以下では、本発明の実施の形態に係る建物ユニットの施工方法について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ(工程)、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。また、以下の実施の形態において、略同じ又は略正方形などの「略」を伴った表現を用いる場合がある。例えば、略同じは、完全に同じであることを意味するだけでなく、実質的に同じである、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。他の「略」を用いた表現についても同様である。
[実施の形態]
[建物ユニット]
実施の形態に係る建物ユニット1の概要について、図1を用いて説明する。図1は、実施の形態に係る建物ユニット1の外観を模式的に示す斜視図である。建物ユニット1は、建物の一部を構成する。建物ユニット1を用いて建物を建設する際、建設場所に設置された建物ユニット1をコアとして、建物ユニット1の周囲に、玄関、居室等のその他の構造物が構築される。例えば、建物ユニット1を基に、建物の柱、梁、外壁、内壁、天井等が、構築される。このような建物ユニット1は、建物を建設する際のコアとなるコアユニットとも呼ばれる。本実施の形態では、建物ユニット1が適用される建物は、木造住宅であるが、一部のみが木造である非木造住宅でもよく、店舗、工場又は倉庫等の木造若しくは木造以外の非住宅でもよい。建物は、本実施の形態では、二階建てであるが、三階建て以上であってもよく、一階建てであってもよく、さらに地階を有してもよい。
本実施の形態に係る建物ユニット1は、住宅に必要な水廻り設備の多く及び電気設備等を集約して含むコアユニットである。水廻り設備の多くを建物ユニット1に集約することは、小型の住宅においても広い居住空間の確保を可能にする。
本実施の形態では、建物ユニット1は、略直方体状の外形を有する。建物ユニット1の少なくとも1つの側面が建物の外壁を構成してもよい。建物には、1つ以上の建物ユニット1が、配置されてよい。複数の建物ユニット1は、例えば二階建て以上の住宅の一部を構成する。この場合、複数の建物ユニット1は、互いに上下に積み上げられて連結され、複数階の各々を構成してもよい。本実施の形態では、複数の建物ユニット1は、二階建て住宅の一部を構成する第一建物ユニット10及び第二建物ユニット20である。第一建物ユニット10及び第二建物ユニット20の各々は、木造軸組工法によって形成されている。具体的には、第一建物ユニット10及び第二建物ユニット20の各々は、複数の柱、梁などの横架材、面材等によって形成される枠組みを備える。
第一建物ユニット10及び第二建物ユニット20はそれぞれ、複数階のうちの1つの階を構成し、第二建物ユニット20は、第一建物ユニット10の直上階を構成する。本実施の形態では、第一建物ユニット10は、建物の一階を構成し、第二建物ユニット20は、建物の二階を構成する。第一建物ユニット10は、基礎40上に配置され、基礎40に固定される。例えば、基礎40は、建物の基礎と一体化され、建物の基礎と共に施工され得る。基礎40は、例えば、鉄筋コンクリート製の布基礎又はべた基礎であってよく、図2に示されるように、基礎40に埋め込まれ且つ基礎40の上面から上方に向かって突出する複数のアンカーボルト41を有している。アンカーボルト41は、第一建物ユニット10の柱部分の底部に設けられた柱脚金具15に締結され、それにより、第一建物ユニット10を基礎40に固定する。図2は、図1の第一建物ユニット10の土台11と基礎40との関係を示す斜視図である。
複数の建物ユニット1は、工場等の建物の建設場所以外の場所で予め組み立てられる。つまり、第一建物ユニット10及び第二建物ユニット20は、工場等で各種設備が予め組み込まれた工業化ユニットである。建物ユニット1の工場生産化は、高品質且つ高機能な建物ユニット1の製造を可能にし、さらに、建設場所での工期の短縮を可能にする。
工場で組み立てられた、つまり工場生産された第一建物ユニット10及び第二建物ユニット20はそれぞれ、トラックなどの運搬車両によって建設場所に運搬される。運搬された第一建物ユニット10及び第二建物ユニット20は、建設場所で積み重ねて設置され、互いに連結及び固定される。
上述のような第一建物ユニット10及び第二建物ユニット20はいずれも、略直方体状の外形と同等の大きさとを有している。第一建物ユニット10及び第二建物ユニット20の各々は、例えば、トラック等の運搬車両の荷台に載せたときに道路交通法の高さ制限を超えないような高さに設計され得る。第一建物ユニット10及び第二建物ユニット20の各々のサイズは、一例として、平面サイズが約364cm×182cmであり、高さが約273cmである。
[第一建物ユニット及び第二建物ユニットの構成]
第一建物ユニット10及び第二建物ユニット20の具体的な構成を説明する。図1を参照すると、建物の一階を構成する第一建物ユニット10と建物の二階を構成する第二建物ユニット20とはそれぞれ、例えば、木造軸組工法による軸組構造体としての建築構造体を備える。建築構造体は、梁、土台などの横架材及び柱等の建材からなる軸組と、大引き等の建材からなる床組とを備える。横架材は、第一建物ユニット10の土台等を構成し、第二建物ユニット20の梁等を構成する。建築構造体は、工場等の建設場所以外の場所で予め組み立てられる。
図1、図2及び図3を参照すると、第一建物ユニット10の建築構造体は、基礎40上に配置される矩形枠状の土台11、土台11上に建てられる複数の柱12、柱12間にわたって架け渡される面材13、柱12間に配置される複数の間柱14、土台11に架け渡される複数の大引き16、大引き16上に敷設される図示しない床面材、柱12の上部に設置される図示しない天井パネル等によって形成される。なお、図3は、図1の第一建物ユニット10を水平方向に切断する断面を下方に向かう方向IIIで見た断面図であり、第一建物ユニット10の内部の模式的な平面図を示す図でもある。柱12及び間柱14は、上下方向に延在し、土台11及び大引き16は、略水平方向に延在する。本実施の形態では、柱12は、日本において一般的に採用されるピッチである三尺、つまり約90cmのピッチで配置される。
柱12の底部には、柱12と土台11と大引きとを互いに連結する柱脚金具15が取り付けられる。なお、本実施の形態では、第一建物ユニット10は、天井側の梁、具体的には、胴差し及び二階床梁を備えない。そして、第一建物ユニット10の上に第二建物ユニット20を設置したときには、第一建物ユニット10の複数の柱12の上部には、第二建物ユニット20の床側に配置された胴差し及び二階床梁を構成する床側横架材21が、第一建物ユニット10の天井側の梁等を兼ねて、接続される。本実施の形態では、土台11、柱12、面材13、間柱14及び大引き16等の建材は、木材である。
柱12、面材13及び間柱14は、第一建物ユニット10の壁17を形成する。壁17の内側に配置される面材13上には、石膏ボード等の図示しない壁材が、設置され得る。さらに、壁材上に、壁紙が貼り付けられ得る。本実施の形態では、面材13は、壁17の内側及び外側に配置されるが、いずれか一方のみでもよい。柱12、面材13及び間柱14は、土台11に個別に組み付けられてもよく、土台11への組み付けの前に図4に示すような壁パネル18として組み立てられてもよい。そして、壁パネル18が、土台11上に建て込まれることによって、壁17を形成してもよい。図4は、図3の第一建物ユニット10の壁17を構成する壁パネルの一例を示す斜視図である。いずれも場合も、柱12の下端面に形成された係合孔12aに柱脚金具15から突出する連結軸15aを挿入するようにして、土台11に柱12が固定される。
図1及び図5を参照すると、第二建物ユニット20の建築構造体は、床側横架材21、複数の柱22、柱22間にわたって架け渡される面材23、柱22間に配置される複数の間柱24、柱22の上部に配置される天井側横架材25、床側横架材21上に設置される図示しない床材、柱22の上部に設置される図示しない天井パネル等によって形成される。床材は、第一建物ユニット10と同様に、床面材等から構成されてもよい。なお、図5は、図1の第二建物ユニット20を水平方向に切断する断面を下方に向かう方向Vで見た断面図であり、第二建物ユニット20の内部の模式的な平面図を示す図でもある。柱22及び間柱24は、上下方向に延在し、床側横架材21及び天井側横架材25は、略水平方向に延在する。床側横架材21は、胴差し及び二階床梁等によって構成され、天井側横架材25は、二階天井梁等によって構成される。
床側横架材21は、複数の柱22の下部を互いに繋ぎ、天井側横架材25は、複数の柱22の上部を互いに繋ぐ。本実施の形態では、柱22は、床側横架材21の上に配置され、天井側横架材25は、柱22の上端に配置される。なお、床側横架材21及び天井側横架材25は、柱22の側部に配置されてもよい。
本実施の形態では、床側横架材21、柱22、面材23、間柱24及び天井側横架材25等の建材は、木材である。
柱22、面材23及び間柱24は、第二建物ユニット20の壁27を形成する。壁27の内側の面材23上には、石膏ボード等の図示しない壁材が、設置され、さらに、壁材上に、壁紙が貼り付けられ得る。本実施の形態では、面材23は、壁27の内側及び外側に配置されるが、いずれか一方のみでもよい。柱22、面材23及び間柱24は、床側横架材21に個別に組み付けられてもよく、床側横架材21への組み付けの前に、第一建物ユニット10の壁パネル18と同様の壁パネルとして組み立てられ、床側横架材21上に建て込まれてもよい。いずれの場合も、柱22の下端面に形成された係合孔に床側横架材21の上面から突出する複数の連結軸を挿入するようにして、床側横架材21上に柱22が固定される。
[設備]
図1、図3及び図5を参照すると、本実施の形態では、建物ユニット1は、設備を備える。設備は、具体的には、住宅設備であり、例えば、水廻り設備、電気設備、空調換気設備、内装等を含んでいる。各設備は、建物に配置される複数の建物ユニット1の少なくとも1つに、建設場所以外で予め設置されている。
水廻り設備は、例えば、バス(浴室)、トイレ、洗面台及びキッチンの少なくとも1つを含む。水廻り設備は、さらに、給湯器(給湯システム)を含んでもよく、天井裏、床下又は壁内に形成されたパイプスペースに設置される排水管、給水管及び給湯管などの配管等を含んでもよい。
本実施の形態では、第一建物ユニット10の内部に、トイレ31と洗面台32とが設置されている。さらに、第一建物ユニット10の内部には、設備機器の配置が可能なスペース33が設けられている。スペース33には電源コンセントが配置されており、スペース33は、例えば、食品を貯蔵する冷蔵庫等が設置されるパントリとして利用可能である。第二建物ユニット20の内部に、トイレ31と洗面台32とユニットバス34とが設置されている。また、図示しないが、各種配管が、第一建物ユニット10と第二建物ユニット20との間のスペースなどに配置されている。
電気設備は、例えば、分電盤、インターホン、情報盤、各種設備機器を操作するための操作盤、創蓄連携機器(創蓄連携システム)、及び照明等の設備機器を含んでもよい。電気設備は、さらに、スイッチ、コンセント、並びに情報配線及び電気配線等の配線設備を含んでもよい。分電盤、インターホン、情報盤、操作盤、創蓄連携機器、スイッチ、コンセント等は、屋内に配置され得る。各種配線は、天井裏、床下又は壁内に配置され得る。
空調換気設備は、例えば、室内に設置されるエアコンなどの空調室内機、天井裏などに設置される熱交換器、換気扇等を含み得る。空調換気設備は、さらに、パイプスペースに設置されるダクトなどの各種配管を含んでもよい。
内装は、建物ユニット1内の床、壁、天井などに施された仕上げ材、建具、収納具等を含み得る。
なお、上述の各設備の数量及び配置等は、一例に過ぎず、特に限定されない。例えば、本実施の形態では、第一建物ユニット10と第二建物ユニット20との両方が水廻り設備を備える構成が例示されているが、第一建物ユニット10及び第二建物ユニット20の一方のみが水廻り設備を備えてもよい。
[建物ユニットの施工方法]
次に、建設場所で実施される建物ユニット1の施工方法を説明する。具体的には、建設場所において第一建物ユニット10が載置される基礎40の施工方法を説明する。本実施の形態では、基礎40は、建物ユニット1を含む建物の基礎と一体化され、建物の基礎の一部である。このような基礎40は、建物の基礎と同時に構築されてもよい。以下では、建物ユニット1の基礎40を単独にとりあげて説明する。
まず、土台11及び基礎40の構成を、図2を参照しつつ説明する。土台11は、矩形状の平面形状を有する枠を形成する。土台11は、複数の直線状の角材11aを、柱脚金具15を介して矩形枠状に連結することによって、形成されている。本実施の形態では、土台11を構成する角材11aは、木材である。柱脚金具15は、土台11上に立設される第一建物ユニット10の柱12の位置に配置され、柱12と角材11aとを連結する。なお、柱脚金具15は、土台11の角材11aに埋め込まれるように構成されてもよい。又は、柱脚金具15が用いられずに、角材11a同士が接合されよく、さらに、角材11aと柱12とを連結する他の構成の金具が、取り付けられてもよい。
土台11の内側では、複数の大引き16が配置され、柱脚金具15と接合されている。本実施の形態では、大引き16は、対向して位置する柱脚金具15を繋ぐように、格子状に配置されているが、これに限定されない。柱脚金具15が設けられない場合などの柱脚金具15との接合が不可能な場合、大引き16は、角材11aに接合される。本実施の形態では、大引き16は、木材である。
基礎40は、例えば、鉄筋コンクリート製であり、建設場所で建物の基礎と一緒に構築される。基礎40の上面である載置面40a上に、建物ユニット1の土台11及び大引き16が載せられる。載置面40aが、矩形枠状の土台11を全周にわたって支持し、且つ大引き16の全て又は一部を支持する形状を有するように、基礎40は形成される。本実施の形態では、基礎40は、べた基礎である。基礎40は、基礎40の領域全体にわたって砕石地盤等の基礎地盤を覆う底板40cと、底板40cから立ち上がる帯状の立ち上がり部40bとを含む。立ち上がり部40bは、例えば矩形状の断面形状を有し、土台11及び大引き16に沿って延在する載置面40aを上面に形成する。立ち上がり部40bは、土台11及び大引き16に沿って連続して延在してもよく、部分的に途切れて延在してもよい。立ち上がり部40b及び底板40cはそれぞれ、建物の基礎の立ち上がり部及び底板と一体化されている。なお、基礎40の形式は、べた基礎に限定されるものでなく、布基礎等のいかなる基礎形式であってもよい。
また、基礎40の載置面40aでは、基礎40に埋め込まれた複数のアンカーボルト41の先端部分41aが突出している。各アンカーボルト41は、鉄、鋼等の高い強度を有する金属で作製されている。複数のアンカーボルト41は、載置面40aに載せられる土台11の柱脚金具15に対応する位置に配置されている。具体的には、各柱脚金具15の底板に形成された貫通孔である接続孔15bと整合する位置に、各アンカーボルト41は配置されている。つまり、複数のアンカーボルト41は、柱脚金具15及び柱12と同一のピッチである約90cmのピッチで、載置面40aに沿って配置されている。アンカーボルト41の先端部分41aには、雄ねじが形成されている。先端部分41aは、柱脚金具15の接続孔15bに通され、先端部分41aに螺合するナット等の締結部材により締結されることによって、柱脚金具15を基礎40に固定する。各柱脚金具15が基礎40に固定されることによって、土台11が基礎40に固定される。
図6及び図7を参照すると、基礎40は、現場打ちコンクリートによって形成される。つまり、基礎40の形状に合わせて組み立てられた型枠50内に、未硬化のコンクリートを打設することによって、基礎40は構築される。なお、図6は、図2の基礎40を構築する際に組み立てられる型枠の一例を示す斜視図である。図7は、図6の型枠50の角部を斜めに切断する鉛直な断面を方向VIIで見た断面側面図である。
型枠50は、鋼製型枠材又は木製型枠材等の平坦面を有する型枠材を、砕石地盤等の基礎地盤上に立設して組み立てることによって、形成される。型枠材は、基礎40の形状に沿った所定の形状に組まれた図示しない鉄筋を側方から囲み且つその平坦面が基礎40の側面を形成するように、配置される。なお、図6及び図7では、鉄筋、並びに型枠材に設けられる固定部材及び補強部材等の図示を省略している。
また、型枠50の組み立て時、アンカーボルト41が型枠50内に配置される。図7の例では、アンカーボルト41は、J字状の形状を有する丸鋼である。アンカーボルト41は、引き抜き強度を向上するために、湾曲部分を基礎40内に埋め込み、直線部分を基礎40から先端部分41aとして突出させて配置される。
アンカーボルト41は、延長部材71及び把持部材72を介して、型枠50に固定される。
延長部材71は、型枠50内に配置されたアンカーボルト41の先端部分41aと連結され、それにより先端部分41aを型枠50よりも上方に延長するように延在する。延長部材71は、長ナット(高ナットとも呼ばれる)71aと、長ナット71aの雌ねじ孔に螺合する長ねじ71bとによって構成されている。ここで、長ねじ71bは、軸部材の一例である。
長ナット71aは、その雌ねじ孔の軸方向での高さが、通常の六角ナットよりも大きいナットである。通常の六角ナットとは、例えば、日本工業規格のJIS B 1181:2014に規定される1種、2種及び3種の六角ナットうちの1種の六角ナットである。長ナット71aは、後述するように両端から雄ねじが螺合するため、通常の六角ナットの2倍を超える高さを有することが望ましい。
長ねじ71bは、長ナット71aの一方の端部から雌ねじ孔に螺合し、アンカーボルト41の先端部分41aは、長ナット71aの他方の端部から雌ねじ孔に螺合する。上記2つの螺合によって、長ねじ71bは、長ナット71aを介してアンカーボルト41と同軸上で連結される。また、長ねじ71b及びアンカーボルト41の連結部材として長ナット71aが用いられるため、長ねじ71b及びアンカーボルト41の螺合長が、十分に確保され、それにより、長ナット71aに対する長ねじ71b及びアンカーボルト41のガタつき及び曲がり等が抑制される。
型枠50よりも突出して上方に延びる長ねじ71bは、長ねじ71bを把持する把持部材72を介して、型枠50に固定される。把持部材72は、一方の端部の第一把持部72aで長ねじ71bを把持し、他方の端部の第二把持部72bで型枠50の端部を把持し、それにより、長ねじ71bを型枠50に固定する。把持部材72は、第一把持部72aと第二把持部72bとの距離を変更することができるように構成される。例えば、第一把持部72aと第二把持部72bとの距離を変更するように、第一把持部72aが移動可能に設けられてもよく、又は、把持部材72が伸縮可能であってもよい。これにより、把持部材72は、型枠50に対して長ねじ71bを略水平方向に位置調節することができる。また、把持部材72は、第一把持部72aの向きを変えることができるようにも構成される。例えば、第一把持部72aの向きを変えるように、第一把持部72aが回転可能に設けられてもよく、又は、第二把持部72bによる型枠50を把持する向きを変更することによって、第一把持部72aが向きを変えてもよい。これにより、把持部材72は、長ねじ71bの軸方向を略鉛直方向にして長ねじ71bを把持することができる。よって、長ねじ71b及びアンカーボルト41は、軸方向を略鉛直方向にして型枠50に対して所定の位置に配置されることができる。
また、複数のアンカーボルト41それぞれと連結された長ねじ71bの平面的な位置決めをするためのテンプレート73が、型枠50の上に配置される。テンプレート73は、複数のアンカーボルト41の平面的な位置決めをする要素である。ここで、テンプレート73の構成を説明する。
図2、図6、図7及び図8を参照すると、テンプレート73は、複数の部材で構成されている。具体的には、テンプレート73は、基礎40の載置面40aの延在方向に沿った長ねじ71bの配列及びピッチ、つまりアンカーボルト41の配列及びピッチ(すなわち、約90cmピッチ)を示す複数の第一指標部材74と、載置面40aの延在方向と交差する方向に沿った長ねじ71bつまりアンカーボルト41の配列及びピッチを示す複数の第二指標部材75を含む。なお、基礎40の載置面40aの延在方向は、アンカーボルト41の配列方向でもある。また、図8は、図6のアンカーボルト41位置決め用のテンプレート73を分解して示す斜視図である。ここで、第一指標部材74は、第一部材の一例であり、第二指標部材75は、第二部材の一例である。
第一指標部材74及び第二指標部材75は、金属等の剛性を有する材料から作製される。本実施の形態では、各指標部材74及び75は、剛性を有し、直線状の細長の金属板で構成される。互いに交差する2つの第二指標部材75は、互いの交差部で枢軸回転可能に接続されている。第一指標部材74及び第二指標部材75は、これらを人力で持ち運ぶことを可能にするように軽量に作製され、例えば、第一指標部材74及び第二指標部材75を構成する金属板の板厚は、数mm程度であり、第一指標部材74及び第二指標部材75は、鉄板、又はステンレス板、又は軽量なアルミニウム若しくはアルミニウム合金の板から作製され得る。
複数の第一指標部材74は、基礎40の立ち上がり部40bにおいて載置面40aを有する部分、つまりアンカーボルト41が配置される部分である矩形状の外枠部分40baに沿って、矩形枠状に配置される。複数の第一指標部材74は、外枠部分40baの長辺部分40baa及び40bacそれぞれに沿って配置される長辺側指標部材74a及び74cと、外枠部分40baの短辺部分40bab及び40badそれぞれに沿って配置される短辺側指標部材74b及び74dとで構成される。長辺側指標部材74a及び74cはそれぞれ、長辺部分40baa及び40bacの全てアンカーボルト41にわたる長さを有し、アンカーボルト41の配列に沿って延在する。短辺側指標部材74b及び74dはそれぞれ、短辺部分40bab及び40badの全てアンカーボルト41にわたる長さを有し、アンカーボルト41の配列に沿って延在する。長辺側指標部材74a及び74c並びに短辺側指標部材74b及び74dは、外枠部分40baの4つの角部における長ねじ71b及びアンカーボルト41の位置で互いに接続され、略矩形形状を形成する。
なお、本実施の形態では、外枠部分40baの長辺部分40baa及び40bacそれぞれに5つのアンカーボルト41が配置され、外枠部分40baの短辺部分40bab及び40badそれぞれに3つのアンカーボルト41が配置され、総計で12のアンカーボルト41が配置される。長辺部分40baa及び40bacそれぞれの5つのアンカーボルト41は、互いに対向する位置に配置される。短辺部分40bab及び40badそれぞれの3つのアンカーボルト41は、互いに対向する位置に配置される。
長辺側指標部材74a及び74cそれぞれには、長辺部分40baa及び40bacにおいて5つのアンカーボルト41が配置されるべき配列及びピッチと同一の配列及びピッチで、5つの貫通孔である位置合わせ孔74eが形成されている。短辺側指標部材74b及び74dそれぞれには、短辺部分40bab及び40badにおいて3つのアンカーボルト41が配置されるべき配列及びピッチと同一の配列及びピッチで、3つの貫通孔である位置合わせ孔74eが形成されている。各位置合わせ孔74eは、長ねじ71bの断面に整合する形状及び寸法で形成されている。
さらに、図7に最もよく示されるように、長辺側指標部材74a及び74c並びに短辺側指標部材74b及び74dそれぞれには、各位置合わせ孔74eを囲む筒状のガイド部74fが一体に形成されている。各ガイド部74fは、板状の長辺側指標部材74a若しくは74c又は短辺側指標部材74b若しくは74dと略垂直に交差する方向を軸方向として形成され、筒状をした位置合わせ孔74eを形成する。さらに、各ガイド部74fは、長辺側指標部材74a及び74c並びに短辺側指標部材74b及び74dの板厚よりも長い位置合わせ孔74eを形成する軸方向長さを有している。つまり、各ガイド部74fは、長辺側指標部材74a及び74c並びに短辺側指標部材74b及び74dから突出する。これにより、長ねじ71bの雄ねじが、位置合わせ孔74eで第一指標部材74と噛みあうことが抑えられる。ガイド部74fの軸方向長さを、長ねじ71bの雄ねじのネジ山のピッチよりも大きくすることによって、ガイド部74fは、長ねじ71bの雄ねじと噛みあうことを効果的に抑え得る。
各第二指標部材75は、長辺部分40baaのアンカーボルト41と長辺部分40bacのアンカーボルト41とを、長辺部分40baa及び40bacと斜めに交差する方向で繋ぐ長さを有している。さらに、各第二指標部材75では、第二指標部材75が繋ぐ2つのアンカーボルト41が配置されるべきピッチと同一のピッチで、貫通孔である位置合わせ孔75aが形成されている。各位置合わせ孔75aは、長ねじ71bの断面に整合する形状及び寸法で形成されている。
さらに、図7に最もよく示されるように、各第二指標部材75には、各位置合わせ孔75aを囲む筒状のガイド部75bが一体に形成されている。各ガイド部75bは、板状の第二指標部材75と略垂直に交差する方向を軸方向として形成され、筒状をした位置合わせ孔75aを形成する。さらに、各ガイド部75bは、第二指標部材75の板厚よりも長い位置合わせ孔75aを形成する軸方向長さを有している。これにより、長ねじ71bの雄ねじが、位置合わせ孔75aで第二指標部材75と噛みあうことが抑えられる。ガイド部75bの軸方向長さを、長ねじ71bの雄ねじのネジ山のピッチよりも大きくすることによって、ガイド部75bは、長ねじ71bの雄ねじと噛みあうことを効果的に抑え得る。
2つの第二指標部材75を枢軸回転可能に支持する回転軸75cは、2つの第二指標部材75の4つの位置合わせ孔75aそれぞれがこれらに対応するアンカーボルト41の位置に配置されたときにできる2つの第二指標部材75の交差部分に、位置する。第二指標部材75及び回転軸75cは、回転軸75cを枢軸として互いに組み付けられて、指標部材組立体76を形成する。指標部材組立体76は、2つの第二指標部材75それぞれの一端の位置合わせ孔75aが位置決めされると、他の2つの位置合わせ孔75aを自動的に位置決めする。本実施の形態では、2つの指標部材組立体76が、用いられる。
第二指標部材75の両端の2つの位置合わせ孔75aのピッチは、長辺部分40baaの第1のアンカーボルト41と、第1のアンカーボルト41と対向する位置にない長辺部分40bacの第2のアンカーボルト41との間のピッチと同一である。本実施の形態では、第2のアンカーボルト41は、第1のアンカーボルト41と対向する位置の長辺部分40bacのアンカーボルト41の2つ隣りのアンカーボルト41である。
2つの指標部材組立体76のうちの第一指標部材組立体76aの4つの位置合わせ孔75aの位置は、短辺部分40babの両端の2つのアンカーボルト41の位置と、長辺部分40baa及び40bacそれぞれの中央の2つのアンカーボルト41の位置とに整合することができる。よって、第一指標部材組立体76aは、上記4つのアンカーボルト41間の2つの対角方向のピッチを指標することができる。具体的には、第一指標部材組立体76aは、1坪の領域である約180cm×約180cmの正方形領域の4つの角に配置される4つのアンカーボルト41の2つの対角方向のピッチを指標する。
2つの指標部材組立体76のうちの第二指標部材組立体76bの4つの位置合わせ孔75aの位置は、短辺部分40badの両端の2つのアンカーボルト41の位置と、長辺部分40baa及び40bacそれぞれの中央の2つのアンカーボルト41の位置とに整合することができる。よって、第二指標部材組立体76bは、上記4つのアンカーボルト41間の2つの対角方向のピッチを指標することができる。具体的には、第二指標部材組立体76bは、1坪の領域である約180cm×約180cmの正方形領域の4つの角に配置される4つのアンカーボルト41の2つの対角方向のピッチを指標する。
型枠50の上に配置するためにテンプレート73を組み立てる場合、長辺側指標部材74a及び74c並びに短辺側指標部材74b及び74dは、それぞれの両端の位置合わせ孔74eを互いに位置合わせして略矩形形状に組まれる。さらに、長辺側指標部材74a及び74cの両端及び中央の位置合わせ孔74eに、第一指標部材組立体76a及び第二指標部材組立体76bそれぞれの位置合わせ孔75aを重ねるように位置合わせすることによって、長辺側指標部材74a及び74c並びに短辺側指標部材74b及び74dの配置形状は、略矩形形状をした所望の配置形状に自動的に調節される。このとき、長辺側指標部材74a及び74cの中央の位置合わせ孔74eで、第一指標部材組立体76a及び第二指標部材組立体76bの位置合わせ孔75aが重なる。そして、上記所望の配置形状では、長辺側指標部材74a及び74c並びに短辺側指標部材74b及び74dの全ての位置合わせ孔74eの位置が、全てのアンカーボルト41の配置されるべき位置に整合する。
上述のように組み立てられた第一指標部材74及び第二指標部材75は、外周枠を形成する長辺側指標部材74a及び74c並びに短辺側指標部材74b及び74dと、これらの内側で筋交い状に延在する第一指標部材組立体76a及び第二指標部材組立体76bとによって形成される骨組み状のフレームを形成する。なお、上述のフレームにおいて、長辺側指標部材74a及び74cの代わりに、2つの短辺側指標部材74b及び74dを用いてもよい。また、約180cm×約180cmの正方形の4つの角のアンカーボルト41の位置を指標する指標部材組立体76と、約360cmの直線上のアンカーボルト41の位置を指標する長辺側指標部材74a及び74cと、約180cmの直線上のアンカーボルト41の位置を指標する短辺側指標部材74b及び74dとを組み合わせて用いることによって、本実施の形態の平面形状に限定されない種々の平面形状の基礎40に配置されるアンカーボルト41の位置決めを行うことができる。特に、平面寸法を規定して工場生産される建物ユニット1の基礎40は、一定の平面形状を有するため、上述のようなテンプレート73を用いたアンカーボルト41の位置決めは、効率的である。
上述のような構成を有するテンプレート73を用いて長ねじ71b及びアンカーボルト41を位置決めする場合、まず、例えば基礎40の角部に位置する長ねじ71b及びアンカーボルト41の1つの組立体が、スケール等の測定器具を用いて型枠50に対して位置決めされ且つ固定される。なお、長ねじ71b及びアンカーボルト41の組立体は、長ナット71aを介して連結された長ねじ71b及びアンカーボルト41で構成される。
次いで、位置合わせ孔74e及び75aを位置合わせして第一指標部材74及び第二指標部材75がフレーム状に組み立てられたテンプレート73が、型枠50に固定されている長ねじ71bと接続される。具体的には、テンプレート73における上記長ねじ71bと対応する位置の位置合わせ孔74e及び75aに上記長ねじ71bを挿入するようにして、テンプレート73が型枠50上に配置される。さらに、上記長ねじ71bを支点としてテンプレート73を回動させることによって、テンプレート73が、型枠50に対して位置決めされる。なお、テンプレート73の組み立て及び位置決めは、長ねじ71bへのテンプレート73の設置と並行して実施してもよい。つまり、あらかじめフレーム状に組み立てることなしに、長ねじ71bに設置した組み立て前の第一指標部材74及び第二指標部材75を基準に、他の組み立て前の第一指標部材74及び第二指標部材75が組み立てられてもよい。
その後、テンプレート73の位置合わせ孔74e及び75aそれぞれに、長ねじ71b及びアンカーボルト41の組立体の長ねじ71bが挿入され、その軸方向を略鉛直にして、把持部材72を介して型枠50に固定される。このように、テンプレート73の位置合わせ孔74e及び75aによって、長ねじ71b及びアンカーボルト41が容易に位置決めされる。基礎40の形状に合わせて組み立てられた型枠50内に、未硬化のコンクリートを打設することによって、基礎40は構築される。なお、型枠50内に、未硬化のコンクリートを打設した後、長ねじ71b又はアンカーボルト41にテンプレート73を接続してもよい。
[効果など]
以上のように、実施の形態に係る建物ユニット1の施工方法は、建設場所以外で予め組み立てられる建物ユニット1の施工方法である。上記方法では、建設場所で建物ユニット1が載置される基礎40を施工する際に、建物ユニット1の下部の複数の接続孔15bに挿入される複数のアンカーボルト41を、接続孔15bと対応する位置に位置決めして基礎40に設置し、複数のアンカーボルト41の位置決めでは、複数の接続孔15bと対応する位置の指標を有するテンプレート73を用いる。さらに、テンプレート73は、互いに接続されてフレーム状に組み立てられる複数の部材を含み、複数の部材は、基礎40におけるアンカーボルト41の配列に沿って延在する複数の第一指標部材74と、上記配列と交差する方向に延在し且つ複数の第一指標部材74間で筋交い状に延在する第二指標部材75とを含む。
上述の方法において、テンプレート73を用いることによって、複数のアンカーボルト41を、複数の接続孔15bそれぞれと対応する位置に位置決めすることが、高い精度で容易に実施することができる。特に、テンプレート73では、第二指標部材75は、複数の第一指標部材74と接続されることによって、接続された複数の第一指標部材74の相対位置を定め且つ固定することができる。さらに、第二指標部材75は、アンカーボルト41の配列と交差する方向に第一指標部材74間で筋交い状に延在するため、第一指標部材74を精度よく位置決めすることができる。これにより、組み立てられたテンプレート73は、複数の指標の位置関係を精度よく保持することができる。そして、建物ユニット1は、接続孔15bに、上述のように位置決めされたアンカーボルト41を挿入させつつ基礎40上に載置される。よって、建物ユニット1の設置位置の設定を容易にしつつ設置位置の精度を向上することが、可能になる。
実施の形態に係る建物ユニット1の施工方法では、テンプレート73は、複数の第二指標部材75を含み、互いに交差して延在する第二指標部材75が、交差部分で回転可能に接続される。上述の方法において、2つの第二指標部材75それぞれの一端が位置決めされると、それぞれの他端が自動的に位置決めされる。よって、複数の第二指標部材75の位置決めが容易になる。
実施の形態に係る建物ユニット1の施工方法では、アンカーボルト41に着脱可能な延長部材71を連結し、延長部材71を、上記指標としてテンプレート73に形成された位置合わせ孔74e及び/又は75aに挿入して位置合わせする。上述の方法において、アンカーボルト41の長さが短い場合でも、延長部材71を介して、テンプレート73を用いたアンカーボルト41の位置決めが可能である。延長部材71の位置決めは、位置合わせ孔74e及び/又は75aに延長部材71を挿入するだけで実施され得るため、容易である。
さらに、実施の形態に係る建物ユニット1の施工方法において、延長部材71は、雄ねじが形成された長ねじ71bと、長ねじ71bが螺合する長ナット71aとを含み、延長部材71及びアンカーボルト41の連結では、長ナット71aの両端に、長ねじ71bの雄ねじ及びアンカーボルト41に形成された雄ねじを螺合する。上述の方法において、延長部材71とアンカーボルト41とを着脱可能に容易に連結することができる。さらに、長ナット71aに螺合する長ねじ71b及びアンカーボルト41は、それぞれの螺合長を大きくとることができる。よって、長ねじ71b及びアンカーボルト41は、長ナット71aでのガタつき、曲がり等を抑えて直線的に安定して連結されることができる。
実施の形態に係る建物ユニット1の施工方法では、基礎40は、現場打ちコンクリート製であり、延長部材71を、基礎40を形成するためコンクリートが打設される型枠50よりも上方に突出させて配置する。上述の方法において、型枠50の上方に配置されたテンプレート73を用いた延長部材71及びアンカーボルト41の位置決めが可能になる。
実施の形態に係る建物ユニット1の施工方法では、テンプレート73は、位置合わせ孔74e及び75aそれぞれを筒状に形成するガイド部74f及び75bを有する。上述の方法において、位置合わせ孔74e及び75aの軸方向長さが、テンプレート73の部材厚と同一であり、この部材厚が延長部材71の長ねじ71bの雄ねじのネジ山のピッチ以下であると、位置合わせ孔74e及び75aへの長ねじ71bの挿入時、テンプレート73が長ねじ71bの雄ねじに引っ掛かり易くなる。よって、位置合わせ孔74e及び75aへの長ねじ71bの挿入が、困難になる。位置合わせ孔74e及び75aを筒状にすることによって、位置合わせ孔74e及び75aの軸方向長さの確保が容易になるため、テンプレート73と長ねじ71bの雄ねじとの引っ掛かりの低減が可能になる。
実施の形態に係る建物ユニット1の施工方法では、第一指標部材74及び第二指標部材75の位置合わせ孔74e及び75aを位置合わせすることによって、第一指標部材74同士、又は、第一指標部材74及び第二指標部材75を接続し、テンプレート73を組み立てる。上述の方法において、第一指標部材74同士、並びに、第一指標部材74及び第二指標部材75を接続するための指標を別途設ける必要がない。さらに、それぞれの位置決めは、位置合わせ孔74e及び75aを用いて実施されるため、容易である。また、位置合わせ孔74e及び75aは、アンカーボルト41の位置の指標も兼ねるため、テンプレート73の組み立てとアンカーボルト41の位置決めとが、並行して実施され得る。
[その他]
以上、本発明について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
実施の形態では、2つの建物ユニット1が備えられる例について示したが、建物ユニット1は1つのみ又は3つ以上であってもよい。
実施の形態では、2つの建物ユニット1が建物の1階と2階とをそれぞれ構成する例について示したが、これに限定されない。建物ユニット1は、3階以上の上層階を構成してもよく、地下1階等の地階を構成してもよい。
実施の形態では、1つ以上の建物ユニット1が木造軸組工法によって形成される例について示したが、これに限定されない。例えば、2×4工法などの木造枠組壁工法、又は、鉄骨造等の他の工法が、建物ユニット1に用いられてもよい。よって、建物ユニット1の柱材は、木材に限らず、鉄骨材でもよい。また、建物ユニット1の柱材は、建物ユニット1の枠の一部でもよい。
実施の形態では、建物ユニット1の側面には、外壁の施工がなされなかったが、これに限定されるものでない。建物ユニット1の側面が建物の外壁になる場合、板壁、塗壁又は張壁などの外壁の施工がなされてもよい。外壁の施工は、工場で予め行われてもよく、建設場所で行われてもよい。
実施の形態では、テンプレート73を用いて建物ユニット1の基礎40にアンカーボルト41を位置決めする方法に関して説明したが、この方法は、建物ユニット1が配置される場所以外の建物の基礎にアンカーボルトを位置決めする場合に適用してもよい。
実施の形態では、テンプレート73を用いたアンカーボルト41の位置決めは、建物ユニット1の矩形状の平面形状をした基礎40に適用されていたが、これに限定されるものでなく、基礎40の平面形状はいかなる形状であってもよい。
実施の形態では、現場打ちコンクリート製の基礎40のコンクリート打設前にアンカーボルト41を位置決めするために、テンプレート73が用いられていたが、これに限定されるものでない。いかなる基礎へのアンカーボルト41の位置決めのために、テンプレート73が用いられてもよい。例えば、硬化後のコンクリート製の基礎40、及びコンクリート以外の材料から作製された基礎40に穿孔しアンカーボルト41を設置する場合に、穿孔位置の位置決めのために、テンプレート73が用いられてもよい。
実施の形態では、テンプレート73は、第二指標部材75の2つの位置合わせ孔75aの一方が、第一指標部材74の端部の位置合わせ孔74eと位置合わせされるように構成されていたが、これに限定されるものでない。第二指標部材75の2つの位置合わせ孔75aの両方が、第一指標部材74の端部の位置合わせ孔74eと位置合わせされるように構成されてもよく、第一指標部材74の端部の位置合わせ孔74eと位置合わせされないように構成されてもよい。又は、第一指標部材74と第二指標部材75との接続部は、位置合わせ孔74e及び75aでなくてもよい。また、指標部材組立体76の第二指標部材75の位置合わせ孔75aは、第一指標部材74の1つの位置合わせ孔74eを挟んで隣り合う2つの位置合わせ孔74eと位置合わせされていたが、これに限定されるものでない。第二指標部材75の位置合わせ孔75aは、第一指標部材74の隣り合う2つの位置合わせ孔74eと位置合わせされてもよく、2つ以上の位置合わせ孔74eを挟んで隣り合う2つの位置合わせ孔74eと位置合わせされてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。