 ここで、油圧装置１０１の構成は、図２に示すようにソレノイドバルブ１０２ 、安全装置部１０３、油圧ポンプ部１０４、ポンプ用モータ１０５で構成され、 これにリレーボックス１０６を組み付けている。油圧ポンプ部１０４からは、配 管１０７によりマスターシリンダ（図示せず）に連結されている。

【０００５】 この油圧装置１０１の組み付けには、図３に示すようなアルミブロック１０８ に穴加工を施し、この穴内に上記油圧ポンプ部１０４及び安全装置部１０３等を 設けると共に、アルミブロック１０８の壁面に形成した組み付け用の穴１０９を 介してソレノイドバルブ１０２及びポンプ用モータ１０５が組み付けられ、油圧 経路用の穴１１０（アルミブロック内部に形成された穴は省略）を通して相互間 の油圧経路が連結されている。

【０００６】 その為、従来の油圧装置１０１は、図２に示すように各構成装置部１０２〜１ ０６が、アルミブロック１０８を介して一体となった構造のものである。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述した従来のアンチロックブレーキシステムにおける油圧装 置は、エンジンルーム内における該油圧装置１０１の設置スペースとして、かな りのまとまったスペースを必要とし、例えば小型車に搭載するには、配置スペー スが限られているためレイアウトが困難であった。

【０００８】 また、車種によりそのエンジンルーム内の空きスペースが異なるため、該空き スペースに合わせて種々の形状に各構成装置部１０２〜１０６が組み付けられた 油圧装置１０１が存在し、また使用する各構成装置部１０２〜１０６自体も、種 々の形状のものが使用され、相互の互換性が無いことから、その製造及びその後 のメンテナンスに支障が生じていた。

【０００９】 さらに、アルミブロック１０８に形成された油圧経路用の穴１１０を利用して 、各構成装置部１０２〜１０６を連結する構造であるため、装置の全体としての 重量が重くなると共に、複雑な穴開け加工が必要となり、製造コストの高騰をま ねいていた。

【００１０】 本考案は、上記した従来技術が有する課題に鑑みなされたものであって、その 目的は、スペースの有効利用ができると共に、各構成装置部の標準化が容易で、 しかもアルミブロックに施す複雑な油圧経路の穴加工を省略できるアンチロック ブレーキシステムにおける油圧装置の連結構造を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記目的を達成するため、ソレノイドバルブ、安全装置部、油圧ポ ンプ部等を備えたアンチロックブレーキシステムにおける油圧装置において、少 なくとも上記ソレノイドバルブ、安全装置部及び油圧ポンプ部の何れか１つを分 離し、その間の油圧経路を配管によって連結した構造とした。

【００１２】

【作用】

上記したアンチロックブレーキシステムにおける油圧装置によれば、該油圧装 置を構成する少なくともソレノイドバルブ、安全装置部及び油圧ポンプ部の何れ か１つを分離した構造としたため、該分離した構成装置部をエンジンルーム内の 空きスペースを利用して各別に据え付けることができ、エンジンルーム内の小さ なスペースをも有効に利用することができる。

【００１３】 また、上記分離した少なくともソレノイドバルブ、安全装置部及び油圧ポンプ 部の何れか１つの連結は、配管によってなされているため、分離した構成装置部 の自由なレイアウトが可能となり、車種によりそのエンジンルーム内の空きスペ ースが異なる場合においても、配管による連結方向の変更のより対処することが でき、各構成装置部自体の共通化及び標準化が図れる。

【００１４】 さらに、配管により各構成装置部を連結することは、従来のアルミブロックに 施す複雑な油圧経路の穴加工を省略できると共に、装置全体としての重量を軽減 することができる。

【００１５】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を、アンチロックブレーキシステムの油圧装置全体を 示した図１を参照しながら詳細に説明する。

【００１６】 図１において、１はコンピュータからの信号によりブレーキ油圧経路を増圧、 保持、減圧の３つのモードに切り換える三位置ソレノイドバルブ、２はシステム に何らかの故障が発生した場合、制御を禁止して通常のブレーキ機能に戻す安全 装置部、３はコンピュータからの信号により駆動し、リザーバからブレーキ液を マスターシリンダに戻す油圧ポンプ部、４はマスターシリンダである。

【００１７】 上記ソレノイドバルブ１、安全装置部２、油圧ポンプ部３は、それぞれ図示し たように独立した装置部として構成されており、エンジンルーム内の空きスペー スを利用して各別に据え付けられ、その相互間は二重巻き鋼管５により連結され ている。

【００１８】 上記油圧ポンプ部３には、該ポンプを駆動させるモータ６が一体に組み付けら れており、油圧ポンプ部３と共にエンジンルーム内に据え付けられている。マス ターシリンダ４は、配管７により上記ソレノイドバルブ１に連結されている。

【００１９】 また上記モータ６には、該モータ６をコンピュータからの信号によりＯＮ，Ｏ ＦＦするリレーボックス（図示せず）が組み付けられている。

【００２０】 上記のように構成されたアンチロックブレーキシステムにおける油圧装置は、 自動車のエンジンルーム内の空きスペースを考慮し、独立した装置部として構成 された上記ソレノイドバルブ１、安全装置部２、油圧ポンプ部３の配置位置を決 定し、各装置部間を連結する二重巻き鋼管５の設計を行い、該二重巻き鋼管５に よって連結された各構成装置部を、各別にエンジンルーム内に据え付けることと なる。

【００２１】 以上、本考案の一実施例につき説明したが、本考案は既述の実施例に限定され るものではなく、本考案の技術的思想に基づいて、各種の変更及び変形が可能で ある。

【００２２】 例えば、上記実施例においては、油圧装置を構成するソレノイドバルブ１、安 全装置部２、油圧ポンプ部３のそれぞれを独立した装置部として構成したが、エ ンジンルーム内の空きスペースを考慮し、これらの何れか１つのみを独立した装 置部として構成しても良い。

【００２３】 また、上記実施例においては、油圧装置としての安全性を考慮し、分離した各 構成装置部間を二重巻き鋼管５によって連結したが、かかる管体による配管のみ に本考案は限定されるものではない。

【００２４】

【考案の効果】

以上説明した本考案にかかるアンチロックブレーキシステムにおける油圧装置 の連結構造によれば、エンジンルーム内の小さなスペースをも有効に利用するこ とができる装置となり、しかも、車種によりそのエンジンルーム内の空きスペー スが異なる場合においても、配管による連結方向の変更により対処することがで き、各構成装置部自体の共通化及び標準化が図れると共に、従来のアルミブロッ クに施す複雑な油圧経路の穴加工を省略でき、また、装置全体としての重量をも 軽減することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかるアンチロックブレーキシステム
における油圧装置の連結構造の一実施例を示す斜視図で
ある。

【図２】従来のアンチロックブレーキシステムにおける
油圧装置の構造を示す斜視図である。

【図３】従来のアンチロックブレーキシステムにおける
油圧装置に使用されていたアルミブロックを示す斜視図
である。

【符号の説明】

１ ソレノイドバルブ ２ 安全装置部 ３ 油圧ポンプ部 ４ マスターシリンダ ５ 二重巻き鋼管 ６ モータ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ソレノイドバルブ、安全装置部、油圧ポ
   ンプ部等を備えたアンチロックブレーキシステムにおけ
   る油圧装置において、少なくとも上記ソレノイドバル
   ブ、安全装置部及び油圧ポンプ部の何れか１つを分離
   し、その間の油圧経路を配管によって連結したことを特
   徴とする、アンチロックブレーキシステムにおける油圧
   装置の連結構造。