JPH0645474Y2 - コンクリート基礎用アンカーフレーム - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、建物のコンクリート
基礎内に埋め込みされて、上部構造物を基礎に定着する
ためのアンカーボルトの取り付けなどに使用されるコン
クリート基礎用アンカーフレームに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ビルなどを建造する際のコンクリート基
礎工事においては、地業処理した後にその上部に形成さ
れる鉄筋コンクリート基礎中に、枠組されたアンカーフ
レーム本体を埋め込む。このアンカーフレームは、現場
作業の負担を可及的少なくするため、従来から工場で生
産され、枠組された形のままで現場に運搬されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】アンカーフレームを工
場で枠組することにより、現場で部材を溶接などにより
一本一本連結して組み立てる場合に比して、上述のよう
に、現場作業の負担の軽減を図れるだけでなく、その製
作精度を高めることができるという利点がある。しかし
ながら、従来では、工場において枠組されたアンカーフ
レームをそのままの形で現場へ運搬しているので、大型
のアンカーフレームの場合には、当然のように運搬車輌
も大形のものが必要となり、運搬コストの上昇はもちろ
ん、積み降ろし等の作業が非常に大掛かりで、現場作業
の軽減による利点を十分に活かすことができず、アンカ
ーフレームの組付けとは別の意味で面倒な作業を要する
という問題があった。

【０００４】この考案は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、製作精度の向上はもちろん、工
場から現場への運搬および現場での据え付けを容易に行
なうことができるコンクリート基礎用アンカーフレーム
を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この考案に係るコンクリート基礎用アンカーフレー
ムは、枠組されたアンカーフレームを長手方向で複数個
に分割するとともに、各分割体の隣接するもの同士を相
互に折り畳み可能に枢支連結して構成したものである。

【０００６】

【作用】この考案によれば、アンカーフレーム本体を工
場で枠組することで、その製作精度を高いものにできる
のはもとより、工場で枠組されたアンカーフレーム本体
をその長手方向で複数個に分割して、それら分割体の隣
接するもの同士を相互に折り畳むことにより、全体を短
尺でコンパクトなものとして、現場への運搬作業および
現場の所定位置への据え付けが容易になる。また、現場
では、複数個の分割体を展開するだけでよく、精度は保
持することができる。

【０００７】

【実施例】以下、この考案の一実施例を図面にしたがっ
て説明する。図１はこの考案の一実施例によるコンクリ
ート基礎用アンカーフレームを使用した建物のコンクリ
ート基礎部分を示す概略構成図である。

【０００８】図１において、１は栗石２上に形成された
捨てコンクリート部、３は捨てコンクリート部１上に固
められたコンクリート基礎部であり、鉄筋４が埋設され
ている。５は上記コンクリート基礎部３に埋設されたア
ンカーフレームであり、コンクリート基礎部３上に突出
するアンカーボルト６がナット７などで取り付けられて
おり、このアンカーボルト６に対して、図２のように、
上部構造物の鉄骨柱８などが定着されるようになってい
る。

【０００９】上記アンカーフレーム５は、図３に示すよ
うに、製造工場において、長辺部５１Ａ，５１Ｂおよび
短辺部５１Ｃ，５１Ｄをボルト９などで固定して矩形に
枠組されたアンカーフレーム本体５１と、このアンカー
フレーム本体５１の長辺部５１Ａ，５１Ｂ間に架け渡さ
れてボルト１０などで固定された１対を１組とする２組
の筋かい材５２（５２Ａ，５２Ｂ）、５３（５３Ａ，５
３Ｂ）とからなり、各組の筋かい材５２，５３は、それ
ぞれ中央部がボルト１１などで枢着されてＸ字状に配さ
れている。

【００１０】上記アンカーフレーム本体５１は、その長
辺部５１Ａ，５１Ｂがその長手方向で複数個、たとえば
３つに折り畳みできるように３つに分割され、それら分
割体は隣接するもの同志が蝶番１２（１２Ａ，１２Ｂ）
を介して連結されている。

【００１１】このような構成において、アンカーフレー
ム５を工場から現場へ運送する際には、まず、アンカー
フレーム本体５１については、蝶番１２Ａ，１２Ｂの部
分を支点にして、図４に示すように、３つに折り畳む。
また、筋かい材５２，５３についても図４のように、中
央部のボルト１１を中心として折り畳んでおく。このよ
うにすれば、アンカーフレーム本体５１が大形のもので
あっても、折り畳むことによって短尺化、コンパクト化
されるので、筋かい材５２，５３とともに、運搬車輌へ
の積み込みや積み降ろしが楽であるとともに、運搬車両
も小型のものでよくなる。また、現場では、上記アンカ
ーフレーム本体５１を、所定の位置に据え付けて図３の
ように展開し、筋かい材５２，５３を組み付ければ、工
場での枠組段階での精度を保持したままで、鉄筋４とと
もに、コンクリート基礎部３に埋め込み固定することが
できる。

【００１２】なお、上記の実施例では、枠組されたアン
カーフレーム本体５１を３つに折り畳むもので説明した
が、この折り畳み数はアンカーフレーム本体５１の全体
の大きさに応じて増減すればよい。

【００１３】

【考案の効果】以上のように、この考案によれば、枠組
されたアンカーフレーム本体をその長手方向で複数個に
分割して、相互に折り畳み可能に構成したので、工場で
の生産により精度を十分に確保しつつ、工場から現場へ
運ぶ際に上記アンカーフレーム本体を折り畳むことによ
って、短尺コンパクトになり、積み込み、積み卸しなど
の作業を容易にできるとともに、小型の運搬車両での運
搬が可能となって、運搬コストの低減を図ることがで
き、運搬作業全体の合理化、経済化を達成することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例によるコンクリート基礎用
アンカーフレームを使用した建物のコンクリート基礎部
分を示す概略構成図である。

【図２】アンカーフレームによる結合構造を示す断面図
である。

【図３】アンカーフレーム本体および筋かい材を示す平
面図である。

【図４】アンカーフレーム本体および筋かい材の折り畳
み状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

３ コンクリート基礎部 ５ アンカーフレーム本体 ６ アンカーボルト ５１ アンカーフレーム本体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 枠組されたアンカーフレーム本体をその
   長手方向で複数個に分割するとともに、各分割体の隣接
   するもの同士を相互に折り畳み可能に枢支連結して構成
   されていることを特徴とするコンクリート基礎用アンカ
   ーフレーム。