JPH0645687Y2 - ボルトの防食用金具 - Google Patents

ボルトの防食用金具

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JPH0645687Y2
JPH0645687Y2 JP1990053638U JP5363890U JPH0645687Y2 JP H0645687 Y2 JPH0645687 Y2 JP H0645687Y2 JP 1990053638 U JP1990053638 U JP 1990053638U JP 5363890 U JP5363890 U JP 5363890U JP H0645687 Y2 JPH0645687 Y2 JP H0645687Y2
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bolt
metal fitting
metal
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正夫 岩崎
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株式会社エスティム
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案はボルトの防食用金具、さらに詳しくは、いわゆ
る電気防食法を利用してボルトの防食を行うための防食
用金具に関する。
(従来の技術) 一般に、海水や土壌等の電解質媒体と接触している金属
体(たとえば鉄)を防食する目的で、その金属体より一
層陽極的な、すなわち、いわゆる犠牲陽極としての低電
位な金属(たとえば亜鉛)を電気的に連結し、両金属体
間の電位差により発生する電流を利用して前者の金属体
を防食するいわゆる流電陽極方式と称される電気防食法
が実用化されている。この流電陽極方式は、外部からの
電源を全く必要とせず、金属間の電位差のみによって、
陽極側の低電位な金属をイオン化させ、それによって陰
極側の防食目的の金属のイオン化を阻止することによっ
て陰極側の金属を防食する方法である。従って、外部電
源を設置し難い対象物、たとえば対象物自体が常に移動
する船舶や水門扉、さらには複雑な構造の機械装置等の
防食に広く利用されている。
本考案者等は、このような流電陽極方式をボルトの防食
に適用することに着目し、鋭意研究を行った。
しかしながら、ボルトの防食に適用するには次のような
新たな問題点が発生した。
すなわち、上記のような流電陽極方式を採用する場合、
防食目的の陰極側の金属と、新たに設置される陽極側の
金属とが常に電気的に導通状態であることが条件とな
る。
一般に、このような電気的導通状態を得るためには、両
金属体が離間している場合には電線等が利用され、又、
両金属体が隣接している場合には導電性のボルト,ナッ
トや心金等を用いて取り付けながら両金属体間の電気的
導通状態が確保されている。
ところが、ボルト自身の防食を行うためには、上記のよ
うなボルト,ナット,心金等の使用はもちろん不可能で
あるし、又、ボルトのような小さな対象物の場合には上
記電線等の利用は極めて非現実的である。
従って、ボルトのような小さな防食対象物に上記流電陽
極方式を採用するためには、陽極側に用いる金属を直接
ボルトに合体させて接触させる方法以外に想定できな
い。
しかしながら、ボルト、特に鋳鉄製等のボルトには一般
にエポキシ樹脂やワニス等の電気絶縁性の塗料が全面に
塗装されているため、上記のような陽極となるべき金属
とボルトの金属面とが上記塗料の介在のために電気的導
通状態とならず、従ってボルトにこのような方式を採用
することは不可能となっていた。
本考案は、このような課題を解決するためになされたも
ので、上記のような流電陽極方式をボルトに適用するこ
とを可能とし、よってボルトの防食を確実に行うことを
課題とする。
(課題を解決するための手段) 本考案は、このような課題を達成するためになされたも
ので、その課題を解決するための手段は、金具本体1が
鉄よりイオン化傾向の大きい低電位な金属からなり、且
つ該金具本体1の内周面にはボルト7のねじ部7aに螺合
可能なねじ部2が刻設され、しかもその螺合時にボルト
の塗装面から剥離される塗料くずを収容するための凹状
の切欠部3が、前記金具本体1の内周面に形成されてな
ることにある。
(作用) すなわち、上記のような防食用金具をボルト7の先端の
ねじ部7a側に螺合すると、ボルト表面の塗料がその螺合
時に剥離することとなる。
特に、金具本体1の内周面には切欠部3が形成れてなる
ため、その切欠部3の両端部3a,3bによってボルト表面
の塗膜が切削されることとなり、この切削作用により、
塗料の剥離効果が一層良好となるのである。
従って、その螺合後には塗料が剥離されたボルトの金属
面と上記防食用金具とが直接接触し、その結果、ボルト
と防食用金具とが電気的導通状態となる。
この結果、このような防食用金具が螺合されたボルト
を、たとえば海水や地下水,さらには土壌等の電解質媒
体中で使用する場合、ボルトを構成する鉄よりイオン化
傾向の大きい低電位の金属からなる防食用金具が陽極と
なって流電し、従ってボルト側の流電が防止されるため
に、ボルトが防食用されることとなるのである。
一方、上記のようなボルト7と金具本体1との螺合時に
おいては、金具本体1のボルト7への強制的な螺入によ
って、ボルトの表面に塗装された塗料が剥がれるが、金
具本体1の内周面には、上記のような切欠部3が形成さ
れてなるため、剥がれた塗料くずはこの切欠部3内に速
やかに収容されることとなる。従って、剥がれた塗料く
ずがボルト7と金具本体1とのねじ溝間に入り込むこと
もないのである。
(実施例) 以下、本考案の実施例について図面に従って説明する。
第1図は一実施例としてのボルトの防食用金具を示し、
(イ)は平面図、(ロ)は(イ)のA−A線断面図をそ
れぞれ示す。
第1図において、1は全体が亜鉛にて構成された防食用
金具の金具本体で、全体として略丸ダイス形に形成さ
れ、内周面にはねじ2が螺設されてなる。3,3,3はボル
トとの螺合時に剥がれる塗料を収容するための略楕円形
状の切欠部で、前記金具本体1の内周面の等角間隔の3
ケ所に形成されてなる。そして、この切欠部3は、その
両端部3a,3aが鋭角となるように形成されてなる。
そして、上記のような構成からなるボルトの防食用金具
5は、たとえば第2図に示すように土中に埋設される埋
設管のフランジ部6,6の結合を目的とするボルト7の腐
食防止用として使用される。
すなわち、同図のようにフランジ部6,6においてナット
8とともに締結されたボルト7の先端部7a側に前記防食
用金具5が螺合される。
この場合において、防食用金具5はボルト7の先端部7a
に強制的に外嵌螺合されるため、ボルト7の先端部7aに
塗装された塗料が剥離され、その剥離されたボルト7の
金属面と防食用金具5とが直接接触状態となる。
この場合、防食用金具5の金具本体1の内周面には上記
のような切欠部3が形成されてなるため、剥離された塗
料くず9は、金具本体1のねじ2とボルト7の先端部7a
のねじとの間に残存することなく、第2図のように切欠
部3内に速やかに収容されることとなる。
特に、切欠部3は、その両端部3a,3aが鋭角となるよう
に形成されてなるため、その切欠部3の両端部3a,3bに
よってボルト7に塗装された塗膜が切削されて塗料が確
実に剥離されることとなるのである。
そして、上述のように、ボルト7の金属面と防食用金具
5とが直接接触状態となる結果、両者は電気的導通状態
となる。一方、このようなボルト6を埋設している土壌
自体が電解質である。従って、亜鉛製の防食用金具5と
鉄製のボルト7間には電位差が発生し、それに伴い電位
差発生の陽極側たる防食用金具5を構成する亜鉛が亜鉛
イオンとなって土壌中に流出してこの防食用金具5のみ
が腐食し、よって陰極側たる鉄製のボルト7の腐食は防
止されるのである。
尚、上記実施例では金具本体1が略丸ダイス形に形成さ
れてなるが、金具本体1の形状はこれに限定されるもの
ではなく、要は、ボルト7の先端部7bに螺合可能な形状
に形成されていればよい。たとえば第3図に示すように
キャップ状のものであってもよく、さらには第4図のよ
うに平面略六角形のダイス形のものであってもよい。
さらに、上記実施例では切欠部3の両端部3a,3bが鋭角
に形成されてなるため、ボルトの塗装面の剥離が確実に
行われるという好ましい利点が得られたが、このように
切欠部3の両端部3a,3bを鋭角に形成することは必ずし
も必須の条件ではない。
また、切欠部3の形状や個数も上記実施例に限定される
ものではない。
要は、この切欠部3としては、ボルトの塗装面の剥離後
に生ずる塗料のくずが収容されるようなものであればよ
い。
さらに、上記実施例では防食用金具5が亜鉛にて構成さ
れてなるが、この防食用金具5の材質は亜鉛に限定され
るものではない。たとえばアルミニウム,マグネシウム
等の金属を使用することも可能であり、さらにはこれら
の金属の合金を使用することも可能である。要は、流電
陽極となりうるような金属、すなわちボルトを構成する
鉄よりイオン化傾向の大きい低電位の金属であればよ
い。ただし、電極電位の値の有効性や長期使用可能性の
見地からは、亜鉛や、亜鉛と少量のアルミニウムとの合
金の使用が望ましい。
尚、金具本体1の内周面をテーパ状に形成すると、ボル
ト7との螺合時において締め込みが強制的に行われ、従
って塗料の剥離作用がより良好となる。
さらに、上記実施例では土中に埋設される埋設管のフラ
ンジ部において締結されるボルトの防食用として使用す
る場合について説明したが、防食用金具の用途はこれに
限らず、たとえば海水や地下水中で使用することも可能
である。要は、ボルトが陰極側に、且つ防食用金具5が
陽極側となって電位差が発生しうるような電解質媒体中
で使用されればよい。
(考案の効果) 叙上のように、本考案は、金具本体が鉄よりイオン化傾
向の大きい低電位な金属からなり、且つ該金具本体はそ
の内周面にてボルトのねじ部側に螺合可能に形成され、
しかもその螺合時にボルトの外面から剥離される塗料を
収容するための切欠部が、前記ボルトと螺合する金具本
体の内周面に形成されてなるため、このような防食用金
具をボルトの先端部に螺合すると、その螺合時において
ボルト本体に塗装された塗料が剥離されてボルト本体の
金属面と防食用金具とが接触状態すなわち電気的導通状
態となり、よって流電陽極方式での電位差発生により防
食用金具側のみ腐食し、ボルト側の腐食は防止されるこ
ととなる。
よって、極めて小さな防食対象物であり、且つ全面に電
気絶縁性塗料が塗装されたボルトに対しても、流電陽極
方式を採用することが可能となり、その結果、ボルトの
防食効果が従来に比べて格段優れたものになるという格
別顕著な効果を有するに至った。
さらに、金具本体の内周面には切欠部が形成されてなる
ため、ボルトと金具本体との螺合時において、ボルトの
表面に塗装された塗料が上記切欠部の両端部によって切
削されながら剥がれるとともに、剥がれた塗料はこの切
欠部内に速やかに収容され、剥がれた塗料がボルトの金
具本体とのねじ溝間に入り込むこともなく、両ねじ溝間
において目詰まりを生じさせるようなこともなく、従っ
て、防食用金具のボルトへの取付けも容易且つスムーズ
に行えるという利点がある。さらに、上記のような切欠
部が金具本体の内周面に形成されている結果、たとえば
現場での施工や既設埋管に使用する場合には、土,砂,
泥,錆等を排除するために、これら土等を上記切欠部内
に収納することができるという利点がある。
又、防食用金具は螺合することのみによってワンタッチ
でボルトに装着することができ、たとえば船体等の一般
の流電陽極設置作業に比べると、心金や電線等を用いた
煩雑な設置作業が不要である故作業性が良好となり、新
設用,既設用のいずれのボルトに対しても非常に簡易に
防食用金具を装着して電気的導通状態をえることができ
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は一実施例としてのボルトの防食用金具を示し、
(イ)は平面図、(ロ)は(イ)のA−A線断面図。 第2図は使用状態の一部断面正面図。 第3図は他実施例の一部断面正面図。 第4図は他実施例の平面図。 1……金具本体、3……切欠部、7……ボルト

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】金具本体1が鉄よりイオン化傾向の大きい
    低電位な金属からなり、且つ該金具本体1の内周面には
    ボルト7のねじ部7aに螺合可能なねじ部2が刻設され、
    しかもその螺合時にボルトの塗装面から剥離される塗料
    くずを収容するための凹状の切欠部3が、前記金具本体
    1の内周面に形成されてなることを特徴とするボルトの
    防食用金具。
  2. 【請求項2】前記金具本体1の内周面に形成された切欠
    部3の両端部3a,3bが鋭角に形成されてなる請求項1記
    載のボルトの防食用金具。
  3. 【請求項3】前記低電位な金属が亜鉛である請求項1又
    は請求項2記載のボルトの防食用金具。
  4. 【請求項4】前記金具本体1が略丸ダイス形に形成され
    てなる請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のボルト
    の防食用金具。
JP1990053638U 1990-05-23 1990-05-23 ボルトの防食用金具 Expired - Lifetime JPH0645687Y2 (ja)

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JPH0411911U JPH0411911U (ja) 1992-01-30
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